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IRUCAA@TDC : 上下顎臼歯の発育に伴う対向位置の変化に関する研究 : 第一,第二乳臼歯と第一大臼歯について

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Academic year: 2021

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(1)Title Author(s) Journal URL. 上下顎臼歯の発育に伴う対向位置の変化に関する研究 : 第一,第二乳臼歯と第一大臼歯について 宮, 博文 歯科学報, 95(2): 121-140 http://hdl.handle.net/10130/2524. Right. Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/.

(2) 121. 原    著上下顎臼歯の発育に伴う対向位置の変化に関する研究* -第一,第二乳臼歯と第-大臼歯について宮   博 文 佐藤歯学研究所 (指導:佐藤藁勝博士) 年10月20日受付) 年11月8日受理). Change of Occlusion with Opposing Positions of Ma・Ⅹillar. and Mandibular Molars with Age and Growth - Deciduous First and Second Molars and Permanent First Molars Hirofumi MIYA Sato Institute of Dental Research (Director : Dr. Sadakatsu Sato). 乳歯および永久歯の対向位置については現在までにい. 緒     言. くつかの報告がみられる34)尋3)o. 乳歯列親から永久歯列が完成されるまでの発育過程に. 岩崎46)は3歳児の下顎の乳前歯,乳犬歯,乳臼歯が上. おいて,下顎歯牙が上顎同名歯に対向する位置はどのよ. 顎歯に対する対向関係について報告しているO. うに変化をするかは,唆合形成の過程において歯科学上 に重要であると考えられる。歯牙の対向位置の経年変化. 小野(俊 は3歳から6歳児までの小児の上下顎乳歯. に影響をおよぼす要因としては,身体の成長発育に伴う. 列の模型を用いて.上下寛乳歯唆頭頭の対向開係につい. 歯列弓形態の長径・幅径の変化。弓8),側方歯群の交換19). て報吾している。 高橋48)は7歳から13歳まで,小林49)は15歳から18歳ま. 受。,歯間空隙の変化 乳歯と永久歯の出願順序. で,笠原50)は16歳から18歳までを対象として,岩崎46)と. 等が考えられる。. 同様の方法で永久歯について観察し,小林49)は下顎歯牙 の前歯切縁中点,犬歯尖頭および臼歯唆頭領の上顎歯牙 に対する対向部位を,笠原50)は上寛歯牙の下顎歯牙に対 する位置的関係について報曹している。. *本論文の要旨は,第237回  回  回東京歯科大 学学会(平成元年6月10日,平成3年6月8日,平成3 年11月19日,千葉),第38回日本口腔衛生学会総会(平成 元年10月22日,千葉),第31回日本歯科医療管理学会大会 (平成2年6月3日,千葉)において発表したo -. 小室5°は2カ月間隔で6年間にわたり連続採得した上 下顎歯列の石膏模型を用いて成長発育に伴う上下顎歯牙 の対向する位置の経年的な変化について観察を行ってい 1. -.

(3) 宮:上下顎臼歯の発育に伴う対向位置の変化に関する研究. 122. 、\. る。乳中切歯・乳側切歯・乳犬歯について追跡を行な い,下顎乳切歯切縁中点および乳犬歯尖頭の対向位置は 対向初期には上顎同名歯の舌側近心歯肇部に対向する が,経年的に歯冠部舌側の近心中央部を経過し,近JL、切 縁部近くまで対向位着の変化がみられることを報吾して いる。 著者は,小室51)が研究に用いた資料を含む石膏模型を 用い,乳歯列親から永久歯列が完成するまでの発育過程 において,第一乳臼歯,第二乳臼歯および第一大臼歯の 対向位置が経年的にどのような変化をするかについて連 続的に調査観察を行ったo 研究膏料と研裏方法 上 研究資料 本研究に用いた資料は,済生会乳児院(栃木県宇都宮 市),ならびに社会福祉法人普慮園(栃木県宇都宮市)に 在籍している小児である。これらの被検者については, 生後3カ月から13歳2カ月までの間を2カ月間隔に1, 月の年間6回,同一個人について口 腔内診査を行ったのち上下項の印象採待を行った。印象. 待後ただちに硬石膏(ニューブラスト-ン)を住人して上 下顎歯列模型を作製した。 今回用いた対向位置の調査歯は男女とも第-乳臼歯, 第二乳臼歯および第一大臼歯とし,寡-,第二乳臼歯は 対向開始時より後続永久歯と交換するまで,第-大臼歯 については対向開始時より13歳2カ月までについて調査 を行った。 また,対向位置の調査に当たっては,正常歯列と判定 されたもののなかから,出敵未完了歯で同名歯との対向 不能,印象の不鮮明,石膏のあれ,観察期間中に発生し た顧亜等は計測不能として除外し,男子67名,女子43 名,合計110名を調査の対象として選んだ。 これらの下顎歯牙の各頑側唆頭項が上顎歯牙に対する 対向位置の経年的な変化について調査観察を行い調査人 数,調査模型組数,および対向位置の調査部位数を(義 に示した。 なお.年齢別歯牙計測歯数および,調査対象者男女 別,年麻分布図は(表   に示した。また,成績には 変動分布値(%)で表わした。. 採得は歯科用アルギン酸印象材を用いて行った。印象採. 表1調査入貢および調査模型組数. 表2 計測部位および計測箇所数. 歯 入貢 性 種 ..第一乳臼歯 第二乳臼歯 第一大白歯 模型数 別. 調査入貢数. 男子. 67名. 67名. 18名. 女子. 43名. 43名. 14名. 計. 110名. 110名. 32名. 組. 組. 370組. 男子. 風. 男 千. 計測部位. 歯 種. 近 心慮 側 唆 頭 遠 JL、頑 側 唆 頭. 女子 計. 612組. 56 9組. 357組. 級. 727組. - 2 -. 693 カ所. 遠心唆亘 貢/ 近 心頑 側 唆 亮 貢. 1144. 11055 890. 667293. 遠 心東 側 唆 頭. 1119. 1064. 671. 1056. 671. 遠. JL、. 唆. 衰 貢. 2030. カ所. 693. 千. 組. カ所 1924. 女. 調査 模型数. # - 乳臼# 第二乳臼歯 第J 大臼歯.

(4) 歯科学報 Vo上. 123. 表3 年令別・歯牙別の計測歯数 性. * *. (y lm ) &. 別. *. 男 第 一 乳 臼歯. 子 第 二 乳 臼 歯. 女. 第 J 大 臼 歯. 第 J 乳 臼歯. 子 第 二 乳 白 歯. 第 一 大 臼 歯. 1. 0 1. 工 1. 工 工 2. 2. 2. 2. 2. 2. 3. 3. 3. 3. 3` 3. 4. 4. 4. 4. 4. 4. 5. 5. 5. 5. 5. 5. 6. 6. 6.. 2 4 6 8 10 0 2 4 6 8 10 0 2 4 6 8 10 0 2 4 6 8 10 0 2 4 6 8 10 0 2 4. 6. 6 6. 8 6. 10 7. 0 7. 2 7. 4 7. 6 7. 8 7. 10 8. 0 8. 2 8. 4 8. 6 8. 8 8. 10 9. 0 9. 2 9. 4 9. 6 9. 8 9. 1 0 10. 0 10. 2 10. 4 . 10. 6 10. 8 10. 1 0 l上 o ll . 2 ll . 4 ll . 6 1上 8 ll. 1 0 12 . 0 12 . 2 12 . 4 12 . 6 12 . 8 12 .1 0 13 . 0 13 . 2. 10 31 30 32 34 38 36 50 44 50 52 58 58 68 58 64 76 76 70 71 66 66 56 58 51 46 46 45 36 32 36 33 31 31 31 31 31 31 31 29 27 27 21 25 20 19 14 12 8 12 10 8 5 6 3 2 1 1 1 1 1 1 1 1. 2 10. 2 8 13 25 37 36 48 51 58 58 68 58 64 76 76 70 71 66 66 56 57 51 46 46 47 38 34 39 36 34 34 34 33 33 33 33 31 26 28 23 26 22 24 18 14 9 13 13 10 7 9 8 5 5 4 4 3 2 2 2 1. 1 1 3 9 14 16 16 21 25 30 32 31 30 30 26 30 26 28 22 18 14 20 20 20 16 20 18 14 16 16 14 16 12 12 14 10 8 7 5 5 3 2 4. - 3 -. 10 20 20 20 26 22 24 22 26 30 34 20 24 24 26 28 34 28 34 42 42 36 34 30 18 18 20 20 20 18 18 18 22 22 22 19 21 19 16 18 16 19 20 20 16 14 14 9 13 10 5 7 6 5 3 1 1. 1 8 16 17 22 26 30 34 20 24 24 26 28 34 28 34 42 42 36 34 30 18 18 20 20 20 千8 18 18 21 19 21 18 20 18 16 18 16 19 21 20 千6 16 16 12 13 13 10 9 6 5 4 5 4 4 2 2 1. 2 2 2 2 4 4 5 5 6 8 14 19 20 18 22 20 18 20 18 22 24 24 20 20 20 15 20 18 16 18 18 20 16 16 16 16 17 17 14 14 10 14 14 8 10 12 12 10.

(5) 宮:上下顎臼歯の発育に伴う対向位置の変化に関する研究. 124. 表4 調査対象者男女別年麻分布. 姿 料 番 号 男 千. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ll 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67. 年 1. 2. 3. 4. 5. 6. 齢 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. # * 番 号 女 千. ....... -. - 4 -. 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 10 1 102 103 104 10 5 106 107 108 109 110. 年 1. 2. 3. 4. 5. 齢 6. -. .......-. . ......l -. -. 7. 8. 9. 10 11 12. 13.

(6) 歯科学報 Vol.95,No.2(1995) 2.研究方法 1)乳歯列および混合歯列における上下顎同名歯の対. 125. 2)上下顎歯列の対向図の作製 上下顎歯牙の対向位置の表し方は次のように行 校合器に中心吹合位で装着した石膏模型の,上下顎歯. 向位置の決定. 上下顎の対向関係ほ中心喋合位に設定した。まず被検 牙問に赤色校合紙を挿入して校合させ,上下顎模型の接. 者に上下顎歯列印象採得後中心呟合位で岐合するように 触部分を赤色に印記させた。(図2−a,b〉 訓練を行い校合状態を確認し,BiteⅥ7aXを用いて中心. つぎに1上下顎歯牙の接触部分が赤色に印記された石 膏模型を実物反射投影器(Ennaeabln)(区H〉を用い 唆台位での岐合採得を行った。上下顎石膏模型完成後前 記のWaxbite右用いて上下顎模型を呟合させて簡易校 て3倍に拡大して投影を行った。 合器に装着した。(図1a,b,C). 歯牙のトレ「スを行う際に瞭頭頂の位置が容易に確認 できるように予め模型上の唆頭頂を黒く印記してお善, また,トレスの際に左右のズレを防ぐために模型上に 正中線を引いておいた。. 図1a 中心嘆合位で瞭合させた状態. 園1−b Waxb止eを用いて岐合させた模型. 図1C 簡易咳合器に装着した状態. 図3 実物反射投影器(EnnaCabin) 5 −.

(7) 宮:上下項臼歯の発育に伴う対向位置の変化に関する研究. 126. 上下項の石膏模型は投影する際に唆合平面が投影器の ガラス板に平行になるように設定し,投影の隙に前後, 左右のズレを防ぐためにガラス板上に切歯切縁の位 と 正中線の位置を明示して予め模型に引かれた正中線と合 わせることにより常に一定条件を保てるようにしたo 投影蜜と投影面との距離は投影図が3倍になる位置に 定め投影を行った。 3倍に拡大された歯列弓唆合面形態 をトレ-シングペ-パ-上に歯牙の外形.小官裂溝,予 め窯く印記しておいた唆頭項の位置,および赤色に印記 された接触部分の位置をトレ-スした。 (図4). 唆合面のトレース,特に対向部位測定のための下顎歯 牙の各唆頭領は殆どの例で唆頑の確認が可能であった が,不確実な場合には2か月前の模型を参照してその位 置を決定した。 対向図は上下顎を別のトレ-ス用紙を用いて作製し赤 く印記された下顎切歯切縁の上顎前歯部舌面との接触点 のいずれか1つと.白歯の左右側における接触点各々1 つの計3点を選び,上下項のトレース図を重ね合わせて 上下顎同名歯が対向する位置を確認し,対向図を作製し たO (図5). U149. 印象 生後3年1か月. B' A-A' BIB'. U149. C-C'. 印象 生後5年5か月 上顎歯 下顎歯. 図4 上下顎の対向位置をあわせる方法. 図5 唆合時の上下顎歯牙の対向関係を示す. - 6 -.

(8) 歯科学報. 127. 分に,第二乳臼歯および第一大臼歯は19区分に分楽し,. 4)集計方法 集計方法は2カ月間隔の満年麻で調査観察し対向位置 の変化を性別,歯牙別にそれぞれ集計して対向位置の変 化を分布値(%)で表した。 なお,左右側は殆んど同条件と考え左右の合計値を使. 数字言己号を用いて表示した。 (図6). 用した。. 3 )上顎歯唆合面に対向する位置の区分 下顎歯牙の各頑側唆頭項が上顎歯牙に対向する位置を 唆合面から観察するにあたり,上顎歯牙の外形と裂溝や 小高,隆線等を解剖学的の分幾により第一乳臼歯は17区. なお,対向位置は必ずしも上顎歯と接触しているとは 限らない。. 第二乳臼歯. 第一乳臼歯対向位置の区分 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑩ ⑰. 乳犬歯遠心中央部 乳犬歯遠JL、舌側部 乳犬歯と第一乳臼歯の歯間部 第J 乳臼歯近心辺縁隆線中央部 第J 乳白歯近JL、辺縁隆線頑側部 第一乳臼歯近JL、中音部 第 乳臼歯近心辺縁隆線舌側部 第一乳臼歯三角隆線近心斜面頑側部 第J 乳白歯中央溝近JL、郭 第一乳臼歯三角隆線近心斜面舌側部 第一乳臼歯癌側唆頭部 第一乳臼歯中央小高部 第J 乳臼歯舌側唆頭部 第一乳臼歯三角隆線遠心斜面頑側部 第J 乳白歯中央溝遠心郭 第一乳白歯三角隆線遠心舌側唆頭部 第一乳臼歯遠JL、辺縁隆線部. 第-乳臼歯. 第J 大臼歯対向位置の区分. 第二乳臼歯対向櫨置の区分 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13. 第一乳臼歯遠JL、辺縁隆線中央部 第一乳臼歯遠JL、辺縁隆線舌側部 第一`乳臼歯と第二乳臼歯の歯間部 第二乳臼歯近心辺縁隆線中央部 第二乳臼歯近JL、頑側唆頭三角隆線近心斜面部 第二小臼歯近JL、小高部 第二乳臼歯近JL、舌側唆頑三角隆線近JL、斜面部 第二乳臼歯近JL、頑側唆頭部 第二乳臼歯中央溝近心部 第二乳臼歯近JL、舌側唆頭部 第二乳臼歯頑側溝部 第二乳白歯中央宮部 第二乳白歯近JL、舌側三角隆線遠心斜面部. 14 15 16 17 18 19. 第二乳臼歯遠心頑側唆頭部 第二乳白歯中央溝遠JL、部 第二乳臼歯遠心、舌側唆頑部 第二乳白歯遠JL、頑側三角溝部 第二乳白歯遠心辺縁隆線部 第二乳臼歯遠JL、舌側溝部. (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9). 第二乳臼歯遠心辺縁隆線中央部 第二乳白歯遠心辺縁隆線舌側部 第二乳臼歯と第一大臼歯の歯間部 第ll大白歯近JL、辺縁隆線中央部 第一大臼歯近JL、頑側唆頭三角隆線近心斜面部 第、ん大臼歯近心小官都 第一大白歯近心舌側唆頭三角隆線近JL、斜面部 第.′ 一大臼歯近JL、頑側唆頭部 第一大臼歯中央溝近JL、部 第一大臼歯近心舌側唆頭部 第J 大臼歯頑側溝部 第一大日歯中央嵩部 第J 大臼歯近心舌側唆頭三角隆線遠心斜面 第一大白歯遠心頑側唆頭部 05) 第J 大臼歯中央溝遠心部 第一大臼歯遠心舌側唆頭部 第J 大臼歯遠心頑側三角溝部 第一大臼歯遠心辺縁隆線部 09) 第一大臼歯遠心舌側溝部. 図6 下顎歯牙の上顎歯牙に対する対向位置の区分 一 7 一.

(9) 宮:上下寛臼歯の発育に伴う対向位置の変化に関する研究. 128. は第-乳臼歯近心辺縁隆線中央部(記号④)に対向する. 研 究 成 績. 傾向を示していた。その他には第一乳臼歯近心辺縁隆線. 1.下顎第-乳臼歯が上顎第一乳臼歯に対向する位置. 頑側部(記号⑤),第一乳臼歯近心中音部(記号⑥),等. の経年変化. に対向しているものも僅かにみられた。. 男女それぞれの下顎第一乳臼歯近心頑側唆頭頂と遠心. 2 )男子下顎第--乳臼歯遠JL、頑側唆頭項が上顎同名歯. 頑側唆頭頂の対向位着の経年的変動分布値の変化は以下. に対向する位置の経年変化. の通りであった。. 遠心頑側唆頭頂の対向位置の変化は図8に示した。 6. 1 )男子下顎第一乳臼歯近JL、頑側唆頭項が上顎同名歯. 歳頃までは第一乳臼歯中央中音部(記号⑫)に. に対向する位置の経年変化 第一乳臼歯近心頑側唆頭預は生後1歳6ヵ月頃から対. 程度が対向し,以後増齢につれて減少を示しながら9歳. 向が始まり, 10歳前後まで続いて永久歯と交換してい. 頃には    にまで減少していた。中央溝遠JL、部(記. た。図7には1歳6カ月から2カ月間隔での対向位置の. 号⑮)に対向するのは3歳頃までは10%程度であった. 変化を示した。. が,増麻に伴い徐々に増加して6歳∼8歳項には50%近. 経年的な対向位置の変化は対向位置の区分図(図6 )の. くまでに増加し,中央中音部(記号⑫)と近接した範囲. 記号を参考に図7に示したように上顎乳犬歯と第一乳臼. で逆転した推移を示していた。 8歳項以後は中央溝遠JL、. 歯の歯間部(記号③)と第一乳臼歯近心辺縁隆線中央部. 部(記号⑮)に50%以上の対向を示していた。その他に. (記号④)に大半が対向し,とくに2歳6カ月壇から6. は第一乳臼歯額側嘆頭部(記号⑪),第一乳臼歯舌側唆頭. 歳頃にかけては(言己号③)と(記号④)とに対向するのが. 部(記号⑬),第--乳臼歯三角隆線遠心斜面部(記号⑭),. 近接した範囲内で逆転した推移を示していた。 6歳以後. 等に対向するのもみられたがいずれも僅かであった。. 変動分布値(%) 6  4. 0    0. ・ 、∴∴∴∴`・、・ 年齢 図7 男子下顎第-乳臼歯近心東側q交衰重蔵が上顎同名歯に対向する部位の経年変化 (.注10歳以上は例数が少ないために図示を省略した). 図8 男子下顎第一乳臼歯遠心額側唆頭工貢が上顎同名歯に対向する部位の経年変化. (注 図7注に準じた). 8.

(10) 歯科学報. 95, No. 2 (1995). 4 )女子下顎第一乳臼歯遠心頑側唆頭頂が上顎同名歯. 3 )女子下顎第一乳臼歯近jL、頑側唆頭項が上顎同名歯 に対向する位置の経年変化 下顎の第一乳臼歯近JL、頑側唆頭が上顎同名歯と対向す る時期は生後1歳6カ月頃に始まり10歳前後まで続いて 永久歯と交換していたO経年的な対向位置の変化は図9 に示したように乳犬歯と第-乳臼歯の歯間部(記号③) と,第1-乳臼歯近心辺縁隆線中央部(記号④)に大部分 が対向し,対向初期から5歳頃までは    の範囲内 で互いに近接した値を示しながら逆転した推移をしてお り, 5歳以後は増`齢に伴って第一乳白歯近心辺縁隆線中 央部(記号④)へ50%以上の対向する傾向を示してい た.その他には,乳犬歯遠心中央部(記号(事),第一乳 臼歯近心中嵩郭(記号⑥)等にも僅かに対向がみられた。. 129. に対向する位置の経年変化 下顎第-乳臼歯遠心頑側唆頑頂が上顎同名歯と対向す る位置は図10に示したように上顎同名歯の中央小官部 (記号⑫)に6歳頃までは60%以上が対向していたが, 以後増齢につれて減少を示しながら, 8歳頃には %にまで減少していたO第一乳臼歯中央溝遠心部(記号 ⑮)に対向するのは5歳頃までは20%程度であったが, 5歳4カ月頃から増歯に伴って増加を示し6歳8カ月頃 から8歳頃にかけては中央中音部(記号⑫)として対向 するのが近接した範園内で逆転した推移を示していた。 その他には第-乳臼歯中央溝近心部(記号⑨),第-乳 臼歯頑側唆頭頭部(記号⑪)に対向するものもみられた. 年齢 図9 女子下顎第一乳臼歯近心頑側唆頭項が上顎同名菌に対向する部位の経年変化 (往 図7注に準じた). 年齢 図10 女子下顎第-乳臼歯遠JL、頑側唆頭蔵が上顎同名歯に対向する部位の経年変化 (注 図7注に準じた) - 9 -.

(11) 官:上下顎臼歯の発育に伴う対向位置の変化に関する研究. 130. (記号6)等に対向しているのが僅かにみられた。. が僅かであった。. 5 )女子下顎第二乳臼歯遠JL、頑側唆頭頂が上顎同名歯. 2.下顎第二乳臼歯が上顎第二乳臼歯に対する位置の. に対向する部位の経年変化. 経年変化 男女の下顎第二乳臼歯の近JL、頑側唆頭1貢,遠JL、頑側唆. 第二乳臼歯遠JL、頑側唆頭頂の対向位置の変化は図15に. 頭頂,遠心唆頭項の経年的な対向位置の変化は以下の通. 示した。第二乳臼歯中央官部(記号12)に対向するものが. りであった。. 対向初期から75%以上で増滅を示しながら変化を示して. 1 )男子下顎第二乳臼歯近JL、頑側唆頭丁貢が上顎同名歯. いた。第二乳臼歯頑側溝部(言己号11)に対向するのが5 20%の範囲内で増誠を示していた。その他には第二乳臼. に対向する位置の経年変化 第二乳臼歯近JL、頑側唆頭項の対向位置の変化は図11に. 歯近心舌側唆頭三角隆線近JL、斜面部(記号7 ),第二乳臼. 示した。第一乳臼歯と第二乳臼歯の歯間部(記号3 )では. 歯近JL、顛側唆頭部(記号8 ),第二乳臼歯中央溝近心、部. 2歳から10歳項まで増減を示しながら    程度の対. (記号9 ),第二乳臼歯近心舌側唆頭三角隆線遠心斜面部. 向を示していた。第二乳臼歯近JL、辺縁隆線中央部(記号 4)に対向するのは2歳から10歳頃まで80%前後の増減. (記号  第二乳臼歯中央溝遠JL、部(記号  等に対 向しているものが僅かにみられた。 6 )女子下顎第二乳臼歯遠心唆頭項が上顎同名歯に対. を示しながら推移していた。その他には第一乳臼歯遠心 辺縁隆線中央部(記号1 ),第二乳臼歯近JL、小雷部(記号. 向する位置の経年変化 第二乳臼歯遠JL、唆頭1貢の対向位置の変化は図16に示し. 6),等に対向しているものが僅かにみられた。 2 )男子下顎第二乳臼歯遠心頑側唆頭1貢が上顎同名歯. た.上顎第二乳臼歯遠心辺縁隆線部(記号18)に対向する のが対向初期の2歳4カ月から70%以上で増減を示しな. に対向する位置の経年変化 第二乳臼歯遠心頑側唆頭丁貢の対向位置の変化は図12に. がら変化を示していた。また,第二乳臼歯遠心頑側三角. 示した。第二乳臼歯中央雷部(記号12)に対向するのが対. 溝部(記号17)に    程度の増減を示しながら推移し. 向期間中を通して80%以上であったo その他には第二乳. ていた.その他には第二乳臼薗遠心頑側唆頭部(記号 第二乳臼歯中央溝遠心、部(言己号  第二乳臼歯遠. 臼歯頑側溝部(言己号11)に    程度が対向し,第二乳 臼歯近心頑側唆頭部(記号8 ),第二乳臼歯中央溝近心部. JL、舌側唆頭部(記号  第二乳臼歯舌側溝部(記号. (記号9 ),第二乳臼歯近心舌側唆頭三角隆線遠心斜面部. 等にも対向しているのが僅かにみられた。. (記号  第二乳臼歯遠JL、頑側唆頭部(記号  第二乳 臼歯中央溝遠心部(記号  等に対向しているのが僅か にみられた。 3 )男子下顎第二乳臼歯遠JL、唆頭頂が上顎同名歯に対 向する位置の経年変化 第二乳臼歯遠心唆頭預の対向位着の変化は図13に示し たが,第二乳臼歯遠心辺遠隆線部(記号18)に対向するの が対向期間中を通じて大体90%前後であった.ついで第 二乳臼歯遠JL、頑側三角溝部(記号17)には多少の増減を示 しながら10%前後の値で推移していた。その他には第二 乳臼歯中央溝遠心部(記号  第二乳臼歯舌側溝部(記 号19)等に対向するのが僅かにみられた。 4 )女子下顎第二乳臼歯近心頑側唆頭領が上顎同名歯 に対向する位置の経年変化 第二乳臼歯近JL、頑側唆頭項の対向位置の変化は図14に 示した。第二乳臼歯近心辺縁隆線中央部(記号4 )に大部 分が対向し対向初期の2歳4カ月から70%以上であっ たo また,第一乳臼歯と第二乳臼歯の歯間部(記号3)は 程度の対向を示していたo その他には第一乳白 歯遠心辺縁隆線中央部(記号1 ),第二乳臼歯近JL、小官部 一10 -.

(12) 歯科学報. 年齢 図11男子下顎第二乳臼歯近jL、頑側唆頭預が上顎同名歯に対向する部位の経年変化 (庄10歳6カ月以上は例数が少ないため図示を省略した). 図12 男子下顎第二乳白歯遠JL、頑側唆頭頂が上顎同名歯に対向する部位の経年変化 (注 図11注に準じた). 変動分布値(%) 6  4. 0    0. 年齢 図13 男子下顎第二乳臼歯遠JL、唆頭頭が上顎同名歯に対向する部位の経年変化 (庄 図11淫に準じた) 一 円il-.

(13) 宮:上下顎臼歯の発育に伴う対向位置の変化に補する研究. 図14 女子下顎第二乳臼歯近JL、頑側唆頭項が上顎同名歯に対向する部位の経年変化 (往 図11注に準じた). 年齢 図15 女子下顎第二臼歯遠心頑側唆頭TBが上顎同名歯に対向する部位の経年変化 (庄 図11淫に準じた). 変動分布値(%) 6  4. 0    0. 年齢 図16 女子下顎第二臼歯遠心唆頭項が上顎同名歯に対向する部位の経年変化 (注 図11淫に準じた) - 12 -.

(14) 歯科学報. 95, No. 2 (1995). 133. 第一大臼歯近心頑側唆頭預の対向位置の変化は図20に. 3.下顎第一大臼歯が上顎第一大臼歯に対向する位置. 示したように第一一大臼歯近JL、辺縁隆線中央部(記号. の経年変化 男女それぞれの下顎第一大臼歯の近し、頑側唆頭TB,逮. には対向を開始する6歳頃から90%程度を示し,その後. 心頑側唆頭且 遠心唆頭蔵の経年的な対向位置の変化は. は増麻に伴って多少減少を示し    程度の範囲内で. 以下の通りであった.. 増滅を示していたが11歳以後は  の対向を示してい. 1 )男子下顎第一大臼歯近心殖側唆頭頭が上顎同名歯. た。ついで第二乳白歯と第一大臼歯の歯間部(記号 には6歳2カ月頃から11歳壇まで    の範囲内で増. に対向する位置の経年変化. 減を示しながら徐々に減少し11歳以後は対向はみられな. 第II-大臼歯近心頑側唆頭預の対向位置の変化は図17に. かった。. 示したように上顎同名歯近心辺縁隆線中央部(記号. 5 )女子下顎第-大臼歯遠心、癌側唆頭項が上顎同名歯. に対向初期の6歳8カ月から9歳6カ月頃まで の範園内で増減を示し,それ以後11歳6カ月までは90%. に対向する位置の経年変化. 前後の値で増減しながら推移して11歳8カ月以後は100 %に達していた。ついで第二乳臼歯と第一大臼歯の歯間. 示したように第一大臼歯中央寓部(記号  に対向を開. 部(記号  には6歳8カ月から7歳6カ月頃まで20-. 始する6歳には  の対向がみられたが, 6歳8カ月. 30%の範囲内で増滅を示していたが,以後11歳頃まで減. より7歳2カ月までは70%近くまで減少し,その後増麻. 少を続け11歳8カ月以後は対向がみられなかった。. に伴って増減を繰り返しながら徐々に増加して11歳以後 は  に達していた。ついで第一大臼歯頑側溝部(記号. 第---大臼歯遠心頑側唆頭丁貢の対向位置の変化は図21に. 2 )男子下顎第1-大臼歯遠心頑側唆頭預が上顎同名歯. には6歳2カ月には20%の対向であったが増減を. に対向する位置の経年変化 第一大臼歯遠心顛側唆頭項の対向位置の変化は図18に. 繰り返しながら7歳時には30%まで増加したが,以後は. 示したが,第一大臼歯中央首都(記号  に対向初期の. 増麻に伴って徐々に減少して11歳には対向はみられな. 6歳8カ月から7歳2カ月頃まで多少の変化を伴いなが. かった。その他には第一大臼歯中央溝近心部(記号. ら変動分布値は対向位置の90%前後で推移し,それ以後. 第一大臼歯舌側唆頭部(記号   等に対向す. 10歳2カ月頃まで80%と減少し,再び増加して11歳6カ 月以後は  に達していた。ついで第I-大臼歯頑側溝. るのが僅かにみられた。 6 )女子f顎第-大臼歯遠心唆頭預が上顎同名歯に対. 部(記号  には対向が6歳8カ月頃には30%前後の対. 向する位着の経年変化. 向位置を示したが,以後は増事由こ伴って   程度ま. 第一人臼歯遠心唆頭預の対向位FLaの変化は図22に示し. でに減少して, 9歳から10歳頃にかけて20%近くまで増. たように第-大臼歯遠心辺縁隆線部(記号  に対向を. 加したが,その後再び減少し11歳6カ月以後対向がみら. 開始する6歳には  の対向がみられたが6慮8カ月. れなかった。その他には第一人臼歯中央溝近心部(記号. から7歳2カ月にかけて70%程度まで減少した。 J以後は. 第一大臼歯近JL、舌側唆頭部(記号  等に対向. 増麻に伴って多少の増滅を繰り返しながら徐々に増加し て11歳以後は  に達していた。ついで第-大臼歯遠. しているのが僅かにみられた。 3 )男子下顎第-大臼歯遠心唆頭J]Bが上顎同名菌に対. 心頑側三角溝部(記号  には対向初親の6歳壇から7 歳にかけて30%前後の範囲内で対向していた。それ以後. 向する位置の経年変化 第一一大臼歯遠心唆頭虜の対向位置の変化は図19に示し. 増麻に伴って増減を繰り返しながら徐々に減少を示し,. たように第一大臼歯遠JL、辺縁隆線部(記号  に対向初. 11歳以後は対向はみられなかった。その他には第-大臼. 新の6慮8カ月と6歳10カ月で90%の対向関係を示した. 歯中央溝遠心部(記号  に対向するのが僅かにみられ. が、 6歳6カ月から9歳までは60%から90%へと漸次増. た。. 加の傾向がみられた。 9歳4カ月頃には75%前後に減少 したが,再び増加し11歳以後は  に達していたoつ いで第一大臼歯遠JL、頑側三角溝部(記号  には対向初 期の6歳8カ月に30%であったが,以後増麻とともに減 少し11歳には対向がみられなかった。 4 )女子FI項第一大臼歯近心頑側唆頭項が上顎同名歯 に対向する位置の経年変化 - il翼-.

(15) 宮:上下顎臼歯の発育に伴う対向位置の変化に関する研究. 134. 年齢 図17 男子下顎第一大臼歯近心頑側唆頭項が上顎同名歯に対向する部位の経年変化. 年齢 図18 男子下顎第-大臼歯遠JL、殖側唆頭預が上顎同名歯に対向する部位の経年変化. 変動分布値(%) 6  4. 0     0. 年齢. 図19 男子下顎第一大臼歯遠心唆頭項が上顎同名歯に対向する部位の経年変化 I- 14-.

(16) 歯科学報. 135. 図20 女子下顎第一大臼歯近心頑側唆頭頂が上顎同名歯に対向する部位の経年変化. 図21女子下顎第一大臼歯遠心頑側唆頭預が上顎同名歯に対向する部位の経年変化. 年齢. 図22 女子下顎第一大臼歯遠JL、唆頭預が上顎同名歯に対向する部位の経年変化 15 -.

(17) 宮:上下項臼歯の発育に伴う対向位置の変化に関する研究. 136. 考     察. ⑮)に多く対向していた。いずれの唆頭頂も男女ともに 同様の傾向を示していた。. 1.研究資料について 本研究の資料とした乳幼児の収容施設は地方都市の郊. 下顎第二乳臼歯および下顎第- 1大臼歯,いずれの対向. 外にあり,都市部よりも乳幼児の移動は比較的少なく長. 位置の場合にも男女ともに同様の傾向を示しており,悼. 期間の連綻観察が可能であったoすなわち,済生会乳児. 差はみられなかった。. 醍(栃木県宇都宮市)の乳幼児は溝2歳までは院内で生活. 4.第一乳臼歯の対向位置の経年変化の推移について. し,その後,同地区の社会福祉法人普恵園(栃木県宇都. 下顎第--乳臼歯近心頻側唆頭項は3歳ごろまでは,上. 宮市)に移り施設近隣の小学校および中学校へ進学して. 顎乳犬歯と第 一乳臼歯の歯間部に対向していたものが3. いる。したがって,本研究対象者の生活環境条件は共同. 歳頃から近心辺縁隆線部へ対向するのが増加し,歯間部. 生活を営んでいる集団であり,栄養,運動,睡眠,等発. に対向するものと互いに運転し, 6歳半ば以降には上顎. 育に関与する条件はほぼ同一であるとみなされる。. 同名歯の近心辺縁隆線部-対向位置が移行して後続永久. また,これらの食料の一部を用いて荻原24)は乳歯萌出. 歯と交替するまで続いている。この現象は乳歯列弓の発. 時報について調査しており,岡本22)は歯間空隙の変化に. 育について小田嶋1)は2. 0歳から6. 0歳までについて同一. ついて,また小田嶋1)は歯列弓の変化の研究に用いてお. 資料を用いて行った研究によると,幅径は上下顎ともに. り,また資料収集は同一の検査者が同一の手法を用いて. 乳犬歯,第 -,第二乳臼歯間が増房釦こより徐々に拡大. 行ったもので,そのなかで嚇蝕がなく歯列の形態や唆合. し,下顎のほうが上顎よりも僅かに大きいと述べてい. 状態の正常と判定された被検者の石膏模型を研究対象に 限定した。. みて,下顎第 一乳臼歯の幅径の増加によるものと考えら. 2.対向位置の決め方と対向図について. る。後述のド顎第二乳臼歯,ド顎第-大臼歯の変化から れた。. 下顎歯牙が上顎同名歯と対向する位置の決め方は,小. 岩崎46)の報吾による3歳児の調査では対向位置の分布. 林  岩崎  笠原  高橋  らと比較検討するため. 幅が広く本調査と比較した場合乳犬歯と第一乳臼歯の歯. に模型を投影しトレ-スを行う方法を用いた。トレ…ス. 間部に対向する場合との差が20%もあり,また近JL、辺縁. は,上下顎の石膏模型の唆合平面が投影機のガラス板に. 隆線部でも25%の差がみられており,本調査の対向する. 常に平行になるように設定し,また前後左右のズレを防 ぐためにガラス板上に切歯切縁の位置と正中線の位置を. 位置が乳犬歯と第一乳臼歯の舌側歯間部と第---・乳臼歯辺 縁隆線部に集中して多い値を示しているo. 明示して模型上の正中線と重ね合わせることにより常に. また,第 一乳臼歯遠JL、癌側唆頭項は対向初親から6歳. ・定条件を保っように固定し, 3倍に拡大した.. 頃までは上顎同名歯中央小高部に対向するのが多いが,. 上下顎同名歯の対向位置の確認は下顎切歯切縁が上顎. それ以後は中央小高と中央溝遠心部への対向を交互に繰. 前歯部のいずれか1点に接触した部位と,さらに臼歯都. り返しながら中央溝遠心部の方向へ対向位置が変化する. の接触部位の左右側の各々1点の計3点を重ね合わせて. 傾向を示している。これは前述の近心頑側唆頭 との関. 位置を決定している。. 連あるものと考察される。. 岩崎  小林  高橋48)らは,まず,模型の写真撮影 を行い,このフイルムを2倍に引き延ばしこれをトレー. 対向位置も不安定な要因になっているものと思われたo. また, 9歳頃からは,第一乳臼歯の脱落時期に入り,. スしているが,本方法の場合は小室5°が行った方法に準. 岩崎46)は遠心頑側唆頭頂は30%近くが上顎同名歯の中. 拠しており,模型を産接に投影しこれをトレ-スするこ. 央中音部に対向すると報舎しているが,本調査では80%. とにより比較的容易に正確なトレI-スが待られた.唆合. に近い対向位置を示していた。. 面のトレ-ス,特に対向部位測定にあたり下顎歯の各唆 頭項は殆んどの例で唆頭の確認が可能であった。. このような特徴は成績に示したごとく第二乳臼歯およ び第--大臼歯の経年的な対向位置の変化には全くみられ. 3.性差について. ない第-乳臼歯特有の対向位置の変化であるとみること. 下顎第-I-乳臼歯の近心頑側唆頭頂は対向初期にほ乳犬. ができる。. 歯と第-乳臼歯の歯間部(記号③)に,後期には上顎同. 5.第二乳臼歯の対向位置の経年変化の推移について. 名歯の近JL、辺縁隆線中央部(記号④)に多く対向してい. 本成績では第二乳臼歯の対向位置の経年変化の推移は. た。また,遠心東側唆頭項は対向初期には上顎同名歯の. 男女ともに対向初期から永久歯と交換する時期まで安定. 中央小嵩部(言己号⑫)に,後期には中央溝遠心部(記号. した対向位置を示していた。岩崎46)は3歳時で近心東側. --- 16.

(18) 歯科学報. 95, No. 2 (1995). 137. 唆頭預は近心辺縁隆線部に   の対向を示すが,本研. すなわち,上下顎の第-大臼歯は第二乳臼歯の対向位. 究では85%を示していた.遠心頑側唆頭項が中央嵩に対. 置と唆合が安定したのちに出敵し,しかも唆合のKey. 向するのが本研究では89%岩崎46)は32%を示していた。 遠心唆頭項では,遠心辺縁隆線部に対向する割合では本. と言われるように常に安定した位置を保たれるような条 件との関連によるものと考察できる。 結     諭. 研究では   岩崎46)の研究では44%の値を示してい. 済生会宇都宮病院附属乳児院および社会福祉法人普恵. た。岩崎46)の場合はその他の部位にも10%内外の対向が みられたが,本調査ではきわめて少なかった. すなわち,対向初期の2歳半ば頃から11歳半ば頃まで. 薗(栃木県宇都宮肯)に在籍する生後1歳4カ月から13歳 2カ月までの男子67名,女子43名,計110名について2. にいたる期間に下顎第二乳臼歯近心頑側唆頭預は上顎第. カ月間隔で採待した口腔石膏模型のうち第一乳臼歯. 二乳臼歯近JL、辺縁隆線中央部に多少の増滅は示すものの. 組,第二乳臼歯  組,第一大臼歯727組を用いて,そ. 80%内外の安定した対向位置の推移を示しており,ま. れぞれの歯牙の対向位置が経年的にどのように変化する. た,遠心頑側唆頭頭は上顎同名歯の中央音部に. か調査し以下の結論を待た0. が経年的に安定した対向位置を示し,また,遠心唆頭項. 1.下顎第-乳臼歯近心頑側唆頭項が上顎同名歯に対. は80%程度が上顎同名歯の遠JL、辺縁隆線部に対向位置を. する対向位置の経年変化は男女ともに2歳前後から6歳. 示し,それぞれが経年的に安定した推移がみられてい. 頃までは上顎乳犬歯と第一乳臼歯の舌側歯間部と第一乳. る。. 臼歯の辺縁隆線部に50%前後で逆転を繰り返しながら推. 6.第一大臼歯の対向位置の経年変化の推移について. 移し,増麻とともに第一乳臼歯近JL、辺縁隆線中央部への. 本研究の成績では第一大臼歯の経年的な対向位置の変. 変化を示していたo また,遠心頑側唆頭預は男女ともに. 化は男女ともに対向初期の6歳頃から13歳頃にいたるま. 6歳頃までは上顎同名歯の中央中音部に対向し, 6歳以. で安定した経年的な推移を示していることである。. 後8- 9歳頃までは中央小嵩部と中央溝遠心郭との問で. すなわち,対向開始期から11歳頃にいたる期間に下顎. 50%前後で対向していたが,以後は増麻とともに中央溝. 第一大臼歯近JL、頑側唆頭項は    程度が上顎同名歯. 遠心部への変化を示していた。近心頑側唆頭]裏および遠. の近JL、辺縁隆線中央部に対向位置を示し,その他には第. 心、頑側唆頭項は対向位置の経年変化において,第二乳臼. 二乳臼歯と第一大臼歯の歯間部に20%前後の対向を示し ていたが, 11歳以後はすべて近JL、辺縁隆線中央部に対向. 歯や第一大臼歯にはみられない特徴を示す現象がみられ た。. 位置が安定する特徴がみられている.また遠心頑側唆頭. 2.下顎第二乳臼歯は近心頬側唆頭預、遠心、璃側唆頭. 頂も11歳頃までは上顎同名歯の中央高部に90%程度, ll. 且 遠心唆頭頭の各唆頭頂が男女ともに経年的にその対. 歳以後は  が中央雷部に対向し,さらに,遠JL、唆頭. 向位置は安定し,脱落するまで約80%は同一部位に対向. 頂は   程度が上顎同名歯の遠心辺縁隆線部に対向. していた。. 位置を示し, 11歳以後は  が遠心辺縁隆線部に対向 位置が安定する特徴を示している。 小林49)の調査と本調査の主な対向位置を比較した場 合,近JL、頑側唆頭項では近心辺縁隆線部で51%の差を示. 3.下顎第一大臼歯は近心東側唆頭且 遠心癌側唆頭 且 遠心唆頭頂はいずれも男女ともに対向初期の6歳頃 から80%前後が安定して同一部位に対向し,増麻にした がい11歳以後では  に達していた。. し,遠JL、頑側唆頭では中央嵩部で   また遠心、唆頭預. 4.下顎第一乳臼歯,第二乳臼歯および第一大臼歯に. では遠心辺縁隆線部で48%の差を示して,いずれも本調. おける対向位置の経年的変化は,男女ともに同じ傾向が. 査が高い対向率を示している。. みられた。. また,高橋48)は7歳から13歳まで年麻別に浪合歯列期 謝     辞. 前期,中親,後期に分顛した観察を行い,さらに永久歯. 稿を終わるにあたり,御指導と伽校閲を賜りました東京歯科. 列親の対向位置を調査している。本調査と比較すると近 心顛側唆頭項の近JL、辺縁隆線部で   遠心頑側唆頭預. 大学矯正学講座主任瀬塊正之教授に深謝の意を表すとともに,. の中央雷部で   また,遠心唆頭頭の遠心辺縁隆線部. 本研究の遂行にあたり産接の御指導をいただいた佐藤歯学研究. で30%といずれも比較的大きい差がみられて本調査が高. 所所長佐藤貢勝博士,並びにご援助をいただいた元図立公衆衛. い対向率を示している。これは,資料が正常唆合者に塊. 生院木村正文博上および佐藤歯学研究所所員-同の助力に対し. 定した結果によるものと考えられる。. て深く感謝の意を表します。 17一.

(19) 宮:上下顎臼歯の発育に伴う対向位置の変化に関する研究. 138. 文     献. 1)小田嶋敏夫    乳歯列斯、混合歯列親および永 久歯列期の歯列弓の発育に関する研究,歯科学報, 90 : 369-409.. 2)小野博志,落合靖-,佐藤博    歯列の成長変 化に関する研究第一報乳歯列の成長変化について,冒 腔病会誌 3) Baume, L. J. (1950) : Physiological tooth mlgration and its slgnificance for the development of occlusion. 1. The biogenetic course of the deciduous. 生物統計学雑誌 16) Frans P. G. M. van der IJinden i, 19321 三浦不二夫,黒田敬 之共訳    歯/歯列の発育    クインテッ センス出版,東京. 17)久保寺友子,関口 浩,町田幸雄   乳歯列混 合歯列永久歯列に共通した蓋準平面の設定について, 歯科学報 18)加藤敬介    日本人小児親における歯列弓の成 長発育に関する研究1 3歳児乳歯列より永久歯列に至 る経年石膏模型による検討一歯科学報, 79 :. dentition, J. Dent. Res. 29 : 123-132. 2. The biogenesis of accessional dentition, J. Dent. Res.29 : 331-337. 3. The biogenesis of the successional dentition, J. Dent. Res. 29 : 338-348. 4. The biogenesis of overbite, J. Dent. Res. 29 :. 1027.. 19)吉田美哲   歯列,歯槽部並びに口蓋の成長発 育とそれらの関連性について,特に乳歯列親における 側方歯群を中心として,歯科学報 20)杉原 惇   乳歯列期における前方歯再部の歯 列,歯槽部並びに口蓋の成長発育,歯科学報 317-387. 440-447.. 4) Cohen, J・ T・(1940) : Growth and development of the dental arches in children, J. Amer. Dent. Ass. 27 : 1250-1260. 5)秋元英典    乳歯列親から混合歯列期にいたる 唆倉関係の変化に関する累年的研究-特に前後的関係 を中心としてI-,歯科学報 6) Friel, S.(1954) : The development of ideal occlusion of the gum pads and the teeth, Am. J. 鑑iI胴鑑別 は元も相つ粥∼霊山ふ. 7) -色泰成,山口秀晴,谷田部賢一,北総征勇,兼松 一幸   累年口腔内石膏模型研究一3才児乳歯列 の唆合に関する諸問題- ,歯科学報, 70: 8) -色泰成,兼松一幸,井口広昭     歳児の歯 列.唆合に関する諸問題,歯科学報, 71 : 1183.. 9)兼hL一幸   乳歯列弓の累年石膏模型による形 態学的研究,歯科学報 10) Clinch, L M.(1951) : An analysis of serial models between three and eight years of age J. Dent. Res. 71 : 61-72. 21)岩田秀夫    乳歯と永久歯の交換過程における 側方歯群長の変化に関する研究,歯科学報 ∼256.. 22)岡本全宏   乳歯列歯間空除の発育に伴う変化 に関する研究,歯科学報, 79 : 23)太田 寛   乳歯脱落と永久歯萌出の生物統計 学的研究,歯科学報 24)荻原弥作  :乳歯の萌出順序塾に関する生物統 計学的研究,歯科学報 25)岡本活纏   永久歯萌出時期の変異統計学的研 究,歯科学報 26)吉田定宏  :わが国における乳歯,永久歯の萌 出時ま釦こ補する研  歯医学誌, 5 : 27)佐藤 博  :混合歯列前期における萌出型とそ の推移について,日病誌 28)佐藤 博はか   混合歯列における永久歯の萌 山型に関する研究第一報混合歯列前期における萌出塑 とその推移に関する経年的研究,小児歯誌 20.. 29) Hellman. M. (1921) : Variation in occlusion,. 1D Sillman, J. H.(1964) : Some aspects of indi-. Dent. Cosmos.63 : 608-619.. vidual dental development ; IJOngitudinal study from birth to 25 years, Am. J. Orthodontics.50 : 824-842. (1965)ditto. 51 : 1-25.. 30) IJySell, L .et al.(1962) : Time and Order of. ]2) Moyers, R. E.(1958) : Handbook of orthodontics, 1st Ed, The Yearbook Pub. Harvard Univ.. 三浦不二夫監訳   歯科矯正学ハンドブック,初 版      医歯薬出版,東京. 1 .良.私  主           臣 tics, 3rd Ed, The Yearbook Pub. Harvard Univ.. 31)松井茂樹   永久歯萌出と身体発育との関連に 関する研究,日本歯科医学会雑誌   : 32)井上 裕    身長発育と永久歯萌出との関係 (永久歯臼歯群の萌出と身長発育について),日本歯科 医学会雑誌 33)北村晴彦    永久歯萌[捌B序型に関する生物学 的研究,歯科学報, 67:. Press. Chica.go.. 34) Sillman, J. H.(1953) ・. An analysis and dis-. Press. Chicago.. eruptlOn Of the primary teeth, Odonto.Rery, 13 : 212-233.. 14)杉本幸基    日本人4歳児, 5歳児乳歯列の解 剖学的研究, 1,乳歯列の大きさ,歯科学報, 75: 893-912.. cussion of oral changes as related to dental 言\. 35) Foster, T, D. et al. (1969) : Occlusion in the. 15)深田英朗  :乳歯並びに乳歯列の統計的研究,. prlmary dentition,study of children at 2. 5 to 3 18 ∼一.

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(21) 宮:上下顎臼歯の発育に伴う対向位置の変化に関する研究. 140. with fluctuating to the ling・ual interdental position of maxillar canine and deciduous first molars and marglnal ridge portion of deciduous first molars・ However, these changes were 白                           ・S W -  ▼. maxillary deciduous first molars until 6 years of age with both sexes and from 8 to 9 years of age, these positions were shifted approximately 50% between the central pits and distal point of central fissures and hereafter, these positions were shifted to the distal point of central fissures with advanced age・ In cosecutive observation of the opposing・ position, the changes of the mesio and disto-buccal cusp showed characteristic patterns diffrent from those of deciduous second molars and permanent first molars. 2・ The opposing positions of mesio and disto-buccal cusp and distal cusp of mandibular deciduous second molars were shifted stably with advanced age and approximately 80% of the opposing positions were maintained at the same position until exfoliation of the deciduous teeth. 3l The opposing・ positions of mesio and disto-buccal cusp and distal cusp were stable with approximately 80% from 6 years of age with both sexes in the begining of opposing occlusal positions a・nd these positions attained 100% at age of ll years. 4・ The consective changes of the opposing positions of mandibular deciduos first and second molars and permanent first molars showed almost same tendencies with both sexes with increasing of age.. --- 20 -.

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