アレン化合物の光化学反応
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(2) アレン化合物 の光化学反応. 144. 1,2-水 素移動反応 につい て,次 の例が知 られてい る。 アルキル置換環状 ア レン (5)の シクロヘ キサ ン中での光照射 は,生 成物 に (6),(7),(8), 3。 (9)お よび (10)を 与 える ビシクロブテ ン化合物 (8)は (7)の 光反応. 生成物である。一方 ,ベ ンゼ ン増感光照射 (液 相)の 条件 では,生 成物が. (6),(7),(8)と な り,(6)と (7)の 生成比 はほぼ 1:1で あ る。 この 場. Oo. 合 ,気 相 での光反応 は別 の生成物. 鼈 ≒ 識. (H)を 与 える。. eO鴨 十O鴨 +釘 鴨 鴨 十 び の (6)76%. (7)5%. (9)4%. (10)2%. 鴨. (8)10%. (6)+(7)+(8). (11). これ らの 実験結果 か ら,次 の 反応機構が示 された。 (5)の 励起 一 重項状態 か ら 1,2-水 素移動 反応が起 こ り,ビ ニ ル カルベ ン中間体 (12)が 生成 し. ,. この 中間体 か ら化 合物. (6),(7),(9)お よび (10)が 生成 す る。 この 反応. 機構 は,別 途 に発 生 させ た ビニ ル カルベ ンが同様 な化合物 (但 し,生 成比 は 異 なる)を 与 える こ とか ら支持 される。一方 ,(5)の 励起 三重 項状態 か らは 分子 内水素引 き抜 き反応 が起 こ り,液 相 で は化合物 (6)と は化合物. (H)を 与 える として い る。. (7)を. ,気 相 で.
(3) 山. 本. 145. 正. 和. 0‐一α 『 一 ¨ 0却 ① (12). ◎ }一 け0 当γ ∵. ∝. o. フェニ ル置換 鎖状 ア レン (13)の メ タノ ール 中での光反応 にお い て も,溶 媒 の メ タノー ルが ア レンに極性付加 した化合物 (17),(18)の ほか に, ビニ ルカルベ ン中間体 (19)由 来 の生 成物 で あ るシク ロ プ ロペ ン誘導体 (15)お よび イ ンデ ン誘導体 得 られ る°。. (16)が. 1)==コ. RI R2 a;. Mc Me. b;. Ph. Mc ⅣIc. d; Ph Ph e: Ph Ph. 3 h Ch c h R P M P M P. (13). c; Ph. ゾ. ([盤 詰 :卜 ♂十. (15). (14). a; b; c; d; e;. +. 34.3% 13.8% 37.6% 8.2% 54.1%. 31.3% 4.0%. 7%. 43.0%. 30.5%. 眈Rw3 R2. (17). (18). 13.3% 3,7% 12.2%. │:;駒. 0。. 9%. 4.5%. 30.1% 37.5%. trace. 43。. 3+. ∫ が. RI R2. (16). l:駒. 10.9%. R2. (19). 0. π. (20). そ の他 の化合物 (14),(17),(18)の 生成 機構 は次 の とお りであ る。 1)2 回 の 1,2-水 素移動 反応 に よるアル キ ン (14)の 生 成. 2)ビ ニ ル カル ベ ン. 中間体 (19)ま たは双性 イオ ン構造 を持 つ 中間体 (20)と メ タノー ルの反応.
(4) ア レン化合物 の光化学反応. 146. に よるエー テ ル (17),(18)の 生成。Rl,R2が ぃ ず れ も フェ ニ ル基 の場 合. ,. イ ンデ ン誘導体 が主生成 物 になるのは,カ ルベ ン中間体 とプ ロ トンの付 加反 応 よ りも,カ ルベ ン中間体 の分子 内環化反応 が 優先 して起 こるため と考 え ら れ る。 ア レニ ル エ ンジオ ン類 (21)を 直接光反応 す る と,ア レン化合物 (22)お よび分子 内. [2+2]環 化付加化合物 (23)が 生成す る'。. Mc Mc. 1. 。. ¬. ヽ R2. (22). (21). RI. (23). (24). R2. Mc. a; 28% b; 23% c; 23%. Me. Mc H H H. Mc Me Mc H H H. a;. ―. b; 5%. 3% 3% % % %. acctone sensitized. 17%. 協 一 一 一 一 一. direct irradiation. Rl,R2が ともに水 素原子 の場 合 ,低 収 率 で あ るが ジ ーπ一メ タ ン転位 反応 生成物 (24)が 得 られて い る。一方 ,ア セ トン増感 光 照射 で は,(23)が ほ ぼ 唯 一 の生 成物 で あ る。従 って ,(22)と. (24)の 生 成 は (21)の 励 起 一 重. CT励 起 一 重項状 態 )が 関与 し,(23)の 生 成 には (多 分 ,分 子 内 CT励 起 三重 項 )が 関与 して い るこ とが 示唆. 項状 態 (お そ ら く分子 内 励起 三重 項状 態. され る。 なお ,(22)は (21)の ジーπ―メ タ ン転位反応 中間体 の分子 内 1,3. -水 素移動反応 またはプ ロ トン移動反応 に よって生成 す る。 一 般 に,ジ ーπ一メ タ ン転位 反応 は励起 一 重項状 態 か ら起 こるが ,励 起 三 ° 重項状 態が 関与 す る例 が知 られ て い る。Tsunoら は,ア レニ ル ジ カル ボ ン 酸 エス テル (25)の アセ トン増感光反応 を試 み ,環 化付加体 (26)の ほか に ジーπ一メ タ ン転位 反応 生成物 (27)を 得 て ,こ の 反応 が 励 起 三重 項状 態 か ら進 む こ とを見 い 出 して い る。.
(5) 山. Mc 塩. 本. 和. Mc Mc. 147. 正. Mc Mc +H席. )I十 (25). 眈. 陥. 暉. 席. (26)53%. (27)9%. フ ッ素原子 や イオウ原 子 お よびシ リル基が転位 す る光反応 が 報告 されて い る。Reisenauerら つは,シ ク ロ プ ロペ ン化 合 物 (28)を マ トリ ックス 中閃 光 熱分 解 を行 い ,カ ル ベ ン (29)の 生 成 を確 認 した。 (29)は 254 nmの 光 に よって フ ッ素原子 が 転位 して プ ロパ ギ リデ ン (30)に 異性 化 す る。 また. ,. (30)は 300 nm以 上 の 光 を吸 収 して シク ロ プ ロ ピ リデ ン (31)に 異性 化 す る。. )ノ 型 → て <磐計― 冒 、 メ ヘ 一 {、. (28). (29). (30). (31). a;X=Cl,Y=H b;X=I, Y=H. エ ビスルフィ ド (32)は 光照射 によ り炭素 一イオウ結合が均 一開裂 して. ,. エ ビスル フィ ド (33),チ オケ トン (34)お よびペ ン タテ トラエ ン誘導体 (35)を 与 える9。 これ らの化合物 の生成機構 は次 の とお りである。. R■ 、職 ム Rか. Ⅷ. (32). 、鋤 3+l峯 ≪誰 「. (33). CMe3. a;R=CMe3 b;R,R=Me3C(CH2)3CMe2. + l〉 C====C〈. :‖ ::. (34).
(6) ア レン化合物 の光化学反応. 148. ⑫ム Rす\_鈍 _. R☆ ≪. 誰_1341■. f3". ︲︲︲︲Ψ. CMe3 ¨. 3 3. CMe3. シ リル基が置換 したア レン化合物 (36)∼ (38)の 光反応 があ る。鎖状 ア レ ン (36)を 光照射す る と, トリメチル シ リル基が 1,2-転 位 した化合物 ,シ ク ロ プ ロペ ン体 (39)が. 91%の 収 率 で 生 成 す る"。. 同様 に,環 状 ア レ ン. (37),(38)も 光 反応 生 成 物 に シ ク ロ プ ロペ ン誘 導 体 (40),(42)を 与 え る。 (38)の 光 反応 の場 合 ,転 位 反応 の ほか に脱 ジメチ ル シ リ レン化 に よる 環縮小 反応 が起 こ り,ベ ンタシラシク ロ オ クタジエ ン (43)お よびその光転 位 反応生成物 (44)が 得 られ る。. h 眈 ぃ 》いくれ 寿 "謙 SiMe3. (39)91%. 助 h ttSCL助 +° 〔 ∽ ≫∬ I):チ ヽ (37). 助 ヽ 記. (40)45%. h. 就計. 6く. ):チ. h〆 Eと ― (42)59%│. (38). (41)20%. hH薬. hヽ. 1:而. 〆. (43)14%. ∋ヽh. (4)23%. 2)付 加 反 応 分 子 内環 化付 加 反応 べ る。. ,. 分子 間環化付加反応 ,そ の他 の付加 反応 につい て述.
(7) 山. 0は. Barilleら. 和. 正. 149. ,ア レニルエ ノン (45)の 光照射 を行 い,高 い立体選択性 で. 収率 よ く分子内. Ю. 本. [2+2]環 化付加体 (46)を 得 ることに成功 した。. T. ム. H°. (CH2)n. (45). R=H,Mc,n=1 R=H or Me,n=2. Carreiraら H)は ,シ リル基 が 置換 した ア レニ ル エ ノ ン. (47)お よびア レニ. ル エ ノエ ー ト (48),(49)の 光反応 を試 み ,い ず れの場合 もエ ナ ンチオ選 択 的分子 内環化付 加 反応 が 起 こ り,化 合物 (50),(51),(52)が 50∼ 90%の 収率 (エ ナ ンチ オ過 剰率 は 76∼ 99%)で 生成 す るこ とを見 い 出 した。 剛 “. ム υ. (47). (50). n=0. n=067%(78%ee E,76%ee Z). n=1. n=186%(86%ec E,92%ce Z). イ. (51)90%(>99%eC). (48). CMe20P. Y (49). P=SitBuMc2. (52)50%(93%ee E).
(8) 150. アレン化合物の光化学反応. 更 に,第 3ブ チル基が置換 したア レニ ルエ ノエ ー ト (53)で は,エ ナ ンチ る 。 オ過剰率が 92%の 生成物 (55)が 得 られ るこ とも報告 して い・. :│×. 0士 :渡漂. ×. :. B. (53). │ 鴨. 1× (55). この光反応 で 高 い不斉誘導 が観察 され るの は,重 水 素化 した (53)の 光反 応 の 結果 か ら,1)エ ナ ンチ オ選択 的環化付 加 反応 が 中間体 (54)を 経 て段 階的 に進 む こ と. 2)中 間体. (54)が 出発物 質 (53)に 戻 る よ りも早 く分子. 内水 素引 き抜 きが起 きて (55)が 生成す るため として い る。 次 の ような ア レニ ル エ ノ ン (56)は ヘ キサ ン中光 照射 に よ り,E― Z異 性 化 反応 (反 応生成物 は. (60)),[2+2]環 化付加反応. (58))お よび オキサ ー ジ イー ルス ・アル ダー反応 起 こす. (反 応生成物 は (57),. (反 応 生 成物 は. (59))を. D。. ピロ ン誘導体 (59)は ,(56)の Z― 異性 体 (60)の 励 起 一 重項状 態 か ら ビ ラジカル 中間体 (61)を 経 て生成す る と考 え られて い るが ,励 起三重項状 態 の 関与 の 可 能性 も否定 で きな い と して い る。 一 方 ,6員 環 エ ノ ン (n=2) の 光 照射 は ,E― Z異 性化 反応 が優 先 的 に起 こ り,環 化付 加 化 合物 は得 られ て い ない。 同様 な光 反応 が 鎖状 ア レニ ルエ ノン (62)に お いて も起 こる。 (62)の 溶 山 媒 中 での光照射 は主生成物 に環化付加体 (63)を 与 える 。.
(9) 山. Me. 本. 和. 正. 151. Me. 冊 ∴. :り [R R 〔 R (57). e. n=111二 晋. (58). (59). a;17%. a;H%. a; 6%. b; 0%. b; 0%. b;25%. e M. c M + (60). a; 5%. b; 8%. Mc Mc. Mc Mc. 十 メ Yム. °. RI. 4R. 人. R2R2. (62). (63). R2 (64). (65). この 光 反応 を PMMAま た は種 々の ポ リマ ー マ トリ ックス 中 で 行 う と. ,. (63)は ほ とん ど生 成 せ ず E― Z異 性化反応 が主反応 とな り,光 照射 の継続 で ピラ ン体 (65)を 主生成 物 と して与 える。溶液 中 とポ リマーマ トリックス 中 の 反応 の差異 は,分 子 の 自由度 の差 に帰す る と考 え られ る。 Bane■ らりは,ア ジ ドア レ ン. (66)を 低 温 マ トリ ックス 中 で 光 照 射 を行. い ,分 子 内環化付 加化合物 の メチ レンー2H― アジ リ ン (67)が 生 成 す る こ とを分光学 的手段 に よって確認 した。 ﹁ I ID ﹁. x n t a m. (66). 叫. = 卜 ヽ. (68).
(10) ア レン化合物 の光化学反応. 152. (67)は 光照射 に よ リニ トリル. (R=Hの 場 合 は シア ン化水 素 )と. アセチ. レンに分解す る。 また,こ の化合物 は シア ン化水 素 に捕 捉 されてアジ リ ン誘 導体 (68)に なる“. )。. 分子 内環化付加 反応 を起 こす ア レン化合物 は ,こ れ らの ほか に前述 したア レニ ル エ ンジオ ン類や ア レニ ルジカルボ ン酸 エ ス テルが知 られて い る。 ア レンカルボ ン酸 エス テル (69)は ベ ンゾフエ ノンと分子 間環化付加反応 を行 い ,オ キセ タ ン (70),(71),(72)お よびジオキセ タ ン (73)を 生成す る17)。. 》く=く F"計 Ph′. =0. (69). a;RI=H,R2=Me b;RI=H,R2=Et c;RI=Me,R2=Et. 十 R2. ぱ. +. 良l C02Me (70). (71). a; 7% b; 6%. a;4.7% b;5,7%. a1 9,3% b;11.3%. (72). ci 3%. c;12%. Ph. +1. 呻. Ph (73). a:4.5% b:5.5% c;6.5%. オキ セ タ ン生成反応 は ,通 常励起 したベ ンゾフェノ ンの酸素原子 が電 子豊 富 な二重結合 を攻撃す る。 この光反応 で興味深 い こ とは,そ の酸素原子 が ア レンカルボ ン酸 エ ステルの ア レン結合 の電子豊富 な二重結合 と電子 欠如 の二 重結合 の両方 を攻撃す るこ とであ る。鎖状 ケ トンとオ レフ イ ンの光反応 で. ,. 励起 したケ トンが励起 したオ レフ インの電子 欠如 の二 重結合 を攻撃す るこ と か ら閣,本 反応 も同様 な反応機構 が提案 されて い る。 環状 エ ノ ン類 とア レン化合物 の分子 間環化付加反応 は次 の例 が知 られて い る。 シク ロペ ンテ ノ ン誘導体 (74)と ア レ ンの 光 反応 は ,置 換 基. Rの 種 類.
(11) 山. 本. 正. 和. 153. に関係 な く head― to― head環 化付 加体 (76)が ほぼ 9:1の 割合 で生成 す る口。. +_ム. +. (74). (75). (76). R;tBu,PhMe2C,H. tBuMe2Si,Me3Si. 一 方 ,シ ク ロヘ キセ ノ ン誘導体 (77)と ア レンカルボ ン酸 エ ス テ ル (78) の光反応 で は,(79)の. 1:1付 加化合物が主生成物 として得 られ る20。. (79)∼ (81)の 生成 機構 につ い て は,(82)の 励起 三重 項 ビ ラジ カル 中間. (77). i2m鳩. 眈. が (78). (79). 欧. (80). R=H,RI=Me,Et R=Mc,RI=Et. PB. 十眈 Me. n m. ⅣIc R. Mc. (81). (82). 体 が 関与す る機構 が提案 されて い る。 MizunOら 創)は ,ビ ニ リデ ンシ ク ロ プ ロパ ン (83)と ニ トリルの光誘起 電 子 移動 反応 を試 み ,生 成 物 に. [3+2]環 化 付 加 化 合 物 (84)を. 得 た。 た だ. し,Rlが フェニ ル基 の場合 この光反応 は進行 しない。. 出 卜<I一 縣 沈 MC. (83) ll::謂. >眈 ‖ R3. (84). ∬. 6H4.
(12) アレン化合物の光化学反応. 154. ペ ン タ メ チ ル シ ク ロペ ン タジエ ン と電子豊富 なア レンとの光誘起電子移動. か 。. 反 応 を 利 用 し た デ イ ―ルス ・ アル ダー反応 が 知 られて い る. Mc マ. Mc. F)コ (15ま. Te+. Mc. 言 れ 覇. (86). (85). R=H,Mc Mc H e r M A. Mc. +∬. } H (88). (87). この光反応 の反応種 はシクロペ ンタジェ ンのカチオ ンラジカルであ る。な お,反 応系 に ビフェニ ル等 の補助増感剤 が存 在 しない と,反 応 は進行 しな い。 光分解 に よって発 生 した シ リ レンや カル ベ ン とア レン との 反応 が あ る。. Andoら ")は ,ヘ キサ メチ ル トリシラ ン誘 導体 (89)と ア レンの 光 反応 を行 い ,ジ メチ ル シ リ レンが ア レンに付加 した化合物 (90)を 得 た。 (90)は 光 照射 によ り容易 に開環 して (91)に 異性化す る。. Si一 ¨SiMc3. 興. │. Me3Si. │. R. 一. 叫. 日. tB人 (90). (89). ム 准. tBと (91). R=mesityl. Crearyら 24は. ,ピ リジルジアゾメタ ン (92)と ア レンの 光反応 で ,メ チ レ. ンシク ロプ ロパ ン誘導体 (93)を 得 て い る。 ベ ンゾニ トリル とア レン化 合物 の 分子 間環化付 加 反応 が 見 い 出 され て い わ る 生成 物 は [2+2]環 化付 加体 (94)と [4+2]環 化付 加体 (95)で あ )。.
(13) 山. H φ ¨C. φ十. 和. 本. 正. 155. 笥がプ. (92). (93). る。 これ らの化合物 はエ キサ イプ レックス経 由 で生 成す る。 CN Me. rCN+ ‖ 〔 〕 :)卜. = ム. + rII`::Ii (95). 3)そ の他 の光反応 一 般 に,ア ルキルスル フェネ ー ト類 は,光 照射 に よ り分解 して アル コキシ ラジカルが生 成 し,次 い で この ラジカル による水 素引 き抜 きあ るい は付加 が 起 こ り,ア ル コキ シラジカル 由来 の生 成物 が 得 られ る。 しか し,(96)の ア ルキルスル フェ ネ ー トは,光 分解 に よって生 成す るアル コキシラジカルが不 安定 で あ り,更 にアルキル ラジカル とアセ トン に分 解す るため ,生 成物 はア ル キル ラジ カル 由来 の もの に な る。 (96)と ジ メチ ル ア レン との 光 反応 で は,ア レンに アルキル基 が付加 した化合物 (97)と Mc Mc. R+O一 S洵 Mc (96). 宦. IxttR+苺. (98)が 生成す る20。 Mc Me. +斑 r. (97). (98). (99). b;R=CH2ph. a;40.5% b;70.8%. c;R=CH2CH=CH2. c; 50%. a; 8.1% b; 5.5% c:14.1%. a;35.1% b;14.6% c:35.1%. a;R=Et. Ar;p一 N02C6H4. +雌 X旨 (100). 九+S鮨 (101).
(14) (97)+(98). 0 〓. M M. いか ← 山. θ04. 燻一. ア レン化合物 の 光化学 反応. 156. (100). │‖. :)==. 」主→ ‖イ羊′― ― Mc Me. (99). :、. SAr. この光反応 で生成す るア リール チ イル ラジカルは,位 置選択 的 にア レンの 中心炭素 に付加す る。 ビニ リデ ンシ ク ロ プ ロパ ン化 合物 (102)の 光照射 は,生 成物 に三 環性化 合物 (103)を 与 える 。 2■. 反応 は (102)の 励起 一 重項 が 関与 し,水 素 引 き抜 きが起 きた の ち,生 成 した ビラジ カル 中間体 が分 子 内結合 して (103)が 生成す る と考 え られ て い る。. ムズ洵. 〇卜Cギ 主 (102). a:Ar=Ph b:Ar=p一 CIC6H4. (103). a;48% b:69%. 同様 な化合物 (104)の 光反 応 で は,(102)と は異 な り励起 三重 項 が反応 に関与す る。化合物 (105)の 生成 機構 は明 かで ない 。. 差し/cttAr_上 (104). a;Ar=Ph b:Ar=p一 CIC6H4. )<ン CttAr (105). a;48% b;80%.
(15) 山. 本. 和. 157. 正. ア レンカルボ ン酸 エ ス テ ル (106)は ヘ キサ ン中光照射 に よつて ,主 生成 物 にシク ロ ブテ ノ ン誘導体 (107),副 生成物 にテ トラフ ェニ ルブ タ トリエ ン 2"。 この 光 反応 にお い て (108)を 生成 す る こ とが 知 られ て い る. Co2(CO)8. が 共存 す る と,メ チ ル 置換体 (106-a)の 場 合 は (108)と イ ンデ ン誘 導 体 2"。 (109)が 生成 し,フ ェニ ル置換体 (106-b)で は (107)の みが生 成す る. l>く :02B高嵩薦 heXane. ° +lttl十. Ph. EtO. R. (106). a;R=Me. b; 一. b;12%. bi R=Ph. 3),`. R. (108) a;12%. (107). 〔こ C02Et. (109) a; 4%. b;. ―. C02(CO)8共 存 下 の 熱 反応 は,前 者. 一 方 ,(106-a)お よび (106-b)の. が ジ ィー ルス ・ アル ダ ー付 加体 (111) を与 えるの に対 して ,後 者 は付 加 体 を与 えない 。. 町. → 一. l呻. (HO). (111). この 結果 か ら,ブ タジエ ン誘導体 (108)の 生成 に関 して次 の よ うに考察 され る。Co2(CO)8存 在 下 (106-a)の 光反応 で は,1,3-水 素移動 反応 生成 物. (HO)が 光 分解 して (108)を. 生 成 す るが ,(106-b)の 場 合 は ア レニ ル. 基 の 中心炭素 の β位 に水 素原子 が 存在 しないの で ,1,3-水 素移動 反応 で生 成す る. (HO)の 様 な 1,3-ジ エ ン化合物 は得 られず ,従 って (108)の 生成. はない と考 え られ る。 ラ ク トン (112)も ヘ キサ ン 中 Co2(CO)8共 存 下 光 照 射 を行 う と (108) が生 成 す る。 一 方 ,エ ー テ ル 中 で は光励起 した き抜 い て ラジカル中 間体. (H3)と な り,次 い で分子 内水 素移動 お よび ラジ. カル 同士 の結合 を起 こ してエ ノエ ー ト す る。. (H2)は 溶媒 か ら水 素 を引. (H4)お よび ラク トン (H5)を. 生成.
(16) ア レン化合物 の光化学 反応. 158. 1ゝ +l膏. 1■ 十 (H2). 肛 此. CH3 \. (H3). (H4)18%. (115)21%. 30は. ,塩 素置換 フェニ ルア レン (H6)の 光 反応 を行 い ,メ タ ノ ー ルや エ タ ノー ル 中 で は ア レニ ル カチ オ ン由来 の生 成物 (H7)が ,第 3 Taniguchiら. (H8),(119)お よび ラ. 級 ブ タノール 中 ではア レニ ルラジカル由来 の生 成物. ジカル 2量 体 (120)が 得 られ る こ とを明 らか に した。 (R2)2C==C==CHRl R2_1_≡. _RI. +. andノ. or. (R2)2CHC≡ =C― RI. │. OMc (H7). a;47% b;51% c:76%. │:>く :. 7%. (H6). a;RI=R2=Pll. b;Rl=Ph,R2=P_MeC6H4 c;Rl=P一 McOC6H4,R2=Ph. R2_:_≡. _RI +l:>≪. 1. CH2C(CH3)'OH. (H8). (119). a116%. +」. 二 fL≡ を. (1. CH2C(CH3)20H. a;11%. _♂. 12 (120). a;39%. 第 3級 ブ タノール 中で エ ー テ ル化合物が得 られ ないの は,(116)の 光分解 で生成 したア レニ ル カチ オ ンと溶媒 の求核置換 反応が第 3ブ チル基 の立 体 障 害 によって さまたげ られ るため と考 え られて い る。.
(17) 山. お. 本. わ. 159. 正. 和. り. に. 光励起 したア レン化合物 は種 々の 反応 を引 き起 こすが ,多 くの新 しい光反 応 が 見 い 出 されて ,そ の光化学反応 の多様性 に興味 が つ きない 。 また,ア レ ン化合物 の分子 内お よび分子 間光環化付加反応 は,高 い位置 お よび立 体選択 性 を示す こ とか ら,天 然物合成 に極 めて有用 で あ り,今 後益 々 そ の応用 が期 待 され る。 文. 献. 1)山 本,甲 南女子大学研究紀要,27,67(1990). 2)H.Eo Zimmerman,M.R.Baker,Ro C.Bottner,Mo Mo MoHisey,and So Murphy, J.Am.Chemo Soc.,H5,459(1993)。 3)J.Do Prica and R.P.Johnson,J.Orgo Chem。 ,56,6373(1991).. 4)W.Kimse,Io Ko Strehlke,and So Steenken,Jo Amo Chem.Soc.,H7,7007 (1995)。. 5)T.Tsuno and Ko Sugiyama,Chemo Lctt。 ,503(1991).. 6)Ko Sugiyama and T.Tsuno,Chemo Express,7,929(1992). 7)Go Mari,T.Preiss,and H.P.Reisenauer,Chem.Ber。. ,127,779(1994).. 8)N.Tokitoh,To Suzuki,and Wo Ando,Tctrahedron Lctt。 ,30,4271(1989).. 9)F.H● o,To. Shimizu,and W.Ando,Organometallics,13,3402(1994).. 10)A.Tenaglia and D.BaHille,Synlett,776(1995)◆. 11)M.S.Shepard and Eo M.Carreira,J.Amo Chemo Soc.,119,2597(1997);Mo S. Shepard and Eo Mo Carreira,Tetrahedron Lett。. ,53(48), 16253(1997).. 12)C.A.Hastings,Jo Do Ringgenberg,and Eo M.Carreira,Tetrahedron Lett。. ,38. (51), 8789(1997). 13)Ko Sugiyama,M.Yoshida,and T.Tsuno,Hcterocycles,38,1721(1994).. 14)津 野 ,高 柳 ,杉 山 ,光 化 学 討 論 会 講 演 要 旨集 ,B032,92(1998). 15)K.Bane■ ,M.Hagedom,E.Knё zinger,A.Becker,and E.Uo Wu■ hwein,J.Am。 Chemo Soc。. ,116,60(1994).. 16)K.Banert and Mo Hagedorn,Angewo Chem。 ,Into Ed.Engl.,29,103(1990). 17)Mo Po S,Ishar and R.Po Grandhi,Tettahedron,47,2211(1991).. 18)No J.TuFo, “Modem Molecular Photochemistry"Benzamin/Cummings,1978,P。.
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