廃棄物の有効利用に関する研究 : 底塩酸と鉄鋼スクラップを利用したイオン交換膜電池の物質移動
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(2) 60. 報 文 罷「1111Ill【1捌1川1=犀UHlllllll【II腱llllll匠. に関する研究 廃棄物の有効利用. 廃塩酸と鉄鋼スクラッ プを利用したイオン交換膜電池の物質移動**. 横浜属立大学環境科学研究センター環.境計灘工学研究室 尾上秀夫・伊藤雅敏・松野武雄. Studies on the U.tilization of Waste Substances. Mass Transfer iH an Ion−Exchange Membrane Cell Utilizing Spent HCI Acid and Fe Scraps Hideo Onoue, Masatoshi Ito and Takeo Matsu且。. Mass transfer for the following electric cell was studied,. eF・/・・C1,sa・.・・1・./1N召乙15N/・レblackP・/・・㊦. M−. Electr量。 energy can not be only gained but also hydrogen H2 (a clean fuel gas)an(玉 ferrous chloride FeC12(Chemical product>can be produced by this multipurpose cell, utiliz}ng spent acid HCl and iron or steel scraps.. The wateτtranfer was taken place from the posit1ve apartment to the negative one ln any case of utihz}ng l N HCI or 5 N HCL These behaviors were as same as the results obtained by N. Laksh−. minarayanaiah. 1t was f◎und that面ld steels could be dissQlved well into the saturated FeC12 sQlut乱Qn as a catholyte of the cell.. As Fe+→’ion could be tran$fered through the anion exchange me狙brane(M..)at lower discharge curエent density, the h量gher was the discharge current density, the higher was the producing efficiency of FeC12.. In any case, the treatment efficiency of spent.acid(HCI)was Inore than 100%, because H’トion could. be transfered easily through the membrane(M⇒by diffusion. According to the discharge characteristics, the producing efficiency of FeC12 and the treatment efficiency of spent acid HCI for this cell, better results were tal(en with 5 N HCI as an anolyte of the cell.. 1. 緒 言. 規準億以下にするような処理を完金にほどこさなけれ ば排出や廃棄をすることはできない。しかし,これら. 近年晶晶の葱速な発達と人1二iの集中化にともない環. の処理にはかなりの経費が必要となり,製品原仙の大. 境問題が特に重.要視され,種々の産業廃棄物は所1竃の. 幅な上昇をきたすなど公二1::li事防止対畠策のむずかしさを痛. * 昭和49年3タ羅31日贋ミ稿受付’. ** イオン交換膜を用いた電池に関する研究(第II1報). 感させられる。. 著者らは数年来,これら生活環境を破壌するおそれ.
(3) 61. がある廃棄物を逆に有効利用する多目的霞池の研究を. 2.2 定電流放電. 続けており,すでに幾つかの報告をしている。1−3,本. 電池の定電流放電は図1日目イッチSをAの方にた. 絹においては鉄鋼スクラップと戸坂酸とを利用して無. おし,摺動抵抗器Rを手動で加減して常法によりおこ. 公害燃料である水素ガスと,排液処理における凝集剤. なったが,電池自身の起電力のみでは所定の電流密度. として利用しうる塩:化鉄などの化成品を得ると同時に. が得られないときにはSをBの方にたおして外部電源. 電気エネルギーを取り出しうる電池の物質移動につい. £の助けをかりて所定の値に達するようにした。. て報告する。. 一般に大型ゴミとして大量に放出される鉄山1スクラ. 真空管月割計. ップはガラスやゴムなどの爽雑物と一体になっている. 黶@ 十. ものが多いが,本研究の電池では,これらのスクラッ プは人手をかけて分離することなく,そのままでも電 Fe. 池の負極として利嗣することが原理的に可能である。. Pt/Ti. 寵酸も種々の金属イオンや懸濁物などが混入していて 差しつかえ.ない。. しかし本報においては鉄鋼スクラップの代りにモデ. @ M_. ルとして平滑軟鋼板を月;!い,また廃酸の代りには試薬. @ 1. 特級より調整した塩酸水溶液を用いて基礎的な実験を おこなった。. 2 実験:方法. l. A. @l @I @6. !Fe2. ,,E. C1.... ノH2. A. @! 吹@} [. C. 2.1実験装置. (飽和FeC12溶液) (厚琶塩酸>. 電池の構造は既報Pのものと全く同じであり,その. @ 1翼or5N. 結線図を図1に示す。セルはU字型のアクリル樹脂板 R. 2故を重ね合わせ,その閥にイオン交換膜を2mm厚 のゴムパッキングではさんで入れ,さらにそれらの外. M一;絵イオン交換膜. 舗から縦!00×横!00×厚さ12(mmうのアクリル板で挾. (セレミオンAMT・10). みネジで諦めつけた構造のものである。電解液容iil:は. 図1電池の構造および結線図. :配湯液が45m∼,負極液が55m!であり,両極液の液画. はほぼ同一になるように配慮した。電池の底部から液. 2.3 電解液の分析. 面までの高さは70mmである。. 2.3.1 第一鉄イオンの濃度. イオン交換膜は旭硝子㈱製の陰イオン交換膜セレミ. 塊酸ヒドロキシルアミンによってあらかじめ第二鉄. オンAMT−!0(厚さ0.18∼0.22mm)を/l目いた。イオ. イオンを還元しておき, 0一フェナンスロリン (C12. ン交換膜は電池に絹み込む前は蒸留水で良く六条し,. H8N2)を用いる光電比色分析法4’により495 nmの. 1N食塩水溶液中に保存した。電池に組み込んでから. フィルターを嗣いで求めた。. は正負両極高目にそれぞれ使用する電解液を入れて,. 2.3。2水素イオン濃度. 充分安定さぜてから,その液を取り出して捨て,蒸留. 正極液には陽イオンとして水素イオンの他に鉄イオ. 水で陰イオン交換膜および槽壁内都を良く洗条し,そ. ンが含まれているので,水素イオン濃度を求めるため. の後電解液を蒲述のように入れて放電をおこなった。. には,まず正極液を稀吊し,フェノールフタレン指示. 亙E極は100×50×0.2mmの白金メッキチタン板の表. 薬を多少濃いめに添加し,0.5N力性ソーダで滴定し. 蒲に白金黒を電着」させたものを用い,負極は100x50. てH+濃度とFe2牽濃度の和を求める。つぎに2.3.1の. ×0.5mmの軟鋼板(SS−41)の裂面に針鼠テープを. 方法で求めたFe2+濃度を差し引くことによってH+濃. はり,表醐をサンドペーパーおよびエメヲーペーパー. 度を算出した。. 研摩後,沈降性炭酸カルシウムで良く摩き,充分蒸留. 2.3.3塩素イオン濃度. 水で洗戯してから使用した。電極は下端が電池の底部. C1一濃度はチオシアン酸水銀ジオキサン法により,. に,裂面がセルの内壁にそれぞれ接しており,下端か. 460nmのフィルターを用いて求めた。. ら70mmが霞解液に浸っている。∫1三負両極液とも市販. 2.4電解液量の算出. 特級試薬より調製し,約20℃に保った後使用した。. 電解液量は補正したメスシリンダーを用い,まず常.
(4) 62. 法により電解液景を求め,つぎに槽壁に付着している. 力をかりて放電した領域である。. 液を蒸留水で洗い,その水洗液量に水洗液濃度と電解 液濃度の比をかけて付着液員を求め,前の電解液玩1:に ・・. 加算して求めた。. I. ・へ. 3。 結果と考察. \. 3.1定電流放電特性 図/のスイッチSをAの方に倒して電池の起撃力の みで一定電流を流したところ,放電初期にかなり急激 な端子電圧の降下が見られたが,その後は比較的安定. 習0.1. 5N. 士. 0. 0. 0.4 ● 0.6. 0.. した放電がおこなわれることが判った。一例として5. N塩酸を正極液に用い,男茎密度0.1A/dm2で放電. 0.8 1.0. 電流密度(A/dm2). 一〇.1. 1N o. させたときの結果を図2に示す。. ●. 一〇.2 ○. 尋. 図3放電特性 5N王・IC1. 豪. 実験の範囲では,いずれの電流密度の場合でも,1. N塊酸よりも5N塊酸を正擬液として用いた方が放電 特性の良いことが判る。 3.2 水の移動. 電池を組むと電流を流さないときでも,正極室から. 護0.ユ. 負極室の方に水の移動が起った。そして電池の放電を おこなうと水の移動速度はさらに大きくなることが判. 0 0 10 20 30 40 50 60. ったQ. 時閥 (min>. 正駆液濃度1Nの場合と5Nの場合の水の移動速度. 図2 定電流放霞特性〔0。1A/dm2〕 ○. この電池は負極が熱力学的にそれ昌昌な金属ではな. 100. 5. いので,その一ままではアルミニウムスクラップを利燭. A1. する電池2・3)のように比較的大きな電流を自からの起. 電力で流すことはできないが,負極の表面績を増大さ. 三4. せるとか,樋問距離を短縮したり,電解液温度を高め. 」…3. 毫. るなどの処理をほどこせば,かなり放電特性を改善す. 碁. ることができると考えられる。. ミ. しかし本研究においては,定電流放電時の物質移動. S2. 寒. を基礎白勺に研究するのが目的であるから,前述のよう. な電池の改良はほどこさず,図1のスイッチSをBに. 1. 倒すことによって外部電源Eの助けをかりて比較的大 きな電流密度での放電をおこなうことにした。このよ うな方法による方が比較的低電流密度から比較的高電 流密度までの物質移動の自然な動向を把握しやすいと 考えたからである。. 正極液に!N塩酸を用いた場合と5N塩酸を用いた 場含の定電流放電特性から,放電1時間後の端子電圧. を電流密度の関数としてまとめて園3に示す。図3に おいて端子電圧が負になっているところが外部電源の. 0 0. 0.2 . 0.4 0.6 . 0.8. O LO. 電流密度 (A/dm2) Al;1NHCユの場合(mo1/hr). A5;5NHC1の場合(mo1/hr>. Bl;1NHC1の場合(mol/Fr) B5;5醤HC1の場合(mo1〆Fr). 図4 水の移動速度におよぼす電流蜜度の影響.
(5) 63. @01/hr)を電流密度の関数としてまとめて図4の. 図5をみると,㈹,(B)および(C)はいずれも電流密度. A1とA5にそれぞれ示す。. の増大と共に増加しているにもかかわらず,(E)だけは. 麟4をみると電流蜜度の如侮にかかわらず,正極液. 逆に幾分滅少しているところもある。これは陰イオン. が1N塩酸のときの方が5N塩酸のときよりも水の移. 交換膜を通っての主泳動イオンC1”が電流密度の増大. 動速度が大きいことが判る。. と共に増すので,それと逆方向の流れであるFe2+の. 一般に膜をはさんで血液と濃液とが接している場合. 移動が幾分妨害されるようになるためであろう。. に,濃液の方を簿める方向に水の移動がおこり,その. 3.3。2 11三:極液に5N塩酸を用いた場合. 速度は濃度差が大きいほど大である。本報の場合は正. 結果を図6に示す。園6において㈹∼㈹の記号はす. 極液と負極液との組成が互いに異なるので簡単に比較. べて図5と岡じである。図6をみるとFe2÷の金移動. することは濁難であるが,実験結果から逆に推察す. 量についての傾向が図5と全く類似していることが. ると,いずれの場合も正極液より負糎液の方が濃く,. 判る。. しかも正極液が1N塩酸の場合の方が5N塩酸の場合 よりも濃度差が大きいとすると容易に納得しうる。. 25. 5N HC1. 放電中の承の移動量を単位電気量についての値. A. (mo1/Fr)で示すと,図4のB、およびB5のようにな りN・Lackshminarayanaiahの結果5)と詞様の傾向を 示していることが判った。. 一}20 ξ. B ,!o. .§. 3.3 イオン種の移動量. ぎ. )15. 3.3.1 正極液に1N塩酸を用いた場合 結果を図5に示す。図5において(勾は中禾「1滴定法に. 禽. よって求めた正極室中の水素イオンの全減量で,(B)は. 10. 漣. デ / ノ. 光電比色法によって求めた塩素イオンのII三極室から負. ノ ガ. β/ ゐ 6. 撫室への金移動量,(C)は負極の重量減,(E)は光電比色. ●/ 4 ∠. 5. 法によって求めた第一鉄イオンの負極室から正極室へ. 64 E. の金環.動量をそれぞれ示す。 ①. 0 0. 0.2 0,4 0,6 0,8 . 1.0. 電 流 密 度(A/dm2). A;H,.全減量 1潜 HC1. 20. B;C1.目全移動}震i:. C;鉄飯の匿積且i:減. A. Σ. O. ち. ’ユ15. C. 8. ジ 4 D 66. 蔭10 注. D;H2す理論イ直 E;Fe2.+.全移動lll:. 図6 イオン種の移動量(その2). つぎに図5および図6の実験結果をもとにして,イ オン種の拡散について若干の検討を試みる。. 5. 4ノノ. 3。4イオン種の拡散量. / E. 3.4,1 正極液に1N塩酸を用いた場合. ’. イオン種の拡散量を求めるには,まず正纒での水索 0. ㌶. ど0 0.2. 斗. 0.4 0.6. 電 流 密. 0.8 1.0 度 (A/dm2). ガスの発生が電流効率100%で電気化学的におこると. して,図7の㈹を画く。これは陰極で鉄が100%の電. A;H+ 全減量. 流効率で溶解すると仮定すれば,全く岡じ直線になる. B;Cr全移動f匪{:. し,また陰イオン交換膜の動的輪率を!とした場合の. C;鉄板の重温減. D;H2↑遇1論値 E;Fe2う.全手鋤騒:. Crの泳動量ということにもなる。 つぎに騒5の鶴から図7の㈹を差引いて求めたもの をH÷の拡散量として図7の(B)に示す。同様に図5の. 図5 イオン種の移動量(その1). (B)から図7の㈹を差し弓iいて正極室から負擁室への C1一の拡散による移動量とし,図7の◎に示す。.
(6) 64. 麟8と図7を1ニヒ較すると,まず正極室から負駆室へ 15. !N I−IC1. A. のH÷の拡散量は副8の5Nの方が図7の1Nよりも 大きく,C1『の拡散量は図7の1Nの方は主として負. ? ミ 婁ユ。. 極室より正課室へ移動したのに図8の5Nの方では逆 に正駆室から負極室の方に移動していることが判る。. これは負極液串のCl“の1農地が,正麺液がlN塩酸. 翻。’ぴ一一・一一一一一一一一一一δ3. のときには正筆塊芋のCr濃度より大きく,5Nのと きには逆に小さいとしてこのような複雑系の拡散を容 易に理解しうることが〕縄つた。. ・.・・,4悔一. 0. 昇. 電流密疲(A’dm2)\c O. 3.5 廃酸処理効率. 正極室での水素イオンの全減量を,電流効率!0D% として電気量から計箕したIE雛での水素発生童で害胸. A;H2宇理論値. 100倍したものを廃酸処理効率*とした。種々の電流密. B;H+の拡散. 度での廃酸処理効率を正極液の塩酸濃度1Nと5Nに. C;Crの拡散. ついてまとめて図gに示す。. 図7 イオン種の拡散童(その1) 800. 図7をみると,(B)のH舟の拡散量は電流密度によっ. てそれほど大きな影響を受けないことが判る。一方正. 曇600. 父. 極室から負極室へのC!一の拡散量はほとんど負の値を とっているので,本実験の場合にはC1一の拡散は事実 上負温室から正二六に向っておこっているということ. 嚢. 蟄4QO. になる。このことはこのような複雑な系においても,. H÷は負極室よりも正極室の方が大きく,Crは正麺. 200. 室よりも負極室の力が大きいとして,H÷とC1一の拡. Q一:=こ≒=8. 0 0 . 散がこの濃度差に大きく依存するとすれば容易に理解. 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0. 電 流 密 度(A/dm2). しうることである。. 図9廃酸処理効率におよぼす電流密度の影響. 3.4.2 正極液に5N塩酸を絹いた場合. 図7と同様にして正極液に5N塩酸を用いた場倉の 図9をみると,廃酸処理効率はいずれの場合におい. イオン種の拡散量などを図8に示す。. ても100%をこえている。すなわち本研究に使用した 電池では弄常に良く廃酸処理がおこなわれることが判 つ. 5醤 HC1. 主15. 冶. る。. A. .2. ぎ. コ:薪1⑪. ,’ ,oρ. 電. !〆Q一営一哨㍉、\B 、O. ,○ノ. 漣. 響が大きいためであり,この拡散によって負極室に移 動した水素イオンは負極の溶解反応を促進し,3,6で 述べる塩、化第一鉄の生成効率の向上に寄与しているも. C. o_一一一一一㊤. 5. これは正極室から負極室への水素イオンの拡散の影. ,rO. のと考えられる。. 廃酸処理効率が低電流密度側で特に亮い罐になって いるのは,水素イオンの拡散が,すでに述べたように このような複雑系においても正負両極室の水素イ:オン. 0 0. 0.2 0.4 0.6 0.8. 電流密度(A/dm2) A;H2?理論位 B;H+の拡散. C;Crの拡散 図8イナン種の拡=散景(その2). ユ.o. の濃度差に依存したものであって電流密度の影響をほ とんどうけず,一方正極での水素ガスの発生量は電流. 密度にのみ依存するからである。5N塩酸の方がIN. ・四周理効率磁謄魏鍋離離特認6五T x100%.
(7) 65. 撫ヒのときよりも廃酸処理効率が良いこともこの間の. が大きく関与しているということである。. 事鼠を良く説明していると思われる。. すなわち,図5と図6を比較すれば判るように,負. 3.6 塩化第一鉄生成効率. 極の溶解速度は正極家の野酸濃度にほとんど上灘係で. 負極室から塩化第一鉄を圓収するには,負極室の燃. ある。一方正樋ぢの塩酸濃度の謡い方が,膜を通って. 化第一鉄がi}子閥と共セこ増加する必要がある。負極室の. のFe2÷の移動とは逆瞠目のむIしれであるC1一の移動が大. 第…鉄イオンのナ1」:は負極鉄板のπ堂減から,負極乞. きくなるために, Fe2÷の移動が妨害をうけて小さく. から【{皇室への鉄の全移動量を笠し引いて求めること. なる。したがって,一見f極室とは無関係に思われる. にする。このように.して求めた第一鉄イオンの増是. 正極室の塩酸二皮の高い方が,負極室における嵐化第. を,負概反癒によって電ヌt化学的に溶解したと考えら. 一鉄の生欣効率が高くなっているのである。. れる鉄イオンの詰で割り,・!00倍したものを塩化第一. いずれにしても本研究の実験結果では,塩化第一鉄. 鉄4成効率**とすると,正極液の塩酸濃度1Nおよび. の生成二二の点では電流密度0.5A/dm2以上で放電を. 5Nの場合にそれぞれ図10のようになった。. おこなう方が良いが,鴎3の放電特性からみると,本研 究の電池を全く改良することなく放宅した場含には, 臼からの起冠力では0.5A/dm2以上の放電をおこなう. 100. §. ことができない。したがって本研究の屯池を,塩化第. 5N。一〇. の有効表面積を大きくし,三田距離をできるだけ小さ. き. 望. 鴛. 一鉄の生成効郭をかなり蕩い瞬こ保ちながら,しかも 自からの起厄力のみで放電をおこなうためには,正極. 80. くするとか,Fe2+の通過しにくい陰イオン交換膜を選. 60. ぶなどの電池の部分的な改良をほどこす必要がある。. ズ. 40. なおこの場合,自からの起電力で放冠が持続しうれ ば,たとえ’iこ気エネルギーはほとんど取り出せないと. しても,痩し酸の処理に中和剤を使用しないで,しかも. 20. 無公等燃料の水素が得られ,乱淫スクラップからは塩 化鉄のような化成贔が得られるのであるから,これら. o. 0② 0.2 . 0,嘆 . 0,6 0.8 1.0. ’. 電 . 流 密 度 (A/dm2). の反応速度を’尾気抵抗によって簡単に調整する手段{’こ. 惣也の起電力を生かしていると考えれば,環境保全の. ための多目的電池としては一応興味ある対象として考 えても良いのではなかろうか。. 図10塊化第一鉄生成効率におよぼす 電子密度の影響. 図10をみると電流密度の高い方が塩化第一鉄の生成. 4. 総 括 廃壌酸と鉄鋼スクラップを利用したイオン証拠1ズ芭 池のモデルとして,1ゼ極に白金,鮒寸きチタン白金板,. 効率が良くなることが判る。電流蟹度の1、野い方が塩化. 正極液に1Nまたは5N塩酸,女擁に平滑軟鋼板,負. 第一・鉄の生成効率が良いのは,負極鉄板の竃気化学的. 極液に飽和の塩化策一鉄水溶液および隔膜として陰イ. 溶解遺が電流密度の増大するに従って増すのに対し て,Fe2+の負極室から正極室への拡徴が俗流密度に全 く依存しないので,Fe肝の移動童が’尾頭密反の増大と 共に増さないためであろう。 また図!0によると,いずれの電流密度においても,. 正極液の塩酸濃反の高い方が負極室での塩化第一鉄の 生成効率が荷くなっている。このように負極室での塩 化第一鉄の生成効率に正極室の塊酸濃度力彪響すると. いうことは,正極室と負極室との間の相互の物質移動. オン交換膜を用いた小型の電池を組み,定電流放電博 の物質:移.動を検討した。. (1)正.極液の心皮5Nの方が放電特性が良いが,そ. れでも電流密度1A/dm2で放電するには,正負両極の 有効表面積を増大するとか,極同距離を小さくするな どの工夫を要する。本研究セこおいては電池の改良を特. には行なわなかったので,比較的高電流密度の放宛時 には外部冗源の力をかりなければならなかった。. ② 二二を組むと山流を流さないときでも,正極室 から負極室の方に向って水の移動がおこった。電池を. 堵*. @塩化弟1一鉄生即効冨. 象極室璽挫剴一拠オンの増:1蟹姪1・隻⊇_×100% 放比tメ磁に相当する鉄板の溶解.亘〔g・10n3. 放電させると,尾流密度の増大するに従ってその移動 速度が速くなるが,電流密度の如何にかかわらず,正.
(8) 66. 極液の塩酸が1Nのときの方が5Nのときよりも移動. た。. 速度が大きいことが判った。. (8)負極室における塩化第一鉄の生成効率は電流密. (3)放電中に膜を通過する水の移動速度を単位電気. 度の大きい方が高く,しかもいずれの場合も正極室の. 量についての値(mo1/Fr)で示すと,N. Lackshmina−. 塩酸濃度5Nの方が1Nの場合よりも高かった。. rayanaiahの結果と同様の傾向を示していることが判. (9)したがって本研究の電池は廃酸処理の効率の点. ったQ. では全く問題はないが,しかし塩化第一鉄の生成効率. (4)正極室液中の董罫も②のかくの移動と同様の挙動. をかなり高い点に保ち,しかも自からの起電力のみで. を示した。したがって廃酸処理効率はいずれの電流蜜. 放電をおこなうためには正極の廃塊酸濃度は高い方が. 度においてもユ00%をこえており,特に低電流密度放. 望ましい。. 電においては数百%に達する値を示した。. 鱒 そして蕉極の有効表面積を大きくし,極間距離. (5)正極液が5N塩酸の場合々こは, Cトの正極室か. をできるだけ小さくするとか,Fe2+の通過しにくい. ら負極への全移動量は(2)の水の移動と同様の挙動を示. 陰イオン交換膜を選ぶなどの工夫をする必要がある。. した。しかし1N塩酸の場合には電流を流さないとき に逆に負.極室から正極室の方にCl一が移動するなど,. 文 献 1)尾上秀夫,森 慶三,松野武雄∼安金工学9,. 全般的に5N塩酸の場合よりもC1一の移動速度が小さ. 354 (1970). かった。. (6)負極の溶解速度は正極室の塊酸濃度にほとんど. 無関係で,いずれの電流密度においてもFe2÷として 電流効率10D%をわずかに越す僚で溶解することが判 った。. (7)Fe2+は負極室から正極室の方に移動した。そ してその速度は電流密度の影響をあまりうけず,正極. 室の塩酸濃度1Nの方が5Nの場合よりも大きかっ. 2)尾上秀夫,森 慶三,松野武雄;電気化学39, 36 (1971). 3)尾上秀夫,二宮節雄,松野試雄;安全工学11, 197 (1972). 4)E.Sandell,‘℃olorimetr1c Determination of Traces of Metals”, p.537(!957). 5)N.Lakshminarayanalah, J. Electrochem. Soc., 1重6,338 (1969).
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