ソフトウェア要件定義のための活動基準システムモデリングの提案
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(2) 情報処理学会第 76 回全国大会. は、現状の情報システムそのものである。そこ に含まれる多くのアナログ的な情報処理を、IT を用いたデジタル情報処理とするには、さらに 詳細なモデリングが必要となる。 そのためレベル 2 では、これまで扱ってきた 情報を、データを単位としてモデル化する。デ ータは、エンティティデータとコンテキストデ ータ2種類に分けて定義する。ここで、エンテ ィティとは、モノやコト、つまり現物の構造や 振る舞いを、情報として表現するためのもので ある。一方、コンテキストとは、エンティティ を、情報アクティビティが利用する形式に変形 したものであり、文脈にあわせて項目を取捨選 択し、さらには、データを取捨選択する。 こうしたデータを前提として、レベル 2 では、 情報アクティビティの内部構造をアクションと 4 アクティビティの獲得手法 いう単位で定義する。アクションとは、コンテ 情報システム設計の上流工程において、対象 キスト、コンテキストデータ、あるいは現物に 分野の業務知識を獲得するには、視点の設定、 対する操作である。追加、修正、削除などの基 粒度の設定、境界の設定などを適宜定めながら、 本操作、あるいは検索やソートなどの操作の他 さまざまな角度から多面的に対象企業の担当者 に、コンテキスト間の連携操作として9種類の にアプローチしなければならない。 定義などが用意されている[2]。情報アクティビ 提案するモデリング手法を用いた場合、たと ティの定義では、こうしたアクションとデータ えば以下のステップで対象業務に関するアクテ の関係を、操作手順として明らかにすることで、 ィビティの獲得を行なう。 さらにレベル3での IT システム実装につなげる。 ステップ1:業務担当者をアクターととらえ、 6 おわりに ヒアリングによりそれぞれの仕事内容を、日次、 情報システム開発における要件定義において、 月次、緊急時、例外時などにわけて、アクティ 情報がもつ意味、つまり情報の使われる状況を ビティとしてすべて列挙する。 含めたモデリングを行なうことで、情報システ ステップ2:アクティビティの対象となってい ムへの要求をモデル上で議論できる。本稿では、 る現物あるいは情報をとりあげ、それぞれに係 そのためのフレームワークと、モデリング手法 る他のアクターとそのアクティビティをすべて を提案した。 列挙する。その内容は、そこで挙げたアクター 本手法は、アジャイル型の開発と非常に相性 の記述と照合する。 がよい。つまり、企業全体の情報システムを戦 ステップ3:先に示した存在の原則、活用の原 略的に俯瞰するレベルからモデルをスタートす 則に従い、情報の生成と利用について問題がな るのではなく、まずは個別の業務からスタート いかを調べ、必要に応じてアクティビティを追 し、アクティビティを介して関連する業務との 加する。これにより、最終的には、すべての情 連携を強めていくというボトムアップなアプロ 報が、現物アクティビティによって利用される ーチである。 構造とする。 今後は、さらに多くの開発事例への適用を通 なお、活動基準モデリングでは、こうして対 して、提案する手法とそのためのツールの改良 象業務の内容を明らかにするために、以下のよ を行っていく予定である。 うな独自のチャート上を利用する。①業務プロ セスフロー図、②アクティビティフロー図、③ 参考文献 アクティビティネットワーク図、④アクティビ [1] 岡本清,原価計算(六改版),国本書房,2000 ティ展開マトリクス、⑤現物コラボレーション [2] 西岡靖之,コンテキスト編集をもちいたプログラムレ 図、⑥情報コラボレーション図、⑦情報シーケ スの業務アプリケーション開発,情報処理学会第 75 回 ンス連関図 全国大会,2013 てアクティビティを完了させない限り、そのア ウトプットが無駄になる単位である。また、各 アクティビティは、アクターと場所を1つだけ 定義できる粒度とする。 活動基準システムモデリングでは、対象とす る企業活動について、関連するアクティビティ をすべて記述する必要がある。さらに、最終的 に記述されたモデルは、以下の制約を満たして いなければならない。 ルール1:すべての現物および情報は、それを 生成するアクティビティが存在しなければなら ない。― 存在の原則 ルール2:すべての情報は、別のアクティビテ ィに消費されるか、やり方として参照されなけ ればならない。― 活用の原則. 5. 機能設計への展開 活動基準システムモデリングで得られた内容. [3] 西岡靖之,中小企業の IT カイゼン奮闘記―未経験者 でも問題解決のために IT を駆使,工場管理,Vol.60, No.2, pp.104-107, 2014. 1-228. Copyright 2014 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..
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