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緊急性のある骨折について

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Academic year: 2021

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仙台市立病院医誌 22,171−172,2002

センター症例検討会

索引用語

 骨折

初期治療

 救急

緊急性のある骨折について

高橋 

新,安倍吉則,渡辺 

柴 田 常 博,齋 藤   毅,佐々木 大 蔵

はじめに

 骨折治療における緊急性は,その骨折を放置し た場合に生じる合併症の程度により左右される。 生じうる合併症の中では,生命をおびやかすもの の予防が最優先され,次いで血管損傷やコンパー トメント症候群などの循環障害,神経損傷による 末梢部の麻痺の予防が優先される。その後に開放 骨折などでは感染に対する予防措置が考慮される が,これらいずれの合併症も発生する危険性が少 ないような場合は,除痛,安静の上,機能障害予 防を目的とした措置をとるようにすることが骨折 治療の原則である。 1最も緊急性がある骨折  脳,脊髄など中枢神経を圧迫するような骨折,あ るいは出血性ショックの原因となるような脈管損 傷を発生させているような骨折は,緊急の処置が 必要となる。  ①脳外傷,胸部外傷についてはその骨折治療 よりも,内部臓器をいかにして保護するかが重要 である。骨片が内部臓器を損傷,障害している場 合は緊急に摘出する。  ② 骨折により血管損傷,血管の高度の圧迫を きたす例はまれにある。血管損傷をきたしている 場合,局所は急激に腫脹し,大血管の損傷では末 梢の脈がふれなくなる(この際左右差を確認する ことが有効である)。このような場合には,血行再 開を期して骨折部の緊急な整復をおこなった後 に,血管を修復することが急務となる。  ③脊髄の損傷は椎骨の脱臼や骨折にともなっ て生じ得る。四肢の麻痺が生じており,頭部に麻 痺の原因となるような外傷が見当たらない場合に は,脊椎の外傷を早急に検索する必要がある。麻 痺の原因となる骨折などが見つかった場合,可及 的な整復操作が必要となる。 IIできるだけ早い処置(受傷後6時間以内)が必   要となるもの 仙台市立病院整形外科  ①血管系や末梢神経の損傷は,あらゆる四肢 の骨折に合併しうる。四肢の脱力感や痺れ感,麻 痺などを生じている場合,原因となる骨折を早急 に検索し,整復などの処置が必要となる。ただし, 末梢の場合では,神経や血管系の損傷なのか,単 に痔痛により麻痺が生じているように見えるのか 判別することが困難な場合があり,より注意深い 診察が必要になる。  ② 開放骨折は,放置されると感染をきたしや すく,骨髄炎へ移行すると以後の治療に難渋する。 また開放骨折は骨折部の転位が大きい場合に発生 し易いため,骨折部が不安定で,軟部組織の損傷 も大きい場合が多い。早急に汚物の洗浄・除去,デ ブリドマンなどをおこない,その後に軟部組織の 修復や骨折部の安定化をはかることが必要とな る。  ③コンパートメント症候群は,強力な直達外 力により発生した閉鎖型の骨折でみられ,下腿骨, 前腕骨などに生じうる。受傷後,局所の腫脹が急 激に進行した場合,筋膜内圧が上昇し,骨折部周 囲の血管神経が腫脹した筋肉などに圧迫され,そ の結果,末梢が阻血性変性あるいは壊死に陥る場 合がある。骨折部周囲の腫脹や痔痛が激しく,末 梢に阻血症状が見られた場合は,緊急に減張切開 の適応となる。受傷後数時間してから発症するこ とが多いため,帰宅させる場合には患者や家族に 十分な説明と指導をおこなうことが肝要である。 Presented by Medical*Online

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172  ④脂肪塞栓症候群はあらゆる骨折に続発して 発生しうるが,中でも大腿骨骨幹部閉鎖骨折に合 併した例が数多く報告されている。受傷24∼48時 間後に脳神経症状,呼吸器症状があらわれ,放置 すれば死に至る場合もあるため,骨折部のできる だけ早い観血的整復,固定術が適応となる。最近 の報告によると,大腿骨骨幹部骨折では受傷後24 時間以内の観血的整復固定術が脂肪塞栓の発症防 止に有効といわている。  ⑤脱臼を伴う骨折の場合,放置すると疾痛が 激しく,神経血管障害を続発させることがある。脱 臼の早急な整復と,安静固定が必要となる。 ま と め 1)臓器損傷がある場合,骨折が関与していれ ︶ 2 ︶ 3 ︶ 4 ︶ 5 ばその骨片を除去する。 骨折はたとえそれが軽微なものであって も,循環障害,神経障害を常にチェックす る。 開放骨折では早急に汚物の摘出除去をおこ なう。 大腿骨骨幹部の閉鎖骨折は24時間以内に 観血的整復固定術がおこなわれることが望 ましい。 脱臼を合併している骨折,変形の大きな骨 折ではできるだけ早い整復と,確実な安静 固定を施す必要がある。 Presented by Medical*Online

参照

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※3 J.H.Wilson and P.C.Arwood, Summary of Pretest Aerosol Code Calculations for LWR Aerosol Containment Experiments (LACE) LA2, ORNL. A.L.Wright, J.H.Wilson and P.C.Arwood,

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