本研 究 では
,外
国語活動 での児童 のや りと りをSCAの 観 点 か ら見 るこ とで,そ
こ で行 われ てい る間主観性 の形成,様
々な リソースの使用 に よる協調 の過程,そ
して
,活
動 の ゴール の達成 を記述・ 分析 して きた。 この よ うに,認
知一身体一環境 を 全 体 的 に と らえる第二言語 習得研 究,特
に,小
学校 での外 国語活動 を対象 に した 研 究 はほ とん どなか つた とい う点で,本
研 究 で明 らか にで きた こ とに よつて,児
童 の言語学習 を とらえる新 しいアプ ローチが提案 で きたのではないか と考 える。
しか し
,本
研 究 には以 下の よ うな課題 も残 され てい る。本研 究 では,SCAの
観 ′点 か ら児童 の相互行為 を観 察す るために,複
数 の ビデ オやICレコー ダーか ら集積 し たデー タを書 き起 こ し会話分析 を行 な ったが,注
目したのは一つ の グループのイ ンタ ビュー活動 のみで あ り,事例 が少 ない。第3章 では,TESOL Quarterly ResearchGuideline(2003)に
示 され た,す
ぐれ た事例研 究で満 た され るべ き,以
下の よ うな要件 につ いて述べ た。研 究 の 目的や 問い を示す こ と
,事
例 につ いての詳細 な記 述 が あ るこ と,研
究 に至 った背景 が述べ られ てい る こ と,参
カロ者 との関係性 を示 す こ と,参
加者 の個人情報 の保護,研
究の期 間,デ
ー タの集積や分析方法,理
論 的枠組 み を示す こと,各
事例 を詳細 に記述す ること,十
分 な量 のデー タを確保す るこ と,そ
して,
トライ ア ンギュ レー シ ョン とい う様 々な情報源 を用 い るこ とな どで あ る。先述 の通 り,本
研 究 では授 業観 察,フ
ィール ドノー ト,得
られ た映像 や音声デー タの書 き起 こ しな どを用 い,研
究 の妥 当性 と信頼性 を確保 す るこ とを 目指 したが,ガ
イ ドライ ンの要件 にあ る 「十分 な量 のデー タを確保 す ること」 に ついては不十分であった と考 え られ る。ただ
,本
研 究でSCAの
観 点 か ら,ど
の よ うに児童 た ちが リソー ス を活用 しなが ら活動 に取 り組 み,協
調 を行 つてい るか を詳細 に見 た こ とで,「
慣れ親 しみ」 を 超 えた コ ミュニケー シ ョン活動 とは何 か,と
い う視点 も生 まれ たのではないだろうか。 これ は
,冒
頭 で述べ た,指
導者 が発す る英語 をそのまま繰 り返す活動や,チ ャンツを行 う活動
,簡
単な英 文 を,パ
ター ンを変 えて学習す るパ ター ン・ プ ラ クテ ィスな どの活動 では見 られ ない ものであ る と考 える。40
本研 究 には課題 も残 つたが
,認
知―身体一環境 を全体 的 に とらえる視 点 を持 つ こ とに よつて,コ
ミュニケー シ ョン能力 を育む外 国語 活動 の授業づ く りを行 うこ と への示唆が導 けたのではないか と考 える。41
引用文献
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『兵庫教育大学研究紀要』
,22,47‑52.43
巻末資料
44
資料
1ト
ランス ク リプ トで用 い られ る記号 連 鎖[
複数の話 し手の音声が重なっている場合 ,重 な りの始ま りが角括弧で 示 される。
重 な りの終 わ りは各 括 弧 で示 され る。
二人 の話 し手が途切 れ な く密着 してい ることや
,一
つ の発話 の 中で話 と話 が途切れ ていない ことは,等
号で示 され る。問合い
(1。2)
音声が途絶えている時間は丸括弧内にその秒数が示 され る。
0。
2秒 に満たない短い問合いは丸括弧内にピリオ ドを打つた記号で示 され る。
発 話 の表 当上 の特徴
強調 された語はアンダーラインで示される。
音が 引 き伸 ば され てい るこ とが転 んで示 され る。 コロンの数 が多い ほ ど長 く弓│き伸 ば され てい る。
語尾 が下が つて区切 りがつ いた こ とは句 点で示 され る。 文法上 の文 の 終わ りとは必ず しも対応 しない。
項 目を読み上げているときのように ,イ ン トネーションが続いている ことはカンマで示 される。
︐
● 語尾 の音が上 がってい るこ とは疑 問符 で示 され る。
︱
←
→
︱
極端な音調の上が り下が りはそれぞれ上向き矢印 と下向き矢印で示 さ れる。
音 が小 さい とき
,そ
の範 囲が °で囲まれ ることで示 され る。><
発話のスピー ドが速 くなる部分は左向き不等号 と右向き不等号で囲ま
れることで示 される。
h 呼気 音 は
hで
示 され る。●h 吸気 音 は
.hで
示 され る。注 記
聞 き取 り不 可能 な箇 所 は空欄 の丸括弧 で示 され る。空欄 が長 い ほ ど聞 き取 り不可能 な時間が長 い。
ヽ
〃
〃
ヽ 注記 は二重 山括弧 内 に示 され る。
(鈴木
(2007,p.15)を
参 考にま とめた)45
資料 2ス ク リプ ト全文
活動 1体 育館 におけるリハーサル活動 (2016年
6月 1日 )1
シゲ: Excuse me。
(。)He■
■0.《
教諭 の 目を見て発2
話 した後,資
料 に視線 を落 とす》3
老嬌諭: He■■o.4 夕
IE: we are Daiichi e■ ementary schoo■
5 students.《
手元の資料 を読む》6
児童たち:《
手元の資料 を見ている》7
タエ:
《教諭 の 目を見て》8
地w工 ask you a question?《
手元の資料 に9
視線 を戻す》10
老嬌愉: Ok.
11
カナ: mnt's yOur nnm̲?《
教諭の方を見る》12
児童たち:《
手元の資料 を見たまま》13
教諭: My nane is Anna。
(1.0)14
カナ:
《笑いなが ら肩 をす くめ,ア イ を見てまた視線 を手15
元の資料に戻す》16
°Sign P■ ease° 《サイ ン帳に視線 を落 としたまま17
教諭 にサイ ン帳 を渡す》18
教i諭: ↑Yes.19
カナ:
《教諭 に鉛筆 を渡す》20
教諭:
《カナか ら鉛筆 を受 け取 リサイ ン帳 にサイ ンをす21
る》22 (7.0)
23
アイ・シケ゛・カナ:《自分の資料 に視線 を落 としている》
24
タエ:
《教諭 を見つめる》25
教諭: Here you↑
are。 《カナに鉛筆 とサイ ン帳を返 し26
なが ら》27
カナ: Thank you.《
鉛筆 とサイン帳を受 け取 りなが ら28
教諭 を見 る》29
教諭: ok.
30
アイ: Where are you from?《
教諭 を見た後手元に視31
線 を落 とし,ま
た教諭 を見る》32
カナ・シケ゛・タエ 《手元の資料に視線 を向けている》
33
教 諭: ='m from (。 )Canada.
34
児童たち:《
教諭 に視線 を向ける》35
アイ: Canada?
36
教諭: Do you (。)knOW? Canada?
37
アイ: Oh:
38
児童たち:《
カナの手元の資料 を覗 き込む》③視線
⑦道具
③視線
③視線
③視線
③視線
③視線
③視線
⑥体の動き
③視線
③視線
⑦道具
⑦道具
⑦道具
③視線
③視線
③視線
③視線
③視線
③視線
②非言語的音声
③視線⑦道具
46
39
アイ: Oh canada.=
40
教 諭: =Yes yes.
41
アイ:
°Not Canada on」
apan° 《テーブル代わ りにな⑥体の動き
42
るよ うに膝をあげ,教諭がシールを貼 りやすいよう43
にする》44 (2.5)
45
教諭:
《左手でオーケーのジェスチャーをする》⑤ ジェスチャー
46
アイ: Sea■ p■ease.
47
教諭:
《アイの膝の上の台紙にシールを貼る》48 (3.0)
49
カナ・シグ・タエ:《 シール台紙を覗き込む》 ③視線⑥頭や体向き50
アイ: Thank you.《
シール台紙 に視線 を落 としたまま,
③視線⑦道具 5152
53
ア イ54
55
タ エ56 57
58
シ ゲ59
60
アイ61
に視線を向ける》62
児童たち:《
教諭に視線を向ける》63
教 諭:
ェ (。)■ike (2.0)■
■:64
児童たち:《
手元に視線 を落 とす》65
教 諭: Tewura.
66
アイ: Oh:《
カナの方に視線 を向ける》教諭 に軽 くお辞儀 をす る》
(2.0)
⑥頭や体の動き
《シゲの方に一瞬視線 を向けた後す ぐに手元に視
③視線 線を戻す》
°シゲちゃん°
=《
アイに続 くよ うにシゲに視線を③視線 向け
,一
歩近づき,ひ
じで軽 く小突き,シ
ゲの発話⑥体の動き を促す》
―
What's your favorite」 apanese food?《
手③視線⑦道具 元の資料を読み
,そ
の後教諭に視線を向ける》《シゲに視線を向け,タ エに一歩近づき
,教
諭の方③視線
⑥体の動き
③視線
③視線
②非言語的音声③視線
67
カナ: oh ni[ce。
《右手でオッケーのジェスチャーをす⑤ジェスチャー
68
る》69
アイ: [Nice.
70
シゲ:
《アイに視線を向けたあとカナに視線を向ける》③視線
71
教諭: Thank you.=《
親指 を立てる》⑤ジェスチャー
72
タエ:
―Me too。 《手に持 つた鉛筆で 自分 と教諭 を交互⑤ ジェスチャー
73
に指す》74
教諭: Good.《
オ ッケーのジェスチャーをす る》⑤ ジェスチ ャー
75
アイ:
工t's̲y.
76
教諭: hhh
77
アイ:
― カナやで。《カナに視線 を向け
,カ
ナの発③視線
78
話 を促す》79
カナ:
あっ(1.0)Thank you.
80
アイ: Th[ank yOu.]
81
老婿諭: [Thank you]′ thank you bye. Bye bye.
82
《児童に手を振 る》83
カ,た: Bye. Thank you. Bye bye。
84
児童たち:Bye.
47
資料
3ス
ク リプ ト全文活動
2イ
ン ドか らの観 光客へ のイ ンタ ビュー活動 (2016年6月 7日)3
観 光 客 1: sure.4 カI力
: what's your nnm̲?
5
観光客1: Mけnane is Apuba.
6
カナ:
《サイン用紙を用意 しながら,アイか ら鉛筆を受け⑦道具
1
タエ: 27 8
9 アイ・ カナ:
10 11
12
カ ナ :13 14
15
アイ: 1617
観光客1 1819
20
アイ:21
カナ:22
観 光客 123
24
カナ:25
26
アイ:27
28
観光客129
アイ:30
観光客131
アイ: 3233
カナ:34
担任:35
カナ:36
担任:37
観 光客 138
担任:We are students. Mは y = ask you a question?
取る》
Sign p■ease.
hhhh
《サイン用紙を渡す》
⑦道具
(4.0)
お願い します。
(3.0)One.《
サイン用紙の1番⑦道具 の欄を指差 しながら》
(3.0)
Oh′
nunber[One.]《 サインする場所を指差し ⑥体の動き
て示す》《アイの方に一瞬視線を向けて》
[Ah writel (。
) ah Write my nane here?
Yes.《
軽 く頷 きなが ら》《サイ ン帳 を支 える》
《サイ ン帳にサイ ンをす る》
(15.0)
Thank you.
《軽 く頭を下げた後
,観
光客1の
目を一瞬見る》③視線
°Thank you.° 《観光客から鉛筆を受け取ると同
⑥頭動き 時に軽 く頭を下げる》
Youire we■come。
Where are you from?=
=工
lm from
工ndia.
[Oh!
②非言語的音声
《カナ
,タエと顔を見合わせ
,担任の方を一瞬見る》 ③視線
《タエとアイを見た後 ,辺 りを見渡し担任を探す》 ③視線
[.hh工:=週La.
先生。 《 辺りを見渡す》 ③視線
Ah′ ok ok。
ェndia. [Ok. [工
memorize.
[Mh′
[Yeah. Yeah.=
=Yes。 (。