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小学校高学年児童への認知再構成の介入効果の検討─自閉スペクトラム症的特性と不適応の関連から─

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Academic year: 2021

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塩見 豊 *・池田 浩之 *

小学校高学年児童への認知再構成の介入効果の検討

─自閉スペクトラム症的特性と不適応の関連から─

要約  本研究は,小学5年生に対して認知再構成を内容とする授業介入を行い,全体及びASD特性の高い児童 への効果を検討することを目的とする.対象は公立小学校5年生3学級95名(男子45名女子50名)とし, 介入は否定的な自動思考の例を学んだうえで適応的な考え方を追加する練習を内容とした.尺度は小学生 版学校適応感尺度(山口, 2016)と自閉症スペクトラム指数10項目版( Kurita et al., 2005)を使用した.各 尺度の全体点数については介入回数の主効果は見られたが,性差は見られなかった.AQの平均点により 低群・高群に分けた比較では,先生との関係因子・心身健康因子・自己の否定因子で,群の主効果が見ら れた.今回の研究で,認知的な介入はASD特性の高さや因子の種類によって効果が異なる可能性が示唆さ れた。 キーワード:認知再構成,授業介入,自閉スペクトラム症,小学生 1 問題と目的 (1) 学校における不登校と介入  不登校は学習や進路の保障についての問題では なく,成人期の社会的不適応や精神疾患にもつな がる解決すべき喫緊の課題であり,予防のための 具体的な支援プロセスの開発等が必要(有賀ら 2010)とされる.支援の一つである児童生徒への 介入について,森田ら(2015)は,導入の目的が 曖昧なまま集団介入が行われている点を指摘し, アセスメントに基づいたプログラムの取捨選択や 内容の重みづけが重要と述べている.また介入は 学級等の固定集団を対象としてユニバーサルレベ ルのものが有効であるとされる(佐藤ら, 2009). (2) 不適応と発達障害  石崎(2017)は,発達障害のある子どもは,そ の認知の偏りにより学校環境との間に不適応を起 こすことが多いと述べている.加茂・東條(2010) は,発達障害と不登校との関連が強いことを述べ ており,不登校という状態にかかわる主な要因が 発達障害特性なのか二次的な障害なのかという因 果的な関係性については今後も検討が必要である. (3) 自閉スペクトラム症的特性と不登校の関連  DSM-5のカテゴリ整理により「自閉症スペクト ラム障害」(Autism Spectrum Disorder:以下ASD と表記)と統合されたが,これは自閉的特性をス ペクトラム概念と捉えるものであり,診断がなく ても通常の学級の中にASDの特性に近い児童が在 籍する可能性を示唆するものである.石崎(2017) は,ASD特性を持つ児童が不登校や不適応をきた しやすい理由として,興味の偏り,自分のルール, 記憶が鮮明で不快感や不安が反復されやすい等の 認知的な特性について触れており,ASD児の不登 校の一部には特性が影響し不登校となっていく ケースがあると考えられる.  ASD特性を持つ児童の介入研究の例として,中 西ら(2016)が行った社会的スキル(聞く・主張・ 感情スキル)獲得の介入があり,統制群と比べて 効果が確認されている.佐藤ら(2009)が行った 小学校高学年児童に社会的スキル訓練・認知再構 *  京都府総合教育センター ** 兵庫教育大学発達心理臨床研究センター

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発達心理臨床研究 第26巻 2020 Figure 1 介入スケジュール (2) 調査時期と調査対象  2018年6月から10月にかけて実施した.調査 対象者は,A市立B小学校5年生児童3学級95名 であった.データの欠損のある児童を除いた結果 83名(男子39名,女子44名)を分析の対象とした (Table 1). Table 1 対象児童の内訳 (3) 倫理的配慮  介入時に児童に対して,回答は任意であり不回 答による不利益が生じないこと,回答結果から個 人が特定されないこと等を説明した.児童の担任 評価の項目の記入については,担任には個別の回 答を知らせないことを伝える等の配慮を行った. 保護者に対しては研究方法と倫理的配慮を記載し た説明用文書及び研究協力の同意書を配布した. 本研究は兵庫教育大学の倫理審査委員会の承認を 得て実施している(受付番号2018−45). (4) 調査内容  a 児童が回答する質問紙  全20項目4因子構造を持つ小学生版学校適応感 尺度(山口・下村・高橋・奥田・松嵜, 2016)と自 動思考に関わる4因子構造を持つ児童用自動思考 成等のプログラム介入では,抑うつ症状や認知の 誤りの改善が見られた.また髙橋ら(2018)は, 全6時間の認知行動的抑うつプログラムを中学生 に適用し,ポジティブな自動思考 (「サポートへ の期待」「将来への期待」) を向上させた結果を示 している.これは佐藤・嶋田(2006)や松原(2015) が行った先行研究の結果とも一致することから, 認知再構成の介入は全体に対して効果的である結 果であった.このように認知的介入の効果は確認 されているが,対象者の特性について分析を試み た研究は多くは見られない.  これまで述べてきたように,学校では包括的プ ログラムの枠組みの中で実践研究が積み重ねられ てきている.その一方で,学級の特性のアセスメ ントやプログラム内の部分的な効果検討が課題と されており,対象アセスメントとプログラム内容 の焦点化は今後の学校介入の課題のひとつといえ る. (4) 本研究の目的  以上を踏まえ,本研究では,包括的なプログラ ムの中の一部である認知的な介入を取り上げ,そ の効果について検討することとする.その際,全 体への効果だけでなく,ASD特性の高い児童への 効果についても検討し,学校不適応・不登校問題 の改善のための視点を広げる一助としたいと考え る.対象については,認知再構成介入には内省力 や言語での思考力との関係が想定されること等の 点から小学校5年生を対象とした. 2 方法 (1) 調査の概要  公立小学校5年生3学級(男子45名女子50名 計95名)対象とした.各学級で時期をずらして 介入授業を行い,効果測定のため学校適応感と自 動思考についての尺度を使用した.性差・ASD特 性等で群分けを行い,介入前後の変化について調 べた(Figure 1). 2 入の効果は確認されているが,対象者の特性につい て分析を試みた研究は多くは見られない. これまで述べてきたように,学校では包括的プロ グラムの枠組みの中で実践研究が積み重ねられて きている.その一方で,学級の特性のアセスメント やプログラム内の部分的な効果検討が課題とされ ており,対象アセスメントとプログラム内容の焦点 化は今後の学校介入の課題のひとつといえる.   本研究の目的 以上を踏まえ,本研究では,包括的なプログラム の中の一部である認知的な介入を取り上げ,その効 果について検討することとする.その際,全体への 効果だけでなく,$6' 特性の高い児童への効果につ いても検討し,学校不適応・不登校問題の改善のた めの視点を広げる一助としたいと考える.対象につ いては,認知再構成介入には内省力や言語での思考 力との関係が想定されること等の点から小学校  年生を対象とした.  2 方法  調査の概要 公立小学校5年生3学級(男子  名女子  名計  名)対象とした.各学級で時期をずらして介入 授業を行い,効果測定のため学校適応感と自動思考 についての尺度を使用した.性差・$6' 特性等で群 分けを行い,介入前後の変化について調べた ()LJXUH).          )LJXUH介入スケジュール    年  月から  月にかけて実施した.調査対 象者は,A市立 & 小学校  年生児童  学級  名で あった.データの欠損のある児童を除いた結果  名 男子  名,女子  名 を分析の対象とした 7DEOH   7DEOH 対象児童の内訳         倫理的配慮 介入時に児童に対して,回答は任意であり不回答 による不利益が生じないこと,回答結果から個人が 特定されないこと等を説明した.児童の担任評価の 項目の記入については,担任には個別の回答を知ら せないことを伝える等の配慮を行った.保護者に対 しては研究方法と倫理的配慮を記載した説明用文 書及び研究協力の同意書を配布した。本研究は兵庫 教育大学の倫理審査委員会の承認を得て実施して いる(受付番号 -).   調査内容 D児童が回答する質問紙  全  項目  因子構造を持つ小学生版学校適応感 尺度 山口・下村・高橋・奥田・松嵜 と自動 思考に関わる  因子構造を持つ児童用自動思考尺 度 佐藤・嶋田 を使用した. E担任が回答する質問紙 自閉症スペクトラム指数 $XWLVP‒VSHFWUXP 4XRWLHQW:$4 の  項目短縮版 $4-:.XULWDHW DO を使用した.本研究では児童の様子を個 別場面と集団場面のどちらも観察している担任記 入とした.   2 て効果的である結果であった.このように認知的介 入の効果は確認されているが,対象者の特性につい て分析を試みた研究は多くは見られない. これまで述べてきたように,学校では包括的プロ グラムの枠組みの中で実践研究が積み重ねられて きている.その一方で,学級の特性のアセスメント やプログラム内の部分的な効果検討が課題とされ ており,対象アセスメントとプログラム内容の焦点 化は今後の学校介入の課題のひとつといえる.   本研究の目的 以上を踏まえ,本研究では,包括的なプログラム の中の一部である認知的な介入を取り上げ,その効 果について検討することとする.その際,全体への 効果だけでなく,$6' 特性の高い児童への効果につ いても検討し,学校不適応・不登校問題の改善のた めの視点を広げる一助としたいと考える.対象につ いては,認知再構成介入には内省力や言語での思考 力との関係が想定されること等の点から小学校  年生を対象とした.  2 方法  調査の概要 公立小学校5年生3学級(男子  名女子  名計  名)対象とした.各学級で時期をずらして介入 授業を行い,効果測定のため学校適応感と自動思考 についての尺度を使用した.性差・$6' 特性等で群 分けを行い,介入前後の変化について調べた ()LJXUH).          )LJXUH介入スケジュール   調査時期と調査対象   年  月から  月にかけて実施した.調査対 象者は,A市立 & 小学校  年生児童  学級  名で あった.データの欠損のある児童を除いた結果  名 男子  名,女子  名 を分析の対象とした 7DEOH   7DEOH 対象児童の内訳         倫理的配慮 介入時に児童に対して,回答は任意であり不回答 による不利益が生じないこと,回答結果から個人が 特定されないこと等を説明した.児童の担任評価の 項目の記入については,担任には個別の回答を知ら せないことを伝える等の配慮を行った.保護者に対 しては研究方法と倫理的配慮を記載した説明用文 書及び研究協力の同意書を配布した。本研究は兵庫 教育大学の倫理審査委員会の承認を得て実施して いる(受付番号 -).   調査内容 D児童が回答する質問紙  全  項目  因子構造を持つ小学生版学校適応感 尺度 山口・下村・高橋・奥田・松嵜 と自動 思考に関わる  因子構造を持つ児童用自動思考尺 度 佐藤・嶋田 を使用した. E担任が回答する質問紙 自閉症スペクトラム指数 $XWLVP‒VSHFWUXP 4XRWLHQW:$4 の  項目短縮版 $4-:.XULWDHW DO を使用した.本研究では児童の様子を個 別場面と集団場面のどちらも観察している担任記 入とした.  

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小学校高学年児童への認知再構成の介入効果の検討―自閉スペクトラム症的特性と不適応の関連から― 分析を行った.その結果介入回数の主効果が認め られた(F(1,81)=4.834, p<.05)(Figure 2). Figure 2 学校適応感尺度 男女別点数  次に各因子別点数の男女差を調べるために 同様に分散分析を行ったところ,学習・進路 因 子 に お い て 介 入 回 数 の 主 効 果 が 認 め ら れ (F(1,81)=3.992, p<.05),介入❸の点数が介入前 より有意に高かった(p<.01).(Figure 3)                 Figure 3 学習・進路因子 男女別点数    男子で介入❸がフォローアップより(p<.05), 女子では介入❸が介入❶より(p<.05)有意に高 かった.平均値グラフより介入❷で男子は点数減 少したが女子は点数が増加している(Figure 3).心 理・社会因子、先生との関係因子、心身健康因子 では有意な性差は見られなかった.児童用自動思 考尺度においても同様に分散分析を行ったが4つ の因子とも男女に有意な差はみられなかった. (3) AQ平均点による群分け比較  まず小学生版学校適応感尺度においてASD特性 尺度(佐藤・嶋田, 2006)を使用した.  b 担任が回答する質問紙  自閉症スペクトラム指数(Autism‒spectrum Quotient:AQ)の10項目短縮版(AQ-J-10:Kurita et al., 2005)を使用した.本研究では児童の様子 を個別場面と集団場面のどちらも観察している担 任記入とした. 3 結果 (1) 記述統計量  学校適応感尺度・自動思考尺度それぞれの記述 統計量をTable 2 ∼ Table 3に示した.解析には IBM SPSS Statistics Version25を使用した.群分 けについては,性差・Q-J-10の平均点をもとに全 体点数による低高群に分けて比較を行った. Table 2 学校適応感尺度点数(学級・男女) Table 3 学校適応感尺度(AQ群平均点・理解度) (2) 性差の比較 ア 各尺度・因子別の男女差比較の結果  まず学校適応感尺度において被験者内因子を介 入回数,被験者間因子を性別とする二要因の分散 3  結果  記述統計量 学校適応感尺度・自動思考尺度それぞれの記述統 計量を 7DEOH~7DEOH に示した.解析には ,%0 63666WDWLVWLFV9HUVLRQ を使用した.群分けに ついては,性差・4- の平均点をもとに全体点 数による低高群に分けて比較を行った  7DEOH学校適応感尺度点数 学級・男女           7DEOH学校適応感尺度 $4 群平均点・理解度             性差の比較 ア 各尺度・因子別の男女差比較の結果 まず学校適応感尺度において被験者内因子を介 入回数,被験者間因子を性別とする二要因の分散分 析を行った.その結果介入回数の主効果が認められ た )  S )LJXUH .               )LJXUH 学校適応感尺度 男女別点数  次に各因子別点数の男女差を調べるために同様 に分散分析を行ったところ,学習・進路因子におい て介入回数の主効果が認められ )   S ,介入❸の点数が介入前より有意に高かった S . )LJXUH            )LJXUH 学習・進路因子 男女別点数  男子で介入❸がフォローアップより S ,女 子では介入❸が介入❶より S 有意に高かった 平均値グラフより介入➋で男子は点数減少したが 女子は点数が増加している )LJXUH 心理・社会 因子、先生との関係因子、心身健康因子では有意な 性差は見られなかった。児童用自動思考尺度におい ても同様に分散分析を行ったが4つの因子とも男 女に有意な差はみられなかった.   $4 平均点による群分け比較  まず小学生版学校適応感尺度において $6' 特性 の強さによる介入効果の差を調べるために被験者 3  結果  記述統計量 学校適応感尺度・自動思考尺度それぞれの記述統 計量を 7DEOH~7DEOH に示した.解析には ,%0 63666WDWLVWLFV9HUVLRQ を使用した.群分けに ついては,性差・4- の平均点をもとに全体点 数による低高群に分けて比較を行った  7DEOH学校適応感尺度点数 学級・男女           7DEOH学校適応感尺度 $4 群平均点・理解度             性差の比較 ア 各尺度・因子別の男女差比較の結果 まず学校適応感尺度において被験者内因子を介 入回数,被験者間因子を性別とする二要因の分散分 析を行った.その結果介入回数の主効果が認められ た )  S )LJXUH .               )LJXUH 学校適応感尺度 男女別点数  次に各因子別点数の男女差を調べるために同様 に分散分析を行ったところ,学習・進路因子におい て介入回数の主効果が認められ )   S ,介入❸の点数が介入前より有意に高かった S . )LJXUH            )LJXUH 学習・進路因子 男女別点数  男子で介入❸がフォローアップより S ,女 子では介入❸が介入❶より S 有意に高かった 平均値グラフより介入➋で男子は点数減少したが 女子は点数が増加している )LJXUH 心理・社会 因子、先生との関係因子、心身健康因子では有意な 性差は見られなかった。児童用自動思考尺度におい ても同様に分散分析を行ったが4つの因子とも男 女に有意な差はみられなかった.   $4 平均点による群分け比較  まず小学生版学校適応感尺度において $6' 特性 の強さによる介入効果の差を調べるために被験者 3  結果  記述統計量 学校適応感尺度・自動思考尺度それぞれの記述統 計量を 7DEOH~7DEOH に示した.解析には ,%0 63666WDWLVWLFV9HUVLRQ を使用した.群分けに ついては,性差・4- の平均点をもとに全体点 数による低高群に分けて比較を行った  7DEOH学校適応感尺度点数 学級・男女           7DEOH学校適応感尺度 $4 群平均点・理解度             性差の比較 ア 各尺度・因子別の男女差比較の結果 まず学校適応感尺度において被験者内因子を介 入回数,被験者間因子を性別とする二要因の分散分 析を行った.その結果介入回数の主効果が認められ た )  S )LJXUH .               )LJXUH 学校適応感尺度 男女別点数  次に各因子別点数の男女差を調べるために同様 に分散分析を行ったところ,学習・進路因子におい て介入回数の主効果が認められ )   S ,介入❸の点数が介入前より有意に高かった S . )LJXUH            )LJXUH 学習・進路因子 男女別点数  男子で介入❸がフォローアップより S ,女 子では介入❸が介入❶より S 有意に高かった 平均値グラフより介入➋で男子は点数減少したが 女子は点数が増加している )LJXUH 心理・社会 因子、先生との関係因子、心身健康因子では有意な 性差は見られなかった。児童用自動思考尺度におい ても同様に分散分析を行ったが4つの因子とも男 女に有意な差はみられなかった.   $4 平均点による群分け比較  まず小学生版学校適応感尺度において $6' 特性 の強さによる介入効果の差を調べるために被験者 3  結果  記述統計量 学校適応感尺度・自動思考尺度それぞれの記述統 計量を 7DEOH~7DEOH に示した.解析には ,%0 63666WDWLVWLFV9HUVLRQ を使用した.群分けに ついては,性差・4- の平均点をもとに全体点 数による低高群に分けて比較を行った  7DEOH学校適応感尺度点数 学級・男女           7DEOH学校適応感尺度 $4 群平均点・理解度             性差の比較 ア 各尺度・因子別の男女差比較の結果 まず学校適応感尺度において被験者内因子を介 入回数,被験者間因子を性別とする二要因の分散分 析を行った.その結果介入回数の主効果が認められ た )  S )LJXUH .               )LJXUH 学校適応感尺度 男女別点数  次に各因子別点数の男女差を調べるために同様 に分散分析を行ったところ,学習・進路因子におい て介入回数の主効果が認められ )   S ,介入❸の点数が介入前より有意に高かった S . )LJXUH            )LJXUH 学習・進路因子 男女別点数  男子で介入❸がフォローアップより S ,女 子では介入❸が介入❶より S 有意に高かった 平均値グラフより介入➋で男子は点数減少したが 女子は点数が増加している )LJXUH 心理・社会 因子、先生との関係因子、心身健康因子では有意な 性差は見られなかった。児童用自動思考尺度におい ても同様に分散分析を行ったが4つの因子とも男 女に有意な差はみられなかった.   $4 平均点による群分け比較  まず小学生版学校適応感尺度において $6' 特性 の強さによる介入効果の差を調べるために被験者

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 児童用自動思考尺度においてもAQ低高群の 差を調べるために二要因の分散分析を行ったと ころ,自己の否定因子に群の有意傾向が見られ た(F(1.81)=3.635, p<.10),その他の3要因につ いて群の有意差は見られなかった. (4) 時期要因・学級要因について  本研究では,時期の違いや夏季休業の影響につ いても検討するため、3学級(C,D,E組)で 時期をずらして介入した.これまでの解析と同様 に学校適応感尺度と自動思考尺度を従属変数とし て比較した.小学生版学校適応感尺度の学級別点 数では,介入回数(F(1,81)=5.188, p<.05)と学級 (F(1,81)=21.497, p<.001)に主効果が見られ,交 互作用(F(1,81)=8.165, p<.01)が見られた.多重 比較ではC組がE組より(p<.001),D組がE組よ り(p<.001)有意に高かった.また介入❸が介入前 より有意に高かった(p<.05).介入回数比較では, 介入前とフォローアップで,C組がE組より,D 組がE組より有意に高かった(p<.01).介入❸で は, C 組 > D 組 > E 組 と い う 結 果 で あ っ た (p<.05).C組内では,介入❷❸フォローアップ が介入前よりも有意に高かった(p<.05).  平均点ではあるがグラフによる傾向等について も把握を試みた.グラフよりどの学級も約1 ヵ月 の夏季休業中を挟んでも大きく点数が減少してい ないが,10月下旬のフォローアップ時は学級で 推移に違いが見られた(Figure 6). Figure 6 適応感尺度 学級別点数 の強さによる介入効果の差を調べるために被験者 内因子を介入回数,被験者間因子をAQ-J-10得 点の平均値によって群分けした二要因の分散分析 を行った.その結果,介入回数(F(1,81)=4.908, p<.05)と群(F(1,81)=8.656, p<.01)に主効果が見 ら れ た. 男 子 で は 群 の 主 効 果 が 見 ら れ (F(1,81)=4.569, p<.05),低群の点数が高群より有 意 に 高 か っ た. 女 子 で は 介 入 回 数 の 主 効 果 (F(1,42)=4.335, p<.05)が見られた(Figure 4). Figure 4 AQ平均点群分け    さらに各因子点数におけるAQ平均点による群 別の介入効果差を調べるために分散分析を行った ところ,学習・進路因子点数において,回数の主 効果(F(1,81)=4.935, p<.05)が見られ,介入❸が 介入前より有意に高かった(p<.01)(Figure 5).平 均値グラフより介入❷でAQ高群の点数が減少し ている様子が見られた(Figure 5).介入回数と群 の主効果が見られたのは先生との関係因子(回 数主効果(F(1,81)=5.375,p<.05)・群主効果 (F(1,81)=17.957, p<.001)と,心身健康因子(回 数 主 効 果(F(1,81)=4.117, p<.05・ 群 主 効 果 (F(1,81)=4.475, p<.05))の2つの因子であった. Figure 5 学習・進路因子 4 内因子を介入回数,被験者間因子を $4—J— 得点 の平均値によって群分けした二要因の分散分析を 行った.その結果介入回数 )  ,S と群 )  S に主効果が見られた. 男子では群の主効果が見られ )   S 低群の点数が高群より有意に高かった.女 子では介入回数の主効果 )  S が見られた )LJXUH .         )LJXUH $4 平均点群分け  さらに各因子点数における $4 平均点による群別 の介入効果差を調べるために分散分析を行ったと ころ,学習・進路因子点数において,回数の主効果 )  S が見られ,介入❸が介入前 より有意に高かった S )LJXUH .平均値グ ラフより介入➋で $4 高群の点数が減少している様 子が見られた )LJXUH .介入回数と群の主効果が 見られたのは先生との関係因子(回数主効果 )  ,S・群主効果 )   S と,心身健康因子(回数主効果 )  S・群主効果 )   S )の2つの因子であった。          )LJXUH 学習・進路因子 児童用自動思考尺度においても $4 低高群の差を 調べるために二要因の分散分析を行ったところ,自 己の否定因子に介入回数と群の主効果が見られた (介入回数: )  S・群: )  S .その他の  要因につい て群の有意差は見られなかった。   時期要因・学級要因について  本研究では,時期の違いや夏季休業の影響につい ても検討するため、 学級(C,D,E組)で時期 をずらして介入した.これまでの解析と同様に学校 適応感尺度と自動思考尺度を従属変数として比較 した.小学生版学校適応感尺度の学級別点数では, 介入回数 )  S と学級 )  S に主効果が見られ,交互 作用 )  S が見られた.多重比較 ではC組がE組より S ,D組がE組より S 有意に高かったまた介入❸が介入前より 有意に高かった S .介入回数比較では,介入 前とフォローアップで,C組がE組より,D組がE 組より有意に高かった S .介入❸では,C組 >D組>E組という結果であった S .C組内 では,介入➋❸フォローアップが介入前よりも有意 に高かった S .  平均点ではあるがグラフによる傾向等について も把握を試みた.グラフよりどの学級も約  ヵ月の 夏季休業中を挟んでも大きく点数が減少していな いが, 月下旬のフォローアップ時は学級で推移 に違いが見られた )LJXUH            )LJXUH適応感尺度 学級別点数 4 内因子を介入回数,被験者間因子を $4—J— 得点 の平均値によって群分けした二要因の分散分析を 行った.その結果介入回数 )  ,S と群 )  S に主効果が見られた. 男子では群の主効果が見られ )   S 低群の点数が高群より有意に高かった.女 子では介入回数の主効果 )  S が見られた )LJXUH .         )LJXUH $4 平均点群分け  さらに各因子点数における $4 平均点による群別 の介入効果差を調べるために分散分析を行ったと ころ,学習・進路因子点数において,回数の主効果 )  S が見られ,介入❸が介入前 より有意に高かった S )LJXUH .平均値グ ラフより介入➋で $4 高群の点数が減少している様 子が見られた )LJXUH .介入回数と群の主効果が 見られたのは先生との関係因子(回数主効果 )  ,S・群主効果 )   S と,心身健康因子(回数主効果 )  S・群主効果 )   S )の2つの因子であった。          )LJXUH 学習・進路因子 児童用自動思考尺度においても $4 低高群の差を 調べるために二要因の分散分析を行ったところ,自 己の否定因子に介入回数と群の主効果が見られた (介入回数: )  S・群: )  S .その他の  要因につい て群の有意差は見られなかった。   時期要因・学級要因について  本研究では,時期の違いや夏季休業の影響につい ても検討するため、 学級(C,D,E組)で時期 をずらして介入した.これまでの解析と同様に学校 適応感尺度と自動思考尺度を従属変数として比較 した.小学生版学校適応感尺度の学級別点数では, 介入回数 )  S と学級 )  S に主効果が見られ,交互 作用 )  S が見られた.多重比較 ではC組がE組より S ,D組がE組より S 有意に高かったまた介入❸が介入前より 有意に高かった S .介入回数比較では,介入 前とフォローアップで,C組がE組より,D組がE 組より有意に高かった S .介入❸では,C組 >D組>E組という結果であった S .C組内 では,介入➋❸フォローアップが介入前よりも有意 に高かった S .  平均点ではあるがグラフによる傾向等について も把握を試みた.グラフよりどの学級も約  ヵ月の 夏季休業中を挟んでも大きく点数が減少していな いが, 月下旬のフォローアップ時は学級で推移 に違いが見られた )LJXUH            )LJXUH適応感尺度 学級別点数 4 内因子を介入回数,被験者間因子を $4—J— 得点 の平均値によって群分けした二要因の分散分析を 行った.その結果介入回数 )  ,S と群 )  S に主効果が見られた. 男子では群の主効果が見られ )   S 低群の点数が高群より有意に高かった.女 子では介入回数の主効果 )  S が見られた )LJXUH .         )LJXUH $4 平均点群分け  さらに各因子点数における $4 平均点による群別 の介入効果差を調べるために分散分析を行ったと ころ,学習・進路因子点数において,回数の主効果 )  S が見られ,介入❸が介入前 より有意に高かった S )LJXUH .平均値グ ラフより介入➋で $4 高群の点数が減少している様 子が見られた )LJXUH .介入回数と群の主効果が 見られたのは先生との関係因子(回数主効果 )  ,S・群主効果 )   S と,心身健康因子(回数主効果 )  S・群主効果 )   S )の2つの因子であった。          )LJXUH 学習・進路因子 児童用自動思考尺度においても $4 低高群の差を 調べるために二要因の分散分析を行ったところ,自 己の否定因子に介入回数と群の主効果が見られた (介入回数: )  S・群: )  S .その他の  要因につい て群の有意差は見られなかった。   時期要因・学級要因について  本研究では,時期の違いや夏季休業の影響につい ても検討するため、 学級(C,D,E組)で時期 をずらして介入した.これまでの解析と同様に学校 適応感尺度と自動思考尺度を従属変数として比較 した.小学生版学校適応感尺度の学級別点数では, 介入回数 )  S と学級 )  S に主効果が見られ,交互 作用 )  S が見られた.多重比較 ではC組がE組より S ,D組がE組より S 有意に高かったまた介入❸が介入前より 有意に高かった S .介入回数比較では,介入 前とフォローアップで,C組がE組より,D組がE 組より有意に高かった S .介入❸では,C組 >D組>E組という結果であった S .C組内 では,介入➋❸フォローアップが介入前よりも有意 に高かった S .  平均点ではあるがグラフによる傾向等について も把握を試みた.グラフよりどの学級も約  ヵ月の 夏季休業中を挟んでも大きく点数が減少していな いが, 月下旬のフォローアップ時は学級で推移 に違いが見られた )LJXUH            )LJXUH適応感尺度 学級別点数

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小学校高学年児童への認知再構成の介入効果の検討―自閉スペクトラム症的特性と不適応の関連から― Figure 10 自己の否定因子 4 考察 (1)男女差について  学校適応感尺度について有意な性差は見られな かったが.グラフでは全体的に男子の点数が高い 傾向であり,男女とも介入が進むにつれて点数は 増加傾向にあった.男子は介入時に点数の増加す る傾向が見られたがフォローアップでは減少する 一方,女子は緩やかな点数増加がフォローアップ まで持続している.このことから,小学校高学年 の場合は女子のほうに効果が持続しやすい可能性 がある.また各因子の点数においても有意な性差 は見られなかったが,各因子での平均値グラフで は特徴的な様子が見られ,女子の点数はフォロー アップまで点数が下がりにくい傾向等の傾向が見 られた.自動思考尺度については4因子のうち, 自己の否定因子のみ男女差に有意傾向が見られ, 女子に自己否定が高い傾向があるという結果で あった. (2) AQ低高群差について  学校適応感尺度におけるAQ低高群差について は,介入を続けるとどちらの群にも効果があると いう結果であった。平均値グラフではASD高群は, 介入❷で点数が減少したが再び増加に転じ,フォ ローアップまで持続している.一方ASD低群は介 入をやめたフォローアップでは点数が減少してお り,ASD特性の高群の方が介入効果が持続しやす い可能性があるのではないか.  また因子別点数を見ると,心理・社会因子と学 習・進路因子の2因子において,介入❷でASD高  また,4つの因子で学級の主効果が見られたが, 平均点グラフよりフォローアップの点数変化が各 学級で異なっている因子があった(Figure 7 ∼ 8).また介入しない回においても,点数が大きく 下がることがなく介入効果の維持が想像される. Figure 7 心理・社会因子 学級別点数 Figure 8 心身健康因子 学級別点数  また児童用自動思考尺度では,どの因子におい ても学級の主効果があった.自動思考尺度におい ても適応感尺度と同様に因子によってはフォロー アップにおいて学級差が出やすくなる傾向が見ら れた(Figure 9 ∼ 10). Figure 9 絶望的思考因子 学級別点数 5  また,4つの因子で学級の主効果が見られたが, 平均点グラフよりフォローアップの点数変化が各 学級で異なっている因子があった )LJXUH~  また介入しない回においても,点数が大きく下がる ことがなく介入効果の維持が想像される.          )LJXUH 心理・社会因子 学級別点数         )LJXUH 心身健康因子 学級別点数  また児童用自動思考尺度では,どの因子において も学級の主効果があった.自動思考尺度においても 適応感尺度と同様に因子によってはフォローアッ プにおいて学級差が出やすくなる傾向が見られた )LJXUH~ .          )LJXUH 絶望的思考因子 学級別点数           )LJXUH 自己の否定因子   考察  男女差について 学校適応感尺度について有意な性差は見られな かったが.グラフでは全体的に男子の点数が高い傾 向であり,男女とも介入が進むにつれて点数は増加 傾向にあった.男子は介入時に点数の増加する傾向 が見られたがフォローアップでは減少する一方,女 子は緩やかな点数増加がフォローアップまで持続 している.このことから,小学校高学年の場合は女 子のほうに効果が持続しやすい可能性があるまた 各因子の点数においても有意な性差は見られなか ったが,各因子での平均値グラフでは特徴的な様子 が見られ,女子の点数はフォローアップまで点数が 下がりにくい傾向等の傾向が見られた.自動思考尺 度については  因子のうち,自己の否定因子のみ男 女差に有意傾向が見られ,女子に自己否定が高い傾 向があるという結果であった.    $4 低高群差について 学校適応感尺度における $4 低高群差については, 介入を続けるとどちらの群にも効果があるという 結果であった。平均値グラフでは $6' 高群は,介入 ➋で点数が減少したが再び増加に転じ,フォローア ップまで持続している.一方 $6' 低群は介入をやめ たフォローアップでは点数が減少しており,$6' 特 性の高群の方が介入効果が持続しやすい可能性が あるのではないか  また因子別点数を見ると,心理・社会因子と学 5  また,4つの因子で学級の主効果が見られたが, 平均点グラフよりフォローアップの点数変化が各 学級で異なっている因子があった )LJXUH~  また介入しない回においても,点数が大きく下がる ことがなく介入効果の維持が想像される.          )LJXUH 心理・社会因子 学級別点数         )LJXUH 心身健康因子 学級別点数  また児童用自動思考尺度では,どの因子において も学級の主効果があった.自動思考尺度においても 適応感尺度と同様に因子によってはフォローアッ プにおいて学級差が出やすくなる傾向が見られた )LJXUH~ .          )LJXUH 絶望的思考因子 学級別点数           )LJXUH 自己の否定因子   考察  男女差について 学校適応感尺度について有意な性差は見られな かったが.グラフでは全体的に男子の点数が高い傾 向であり,男女とも介入が進むにつれて点数は増加 傾向にあった.男子は介入時に点数の増加する傾向 が見られたがフォローアップでは減少する一方,女 子は緩やかな点数増加がフォローアップまで持続 している.このことから,小学校高学年の場合は女 子のほうに効果が持続しやすい可能性があるまた 各因子の点数においても有意な性差は見られなか ったが,各因子での平均値グラフでは特徴的な様子 が見られ,女子の点数はフォローアップまで点数が 下がりにくい傾向等の傾向が見られた.自動思考尺 度については  因子のうち,自己の否定因子のみ男 女差に有意傾向が見られ,女子に自己否定が高い傾 向があるという結果であった.    $4 低高群差について 学校適応感尺度における $4 低高群差については, 介入を続けるとどちらの群にも効果があるという 結果であった。平均値グラフでは $6' 高群は,介入 ➋で点数が減少したが再び増加に転じ,フォローア ップまで持続している.一方 $6' 低群は介入をやめ たフォローアップでは点数が減少しており,$6' 特 性の高群の方が介入効果が持続しやすい可能性が あるのではないか  また因子別点数を見ると,心理・社会因子と学 5  また,4つの因子で学級の主効果が見られたが, 平均点グラフよりフォローアップの点数変化が各 学級で異なっている因子があった )LJXUH~  また介入しない回においても,点数が大きく下がる ことがなく介入効果の維持が想像される.          )LJXUH 心理・社会因子 学級別点数         )LJXUH 心身健康因子 学級別点数  また児童用自動思考尺度では,どの因子において も学級の主効果があった.自動思考尺度においても 適応感尺度と同様に因子によってはフォローアッ プにおいて学級差が出やすくなる傾向が見られた )LJXUH~ .          )LJXUH 絶望的思考因子 学級別点数           )LJXUH 自己の否定因子   考察  男女差について 学校適応感尺度について有意な性差は見られな かったが.グラフでは全体的に男子の点数が高い傾 向であり,男女とも介入が進むにつれて点数は増加 傾向にあった.男子は介入時に点数の増加する傾向 が見られたがフォローアップでは減少する一方,女 子は緩やかな点数増加がフォローアップまで持続 している.このことから,小学校高学年の場合は女 子のほうに効果が持続しやすい可能性があるまた 各因子の点数においても有意な性差は見られなか ったが,各因子での平均値グラフでは特徴的な様子 が見られ,女子の点数はフォローアップまで点数が 下がりにくい傾向等の傾向が見られた.自動思考尺 度については  因子のうち,自己の否定因子のみ男 女差に有意傾向が見られ,女子に自己否定が高い傾 向があるという結果であった.    $4 低高群差について 学校適応感尺度における $4 低高群差については, 介入を続けるとどちらの群にも効果があるという 結果であった。平均値グラフでは $6' 高群は,介入 ➋で点数が減少したが再び増加に転じ,フォローア ップまで持続している.一方 $6' 低群は介入をやめ たフォローアップでは点数が減少しており,$6' 特 性の高群の方が介入効果が持続しやすい可能性が あるのではないか  また因子別点数を見ると,心理・社会因子と学 5  また,4つの因子で学級の主効果が見られたが, 平均点グラフよりフォローアップの点数変化が各 学級で異なっている因子があった )LJXUH~  また介入しない回においても,点数が大きく下がる ことがなく介入効果の維持が想像される.          )LJXUH 心理・社会因子 学級別点数         )LJXUH 心身健康因子 学級別点数  また児童用自動思考尺度では,どの因子において も学級の主効果があった.自動思考尺度においても 適応感尺度と同様に因子によってはフォローアッ プにおいて学級差が出やすくなる傾向が見られた )LJXUH~ .          )LJXUH 絶望的思考因子 学級別点数           )LJXUH 自己の否定因子   考察  男女差について 学校適応感尺度について有意な性差は見られな かったが.グラフでは全体的に男子の点数が高い傾 向であり,男女とも介入が進むにつれて点数は増加 傾向にあった.男子は介入時に点数の増加する傾向 が見られたがフォローアップでは減少する一方,女 子は緩やかな点数増加がフォローアップまで持続 している.このことから,小学校高学年の場合は女 子のほうに効果が持続しやすい可能性があるまた 各因子の点数においても有意な性差は見られなか ったが,各因子での平均値グラフでは特徴的な様子 が見られ,女子の点数はフォローアップまで点数が 下がりにくい傾向等の傾向が見られた.自動思考尺 度については  因子のうち,自己の否定因子のみ男 女差に有意傾向が見られ,女子に自己否定が高い傾 向があるという結果であった.    $4 低高群差について 学校適応感尺度における $4 低高群差については, 介入を続けるとどちらの群にも効果があるという 結果であった。平均値グラフでは $6' 高群は,介入 ➋で点数が減少したが再び増加に転じ,フォローア ップまで持続している.一方 $6' 低群は介入をやめ たフォローアップでは点数が減少しており,$6' 特 性の高群の方が介入効果が持続しやすい可能性が あるのではないか  また因子別点数を見ると,心理・社会因子と学

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5 総合考察  本研究では,小学校高学年児童に認知再構成を 内容とする介入授業を行い,ASD特性との関連も 視野に入れた上で介入効果の検討をすることが目 的であったが以下に考察を述べる.  第1に,ASD特性の強弱によって介入効果の表 れ方に差があるということである.全体的には特 性の強い群(ASD高群)の方が,適応感や自動思考 の尺度得点が低い結果(適応的でない得点傾向)が 出ており不適応の高さがうかがわれた.またASD 高群の児童は介入後半にかけて徐々に得点が増加 する様子が見られ,授業内容の理解と深化が介入 効果に影響したのではないかと考えられる.また ASD高群では,介入❷時間目の授業の理解が難し く得点が低かったことも特徴的な結果として挙げ られる.ASD特性高群の児童は,自分の体験や思 考の想起やポジティブな適応的思考を考えること に難しさがあったのではないか.  第2に,男女で介入効果の表れ方に差があった という点である.平均値グラフから男子の点数推 移と異なり,女子では緩やかな点数増加がフォ ローアップまで持続している.男子は行動化しや すい特徴を持っているのに対し,女子は行動前に 考える傾向があったため,今回の介入との親和性 が高くなり効果が持続したのではないかと考えら れる.しかし女子の場合でも,学校適応感尺度の 先生との関係因子については点数が徐々に減少す る傾向があった.思春期に向けて自己実現を果た そうとする思いが膨らみ,自分を制限する枠組み (例:大人・社会・ルール等)に対するごく自然な 抵抗となっていることも関係していると思われる. このように因子の種類によっては,認知再構成的 介入の効果が見えにくくなることも考えられた. 6 本研究の意義と限界  本研究は,不登校を視野に入れた上で学校生活 上の不適応状態を改善する介入について示唆を得 ることであった.また発達障害のうちASD特性の ある児童と不登校の関係を想定し,ASD特性の強 い児童への介入効果について検討することも目的 群の点数が減少していることから,ASD高群に とって介入❷の内容は自分の体験や過去の思考・ 感情などを想起することの難しかったと想像され る.  児童用自動思考尺度においては,ポジティブな 自動思考では,ASD低群が高群より高く,ネガティ ブな自動思考ではASD高群が低群より高い様子が グラフより全体的な傾向として見られた.蓑崎・ 嶋田(2012)は,ASD特性の高い生徒には,ポ ジティブな自動思考の増加とネガティブな自動思 考の減少のどちらもが重要であることを指摘して いる.総括的な見方ができにくいASD特性の高い 児童にとっては,ポジティブな期待を持つことが 難しい一方で,自己の失敗経験などからネガティ ブな予想をしやすいことが想像される.また普段 あまり否定的な経験を思い出しにくいASD高群の 児童であっても,ネガティブな体験が想起される 質問等によってネガティブな記憶や思考パターン が活性化された可能性がある.ASD特性の高い児 童への介入は,ネガティブな部分が活性化された ままにせず,適応的な思考を獲得する段階まで継 続することが重要であると考えられる. (3) 時期要因・学級要因について  学校適応感尺度における学級別得点は、介入前 から有意な点数差があり,また点数の推移が学級 で異なっていたことから同じ介入をしていても学 級の特性(在籍児童の特性・担任の指導の方針等) によって介入効果に差が出ることがうかがわれた. 今回の研究では,一つの学級が認知的な介入に対 して他の学級よりも点数の伸びが大きかったが, このように認知再構成の介入効果が出やすい学級 があることも想定される.  自動思考尺度における学級別比較では,全体的 にポジティブな自動思考因子ではC組>D組>E組, ネガティブな自動思考因子ではその反対の傾向が 見られた.適応感尺度でも学級差が見られたこと から学校適応感と自動思考については関係がある ことが想像される.

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小学校高学年児童への認知再構成の介入効果の検討―自閉スペクトラム症的特性と不適応の関連から― 【引用・参考】 有賀美恵子・鈴木英子・多賀谷昭(2010),不登 校傾向に関する研究の動向と課題,長野県 看護大学紀要,12,43-60 森田典子・野中俊介・尾棹万純・嶋田洋徳(2015) 児童生徒を対象とした認知行動療法型スト レスマネジメント教育に関する研究動向お よび今後の展望,早稲田大学臨床心理学研 究,第15巻,1,143-153 佐藤 寛・今城知子・戸ヶ崎泰子・石川信一・佐 藤容子・佐藤正二(2009),児童の抑うつ症 状に対する学級規模の認知行動療法の有効 性,教育心理学研究,第57巻,第1号,111-123 加茂 聡・東條吉邦(2010),発達障害と不登校 の関連と支援に関する現状と展望, 城大 学教育学部研究紀要,59号,137-160 石崎優子(2017),子どもの心身症・不登校・集 団不適応と背景にある発達障害特性,心身 医学,Vol.57,39-43 髙橋高人・松原耕平・中野聡之・佐藤正二(2018), 中学生に対する認知行動的うつ病予防プロ グラムの効果,教育心理学研究,66,81-94 佐藤 寛・嶋田洋徳(2006),児童のネガティブ な自動思考とポジティブな自動思考が抑う つ症状と不安症状に及ぼす影響,行動療法 研究,第32巻,第1号,1-13 松原耕平・佐藤 寛・石川信一・髙橋高人・佐藤 正二(2015),子どものためのユニバーサル 抑うつデザイン予防プログラムの媒介変数 の検討,認知療法研究,8,248-257 であった.結果より学級の特徴や性差,ASD特性 等のアセスメントに応じて,内容を柔軟に変更す ることの有用性について示唆が得られた.介入の 内容(ワークシート・発問・グループ協議のスタ イル等)や介入期間等の今後の検討が必要であろ う.群間差がいくつか見られたことから,分かり にくさをもった群を想定して介入を進めるべきで あるという点が明らかになった.この部分は学校 教育の専門性が活用される部分であり,研究者と 教育者が協力して介入内容を検討するが有用であ ろう.  また本研究の限界として,以下の点を挙げる.  第1に,アセスメントについてである.より正 確なASD特性の把握のため,AQ-J-10等の尺度は 保護者の記入を加える等をすることが望ましい. また介入内容の中心を「行動やスキル獲得」「コー ピング」「認知再構成」等のどこにするのか,学 級の特徴に応じた介入をすることが必要であろう.  第2に,効果を検討のための尺度についてであ る.児童生徒が不適応状態になっていくプロセス のモデルに合わせた尺度の採用が考えられる.ま た自分自身の思考や感情をモニタリングする力は, より詳しい結果の分析につながると思われる.  第3に,介入内容についてである.介入❷回目 の内容については,ASD高群・男子・理解度低群 などの群において,点数が下がる傾向が見られた. プログラム期間と内容については効果が浸透する 群の存在を想定して計画することが望ましい.佐 藤ら(2009)は,学級への介入研究と抑うつの 研究の中で,包括的なプログラムのどの要素が抑 うつ症状の軽減をもたらしたのかを評価すること の難しさを指摘している.内容を限定した介入効 果の検討や,群ごとに介入内容を変えて効果検討 をする等の視点は,今後も必要と思われる.

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Consideration of the intervention effect of the cognitive reconstruction for

elementary school children of upper grades

-The relation between autism spectrum and the

maladjustment-Yutaka SHIOMI*, Hiroyuki IKEDA** *Kyoto prefecture Education center

**Center for Reseach on Human Development and Clinical Psychology, Hyogo University of Teachers Education This research aims to provide classroom intervention with cognitive reconstruction for 5th graders, and examine the

effects on the whole class as well as the students with high autism spectrum disorder (ASD) features. Targets were three classes in public school consist of 95 students (45 males and 50 females). After learning an example of negative automatic thought, they practiced thinking adaptively. The Elementary School Adaptation Scale (Yamaguchi, 2016), and the 10-item version of the Autism Spectrum Index: AQ (Kurita et al., 2005) were used. The results indicated the interaction between the scores and the number of interventions provided, but there was no sex difference. When the scores of the AQ were dived into high and low and their average were compared, following factors showed interactions: relationship with teacher, sound mind and body, self denial. It was suggested that the effects of the cognitive intervention varie depending on the level of the ASD features and the type of AQ factors.

参照

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