4
題材目標
○
音楽を形づくっている要素や曲想を知覚・感受することに関心をもち、意欲的に音楽を形
づくっている要素と曲想とのかかわりを理解しようとする。
(関心・意欲・態度)
○
音楽を形づくっている要素や曲想を知覚・感受し、自分が感じ取った曲想やソネットの内
容と要素とのかわりを感じ取ることができる。
(音楽的な感受)
○
紹介文を作成、交流することを通して音楽のよさや美しさを総合的にとらえ鑑賞すること
ができる。
(鑑賞の能力)
5
評価規準
評価の観点 題材の評価規準 具体の評価規準
観点ア 音楽を形づくっている要素や曲想を ① 音楽を形づくっている要素と曲想とを関連
音楽への 知覚・感受することに関心をもち、音 させて聴取しようとしている。
関心・意欲・態度 楽の諸要素と曲想とを関連させて意欲 ② ソネットをもとに作曲者が工夫したであろ
的に聴取しようとしている。 う点を音楽の諸要素から考えようとしている。
観点イ 音楽を形づくっている要素や曲想を ① 音楽を形づくっている要素と自分が感じ取っ
音楽的な感受や 知覚・感受し、自分が感じ取った曲想 た曲想とのかかわりを感じ取ることができる。
表現の工夫 やソネットの内容と要素とのかかわり ② ソネットと音楽を形づくっている要素との
を感じ取ることができる。 かかわりを感じ取ることができる。
観点エ 紹介文を作成、交流することを通し ① 音楽を形づくっている要素と曲想との関連や
鑑賞の能力 て音楽のよさや美しさを味わいながら 作曲された背景などを総合的にとらえ、その
鑑賞することができる。 内容を紹介文の形式で表し、音楽のよさや美
しさの味わいを深め、鑑賞することができる。
6
評価基準、評価方法
(A:様相観察表、B:聴き取りシートの記述内容、C:自己評価の感想)
十分満足できる おおむね満足できる 努力を要する生徒への支援 方法
音楽を形づくっている要素や 音楽を形づくっている要素や 音楽を形づくっている要素
① 曲想を聴取することに関心を 曲想を聴取することに関心を 1つのみに限定して聴取さ A,C
もち、意欲的に鑑賞している。 もち、鑑賞している。 せる。
ア
作曲者が工夫したであろう点 作曲者が工夫したであろう点 ソ ネ ッ ト の 一 部 分 を 提 示
② を楽譜と関連させながら音楽 を音楽を形づくっている要素 し、作曲者が工夫したであ A,C
を形づくっている要素から理 から理解しようとしている。 ろう点を音楽を形づくって
解しようとしている。 いる要素から考えさせる。
交流で知った他者の感じ方も 自分の感じ方と音楽を形づく 音楽を形づくっている要素
① 含め、音楽を形づくっている っている要素とのかかわりを を1つのみに限定して曲想 A,B
要素とのかかわりを感じ取る 感じ取ることができる。 とのかかわりを知覚・感受
イ ことができる。 させる。
ソネットと音楽を形づくって ソネットと音楽を形づくって 音楽を形づくっている要素
② いる要素とのかかわりを楽譜 いる要素とのかかわりを感じ を1つのみに限定してソネ A,B
も参考にしながら感じ取るこ 取ることができる。 ットとのかかわりを知覚・
とができる。 感受させる。
音楽を形づくっている要素と 音楽を形づくっている要素と 批評文のフォーマットを提
曲想との関連や背景、他者の価 曲想との関連や背景から、そ 示し、空欄に当てはめさせ
エ ① 値観も共有しながら音楽のよ の曲のよさや美しさをとらえ、 て批評文を作成させる。 B
さや美しさをとらえ、根拠を 根拠をもって評価することが
もって評価することができる。 できる。
7
授業の実際
(1) 第1時
【主眼】 音楽から生み出される曲想を感受し,音楽を形づくっている要素を聴き取り,それらのかかわりを理解
することができる。
【準備】 テイスティングシートⅠ,音源CD,短冊シート,マジックペン
段階 学習活動・内容 配時 形態 教師の支援・留意点 ◆評価:方法
1 イメージの喚起と学習内容の確認
○ 四季より“冬(第2楽章)”を鑑賞し,楽曲 6 個 □ 個人の感じ方を大切にするために,曲名等の全て
から感じ取った曲想やイメージした情景など の情報は知らせずに聴かせ,感じたことをできるだ
導 を短冊シートに言葉で記入する。 け詳しく短冊カードに記入させる。
○ それぞれの感じ方を交流する。 2 全 □ 記入した短冊は黒板に掲示し,各自の感じ方を確
認する。
○ 曲想は音楽を形づくっている要素や要素同 2 全 □ 「なぜ,そのように感じたのだろう?」と問いか
入 士の関連から生み出されていることを想起し, け,音楽を形づくっている要素や要素同士の関連に
めあて,学習内容の確認をする。 よって醸し出されていることを想起させ,音楽の諸
要素とのかかわりを考えていくことを確認する。
感じ取った曲想と音楽を形づくっている要素とのかかわりを考えよう。
2 音楽を形づくっている要素の部分聴取 ◆関ア-①:A,C
○ 主旋律の音色と旋律について聴き取る。 10 個 □ 聴き取る部分を焦点化するために,主旋律前半の
(1)音色について 部分聴取,要素を「音色」と「旋律」に限定して聴
弦楽器,ヴァイオリン,チェロ… 取させる。
(2)音のつながり方について □ 主旋律については,音のつながり方(メロディー
・旋律線をハミングや階名唱で確認する ライン)がどのようになっているかを聴き取らせる。
1小節目(ドーソファミーレドレーソー) □ 主旋律だけを聴き取らせるために,主旋律だけを
3小節目~(レーミファソーラシ ドーレミファーソラ・・・) 抜き出して提示し,ハミングさせたり,階名唱させ
旋律線は跳躍せずなだらかな動きだな たりする。
展 ○ 伴奏について聴き取る。 10 個 □ 伴奏だけを聴き取らせるために,伴奏だけをピア
(3)伴奏を聴取し,気づいたことを発表する。 ノ又はPC等で抜き出して提示する。
ジャラン…チェンバロの音色
ポンポンポンポン…ピッツィカート
(4)ピッツィカートを聴き取る。 □ 一定のリズムとテンポであることに気づかせるた
・指で机をタップして確認 めに,特にピッツィカートに注目させる。そのため
開 ・音の長さ,様子を確認 に,ピッツィカートについては聴き取ったリズムを
一定の速度とリズム,短く弾いたような音 指でタップさせたり,実演(もしくはDVD)で確認
させる。
3 音楽を形づくっている要素の全体聴取
○ 全体を通して鑑賞し,聴き取った内容の確 8 個 □ 視点を与えて聴き取らせた内容以外で,自分だけ
認を行う。 の視点で聴き取らせる。
音程が上がるにつれて大きくなる(強弱)
ゆったりとしたテンポ(速度)
○ 聴き取った内容についての補足説明を聞く。 2 全 □ 生徒から出された内容について,音楽にかかわる
・テンポがゆったり→Largo 用語に変換できるものについては,その用語を教え
・跳躍せずなだらかな動き→legato で演奏 る(次時へのつながりを含めて)。
4 学習のまとめ ◆感イ-①:A,B
○ 感じ取った曲想と聴き取った要素とのかか 8 個 □ 曲想を感じ取ったり,情景をイメージしたりする
わりを確認し,そのかかわりを意識しながら のは音楽を形づくっている要素が深くかかわってい
終 鑑賞し,その関係を言葉で表す。 ることを押さえ,音楽の諸要素と曲想とのかかわり
(本日のテイスティング記述例) を意識させながらまとめの鑑賞を行う。
末
○ 学習のふり返りを行い,次時の予告を聞く。 2 個 □ ふり返りをしやすくするために自己評価は評定尺
度式と記述式にする。
平和であたたかだと感じたのは,ゆったりとしたテンポ,ヴァイオリンの優しい音色,ピッツィカートで奏でられる長調
の和音などが理由となっていることが分かった。
(2)第2時
【主眼】 聴き取った音楽をスコアで確認し,ソネットとのかかわりを理解することができる。
【準備】 テイスティングシートⅡ,スコア,音源CD,拡大スコア,拡大ソネット
段階 学習活動・内容 配時 形態 教師の支援・留意点 ◆評価:方法
1 前時のふり返りと学習内容の確認
○ 曲想は音楽を形づくっている要素や要素同 3 全 □ 前時の学習をふり返り,本時の活動につなげるた
士の関連から生み出されていることをふり返 めに,ソネットをもとに曲がつくられたということ
導 り,“冬”のソネットを知る。 を伝える。
○ “冬”について前時の学習内容とソネット 5 全 □ ソネットをもとに情景をイメージさせるだけでな
の内容をかかわらせながら楽曲を鑑賞する。 く,前時で学習した要素とソネットを関連させて聴
入 くように指示する。
○ “夏”のソネットを読み,ソネットをもと 2 全 □ 本時のめあてにつなげるために,ソネットを朗読
に作曲者の工夫を探っていくことを知り,め し,どんな曲だろうという疑問をもたせる。
あての確認を行う。
ソネットをもとにヴィヴァルディの作曲の工夫を探ろう。
2 楽曲の聴き取り ◆関ア-②:A,C
○ “夏(第3楽章)”がどんな雰囲気で,どん 2 個 □ 全員が予想できるように,予想する要素を「速度」
な要素や構造でできているか予想する。 「リズム」「旋律」の3つに限定し,それぞれ選択
速度…速い リズム…変化に富んだ 旋律…ギザギザ 肢を与えて予想させる。
○ 予想をもとに楽曲を聴取する。 5 個 □ 聴き取った内容はシートに記入し,予想と比較さ
せる。
3 スコアを用いた鑑賞
○ スコアの基本的な読み方を学習し,指揮(三 3 全 □ 曲の速度でスコアを読み取れるようにするために
展 拍子)の練習を通して曲の速度で読めるように 指揮(三角形を宙に描かせ)で4分の3拍子をつかま
する。 せる。
○ 1~9小節について聴き取った内容や聴き 5 全 □ スコアを見ながら楽曲を聴くことに慣れるため,
取るだけでは不十分だった要素(速度,音符, 確認する小節を提示し,要素がどうなっているか
リズムを中心に)を実際のスコアを使って確認 を問いかけ,スコアを見て確認させる。
開 する。
○ 楽曲全体についてスコアを見ながら鑑賞し, 5 全 □ 楽譜が苦手な生徒には,音符を模様で読むように
作曲者の工夫を探る。 指示する(音符の玉の方向性や細かさなどに注目さ
速度(Presto:きわめて速く) せる)。
音符(16 分音符の連続) □ 単に聴き取らせるのではなく,作曲者の工夫を探
リズム(同じリズムが繰り返される:構成) るという視点を確認して聴取させる。
上行,下行,交差,相反する部分
独奏と合奏が交互に現れる 等
○ 聴き取った内容をグループで交流し,その 7 グ □ 聴き方の幅を広げるためにグループで交流させ,
内容をもとにスコアを見ながら鑑賞し,確認 個 自分が気づかなかった点はスコアに印を付けさせ
する。 る。
4 自分なりの解釈 ◆感イ-②:A,B
○ 聴き取ったことやスコアで確認したことを 7 □ ソネット全体を捉えにくい場合は,一部分を抜き
もとに楽曲とソネットとの関係について解釈 出させ,その部分についての解釈を行わせる。
終 し,交流する。 □ 他者の解釈に触れさせるために,4人1組で交流
(本日のテイスティング記述例) させる。
末
5 学習のまとめ
○ 学習したことをもとにまとめの鑑賞を行う。 4 全 □ 自分の解釈や交流した内容をもとに鑑賞させる。
○ 次時の予告を聞く。 2 全 □ “冬”と“夏”について学習してきたことをふり
返り,次時は2曲のよさや美しさについて批評活動
を行うことを伝える。
ヴィヴァルディは「穀物を叩き落とす」の様子を,プレストのテンポとフォルテで奏でられる 16 分音符の連続で表そう
としたと思う。(「彼の心配」の様子を,独奏ヴァイオリンの激しくも悲しげな旋律で表そうとしたと思う。)
(3) 第3時
【主眼】 楽曲の紹介文作成,交流を通して,音楽のよさや美しさを味わうことができる。
【準備】 テイスティングシートⅢ(Ⅰ,Ⅱ),音源CD
段階 学習活動・内容 配時 形態 教師の支援・留意点 ◆評価:方法
1 前時のふり返りと楽曲の背景の学習
導 ○ 前時の内容をふり返り,その内容と関連付 7 全 □ 楽曲に対する価値観や視野の拡大を図るために,
けて作曲者の生涯や楽曲の背景について知る。 作曲者の生涯や背景についての説明をする。
○ 本時の学習内容を確認し,気に入った方の 2 全 □ 学習してきた内容を根拠に「冬」「夏」の評価を
紹介文を作成,交流することで音楽のよさや し,一方の紹介文を作成,交流することで音楽のよ
入 美しさを味わっていくこと確認する。 さや美しさを味わっていくことを伝える。
ヴィヴァルディの音楽を紹介し、そのよさを味わいながら鑑賞しよう!
2 楽曲の評価(選択)と紹介文の作成 ◆鑑エ-①:B
○ 今までの学習内容と楽曲の背景をかかわら 8 全 □ 根拠をもって楽曲を評価(選択)させるために,
せて鑑賞し,「冬」と「夏」のどちらが好きか 個 今までの学習内容をふり返らせながら鑑賞させる。
を考える。 また,新たに聴き取ったり感じ取ったりした内容が
あればメモ欄に記入させる。
10 個 □ 前時までに学習した内容(シートⅠ,Ⅱ)を参考に
○ 学習してきた内容をふり返りながら,条件 しながら紹介文を作成するよう提示する。
展 に沿った紹介文を作成する。 □ 他者に分かりやすい内容にするために,紹介文の
〈条件〉 書き方の条件を提示する(指導案右の )。
・気に入った方とそれを選んだ理由 □ 曲の内容を確認しながら作成できるように,作成
・選んだ方の曲に合う場面とその理由 中は曲を流したままにしておく。
開
3 紹介文(批評文)の交流
○ グループ内で交流する。 10 グ □ さらに聴き方の幅を広げるために交流させる。
□ 交流は4人1グループで行い,グループ内で発表
させる。
○ 全体の場で交流する。 3 全 □ タイプの違う内容の紹介文をいくつか紹介する。
4 学習のまとめ
終 ○ 紹介文の内容や今までの学習(要素と曲想 7 全 □ 今までの学習(自分なりの感じ方と要素とのかか
とのかかわり,それぞれの感じ方や価値等) わり,ソネットと作曲者の工夫とのかかわり,バロ
をふり返りながら楽曲を鑑賞し,音楽のよさ ック時代の曲の特徴等)を振り返り,交流した内容
末 や美しさを味わう。 や新たに気付いた点や感じた点はメモを取りながら
鑑賞させる。
○ 交流やまとめの鑑賞を通しての感想を書く。 3 個 □ 交流や学習を通して理解したことや新たに感じ取
ったこと等を記入させる。
○ 僕は「冬」の方が好きです。それは、ラルゴのゆったりとしたテンポとヴァイオリンのあたたかい音色が心を落ち着か
せてくれるからです。ぜひ、リラックスしたいときに聴いてみてください。
○ 私は「夏」の方が好きです。それは、激しい16分音符のリズムと躍動感のある旋律がやる気を起こさせてくれるからです。
また、この曲はとても技巧的なヴァイオリンの独奏が目立つ曲ですが、これはヴァイオリンの名手だったヴィヴァルディ
だからこそ作曲できた作品だと思います。おすすめの場面は、部活の試合前などです。きっと燃えますよ!
(本日のテイスティング記述例)
Music Tasting Sheet
1
① 『曲想・イメージ』編
感じた曲想やイメージした情景・場面など
主 旋 律 伴 奏
♪音色は? ♪音色は?
♪旋律(音のつながり方)は? ♪旋律(音のつながり方)は?
楽曲全体を聴いて
♪その他の要素は?
2年
組
番 名前
感じ取った曲想と音楽を形づくっている要素とのかかわりを考えよう。
♪楽曲を聴いて感じたことを記入しよう(曲想やイメージした情景・場面など)
。
Music Tasting Sheet
2
② 『標題・ソネット』編
ああ
彼の心配が本物になったとはあまりのこと
天は雷鳴を鳴らし 雷を落とし
雹を降らせる
ひ よ う
穂やすくっと立つ麦の先を
叩き落とす
た た
速度 リズム 旋律 その他の要素
予
想 遅い やや遅い 中くらい やや速い 速い 同じパターン 変化に富んだ なめらか ギザギザ どちらも混ざっている
速度記号は? 主なリズムは? 旋律の特徴は? 楽器の移り変わりは?
その他 その他 その他 その他
ソネットをもとにヴィヴァルディの作曲の工夫を探ろう。
♪「四季」より“夏(第3楽章)”のソネット
結
果
楽
譜
か
ら
確
認
で
き
た
こ
と
♪
楽曲とソネットの関係について解釈してみよう
Music Tasting Sheet
3
③ 『背景・紹介文』編
四季は…
ヴィヴァルディは…
♪今までの学習と楽曲の背景とかかわらせて楽曲を聴き、「冬」と「夏」どちらの方が好きか選んでみよう。
MEMO
私は(
)の方が好きです。
♪次の条件をもとに紹介文をつくってみよう!
☆気に入った方とそれを選んだ理由(気に入った根拠を今までの学習内容から見つけよう)
☆選んだ方の曲に合う場面(どんな場面にピッタリかな?)
ヴィヴァルディの音楽を紹介し、そのよさを味わいながら鑑賞しよう。
♪
紹介文の交流やまとめの鑑賞を行っての感想(交流やまとめの鑑賞を行って新たに感じたことなど)
♪テイスティングシート①②の内容をもとに、楽曲の背景について学習しよう。