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少年院における矯正教育に関する研究-成績評価を中心として-

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Academic year: 2021

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(1)少年院における矯正教育に関する研究.   一成績評価を中心として一 専攻. 学校教育学専攻. コース. 教育コミュニケーションコース. 学籍番号. M07004D. 氏名. 北山毅. 終章 少年院における矯正教育の展望. 【研究の日的】 少年院での矯正教育は、少年. 【研究の概略】 わが国においては非行少年を. の非行性を除去し、社会に復帰させるという極 めて重要な営みである。なかでも成績評価は、. 成人と分けて処遇する制度が、すでに明治の初. その成果を目に見える形で表したものであり、. 頭から存在した。近代監獄制度が確立されてい. しかも、少年の出陳と直接結びつくものである。. く過渡期であった明治20年代以降、刑罰の性. 本研究は、少年院における矯正教育を、成績評. 格が隔離から教育に移行したことを背景として、. 価の観点から考察しようとするものである。. 明治33年には、感化法が制定された。更に、. 明治41年の感化法改正により、未成年犯罪者. 【論文の構成】. 序章 問題の所在と先行研究. 処遇が、犯罪者という側面を強調されるように.    第1節 研究の動機と先行研究. なり、児童保護の枠組みから刑事政策の枠組み.    第2節 感化法・旧少年法下での少年. へと移行され始めた。大正11年の少年法制定.        矯正施設. によって、国家による未成年犯罪者と不良少年. 第1章 在院少年の特質. の区別がいっそう進み、それぞれが、異なる処.    第1節 少年非行の動向. 遇をうけるようになった。.    第2節 在院少年における学校教育歴.  第1章では、戦後から現在に至る少年非行の.    第3節 少年院出院者における再犯率. 動向を、『犯罪白書』等のデータの分析によって. 第2章 少年院の機能. 考察した。その結果、少年人口の減少にも関わ.    第1節 少年院の概略. らず、少年非行は、現在においても決して減少.    第2節 少年院における少年の分類. しているとは言えないことが明らかとなった。.    第3節 教官と少年の関係. また、少年院に送致される少年の特質として、. 第3章 在院少年に対する成績評価. 彼らが、中学校卒業者であったり、高等学校中.    第1節 成績評価・進級審査システム. 退者であったりと、学校に所属していないか、.    第2節 成績評価・進級審査システム下. 学校教育歴が短いということがあり、そのよう.        における少年の行動. な特質を持った者が、少年院に送致されやすい.    第3節 成績評価・進級審査システムの. という傾向が見られること、また、そのような.        展望. 在院者は、保護環境が複雑であり、特に、昭和. 一20一.

(2) 60年代から送致される割合が多くなったこと. が、実際にどのように行われているか、何を評. が明らかとなった。更に、非行少年の特質とし. 価しようとしているのかをを考察した。成績評. て、現在に至るまで、常にIQの低さが論じら. 価にかける時間が、極めて限定されていること、. れてきたにも関わらず、実際には潜在的知能は、. 少年の非行の様態に応じた個人項目3つと、全. 一般と全く変わらず、見かけのIQの低さは、. 少年に共通の項目5つに対して評価が行われ、. 教育歴の中断によるものであることも明らかと. それらを総合した評定によって少年の出陳時期. なった。また、少年院における教科教育は、出. が決定されることが明らかになった。しかし、. 陳後に復学したり進学したりする者がほとんど. 成績評価が、少年院内での表面的な行動のみを. いないことから、いつの時代もわずかしか行わ. 対象としており、特に、他の少年との対人関係. れておらず、わずかな効果しか上げていないこ. の評価に偏りがちなこと、しかも「集会」の場. とも明らかとなった。少年院出院者の生涯にわ. 面を教官が観察し、少年同士の互いの評価も成. たる再犯率が、少年院、刑務所への施設再収容. 績評価に取り入れていること、少年院処遇規則. 率においては、30%を越えること、また、その. 等にも関わらず、成績評価が、在院者の学業成. 率においても、近年は上昇傾向にあることが明. 績等に基づいていないことが明らかとなった。. らかとなった。. その結果、成績評価が院内の規律違反等を防止.  第2章では、少年院の持つ機能について考察. する力を有するものの、ほぼ一律な評価しか生. した。少年院では、収容少年の行動を常に一定. み出さず、弾力性を失っていることが明らかと. の場所に制約し、常時教官が監視する意図が理. なった。. 解され、少年を少年院に送致する際にも、少年.  終章では、少年院に求められている矯正教育. 院において行われる教育内容を選定する際にも、. は、一般の少年に対して行われている教育その. 常に社会における少年の知己関係を遮断する配. ものであり、教え教えられる信頼関係の中で行. 慮がなされていることが明らかとなった。また、. われなけれぱならないことを明らかにした. 日常生活においても、在院少年同士の会話を制 限するなど、その関係を表面的なものにとどめ、. 主任指導教員  安部 崇慶. 教官の管理が主体であることが明らかとなった。. 指導教員  安部崇慶. 収容少年の将来を考えると、教育内容の選択肢 が少なく、内容も貧弱である。教科教育に対す る教官の意識も低く、職業訓練においても、教 官が少年に直接指導する関係になっていない。. 収容少年の勉学意欲にも拘らず、それに応えら れていない、少年院の教育の現状が明らかとな った。.  第3章においては、少年院において成績評価. 一21一.

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