• 検索結果がありません。

秀しげ子の著作

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "秀しげ子の著作"

Copied!
38
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)秀しげ子の著作. 若乃しげ子の著作. はじめに 昭和二年七月二十四日未明、芥川龍之介は、多量の. 中. 止符をうった。菊池寛に宛てた遺書﹁或旧友へ送る子. しげ子﹂という名前の女性であることは、今日ではほ. この遺書中に記された︿口夫人﹀が、﹁秀(ひで). ない存在であった。だからこそ、芥川自身、彼女との. 記﹂(昭2 ・ 7) には、自殺の動機をめぐる︽三面記事︾. への曲がり角を象徴するような︽ぼんやりした不安︾. 関係を生涯の︿大事件︾と述べ、晩年に最も心を聞い. て、出会いから死に至るまでその脳裏を離れることの. という言葉を残した。﹁或旧友ヘ送る手記﹂が、ひと. ていた友人小穴宛ての遺書にその存在を刻印せ、ざるを. ぼ定説となっている。秀しげ子は、芥川龍之介にとっ. まず有名作家の世間に対する︿公﹀的な遺書だとすれ. 秀しげ子の生涯については、かつて﹁秀しげ子のた. 得なかったのである。. いる。そのうちの一通は家族(とりわけ子供たち)に. めに I 芥川龍之介との避遁以前﹂川﹁(同) H │︿噂﹀の女の足跡│﹂ ωと題する拙稿を発表したこと. ば、芥川はそれとは別の︿私﹀的な遺書も二通残して. 的な憶測を避けるために︿生活難︾や︿病苦﹀や︽精. 存に不利を生じた﹀とも語っている。. たこと﹀だと記し、︿口夫人︾との関係が自分の︽生. 事件だったのは僕が二十九歳の時に口夫人と罪を犯し. の総決算の為に自殺﹀するのだとした上で、特に︿大. 美. 神的苦痛︾などの理由を列挙したのち、近代から現代. 睡眠薬をあおぎ、一二十五年余の短い生涯にみずから終. 睦. 宛てたもので、もう一通は小穴隆一に宛てたとされる 遺書(昭2 ・7) である。後者の中で、芥川は︽過去. 一1 1ー. 田.

(2) 1 9巻 2号 2 0 0 8 .3 文学・芸術・文化. がある。 その内寄とも重視するが、以ド、紹介を兼ね 芥川が秀しげ子と最初に出会ったのは、大正八年六. て二人の関係を簡略にふりかえっておきたい。. 秀しげ子は、出会った当初こそ︿愁人︾と呼ばれた. が、晩年の芥川作品では︽狂人の娘︾(﹁或阿呆の一. 生﹂)や︿復讐の神︾(﹁商事﹂中﹁二復讐﹂/﹁三. 子との葛藤が影を落としていると思われる。さらにま. フ﹄)、﹁文放故﹂(大口・ 5 ﹃婦人公論﹄)などにもしげ. 夜﹂)などと表現され、そのほかでは﹁秋﹂(大9 ・4. というゴシップ記事に取り上げられた。二人は、同年. た、芥川の生前および死後、芥川の周辺にいた作家た. 月十日、岩野泡鴫主宰の十日会例会の席であった。当. 九月十日に十日会で再会したのち、同月十五日、二十. ちによって彼女を素材とする作品も少なからず発表さ. ﹁中央公論﹄)や﹁薮の中﹂(大口・ 1 ﹁新潮﹄)との関. 五日には個人的に逢瀬を重ねている。別稿﹁我鬼窟日. れている。岡本かの子﹁鶴は病みき﹂(昭日・ 6 ﹃文皐. 連性が指摘されてきた。しかし、私見によれば、さら. 録﹂(大8 ・ 9 ・ロ)では、しげ子を︽愁人﹀と称して. 界﹄)、広津和郎﹁彼女﹂(昭お・ 5 ﹃小説新潮﹄)、瀧井. 日、初めて十日会に出席した芥川は、古くからの会員. 思慕の情をもらし、その後も同様の記述が繰り返され. 孝作﹁純潔﹂(昭お・ l ﹃改造﹄)、村松梢風﹁芥川と菊. であったしげ子を見かけ、広津和郎を介して挨拶を交. る。前掲の小穴宛て遺書には︽僕は支那へ旅行する機. 池﹂(昭担・ 5 ﹁文芸春秋社﹄)、松本清張﹁芥川龍之介﹂. に﹁路上﹂(大 8 ・6 i 8 ﹃大阪毎日新聞﹄)や﹁女﹂. 会にやっと口夫人の子を脱した﹀とあることから、大. (﹁昭和史発掘 2﹄昭刊・ 9 ﹃文芸春秋﹂)、小島政二郎. わした。翌十一日には芥川からしげ子のもとに書簡を. 正十年三月に出発した中国旅行の前にひとまず関係を. ﹁長編小説芥川龍之介﹄(昭臼・日﹃読売新聞社﹄)な. 文 ( 大9 ・5 ﹃解放﹄)、また、﹁黒衣聖母﹂(大9 ・5 ﹃. 絶ったことになる。二人の蜜月期間は出会いから一年. どである。そのほか、同時代人のさまざまな回想類な. 章倶楽部﹄)や﹁或恋愛小説﹂(大日・ 4 ﹁婦人グラ. ほどで、以後、彼女の存在は徐々に芥川の負担になっ. ﹁文壇風聞記芥川氏の社交ぶり﹂(﹁新潮﹄大 8 ・9). ていったらしい(ただし、旅行後も今一人が顔を合わせ. どを含めると彼女に関する言及は相当な数にのぼる。. そえた彼の創作集が贈られ、二人の出会いはたちまち. る機会がなかったわけではないて. -12ー.

(3) 秀しげ子の著作. 以上のようにみてくると、﹁秀しげ子﹂という女性 が芥川文学およびその周辺の文学者たちにとって、. かかった一方的なまなざしと先入観によって、そ. にもかかわらず、秀しげ子は、もっぱら芥川の︽生存. にすぎない。ところが、粗雑な調査凶だけでも全. 彼女の歌(本文)はわずかに十余首が紹介された. たとえば、秀しげ子を︿歌人﹀と呼びながら、. の人間像を形成してきたのではなかろうか。. に不利を生じ﹀させた︿厄介﹀な女として、︿三面記. けっして黙過し得ぬ存在だったことは明らかだろう。. 事﹀的なまなざしのもと︿噂の女﹀であることを強い. ることができた。すでに題(詠)や歌数︹その所. く未紹介の三百余首の短歌と短文-一編を新たに見. (前掲﹁秀しげ子のために I﹂﹁序﹂). 計四百首を優に超える歌が確認できたことになる。. 在︺だけが紹介されてきたものだけを併せると、. られてきた。そうした状況をふまえ、かつて私は次の ように述べたことがある。 彼女をめぐる言説は、果たして秀しげ子その人 や芥川との関係を正当に伝えるものだったろうか。. A. しかし、﹁全く未紹介の三百余首の短歌と短文 一 編. を新たに見ることができた﹂とし、﹁計四百首を優に. へと呼称を. 超える歌が確認できた﹂としながらも、諸般の事情と. V. 変え、遺書にも︿やっと口夫人の手を脱した︾と. 生来の怠惰とから、そうした秀しげ子の︿生の声﹀(歌. 芥川自身、安心人﹀から︽狂人の娘. の女﹀に日んじてこなければならなかった。こう. 自体や本文)を紹介する機会を得られなかった。その. 記したせいもあり、彼女はスキャンダラスな︿噂 した言説は、ひとり芥川ばかりではなく、同時代. ﹁或阿呆の一生﹂に見る﹄(高宮檀著、二 O O六年七月、. 問、単行本﹃芥川龍之介の愛した女性i ﹁薮の中﹂と. 彩流社)も刊行され、再び秀しげ子の存在が注目され. の作家たちにもおおむねひきつがれている。しか 文学の一翼を担った︿新しい女﹀のひとりであり、. た。この度は幸運にも発表の機会を与えられたので、. し、実際の秀しげ子は、ビアトリス社など大正期 歌人としての活動も相当に活発だった。にもかか. 研究資料として紹介させていただく。. にほとんど触れることもなく、いわばバイアスの. わらず、従来の言及は、彼女の具体的な︿足跡﹀. 1 3.

(4) { 注 ︼ 館大学日本文学会)参照。. ( 注 l) ﹁論究日本文学﹂第日号 (1996・口、立命 ( 注2) ﹁論究日本文学﹂第侃号 (1998・5、立命. 現時点までに管見に入った作品群を﹁掲載誌(紙)・紹. として整理しておきたい。というのも、諸氏による紹. 介者・作品数・紹介内容﹂などの項目によって一覧表. 介は、明確に本文を紹介している場合、一部の代表的. けを一示す場合、あるいは題詠のみを紹介する場合など. な歌を掲げ、そのほかは﹁首数﹂や掲載誌(巻号)だ. ( 注3) 拙稿のもととなった調査は、主に近畿大学文. が混在しているからである。ここでは便宜的に、全く. 館大学日本文学会)参照。 芸学部大学院に提出(一九九六年一月)した. ているが本文未紹八月のもの、本文が既紹介のものの三. 未紹介のもの、題および掲載誌(紙)などは明示され. 種に分類しておく。なお、﹃讃責新聞文芸欄細目索引﹄. 修士論文による。 には、関表として歌(文)の﹁題(詠)・歌. (補注)なお、前掲﹁秀しげ子のために E﹂の末尾. しげ子﹂となっている)があるが、本紙を調査し照合. に﹁秀しげ子﹂の項(ただし、サ行で﹁秀(しゅう). した結果、遺漏がきわめて多かった。. (首)数・署名・発表誌(紙)・刊行年月・備 考﹂の項目からなる一覧表を付しておいた。. 秀しげ子の全著作(ただし、﹁秋﹂批判を含む周知の. ここに紹介するのは、これまでに見ることのできた. 併せて御覧いただければ幸いである。. 資料紹介の前に. 発表紙(誌)別に﹃ビアトリス﹂﹃潮音﹄﹁春草曾詠草﹂. である。まず最初に前述の一覧表を掲げ、そのあとは. m︺は除く) 評論﹁根本に触れた描写﹂︹﹃新潮﹄大9. 本修・浅野洋らの諸氏によってそれぞれ部分的に紹介. ﹁そのほか﹂の順で編んだ。. これまで秀しげ子の著作については、吉田精一・森 されてきてはいる。しかし、今回の調査によって、こ れまで紹介されてきた作品数にほぼ倍する数の短歌と 短文二編を新たに発掘することができた。そこでまず、. 1 4. 2 0 0 8 .3 1 9巻 2号. 文学・芸術・文化.

(5) 秀しげ了の著作. 現在、 管 見 に 入 っ た 秀 し げ 子 の 著 作 は 、 短 歌 四 白. まかこ、 未 紹 介 写 真 と ﹁ 伝 記 ﹂ で 注 記 す る ﹁ よ み う り. 十五首、 評論一編、一期支二編の合計四百十八編である。. A 口 三 十. そ 新 (請 潮 2 主 ; z : 二 ; 新 買 讃 新 買女ざ現婦の ぽ のつ代人 詠 E 世さ婦公か 聞界う人論 草 ~. 歌 選. 附. 集. I. ビ. 載 掲. : ア. 弓士 口I C '. : ト. ス. I. ). ~詩). H H 車. 潮 日. 主 選. 中中木 青中中 田田 田田 睦睦生陸睦 美美子美美. 本 森. 中 中: 森 本 中:浅 田 田 田 野. 紹 者 介. l. l. 睦 睦 睦: 美 美:修 美:洋 l. 修. 2 7 0印 象 短 文 1 03 1 (. つ記 1. 0 2' 5 22. 未 作. 題 題:. 口口 1 高 温 仁 介 数. 8 : 4 22. ち 長 官. 抄﹂ほかの消息にも接することができた。なお、本文. が先行研究によって既に紹介済みのものは、各歌の下. に{既︼として記した。さらに、各作品に関連する必. 文 2. 0 ' : 題 1. 1 2 9. 1 8 、. : 歌 J数. 本 文 未 日 来 介. 1 1 9 : を. 刀 :t ; 唆. 1. 1 9. ' 1 0. :2 介. ) 論. 4 1 8. 11 03 1. 1. '8 既 紹 : 題. 五 平. ,~. 5 23 3 1: 1 8 : 題 題:. 題:. ). ~,. 6 : 4 24 ~,. 2:. 計. aA. 5 ・.

(6) 1 9巻 2号 2 0 0 8 .3 丈学・芸術・文化. 要事項については︿←付記①、②:・ V. の形で後掲した。. 以下、主な発表誌について、ごく簡略に説明してお /¥。. ﹁ピアトリス﹂は、大正五年七月に創刊された女性 を社員とする文芸雑誌で、編輯兼発行人は山田たづ、 ビアトリス社の発行、誌名はダンテの﹁新曲﹄に因み、 第二巻第二百可(大 6 ・4) までの存在が確認されてい る。賛助員として、生団長江や与謝野晶子や窪田空穂 や平塚明子のほか、長谷川時雨、太田水穂、徳田秋声、 森田草一千、若山牧水らの名前が見える。. ﹃讃責新聞﹄紙上の﹁春草舎(詠草こは、﹃明星﹄. の歌人として出発した茅野着々と茅野雅子の夫婦が大. 正八年より主宰した短歌会である。. ﹃ビアトリス﹂発表作. ﹁まぼろし﹂ 8首 秀 輔 音. (第一巻第瓦挽、大 5 ・1). さびしらの河原に立ちて舞妓らの. まぼろし追ふやかのたはれをは. 君にしあるが身のやりどなき. 又しでも京をしたふてこがれゆく. ﹃潮吉﹄は、大正四年七月、太田水穂が創刊主宰、 が合流したグループであったが、大正五年十二月、牧. 潮音社発行、当初は水穂系の人々と若山牧水系の人々. ゃめる日も尚化粧しておはしける. 君にしあるがいとしいぢらし︻既︼. 水が第三次﹃創作﹄を復刊し離脱したので、以後は本 聴の単独主宰となった。大正期の﹁潮音﹄で短歌や短. 便りをかけば淋しさのわく︻既︼. たはむれに姉とよばれて姉らしき. おもむきそへしお六ぐしかな︻既︼. きまぐれの君のすさひに一しほの. 絶えすもおふか君のまぼろし{慨}. うっとりと病みつかれたるめをあげて. いだことで、水穂に幸出露伴や阿部次郎や和辻哲郎や. 歌訴以外で注目すべきは、ザ巴蕉の研究と一辞価に力を注 小宮里隆らが加わり、大正九年秋より四年半も合評研 戦後は水穂が没した昭和会二十年以降、四賀光子が主宰、. 究会がもたれ、その記録が瓦年間同誌上に連載された。 太田青丘が編集に当たった。. 噌. 'A. c o.

(7) 秀しげ子の著作. 我が心さだめかねつるたまゆらを. 病みてすぐなる心くらべぬ. ぬかづきて神をおろがむ思ひとも. ﹁霧の流﹂ H首 秀 鞠 音. ﹃潮音﹄ 発表作. 身じろきならず病み績くれば. ひいやりと五日に向り来ぬわが涙、. 病める我心慰めてけり. かい巻の友梓模様華やかに. 君はかたヘに苛ちおはす 小指はもからめ合ひっ冶誓ひける 嬉しき日にも桐の花さく. (第-一巻第一一.挽、大6 ・4). ﹁病みである日﹂叩首秀輔古 雪もよひいつか薄日も消えぬがに 一しぼ寒さ身に迫りきぬ 夜をこめて板戸打ちけりさらさらと. ( 三 巻 卜 一 号 Pお、大6 ・ 1)← 付 記 ①. おもひわびうき寝の床の起きふしも. 雪かみぞれかあられか雨か ぼろぼろと南天の買の散りしけば. 秋としいへばわびしいやさら. 此のならはしも幾夜経にけむ. タされば月をながめて物おもふ. 風冷々と吹きて来にけり. n 隠道の近 つ くらしも汽笛して. 此の植林に月のてれ冶ば. 落葉松の影一様に細々し. 野分のあとにたずすみてけり. うっとりとうつけ心にすさまじき. タの鐘の立円はもしのばゆ 現身の運命はかなし共々に 死なまじものと誓い来つれど︻既] 師るといふも深きさだめか︻既︼. 君おきて一人さびしく上くれに 此最後望みあらねば悔もなし、 ひた悲しきは一人行く事︻既︼ 運 命 と お も ひ 知 れ ど た ゆ た ふ ︻既}. これやこの現身なれば死なむHも. 1 7.

(8) すみ波る空に限なき月影を ながめあかせどしづ心なや あかとどを河畔に立てば此のあさけ. 、大6 ・ 口). ﹁秋の日ざし﹂日首秀鞘音子. p ω. (三巻十二斑. 日一日物足らなきに馴れゆきて. わが一入居に鷹の音をきく. はかなさは帯にひそめし小鏡の. 静やかにこそ霧の流るも たはれをが舟まちわぶる姿さヘ. われてわびしくせまる宵闇. 子雀のち冶とはかりにむれ?とふ. 根こそぎ陽をばあびてゐにけり. ゆき行けば此の街路樹の大方は. 書はりあけてこぼろぎのなく. 珍らしき晴れ間なりしか納屋のはみ. 千切れ雲見ゆ日のてりはえて. 久方の空のはるかにぽっかりと. 都おちする人に泣きそね. うらふれて秋の深夜にしょんぼりと. あかとき近き頃はよろしも たわ、なる秋告げ顔に柿の買の まことめでたく色つけるかも 日間に死にけむ人のうめきか. 此の深夜浅間の山の山なりは みすぜかる信濃の山の峯々に はやおく霜の白きをぞ見る 秋の空仰げば深しあでやかに うすゐの峯はもみぢそめけり はる/¥と旅にしあればしみf¥と. 日かげゆくめくにわたっみかも. あきふかみ尾ひれ打ふり只一つ. 速ゐる人を忍びこそすれ てる川は静かにてれり秋ぐさは. 生きのこりをり鉢の金魚は. 木犀の香の流れやまずも. 長雨のはれし庭ぬちそこはかと. 崖の高みにそよぎてゐるも [備考]歌の最後に選者の評 ︿自由自在なる 詠歎に驚く﹀がある。. 秋の陽はあまねくわびし鴎うく. -18一. 2 0 0 8 .3. 1 9巻 2号. え;学・芸術・文化.

(9) 秀しげ子の著作. 隅田河原の本のひえかな ﹁秋のし佼﹂ 1首 秀 鞘 音 子 (三巻十二披﹁植物園の歌合﹂. ロ ) 大6・ 秋の夜もさすがに更けぬ物語 いつを果てとし思ひわかなく. きりひた/¥とよせて来るはや 子等追へど大木の鴻専念に. 買をついばみて動かざりけり. かれ枝にひたととまりである小鳥. 薄日はさせどなかむともせず. 薄氷の底にひそめるひとひらの. 落葉の色の色こかりけり. わびしさになける心のいや更に. 野火におびえておの冶けるかも. やう/¥に登りつめたる丘の上. 岩根によりて息づくしばし. 無念さにはふりおとせし涙かも. 怪しうも風の吹きたつる従半. 岐さヘ草なぎ伏しぬ山鳴りて. 町歌二、山賀龍美、太出水穂、大西さよ子、. つめたき月に光るもわびし. 会名が入選している。). 初春をことほぐ胸に云ひしらぬ. 空を望めば初日ぞのぼる. 朝戸あけて心すがすが東雲の. (四巻二挽P判、大 7 ・2) ←付記②. ﹁新しき日に﹂ 9首 秀 輔 音 子. 橘樹千代瀬、世良回優子、秀鞘立日子、百瀬. 同乍人、大館寄山、四賀光子、岩淵要、北. ド略)昔日の舎者左の如し日向澄雄、尚. 植物園を出て竹早町の停留所で別れた(以. て抽選を以て色々の題を引くことにした。. -一日曜)(於竹早町)[本文︺歌題を探題にし. [備考](植物園の歌曾)大 6年日月日日(第. P. 虞里の十三氏。(筆者註・・十会二名のうち、十. (四巻一一斑 p却、大 7 ・l). ﹁冬枯る、頃﹂ 8首 秀 鞘 音 子 暮れなづむ隅田川原にた冶ずめば. -19一. 9 3.

(10) さびしさぞある老いやしぬらん. 頻降れるみ雪うれしみ聾あげて. 野の上に映ゆるタあかき空. この朝の板戸をくればさ庭べに. 打興じけりこの朝まだき. おそろしき人のそしりにいっしらず 相さかりつ﹀逢ふよしのなき なつかしき歌の心を思ひっ、. 雪白々とふりつもり居り. 流れて空の白みそめける. とま舟のかしぎの煙川の面を. 忍びてあれば面影にたつ 我が若き日も今過ぎんとす. おく霜深し鵠陽になく 一群れの火事場がへりの消防夫 息吐きてゆくその息白し. 心や冶和みそむれば歌曹の. (四巻四挽 P 位、大7 ・4). ﹁早春の歌﹂ 9首 秀 鞠 音 子. 下枝をかけて芽ぐむ梅かも. いちはやく春のおとづれ告げ顔に. 来なげる家の童のしづけさ. 破恒一に人をぢもなくみそさぜい. 薮柑子の貫啄ばみであり. 鴨の普よ立ちいで見れば築山の. 雪消の水をした、らし居り. ほりばたの並木の柳一様に. か、りて冬の海静かなり. 雪もなき空にぽっかり月量の. 華やかに心のま﹀をふるまひし 一冗朝のちまたをゆけば軒並に 橋詰の並倉の屋根しろ六¥と. 大戸とざしてねむりふくるも. 隅田川冬がれ葦か霜霧らふ 月の光に遠白く見ゆ. (四巻三挽 P町、大7 ・3). ﹁鴨の葺﹂山首秀鞠音子 しん/¥と外の面に雪の降りしきり 身内そぜろに冷えやまぬかも 群れなきて精わたりぬ暮れなづむ. -20一. はしづめ. 1 9巻 2号. 2 0 0 8 .3 文学・芸術・文化.

(11) 秀しげ子の著作. もれいでにけりおのづからにも 幾度かふきまくられつゃうやうに 吹雪の中を我は来にけり ゃうやうに暗きになれて見えわかぬ かそけき文字をよみをヘにしか や﹀しばし暗きに立てば月光に 白々浮ぶ梅の花かも 春雨を見あきるばかり立ちつくす 此のをばしまの一時がほど 雪兎薄日にとけて南天の はかなく残るタのさみしさ おほどかに鳶まふ空の雪はれて 我が影さやにっちに落ちたり 晴れ六¥し空に吸はるか我が心 うれしきま、にた¥ずむ暫し 飛ぶ雲の我が頬にふれてたちまちに 雨をよびけり尾上に立てば ﹁春の悩み﹂刊首秀輔音子. (四巻瓦挽 PおlM社 、 ト 人7 ・5) そぜろにも花のたよりのおもはる冶. このまひる日のほのぬくみかも. 香に立ちて丁字にほへばしっとりと 白き額の汗ばみおぼゆ. 静やかに朝日子のぼるアルプスの. 山脈の空を仰ぎ見しかも. いつしかと花の便りをまちわびし. 眼にいたましき信濃路の雪(踊郷). 一つらの山の峯々おごそかに. 雪いた可きて春の陽に立つ. 翼手ひぢて甘泉くめば速かに. 氷るおもひす春たちぬるを. 夜のしずま一人のがれて湯にあれば. 身のおとろへのおもはる冶かな. くろみそめけりうれへゐしまに. 春深み父が御墓の盛り土の. 切り髪の母のうなぢにやせみえて 又新しき涙おぽゆる. さ庭べの柴の葉がくれぽっかりと. 鞠音. 頭もたぐる蕗の豊かも ﹁一途の聾﹂ 8首. 2 1.

(12) 1 9巻 2ザ 2 0 0 8 .3 文学・芸術・文化. (四巻七披﹁一人八詠﹂ うつして咲ける春日野の藤. たわ冶にもゆかりの色を池水に たそがれの暗を渡りて仁和寺の 鐘しづやかにひずき来るかな 足ドゆ湧く思ひするかも. 清水の舞墨に立てば雲ひくく 鴨川の水の流れの藍色に 一橋せて細れば春もさびしき 住占の磯の松ゲ枝汐風に 打ちふるえつ¥州曇りすも たまJ¥の旅の宿りをま悲しゃ この判明に雨の音をきく 青葉一つ小川に落ちてくる/¥と まひっ、沈む童のし"つもり 一途に鴫くをきけばかなしも. 足曳の山の棚田になく蛙. (兼題)﹁夏草﹂ l首 鞠 音. P灯、大 7 ・7. p ω∞j樹、大7 ・7). (四巻七披﹁潮音社三同年記念一知歌合﹂. かそけくも夏草渡るいさ、風. 1及. [備考]大正七年六月今一十三日午前十時より. タかたかげに涼しさの湧く. 於小石川匝清水谷李道庵)←付記③ び2). ﹁鳥かげ﹂ 9首 秀 輔 音 子. (四巻八腕 pμiお 、 大7 ・8). 朝けの風にゆれもやまざり. 稗まけばはやも芽ぐみてこのねぬる. 旅づかれ龍らひ居りて現なく. まみとづるなり生きの此の身は. かすかに草はゆれにけるかも. 夏草のしげみゆ蝶のまひいでぬ. ふもと路はまったく暮れぬ湖は. しばしを惜しみ光りやまずも. 月明き夜のしずまの底にして. 湖水は蒼くたぜへたりけれ. なやましき梅雨のひと日を黒かみの. 乱れわびしく物思ひをり. きその夜の思ひづかれの瞳伏せて. 臼 つ “ ヮ.

(13) 秀しげ fの著作. 二人は居れど一人なるかも すみ渡る高きみ空よ鳥かげの さやかに見えて白き雲わく 歩み来て道おのづから絶えにけり 会出白き河原よもぎに. (凹巻九披. pmln、大7 ・9). ﹁直一一度の夢﹂ 9首 秀 輔 音 子 書の野の花より花に蜜あさる 蜂の営みを見守りにけり しまらくは幼心にたちかへり 竹に色紙を結ひてあそべり(七夕の日) ゆく人の足古たゆればひるすらに 温泉の流れ聞え来るかも 行きっかれ草に憩へば草いきれ むし暑くしてたへがたきかも 瑞青房は風にゆれをり. 木がくれの葡特はいまだ熟れ、されば タざれば水ぎはの葦の葉がくれに たま/¥盤まひ出でにけり 小川遁の白百合の花一斉に. 今朝すがしくも咲きいでにけり. 岩が根に清水たまりて時じくに. かけひにおつる音の涼しき. みはるかす遠の山遁を一しきり. 雨乞の火ののぼりゆく見ゆ. (四巻十号 P問、大7-m). ﹁秋風篇﹂ 9首 秀 輔 音 子. いつしらず人影たえて身をめぐる 川原蓬に露の光れる. いで湯の香ほのf¥と身にまつわりて. そよ風ふけば匂ひぬるかも. 眉近く星のまた決くおもひせり. この山上の夜のし、つもり. 音もなく小夜のくだちにこぼれける. 草の買なれば人は知らじな. 高の葉苗をふきならしける. 耳なれぬ音をともしみ人まねに. 一人旅ひたにもだしてしきりにも. 汗ぬぐひっつゆきにけるかも. おもひわびおもひっかれの目をあげて. 2 3ー.

(14) 1 9巻 2号 2008. 3 文学・芸術・文化. ゆくさの道をながめ人りしか 思ひはつのる月の出しほに. 黒かみを風の吹くにぞいやさらに さや/¥と秋風ふけばひとしほに. [備考](p剖)[本文]秀輔音子は信州油温泉. 人ぞこひしき山のいで湯に より師京せられたり. (四巻十一一探 P話、大7 ・H). ﹁草紅葉﹂ 7首 輔 音. 枝もたわ冶に萩の花さく 道に色づく草紅葉かな. 行く手はや踏みどもあらずきはまりぬ. (四巻十二挽 P 却j到、大 7・ ロ ). ﹁熱に悩みて﹂叩首秀鞘音子. さら/¥と木々の梢を吹く風に. さやかに秋の来るを覚えし. 心ゃうやく晴れてゆくかも. すみ渡る秋の御空をながむれば. 針を運びぬひたに畔臥して. 秋寒き室に龍りてたず一人. 心いま無念無想となりにけり. 秋晴の青空きよし柿の木の 梢に柿は色づきにけり. たま/¥光る針の鋭し. 山岐の雑木にまじる一本の 紅葉の梢色づきにけり. 地上にそびえし つもり深し. 身に龍る熱気を吐けば忽ちに. 振舞ふ我に秋の陽のさす. おもふ事切ににそめて何気なく. n. 立ちてゐたりき朝日に映えて. 撃高に別れ告げつ冶かへりゆく. 照る月に梧桐のかげのくっきりと. 山住みの柴のとぽそををり/IL. 子等に交りて小犬しきなく. 草紅葉野分の朝をつ、がなく. た、きて過ぐる野分なるかも すがれて秋のわびしさまさる. 街道の並木の梢いちはやく 露ふかき道わけ行けば野のはてに. S斗畠. “ っ.

(15) 秀しげ子の著作. 火火となりて君もやかまし つく息の胸にこもらひ刻々に. 無題l首 秀 し げ 子. (五巻四披﹁潮太田前月抄﹂ 宮 津 雨 絃. 選pn、大8 ・4). ほのf¥と明けゆく空に香りつ冶. 苦しさましぬあやふきかなや 昨の夜の悩みわすれて此の朝明け. さ庭の梅の花さきにけり. あた、かき春の日和を野にいで﹀. 心すずろにいらたちゃまず. くもり日の此の春の日をむらきもの. 春はなまめくおもひするかも. 並倉をてらす夕陽の光りさへ. 梢はすでに色めきにけり. 春雨のはれゆくひまを待ちあえ口←[注]︿口 Hず﹀か?. はるかにきこゆ績粧のこゑ. ひっそりと春のおぼろの夜のくだち. 日はかたむけどいなむともせず. 樫さく春の街にあそぶ子等. そのさへづりも春となりたり. 朝床のしづけさにひずく子雀の. (五巻五挽﹁一人八詠﹂ P U、大8 ・ 5). ﹁朝雀﹂ 8首 秀 し げ 子. 空の茜を打ちながめけり. (五巻四披﹁潮音社選集(其三)﹂ 太田. ﹁ 祈 ﹂ 6首 と も ね 子. 水 槽 選 P万1 河、大8 ・4) 早春のほそき小雨に袖ぬらし 野の道遠く行く心かも 樫の木の根元に春の陽をあびて はつ/¥小草腕え出でにけり 心ゃう/¥豊かなるかも. 雪解水川にあふれで春をまつ そのぷ現いや高ければ我が祈り いよ/¥深くなりまさるかも 御枢を送りかへればすでにかも 空暮れそめて一つ星見ゆ 薄日さす空のくもれば雑木原 又冬がへる思ひしるしも. FD. “ ヮ.

(16) 1 9巻 2j j - 2008. 3 立 ; ザt ・芸術・文化. 雪解の若菜つみにけるかも この朝の風にそよぐなりけり. ことごとく梅の梢は若葉して. 無題l首 秀 し げ 子 L. pm、大8. (五巻 ハ挽﹁潮色目前月抄﹂粛賀琴子選. pm、大8 ・6) 並倉をてらす夕陽の光りさヘ 春はなまめくおもひするかも ﹁タ雲﹂ 8首 秀 し げ 子 (瓦巻七披﹁一人八詠﹂. 7) ← 付 記 ④ 破れ垣に一一一つ山つ咲ける童顔花 足音につゅのこぼれけるかも 曹のうるみになみだぐまる、. くちずさむ歌の二つ四つ自らの わりなくも涙にぬれし眼にうつる たそがれ時のほの白き壁 タの雲の黄なるかぜやき. 砂原に五日子とし居りて打ち見れば. 夏深み貸別荘の垣の間ゆ. たまノベ人の撃音きこゆる 大空の雲心なくうごきゆく. いさ、流れの水ぬるむ頃. 一ぱいに風をはらみてゆく舟の 帆布の音の快きかな. たちまちに霧まき来り雨となる. 空おも/¥し蛙しきなく. ﹁宵闇﹂ 8首 秀 し げ 子. (五巻八挽﹁一人八詠﹂ p 町 、 大8 ・ 8). 掛け鏡しばし緋ぶさのゆれゆれて. 朝ぎりはるる山の湯の宿. 白百合の花の吐息にくもりたる. 破璃戸と思ふ山のあかつき. 二葉の色のあざやかに照る. あをあをと此の苗床に朝顔の. かきっぱた利根の流れに影やどし. 47 が咲くらん思ひいぞづる. 一途に黄にさきさかりたり. しとしとと雨降る虞責向日葵は. にり. 臼 つ.

(17) 秀しげ子の著作. 沖のはるかを器械船ゆく. ゆたかにも汽笛ならしてわたつみの 消えのこる遠の山嶺の白雪に. 露おく草をめでにけるかも. ゆあみして月待つほどのタ暗に. てりてらひ咲きさかりたる花葵. いよ/¥色の深みゆくかも. おもひ堪へなむわが憂かも. 月見草一仇かに匂ふ夕まぐれ. いよ/¥深き虞査なるかも. ひた/¥とふもとゅのぼる山の霧. しるくもさけり白粉の花. 砂漬の磯の小道のタやみに. (五巻十競﹁一人八詠﹂ p的、大8 ・叩). ﹁山の渇﹂秀しげ子. 海の青きにめざめけるかも. 朝明けの外面に近く展けたる. 夕焼け雲のさやぎあヘるも. いつしかに日照雨晴れて雨の空. 夏の夜空の更けにけるかも. さら/¥と河原蓬に風立ちて. 風なき宵をひとりそよげる. 野火赤々と照りにけるかも たまたま光る夏草の蔭に. (五巻八号﹁潮吉社記念短歌曾﹂. (即題)﹁光﹂﹁瓦﹂ l首 秀 し げ 子. l位、大8 ・8) 薄日さす梅雨の晴聞を山裾の [備考]大正八年七月十三日午前十時より於. 蓮田につゅの光りこぼる、 田端潮音社新居)←付記⑦ ﹁深む思﹂ 8首 秀 し げ 子 (五巻九披 pn、大8 ・9 ) 身の願ひたりたらひっ?安らけく ねむるわが頬に笑の上れる 名も知らぬ紫小平つみゆけば 思ひ深みてかなしきものを. -27一. いたづらに丈のびにける紫蘭草. P. はかなげに身をひそめたる主蛍. 9 1.

(18) はれやかに心あかるき高原の 花野に立ちて君をおもへる みはるかす野尻の湖は霧ぬちに ひかりきらめき見の堪へがたし いつしかに青葉若葉の欝蒼と 繁るを見つ?柄み臥してをり はら/¥とおちてこぼる込病葉に 秋の日ざしの近よるをしる 心ゃうやくやわらぎ来る. 野を行きて羊歯の芽あまた踏みしかば. ﹁木の葉の音﹂ 5首 秀 し げ 子 (五巻十一揖 pηlη ﹁潮音社選集﹂. 其三一太水穂選、大8 ・H) 秋深み椎の根元に生ひ出たる 立を見れば山の鰭しき 速くより小夜の子床にきこえ来る 嵐の後の人の呼ぶこゑ. 心ゃう/¥我が物となる. タ戸を早く閉しけるかも. さわ/¥と木の葉の音のわびしきに. ﹁冬近し﹂ 7首 秀 し げ 子 -1 i2 ︼1 (五巻十二披﹁潮音社選集﹂ 1 51 5. 大8・ ロ ). 秋の日のわびしく暮れて灯ともれば. 人を遠しと思ひけるかも. 秋ばれの此の野ひそけき音立て冶. 草の賓いまやこぼれゆくなり. 小夜のくだちをひろごりゆくも. ほのぼのと月をかすめて流れ雲. 日だまりに尚開き得ぬ漬菊の. つぼみのありて書しづかなる. 虞白き雲ぞ湧き出でにける. 晴れわたる星の夜空のたず中に. 枯葦は間なくしさやぎ川の面. 戸ぽそに立ちて深々息す. まっさをに空は晴れたり此の填書. ゃうやく冷ゆる夜のしずまかな. たま/¥烏の聾もきこえて. 野に来れば小春日和の富士青し いつしかも肌につめたき風ふけば. -28-. 2 0 0 8 .3 1 9巻 2号 文学・芸術・文化.

(19) 秀しげ子の著作. ﹁出のタ﹂ 8首 秀 し げ 子. (六巻今一披 pmlm、大9 ・2) 枯葦にひた/¥沼の水よせて m つしてゐたり さえゆく空を つ. うるし葉の赤きにそ冶ぐ雨の色 見ゐつ冶心暗かりしかも 今日は吾が屑て衣縫いそぐ. 薄日さすこのおばしまの口だまりに. (六巻三挽 ﹁潮官会選集﹂. 9 ・3). 此の朝のそぼふる雨にぬれそぼち. 梅しらじらと咲きにけるかも よろこぴ. わびしさのきわまるときにかそけくも. ひそまりてまつ歓喜ごとを. 島一つはるかに見えて朝凪の. 海の面たずに静かなるかも. 梅笑ふ伊豆の荒磯に東風ふけば. いとしも人の轡しかりけり. みつ、しゐるもをどる心に. 玉あられたばしる磯のさずれ石. p ω. 、大. 2 9. 月よみの月の光にそびえたつ 樹々の梢のあきらけきかも. なぐさまぬ心に見れば山の湯の. この春のけふのよき日を家居して しづけき心君にたよりす. 春の小雪もあはれなるもの. タ寒空とまたなりにけり. 軒に吊す干葉にあられのたばしりて. (六巻四挽 P泊、大9 ・4) ←付記⑥. ﹁春の雪﹂ 8首 秀 し げ 子. 色づく頃を雪ふりしきる. 青き木の梢しみ、に燈の. うち見やる遠の山嶺の白雪に 入り日のかげのしばしうつれる 天ぎらふ空にひとひら雲わけば 地上のひえのまさりゆくかも. 秀しげ子. いつしか心ひかれゐしかも. 戸、ざせども歌ふ昔音の流れ来て. ﹁伊豆山荘﹂. 首.

(20) 1 9巻 2号 2 0 0 8 .3 止ン'y'・芸術・文化. たそがれの山の焚火の火の色に 照りはゆる木々のけざやかなるも さら/¥と身にせまる寒けさ. 破璃戸うつ春の淡雪さら/¥と. 赤々と夕陽うつれりこ冶に見る. 邑ベノ聞の堀割の水の底ひに. 亦々と青木の梢に賓のりたる. つぶらなる果に春の雨ふる. 生ふる松露に露しげきかも. 朝早く松原ゆけばむらがりて. 打ち仰ぐ空ゃうやくに雲はれて. 沈丁花匂へる庭の夕刻つけば ほのけきうれひ胸にさし来る. pm、大9 ・8). 長きに心悩みぬるかも. ひたむきに献して龍る夏の日の. 尚立ちつくしあかぎりにけり. 藤波のちるを惜しみてタ聞に. 細細かかる霧の雨かも. 卯の花の咲き散る幅一の朝明けて. (六巻八披. ﹁龍り居﹂ 8首 秀 し げ 子. 小米隈の散りゆく見つ冶. 薄日さすとぼそに立てりはら/¥と. 何ゆゑ暗くなり来るらん. 青葉若葉のびゆくものを我が心. 薄日さしきぬタづく頃を. あどけなきチの片言に笑みかはす 春の一日に心足らふも 山ひだにつもれる雪は解けたれど 解けぬうれへを持ちてかなしも 故もなきものかなしみに幾日かも 囚はれてあり甲斐なき身かも まぶしきほどにかぜやく虞書. 熊笹の根一冗にのこるはだら雪. ハ巻六挽 P却、大9 ・6) ← 付 記 ⑦. ﹁邑(聞の堀割﹂ 8首 秀 し げ 子 (L. 枝蛙梢ひそかに鴫き出づる タかたまけて霧の雨ふる か、りて寒き春の雨かな. t、と 散 り い そ ぐ 梢 の 花 に さ ん/. 3 0.

(21) 秀しげ子の著作. 山一つ越えて此の夜に見ゆべき. 君をおもへば心ときめく. 一人来て月の出しぼを野に立てば 晶細細となきいでにけり. 夜となればつく息安ししみf¥と. 芝にこもりで咲きいでにけり. 名なし草ま白く小さくつ冶ましく. 此の夜の心また重り来る. m. 一斉に小田の蛙の鴫きい つれば. 一つとなりてわれをうれへしむ. 海の青草の青さヘタざれば. 想ひはるかに速かりしかな. 暑き日のしなえ草葉を眺めっ、. 暑さをおぼゆ此の量削時. 喧しく蝉鴫き出で冶一しほの. (六巻十挽P辺、大9-m). ﹁残るあっさ﹂ 8首 秀 し げ 子. あっさおぽゆる虞童且なりけり. 高々と蝉なきいで冶て一しほの. 涼しき風の快きかな. 戸をくれば風ふきいりぬ朝明けの. 木の間ゆ月をながめけるかも. 野茨の香に酔ひしれてとびゆかぬ 填白き蝶をめでにけるかも 莱英の色よき員室且なりけり. 日照雨此の断崖にふりそ冶ぎ 枝蛙聾をひそめて此のよるの 月の出汐をうたひでにけり ひたすらに黙してあゆむ頑の 心々にへたたりを知る. (六巻九披﹁一人八詠﹂ p犯、大9 ・ 9). ﹁息安く﹂ 8首 秀 し げ 子 汗の香と酒の匂とたぜよへる 夜の電車をわびにけるかも 青々と芋の葉しげる此の畑に 露深々と下りにけるかも 一本の桐の木梢に童の月 白々としてか﹀りけるかも 音もなくふりいでにける磯漬の 日照の雨も心に暗らし. -31-.

(22) 細々と草に消えゆく一筋の 道をわびしくたどりけるかも 稲光り近づきくれば雷の 音ものすごし宵寝の床に 親しき思ひあゆみてゐたり. 小雨なすこの高原のタ霧に. ﹁秋思﹂ 5首 秀 し げ 子 (しハ巻十一暁﹁潮音社選集﹂ p日、大. 9 ・日) うす情おもひいづれば比一宇かは いきどぼろしき心わくかも くる/¥と輸を喜一がきっ二亦とんぼ 群れとびにけりタづく空に さびしさをあつめて咲くか野のはての 露いちじるき白萩の花 つれなかる人にはあらず一輪の 野菊は我に背きてさけり 夕べとなれば露しげきかも. 穂にいで﹀憂を見する糸す﹀き. ﹁龍り居﹂ 8首 秀 し げ 子. (七巻二披 P M、大日・ 2) ←付記⑧. さりげなく此の初春の青空を. 窓より眺め堪へにけるかも. 蓮の枯葉のざわめく音す. タざれば池の面しるく風立ちて. 身のめぐりととのヘ終へてきたるべき. さだめを待てるこの心なり. 思ひもかけぬ君とま見えて. 嬉しさはきわまりにけむ言もなし. 一連の干葉にあられのふりきたり. タべ荒れ立つ風のいろかも. 裸木のかこめる丘の一つ家に. 赤くともりで灯よ静かなる. うなりを立つる冬空の晴. 歌おもふ心みだして凧敷多. いら立ちて止めどもあらぬ心より. つのりて来たる悔ごころかも. 秀しげ子. [備考]目次では﹁龍居﹂となっている ﹁春浅く﹂ 8首. -32. 2 0 0 8 .3 1 9巻 2号 文学・芸術・文化.

(23) fの著作 秀しげ. (七巻四披P判、し八日・ 4) ほのぼのと小床に匂ふ梅が香に 朝の目、ざめを山楽しみにけり ゃうやうに病おとろへすくすくと 身内ととのふH に逢ひにけり 一つ星我を守るか今宵亦 はるかの空にまたたきにけり あたたかく晴れたる縁の日だまりに 病いえたる身をばおきけり 薄日さす此のまひる日を大き音に おびやかしつつ雪なだれせり. 死を忠ふ心ゃうやう薄らぎぬ. 再び春に逢ひたるわれは 落居ざる心いだけば幾日か. 空しく過ぎぬただに悔いつつ. 花の御堂のあはれなるかも. 濯怖曾此のふる雨にぬれて立つ. ﹁をりをり﹂ 5首 秀 し げ 子 Of-(七巻六披﹁潮音社選集﹂ } ykQUlQd 大日・ 6) 赤々と入陽流れて今しばし. 立ちづれどまなかひとほし君がのる. 此の山賊の明らけきかも. 白々としてつづきけるかも. 山焼くと打連れいゆく人の息. 汽車はひたすら過ぎゆけるかも. [備考]選者の評︿よし﹀が末尾にある。. 心に吾子はかがやきわたる. 此空のあかるさよりも尚あかき. 此の人の恨の住みがたきかも. あらぬ方にあらぬ噂の立ちそめぬ. 心足らへるきのふけふかも. 自らさびしき人と向ひ居て. 雪代は河にあふれできらきらと きらめきにけり春日は照りて 涙なりただひたすらに身を伏せて なげき給へる君をし見れば. (じ巻瓦挽﹁湖音社選集﹂ pmlu問、大. ﹁落ち居ぬ心﹂ 3首 秀 し げ 子 叩・ 5 ). 3 3.

(24) 1 9巻 2号 2 0 0 8 .3 文学・芸術・文化. (七巻七腕﹁一人八詠﹂ p的、大叩. ﹁ 雨 ﹂ 8首 秀 し げ 子. 7) ←付記⑨ 先きゆく人にしたがひゆけり. 此の道の案内知らねばひたすらに 細々と雨降りくればこの平 目路のかぎりはおぼろなりけり 細々とふるタづく頃を. 野のなかの御堂をこめてつゆしぐれ いちはやく夏はきにけり鉢うゑの. ﹁深霧﹂ 8首 秀 し げ 子. (七巻九競 P叫、大凶・ 9) 快く雨にうたれて填白なる. 李の小花露しとどなり. 吹き出づる風をなつかしみけり. 打ちつづく河遁の葦の葉うらより. ことごとく霧にこもればさながらに. 心おぼろとなりにけるかも. 人の葺音のかすかなるかも. 深々と流るる霧を洩れ来る. 書されば山の端こめし深霧の. ゃうやう晴れてひろびろしもよ. ははそばの母の情けに云ふまじき. 絹糸草にそよぐ風かも ややつよき風ふきくれば寸ほどの. 秘言さへも明しけるかな. ﹁ 秋 ﹂ 5首 秀 し げ 子. 一日を我れの過ぎにけるかも. 山ひだにたたなはる霧ながめつつ. 時雨の後を風渡る見ゆ. 生き生きと葉、つらかへして一しきり. 絹糸草はいたいけなるも 病める子をおもふ心の一すぢに 祈るまことを天地もしれ 夜となればいやまし迫るかなしみに 一しほ心たよりなきかも 想ふこと遠き夕べなりけり. 灯の影のとどかぬ縁に端居して. (七巻十披﹁潮音社選集﹂ pm ∞、大. 34.

(25) 秀しげ子の著作. m m ) 荒れつの口波高々とくだけちる 漬 の タ ぐ れ に 人 影 も な し ← [ 注 文 口 Hる ﹀ 白々と水泡くだくる磯漬を はるかに見つっさわやけきかも 降りいでし雨に何時しか風をよび 荒れつのりゆく木々を打ちつつ. 深々いりし車かなしも. たまたまに晴れぬと思ふ填童より. 尾の上はいつか霧がくれけり. おばしまに居よりて向ふ山の峰. さし出る月の明らけきかも. 月見ればそぞろたぬしもなぐさまぬ. 心一つのあきらめを知る. 穂に出てなびく野遁の薄葉. 秋草の茂りの中にいちじろく. -35-. 中空高しこのよの月の. ﹁行楽﹂ 6首 秀 し げ 子. (七巻十二披 P 町 、 大同・ロ). 居並びて陽に向ひっつ言もなし. 心足へるおもふどちかな 細々かかる空の月しろ. 灰かにもタ蔭つくる草の道. いつしかに日あし遠のき灯火は. またたきそめぬはるかの家に. うつつに追へどたよりなきかな. 別れ来てありし思ひの幻を. ありし日の人の姿をしのびつつ. ⑪. しめやかに長き夜かけて語らへば 一途にもおもひひそめて離り居の わびしき秋に逢ひにけるかも ﹁那須野﹂ 8首 秀 し げ 子. (七巻十一披 P 4、大叩・日) むなしさをなほたのみけるかも. うらぶれの心かなしも逢ひがたき 踏みわけで秋の落葉の山ゆけば 木洩の目ざしゃうやくわびし ぬれっとばかりきらめけるかも. 月よみの月の光りに糸すすき むくつけき男の子居むるる那須の野に. か. ?. ⑩.

(26) 1 9巻 2号 2 0 0 8 .3 立ンア・芸術・文化. 香焚くきくらす秋雨の宵 冬の最色の目に新たなり. 小庭べの木々いちはやく葉を落し. 無 題6首 秀 し げ 子 日・ 2). o 、 ﹂ 、 、 ﹀p (八巻二披﹁潮音詠草﹂ I 7 7ゥt1 移り住みいまだなじまぬ此の家に 散りゆく冬の花をわびしむ 騨名よぶ撃をったへて夜の霧は ひたひた我れをまきにけるかも ありがたき陽にいだかれて些かの 思ふ事なき身をかしこみぬ 安らかに想和ごめる身をまきて 降りそそぎけり初春の陽は. (八巻四競﹁感想と雑文﹂ p仰、大 日・ 4). かりそめの病とおもふを春七日. 龍りつくしてをとろへにけり. 眼に入れど心は暗しもゆる緋の. カーネーションを押しやりにけり. 片だより今はた書かむすべもなし. 心かたまけ思ひつのれり. そぞろに心足らふなりけり. 久々にぬくき日ざしに身をおけば. やわらかき土のしめりをかへしつつ. 草の賓まきぬそよ風の庭. 萌え出づる此の野の草の香にしみて. 降りそそぎけり三月の春日. かろがろと振りの挟をひるがへし. この一日静けさに居て茶を立つる. 心もゆらに踊り出でけり. たまたま洩るるかよわき目ざし. 土やせて木々の緑も色あせぬ. 楽しさありて足らひたりけり. (八巻五挽 P U 大口・ 5. 無 題8首 秀 し げ 子. ひとすぢに踊りつかれて身をまかす. 秀しげ子. 夜床のねむり安らかなるも. ﹁春寒﹂特選8首. 36.

(27) 我が名も惜しくおもはざりけり. ゃうやくに思ひつめたる心には 日の光り芽ぶく若葉にかぎろへば みどりの色にむせばんとする 昨の日のあそびづかれか云ひしれず. {付記︼. 冬枯しるくさびまさりけり. pmに[昭鈎・ロ. 明治書院]によると、﹁議の流﹂の初出が︹二巻四号. ①│森本修氏の﹃芥川龍之介伝記論考﹄. 大6 ・4︺と記されている。だが、﹁霧の流﹂は︹三巻十一. 大6 ・U︺に掲載されている。. l 山川典の表記は、川巻六時抗(大 7 ・7) となってい. ﹁潮立口社三週年記念短歌合﹂(大正七年六月二十三. 地潮背社の新居に於て本社創吹満四周年記念短歌合相開き. ︿来七月十一二日(日曜日)午前l時より府F凶端一一八三番. 催﹀の知らせとして、以下のようにある。. ⑤ ﹃ 潮 音 ﹄ 五 巻 七 披 ( 大 8 ・7)PMmに︿記念短歌合開. 五巻七披の誤植であろう。. K巻六時仇(大 8 ・7) となっているが、 ④ー出血行の表記は、 E. 同光子氏の諸氏にして純計一一卜三名なり﹀とある。︺. しづ子氏渡浸ゑいf氏阿賀光子氏天野龍子氏佐藤菊子氏岸. 2. るが、四巻七披の誤植であろう。. 日午前l時より於小石川区清ぶ谷至道庵/﹃潮音﹄四巻七. たまたまに訪ひこし君の庭の木の. 大ロ・ 2) ←付記⑫. (九巻二号﹁新年短歌会詠草﹂. 雑 詠l首 秀 し げ 子. 心は歌を思ひて肘たり. しづかなる朝の寝ざめにすみゆける. 下前草は勢ひづきぬ. 大空ひくくいゆく雲かな ともすれば人によりゆく心をば. 時抗(大 7 ・7) に、︿女流には秀鞘背子氏自良目優子氏岸旧. ③. ② 目 次 で は 、 題 山f ﹁新しき日に﹂と表記。. 正. さびしき日なり馬も来暗かず 色はゆる漬見の山の松かげに 食べしわりごを忘れかねつも. Z. をさへて龍り圭口をよみつぐ. 波高み沖には船のかげもなし. 口. fの著作. 春闘のはれて目ざせば小庭遁の. P 1 1 7. 秀しげ. 4. ヴ. 9 i υ.

(28) 草﹂一員づっ。舎費は四恰銭に御座候。大正八年六月一一ト. 中すべく候ま冶寓障御繰り合せ御来合相成度候。兼題﹁夏. 七巻七競の誤植であろう。. L競 (ト八日山・ 7) となっているが、 ⑨│山血ハの表記は、七巻 ハ. ⑧│日次では、題字﹁箆居﹂と表記。. 情が一つになって来る私の敬意を表せるのは此黙である。. [出血ハ]﹁潮音﹄﹁潮し首選集﹂七巻十二披(大ω-U). [備考]の﹁那須野﹂から、内︿うらぶれの心かなしも逢. [備考]﹁春の雪﹂から、内︿放もなきものかなしみに幾日. [出血ハ]は﹃潮音﹄六巻五披(大9 ・5). ある中の安達不一死鳥・秀しげ子、松、津いそえ、巾村霞水・. [本文]潮音の社友の人々で私の印象の深い人々が十数人. 相山. ひがたきむなしさをなほたのみけるかも﹀一員に対する感. かも囚はれてあり甲斐なき身かも﹀一首に対する批評一首. 野村鴫淑・福井忠雄などいふ人々が妙に私の頭を占領して. (P花). ⑩│福原虞﹁感想と雑録﹂ (P削l 臼). 八日潮青社﹀また、﹃潮音﹂第五巻八時抗(大 8年 8 月). c. P 引には、︿七月十三日午前十時より出端の潮音社新居に. ( ω )﹂︹四月披八詠より︺. 一首を肢講し、後題競詠を為して散曾せり。﹀. 開く。合するもの(中略)秀しげ子、(中略)の二卜一一一名 兼題﹁夏草﹂ ﹀工のヲ匂. [本文]女性同布の歌ひ振りで頗る感傷的でいけない。封. ゐます。. ⑥唐木田李村﹁品評録. 者をチャームするやうな内的観照が足りない。今少し表現. 催しとして、以下のようにある。. ⑪﹁潮立日﹄第七巻十二披(大叩・ロ) P山に、潮ヰ口社の. ( p祁). を微綱にして貰い度い。. ︿十日曾十月例舎は十日午後六時より目端潮よ口社に開かる。. ⑦ー橘友孝﹁日山評録(凶)﹂︹六月続特選及び八詠︺ [出典]﹃潮青﹂六巻八披(大9 ・ 8). 曾するもの福井忠雄、志摩清司、巾村賓雄、小平きよ子、. 田水穂、伊藤豊、藤井祐三、荻原敏治、山卜秀之助の十九. 道夫、芥川かね子、伊藤信良、山本も泳よ、秀しげ子、太. 高橋隆平、阿賀光子、一一隅正行、一拘匂規幸、奥同富雄、林. 対する批評. 名、十月競の歌に就ての感想を交換したるうち、賓感に就. 一首に対する批評一首に. [備考]﹁填-聞の堀割﹂から、内︿赤々と夕陽うつれりこ、. [本文]技巧のみに於ては得難い境である。澄み切った気. に見る填聞の堀剖の水の底ひに﹀. 分が透明に現はれてゐる。堀割の水に克った日と作者との. -38一. 2 0 0 8 .3 1 9巻 2号. 文学・芸術・文化.

(29) 秀しげ子の著作. ての二一一の問答は注意すべきものであった。(中略)その例. ただし、掲載面を明記しなかった作品は第4面. 記に準じた。. なお、兼題の己・﹁﹂などの医別は発表紙の表. は作品の前に記した。. 四 例外として、秀しげ子個人の題詠﹁早春﹂のみ. て作品の後ろに記した。. 関連記事などは[出典]あるいは﹁本文﹂とし. 掲載紙の発行年月日・兼題(席題・即題を含む)・. 署名はすべて﹁秀しげ子﹂である。. ﹁よみうり婦人欄﹂に掲出されたものである。. e. 時であった。﹀. は西行や、賓朝や、芭蕉であると、こんな話も出た。散曾 したのは十 ⑫﹁潮立日﹄九巻-一号(大ロ・ 2 ) P山に以ドのようにあ. ︿新年歌舎は去る月十四日、田端潮音社に聞かれました。 集まるもの二十六人。雑詠ならびに競詠に就て、太田の批 評があって夜になり、さらに鈴興が終って、散曾したのは. 補﹃潮立日﹄十巻一一統(大日・ l) に ︿ 関 東 大 震 災 の 義 損. そのほか特記すべきことは、 そのつど [ 注] して記した。. すべからく命捧げてその罪を. あがなふぺしゃ反逆の子は. [出典]大叩・ 8 ・2 ﹁七月例舎﹂より. 北川浅二氏夫人追悼曾. 3 9. 五. 月見ればそ可ろたのしも慰まぬ [出典]大日. m ・5. 心一つの諦を知る 鎌倉にて. と. 卜時でした。﹀. 金﹀として潮音社が募った義指金者総覧に秀しげ了の名前. 一日弐拾瓦銭. [本文]﹁災者友への義指金収支報告﹂(大正十二年十一一月十. が見られる。. しげ子. 六日)義損金収入(以ド受入の順序による。 の剖)(中略)二十日東京. 一 春 草 会 詠 草 の 発 表 は す べ て ﹃謂責新聞﹄ である。. ﹁春草会詠草﹂凡例. ﹁春草禽諒草﹂欄掲載作品. 注l 後ろから日番目に秀しげ子の名前あり。. 秀. ノ 、. る.

(30) 1 9巻 2号 2 0 0 8 .3 文学・芸術・文化. 御瞳に別れきつれば秋の風 [出典]大山・日・日﹁瞳﹂. しみじみとしてわれをめぐれる. 旅なればいよよなつかし御文は [出血ハ]大叩・ロ・ 6 ﹁ 旅 ﹂. 丈にあまりて我をまくかも. ﹁早春﹂叩首 星一つはるかの空にまた冶けり 我が道遠くはて知らぬかも 水の面流れて空の白める. 苫舟の炊飯の煙細々と お決らかにさし出る初日をろがみて 思ふ事なき朝明けなりけり 紫匂ふ空の明けかな. みはるかす峰の白雲ほのぼのと 早春のかぽそき雨にぬれて立つ 上枝ははやも芽ぐみそめけり 春の海凪をはるかに行く舟の たまたま帆布さやに光れる. みかはほり一本柳芽をふけば. 春をた冶へておぼろなるかも. 築地かげ今日を小鳥の聾もなし. 想ひふかみて堪へがたきかも. 遠居る人をしのび止まずも. 暮れ迫りいよいよはげしき汐騒に. ぬば玉の夜のしずまの底にして. はつ口口咲ける白梅の花. [出典]大 H ・I ・-. みはるかす峰の白雪ほのぼのと. [出典]大 H ・ I-m ﹁新年雑詠﹄新年護曾. 紫匂ふ空の明け哉. 萌え出づる此の野かそけき草の香に. [本文]︿新しい歌人の社交固に春草舎といふ. 降り下りけり春の楊しみらに. のがある、大正七年二月に初舎を聞いてか. ら、今度で恰うど五十回目に嘗るので、廿. 六日午後一時清水谷公園の皆香園で其の集. りを催した、出席の同人十五名中女流歌人. -40.

(31) ったところを向って見た順序を記せば(右. が六名上の克邑(は其の記念の撮影である坐 より茅野雅子、秀しげ子、高野春子、水町 京子、秋元まつ子、津井節子)﹀とある。. [出血ハ]大口・ 2 ・U 記念舎(初凶以来第一h. 子. 十同)として抱載、秀しげ子の歌、写真そ のキャプションあり。). ぼとぼとくらき暗にひかる冶. ﹃ 病 ﹄. ﹁林檎﹂. [出血ハ]大口m-m 十月例合. 湧き返るかも思出一つ. さくさくと林檎を噛めばさながらに. [出典]大口・ロm 納合. 子等馳せいだす一目散に. 高らかにで二二とよばはれつ. ﹁ 無 ﹄. [出血ハ]大ロ・ l ・日(第 7面) ﹁よみうり文. 誕百﹂新年接合﹃一﹄. 花なくに今日を過せばいとどしく. {出血ハ]大ロ・ 2 ・ 日 二 月 例 曾. 我が淋しさはきはまりにけり. 中円のいとなみすれば自ら. [出血己大ロ・ 3 ・U 三月例舎. 心しみじみ人に行くかな. 一すじに又逢ふ日のみ思はれて. 41-. みかはほり干潟みちはに水鳥は. ﹃ 水 ﹄. 春の陽あびて邑(圭且こもれり. [出血ハ]大口・ 3 ・l 色糸のもつれわびしむ心にも. [出典]大口・ 4-M 四 月 例 曾 色. 春のうれひのかよひたりけり. 願事をかけてたのめば一度の. [出典]大口・ 8 - M 八月例曾. 相子さへもをろそかならず. 身の中に病ひそむと思ふ時. 中. fの著作 秀しげ.

(32) しみじみ別れ身にそはぬかも. (pm) によ. [出典]大口・ 6 ・U 小野つる子氏送別歌於 山水棲 [注]﹃讃売新開文芸欄細目索引﹂. H ( 第 6両) 五月例合同﹁初 [出典] 大口・ 5・ 木 ﹄ 大川の流れの末に舟・つけて. 主旦寝の人に風吹きめぐる 曜附録﹂. 3 ( [出典]大日・ 8 ・ 第6面) ﹁よみうり日. ると、大正十三年の春草曾詠草短歌会は、 ︿ほぽ毎月一回、ただし五月以後は、新設の. [出典]大日・ 7 ・3 (第 7面) 於北川浅. 見えそめて旅の心しみじみ. たすよへる雲の彼方に向ふ峰. 岡田道一氏結婚祝賀合﹃嫁﹄. [出典]大 H ・3 ・お(第 7面) 三月例曾兼. 春のたよりを持て参せるさま. 新嫁はきょく気高く美くしく. 竹内病院﹃電燈﹂. [出血ハ]大 M ・ 2-m (第7面) 一一月例曾於. 淋しき事を思うて居たり. 電燈の光まばゆき中にして. ﹁日曜附録﹂に移る﹀と記載されている。 なにやらむ謎めかしくもぽっかりと [出血ハ]大口・ 2 ・M 竹内薫兵博士祝賀曾・一. 盆に置かれし虞つ亦な小箱 月例舎 である。. [注]ただし、 こ の 歌 の 署 名 は ﹁柳しげ子﹂. ほかほかと春あた、かき陽をあびて. -m ﹃根﹄﹃うごく﹄ [出血ハ]大日・3. 草の根わけに心奪わる. 苗木責る夜屈の翁黙々と 飯を食み居り灯のド. 42-. 2 0 0 8 .3 1 9巻 2号 」主学・芸術・文化.

(33) 秀しげ子の著作. 郎氏宅﹁雲﹂ 若草さへいっかみどりとなりにけり 椎の葉ゆれに風立つ夕べ. [出典]大日・ 7 ・部(第日面) 七月例合同 たわたわと置の湖の面に枝たれて. [出典]大 H ・H-m(第 7面) 阿 部 龍 夫 君. [出典]大日・ l - m (第7面) 正 月 雑 詠. 年始の客も今日は絶えたり. 一月例曾於山川氏邸. くもれる様の時雨するなり. 面責りの翁のまゅの何かなし. [出典]大日・ 2 ・ n (第7面) 一一月例舎 ﹃顔﹄﹁面﹂. 梅が香るさそはれてゆく川べりや. 目立たぬほどに春の風吹く. ﹃春風﹄. [出典]大日・ 3-M(第 7面) 三 月 例 舎. 巧薬の芽だちの色にひかれつつ. [出典]大日・ 4n ・(第日面) 四 月 例 曾 ﹁ 芽 ﹄. たまたま庭に向ひて居たり. 木立ゆるがせ風渡る見ゆ. 渇づかれの瞳ひらけば向ふ峯の. [出典](夕刊)大日・ 5 ・ 目 (第日面). -43-. 夕陽はのこすうす紅葉かな 上京歓迎曾. 落着みせて時雨来にけり. ぬりかへし壁のしめりに一段の. [出典]大 H ・H-却(第 7面) 茅野着々、 茅野雅子両氏歓迎歌曾 そ、り立つ鹿島の宮の大鳥居 みの義一つ風にゆらるる. [出典︺大 U-U-m ( 第7面) 歳 暮 雑 感 月ながら葦の枯葉にか冶る雨. 五 月.

(34) 1 9巻 2号 2 0 0 8 .3 文学・芸術・文化. 例合. ﹃ 木 ﹄. 雨後の庭色を深めてすっきりと 百合の青草のびそろひたり. うれつくしたるつぶら梅の賓 夏の歌. [出血ハ]大日・ 7 ・日(第 7面) 七月例曾. つめたき林檎うれのたのしく. 熟ぱみし頬をよせたりすべらけく. [出典]大日・ 9 ・お(第 7面) 九月例曾. [注]︿春草舎の女歌人﹀と題する写真が大日・. 6 ・U (第 7面)﹁よみうり子供のぺ lジ ﹂. ﹃果﹄﹃物﹄. [出血ハ]大日・ 6・お(第日面)第百回例舎﹁百﹄. 欄に掲出されている。 け親の歌の集まり﹁春草曾﹄は今月の例曾. 歌撃の洩るるをき、つおくれきて. [写真キャプション]輿謝野晶子夫人が名づ. [出典]大日・日・日(第3面) 阿部龍夫君. しばしを我のはいりかねたり. の中山文化研究所で祝賀の歌舎を聞いた。. 送別曾席上詠. が第百回になるので二十五日の夜、内幸町 集まったのは茅野請々、竹内薫兵、高野六. 子等に和してしづやかにとる歌留多にも. 郎、吉井勇、竹久夢二氏等二十三人、談話 室で歌を作り、レヱンボ 1食堂で食卓を聞. ひそみて居たり春のよろこび. おどけし顔に立ち並ぶかな. 校庭の書しづかなり雪だるま. (下)一月例曾﹃和む心﹄. [出典]昭 2 ・1-m(第3面) 春草曾詠草. いて岡田道一、永田龍雄氏等の思ひ出話が あった。十時散曾(寓填は首夜の婦人合同員、 右から井上まつ子、秀しげ子、東島百合子、 神尾光子、秋一死まつ子、津井せつ子) 庭中に甘酢き香たずよはせ. -44.

(35) 秀しげ子の著作. [ 山 川 血 ハ ] 昭2 ・ 2-n(第3由) 二月例曾﹃雪﹄ 飛ぶものを教ヘてみれど中々に 歌にはならず雛の宵かな ﹃飛ぶ﹄. {出血ハ]昭 2 ・3 ・日(第 3 面) 一七月例舎. 買ひかねてしばしながめて居たり. 流行のパラソルなれば何となく. 色工ゆ. ちに に陽ひ けは. りゅ. ぎ. ら. 3 0 2 P. 論﹂第十二年一号、昭2 ・1). 離り居て切におもへばありし日の. 一言すらもおもひひかかる冶. 人を速しとなけきけるかも. さやさやと秋風わたる山の湯に. いつしかに人影たへて身をめぐる 河原蓬に露しげしげし. 歌小史﹂ p制(﹃現代婦人詩歌選集﹄大叩・. [出典]正富託洋執筆担当﹁明治大正婦人詩. 5 婦女界社). 田錦町に生れた女子大撃出出身﹀と付記さ. [備考]︽秀しげ子夫人、明治二十三年八月神. れている。また、別の箇所 (p湖)に︽春. 草舎には、アラ、ギ派の人もあれば、覇王. 樹の人もある、別記、高野、秀夫人其他も. 曾員である﹀として、秀しげ子の所属が付. 記されている。第二節でも記したように、. この時期、秀しげ子の歌は﹃潮立日﹄にも毎. 月のように掲載されている。 ﹁穂すすき﹂. 45. 5-M(第 3面) 瓦月例含﹃パ [出典]昭 2 ・ ラソル﹄ はひ山川でて又這ひ入りぬ恒一の中 大き墓かなただのっそりと. 立たれ. [出典] ﹁現代女流百人一首﹂. (﹁婦人公. [出典]昭2 ・日・口(第3面) 十手月例舎﹁垣﹄. {そのほか︼ + 春 日 の. t ' ri { 叢t あの か葉は あう かつれ.

(36) 梅が香に誘はれてゆく川べりや 目立たぬほどに春の風ふく (詠草掲出) さぜ波立て冶渡るさまなり. 多摩の水岸にぬるめば春の風 月ながら葦の枯葉にか、る雨 年始の客も今日は絶えたり(詠草掲出) 子等に和し静やかにとる歌留多にも ひそみていたり春のよろこび(詠草掲出) 陽の光り土子にかげりてぽっかりと. 百合の青草のびそろひたり(詠草掲出). とぽその竹のなよやけきかな. 七夕の今宵をかけて君を待つ. 切りぎしの青葉をうっす海の面. 一しぼ波のさやぎよる見ゆ. 群れ来て遂に動かぬとんぼ. 目盛りゃ委の穂うれの香にしれて. 細々とかげを落してろうそくの. 光りゆらめく一入居の室. くもれる程に時雨そめけり(詠草掲出). 面責りの翁の眉の何かなし 虫干や人の嬉しき話など. ふと聞こえ来る風の吹きゃう. 露じめり燈龍の灯の一きわに. 葉越しにゆれて秋づくしるし 皐書房). [出典]﹃ざっさう﹄ (nl的頁、昭2 ・ 3. [備考]﹁編集後記﹂の第一項に、︽本歌集は昭. ものなり﹀とあるが、第三項に︽第六十今一. 46. 白玉椿うきいでけり 日だまりに尚聞きえぬ漬菊の つぼみのありて責しづかなる(詠草掲出) 子等の育中の丸きふくらみ. 春の陽をゆたかにあびて嫁菜つむ 庭ぬちに甘酢き香りたずよはせ うれつくしたりつぶら賓の梅(詠草掲出) 竹むらの葉うらにゆれに陽はゆらぎ あか/¥椿色立ちにけり(詠草掲出). 回(大ロ・ 2) 以前の詠草は震災に焼失ため. 和二年一月迄の春草曾詠草より集められし. ついと上りでなく雲雀かな. 風渡る委生の色のだんだめき 雨後の庭色を深めてすっきりと. 大. 2 0 0 8 .3 1 9巻 2号 文学・芸術・文化.

(37) 秀しげ fの著1' 1. 正十三年以後のものである。. 同書刊に収められているしげ子の歌は、大. に加ふるを得ず﹀と付記されているので、. しだといふやうな試がしまして支度もそこそこに出か. おもひましたけれど、もし間に合へば家に居るよりま. した。 そ れ か ら で は あ ん ま り お そ す ぎ ゃ し な い か と は. けました。突拍子もない時分に御同ひいたしました罰 安成二郎様、先夜は失撞いたしました。さすが強情. した。高なる胸をじいっと抱いておくにさん(山田邦. がれました時、私はお恥かしさにをの、いてしまひま. とはいひ乍ら、期せずして皆様の視線が一様に私に注. の私もあなたには何となく負けて上げたいような気持. 子│筆者注)の影にかくれておりますと、いきなり私. ﹁歌田多舎の後に﹂秀輔立円. がいたしましたので、口でこそあんなに否定はして居. あるまいし、さっきから見えていらっしゃる方々から. の前へ大きな唐紙がのべられました。それは何でも寄. でも廻して下さる事が、まだ席もきまるかきまらない. 書をとの御誌なのでした。何にも女、たって私一人ぢゃ. り駄円でした。あの日以後も相幾らず引績いての御客. でおどおどしてゐる私へ無理やりにやい/¥との御言. らなどと考ヘ乍ら向りました。けれどもそれはやっぱ 来でちっとも落ちつけませんでした。御約束の日も過. り ま し た が 、 何 か 書 け た ら ソ l ッと御送りしようかし. ぎてしまひましたので今更御役に立たうともおもはれ. なったようで御座いましたのね。止めて下さらうとも. 葉何をどうして書いたのやら全く夢中で御座いました。. なさらずにやがて次第に目にはいて来る皆様のおちつ. ませんから又何かでその埋合せをさせて頂く事といた あの日御使を頂きました時も御一-一一口侍して申しました. 安成様!その時はたしかあなたも横から見て御出でに. 通り朝から御客様でした。もし何へたらと申上げまし. き捕った御様子がどんなに御羨しかった事で御座いま. しましてたす一言御詫びの代りまでに。. たので御客様の御立ちばかりを試にしてゐました。け. したらう。. ね。それは私が曾て子にした事もない標準歌留多でし. それから暫くして又歌留多が始まりましたんでした. れども五時になっても六時が打ってもとんとそんな御 様子も見えませんのでもう好い加減にあきらめて居り ましたところが、七時になって不意に御向りになりま. -47ー.

(38) 1 9巻 2号 2008. 3 文学・芸術・丈化. たので、馴れもしいものをして御歴々の庄々の前で仕 損じでもあってはとさし控へました。又一方ではじま りましたお遊びも不得手でしたのでとう/¥雑談のお 仲間入を願ってしまいました。皆様御話達者な方々の. ﹁よみうり日曜附録﹂. [出血ハ]﹃謂責新聞﹄(大日・ 8 ・口、第6面). 時が経ってしまひました。あんまりおそくなってもと. 分お話がはづんだようでした。そのせいかおもはずも. まったのでしたね。その中にもあの美人採点表では大. へよっていらして雑談はとう/¥舎の中堅になってし. いが、これまでほとんど黙殺されてきた秀しげ子の著. でいない。その意昧では﹁全著作﹂と言うにはほど速. だし、芥川没後のしげ子の作歌についても調査は及ん. 誌﹃青踏﹄に掲載されていた歌数首も漏れているはず. の秀しげ子の︿全﹀著作である。筆者の疎憎から、雑. 以上は、あくまでも現在まで管見に入ったかぎりで. 終わりに. 一万って立ち上がったのが十一時頃でしたらう?、消え. 作の大半は紹介し得たように思う。したがって、実際. たにも疲れお遊びにもあきた方がいつとはなしに此方. 御集りの事とてどんなにか面白い事出したらう。かる. はメなく嬉しいもので御座いました。. の︿足跡﹀や︿生の声﹀に接することもなく、従来の. 残りの雪も吹き波って来るつめたい風も上気した頬に [出典]﹁﹁女の世界﹂かるた舎の記﹂ (﹁女の. 一方的な︿噂﹀に依拠しただけの﹁秀しげ子﹂のイ. メージを、多少は訂し得たように思う。幾重にも塗り. 世界﹂三巻二号、大6 ・2). そこにしか我々の夢想する人聞の︿実像﹀はないよう. の声﹀にまず耳を傾け、対象と直に向き合うこと lil. 重ねられた︿噂﹀に惑わされるのではなく、その︿生. 昨日は中禅寺まで上りましたといふと大饗な元気さ. に思われる。. ﹁日光にて﹂. からあんまりえばれた話では御座いません、これから. うですが、持な自動車と車と乗物の厄介になるのです 信州へ行って暫くあそんでまゐります(十三日)。. -48.

(39)

参照

関連したドキュメント

○安井会長 ありがとうございました。.

Âに、%“、“、ÐなÑÒなどÓÔのÑÒにŒして、いかなるGÏもうことはできません。おÌÍは、ON

自然言語というのは、生得 な文法 があるということです。 生まれつき に、人 に わっている 力を って乳幼児が獲得できる言語だという え です。 語の それ自 も、 から

【フリーア】 CIPFA の役割の一つは、地方自治体が従うべきガイダンスをつくるというもの になっております。それもあって、我々、

大村 その場合に、なぜ成り立たなくなったのか ということ、つまりあの図式でいうと基本的には S1 という 場

これも、行政にしかできないようなことではあるかと思うのですが、公共インフラに