社会福祉を専攻する学生の老人のイメージ 133
社会福祉を専攻する学生の老人のイメージ
−セマンテツク・デイファレンシャル法
(SD法)を用いた老人のイメージの測定一
高橋一公
I はじめに 1.老人観の定義とその規定要因老人観は一般的には「高齢者に対する漠然としたイメージ」としてとらえられることが多い
ようである。しかし、佐藤(1993)は、老人観は「老人を対象とした時の生物的・心理的・社会的な側面に対する視点であるとともに、老人への対応や行動の心理的基礎をなす概念であ
る。したがって、老人に対する態度を中核とするが、 イメージ、意識、感情なども含んでお り、 さらには老化(aging)や老年期の生活をも対象とする包括的な概念である。」と定義して いる。さらに、老人に対する個人的な態度やイメージなどが多くの人に共有されステレオタイプ化した場合、それらは社会的老人観として福祉政策などの政策理念にも影響し、子どもの袋
や教育などにも影響するとしている。 「老人観」に関する研究は国内外で多くの研究が行われてきているが、統一した概念で行わ れているとはいえず、 「老人イメージ」「老人観」「老年観」「老人像」という用語が用いられて いる。いずれも「老人をどのようにとらえているのか」という意味で用いられている。中谷 (1991)は、主観的な評価としての態度(attitude) という意味を含ませて、 「老人観」を「高 齢者に対する主観的なとらえ方」と定義することを試みている。しかし、定義としては厳密な ものとは言えず、この概念を支える理論構成がいまだ不十分であるということ、社会心理学で 用いられている「態度」という用語のとの混乱を引き起こすという理由から、あえて「態度」 という用語を用いることを避けている。 現代日本における老人観を規定する要因として参考になると思われるのが「老人福祉法』の 条文である。 1963年に制定された老人福祉法の基本理念である第2条には、 「老人は、多年に わたり社会の進展に寄与してきた者として敬愛され、かつ、健全で安からかな生活を保障され るものとする。」となっていた。森(1989)は、この条文について「これは老人も昔は経済活 動人口、生産年齢人口であったことに着目し、経済活動の見地から老人を「労働力jの延長線 上に置いて把握したものだ」と述べている。この基本理念は1990年の老人福祉法の改正により、 「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有す134 社会福祉を専攻する学生の老人のイメージ る者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとす る。」と修正された。そこには豊富な知識と経験に対する敬意と老人の自主性が表現されるよ うになったが、老人を労働生産性の延長上に置くことから脱却したとは言いがたい。 それでは、若者たちは老人をどのように見ているのであろうか。高齢者のイメージについて は下記に譲るが、意識的な問題として高齢者と若者の間には心理的な距離があると考えられ る。保坂と袖井(1986)によると大学生は老人の人格や存在意識は認めているものの「老人と 近づきになりたいと思いますか」という質問に対しては「何ともいえない」と答えたものが4
割と多く、老人とは一定の距離を置いて接したいという大学生の態度が現われていると論じて
いる。 中谷(1991)は、前述した通り定義としては厳密なものではないとしながらも「高齢者に対する主観的なとらえ方」という態度的な意味を含ませた「老人観」という定義を用いて児童の
老人観の測定を試みている。その結果「身体に関する老人観」「情緒に関する老人観」「行動に
関する老人観」という3つの主成分を抽出し、児童のポジティブな老人観に影響を与えている
ものは児童と高齢者との交流の頻度であることを見出している。特に高齢者の情緒面に対する
評価について中谷は、 「高齢者を単に目にすることによって形成されうる身体面・行動面の評
価とは異なり、高齢者との対話などにより密度の濃い交流によって形成されることを示唆して いると思われる」としている。 2. 「老人」のイメージ 現代日本人の老人観に関する研究は「老人」のイメージ測定と関連づけて行われているもの が多い。保坂と袖井(1986)はセマンティック・デイファレンシャル法(以下SD法)を用い て大学生の老人に対するイメージの測定を試みている。その結果、大学生の抱く老人のイメー ジとしては、 「あたたかい」「やさしい」というポジティブなものと、 「弱い」「頑固な」という ネガティブなものが強く表れていると報告している。老人観に対しては社会に対するネガティ ブ要因としての老人の存在を認識しながらも、高齢者に対して好意的・同情的な態度をとる大学生が多いとも論じている。さらに保坂と袖井(1988)は50項目からなるSD法を用いて高齢
者のイメージの分析を試みている。その結果、大学生の抱く老人のイメージはどちらかという
とネガティブであるとしている。因子分析の結果として「有能性」「活動・自立性」「幸福性」「協 調性」「温和性」「社会的外向性」の6つの因子を抽出している。この6つの中で「有能性」と「活 動・自立性」を老人のイメージを規定する重要な因子としてとらえ、大学生は「有能性」につ いてはポジティブな、「活動・自立性」についてはネガティブな評価をしていると報告している。 そしてこれらの因子に対して、老人問題に対する関心や学校教育の中での正しい高齢者に対す る知識の伝達に代表されるように、若者がどのような情報に接しどのような姿勢で老人に接し I社会福祉を専攻する学生の老人のイメージ 135 ているかが重要な規定要因になっているとも論じている。 小中学生を対象とした老人のイメージの研究では中野ら(1991, 1994)のSD法を用いた研 究がある。主成分分析を用いて「評価」因子と「活動性」因子を抽出している。そして小学生 は両因子に対してポジティブに評価しているのに対して中学生は第2主成分の「活動性」につ いてややネガティブな評価していることを見出している。しかし、小中学生のイメージする「お としより」は一般的に考えられているものよりも若く元気な「おとしより」をイメージした可 能性が高いことも指摘しており、特に小学生が老人に対してポジティブなイメージを持つこと は当然のことかもしれないと論じている。また老人のイメージを規定する要因として最も重要 なものに「老人との過去の経験」をあげ、保坂らの老人のイメージを規定する要因としてあげ た「老人との現在の交流」とは異なった結果を示している。いずれにしても幼少期の経験が老 人のイメージ形成に重要であるという示唆は興味深いものである。 中高年の老人のイメージについては古谷野ら (1997)がやはりSD法を用いて測定を試みて いる。因子分析の結果、 「力動性」「親和性」「洗練さ」という3つの因子を抽出し、いずれも ポジティブな評定がされていることを報告している。しかし、 「力動性」については女性より 男性の方が、また高学歴者の方がネガティブなイメージを持つ傾向が見られたことも論じてい る。これは保坂らの「有能性」と「活動・自立性」の因子において男子学生が老人に対して女 子学生よりもネガティブな評価していることとも一致した傾向としてとらえることができる。 さらに古谷らは、中野らの知見をふまえて、幼い時にポジティブであった老人のイメージが青 年期にネガティブなり、 さらにその後、ポジティブになっていく可能性についても言及してい る。 看護学生に対して行われた大塚ら(1999)のSD法を用いた老人のイメージに関する研究で は、老人に対して全体的にポジティブなイメージを持つことが示されていることが報告されて いる。具体的には「暖かい」「尊敬できる」「思いやりがある」「やさしい」という項目でポジティ ブな評価がされ、 「考えが古い」「頑固」「弱い」という項目でネガティブな評価がされている としている。さらに老人のイメージに深く関与していると思われる要因として「祖父母との会 話の頻度」をあげ、老人看護教育において老人との会話を持てるようなさまざまな機会を提供 することの必要性を論じている。 Ⅱ研究の目的 1987年に社会福祉士及び介護福祉士法が制定され、社会福祉士と介護福祉士の国家資格が新 たに創設された(精神保健福祉士は1997年の「精神保健福祉士法」の制定まで待たなければな らなかった)。この福祉の専門資格を目指す学生たちはどのような「老人観」を持っているの であろうか。看護学生に対する老人観に関する研究はいくつか見られるが、介護福祉士や社会
136 社会福祉を専攻する学生の老人のイメージ 福祉士を目指す学生に対する「老人観」に関する研究はいまだ十分とはいえる状態にない。今 回は介護福祉士養成コースあるいは社会福祉士養成コースに在籍する専門学校生、短期大学 生、 4年制大学生を対象に、学生がどのような「老人」のイメージを持っているかを検討する ことを目的とする。 Ⅲ方法 1 .対象 介護福祉士、社会福祉士などを目指す専門学校生、短期大学生、 4年制大学生332名(男性 104名女性225名無回答3名)。調査対象の学生は少なくとも10ケ月以上の専門教育を受け てきているものとした。平均年齢は19.89才(標準偏差は3.15才)。 各学校ごと集合方式で調査を実 施した。実施時期は平成18年1月 ∼2月で該当学年の学年末に調 査を行った。イメージの測定は 23対の形容詞からなるSemantic Diferential法(SD法)を用い、 それぞれの形容詞対には5段階の 評定尺度(非常に.やや・どちら ともいえない.やや.非常に)を 付して評価を求めた。 また、 「祖父母との同居経験」 については「同居している」「同 居したことがある」 「同居してい ない」から、 「高齢者との交流経 験」については「多い」「普通」「少 ない」「わからない」から主観的 な判断として回答を求めた。 Ⅳ結果 1.対象者の基本的属性 調査対象者の所属は4年制大 項 目 度数 平均値 標準偏差 静的一動的 326 2.448 0.720 冷たい−暖かい 326 4.120 0.777 悲しい−うれしい 325 3.028 0.751 ひどい−すばらしい 326 3.874 0.819 醜い−美しい 325 3.434 0.773 話しにくい一話しやすい 326 3.693 0.982 まずしい−裕福な 326 3.209 0.674 病弱な一元気な 326 3.236 0.882 邪魔な一便利な 324 3.194 0.530 だらしない一きちんとした 325 3.㈹9 0.815 誤った−正しい 326 3.589 0.758 暇な−忙しい 323 2.495 0.817 きたない−きれい 325 3.231 0.702 愚かな−賢い 326 3.939 0.805 遅い−速い 324 2.222 0.695 小さい一大きい 326 2.709 0.979 弱い−強い 326 2.761 0.924 鈍い−鋭い 326 2.釦1 0.918 無能な一有能な 325 3.674 0.792 嫌い一好き 324 4.210 0.790 低い−高い 325 3.089 0.771 劣った一優れた 326 3.629 0.834 わるい−よい 326 3.816 0.868
社会福祉を専攻する学生の老人のイメージ 137 学生103名(31.02%)、短期大学生139名(41.87%)、専門学校生90名(27. 11%)であった。 また目指している資格として「介護福祉士」が220名(66. 26%)。 「社会福祉士」が86名(25. 90%)、その他(精神保健福祉士、ホームヘルパー、保育士等)が9名(2.71%)であった。 「特 になし」「無回答」が合わせて17名(5.12%)あった。 「祖父母との同居」についは、 「同居している」が144名(43.37%)、「同居したことがある」 が79名(23.80%)、 「同居していない」が109名(38.83%)であった。 「高齢者との交流経験は?」という問に対しては、 「多い」が156名(46.99%)、 「普通」が 123名(37.05%)、 「少ない」が47名(14.16%)、 「わからない」が6名(1.81%)であった。 2.各項目の平均値 静的 各形容詞対の平均値(標準偏差)は 冷たい 悲しい 表lのようになった。逆転項目につい ひどい 醜い
ては補正後の値を示した。右側にボジ
賭しにくい
まずしい ティブな形容詞を置き、方向性を統一 病弱な した。 邪魔な だらしない 全体的にポジティブな評価がなされ 誤った 暇なているが、特に「冷たい−暖かい」4.
きたない
愚かな 120, 「ひどい−すばらしい」3.874、 遅い 「話しやすい一話しにくい」3.693、 小さい 弱い 「だらしない一きちんとした」3. 鈍い 無能な 609, 「誤った−正しい」3.589, 「愚か 嫌いな−賢い」3.939, 「無能な一有能な」
低い
劣った 3.674, 「嫌い一好き」4.210, 「劣った わるい 一優れた」3.629, 「わるい−よい」3. 816でポジティブな評価がなされてい 3 4 5 1 2 動的 暖かい うれしい すばらしい 美しい 話し識、、 裕福な 元気な 便利な きちんとした 正しい 忙しい きれい 賢い 速い 大きい 強い 鋭い 有能な 好き 高い 優れた よい 一一÷一一介護福祉士平均値 一一・-一・一一社会福祉士平均値図』懐呼非裂鋪轄勢辮希望学生の
る。 逆に「暇な−忙しい」2.495,「遅い−速い」2.222,「小さい一大きい」2.709,「弱い−強い」 2.761ではネガティブな評価がなされていることが示された。 3.介瞳福祉士資格取得希望学生と社会福祉士資格取得希望学生の各項目の平均 介護福祉士資格取得希望学生と社会福祉士取得希望学生の各項目のイメージプロフィール は図lのようになった(各群の平均値と標準偏差は資料1参照)。さらに各項目毎にT検定を 行った結果、 「ひどい−すばらしい」 (t=2.431df=299p<0.016)、 「醜い−美しい」 (t=4.208 ー−−− ー _シジ/ 、式迄 X 正 ∼∼一 r =一帯ジーー"一国 ー、、ミ ■一 一二二一一一 =ミーーー 11 昇に ー‐ー ミーー轄一 、、 一 門一一一 一一 −戸 千 ▲箔138 社会福祉を専攻する学生の老人のイメージ
df=213.507p<0.0028)、 「きたない一きれい」 (t=2.043df=176.09p<0.0426)、「鈍い−鋭い」
(t=2.026df=299p<0.0437)、 「嫌い一好き」 (t=5.037df=297p<0.001)、 「わるい−よい」
(t=2. 123df=299p<0.0314)において有意差が見られ、いずれにおいても介護福祉士資格を
希望する学生の方がポジティブな評価をしていることが示された。4. 「祖父母との同居経験」、 「高齢者との交流経験」による各項目の平均
「祖父母との同居経験」と「高齢者との交流経験」による各項目の平均値は資料2、 3のよ
うになった。それぞれの項目について一元配置の分散分析を行った。 その結果、 「祖父母との同居経験」では「話しにくい一話しやすい」 (f=3.457df=2p<0.0327)、 「鋭い−鈍い」 (f=3.299df=2p<0.0381)、 「無能な一有能な」 (f=3.414df=2
p<0.0341)で有意差が見られた。さらにBonferroni法による多重比較を行ったところ、 「話 しにくい一話しやすい」「鋭い−鈍い」「無能な一有能な」いずれも “同居している”と“同居 していない”間で有意差が示され、 “同居している”グループの方がポジティブな評価してい ることが見出された。「高齢者との交流経験」では「冷たい−暖かい」 (f=4.652df=2p<0.0102)、 「ひどい−すば
らしい」 (f=20.546df=2p<0.0001)、 「醜い−美しい」 (f=11.612df=2p<0.0001)、 「話しにくい
一話しやすい」 (f=9.029df=2p<0.0002)、 「鈍い−鋭い」 (f=7.762df=2p<0.0005)、 「無能な一
有能な」 (f=10.871df=2p<0.0001)、 「嫌い一好き」 (f=30.696df=2p<0.0001)、 「低い−高い」
(f=3.405df=2p<0.0344)、「劣った一優れた」(f=9.104df=2p<0.0001)、「わるい−よい」(f=5.528
df=2p<0.0044)で有意差が見られた。さらにBonferroni法による多重比較を行ったところ、「冷たい−暖かい」「劣った一優れた」では“多い”と”少ない間に、「ひどい−すばらしい」「醜
い−美しい」「話しにくい一話しやすい」「鈍い−鋭い」「無能な一有能な」「わるい−よい」で
は“多い”と “普通”間、 “多い”と“少ない”間に有意差が見られた。また、 「嫌い一好き」
では“多い”と “普通”間、 “多い”と“少ない”間、 “普通” と “少ない”間に有意差が見ら
れた。主観的ではあるが高齢者との交流経験が“多い”と主観的に考えている学生の方が、高齢者との交流経験が“少ない”あるいは“普通”と考えている学生よりもポジティブな評価を
していることが見出された。 5. 「老人」のイメージ SD法で用いた23の形容詞対を用いて福祉を専攻する学生の「老人」のイメージ構造を把握 するために因子分析を行った。共通性の低い2項目を除いて最終的には21項目での主因子法を 用いた分析を行った。因子数は固有値1以上の基準を設け、さらに因子の解釈の可能性を考慮 して4因子を抽出した。プロマックス回転を行った結果の因子パターンを表2に示した。第1社会福祉を専攻する学生の老人のイメージズージ 139 因子は「好き一嫌い」「すばらしい −ひどい」「よい−わるい」などの 項目に代表されるような「有能性」 に関する因子であり、第Ⅱ因子は 「速い−遅い」「忙しい一暇な」「鋭 い−鈍い」から構成される「活動性」 に関する因子である。第Ⅲ因子は「裕 福な−まずしい」 「きちんとした− だらしない」「元気な一病弱な」な どの項目に代表されるような「情緒 性」に関する因子であり、第Ⅳ因子 は「強い−弱い」「高い−低い」 「大 きい−小さい」の項目から構成され る「力量性」に関する因子であった。 また、因子間相関については表3 のように第1因子「有能性」と第Ⅲ 因子「情緒性」、第1因子「有能性」 と第Ⅳ因子「力量性」、第Ⅲ因子「情 緒性」と第Ⅳ因子「力量性」に相関 が認められた。 表2 因子分析結果 ※主因子法プロマックス回転による 表3 因子間相関 6.因子得点による分析 因子分析よって求められた個人因 子得点を用いて個人属性毎の分析を 試みた。 介護福祉士資格取得を希望する学 生と社会福祉士資格取得を希望する 学生の個人因子得点の平均値(標 準偏差)は表4の通りであった。 さらに因子ごとにT検定を行った 結果、第1因子「有能性」に有意 差が見られた(t=2.811df=177.910 p<0005)。第1因子「有能性」に 因子抽出法:主因子法 回転法:Kaigerの正規化を伴うプロマツクス法 表4 資格別因子得点の平均 項 目 因子負荷趾 I Ⅱ Ⅲ Ⅳ
有能性
好き一嫌い すばらしい−ひどい よい−わるい 美しい−醜い 有能な一無能な 優れた一劣った 話しやすい一賭しにくい 賢い一愚かな きれい−きたない 正しい一誤った 0.838 0.816 0.733 0.714 0.5” 0.448 0.“4 0.3郷 0,356 0.2””、鰹剛胆咽哩”叩懇
OuOOQQQOQQ
一 一 一 1.054 0.121 0.097 0.021 0.038 0.095 0.123 0.122 0.327 0.154 一一一一一 0.261 0.057 0.071 0.057 0.251 0.210 0.018 0.273 0.015 0.262一一一一
活動性 速い−遅い 忙しい−暇な 鋭い−鈍い −0.069 、麹 ■● 00 000 610 596 445 峨蜘 の● 00 −0.055 狐”躯 000 口●9 情緒性 うれしい−悲しい 裕福な−まずしい きちんとした−だらしない 元気な一病弱な 暖かい−冷たい 80 “肥 0Q 一一 0. 153 0.056 0.292 Ql93 0”4 0.012 0298 −0W9噸錘蝿蛎惣
e■e●eOOOOO
0. 171 0.013 0."1 0.012 0.“3一一一
力湿性 強い−弱い 高い−低い 大きい−小さい −0.070 0.124 −0. 1“ 0279 0. lO5 Q323 9534 01 ●● 00 −一 0.012 475 開切〃 g■G OOO 因子 I Ⅱ Ⅲ Ⅳ I 1.MO 0.0131 0.5787 0.5721 Ⅱ 0.0131 1.0MO 0.2133 0.0300 Ⅲ 0.5787 0.2133 1.0000 0.5575 Ⅳ 0.5721 0.0300 0.5575 1.00帥 因子 資格 人数 平均値 標準偏差 第1因子 介護福祉士 社会福祉十 211 84 0.1517 -0.1537 0.9394 0.8㈹1 第Ⅱ因子 介護福祉士 社会福祉士 211 84 -0.㈹59 -0.0605 0.7653 0.卯52 第Ⅲ因子 介護福祉士 社会福祉士 211 84 0.0143 0.0401 0.8578 0.8526 第Ⅳ因子 介護福祉士 社会福祉士 211 84 -0.0246 0.1243 0.8953 0.7658140 社会福祉を専攻する学生の老人のイメージ ついては介護福祉士資格を希望する 学生の方がポジティブなイメージを 構成していることが示された。 「祖父母との同居経験」による各 カテゴリーの個人因子得点の平均値 (標準偏差)は表5の通りであっ た。各因子ごとに分散分析を行った 結果、各因子とも、 「祖父母との同 居経験」による有意差は見られな かつた。 さらに「高齢者との交流経験」に よる個人因子得点の平均値(標準偏 差)は表6の通りであった。このう ち「わからない」と回答したものを 除いて、 「多い」「普通」「少ない」 の3カテゴリーで分散分析を行った 結果、第1因子と第Ⅳ因子に有意
差が見られた(f=19.212df=2p<0.
000 f=3.692df=2P<0.026)。 さ らにBonferroni法による多重比較 を行ったところ、第1因子では「多 い」と「普通」間、 「多い」と「少 ない」間、 「普通」と「少ない」間 にそれぞれ有意差が見られ、交流経 験の多い方が高齢者の「有能性」を 高く評価していることが示された。また第Ⅳ因子では「多い」と「少ない」間に有意差が見られ、交流経験の多いグループの方が
「力量性」を高く評価していることが示された。 V考察とまとめ本研究では介護福祉士、社会福祉士を目指す社会福祉の国家資格を目指す学生を中心にその
「老人観」についてSD法を用いて「老人」のイメージを通して検討することを試みた。先に
も述べたように看護学生を対象とした「老人観」の研究は見られるが、各種福祉士の国家資格
因子 カテゴリー 人数 平均値 標準偏差 第1因子 同居している 同居したことがある 同居していない 138 77 105 0.1043 0 ㈹18 −0 1384 0.9574 0 9521 0 卯59 第Ⅱ因子 同居している 同居したことがある 同居していない 138 77 105 0 0 -0 0175 0981 0950 0 0 0 8152 9290 7939 第Ⅲ因子 同居している 同居したことがある 同居していない 138 77 105 0 0 −0 0857 “02 1421 0 0 0 9373 7448 8175 第Ⅳ因子 同居している 同居したことがある 同居していない 138 77 105 0 −0 −0 0982 0404 0993 0 0 0 9466 8203 7595 因子 カテゴリー 人数 平均値 標準偏差 第1因子 多い 普通 少ない わからない 149 119 47 5 0.3001 −0 1357 −0 5678 −0 3757 0.9208 0 卯16 0 7839 0 7387 第Ⅱ因子 多い 普通 少ない わからない 149 119 47 5 0 0585 0 0214 −0 2660 0.2485 0 0 0 0 7963 9196 7226 7182 第Ⅲ因子 多い 普通 少ない わからない 149 119 47 5 0.0375 0.㈹85 −0 1437 0 0313 0 0 0 0 8727 8853 7735 5921 第Ⅳ因子 多い 普通 少ない わからない 149 119 47 5 0 1210 −0 0692 -0.2374 0.2737 0 0 0 0 9250 7844 79側 8156社会福祉を専攻する学生の老人のイメージ 141 を目指す学生の「老人観」に関する研究は知られていない。 今回の研究の結果、 「速い−遅い」「忙しい−暇な」「鋭い−鈍い」「強い−弱い」など項目に おいてネガティブな評価がされているが、それら以外は概ねポジティブな評価がされている。 しかし、高齢者の身体的な活動を連想させるものはやはりネガティブなイメージを、福祉を専 攻する学生からも持たれていることが示されている。 社会福祉士を志向する学生と介護福祉士を志向する学生間の比較では、 「ひどい−すばらし い」「醜い−美しい」「きたない一きれい」「鈍い−鋭い」「嫌い一好き」「わるい−よい」で介 護福祉士を志向する学生の方がポジティブな評価をしていることが示されている。これは「介 護」という資格の中で高齢者の機能等について直接的に接することが多い、あるいは教育カリ キュラム上の特徴としてそれらが高齢者の直接的な問題に触れることが多いため、先入観に惑 わされず現実的な「老人観」に対する評価がされやすいためではないかと考えられる。特に有 意差が見られた項目をとらえて見ると、一般的に「老人」のイメージとしてネガティブにとら えられがちなものが多い。 また、 「祖父母との同居経験」では「話しにくい一話しやすい」「鋭い−鈍い」 「無能な一有 能な」で有意差が見られ、 「高齢者との交流経験」では「冷たい−暖かい」「ひどい−すばらし い」「醜い−美しい」「話しにくい一話しやすい」「鈍い−鋭い」「無能な一有能な」「嫌い一好
き」「低い−高い」「劣った一優れた」「わるい−よい」で有意差が見られた。 「資格」と同様に
同居経験や主観的に接触頻度が多いと考えている学生の方がポジティブな評価をしていること がここでも示されている。特に「高齢者との交流経験」という主観的な接触頻度がポジティブ な評価に影響していると考えられる。 因子分析を用いて因子の抽出を試みた結果、 「有能性」「活動性」「情緒性」「力通性」の4つ の因子が抽出され、多くの先行研究の結果と類似した傾向が示されている。さらに社会福祉士 を志向する学生と、介護福祉士を志向する学生間において「有能性」で有意差が示されている。 これは各項目で見られたものと同様に、実習等を通して高齢者との接触機会が多い介護福祉士 志向の学生の方が高齢者の有能性を認める傾向があることを示していると考えられる。また、 「高齢者との交流経験」という交流頻度と老人イメージとの関係でも、主観的なものではある が交流頻度が多いと考えている学生の方が、交流頻度が少ないと考えている学生よりも「有能 性」と「力赴性」をよりポジティブに評価していることが示されていた。一般学生との比較で はないため福祉を専攻している学生の特徴としてとらえることには無理があるが、老人観に影 響を与える要因として「高齢者との交流経験」という接触頻度がやはり影響していることは否 定できないようである。 これらのことから、 「祖父母との同居経験」も含めて、保坂と袖井(1986)の老人のイメー ジを規定する重要な要因としてあげた「老人との現在の交流」が、今回の研究からも「老人の142 社会福祉を専攻する学生の老人のイメージ
イメージ」を規定する要因として重要であることが示されと考えられる。さらに、保坂と袖井
(1988)や大塚ら(1999)の研究と同様に、老人問題に対する関心や学校教育の中での正しい
高齢者に対する知識の伝達や老人教育において老人との会話を持てるようなさまざまな機会を
提供することの必要性が確認されたといってよいであろう。そして今後の課題として現職の福
祉職に対する「老人観」について考察することが必要であると考えている。
〈参考文献〉 藤田綾子2000高齢者と適応ナカニシヤ出版古谷野亘児玉好信安藤孝敏浅川達也1997中高年の老人イメージーSD法による測
定一老年社会科学, 18(2), 147-152.保坂久美子袖井孝子1988大学生の老人イメージーSD法による分析一社会老年学
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【キーワード】社会福祉専攻学生 老人のイメージ 老年観 セマンティック・デイファレンシヤル法’ 144 資料1 社会福祉を専攻する学生の老人のイメージ
’
資格別各項目の平均 | ’ 」 | 項 目 介護福祉士 度数 平均値 標準偏差 社会福祉士 度数 平均値 標準偏差 静的一動的 216 2.475 0.727 85 2.388 0.674 冷たい−暖かい 216 4.134 0.763 85 4.188 0.764 悲しい−うれしい 215 3.028 0.761 85 3.024 0. 40 ひどい−すばらしい 216 3.991 0.824 85 3.741 0.742 醜い−美しい 216 3.569 0.810 85 3.212 0.579 話しにくい一話しやすい 216 3.782 l.N9 85 3.659 0.810 まずしい一裕福な 216 3.204 0.636 85 3.235 0.734 病弱な一元気な 216 3.250 0.880 85 3.200 0.936 邪魔な−便利な 214 3.229 0.502 85 3.129 0530 だらしない一きちんとした 216 3.625 0.820 84 3.643 0.771 誤った−正しい 216 3.616 0.738 85 3.6㈹ 0.775 暇な−忙しい 213 2.507 0.781 85 2.459 0.920 きたない一きれい 215 3.302 0.728 85 3.129 0.632 愚かな−賢い 216 3.954 0.811 85 4.012 0.764 遅い−速い 214 2.173 0.687 85 2.306 0.6” 小さい一大きい 216 2.657 0.985 85 2.847 0.甥 弱い−強い 216 2.731 0.926 85 2.800 0.910 鈍い−鋭い 216 2.875 0.949 85 2.635 0.857 無能な一有能な 215 3.726 0.8m 85 3.671 0.730 嫌い一好き 215 4.400 0.709 84 3.929 0.773 低い−高い 215 3.107 0.816 85 3.094 0.684 劣った一優れた 216 3.653 0.881 85 3.647 0.702 わるい−よい 216 3.931 0.894 85 3.694 0.740社会福祉を専攻する学生の老人のイメージ 145 資料2 「祖父母との同居経験」別各項目の平均値 項 目 同居している 度数 平均値 標準偏差 同居したことがある 度数 平均値 標準偏差 同居していない 度数 平均値 標準偏差 静的一動的 141 2.447 0.741 77 2.403 0.693 108 2.481 0.717 冷たい−暖かい 141 4.184 0.723 77 4.182 0.839 108 3.991 0.791 悲しい−うれしい 140 3.036 0.帥8 77 3.065 0.675 108 2.991 0.730 ひどい−すばらしい 141 3.卯8 0.827 77 3.805 0.844 108 3.880 0.794 醜い−美しい 140 3.副0 0.791 77 3.416 0.817 108 3.361 0.716 話しにくい一話しやすい 141 3.837 0.976 77 3.688 1.016 108 3.509 0.942 まずしい一裕福な 141 3.248 0.678 77 3.143 0.738 108 3.204 0.623 病弱な一元気な 141 3.312 0.919 77 3.195 0.859 108 3.167 0.848 邪魔な一便利な 140 3.207 0.487 77 3.1" 0.515 107 3.2帖 0.595 だらしない一きちんとした 141 3.674 0.882 77 3.701 0.708 107 3.458 0.780 誤った−正しい 141 3.617 0.762 77 3.597 0.799 108 3.546 0.728 暇な−忙しい 138 2.471 0.847 77 2.623 0.795 108 2.435 0.789 きたない一きれい 141 3.220 0.728 77 3.273 0.681 107 3.215 0.687 愚かな−賢い 141 4.014 0.784 77 3.883 0.811 108 3.880 0.828 遅い−速い 140 2.207 0.694 76 2.316 0.752 108 2.176 0.653 小さい一大きい 141 2.780 l."9 77 2.753 1.066 108 2.583 0.799 弱い−強い 141 2.858 0.983 77 2.688 0.892 108 2.685 0.861 鈍い−鋭い 141 2.929 0.976 77 2.805 0.844 108 2.630 0.871 無能な一有能な 141 3.794 0.797 77 3.649 0.807 107 3.533 0.756 嫌い−好き 141 4.255 0.721 76 4.329 0.806 107 4.鯛5 0.850 低い−高い 141 3.113 0.829 76 3.053 0.710 108 3.083 0.738 劣った一優れた 141 3.723 0.820 77 3.623 0.844 108 3.509 0.837 わるい−よい 141 3.837 0.867 77 3.831 0.923 108 3.778 0.835
社会福祉を専攻する学生の老人のイメージ 146 資料3 「高齢者との交流経験」別各項目の平均値 項 目 同居している 度数 平均値 標準偏差 同居したことがある 度数 平均値 標準偏差 同居していない 度数 平均値 標準偏差 静的一動的 156 2.442 0.738 123 2.4030.71521236 47 2.46809 0.687 冷たい−暖かい 156 4.231 0.7“ 123 4.182 0.839 47 3.85106 0.807 悲しい−うれしい 156 2.974 0.762 122 3.065 0.675 47 3.08511 0.654 ひどい−すばらしい 156 4.141 0.791 123 3.805 0.844 47 3.40426 0.712 醜い−美しい 156 3.641 0.827 122 3.416 0.817 47 3.19149 0.576 話しにくい一話しやすい 156 3.910 0.883 123 3.688 1.016 47 3.29787 0.883 まずしい一裕福な 156 3.205 0.669 123 3.143 0.738 47 3.17021 0.601 病弱な一元気な 156 3.224 0.884 123 3.195 0.859 47 3.2766 0.826 邪魔な一便利な 154 3.234 0.581 123 3.156 0.515 47 3.12766 0.397 だらしない一きちんとした 156 3.590 0.810 122 3.701 0.708 47 3.51064 0.882 誤った−正しい 156 3.628 0.755 123 3.597 0.799 47 3.61702 0.768 暇な−忙しい 154 2.539 0.864 122 2.623 0.795 47 2.38298 0.768 きたない一きれい 155 3.258 0.728 123 3.273 0.681 47 3.17021 0.601 愚かな−賢い 156 4.019 0.807 123 3.883 0.811 47 3.78723 0.750 遅い−速い 154 2.266 0.677 123 2.316 0.752 47 2 0.590 小さい一大きい 156 2.731 1.062 123 2.753 1.066 47 2.40426 0.712 弱い−強い 156 2.833 0.996 123 2.688 0.892 47 2.61702 0.795 鈍い−鋭い 156 2.981 0.967 123 2.帥5 0.844 47 2.42553 0.773 無能な一有能な 155 3.858 0.777 123 3.649 0.807 47 3.29787 0.587 嫌い一好き 154 4.455 0.677 123 4.329 0.806 47 3.51064 0.777 低い−高い 155 3.200 0.833 123 3.053 0.710 47 2.91489 0.775 劣った一優れた 156 3.795 0.809 123 3.623 0.844 47 3.23404 0,813 わるい−よい 156 3.974 0.894 123 3.831 0.923 47 3.57447 0.715