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池田湖における魚類の漁獲法の研究I : 小型地曳網および追叉手綱について

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Academic year: 2021

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(1)

池田湖における魚類の漁獲法の研究I : 小型地曳網

および追叉手綱について

著者

田ノ上 豊隆

雑誌名

鹿児島大学水産学部紀要=Memoirs of Faculty of

Fisheries Kagoshima University

15

ページ

76-82

別言語のタイトル

Studies on the Fishing methods of the Fish in

Lake Ikeda I : A Small Beach Seine and Dip Net

URL

http://hdl.handle.net/10232/13840

(2)

Mem・Fac・Fish.,KagoshimaUniv・ Vol・’5,pp76∼82(1966). l ) 2 ) 3 )

池田湖における魚類の漁獲法の研究−1

小型地曳網および追叉手網について

田 ノ 上 豊

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Abstract Asmallbeachseinewasmadeofthenetねbricof‘Kuremona,、Thisfishinggearconsistsof acodendorpocketnet,wingnets,sinkersandHoats・ TheHoatlineis42m・inlength・ Thisbeachseineisasuitablefishinggeartocatchthesweetfishinshallowwaternearshores・ Adipnet,‘OiSadeAmi,wascomposedofabagnetfi・amedwithtwobamboopoles,asshown infigure7・ Thisdipnetissuitedtocatchtheyoungsweetfish. 池田湖は亜熱帯性の火口湖であり,中心部は200,.以上の深さに達し,湖岸附近は急深の 場所が多い.岸近くには砂牒や石が多く,藻類が繁茂している.

魚類はアユHecQgI0ssz‘sα肋e"sTEMMINcKetSGHLEGEL,ワカサギH1ypo”8s"so"c伽

PALLAs,コイCyr伽Scα"joLINNE,フナCarass伽α”alf"sLINNE,オオウナギ丑,Zg〃α

”α”伽"αBENNETT等が棲息して居り,特にコアユは河川放流用種苗として需要量が多く,

春季大型地曳網で漁獲が行なわれている.しかしながら,池田湖は比較的急深であるため,

大型地曳網の場合は操業面積でかなりの制約を受けている.又最近は労働力の面でも不足し

勝ちな状態である.

筆者は低生産.性湖沼の開発の総合的研究の一環として,昭和38年以来,小型運用漁具によ

る池田湖や鰻池の魚類の漁獲法について研究を進めて居り,小型地曳網および追叉手網を作

製して漁獲試験を実施した結果,良好な成績を収めたので,これらの漁具,漁法について報

告する. 漁 具 の 設 計 池田湖に棲息しているアユは9月から12月頃までの間に「尾下り川」や「新永吉川」およ

び湖岸の小石の多い場所で産卵することが知られている(江波,1965)').幼魚群は1月末頃

から北西側の湖岸の水深1米以浅の区域にも群泳しはじめ,成魚に達するまで,主として餌

料が多く,藻類が繁茂している和田岬附近から小浜に至る間の比較的浅い水域に棲息してい

る.漁獲の対象となるアユはFig.1の漁場図に示されるような,遠浅の区域に棲息している

魚群である.大型地曳網で漁獲されているアユの尾叉長は50∼100mm・範囲が多い.

*鹿児島大学水産学部漁具漁法学研究室(LaboratoryofFishingGearandTechnique,Facultyof Fisheries,KagoshimaUniversity)

(3)

アユの尾叉長と目合の関係はFig・2のように,ほぼ直線的関係を示している. 77 30 田ノ上:池田湖における魚類の漁獲法の研究−1 小 型 地 曳 網 の 各 部 の 目 合 を 決 定 す る に 際 し て は , 目 合 と 体 長 の 関 係 を 考 慮 し て , 袋 網 に は モジ網地の105経と200経を用い,袖網には16節と20節の本目網地を使用した.材料の種類 は耐久性と価格面,fiberの硬さ等の条件からクレモナを選んだ.一般に魚群の遊泳水域が比 較的浅く,魚群が網に遭遇した際は底に沈んで逃げる習性がみられるため,袋部が常に水面 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0 1 2 0 1 4 0 Fig.2.Relationbetweenthefbrklengthofsweetfishandthesizeofmesh. ayoghl Obama e

1 0 1km. ■Qp Fig.l・Mapshowingthefishingground 蕊:Fishingground ● ● ● ● ● ⑨ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ⑧ ●●① ●●● ● ● ⑨● ● ●●●● ●● .%・・・

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(4)

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に浮き出ている必要はない.従って,袋口の網の高さは2m・に定め,浮子方の打廻しを42m・

に設計した.浮子方には合成浮子130個を使用して,浮力を13kgとし,沈子方は沈子綱(直

径9mm.),添綱(直径9mm.),目通し糸(60本)の構成で,沈子に陶器製の比重2.13,1

個の重量759の円筒形沈子を用い,沈降力16kgに作製した.漁網の配置図はFig.3に示す

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Ⅳ 四 面 面

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a 詞﹄ロ胴 鹿児島大学水産学部記要第15巻(1966) Fig.3.Netstripplanofthebeachseine・ Ms:Numberofmeshes

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79 − 廓 2.0m. Fig.4.Netstripplanofthedipnet・ Ms:NumberofmeshesN:Nylon,210,,2yams,31Knots P:Pylcn94yarns24Knots 通りである.漁網の各部の材料はTablelに示した. Table1.Specincationofthenetfabricsusedtothebeachseine. ' & 5MB Shortening (%) Length (、) Number ofyarn Meshof size(Knot) Meshes deep MarklKindofnetfabric く > N 100Mg 5MB 5MB ‐ Ⅳ

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l 」 ◇ N 100M日 網の仕立てに際しては,袖網の端の締結を2別,奥部を4割とした. 追 叉 手 綱 : 追 叉 手 網 は 地 曳 網 よ り 更 に 岸 滞 り の 浅 い と こ ろ で 操 業 し , 小 型 ア ユ , ワ カ サ ギ 3.7m. 100M日 10M口= 田 ノ 上 : 池 田 湖 に お け る 魚 類 の 漁 狸 法 の 研 究 一 I P < = 5 0 M B < > N N ‐ P P 1 11 1 2.7m. 100浬日

(6)

80 鹿児島大学水産学部紀要第15巻(1966)

等を漁獲する漁具である・竹枠に袋状の網をつけたもので,このような漁具が琵琶湖2)にお

いても使用されている.設計に当っては,身網に31節のナイロン本目網地,縁綱に4本24節

のパイレン網地を使用して,漁其の肌棋は’人で容易に操作できる範,ルIに止めた.その形は

扇状で,手で持つ部分(袋部)が狭く,先端(沈子部)が広がっている.袋部の締結は6割

として,網にふくらみをつけ,先端部は締結3判をいれた.底質が粗悪な場所においても充

分適応できるように,やや太い糸の網を緑網に併川した.沈子には比正が大きい小皿円筒状

の鉛を用いた.仕立て上りの網の規模は沈子方3.7m,袋部2.0m,横2.7,.である.迫叉

手網の網地配置図はFig.4に示す通りである. 操 業 結 果 と 考 察 湖の西側の比較的遠浅の区域ではかなり沖合まで,水深5,.位の部分もみられるが,大部

分は巨岸50m.以遠では,湖底の傾斜が大となり,漁具の性能を発揮することが困難である,

従って,地曳網の漁獲試験は上記の浅い場所で実施した.網は褐色に染色し,曳綱にクレモ

ナ90mm,ロープを川いた.投網には動力船を使用した.曳網の際は,ハー側に3∼4名を必要

とする(Fig.5).

竜・雪F−悪愚"穿,』鴬…講零…翁一……蝉 醒 1,i9.5.Photograpllsshowingthefishingoperat1onofthebeachseine. 湖底に藻類が繁茂している場所では曳網述度が早すぎると網M1;が浮上して,所柵「搾網」 となり,『漁推性能は極度に低下する.実験の結果から曳網速度は征秒0.5m位が適当と判断 された.網が極く浅いところまでリ│き揚げられて後,魚群が仙端から逃げる場合が多いので, 一 般 に 袖 網 は 長 く 椛 成 す る こ と が 望 ま し い . 此 の 操 業 に お い て も , 妓 初 は 片 仙 の 長 さ を 1 0 m .

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粥◎淵①PE口潅 に作製して用いたが,魚群が袖端から逃げるので,更に片側を10m.ずつ延長したところ, 性能が向上した. 沈降力の多寡は漁獲能率を左右する重要な要因の一つである.池田湖の湖底の特質を考慮 して,最初沈降力が浮力の2倍以上となるよう設計して操業した.しかし,実際曳網した結 果では,沈降力が大きすぎると,魚群が網裾から脱出するのを防止できるが’網中に石が入 り,破網の原因となるばかりでなく,網が重くなり,魚は傷つく事が多い等の欠陥が目立っ た.それで,沈降力を前記の通り小さくし,網棚を足で押さえながら引き寄せるように揚網 して,操業はむしろ容易になった. 漁 獲 物 の 種 類 は ア ユ , コ イ , フ ナ , ハ ゼ 類 , ス ッ ポ ン , オ オ ウ ナ ギ 等 で あ り , ア ユ の 体 長 分布はFig.6に示す通りである.

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画[何回ご﹃掛詞で員拭 310 田ノ上:池田湖における魚類の漁狸法の研究−1 Forklength(皿、.) Fig.6.FrequencydistributionofFork-lengthofthesweetfish caughtbythebeachseine. 40 60 8 0 1 0 0 1 2 0 迫叉手網の操業に際しては,叉手網を陸岸との交角が直角或いは若干少ない角度で,沈子 方が湖底に接着するように脇竹を保持して魚群の入網を待つ.一方追い手は竹竿で魚群を威 嚇しながら,網の前方任意の場所から陸岸沿いに魚群を網1,iへ追い込み,魚群の入網と同時 に,沈子方を持ち上げて漁狸する. 漁網を白綱のままで使用し,追い込み典に竹竿(約3m.)を用いて威嚇した場合,魚群は 網口まで近寄るが,網の直前に来てから沖合へ遊泳方向を変えて網にはいらない.この実験 は何回繰り返しても同じ結果に終った.実験''1における網の形状は,網の奥部で約,、位の 袋状に拡がり,網成りは良好であった.魚の群が大きい場合も小さい時も同様な動きが観察 された。この結果からみて,’2.'網地は魚群に発兄され易く,漁網として不適当であると判断

された.其の後,綱を褐色に染色して,威嚇具に烏の羽を品るした竹を用い,Fig.7に示す

ように,水面上を滑らせて魚群を網中へ追い込む方式に変えた.この場合は衝撃的な威嚇法 と異なり,小群のアユは,あたかも水鳥に追いかけられている如く,比較的容易に網中には

いり,漁狸可能となった.しかし,烏の羽を川いる追い込み方法は熟練した特別の技能を必

要とするので,今後検討を要する点が多い.叉手網による漁獲の良否は「追い手」の追い込 み方と網持ち,すなわち,揚網の呼吸が合った場合に股大の漁独効果があげられる.

(8)

分 昌 i狸 l)江波澄雄(1966) 2)水産庁編(1958) 文 献 湖産魚類の資源的研究文部省綜合研究恨告集録(農学編)177∼178. 日本漁船漁具図集92. 1.池田湖において,アユを漁狸するために,小型地曳網と追叉手網を設計作製して,漁獲 試験を実施した. 2.小型地曳網(浮子方の長さ42m.)は浅い場所に棲息している魚群を漁獲するために適当 な漁具である. 3.追叉手網は岸近くで,小アユの小群を漁雄する際に効果的である.しかし,追込み竿の 使用に熟練を要する. 終りに追叉手網の漁狸試験を実施していただいた漁業学専攻学生徳近靖彦飛,資料催埋 を援助して下さった,稲葉三リj飛,牧ノ□久美子嬢に深謝する.なお,本研究は池川湖開発の

総合研究の一環として実施したもので,文部省総合研究賀から経費の支出を得た.記して謝

意を表する. ﹄ 言 識鍵識 宰テ:率謬鐘燕学…等厚意

:一 約 >醗銀・_ 舜鈷 ︾︾ 要 舜 癌 鹿児島大学水産学部紀要第15巻(1966) 、鐘鯵叫 Fig.7.Photographsshowingthefishingoperationofthedipnet. E画坐 綴 争 卓 墨田夢 卜剣一昌鐘

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