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成人愛着と青年期における他者のとらえ方との関連

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Academic year: 2021

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(1)成人愛着と青年期における他者のとらえ方との関連   専攻:学校教育学専攻 コース:臨床心理学コース.   学籍番号:M08070H     氏名:森川 文恵.         問題と目的. 際、愛着の原点となる親子関係に目を向けて検.  筆者は、対人関係の基盤となるのは親子関係. 討する。. ではないかと考える。家族に遠慮せず何でも言.          研究1. えていた人は、他者に対しても同じように言え.  研究1の目的として、青年期の他者への接し. るのではないだろうか。つまり家族間でも緊張. 方にどのような傾向が見られるのか、さらに青. や不安があったり、家族とのかかわりが少ない. 年が現在の日常生活においての不安について検. 人は、他者と接することに不安を感じるのでは. 討していく。ここでは、幼少期の3つの愛着パ. ないだろうか。. ターン(安定型、アンヒバレント型、回避型).  これらのことから本研究では、まず青年期の. (Hazan&Shaver,1987)を反映した内的作業. 他者に対する態度及び不安の程度に注目し、他. モデル(Bow1bエJ.,1973.1980)によって、青. 者との接し方と日常における不安の程度につい. 年期以降の他者のとらえ方及び不安の程度が異. て検討する。そしてその原点である家族関係に. なるかどうかを検討する。. 目を向け、これまでの家族に対する感情と、現.  A大学83名、B大学204名を調査対象者と. 在の家族をどのように思っているかについて検. した。質問紙は、①フェイスシート、②内的作. 討することを目的とする。. 業モデル尺度(戸田,1988)、③共感経験尺度改.  また本研究では、他者への態度を多側面から. 訂版(EESR)(角田,1994)、④青年用アサー. 検討していく。多側面から検討した研究はこれ. ション尺度(玉瀬・越智他,2001)、⑤ユニーク. までにはない。これまで親子関係と他者に対す. さ尺度(宮下,1991)、⑥STAI(Spie1berge具C.D.,. る態度との関連について研究しているものは、. et a1.,1970)で構成されている。2大学に分け. 数多く存在する。中でも、過去の親子関係と現. て分析を行った。各因子間の相関係数、内的作. 在の他者への態度を直接関連づけるものが多く. 業モデルの3タイプを平均値で島群・低群に分. 見られる。そのため先行研究では、対象者が現. けたものと、共感性、アサーティブネス、不安. 在持っているであろう愛着にはあまり胃を向け. のそれぞれの下位尺度得点とでt検定、さらに、. られていない。そこで本研究では、Bow1bX J.. ユニークさ尺度の2つの因子得点の平均をもと. (1973.1980)の内的作業モデルに焦点を当て、. に島群・低群に分けたものを独立変数、内的作. 青年の現在の愛着のタイプと、他者に対する態. 業モデルの3タイプを従属変数とし、分散分析. 度との関連を検討することを目的とする。その. をそれぞれ行った。. 一156一.

(2)  結果から、安定した内的作業モデルの人は、. 愛着につながるのではないかということが示さ. 他者との関係作りに積極的であり、新奇な場面. れた。また内的作業モデルとの関連から、「安定. や日常において不安を感じることが少なく、ま. 型」得点が高い傾向にある人は、全ての時期を. た自分を表現することもあまり困難ではないこ. 通して父親・母親ともに同じような感情を抱い. とが考えられた。不安定な内的作業モデルの人. ているのに対して、r平均」の人は、父親・母親. は、どのような状況に置かれても不安を常に感. の両方に同じような感情を持たず、かかわりが. じていること、他者との関係作りや頼み事には. 薄い父親の分まで母親とかかわりを持とうとし. 積極的ではなく、他者の存在を気にしない傾向. ているのではないかと考えられた。. が見られた。回避的な内的作業モデルの人は他.         総合考察. 者に共感することが困難であり、不安も感じる.  本研究では、幼少期の愛着パターンを反映し. ときと感じないときとまちまちであることがう. た内的作業モデルを使用し、これまでの研究で. かがえた。また大学別に見ると、A大学の人は、. はなされていなかった多側面からの他者のとら. 対人関係に積極的であり、B大学の人は、初め. え方を把握し、それらと成人愛着との関連及び. から他者とかかわることを避けていることが考. 不安と成人愛着との関連について検討を行った。. えられた。. さらに成人愛着の原点である親子関係について.          研究2. も目を向けた。その結果、安定型、アンヒバレ.  研究1では、青年の現在の他者に対する態度. ント型、回避型それぞれで、他者のとらえ方及. 及び不安についての検討を行った。研究2では. び不安に遠いが見られた。しかし、多側面とい. 対人関係の基盤である親子関係に目を向ける。. っても今回の研究で検討したのは、他者のとら.  研究1の被験者のうち面接に同意した学生11. え方のほんの1部にすぎず、本研究で考えたも. 名(男性:4名、女性:7名)を対象者とし、A. のの他にも様々な側面があるので、それらも含. 大学内にある施設を使用し半構造化面接を行っ. めて内的作業モデルの特性との関連を検討して. た。質問項目を幼少期・思春期・現在の3段階. いく必要があるだろう。また親子関係と内的作. に分け、それぞれの時期について父親・母親に. 業モデルとの関連について、11名の対象者と内. 対する気持ちなどを語ってもらった。分析方法. 的作業モデルの各下位尺度の特性との間に関連. は、修正版クラウンデッド・セオリー・アプロ. が見られなかったが、今回は親との関係のみに. ーチ(以下、M・GTA)を使用した。. ついて尋ねたものだったので、友人関係につい.  結果、ストーリーラインから、これまでの親. ても調査していたら、新たな関連性を見出せた. 子関係と現在の親への気持ち及び対象者の内的. かもしれない。そうすれば親子関係と成人愛着. 作業モデルとの関連について検討することがで. との関連だけでなく、他者とのかかわりについ. きた。そこから、幼少期、思春期に両親とたく. ても詳しく検討することができたかもしれない。. .さん接触があっても、決して安定した内的作業. モデルを築いているとは言い難いことがうかが. 主任指導教員 岩井 圭司. えた。この原因として、親子関係だけでなく、.   指導教員 岩井 圭司. 家庭外での対人関係も築いていく中で今の成人. 157一.

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