成人愛着と青年期における他者のとらえ方との関連
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(2) 結果から、安定した内的作業モデルの人は、. 愛着につながるのではないかということが示さ. 他者との関係作りに積極的であり、新奇な場面. れた。また内的作業モデルとの関連から、「安定. や日常において不安を感じることが少なく、ま. 型」得点が高い傾向にある人は、全ての時期を. た自分を表現することもあまり困難ではないこ. 通して父親・母親ともに同じような感情を抱い. とが考えられた。不安定な内的作業モデルの人. ているのに対して、r平均」の人は、父親・母親. は、どのような状況に置かれても不安を常に感. の両方に同じような感情を持たず、かかわりが. じていること、他者との関係作りや頼み事には. 薄い父親の分まで母親とかかわりを持とうとし. 積極的ではなく、他者の存在を気にしない傾向. ているのではないかと考えられた。. が見られた。回避的な内的作業モデルの人は他. 総合考察. 者に共感することが困難であり、不安も感じる. 本研究では、幼少期の愛着パターンを反映し. ときと感じないときとまちまちであることがう. た内的作業モデルを使用し、これまでの研究で. かがえた。また大学別に見ると、A大学の人は、. はなされていなかった多側面からの他者のとら. 対人関係に積極的であり、B大学の人は、初め. え方を把握し、それらと成人愛着との関連及び. から他者とかかわることを避けていることが考. 不安と成人愛着との関連について検討を行った。. えられた。. さらに成人愛着の原点である親子関係について. 研究2. も目を向けた。その結果、安定型、アンヒバレ. 研究1では、青年の現在の他者に対する態度. ント型、回避型それぞれで、他者のとらえ方及. 及び不安についての検討を行った。研究2では. び不安に遠いが見られた。しかし、多側面とい. 対人関係の基盤である親子関係に目を向ける。. っても今回の研究で検討したのは、他者のとら. 研究1の被験者のうち面接に同意した学生11. え方のほんの1部にすぎず、本研究で考えたも. 名(男性:4名、女性:7名)を対象者とし、A. のの他にも様々な側面があるので、それらも含. 大学内にある施設を使用し半構造化面接を行っ. めて内的作業モデルの特性との関連を検討して. た。質問項目を幼少期・思春期・現在の3段階. いく必要があるだろう。また親子関係と内的作. に分け、それぞれの時期について父親・母親に. 業モデルとの関連について、11名の対象者と内. 対する気持ちなどを語ってもらった。分析方法. 的作業モデルの各下位尺度の特性との間に関連. は、修正版クラウンデッド・セオリー・アプロ. が見られなかったが、今回は親との関係のみに. ーチ(以下、M・GTA)を使用した。. ついて尋ねたものだったので、友人関係につい. 結果、ストーリーラインから、これまでの親. ても調査していたら、新たな関連性を見出せた. 子関係と現在の親への気持ち及び対象者の内的. かもしれない。そうすれば親子関係と成人愛着. 作業モデルとの関連について検討することがで. との関連だけでなく、他者とのかかわりについ. きた。そこから、幼少期、思春期に両親とたく. ても詳しく検討することができたかもしれない。. .さん接触があっても、決して安定した内的作業. モデルを築いているとは言い難いことがうかが. 主任指導教員 岩井 圭司. えた。この原因として、親子関係だけでなく、. 指導教員 岩井 圭司. 家庭外での対人関係も築いていく中で今の成人. 157一.
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