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「環境会計ガイドラインにおける効率化の取組み」

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Academic year: 2021

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1.問題の所在

企業活動にともなう地球環境への影響に関心が高まっている。地球環境への影響を 改善するために各種の環境規制が強化され,企業にとっては大きなコスト負担となっ てきた。他方,規制を超えた企業による自主的な取組みも実施されている。自主的な 取組みではコスト負担の大小が,実施の有無や実施レベルの高低に影響を与えるであ ろう。このような環境への取組みはステークホルダーからの評価を期待して実施する ため,取組み内容や成果について環境報告の公表が定着している。さらに,日本企業 の環境報告では環境省の環境会計ガイドラインにしたがった環境会計の公表が一般的 である。 環境会計ガイドラインでは,環境保全コストの算定および公表を推奨している。環 境保全コストの支出により企業利益は減少するが,環境保全上の効果を示して,環境 問題に関心を有するステークホルダーに説明責任を果たす役割が期待されている。 環境会計ガイドラインの公表を契機に多くの企業が環境会計に着手してきた。しか し,公表から 10 年以上が経過しているため,この間に企業による環境の取組み方法に も変化が見られるであろう。環境の取組みを継続的に実施して環境保全コストが増加 すれば,同コストを削減または回避する取組みが試みられる。このような状況を考慮 すれば,環境保全コストと効果を対比するというガイドラインの方法により,果たし て環境の取組みの実態を明らかにすることが可能であろうか。 環境の取組みをコストの視点から見れば,①追加コストを要する取組み,②追加コ ストを要しない取組みおよび③環境負荷とコストの同時削減が可能な効率化の取組 みに区分することができる。これまで環境会計ガイドラインでは主に①の取組みを対 象としてきた。しかし,環境に配慮して企業活動の実施方法を変更すれば,追加コス トを要することなく,環境負荷を削減させる②の取組みも可能である。さらに,環境

環境会計ガイドラインにおける効率化の取組み

Efficiency Efforts in Environmental Accounting Guidelines

長 岡   正

Tadashi NAGAOKA

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管理会計の発展により,同時削減が可能な③の取組みが積極的に追求されている。環 境管理会計では主に生産量を所与とする製造を対象に一定の成果を上げてきた。しか し,物流においては輸送量低減が有効な手段であるため,環境管理会計の適用範囲を 拡張すれば,効率化の取組みは一層推進されるであろう。このような状況を踏まえる と現在の環境会計ガイドラインでは,②および③の取組み内容が必ずしも明らかでな い。特に③については環境上の取組みの成果を示すのみでは十分でなく,同時削減の 成果を具体的に示すことが考えられるであろう。 以上のような視点から,本稿では環境省の環境会計ガイドラインの意義と課題を整 理したのちに,③の典型例と考えられる物流における環境の取組みの進展を手掛かり として,現在の環境会計ガイドラインにおける効率化による取組みの公表方法につい て考察を行う。

2.環境会計ガイドラインの意義と課題

環境省による環境会計ガイドラインは 2000 年に公表され,その後,2002 年と 2005 年に改定されている。環境会計には通常の企業会計と同様に,内部管理目的と外部報 告目的が考えられ,環境会計ガイドラインでは外部報告に重点を置きながらも,2つ の目的を同時に達成することを想定していた。欧米の環境会計では内部管理を目的に 発展していたのとは対照的である。公表当時,先進的な企業が独自の環境会計に着手 していたが,ガイドラインの公表を契機に独自の環境会計をガイドラインに準拠した ものに変更する企業やガイドラインに準拠した環境会計の公表に着手する企業が増加 した1)。企業に共通の枠組みに基づく環境会計を導入させるとともに,ステークホル ダーに環境会計による環境の取組みの評価へ関心を持たせた点にガイドラインの意義 があろう。また,日本企業はISO14001 環境マネジメントシステムの公表以来,認証 取得に熱心であるが,環境マネジメントの成果を明らかにする手法としての環境会計 に対する期待の高まりも導入企業が増加した背景として考えられるであろう。 その後,内部管理目的の環境会計としては環境管理会計が発展している。特に,廃 棄物削減を目的に原材料コストを主たる管理対象とするマテリアルフローコスト会 計の提唱により,通常コストから環境保全コストを算定して管理するよりも,環境に 影響を与える通常コストを重点的に管理する方が効果的であり,環境負荷とコストの 同時削減にも貢献する役割が明らかにされた2)。このような環境管理会計の発展によ り,環境会計ガイドラインが対象とする環境保全コストでは内部管理目的からは範囲 が狭いとされ,現在では環境報告上における外部報告目的の環境会計として位置づけ られている。 環境会計ガイドラインでは,環境保全コストと効果を対比して取組みの成果を明ら

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かにする。環境保全コストは環境保全目的のために支出したコストであり,企業の環 境保全努力を明らかにする。実際,公表の初期では効果の算定が困難と考えられ,環 境保全コストのみを示す企業が多数見られた。コストの大小は環境保全努力を示す一 つの指標と考えられるが,コストのみではステークホルダーに提供する情報としては 不十分なため,ガイドラインではコストに対応する効果を環境保全効果と経済効果に 区分して算定する。 環境保全活動は通常の企業活動にともなって実施され,企業活動を所与として環境 保全活動を追加すれば,環境保全コストは追加コストとしての性格を有する。このよ うな場合には環境保全コストの算定は容易であろう。しかし,環境保全活動とその他 の企業活動を同時に目的とする場合には算定が困難となる。ガイドラインでは,複合 目的のコストが発生する場合,差額集計や按分集計などの便宜的な方法により,複合 コストのうち一部を環境保全コストとみなして集計する。しかしながら,複合コスト の算定方法については,企業間で算定方法が相違するため比較が困難である。さらに, 通常の環境保全コストと複合コストの一部を合計してコストの総額を示すことに一定 の意義が認められるが,複合コストの一部と効果を対応させることにはそれ以上の課 題があろう。 すなわち,ガイドラインでは環境保全コストか否かを環境保全目的の有無によって 判定するが,事後的に環境保全効果と対比するならば,効果との対応という観点から もコストを規定することが考えられる。このような観点から現在の環境保全コストで は対象範囲が狭いと言えるのではないか。環境に関連した複合コストは環境保全コス トとその他のコストから構成されるが,その他のコストは通常の企業活動にともなっ て発生するコストと企業活動の効率化によって発生するコストに区分できるであろ う。前者では追加コストが発生するため,便宜的な方法を用いれば,環境保全コスト の算定が可能である。しかし,後者では取組み方法によっては追加コストが発生しな い場合があり,たとえ発生してもコストを超えるコスト削減効果などが得られれば, 結果的に環境保全コストが計上されないことも考えられる。効率化の取組みでは環境 目的とその他の目的を同時に追求するため,通常コストと環境保全コストの明確な区 分は困難である。さらに,企業活動の効率化の結果として環境保全効果が得られても, 環境保全コストが計上されない取組みでは,実施企業が環境の取組みと認識しない場 合もあり,このような場合には環境会計の対象外となろう。 また,企業は環境の取組みに着手し,追加的な環境保全コストが増加すれば,当然 のことながら,同コストの低減を図ることが想定される。低減方法としては環境保全 活動の効率化とともに,環境保全活動自体の削減が考えられる。つまり,追加コスト が発生する取組みに代えて,企業活動効率化の取組みの強化が環境保全コスト低減の 有効な手段となり,環境負荷とコストの同時削減も可能である。 このような取組み方法の変化を踏まえれば,追加的な環境保全コストは減少傾向を

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示すとともに,現在の環境会計ガイドラインが対象とする環境の取組み自体が縮小す るであろう。外部委託が多い物流の取組みにおいて,この状況は既に生じているもの と考えられる。以下では物流の取組みの進展を手掛かりとして,環境会計ガイドライ ンにおける効率化の取組みの公表方法について考察する。

3.環境会計ガイドラインと物流の取組み

企業による環境の取組みを企業職能と関連付ければ,製造と物流の取組みに区分で きるであろう。さらに,企業の物流活動は自家物流と委託物流に区分され,前者から 後者への移行が傾向として見られる3)。物流の取組みに着手する初期の段階では,環 境負荷の管理可能性という点から自家物流のみを管理対象とする企業が多数であっ た。しかし,自家物流は物流活動全体に占める割合が低いため,製造と比較して環境 負荷の発生量も少なく,一部の先進的な企業を除けば環境報告上の開示も十分なもの ではなかった。2005 年の省エネ法改正では,荷主責任を考慮して委託物流が規制対象 となり,物流は製造と並んで管理対象として重視されるに至っている。製造では一定 の生産量を所与として環境の取組みを実施するが,委託物流では輸送量低減を手段と する効率化が図られる点において,取組み内容の共通性が高く,企業間比較も可能で あろう4) 環境報告上の物流の取組み対象は包装と輸送に大別できるが,輸送の主たる取組み 内容としては,①モーダルシフト,②低公害車導入,③積載率向上,④共同輸送などを あげることができる。①では長距離輸送について,トラックから鉄道など環境負荷の 少ない輸送手段への転換が試みられている。しかし,鉄道輸送についてはリードタイ ムの増加やインフラ整備などが課題とされる。②では車両の転換が進展し,輸送時の 環境負荷削減に効果が期待されているが,一部の車両では高額であり,車両のライフ サイクルの視点からも課題が指摘されている5)。他方,③および④は,従来から物流 効率化目的に実施されてきたが,環境上の効果も期待されるため,環境の取組みとし ても環境報告上に説明が行われている。 このうち,①および②では,企業に導入を促すために,取組みの一部に国や自治体 などから補助金が交付されてきた。取組みに際しては追加コストの発生が考えられる が,必ずしも環境保全コストとして計上されるとは限らないであろう6)。さらに,③ および④では,物流効率化目的の取組みでもあり,環境会計ガイドラインでは取組み の一部が対象となるか,実施企業が環境保全目的でないと判断すれば環境会計の対象 外となることも考えられる。しかし,いずれの取組みにおいても,不要な輸送量低減 が有効な手段であり,物流効率化も期待できる。 現在,環境報告上に製造の取組みと並んで物流の取組みの公表が定着し,環境会計

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ガイドラインにおいても物流項目を例示しているが,環境会計上に物流項目を実際に 計上する企業は少数にとどまっている。また,たとえ計上しても環境保全効果や経済 効果においてのみ示す企業が多く,環境保全コストに物流項目を示さないため取組み 内容が明らかでない7)。この理由としては,物流は製造と比較して環境保全コストが 少額であり,製造の取組みと合計した金額を表示していることが考えられるであろ う。省エネ法施行前であれば,多くの企業が自家物流のみを対象としていたため,物 流の環境保全コストが少額となろう。しかし,省エネ法以降では委託物流の取組みが 義務化されているために,環境保全コストは確実に増加しているはずである。それで も環境会計上に示されない理由としては,物流では環境保全コストが計上されない取 組みが多くを占めていることが考えられるであろう。 環境報告上に環境会計を示す目的としては,さまざまな取組み内容を環境保全コス トという共通の尺度で算定し,ステークホルダーに示すことがあげられる。環境報告 上には製造と物流の取組みが定着しているため,環境会計においても2つの取組みを 合計して示すのではなく,区分して示すべきである。しかしながら,物流の取組みで は,効果のみが計上される取組みが多く,環境会計上では取組み内容が明らかとなら ない8) このような状況下で環境会計上に物流の取組みを示すためには,以下の方法が考え られるであろう。先ず,環境保全コストは管理目的からは狭いと指摘されたが,効率 化の取組みが進展すれば外部報告目的からも狭いため,効果に対応したコストの範囲 を拡張することが必要である。これまでの追加的な環境保全コストに加えて,結果と して環境保全効果が期待できる物流効率化のコストを考慮すべきである。 物流効率化では,物流活動の効率化を目的に着手して結果的に環境保全効果が得ら れるものと,当初から物流効率化と環境保全を同時に追求するものに区分できる。本 来,ガイドラインでは環境保全目的を有する後者を環境会計の対象として,追加コス トが発生すれば効率化のコストから環境保全コストを算定する。しかし,実際には2 つの取組みの明確な区分は困難であり,効果との対応を考慮すれば,前者も対象とし ている企業があろう。 さらに,物流効率化では環境以外の目的を有するため,環境保全効果や経済効果以 外の効果を明らかにすることも必要である。環境会計ガイドラインによる経済効果は 環境保全活動に伴うものを対象としても,物流コスト削減などの効率化による効果を 対象外としている。効率化の取組みでは,経済効果は効率化の効果の一部と考えられ るが,実際には2つの効果を明確に区分することは困難であり,効率化による効果を 経済効果として計上している企業もあろう。 すなわち,物流効率化の取組みでは,物流活動と環境保全活動がトレードオフの関 係になく,一体化しているため,取組み全体から環境保全活動のコストと効果を正確 に抽出することは困難である。恣意的に抽出するよりは,取組み全体のコストと効果

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を示して,物流効率化の結果として環境保全効果が得られた事実を明らかにすること が考えられる。さらに,追加コストが計上されない取組みでは,取組み内容を示すと ともに環境保全効果とその他の効果を関連付けて追加コストを要する取組みに対する 同取組みの有効性を示すべきであろう。以上をまとめれば第1表の通りである。 第1表 環境会計ガイドラインが対象とする取組みの種類 ① 追加コストが計上される環境の取組み 環境保全コスト⇔環境保全効果・経済効果 ② 追加コストが計上されない環境の取組み (通常コスト)⇔環境保全効果・経済効果 ③ 追加コストが計上される効率化の取組み 環境保全コスト・(効率化のコスト) ⇔環境保全効果・経済効果・(効率化の効果) ④ 追加コストが計上されない効率化の取組み (通常コスト)⇔環境保全効果・経済効果・(効率化の効果) 括弧内は環境会計ガイドラインが対象外とするもの このように現在のガイドラインによる算定方法では取組み内容の一部が示される に過ぎない。取組みの実態を明らかにするためには,算定対象の拡張が必要である。 ガイドラインの枠組みを所与とすれば,環境の取組みと効率化の取組みを区分した上 で,後者については取組み内容の全体像を追加情報として示すことが考えられる。特 に,物流の取組みでは環境負荷とコストの同時削減やコスト効率性の追求を環境報告 上に明記しているにもかかわらず,同時削減やコスト効率性の成果に言及している企 業は現時点ではほとんど見られない。このような成果を明らかにすることも外部報告 を目的とする環境会計の役割として求められるであろう。 これまで多くの企業がガイドラインに従った環境会計を公表してきたが,先進的な 企業ではガイドラインに準拠した環境会計に加えて,各種の追加情報も公表してい る。環境会計ガイドラインは公表企業が従う最小限の枠組みと考えられる。環境の取 組みが追加的な取組みから効率化の取組みへと移行すれば,現在のガイドラインに準 拠する場合でも取組み内容の実態を反映したコストと効果の公表を試みるべきであ る。

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4.まとめと今後の課題

本稿では,環境会計ガイドラインの意義と課題を検討した後,環境の取組み方法を 区分した上で,環境負荷とコストの同時削減が可能な効率化の取組みの公表方法につ いて,物流の取組みの進展を手掛かりに考察を行った。その結果,現在のガイドライ ンでは,物流の取組みの実態を明らかにすることは困難であることが明らかとなっ た。環境会計ガイドラインでは環境保全コストが計上される取組みを主たる対象とし て効果と対比する。しかし,物流の取組みでは環境保全コストが計上されず,効果の みが計上されるものが多いため,取組み内容が不明である。このような場合には,効 果がどのように得られたのかを明らかにするため,少なくとも取組み内容を示す必要 があろう。さらに,効率化の取組みでは,物流コスト削減など企業活動の効率化を同 時に目的としているため,取組み全体から環境の取組みを識別することが困難であ り,取組みの全体像を示すべきである。 環境の取組みでは,企業活動を所与として追加的に実施する取組みから着手するで あろう。このような場合には,環境保全コストの算定を中心とするガイドラインの方 法は有効である。しかし,環境保全コストが増加すれば,同コストを削減するか,要し ない取組みを模索するであろう。環境会計ガイドラインの算定方法はこれから環境の 取組みに着手する企業には有効であっても,環境の取組みが定着した企業には十分と は言えないのではないか。したがって,環境保全コストが計上されない取組みが定着 すれば,コストに対応した効果を算定するよりも効果に対応したコストを算定する方 が実態を反映したものとなろう。さらに,コストの一部を環境保全コストとして便宜 的に算定するよりも関連コストの全体を示す方が容易である。もちろん,効果に対応 したコストには環境保全を目的としないものがあるため,環境保全効果以外の効果を 同時に示すことも必要である。 製造業における物流の取組みは製造の取組みに次いで着手されたことは環境報告書 のバックナンバーから明らかである。しかし,物流は製造業以外においても実施され ているため,製造以上に環境の取組みが求められるであろう。また,サプライチェー ンにおける構成要素の一つであり,企業間提携の対象としても重視されている。取組 みの成果についてステークホルダーの関心も高い。特に,輸送量低減を手段とする点 で,生産量を所与として同時削減を試みる現在の製造以上に効果が期待できる。製造 においても同時削減を徹底すれば,活動の効率化から不要な活動の削減を経て,不要 な生産量低減へと取組みの発展が予想されるであろう。 このように環境の取組みが変化すれば,外部報告目的の環境会計においても,コス トと効果を示すのみでは十分でなく,取組み内容の効率性を明らかにすべきである。 環境上の効果を所与とすれば,ステークホルダーは追加コストを要する取組みよりも 要しない取組みを評価するであろう。さらに,同時削減が可能な取組みについてはそ

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の成果に関心を高めることが予想される。今後の課題としては,ステークホルダーが 同時削減の成果を評価できる指標を開発して,公表していくことが考えられるであろ う。とりわけ,物流の取組みでは物流活動と環境活動の共通の管理対象が輸送量であ るため,輸送量と関連付けた評価指標の開発が必要である。 本稿は,中部大学産業経済研究所・共同研究「環境会計における外部報告機能の拡大」 (主査・竹森一正教授)における研究成果の一部である。

1)トヨタ自動車のホームページには,1998 年からの環境報告書が掲載され,同年報告書より独 自の分類による環境コストの算定結果を公表している。しかし,2000 年報告書からは環境会 計ガイドラインによる算定結果と独自の算定結果をともに公表している。 2)マテリアルフローコスト会計については中嶌・國部(2008)を参照。 3)この点については日本ロジスティクスシステム協会が毎年公表している「物流コスト調査報 告書」を参照。 4)環境省(2007)「環境報告ガイドライン」では,環境に配慮した輸送に関する状況を記載する ための情報・指標の一つに「総輸送量及びその低減対策に関する取組状況,実績等」を示して いる。 5) LCCと環境問題については竹森(2005)を参照。 6)環境報告上の物流の取組みではモーダルシフトの記載件数が最も多い。通常,一定距離以上 を対象とすれば輸送コストは増加しないが,リードタイム増加による在庫関連コストの増加 が課題である。また,対象輸送以外においてリードタイムの短縮を試みれば,改善のためのコ ストが発生する。これらは環境の取組みの結果として発生したコストであるが,環境保全コ ストとしては認識されないであろう。 7)環境会計ガイドラインにおける物流項目の開示状況については長岡(2010)を参照。 8)ガイドラインでは主要な環境保全コストとの対応が明らかでない効果を「その他の環境保全 効果」としている。「製品,資材等の輸送量,輸送に伴う環境負荷物質量」などを例示している ため,同効果にのみ物流項目を示す企業が多く見られる。

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参考文献

國部克彦(2000)『環境会計 改訂増補版』新世社。 竹森一正(2005)『ライフサイクル・コストマネジメントの理論と応用』創成社。 長岡正(2010)「環境会計ガイドラインにおける物流」『社会関連会計研究』22 号,pp.37-46。 中嶌道靖・國部克彦(2008)『マテリアルフローコスト会計 第 2 版』日本経済新聞社。 西澤脩(2003)『物流活動の会計と管理』白桃書房。 水口剛(2002)『企業評価のための環境会計』中央経済社。 宮崎修行(2001)『統合的環境会計論』創成社。 (筆者 札幌学院大学経営学部教授)

参照

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