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社会認知的アプローチからみた外国語活動におけるインタビュー活動の分析

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(1)

社 会認知 的 アプ ロー チか らみ た

外 国語活動 にお け るイ ンタ ビュー活動 の分析

教育内容・方法開発専攻

文化表現系教育 コース

言語系教育分野

(英

)

M15184B

鎌 田

(2)

謝 辞 本研 究 の推進

,お

よび論文 の執筆 にあた り

,多

くの方 に ご指 導

,ご

協力 いただ きま した こ とを心 よ り感謝 申 し上 げます。 主任指導教員 並び に指導教員 であ ります兵庫教育大学教授 吉 田達 弘先生 には,2 年 間にわた り折 に触れ ご指導 ,ご助言 いただ きま した。研 究 が思 うよ うに進 まず, 悩 む こ とも多 くあ りま したが

,私

が立 ち止 ま るたび

,ど

ん な とき も じつ く りと時 間 をか けて寄 り添い

,進

むべ き方 向へ導 いて くだいま した。 心 よ り感 謝 申 し上 げ ます。 言語 系教育分野の先生方 にお かれ ま しては

,2年

間 を通 して

,様

々な場面で ご 指導

,ご

助言 を賜 りま した こ とを深 く感謝 申 し上 げます。先生方 が開いて くだ さ つた学 問の世界 は驚 き と発見の連続 で

,学

ぶ楽 しさに満 ち溢れ ていま した。 本研 究 の推進 にあた り

,授

業観 察 を快 く引 き受 けて くだ さつた

,吉

田ゼ ミ修 了 生 でお られ る石井健一 さん

,な

らび に研 究協力校 の先生方

,児

童 のみ な さん

,貴

重 な生 の教育現場 に触れ させ ていただいた こ とに深 く感謝 を申 し上 げます。石井 さん には

,研

究へ の ご協力のみ な らず

,授

業実践 の奥深 さを教 えていただ きま し た。児童一人ひ と りに 目を向け

,常

に授業 を最高の学びの場 にす るよ うご尽力 さ れ てい る姿 に心 か ら感銘 を受 けま した。誠 にあ りが と うございま した。 ゼ ミの先輩である入江 由美子 さん

,上

山尚穂子 さん

,岡

久美子 さん の

,研

究 に 取 り組 まれ る熱 心 な ご様子 か ら

,学

ぶ こ との意義 を教 えていただ きま した。ゼ ミ の仲間である藤井伸子 さん,大和智子 さん,寺崎 陽子 さん,Roslina Sawitriさ ん, Dos Santos Sipirano Andersonさ ん には

,何

度慰 め

,励

ま していただ いた こ とで

しょ う。 また

,と

もに学んだ同級生 のみ な さん と

,現

職校種や年代 を超 えて交わ した談義 は

,研

究 を進 め る上 での大 きな支 えで した。 み な さんの支 えな く して,

私 の大学院生活 は成 り立たなか つた とい う感謝 の思 いでい つぱいです。本 当にあ りが と うございま した。この

2年

間の大学院生活 で得 た潤 沢 な学びや み な さん と の 出会 いは

,私

の人生の宝物 です。

(3)

¨■

最後にな りま したが

,研

究および執筆に理解を示 してくださつた方々

,い

つ も

励ま し応援 してくれた友人

,家

族の支 えに感謝の気持ちでいっぱいです。その支

えがあったか らこそ

,多

くのことを乗 り越え

,今

に至ることができま した。

今後は

,大

学院で得た多 くの学びを

,教

育実践の場で活かす ことができるよう

,

日々研鑽を積んでまい ります。 ここにお礼 と感謝の気持ちを述べ

,謝

辞に代 えさ

せていただきます。

2016 年 12 月 鎌 田 奏

(4)

一Ш 要 旨 現在外 国語活動 の授 業 では

,柳

瀬・ 小泉 (2015)が 指摘す るよ うに

,指

導者 が発 す る英語 を児童 がそのまま繰 り返す活動や

,チ

ャンツを行 う活動

,パ

ター ン・ プ ラクテ ィスな どが実施 され る時間が多 くな る傾 向にあ る。その理 由の一 つ と して, 児童 が十分 に表現 に慣れ親 しまない とコ ミュニケー シ ョン活動 に移行 で きない, あ るいは

,児

童 た ちの持 つてい る知識や スキル では

,十

分 な コ ミュニケー シ ョン 活 動 はで きない

,と

考 える教 師 自身 の思いが あ る と考 え られ る。筆者 は

,コ

ミュ ニ ケー シ ョン活動 を観察す る際 に,児童 が発す る言葉 だ けに注 目す るの ではな く, 児童 の考 えが現れ てい るよ うな体 の動 きや表情

,視

,立

ち位 置 な どに も 目が向 け られ る必要が ある と考 え る。本研 究 では

,児

童 た ちの活動 中の姿 を観 察

,分

析 す るた めに

,社

会認 知 的 な視 点 か ら

,児

童 が コ ミュニケー シ ョン活動 を行 う授 業 を観 察 し

,活

動 の中で児童 が どの よ うにや りと りを してい るのか明 らかにす るこ とを 目的 とした。 まず

,先

行研 究か ら

,児

童 の相互行為 を見 てい くた めの理論 的枠組 み と して,

「社会認知的アプ ローチ」(Sociocoginitive approach,以 下

SCA),お

よびそ の 中 で重要 とな る概 念 で あ る「協調」(al igrllnent)につ いて

,ま

,そ

れ を担保 す るた めに欠 かす ことので きない「間主観性 」(intersubjectivity)と い う概念 につ いて, 理論的考察 を行 なつた。 第二言語習得研 究の 中で主流 の位置 を占め るのは

,認

知 主義的 アプ ロー チであ る。認知 主義的 アプ ローチ は

,学

習者 の個 人 内で行 われ る言語 の産 出 と理解 に関 す る心的プ ロセ スを対象 と してお り

,こ

の心的プ ロセ スは

,入

力 (input)と その 処理

,そ

して出力(output)と い う情報処理モデルで表現 され る。 この処理 におい て

,外

界 の情報 を取 り込み

,脳

内の表象 (representation)に 変換 され た ものが知 識 であ り

,学

習 にお ける個人差 は

,処

理 を構成す る様 々な要素 の差 に還元 して論 じられ る。 これ に対 し

Atkinson(2011)は

,人

間の認 知的活動 にお いては

,人

間 とそれ を取 り巻 く環境 との関係 は

,常

に変 わ り続 けてお り,イ ンプ ッ トーア ウ トプ ッ トとい う

(5)

・ Ⅳ 個 人 内に閉 じた情報処理 だ けでは

,実

際 に起 きてい る活動 の複雑 さを説 明で きな い

,と

して

,新

しい形 の様 々なアプ ロー チ(alternative approaches)を検討す る 必要 が あ るこ とを主張 した。中で も

,Atkinsonが

提 唱 してい る社会認 知的 アプ ロ ー チ(SCA)と は

,第

二言語習得 において学習者 の言語学習 を

,個

人 の認 知活動 に限 定せず

,学

習者 主体 と他者 を含 めた環境 との相互作用

,あ

るいは 「協調」 と考 え る枠組 み であ り

,身

体 の位 置や ジェスチ ャー

,表

,視

線 な ど

,言

語 だけで な く 身 体 に 関 わ る 事 柄 (身 体 化

:embOdiment)を

重 視 し

,<認

知 ―身 体 一環 境

(mind一body一

world)>を

セ ッ トと して論 じてい る。

この見方 は

,言

語 習得 を情報 の入 出力 とその処理 で論 じる従 来 の認 知主義 的見 方 とは一線 を画 してお り

,言

語学習 を複雑 な全体的 な営み と して とらえよ うとす る もので あ る。SCAに 基づ く第二言語 習得研 究 と して

Atkinsonは

,学

習者 が様 々 な リソー ス を使 用 して他者 や環境 と協調 してい る過程 を示 したが

,こ

の とき

,学

習 に参加 してい る者 同士が活動 を円滑 に進 めてい く際 に重 要 になって くるのが, 間主観性 とい う概念 であ る。 間主観性 とは

,異

なつた理解 か ら課題 を始 めた参加 者 が

,課

題 の意 味や 目的 につ いての共通理解 を形成 してい くこ とを意 味す る。 本研 究 では

,こ

れ らの先行研 究の知 見か ら

,校

外学習 の一環 と して行 われ た英 語話者 へ のイ ンタ ビュー活動お よび

,学

校 内で行 われ たイ ンタ ビュー に向けての リハーサル活動 を詳細 に分析す るこ とで

,相

互行為 の 中で

,児

童 た ちが どの よ う に間主観性 を形成 しなが ら協調 をお こなってい るか を明 らか に しよ うとした。言 語活動 の 中で見 られ る協調 に注 目す るために

,SCAを

分析 の基盤 として

,参

加者 の 発話 だ けでな く

,相

互行為 中に見 られ るジェスチ ャー

,視

,姿

,道

具 の活用 な ど様 々な リソースの使 われ方 を

,会

話分析 の手法 を用 いて多面的 に分析 した。 体育館 にお け る リハーサル活動 の分析 では

,児

童 は会話 のや りと りの中で

,言

語 だ けでな く

,非

言語 的音声

,視

,ジ

ェスチ ャー な ど

,様

々な リソース を用い てイ ンタ ビュー活動 を構成 していた。 観 光地 にお け るイ ンタ ビュー活動 の分析 では

,観

光客 の発話

,視

,体

の動 き な どを リソー ス と して会話 の滞 りそ うな場面 を察知 し

,そ

れ に対 して伝 えたい こ とを反復 した り

,語

を強調 して伝 えた りす るな どし

,複

数 の児童 が様 々な リソー

(6)

ス を使用 し協働 的に会話 を立て直 し

,間

主観性 を保 持す る様子 が観 察 され た。 ま た

,

リハーサル で練習 していた会話通 りに進 まず

,流

れ が崩れ た状態 か ら始 ま る イ ンタ ビュー活動 もあつたが

,そ

こでは

,児

童 は決 め られ た会話 の枠組 み か ら逸 脱 し

,環

境 の変化 に対応 して リソー ス を最大 限 に利 用 し

,身

体 の動 きや認 知 を協 調 させ るこ とで 困難 な状況 を立 て直 した。 リハーサル活動 と校外活動 のそれ ぞれ の場 面 にお けるや りと りの詳 細 な分析 か ら

,1)児

童 た ちは観 光地 において

,

リハーサル活動 で見 られ た以上 に

,様

々な リ ソー ス を複雑 なや り方 で使 用 し

,会

話 を継続 させ ていた こ と

,2)観

光地 にお け る 相互行為 の 中で

,児

童 た ちはそれ ぞれ の役割 を果 たす とい うこ とだけではな く, 会話 を成 立 させ るために協働 的 に場 を構成 していた こ と

,3)観

光地 にお け る相互 行為 の 中で

,児

童 た ちは環境 の変化 に あわせ て リソー ス を最大 限 に利用 し

,身

体 の動 きや認知 を協調 させ ていた こ とが明 らか になつた。 これ に よ り

,体

育館 での 活動 と異 な り

,環

境 が激 しく変 わ る観 光地 での活動 では

,児

童 た ちが様 々な リソ ー ス を用いなが ら

,他

者 (観光客

,児

)と

問主観性 を形成 しなが ら

,時

,失

敗 しなが ら

,協

調 してい く様 を とらえ ることがで きた。 これ まで

,認

知―身体…環境 を全体的 に とらえる第二言語習得研 究

,特

,小

学 校 での外 国語活動 を対象 に した研 究 は ほ とん どなか つたが

,本

研 究で明 らか にで きた ことに よつて

,児

童 の言語学習 を とらえる新 しいアプ ローチが提案 で きたの ではないか と考 える。

(7)

・Ⅵ 目次 謝辞.… ……… ………。i 要 旨.… ………。iii 目次.… ……… Vi 第

1章

研 究 の背景.… ………。1 第

2章

先行研 究.… ………。3

2.1認

知 主義 的アプ ロー チ 。… … … …… … … …… … … 3

2.2社

会認知 的アプ ローチ.…… …… …… … … … …… … … ¨… … … 3

2.3 SCAに

基づ く具体 的な第二言語習得研 究 .…… … … …… …… … … …5

2.4間

主観性 (intersubject市ityl…… … … …・7

2.5本

章 のま とめ.…… ………・8 第

3章

研 究方法.… ………・9

3.1研

究 の方法.…… ¨… … … … ¨… … … … ¨… … … … …… … ¨… … … … …… …9

3.2分

析方法.…… … …… … … … ¨… … … … …… … … … …… … … …… … …12

3.3リ

サーチ クエ スチ ョン.…… … … ¨… … ¨13 第

4章

イ ンタ ビュー活動 の記述・ 分析.… ……… 15

4.1体

育館 にお け る リハーサル活動

(2016年

6月 1日)。… … … …16 4。

1.1活

1.…

… … … 。17

4.2観

光地 にお け る実際のイ ンタ ビュー活動

(2016年 6月 7日

)。… … … ……19 4。

2.1活

2イ

ン ドか らの観光客へ のイ ンタ ビュー.…… … … …19 4。 2。

2活

3中

国か らの観 光客へ のイ ンタ ビュー.……… … … …

21

4.3リ

ハーサル活動 と実際のイ ンタ ビュー活動のま とめ。… … … …… … …… …31 第

5章

イ ンタ ビュー活動 の分析結果.… ……… 32 5。

1体

育館 と観 光 地 で のイ ンタ ビュー活 動 の相 違 :リ ソー ス の使 い方 の違 い 。 ・・¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨………¨………¨¨¨¨……¨¨¨¨・・¨・・¨・・¨‥‥‥‥‥‥‥‥‥…………¨¨‥‥‥‥…………。

32

5.2協

働 的 な場 の構成 .¨…… … … …… … … …… … … …… …… … … ¨…

34

5.3会

話 の滞 りそ うな場面 での会話 の継続 .…… … … …… … … … ¨… … … … …

36

(8)

Vll

5.4ま

とめ。………37 第

6章

ま とめ と課題.… ……… 39 引用文献.… ……… ……… 41 巻末資料 。……… 43 資料

1ト

ランス ク リプ トで用 い られ る記号.…… … … …

44

資料

2ス

ク リプ ト全文.…… … … …… …… … … …… …… … … … ………

45

活動

1体

育館 にお ける リハーサル活動

(2016年

6月

1日).…… …… … …

45

資料

3ス

ク リプ ト全文.…… … ……… … … …… … … … …… … … … ¨… … … ¨…

47

活動

2イ

ン ドか らの観光客へ のイ ンタ ビュー活動

(2016年 6月 7日

)。…

47

資料

4ス

ク リプ ト全文.…… … ‥…… … ¨… … … ¨… …… …… … …50 活動

3中

国か らの観 光客へ のイ ンタ ビュー活動

(2016年

6月 7日

)。… .50

(9)

Vl■ 写真 1 写真 2 写真 3 写真 4 写真 5 写真 6 写真 7 写真 8 写真 9

図表 目次

認 知一身体一環境 の協調 が見 られ たチ ュー トリアル の場 面 (Atkinson et al, 2007, p.175)...・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 イ ン ドか らの観 光客へ のイ ンタ ビュー場面

1.…

………。20 中国か らの観 光客へ のイ ンタ ビュー場 面

1.…

………。23 中国か らの観 光客へ のイ ンタ ビュー場 面

2.…

………・24 中国か らの観 光客へ のイ ンタ ビュー場 面

3.…

………。25 中国か らの観 光客へ のイ ンタ ビュー場 面

4.…

………・27 中国か らの観 光客へ のイ ンタ ビュー場 面

5.…

………。29 中国か らの観 光客へ のイ ンタ ビュー場 面

6.…

………。30 中国か らの観 光客へ のイ ンタ ビュー場 面

7.…

………。30 表 1「校 外学習 でイ ンタ ビュー を しよ う」単元計画 .… …… ………10 表

2校

外学習 にお けるイ ンタ ビュー での質 問や言葉 .… ………。11 表

3校

外学習 にお けるイ ンタ ビュー での質 問や言葉 。………・22

1体

育館の活動でのカメラ

,ICレ

コーダーの配置図

.…

………

11

(10)

1章

研究の背景

現在

,小

学校外 国語活動 の新学習指導要領 の 目標 では

,「

コ ミュニケー シ ョン 能力 の素地 を養 う」 た めに

,「

言語や 文化 に対す る体験 的理解 」 「英語 の音声や 基本 的表現へ の慣 れ親 しみ」「コ ミュニケー シ ョンヘ の積極 的態度 」の3点 が掲 げ られ てい る。外 国語活動 が実施 され て6年 が経過 してい るが

,指

導体制や教室環境 の整備 な どにつ いて学校 間や地域 間で格差が出始 めてお り

,そ

の結果

,授

業実践 の実態 について もば らつ きがでてい る。 それ で も

,多

くの学校 で見 られ るのは, 上記 の 目標 の うち 「慣れ親 しみ」 の活動 が重視 され た授業 で ある。 そ うい つた授 業 では

,指

導者 が発 す る英語 をそのまま繰 り返す活動や

,チ

ャンツを行 う活動, 簡 単な英文 を

,パ

ター ンを変 えて学習す るパ ター ン・ プ ラクテ ィスな どが実施 さ れ る時間が多 くな る傾 向に ある。柳瀬・ 小泉 (2015)は

,そ

ういった授 業 で話 され る英語 は教師や児童 自身 の言葉 ではない と し

,自

分 の考 えや気持 ち とは関係 な し に

,英

語 の内容 に 自分 の責任 を感 じないままに英語 を引用す るだ けでは コ ミュニ ケー シ ョン能力 は身 につか ない と批半Jしてい る。 授 業 の 中で

,コ

ミュニケー シ ョンヘ の積極 的態度 を養 う活動 にまで至 らない理 由 としては

,上

で述 べ た教 師の力量の問題 のほか

,単

元 の 目標設 定や構成 に問題 が ある場合や

,テ

ィー ム・ テ ィーチ ングがで きない環境 な ど様 々あ る と考 え られ る。 しか し

,も

う一つ の理 由 と して

,児

童 が十分 に表現 に慣れ親 しまない とコ ミ ュニケー シ ョン活動 に移行 で きない

,あ

るいは

,児

童 た ちの持 つてい る知識や ス キル では十分 な コ ミュニケー シ ョン活動 はで きない

,と

考 え る教 師 自身 の思 い も あ るのではないだ ろ うか。筆者 は この点 につ いて

,コ

ミュニケー シ ョン活動 の 中 で

,児

童 た ちが

,学

んだ表 現 をた とえ不完全 な形式 で あって も

,

どの よ うに使用 してい るかにつ いて もつ と理解 を深 める必要 が ある と考 え る。 さらに

,児

童 が発 す る言葉 だけに注 目す るのではな く

,児

童 が コ ミュニケー シ ョンを行 う際の体 の 動 きや表情

,視

,立

ち位 置 な どに も 目が向け られ る必要 が ある と考 える。 そ こで本研 究では

,そ

うい つた事柄 を検討 す るた めに

,社

会認 知的 アプ ローチ を基盤 に

,児

童 が コ ミュニ ケー シ ョン活動 を行 う授 業 を観 察 し

,活

動 の中で児童

(11)

が どのようにや りとりをしているのか明らかにする。社会認知的アプローチ とは

,

学習を個人の認知活動に限定せず

,学

習者主体 と他者を含めた環境 との相互作用

,

あるいは 「協調」 と考える枠組みである。人間の認知的活動においては

,人

間と

それを取 り巻 く環境 との関係は常に変わ り続けてお り

,イ

ンプッ トーアウ トプ ッ ト

とい う個人内に閉じた情報処理だけでは

,実

際に起きている活動の複雑 さを説明

す るのは難 しい。そのため分析は映像や音声データを用いて行い

,児

童のコミュ

ニケーション活動を

,身

体の位置やジェスチャー

,表

,視

線など

,言

語だけで

なく身体に関わる情報も含め複合的に観察する。具体的には

,校

外学習の一環 と

して行われた英語話者へのインタビュー活動および学校内で行われたインタビュ

ーに向けての リハーサル活動を詳細に分析する。

(12)

2章

先行研 究

本 章 ではまず

,社

会認 知 的アプ ロー チにお ける第二言語 習得 の概要 を述べ

,そ

の 中で重視 されてい る協調(aligrlnlent)と い う概念 につ いて言及す る。そ して

,あ

る活動 において

,参

加者 が他者や環境 と協調 してい る場面 で達成 され る間主観性 (intersubjectivity)につ いて述べ る。 本研 究の核 心 とな るSCAを 援用す るに至 った背景 を述べ るにあた り

,現

,第

二 学習研 究の 中で主流 の位 置 を 占め る認 知主義

,そ

して

,そ

の対抗概 念 として登場 した社 会認知 的アプ ローチ について触れ てお きたい。

2.1認

知主義的アプ ローチ

Atkinson(2011)に

よる と

,認

知主義 的アプ ロー チ は

,学

習者 の個 人 内で行 われ る言語 の産 出 と理解 に関す る心的 プ ロセ スを対象 と してい る。 この心的プ ロセ ス は

,入

力(input)と その処理

,そ

して出力(output)と い う情報処理モデルで表現 さ れ る。 この処理 において

,外

界 の情報 を取 り込み

,脳

内の表象 (representation) に変換 され た ものが知識 で あ り

,学

習 にお け る個 人差 は

,処

理 を構成 す る様 々な 要素 の差 に還元 して論 じられ る。 この よ うな見方 は

,モ

デル の精度 な どにちがい は ある ものの

,イ

ンプ ッ トや ア ウ トプ ッ トとい う表 現で学習 を語 る第二言語習得 研 究では

,主

流 の見方 で あ る

(Krashen,1985;Swain,1985な

ど)。

2.2社

会認 知的アプ ロー チ これ に対 し

Atkinson(2011)は

,人

間の認 知 的活動 においては

,人

間 とそれ を取 り巻 く環境 との関係 は常 に変 わ り続 けてお り,イ ンプ ッ トーア ウ トプ ッ トとい う個 人 内に閉 じた情報処理 だ けでは,実 際 に起 きてい る活動 の複雑 さを説 明で きない, と して

,新

しい形 の様 々なアプ ローチ(alternative approaches)を検討す る必要 が あ る こ とを主 張 して い る。 中 で も

,Atkinsonは

,社

会 認 知 的 ア プ ロー チ (Sociocoginitive approach,SCA)を 提 唱 した。

(13)

4

Atkinson et al。 (2007)に よる と

,SCAと

,第

二言語習得 において学習者 の言 語学習 を

,個

人 の認 知活動 に限定せず

,学

習者 主体 と他者 を含 めた環境 との相互 作用

,あ

るいは 「協調(al igrllnent)」 と考 える。また

,そ

の際に

,身

体 の位 置や ジ ェ ス チ ャー

,表

,視

線 な ど

,言

語 だ けで な く身 体 に 関 わ る事 柄 (身体 化 :

embodiment)を

重視 す る。つ ま り

,SCAに

よる と

,第

二言語 習得 は常に変わ りつつ あ る環境 へ の適応 のプ ロセ ス と して と らえ られ

,活

動 にお ける参加者 と

,参

加者 を取 り巻 く社会 的関係 や環境 とを切 り離す こ とな く

,全

体 的 に捉 える枠組み と し て考 え られ る。

Atkinsonは

,議

論 の 中で

,<認

知―身体一環境(mind―body―world)

>を

セ ッ トと して論 じてい る。 この見方 は

,言

語習得 を情報 の入 出力 とその処理 で論 じる従来の認 知 主義 的見方 とは一線 を画 してお り

,言

語学習 を複雑 な全体的 な営み として とらえ よ うとす るもので あ る。 社会認知 的 アプ ローチの基盤 と して

Atkinson(2011)は ,以

下の よ うな研 究 の原 理 を示 してい る

(Atkinson[2011]に

基 づ いて筆者 が整理 した)。

1)特

殊性

,個

別性

,多

様性 従来 の第二言語習得研 究 は

,習

得 プ ロセ スの一般化 を図 る ことをめ ざ して き たが

,SCAに

おいては

,異

なった文脈 にお ける個別 の言語習得 の事例 を重視す る。 したがつて

,学

習や習得 のプ ロセ スの多様性 を認 め る。

2)プ

ロセ ス

,全

体 主義

,統

合性

,お

よび 関係 性 従来 の第二言語習得研 究 と異 な り

,SCAで

,言

語 学習 を直線 的 に進 む プ ロ セ ス とは考 えず

,人

間 と環境 との複雑 な相 互作用 と して

,第

二言語習得 を関係 的かつ統合 的 に研 究す る。

3)拡

張 され た認知 社会認 知 の 中心的 な主張 は

,認

知 が個人 内の心的処理 のなかに閉 じてお らず, 社会的道 具や記 号 システム を介 して世界 に広 がってい くこ とであ る (Atkinson

2010a,2010b)。

つ ま り

,認

知―身体一環境 の関係 が どの よ うに統合 され てい る か を探求す るこ とが研 究 の 目標 とな る。

4)相

互行為 と しての学習

(14)

5 SCAでは

,多

くの第 二言語学習 は

,他

者 とともに

(with),ま

,他

者 との間 (between)で 行 われ る相互行為 (interaction)の 中で行 われ る と考 える。この と き

,認

知―身体一環境 の関係 の 中で相 互行為 が どの よ うに変化す るか を記述

,分

析 してい く。 特 に

,相

互行為 の 中で活動 にお ける参加者 が

,自

らの身体 と他者 や物理 的道 具 との関係 を調整 しなが ら環境へ適応 し

,ま

,環

境 を構成 してい くこ とを

Atkinsonは

「協調(alignment)」 と呼んでい る。本論 文 で も

,言

語活動 の 中で 見 られ る協調 に注 目す るが

,そ

のためには参加者 の発話以外 に

,相

互行為 中に 見 られ る以 下の① ∼⑩ に示 した ジェスチ ャー,視線,姿勢,道具の活用 な ど様 々 な リソー スの使 われ方 が

,多

面的 に分析 され る必要 が あ る。 ① 言 語 (language)

②非言語的音声

(nOnlinguistic vocal behavior)

③視線

(gaze)

)'そ

(facial expression)

⑤ジェスチャー

(gesture)

⑥頭や体の動きや向き

(head and body movement and orientation)

⑦道具

(tools)

③場の設定や環境

(settingS)

⑨役割や人間関係

(rOles and relations)

⑩活動の計画や方法

(arrangements and practices)

重要なことは

,こ

れ らの リソースは単独で機能することはなく

,認

知―身体一環

境 とい う関わりの中で

,複

合的に

,ま

た重層的に出現するとい うことである。

2.3 SCAに基づ く具体的 な第 二言語習得研 究 で は

,こ

こまで述べて きたSCAが 重視す る概 念 を具体 的 に理解 す るた めに,

Atkinson et al.(2007)に

お け る研 究事例 を取 り上 げ

,紹

介 したい。 この事例 は

,14歳

の 日本人英語学習者 ア コが現在完 了形 についての文法の宿題 を

,英

語 の指導経験 のあ る叔母 トモ とともに進 め る とい うチ ュー トリアル の場 面

(15)

6

で あ る。 二人 は

,現

在完 了の経験 を使 つた英作文 の問題 を解 いてい る。 ここで,

認知―身 体一環境 の協調 が見 られ た場 面 につ いて述べ てい る。

研 究事例

乃b″θ】b“ いtr″ケJ`θ,″ケi能″7

01 A: ((Reads frst part ofexercise item quickly llnder her breath))

°Anata wa ima made ni eigo de tegalni=° <(2.0)Ima made ni=

μ′′=Yoχ β切り

“″〃″ο″′η hglお乃ル能ィ

協 ″′″ο

W

((SOftly shadowing A's volume,intonation,and gestures))

=°Unima made° R`創りあ “ ″′〃ηο

w

INeも

a

ル ソer

[>Sakki nO tsukaeba五njanai?<

Иり′ο′郷θ″θοηθ″γぉθグb(力r`2

1ma made(.8)n‐e:Va ka

協 ′″ηθw′ι―θツθr2

Have you evertoka nantoka=

θッθγθνθ″b′α “ たら′α″た (Atkinson et al,2007,p.175) T 3 4 0 0 05 (1.0) 06 A: T: 07 T: 上記 の二人 の会話 のや りと りで

,ア

コは 「あなたは今 までに英語 の手紙 …今 ま で に」(L01)と 発話 し

,続

いて トモ が 「うん今 まで」(L04)と 小 さな声

,か

,学

習者 と同様 の抑揚で発話 を部分 的 に反復 した。この反復 で「今 までに」(L02)と い う

,ア

コが注 目してい る副詞 に

,

トモ 自身 も注 目してい る とい うこ とが うかが え る。 トモ は 「さっきの使 えばいいん じゃない?」 (L07)と

,既

習事項 を思い 出 させ る よ うに提案 を し

,ア

コは 「今 まで…ネーバーか」(L08)と発話す る。も う少 しで 課題 達成 で きそ うなア コに

,

トモ は さらに 「Have you everと かなん とか」(L09)

と発話 し

,ア

コに とつて分 か りやすい ヒン トを与 え

,課

題 を達成す るまでの道 の りを縮 めてい る。 ここで

,上

記 の トランス ク リプ トに写真1の視覚情報 を加 える。

(16)

い ま まで …ne...everか さっきの使 えば良いん じゃない?

Have you ever とか な ス′とか

写真

1認

知―身体¨環境 の協調が見 られ たチュー トリアル の場面 KAtkinson d d,2007,p.175) 写真1では

,ア

コと トモが横 に並 んで座 り

,必

要 に応 じて トモ が支援 で きる よ う な酉己置 となってい ることがわか る。 また

,

トモ はア コ とともに ワー クシー ト (道 具

)に

視線 を向 け

,記

載 されてい る表現 をペ ンで探 してい る。 この よ うに

,Atkinsonは

二人 のや りと りを

,言

葉 のや りと りだ けではな く

,位

置 関係

,ジ

ェスチ ャー

,体

の向 き

,視

線 な ど

,様

々 な要素 か ら複合的 に分析す る ことに よ り

,二

人 を含 め

,様

々な リソースが複雑 な形 で絡み合 ってい る

,す

なわ ち

,協

調 してい ることを示 した。 こ うい つた視点 で分析 をす るこ とに よ り,

Atkinsonは

,学

習が学習者 の個 人 内のみ で行 われ るので はな く

,社

会 的道具や, 学習者 が取 り組 んでい る課題 な ど様 々な要素が絡 み合 い

,認

知―身体一環境 が切 り 離 され ることな く

,協

調 して起 こるのだ とい うこ とを主張 した。 2.4 Fn5主観性 (intersubjectivity) SCAに 基づ く第 二言語 習得研 究 と して

,Atkinsonは

,学

習者 が様 々な リソー ス を使用 して他者 や環境 と協調 してい る過 程 を示 したが

,こ

の とき

,学

習 に参加 し てい る者 同士 が活動 を円滑 に進 めてい く際 に重要 になって くるのが 「間主観 性」 とい う概念で あ る。 間主観性 とは

,異

な つた理解 か ら課題 を始 めた参加者 が

,課

題 の意 味や 目的 について の共通理解 を形成 してい くことを意味す る

(Newson&

Newson,1975,;吉

田・望 月

,2000;バ

ー ク・ウィンスラー,2001)。

(17)

学校 の授 業 での作 品づ く りや プ ロジ ェク トの 中で

,ゴ

ール を設 定 した協 同活動 をお こな うとい う状況 では

,間

主観性 を形成 す る こ とが不 可欠 で あ り

(Tharp&

Gallimore,1988;吉

田・望月

,2000),そ

の よ うな間主勧 性は参加者 同士の対話 を 通 して形成 され る。 しか し

,そ

の時の対話 はいつ も円滑 な もので あ る とは言 えな い。参加者 間に見方 の違 い

,能

力 の差 が あ る とすれ ば

,絶

えず摩擦 が生 じる とい つて もよく

(Wertsch,1998;吉

田。望 月

,2000),そ

れ を解 決す るた めには

,参

加 者 た ちが状況 を共有 しなが ら絶 えず交渉 した り妥協 した り

,協

調 す る とい つた努 力 をす るこ とが不可欠 で あ る

(Newson&Newson,1975,バ

ー ク・ウィンスラー, 2001)。 本論 では

,外

国語活動 の 中で

,児

童 た ちが他者 とそ うい つた間主観性 を形 成 しなが ら相互行為 を行 つてい る様子 を

,つ

ぶ さに観 察

0分

析す る こ とを 目指 し た い。

2.5本

章のま とめ 本章 では

,第

二言語習得研 究の 中で認知主義か らSCAに 至 る背景

,そ

の 中で重要 とな る概念 であ る 「協調」 につ いて

,ま

,そ

れ を担保す るた めに欠 かす こ との で きない「間主観性 」とい う概念 につ いて

,Atkinsonに

よる研 究事例 も踏 ま えて 概観 して きた。 冒頭 で述べ た よ うに

,本

研 究 の 目的 は

,児

童 が コ ミュニケー シ ョ ン活動 を行 うこ とを 目的 と した授 業 を観 察 し

,活

動 の 中で児童 た ちが どの よ うに 学 んでい るか を分析す るこ とで あ る。 これ までの第 二言語習得 にお けるSCA研究では

,Atkinsonの

事例 の よ うに

,一

対 一 のや り取 りにつ いて取 り上 げ られ て きたが

,多

人数参加 の複雑 な場面での研 究 はまだ少 ない と思 われ る。そ こで以 下では

,Atkinsonの

考 えに基づ き

,多

人数 が参加 す る活動 にお いて

,参

加者 が

,認

知―身体一環境 に協調(alignlnent)するこ と について読み解 き

,SCAの

概 念 を強化 してい きたい と考 え る。 次章 では

,本

研 究 の詳細 な 目的や

,分

析 の手法 について述 べ る。

(18)

9

3章

研究方法

第2章 では

,Atkinsonの

事例 を もとに社会認知 的アプ ローチ の立場 か ら

,活

動 の 参加者 が どの よ うに協調(alignlnent)を生み 出 してい るか をみた。従来 の第 二言語 習得研 究 と異 な り

,SCAで

,認

知―身体一環境 が切 り離 され る こ とな く

,相

互 に結 びつ いて学習 が起 こる とい うこ とが示 され た。 冒頭 で提示 した よ うに

,本

研 究 の 目的 は

,児

童 が コ ミュニケー シ ョンを行 うこ とを 目的 と した授 業 を観 察 し

,コ

ミ ュニケー シ ョン活動 の 中で児童 が どの よ うに学んでい るのか

,つ

ま り

,児

童 た ち が どの よ うな リソー スを用 いて活動 に参加 し

,ど

の よ うに課題 を達成 してい くの か につ いて明 らかに してい くこ とで あ る。

3.1研

究の方法 本研 究 は

,兵

庫 県 内のあ る公 立小学校 の6年 生26名 の クラス を対象 と してい る。 この学校 の校長 か ら研 究協力 の承諾 を取 つた後

,ク

ラスの学級担任 に研 究協力 を 依頼 し

,2016年

度4月 か ら7月 の3ヶ 月 間

,外

国語活動 の授 業 を観 察記録 した。ラン ダムに選 んだ学校 ではない とい う点か ら

,本

研 究 は一事例 に関す る研 究(Case Study)と して進 めてい く(後述す る3.3を 参照 の こと)。 この学校 では月に一度ALTが来校 し

,テ

ィー ムテ ィーチ ングが行 われ てい るが, それ 以外 の授 業 は担任 主導 で授 業 が行 われ てい る。 筆者 は

,2016年

4月 20日 か ら7 月13日 まで授 業観 察者 として授 業 に関わ り

,毎

週 の授 業 のデー タを ビデ オカ メラ とICレコー ダー にて記録 した。本研究 の対象 となつたのは,5月 17日 か ら6月 8日 に 実施 され た「校外学習 でイ ンタ ビュー を しよ う」とい う全5時間の単元 で

,校

外学 習 で観 光地 を訪 問 し

,そ

こを訪れ た外 国か ら来た観 光客に

,英

語 でイ ンタ ビュー をす る とい うものであった。 この単元 では

,観

光客 の出身地

,

日本文化へ の関心 な どを尋ね るこ とで

,初

めて会 つた人 々 ともコ ミュニケー シ ョンがで きる とい う こ とを 目指 した。

(19)

10 この5時 間の授 業 の うち分析 の対象 は,観察期 間 中の6月 1日 に行 われ た体育館 に お け る リハー サル活動(第3時)と,6月 7日 に行 われ た校外学習(第4時)で あ る。(表 中の灰色部分) 表

1「

校 外学習 でイ ンタ ビュー を しよ う」単元計画

また

,本

研究の分析対象 となる第

3時

と第

4時

の内容についてもう少 し詳 しく記

述 してお く。

3時

の体育館におけるリハーサル活動では

,体

育館 を観光地 と見立て,校外学

習 と同 じ流れでインタビュー活動を行 なった。児童たちか ら質問を受ける観光客

役 として

,担

任教諭や

ALTを

含めて教諭および指導主事

,あ

わせて

5名

が参加 した。

担任は,活動が

5分

程度経過するごとに児童たちを集め

,イ

ンタビューが うまく進

まなかった場面があつたかどうかを尋ねた。そ して

,児

童たちから出てきた

,イ

ンタビューが うまく進まなかつた場面について

,解

決するための方法を児童たち

に考えさせ,フ ィー ドバ ックを行なつた。インタビュー活動は

,合

3セ

ッ ト行わ

れた。体育館での活動は,ビ デオカメラ

2台

ICレ

コーダー

5台

により記録 した

(図 1参

)。

なお

,ICレ

コーダー

1台

は担任がつけていた。

時 学習内容 第1時 (20164「 5月 17日) 「どこか ら来 たかをたずね よ う」 (めあて

)世

界 のい くつ かの 国名 を学び

,ど

こか ら来たかの尋ね方 を知 る。 第2時 (5月27日) 「相手 に伝 わるよ うなイ ンタ ビュー を考 えよ う」 (めあて

)観

光 客 に尋 ねたい 内容や

,伝

え る方法 を考 える。 第 3時 (6月 1日) 「観光客が笑顔 になるよ うなインタビューを しよ う」 (めあて

)体

育館 にてALTを 含 めた5人 の教師 を相手に

,イ

ンタビューの リ ハーサル をする。 第4時 (6月 7日) 校外学習 当 日 (めあて

)実

際に観光地で観光客にイ ンタ ビューをす る。 第 5時 (6月 8日) 「インタビューのふ り返 りを しよ う」 (めあて

)イ

ンタビュー活動で得た情報 をま とめ

,感

想 とともにクラス内 で発表す る。

(20)

11

がラ………●

ICレコー ダー …・□

1体

育館の活動でのカメラ

,ICレ

コーダーの配置図

体育館における活動の分析は

,校

外活動の分析対象 と同グループの活動を抽出

した。参加者が常に動き回る活動であつたため

,同

グループにおいて

,分

析す る

ことのできた映像

,音

声には限 りがあつた。そのため

,全

7回

行われたインタビュ

ー活動の うち

,映

,音

声の どちらも分析す ることのできた

,2回

目の活動を分析

の対象 とした。インタビュー活動において児童たちは

,あ

らか じめ

,そ

れぞれが

インタビュー活動で観光客に質問する表現を以下の表のような形で役割分担 して

いた。

インタビューでの質問や言葉 役 割

1 Excuse meo He1lo! 全 員

2 ヽ∼

e are students.

May l ask you a question? 児童1

3 What's yollr name?

Sign please. 児童2

4 Where are you iom?

Sticker please. 児童3 5 What's your favorite Japanese food? 児童4

6 Thank you. 全員 表

2校

外 学習 にお けるイ ンタ ビューでの質 問や言葉

(21)

12 表2の 内容 が書かれ たカー ドをそれ ぞれ の児童 が もち,活動 を進 め るた めの リソ ー ス と した。上記 の表現 1,6は 全員 で

,2か

ら5に つ いては

,そ

れ ぞれ一人ずつ児童 が担 当 した。児童4の “

Sticker please."と

い う発話 に よ り出身地 にシール を貼 つて も ら う場面は

,ジ

ェスチ ャーで行 なっていた。観 光客役 の教諭 たちにサイ ン を記入 して も ら うた めの用紙 は

,発

話 を担 当す る児童2が持 つ こ とになっていた。 第4時の活動 では

,児

童 た ちが実際 に校外学習 で観 光地 に出か け

,そ

こで全6組 の観 光客(イ ン ド

,ア

メ リカ2組

,イ

タ リア

,中

,台

湾)に イ ンタ ビュー を した。 そ の うち分析 に用 いたのは

,1組

目のイ ン ドか らの観 光 客

,5組

目の 中国か らの観 光 客へ のイ ンタ ビューで あ る。この2組の観 光客のイ ンタ ビュー を分析 の対象 とし て選 んだのは

,発

話 が上手 く伝 わ らない とい う課題 に直面 した児童 た ちが

,様

々 な方法 で解 決 しよ うとす る姿が見 られ たた めで あ る。体育館 での活動 と同様 に, 校外活動 では児童 た ちはそれ ぞれ

,表

2の 内容 が書かれ たカー ドをもち

,サ

イ ン帳 は担 当す る児童2が もつていた。全イ ンタ ビュー にお いて

,小

学校 の位 置 が示 され た地 図や 日本 の食べ物 が書かれ た ピクチ ャー カー ドを

,必

要 に応 じて観 光客 に見 せ

,会

話 を継続 す るための リソー ス と した。 この ピクチ ャーカー ドは体育館 での 活動 の際 にはなか つたが

,

日本 の食 べ物 を知 らない観 光 客 もい るのではないか, とい うALTの 意 見 に よ り

,児

童 の考 えを もとに作 られ た もので あ る。児童 の言葉4 の “

Sticker please."で

,観

光客 に世界地 図 を示 し

,自

国の位 置 にシール を貼 つて も ら うとい うことになつていたが

,校

外学習 当 日は雨天 に よ り地 図が濡 れ, シール を貼 つて もら うことのないイ ンタ ビュー もあつた。 イ ンタ ビュー活動 の最 後 には

,観

光客 に児童 が折 つた鶴 をプ レゼ ン トし

,会

話 を終 えた。

3.2分

析方法 分析 に用 いたデー タは

,上

記 で述べ た体育館 での リハーサル活動 と

,観

光地 に お け る実際のイ ンタ ビュー活動 にお け る児童や観 光客の会話 を録画 した ものであ る (当 日

,筆

者 は活動 に同行 で きなか つたた め

,分

析 に用 いたデー タは学級 担任 に よつて撮影 され た ものであ る)。 本研 究で取 り上 げ るのは

,校

外活動 で外 国か らの観 光 客へ のイ ンタ ビュー をす

(22)

13 べ て撮影す ることがで きた女子

3名

,男

子 1名の グルー プ であ る。先述 の通 り, 体育館 での活動 の分析 は

,同

グルー プのイ ンタ ビュー活 動 を抽 出 して行 つた。分 析 の 中で

,こ

れ らの児童 をアイ

,カ

,タ

,シ

(仮

)と

,4人

の児童 のイ ンタ ビュー活動 にお ける会話 のや りと りを

,先

行研 究 で取 り上 げた社会認知 的ア プ ロー チ を基盤 と し

,Atkinsonに

よる分析方法 に倣 い

,会

話分析 の手法 を用 いて 質 的 に分析 した。対象 となった児童

,ア

イ は

,物

怖 じせ ず積極 的 に活動 に参加す る児童 で あ り

,カ

ナ は落 ち着 いて丁寧 に物事 に取 り組 む児童 で あ る。 タエ は

,新

しい こ とに挑戦 しよ うとす る意欲 の高い児童 で

,シ

ゲは友 だ ちには陽気 に接 す る が大人 に対 して は人 見知 りす る児童 で あ る。

3.1で

,本

研 究 は一事例 に関す る研 究で あ るこ とを述 べ た。 事例研 究 は一般化 を図 る ことがで きず

,主

観 的 にな る とい う議論 があ るが

,本

研 究ではTESOL Quarterly Research Guideline(2003)を もとに研 究 の妥 当性 と信頼性 を確保 す る

こ とを 目指 した。TESOL Quarterly Research Guideline(2003)に よる と

,す

ぐれ た事例研 究 は以 下の よ うな要件 を満 たす こ とが示 され てい る。研 究の 目的や 問い を示す こと

,事

例 についての詳細 な記述 があ るこ と

,研

究 に至 った背景が述べ ら れ てい ること

,参

加者 との関係性 を示す こ と

,参

加者 の個 人情報 の保護

,研

究の 期 間

,デ

ー タの集積や分析方法

,理

論 的枠組 み を示す こ と

,各

事例 を詳細 に記述 す るこ と

,十

分 な量 のデー タを確保す るこ と

,そ

して

,

トライ ア ンギュ レー シ ョ ン とい う様 々な情報源 を用 い るこ とな どであ る。参加者 との関係 とは

,

どの よ う な経緯 で参加者 と連絡 を取 り研 究 の依頼 をす るこ とにな つたか

,な

どであ る。 こ の うち本研 究で は

,授

業観 察

,フ

ィール ドノー ト

,得

られ た映像や音声デー タの 書 き起 こ しな どを用 い

,上

記 の要件 を満 た した。

3.3リ サーチクエスチ ョン

本研究では

,上

で記述 した観光地でのインタビュー活動 と

,そ

れに向けての体

育館での リハーサル活動について分析をする。具体的には以下のような問いを掲

げる。

(23)

14

体育館 にお け る リハーサル活動

,お

よび

,観

光地 でのイ ンタ ビュー とい う相 互行為 の中で

,児

童 た ちは どの よ うに間主観性 を形成 しなが ら協調 をお こな つてい るか。

(24)

15

4章

イ ンタビュー活動の記述・ 分析

本 章 では

,イ

ンタ ビュー活動 の 中で児童 た ちが どの よ うな リソース を用 いて活 動 に参加 し

,ど

の よ うに課題 を達成 してい くのか を会話分析 を用いて明 らかに し てい く。 第3章 で述べ た よ うに

,本

研 究 の具体的 な問い は以 下の通 りで あ る。 体育館 にお ける リハーサル活動

,お

よび

,観

光地 で のイ ンタ ビュー とい う相 互行為 の 中で

,児

童 た ちは どの よ うに間主観性 を形成 しなが ら協調 をお こな つてい るか。

ここでは

,体

育館での リハーサル活動 と

,実

際の観光地でのインタビュー活動

のそれぞれの場において

,児

童たちがインタビュー活動を継続するためにどのよ

うな リソースを用いているのかを

,用

いるリソースの種類

,質

,会

話中に出現す

る密度に注 目し

,読

み解 く。

先述のよ うに

,Atkinson(20H)は

社会認知的アプローチに基づき

,以

下の

10

の リソースが学習 と教授が含まれる相互行為の中で

,ど

のように使用 されている

かを分析 している。

GDE蒙

(language)

②非言語的音声

(nOnlinguistic vocal behavior)

③視線

(gaze)

(Dラむ情 (facial expression)

⑤ジェスチャー

(gesture)

⑥頭や体の動きや向き

(head and body movement and orientation)

⑦道具

(tools)

③場の設定や環境

(settingS)

⑨役割や人間関係

(r01es and relations)

(25)

16 す でに述べたが

,上

述 した各種 の リソー スは単独 で機 能す るのではな く

,重

層 的 に

,相

互補完 しなが ら

,人

々が コ ミュニケー シ ョン活動 に参加す ることを支 え てい る。 本 章 の各事例 にお け る会話 の トランス ク リプ トには

,児

童 が用 い る リソー スの 種類 ,質

,会

話 中に出現す る密度

,ま

,そ

れ らが複雑 に絡 み あつてい る様子 を詳 細 に見 るた め

,上

記 のそれ ぞれ の リソー スが どこで どの よ うに使 われ てい るか を

書 き示 した。②か ら⑩の非言語的 リソースの うち

,本

研究の 目的 と一致する②か

ら⑦について分析を行つた。なお

,①

言語的 リソースに関 しては

,あ

らか じめ決

め られている言葉を含め全ての発話が リソースとなるため

,ス

クリプ トにおける

記述か らは省いている。それぞれの分析においてAtkinsonに よる分析方法を採用

す ることにより

,研

究の 目的である

,児

童がコミュニケーション活動に参加 しな

が ら, どのように課題を達成 し, どのように学んでいくのかを明らかにしていき

たい。なお

,分

析に用いたデータにおける会話の参加者は

,ア

,カ

,タ

,

シゲ

(仮

)の4人

の児童である。

4.1体

育館 にお ける リハーサル活動 (2016年6月 1日) 本セ クシ ョンでは

,体

育館 にお ける リハーサル活動 で

,児

童 が どの よ うにイ ン タ ラクシ ョンを行 なつてい るか につい て見てい く。 リハーサル には

,担

任教諭 を 含 めて教諭 お よび指導主事

,あ

わせ て

5名

参加 し

,児

童 た ちに質 問 を受 ける観 光 客役 を演 じた。 以下の トランス ク リプ トは

,そ

の教諭 に児童 た ちがイ ンタ ビュー す る場面 である。 当然 なが ら参カロした教諭 は

,イ

ンタ ビューで児童た ちが尋ね る 内容(シナ リオ)をあ らか じめ知 らされ ていた。 したが って

,活

動 が どの よ うな 目 的 で

,

どの よ うに行 われ るかに関 して教師 と児童 間にあ る程度 の相互理解 が あ る 状態 か らイ ンタ ビュー活動 が始 まった。 4。

1.1活

動1 以下に示す事例 は

,観

光客役 の教諭 に どこか ら来たか を尋ね

,地

図 にシール を 貼 つて も ら うとい う一連 の会話 か ら

,次

の質 問にかけての場面 である。一連 の会

(26)

17

話の後

,次

の児童のセ リフまでに少 しの間が空いた際

,他

の児童が発話を促 した

ときのインタラクシ ョンについて注 目する。

事 例 1

46

アイ : Sea■ p■

ease.

47

教諭

:

《アイの膝の上の台紙 にシール を貼 る》

48 (3.0)

49

カナ・シグ・タエ:《シール台紙 を覗 き込む》

50

アイ

: Thank you.《

シール台紙に視線 を落 としたまま,

51

教諭 に軽 くお辞儀 をす る》

52 (2.0)

53

アイ

:

《シゲの方 に一瞬視線 を向けた後す ぐに手元 に視

54

線 を戻す》

55

タエ

:

°シゲちゃん°

=《

アイに続 くよ うにシゲに視線 を

56

向け

,一

歩近づき

,ひ

じで軽 く小突 き

,シ

ゲの発話

57

を促す》

58

シゲ

:

mat.s your favorite Japanese food?《

59

元の資料 を読み

,そ

の後教諭 に視線 を向ける》

60

アイ

:

《シゲに視線 を向け,タエに一歩近づき

,教

諭 の方

61

に視線 を向ける》

62

児童たち

:《

教諭 に視線 を向ける》

63

教 諭 : = (。

)■ike (2.0)mm:

64

児童たち

:《

手元に視線 を落 とす》

65

教 諭

: Tewura.

③視線⑥頭や体の向き

③視線⑦道具

⑥頭や体の動き

③視線

③視線

⑥体の動き

③視線⑦道具

③視線

⑥体の動き

③視線

③視線

L50の

Thank you."と

い う発話の際

,ア

イはシール台紙に視線を落 としたまま

教諭に軽 くお辞儀をする。その後

,シ

ゲは“

What's your favonte」apanese bod?"と

観光客役の教諭に尋ねることになっていた。しか しアイの後には約

2秒

間のポーズ

(L52)が

あ り

,ア

イはシゲに一瞬視線を向け

,ま

たす ぐに手元に視線を戻 した

(L54)。

それに続き

,タ

エもまたシゲに視線を向け

,一

歩近づき

,肘

で軽 くシゲを小突 く

よ うに して しげの発話を促 した

(L55-57)。

タエに促 されたそのす ぐ後に

,シ

ゲは

η陥

at's your favoHte Japanese food?"(L58)と

手元の資料を読むように自分のセ リ

フを発 した。その質問の後,ア イは教諭に視線を向けてお り

(L60),そ

れ と同時に

他の児童 も教諭 に視線を向けた

(L62)。

教諭が “

I(。

)like(2.0)Mm:"と

考えて

(27)

18

次に取 り上げる事例は

,事

1に

引き続 く場面である。第

3章

で示 した児童のセ

リフでは

,イ

ンタビューを締めくくる “

Thank you."と い うセ リフは全員で発話

され ることになつていたが

,体

育館での リハーサル活動の段階ではカナが発話す

ることになつていた。

事 例 2

63

教粛斜: 工 (。 )■■

ke (2.0)m:

64

児童たち

:《

手元に視線 を落 とす》

65

教 諭

: TeTura.

66

アイ

: Oh:《

カナの方に視線 を向ける》

67

カナ

: Oh ni[ce。

《右手でオ ッケーのジェスチ ャーをす

68

る》

69

アイ

: [Nice.

70

シゲ

:

《アイに視線 を向けたあ とカナに視線 を向ける》

71

教諭

: Thank you.=《

親指 を立てる》

72

タエ

: Me too.《

手に持 つた鉛筆で 自分 と教諭 を交互

73

に指す》

74

教諭

: Good.《

オ ッケーのジェスチャー をす る》

75

アイ

: =t's yumy.

76

教諭

:

Ыふ

77

アイ

: h―

カナやで。 《カナに視線 を向け

,カ

ナの発

78

話 を促す》

79

カナ

:

あつ

(1.o)Thank you.

80

アイ

: Th[ank yOu.]

81

教 諭 : [Thank you]′

thank you bye. Bye bye.

③視線

②非言語的音声③視線

⑤ジェスチャー

③視線

⑤ジェスチャー

⑤ジェスチャー

⑤ジェスチャー

③視線

アイの“It's yummy."(L75)と い う発話 の後

,ア

イ は “カナや で

"(L77)と

い う発 話や視線 を向けるこ とに よ リカナの発 話 を促 し,カナ は“あっ (1.0)Thank you." (L79)と 発話 した。また,こ こで も う一 つ注 目したいのは,アイ,カナ,タエ の“Ωh:"

(L66), ``Oh ni[ce."(L67), ``[Nice."(L69), ``=Me tOo。 "(L72), ``It's yummy." (L75),と い う発話 であ る。これ らの発 話 はあ らか じめ決 め られ ていたセ リフ とは 異 な り

,児

童 た ちか ら自発 的 に発せ られ た ものであ る。 これ らの発話 の際

,ア

イ はカナ に視線 を向け

,

Oh"(L66)と

い う驚 きを共有 した り

,カ

ナは “Oh ni[ce."

(L67)と ジェスチ ャー とともに発話す る ことで驚 きを教諭 に示 した り,タエ は“=Me

(28)

19

,発

話は していないものの,ア イやカナに視線を向け(L70),そ れぞれの発話に

注 目している。 このように

,児

童は会話のや りとりの中で

,言

語だけでなく

,非

言語的音声

,視

,ジ

ェスチャーなど

,様

々な リソースを用いてインタビュー活

動 を構成 していた。

4.2観

光地における実際のインタビュー活動

(2016年6月 7日 ) 4。 1の

二つの事例では

,体

育館におけるリハーサル活動で,児 童が会話のや り取

りの中で様々な リソースを用いてインタビュー活動を構成 している様子を詳 しく

見てきた。本セクシ ョンにおいては

,観

光地で実際に児童がインタビューする活

動では どのような リソースを用いているかについて読み解いていく。

4。

2.1活

2イ

ン ドか らの観 光客へのイ ンタ ビュー ここで取 り上 げ るや りと りは,イ ン ドか ら来 た観光客へのイ ンタ ビュー場面で,

“What's your favo五te」apanese bod?"の 部分 につ いて見てい く。本事例 は

,シ

ゲに よる発話 が観 光客 に上手 く伝 わ らない とい う場面 であ る。 事例 3

41

シゲ: 42 43 アイ・カナ:

44

観光客1 45 アイ・カナ: 46

47

タエ:

48

シゲ: 49

50

観光客2

51

児童たち

52

観光客1

53

観光客2

54

観光客1

55

シゲ:

56

観光客1

57

シゲ: 58

③視線

③視線

③視線⑥頭の動き

③視線④表情

⑥体の向き

③視線

③視線

③視線

②非言語的音声

⑥頭の動き

③視線

=Eh what's your favorite Japanese food?

《観光客1に視線 を向けて》 《シゲの発話 を見守 るよ うに視線 を向ける》

Sorry?《

首を傾 げ

,シ

ゲの方に耳を近づける》 《観光客

1に

一瞬視線 を向け

,笑

顔で前のめ りに なつてシゲに視線 を戻す》 《アイを一瞬見た後観光客

1,2を

順に見 る》

mntis your favorite」 apanese food?

《観 光客

1に

視線 を向けて》

Favor■

te Japanese city.

:

観光客

2の

方を見る》

[血?]

[Whal t'S your favorite Japanese city?=

=Favorite Japanese?

《観光客

1に

視線 を向けて三度頷 く》

Tokyo.

《観光客

1か

らアイに視線の先を移す》 (2.0)

(29)

59

アイ: 60

61

児童たち

62

観光客 2:

63

担任:

64

観光客1 65

66

児童たち

67

アイ:

68

観光客1

69

カナ:

Oh′

[What's your favori[te Japanese

food?

《アイに視線 を向ける》 [TOky。. [TOkyO. 《アイ に視線 を向ける》 」

apanese food.=

《アイか ら観光客① に視線の先 を移す》

=Yes.

Ah: lMm:: (■

.0)饉 SO SOup.

[Nice.]《

拍を打つように左手を動かす》

20

③視線② 非言語 的音声 ③視線 ③視線 ③視線 ③視線⑥体の動き

シゲの“Wht's your favor■ e」apanese food?"(L41)と い う発話 に対 し

,観

光客 は

Sorry?"(L44)と

い う返答 とともに首 を傾 げ,シ ゲ に耳 を近づ けるよ うな仕 草 を してお り(写真

2),そ

れ に よつて シゲはL48で 発話 を反復 してい る。 写真

2イ

ン ドか らの観 光客へ のイ ンタ ビュー場面 1 これ は

,観

光客 の “

Sorry?"(L44)と

い う発話や 身体 の動 きか ら

,観

光客 に発話 の意 味が通 じていない ことに

,シ

ゲが 自分で気 が付 いたた めだ と考 え られ る。 ま た

,観

光客 の “

Sorry?"(L44)の

発話 に よ り

,ア

イ とカナ は観光 客 に一 瞬視線 を向 けた後

,前

のめ りにな つて再度 シゲに視線 を向けてい る(L45)。 この

,会

話 が滞 り

(30)

21

そ うな場面において

,シ

ゲが相手の好 きな食べものを尋ねるとい う課題 を達成す

るか どうかに

,ア

,タ

エが注 目していることが うかがえる。

これを見かねた友人 とおぼ しきもう一人の観光客

2が,会

話に参加 し

(L50,L53),

観光客

1に

シゲの発話を伝えようとしている。 しか し

,

Favorite Japanese

city."(L50),

What's your favorite」 apanese c■y?"(L53)と

発話 してお り

,実

は観光客

2に

対 しても質問の意味が適切に伝わつていなかった。

観光客

1が

シゲに

,

Favorite Japanese?"(L54)と

質問内容を確認す るように尋ねたことに対 し

,シ

ゲは観光客 1に 視線を向けて三度領いた

(L55)。

しか し

,好

きな食べ物を尋ねたこ

とに対する返答は

,観

光客

1の

Tokyo."(L56)と い う都市名であ り

,シ

ゲは観光

1か

らアイに視線の先を移 した

(L57)。

2秒

間のポーズ

(L58)の

のち

,ア

イは

Oh,what's your favorite.lapanese food?''(L59)と

,キ

ー ワー ドとなる “

favOrite"

Japanese" “

food"の

二つの単語に強勢を置いて会話に介入 している。あらか

じめ決められていたセ リフの流れ としては

,ア

イはここで発話をすることにはな

つていいなかつたが,観 光客 1の “Tokyo."(L56)と い う発話や,シ ゲから向けら

れた視線

(L57)か

,会

話に介入 し

,滞

りそ うな会話を立て直 した。 このように

,

観光客の発話

,視

,体

の動きなどを リソースとして会話の滞 りを察知 し

,そ

に対 して伝えたいことを反復 した り

,語

を強調 して伝えた りするなどし

,児

童は

協働的に会話を立て直 し

,こ

のインタビューの 目的が達成 された。

4.2.2活

3中

国か らの観 光客へ のイ ンタ ビュー 次の事例 は

,

日本語 を少 し話す こ とので き る中国か らの観 光客 にイ ンタ ビュー をす る場面で あ る。 ここで は

,本

来のセ リフ とは違 つた流れ で会話 が始 ま るも, 児童 がその状況 に協調す る とい う場面 を取 り上 げ る。第3章 で示 した よ うに,イ ン タ ビュー活動 にお け る児童 のセ リフは以下の図の通 りで あった。

(31)

22

インタビューでの質問や言葉 役 割

1 Excuse me. Hello! 全 員

2 We are students.

May l ask you a question? タ エ

3 What's your name?

Sign please。 カ ナ 4 Where are you from?

Sticker please. ア イ

5 What' s your favorlte 」apanese food? シ ゲ

6 Thank you. 全 員 表

3校

外学習 にお け るイ ンタ ビューでの質 問や言葉 事例 4

1

観光客

:ち

ょつとだけ。

2

アイ

: Ah.m

《口元に手を当てメンバーを見る》

③視線

3

観光客

:中

国人です。

4

アイ

: ( )《

タエに向けて何かを言つている》

5

観光客:° 中国人です。°

6

担任

:

血 (。

)カ

ナちやん (。

)よ

か つた (。

)中

国。

7

アイ

:

中国

8

観光客

:中

国人です。

9

シゲ

:

いけ

,カ

ナちやん。 録画 され た映像 は

,観

光客 に よる “ち ょつ とだけ。

"(Ll)か

ら会話 が始 ま って い るが

,こ

の会話 の前 に誰 か ら

,

どの よ うな問いか けが あつたのかは定かではな い。 しか し

,「

中国人 です」 とい う発話 か ら

,「

どこの国の人 です か」 とい つた 問い掛 けがあつた と思 われ る。 これ までの体育館 リハーサル活動 の流れ では,出身地 を尋ね る質 問は表3にある よ うに

,ア

イが尋ね ることになつていた。 しか しL3で観 光客が 「中国人 です」 と 自 ら児童 に情報 を与 えた こ とか ら

,

リハーサル で練習 していた質 問(“Where are

you from?")の

流れ が崩れ た。

(32)

23

次 の事例 では

,タ

エ の “May つた場 面 について見 てい く。

I ask you a question?"と

いう質問が伝わらなか

事例 5

22

タエ: 23

24

観 光 客:

25

タエ:

26

観 光 客: 27

28

アイ:

29

観光客: 30 31

32

カ ナ :

33

観光客:

34

アイ:

35

観光客:

36

カナ・タエ:

37

アイ: 38

39

タエ:

40

アイ: 41

42

カナ: 43

44

観光客: 45 《観 光 客 に視 線 を 戻 して 》 餞

v工

ask you a

question?

What?

《アイに視線 を向ける》 《タエがアイに視線 を向けたのを見て,同 じく視線 を アイに向ける》

Ah:あ

なたに:(。

)質

問を してもいいですか。 《首をか しげ自分のあごを指差 した後 に

,手

のひ らを 上に向けてアイを指 し示す》

( )PardOn?

hat?

《相手を指す よ うに右手 を少 し動かす》

Pardon? mat?

Oh:↑

You《

手のひ らを上に向け観光客を指 し示す》

Un(。

)yes《

自分を指 して領 く》 《アイ と観光客を交互に見 る》 ・Uh:°=《手 を回元 に持 っていつた後

,資

料 に視線 を落 とす》 く狐

eStiOn=《

観 光客を指 しなが ら》 イン

eStiOn《

観光客を指 した後オーケーのジェスチ ャーをす る》 《観光客 の 目を見て手で三度拍 を刻む よ うな動 きを し

,一

度頷 く》

Uh′

veah yeah yeah.《

オーケーのジェスチャー

をす る》 ③視線 ③視線 ③視線 ③視線 ③視線⑤ ジェス チャー ③視線⑥体の動き ③視線⑤ジェスチャー ③視線⑥頭や体の動き ③ 視 線

②非言語的音声

③視線

⑥頭や体の動き③視線 ③視線⑤ジェスチャー ③視線⑤ジェスチャー ③視線⑥頭や体 の動き ⑤ジェスチャー

3中

国か らの観 光客へ のイ ンタ ビュー場面

参照

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