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現代日本語における和語動詞と漢語サ変動詞の意味・用法上の異同について―類義関係にある複合動詞の漢字表記との関係を中心に―

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Academic year: 2021

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(1)現代日本語における和語動詞と漢語サ変動詞の意味・用法上の異同について.      一類義関係にある複合動詞の漢字表記との関係を中心に一     教科・領域教育学専攻     言語系(国語)コース.      M08129A      陳 麗 螢 2 論文の構成. 1 研究の目的. 序章.  現代日本語において、和語系統の動詞と漢.   第一節 研究の目的と意義. 語系統の動詞が数多く存在し、その中で類義.   第二節 研究の対象と考察の手順. 関係をなす和語動詞と漢語サ変動詞も少なく.  第一章  [一コ群における音訓と表記. ない。類義関係にある和語動詞と漢語サ変動.      について. 詞とが、意味的には互いにどのように関わっ.   第一節 和語動詞と漢語サ変動詞に. ているのか、その関わりの有様はどのような.       おける表記の類型. 特徴を示しているのか、などに興味が惹かれ.   第二節 和語動詞と漢語サ変動詞に. るが、この面に関する研究はまだ充分とは言.       おける音訓と表記. い難い状況にある。中国の思想や文化などを. 第二章 [ニコ群における意味・用法. 背景に担った漢語と、日本の思想や文化など.      の広狭の原因について. を背景にしているやまとことば(和語)とが、.   第一節 意味領域が違う場合. 同じ言語体系の中に溶け込んで互いに補い合.   第二節 意味領域が同じで、適用対. うようになっている状況や、思想や文化など.       象の幅が違う場合. の違いとそれに託される言葉の意味の広狭と.  第三章 [三]群における意味・用法. がどのように関係するのかなど、興味深い点.      の広狭の原因について. は多い。更に、表記の面において、形態上同.   第一節 意味領域が違う場合. じように見える漢字でも、意味・用法が全く.   第二節 意味領域が同じで、適用対. 同じという訳ではない。本稿での考察を通し.       象の幅が違う場合. て、日本の漢語は中国語の単なる借用語では.  第四章 [四]群における意味・用法. なく、日本語としての日本漢語と中国の純漢.      の広狭の原因について. 語とを区別しなければいけないと、強く思っ.   第一節 意味領域が違う場合. た。それでは、その日本漢語と純漢語とは、.   第二節 意味領域が同じで、用法に. それぞれどのような特徴を呈し、両者の関係.       差が見られる場合. はどのようになっているのであろうか。本稿.  第五章 [二]群・[三]群イ四コ群. は以上の問題意識をめぐって考察を試みる。.      における音訓と表記   第一節 [ニコ群・[三]群イ四コ. 一222一.

(2)  第二節. 群における音訓と表記. おいては、漢字と訓との結びつきが比較的に. 本章のまとめ. 稀薄であることが窺えた。これは日本語にお ける漢語の一つの特徴とも言えよう。. 終章.  第一節. 本稿のまとめ.  第二節. 今後の課題.  第二、三、四章では、それぞれ[ニコ群、 [三コ群、[四コ群の動詞について、意味・用. 法の広い原因を検討した。考察の結果から、. 3 研究の概要. 和語の意味・用法の範曉が一般的に漢語より.  本稿はまず取り上げた類義関係にある和語. 広いこと、漢語サ変動詞は専門分野の学術語. 動詞と漢語サ変動詞の対を意味・用法の視点. として多く用いられること、和語動詞より漢. から次ぎの五つに分類した。. 語サ変動詞の方は比喩的な拡張が比較的に起.  [一コ群:和語動詞と漢語サ変動詞の意味・. こりやすいことなどが確認できた。また、和.      用法がほぼ重なるもの。. 語動詞は具体的に、漢語サ変動詞は抽象的に.  [二]群:和語動詞の意味・用法が漢語サ. 使われる傾向も認められる。更に、日本の漢.       変動詞の意味・用法を含むもの。. 語は中国の思想や文化などを背景に担ってい.  [三コ群:和語動詞の意味・用法が漢語サ. るが、決して純粋の中国の漢語ではなく、中.       変動詞の意味・用法に含まれる. 国の漢語と違う性質を持っていると見るべき.       もの。. であるという結論に導いた。.  [四]群:和語動詞と漢語サ変動詞とは、.  第玉章では、[ニコ群、[三コ群、[四]群の.       共通の意味・用法を有している. 動詞における同訓異字や同音異字を分析した。.       とともに、それぞれ独自の意. 第一章で得られた結果と重なる。また、日本.       味・用法も持っているもの。. 語の漢字が常用漢字とその音訓制限から強い.  [五]群:和語動詞と漢語サ変動詞との意. 影響を受けていることも観察できた。常用漢.       味・用法が全く重ならないもの。. 字とその音訓制限は場合によっては、漢字の.  ([五コ群は研究対象から除外した。). 語義にまで影響を与えるに至った。.  第一章では、「漢字の音訓と字義」「同訓異.  このようにして、本稿は類義関係にある和. 字と同音異字」という視点から[一コ群の動. 語動詞と漢語サ変動詞について考察した。両. 詞について、考察した。意味・用法がほぼ重. 者はそれぞれ示している特徴や傾向がいまま. なると言っても、和語動詞と漢語サ変動詞の. で数多くの研究者によって指摘されたことと. 漢字表記が必ずしも同じであるとは限らない。合致している。また、本稿の一つの成果とし 漢字表記の違いが発生する原因として、常用 て、日本の漢語は中国語の単なる借用語では 漢字の音訓制限や、漢字字義の異同などが考 なく、〈日本漢語〉という特異な「日本語」と えられる。また、和語動詞における同訓異字 して扱う必要性があることが検証できた。. や漢語サ変動詞における同音異字に対する考. 察から、和語動詞において、漢字と訓との関        主任指導教員 田中雅和 係が緊密であるのに対して、漢語サ変動詞に         指導教員  岡中雅和. 一223一.

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