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就職活動における戦略の一貫性の評価

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就職活動における戦略の一貫性の評価

Evaluation of Consistency of Strategy for Job Hunting

○新井太智,野本弘平

○Taichi Arai, Kohei Nomoto

山形大学 大学院理工学研究科

Graduate School of Science and Engineering, Yamagata University

Abstract: Students read company information and select company to work from many companies

during job hunting. Among them the method of consistency companies selection with criteria for judgment is needed.

The purpose of this study is to uncover cognitive skills for consistency companies selection. We hypothesized that if students are able to make consistency of companies selection, then the companies they select will be similar in the information they value. This paper evaluate the consistency in companies selection based on that hypothesis

1. はじめに

近年,大学生の就職活動は売り手市場となってお り,企業は人材確保に向けて採用活動の開始時期が 早期化している.学生はその状況の中で自分が就き たい企業を早く探し,決定することが求められる. しかし,多くの学生は就職活動を経験したことがな い.また,多くの企業情報がある中で自らが情報を 判断し,希望企業を選択する必要がある. 学生の企業選択に関する先行研究として,加藤 [1]は大学生の企業選択の基準は個人の価値観によ って左右される事を大学生への調査より明らかにし ている. 大宮[2]は就職活動を成功させた学生は希 望企業を選択する際に明確な理由や基準をもってい る事を明らかにした. 企業情報は複数の項目によって構成されているた め,企業選びの判断基準を明確にする事は,企業情 報内の複数の項目から重視する項目を明確にする事 でもある.しかし,重視する項目は一つとは限らな い.学生にとって良い希望企業選びとは,重視する 複数の項目に徹底して複数の企業を比較し検討する 事である.この様な企業選びを一貫性のある企業選 択とする.一貫性のある企業選択をする事ができれ ば,第一希望以外の希望企業に入社したとしてもミ スマッチなく入社できると考えられる. しかし,一貫性のある企業選択を行う事は学生に は容易ではない.この様な認知的技能を扱った先行 研究として,Uwano ら[3]はプログラムのソースコ ードレビュー中の学生の視線の動きから,ソースコ ードの中からバグを効率良く見つける方法を明らか にした.和崎ら[4]は実験協力者に視線計測装置を装 着し自動車運転時の運転席からの写真において注意 すべき点を見つけてもらう実験を行い,早く注意す べき点を発見する有効な視線パターンを明らかにし た. これらの研究は,実験協力者に決められた課題を 行ってもらう中で視線計測を行い,協力者の無意識 に行っている技能を明らかにしている研究である. 本研究は,判断基準に一貫性を持った企業選びを する学生がどのようにして希望企業を絞り込むのか を明らかにする事を目的とする.そのため,学生に 企業情報記事を用いて希望企業選択をしてもらう実 験を行い,企業選択の一貫性の評価を行う.一貫性 が高い企業選択をする人の選択上位企業同士は,重 視する項目において類似性が高いという仮説から企 業選択の一貫性の評価を行う.

2. 実験概要

実験協力者に9 社の企業データを閲読してもらい, その中から就職を希望する企業を決めてもらう.そ の後,企業選びの際に重視する項目を選択してもら うように求める.

2-1. 実験協力者

実験協力者は山形大学工学部の情報科学科あるい は理工学研究科情報科学専攻の学生42 名である.

2-2. 実験環境

実験環境はJIS Z8513:2006[5] に基づき,実験協 力者の目とディスプレイとの間の距離は 55 ㎝とす る.実験を行う部屋の明るさはJIS Z 9110:2011[6]

(2)

に基づき,机上面で500lx にする. 実際の実験風景を図1 に示す. 図1 実験風景写真

2-3. 実験で使用する刺激

刺激は,“就職四季報総合版2018 年度(Kindle 版)” に記載されている企業情報記事を用いる.この記事 の使用および,この記事を用いた研究の発表につい ては,同誌の出版元である東洋経済新聞社から許諾 を得ている.実験に使用した企業情報記事は,情報 量を均等にするために同誌の1ページの半分に記事 がまとめられている記事を使用する.本実験では, ディスプレイ上に1 ページ 1 社づつ対応して表示さ れる. 実験協力者が企業情報記事内のどの項目に重視を したかを回答できるように,企業情報記事を 13 個 の項目に分割する.実験に用いる刺激と項目名を図 2 に示す.また企業名は企業に対する個人の印象が 記事に影響を及ぼす可能性があるため,仮の名前に 変更し伏せる. 図2 実験に用いる刺激画像の 13 項目

2-4. 実験タスク

実験では,希望企業選択タスクとプロファイルタ スクを行う. 希望企業選択タスクは,予め用意した9 社の企業 データを自由に閲読してもらい,第一希望企業を決 めてもらう.第一希望企業選択後,第二,第三希望 企業を選択してもらう.回答時間は 20 分目安で行 い,希望企業選択タスク終了後にプロファイルタス クを行う. プロファイルタスクでは,実験協力者が就職先を 選ぶ際に大切にしている考え方を記述,その考え方 から注目する項目を4 つ選択してもらう.ここで選 択した項目を重視項目1~4 とする.この実験で取得 するデータは表1 に示す. 表1 各実験タスクで取得するデータ

3. 類似性の定義

3-1. 基本的な考え方

協力者が判断基準に一貫性をもって企業選択をす る事ができれば,選択した企業は判断に用いる企業 情報記事内の項目において類似している事が考えら れる.そこで,本研究では項目毎に企業間の情報の 似ている度合いを企業間類似度として定義する.そ して,実験協力者の重視項目における希望企業間の 類似度より企業選択の一貫性を定義する. 企業選択の一貫性について評価する前提として, 以下の3 つを仮説として考える. ①「一定の判断基準で選択しているなら,重視する 項目の内容が類似した企業は同等の評価がなされ る.」 ②「ただし,その重視する項目は一般に複数あり, それらは人により異なる.」 ③「その重視する項目は図3 の企業情報記事の項目 に置き換える事ができる.」

3-2. アルゴリズム

これらの事を仮説として,企業選択の一貫性の定 義の考え方を図3 とⅰ)~ⅵ)に示す. ⅰ)企業情報記事の 9 項目の記述内容に基づき各項 目による企業間類似度を定義する. ⅱ)特定の実験協力者が選択した複数の重視項目に よる企業間類似度を総合して,その学生の重視項 目による企業間の総合類似度を定義する. 希望企業選択タスク プロファイルタスク 第一希望企業 重視項目1 第二希望企業 重視項目2 第三希望企業 重視項目3 重視項目4 取得データ

(3)

ⅲ)特定の学生の企業間の総合類似度より,各企業に 対して第一希望企業との類似度を求める. ⅳ)特定の学生が選択した希望企業より,第一希望と 第二希望間,および第一希望と第三希望間,の総 合類似度の平均値を選択企業間類似度とする. ⅴ)特定の学生の第一希望企業との総合類似度より, 第一希望企業を除く上位2 つの企業の総合類似度 の平均値を上位企業間類似度とする. ⅵ)一貫性を次の式で定義する. 一貫性=選択企業間類似度 上位企業間類似度 … (1) 図 3 一貫性の定義の考え方

4. 項目毎の企業間類似度算出

項目には,その内容が言語で説明されているもの と,数値で特徴を示されているものがある.前者を 言語型項目,後者を数値型項目と,それぞれ呼ぶこ とにする.そして,項目毎の企業間類似度はそれぞ れの型に対して定義する.

4-1. 言語型項目の企業間類似度の定義

言語型項目は,言葉で表記されているデータの ため,同じ言葉が使われている企業同士は類似度 が高い傾向があると考え,項目ごとに基準となる 言葉であるキーワードを決めている.言語型項目 は「特色」,「試験情報」,「配属先」,「記者評価」 の項目が含まれる. 企業

i

(

i

= 1,2,3⋯n)の項目

j

(

j

= 1,2,3⋯m)に キーワード

k

(

k

= 1,2,3⋯ 𝑁𝑗)が現れていれば 1, そうでないなら0 を取る変数𝑥𝑖,𝑗,𝑘を定義する. これより項目𝑗 を𝑗∗に固定したときの各キーワ ードに対する出現行列を(2)式で定義する. 𝑿𝑗=𝑗∗ = [𝑥𝑖,𝑗,𝑘|𝑗=𝑗∗] …(2) 𝑋𝑗=𝑗∗は n 行𝑁𝑗列の行列となり表 2 に言語型項 目の出現行列の例を示す. 表2 言語型項目の出現行列例( j =「試験情報」) ここで企業

i

と比較する企業を

h

(

h

= 1,2,3・・ n)とする. 企業

i

の項目𝑗∗におけるキーワードの集合を A とする.同様に企業

h

の項目𝑗∗におけるキーワー ドの集合をB とする.言語型項目の項目𝑗∗におけ る企業

i

h

との類似度𝑟𝑗=𝑗∗(𝑖, ℎ)を Jaccard 係数 より(3)式より定義する.

𝑟

𝑗=𝑗

(i, h) =

|𝐴∩𝐵| |𝐴∪𝐵| …(3) (ただし,ここで|・|は集合の濃度を表す.) これより項目

j

を𝑗∗に固定した時の各企業間の類 似度を表す類似度行列を(4)式で定義する. 𝑹𝑗=𝑗∗ = [𝑟𝑗|𝑗=𝑗∗(𝑖, ℎ)] …(4) 面接 適性試験 適性検査 テストセンター 自社オリジナル WEBテスト グリーン社 1 1 1 0 1 0 パープル社 1 0 0 1 0 0 ブルー社 1 0 1 0 0 1 レッド社 1 0 1 0 1 0 ブラウン社 1 0 0 0 0 0 ネイビー社 1 0 0 0 0 1 ピンク社 1 1 1 0 0 1 オレンジ社 1 0 0 1 1 0 イエロー社 1 0 0 0 1 0    キーワード 企業名 重視科目 筆記

(4)

𝑹𝒋=𝒋∗はn 行 n 列の行列となる.表 3 に定義さ れた言語型項目の類似度行列(𝑗 = 「試験情報」) を示す. 表3 言語型項目の類似度行列( j =「試験情報」)

4-2. 数値型項目企業間類似度の定義

数値型項目には,いくつかの指標の値が示され ている.企業間でその一連の数値同士の相関係数 を求め,これらを数値型項目の企業間類似度と定 義する.数値型項目は「男女・文理採用数」,「重 要数値」,「待遇データ」,「従業員データ」,「経営 データ」を含む. 企業

i

の項目𝑗 = 𝑗∗における指標

k

の値を𝑝 𝑖,𝑗,𝑘 とする.また,この𝑝𝑖,𝑗,𝑘からなるパラメータ行列 𝑷𝒋=𝒋∗を定義する. 𝑷𝒋=𝒋∗ = [𝑝𝑖,𝑗,𝑘|𝑗=𝑗∗] …(5) 表4 に数値型項目のパラメータ行列(

j

=「重 要数値」)を示す. 表4 数値型項目のパラメータ行列( 𝒋 = 「重要数値」) 数値型項目のパラメータ𝑝𝑖,𝑗,𝑘を用いて項目𝑗 = 𝑗∗における企業

i

と企業

h

の相関係数𝑐 𝑗=𝑗∗(𝑖, ℎ)を 算出する.企業

i

の各指標において𝑝𝑖,𝑗,𝑘の指標平 均を𝑝̅𝑖=𝑖∗,𝑗=𝑗∗とする.同様に企業

h

の各指標にお いて𝑝ℎ,𝑗,𝑘の指標平均を𝑝̅ℎ=ℎ∗,𝑗=𝑗∗とする.以下,項 目

j

における相関係数𝑐𝑗=𝑗∗(𝑖, ℎ)を(6)式で定義する. 𝑐𝑗=𝑗∗(𝑖, ℎ) = 1 𝑁𝑗∑ (𝑝𝑖,j,𝑘−𝑝̅𝑖=𝑖∗,𝑗=𝑗∗)(𝑝ℎ,j,𝑘−𝑝̅ℎ=ℎ∗,𝑗=𝑗∗) 𝑁𝑗 𝑘=1 √1 𝑁𝑗∑ (𝑝𝑖,j,𝑘−𝑝̅𝑖=𝑖∗,𝑗=𝑗∗) 2 𝑁𝑗 𝑘=1 √ 1 𝑁𝑗∑ (𝑝ℎ,𝑗,𝑘−𝑝̅ℎ=ℎ∗,𝑗=𝑗∗) 2 𝑁𝑗 𝑘=1 …(6) これより項目

j

を𝑗∗に固定した時の各企業間の 相関係数を表す相関行列を(7)式で定義する. 𝑪𝑗=𝑗∗ = [𝑐𝑗|𝑗=𝑗∗(𝑖, ℎ)] …(7) 𝑪𝒋=𝒋∗はn 行 n 列の行列となる.表 5 に定義され た数値型項目の相関行列(

j

=「重要数値」)を示す. 表5 数値型項目の相関行列(

j

=「重要数値」) 相関係数𝑐𝑗(𝑖, ℎ)の取り得る範囲は[-1,1]のため, 類似度とするために取り得る範囲を[0,1]かつ相 関行列の対称性の性質を保つように(8)(9)式で相 関係数𝑐𝑗(𝑖, ℎ)を正規化し,類似度𝑟𝑗(i, h)とする. (企業𝑖∗は,相関行列の行方向に固定しているとする)

𝑐

𝑗

(𝑖

, ℎ) =

𝑐𝑗(𝑖∗,ℎ)−𝑀𝐼𝑁(𝑐𝑗(𝑖∗,ℎ)) 𝑀𝐴𝑋(𝑐𝑗(𝑖∗,ℎ))−𝑀𝐼𝑁(𝑐𝑗(𝑖∗,ℎ)) …(8)

𝑟

𝑗

(𝑖, ℎ) =

𝑐𝑗 ∗(𝑖,ℎ)+𝑐 𝑗∗(ℎ,𝑖) 2 …(9) これより項目

j

を𝑗∗に固定した時の各企業間の 類似度を表す類似度行列を(10)式で定義する. 𝑹𝑗=𝑗∗ = [𝑟𝑗|𝑗=𝑗∗(𝑖, ℎ)] …(10) 𝑹𝒋=𝒋∗はn 行 n 列の行列となる.表 6 に定義さ れた数値型項目の類似度行列(

j

=「重要数値」) を示す. 表6 数値型項目の類似度行列(

j

=「重要数値」)

5. 各企業間の総合類似度

企業間の総合類似度とは,実験で協力者が選択 した重視項目の4 つにおける各企業間の類似度の 平均値とする. 実験協力者 z (z = 1,2,3, ⋯ l)が選択した重視項目 y(y=1,2,3,4)を𝑗𝑧,𝑦とする. 企業iと企業hの重視項目𝑗𝑧,𝑦における協力者z の 総合的類似度𝑠𝑧(𝑖, ℎ)を(11)式で定義する.

𝑠

𝑧

(𝑖, ℎ) =

∑4𝑦=1𝑟𝑗𝑧,𝑦(𝑖,ℎ) 4

…(11) 企業h 企業i グリーン社 パープル社 ブルー社 レッド社 ブラウン社 ネイビー社 ピンク社 オレンジ社 イエロー社 グリーン社 1.00 0.11 0.29 0.50 0.14 0.13 0.43 0.25 0.50 パープル社 0.11 1.00 0.29 0.29 0.60 0.50 0.25 0.67 0.29 ブルー社 0.29 0.29 1.00 0.60 0.17 0.33 0.50 0.13 0.14 レッド社 0.50 0.29 0.60 1.00 0.17 0.14 0.29 0.29 0.33 ブラウン社 0.14 0.60 0.17 0.17 1.00 0.75 0.33 0.60 0.40 ネイビー社 0.13 0.50 0.33 0.14 0.75 1.00 0.50 0.50 0.33 ピンク社 0.43 0.25 0.50 0.29 0.33 0.50 1.00 0.25 0.13 オレンジ社 0.25 0.67 0.13 0.29 0.60 0.50 0.25 1.00 0.50 イエロー社 0.50 0.29 0.14 0.33 0.40 0.33 0.13 0.50 1.00 大卒採用数 前年度3年後離職率 3年後離職率% 有給消化年平均(日) 平均年収(万円) 残業(月)/時間 残業(月)/額 グリーン社 120 7 14 11 616 25.8 パープル社 92 3.1 8.7 13.8 742 18.1 ブルー社 106 11.6 9.8 12.1 614 30.5 レッド社 52 8.3 16.7 11 617 36.8 ブラウン社 126 0 4.1 16.7 622 25.5 59813 ネイビー社 100 16.3 38.2 15.9 910 15.5 32136 ピンク社 89 10.3 11.5 18.8 626 17.2 41749 オレンジ社 90 12 5.3 15.6 752 26.6 イエロー社 199 5.9 5.5 11.4 829 17.9 55032 重要数値    指標  企業 企業h 企業i グリーン社 パープル社 ブルー社 レッド社 ブラウン社 ネイビー社 ピンク社 オレンジ社 イエロー社 グリーン社 1.00 -0.60 0.66 0.49 -0.10 -0.36 -0.65 -0.59 0.18 パープル社 -0.60 1.00 -0.92 -0.55 0.30 0.30 0.05 -0.11 0.36 ブルー社 0.66 -0.92 1.00 0.72 -0.23 -0.50 -0.33 0.19 -0.28 レッド社 0.49 -0.55 0.72 1.00 -0.21 -0.26 -0.41 0.09 -0.61 ブラウン社 -0.10 0.30 -0.23 -0.21 1.00 -0.76 0.09 -0.12 0.17 ネイビー社 -0.36 0.30 -0.50 -0.26 -0.76 1.00 0.29 -0.13 -0.18 ピンク社 -0.65 0.05 -0.33 -0.41 0.09 0.29 1.00 0.31 -0.46 オレンジ社 -0.59 -0.11 0.19 0.09 -0.12 -0.13 0.31 1.00 -0.34 イエロー社 0.18 0.36 -0.28 -0.61 0.17 -0.18 -0.46 -0.34 1.00 企業h 企業i グリーン社 パープル社 ブルー社 レッド社 ブラウン社 ネイビー社 ピンク社 オレンジ社 イエロー社 グリーン社 1.00 0.10 0.81 0.68 0.36 0.20 0.00 0.02 0.49 パープル社 0.10 1.00 0.00 0.12 0.62 0.62 0.46 0.36 0.63 ブルー社 0.81 0.00 1.00 0.84 0.33 0.18 0.25 0.53 0.27 レッド社 0.68 0.12 0.84 1.00 0.28 0.25 0.13 0.43 0.00 ブラウン社 0.36 0.62 0.33 0.28 1.00 0.00 0.47 0.33 0.51 ネイビー社 0.20 0.62 0.18 0.25 0.00 1.00 0.58 0.32 0.30 ピンク社 0.00 0.46 0.25 0.13 0.47 0.58 1.00 0.57 0.10 オレンジ社 0.02 0.36 0.53 0.43 0.33 0.32 0.57 1.00 0.16 イエロー社 0.49 0.63 0.27 0.00 0.51 0.30 0.10 0.16 1.00

(5)

これより項目

z

を𝑧∗に固定した時の各企業間の 類似度を表す類似度行列を(12)式で定義する. 𝑺𝑧=𝑧∗ = [𝑠𝑧|𝑧=𝑧∗(𝑖, ℎ)] …(12) 𝑺𝒛=𝒛∗はn 行 n 列の行列となる.表 7 に協力者 1 の定義された総合類似度の類似度行列を示す. 表7 協力者 1 の総合類似度の類似度行列

6. 第一希望企業との総合類似度

ここで,実験協力者

z

が実験で選択した第一 希望企業を𝑖𝑧,1とする. 式(11)で定義された総合類似度𝑠𝑧(𝑖, ℎ)の企業iを 𝑖𝑧,1に固定した時,第一希望企業と各企業間におけ る総合類似度𝑠𝑧(𝑖𝑧,1, ℎ)の関係を示す. 図に協力者1 が選択した第一希望企業と各企 業間との総合類似度𝑠𝑧(𝑖𝑧,1, ℎ)の分布を示す.協力 者1 は第一希望企業にイエロー社を選択してい るため,総合類似度𝑠𝑧(𝑖𝑧,1, イエロー社) =1 とな る. 図 4 協力者 1 の第一希望企業と各社間の総合類似度

7. 選択企業間類似度

実験協力者

z

が実験で選択した第二希望企業 をℎ𝑧,2,第三希望企業をℎ𝑧,3とする. 協力者zが選択した第一希望企業と第二希望企業 との総合類似度を𝑠𝑧(𝑖𝑧,1, ℎ𝑧,2)と示す.同様に,協力 者zが選択した第一希望企業と第三希望企業との総 合類似度を𝑠𝑧(𝑖𝑧,1, ℎ𝑧,3)と示す. 選択企業間類似度𝑡𝑧は,協力者が選択した第一希 望企業と第二希望企業,および第一希望企業と第三 希望企業それぞれの総合類似度の平均値として(13) 式より定義する.

𝑡

𝑧

=

𝑠𝑧(𝑖𝑧,1,ℎ𝑧,2)+𝑠𝑧(𝑖𝑧,1,ℎ𝑧,3) 2

…(13) 第一希望企業との総合類似度は協力者が選択 した第一希望企業,重視項目4 つによって企業間 の類似度の分布が異なる. そのため,第一希望企業との総合類似度におい て各協力者が取り得る企業間類似度の最大値を 用いて検討する必要がある.

8. 上位企業間類似度

協力者

z

の第一希望企業との総合類似度 𝑠𝑧(𝑖𝑧,1, ℎ)において,第一希望企業以外で総合類 似度の数値が一番高い企業をℎ𝑧,2′ ,二番目に高い 企業をℎ𝑧,3′ とする. 上位企業間類似度𝑢𝑧とは,協力者

z

の第一希 望企業と類似度が高い企業2 社の総合類似度の 平均値として(14)式より定義する.

𝑢

𝑧

=

𝑠𝑧(𝑖𝑧,1,ℎ𝑧,2′ )+𝑠𝑧(𝑖𝑧,1,ℎ𝑧,3′ ) 2

…(14)

9. 一貫性

一貫性とは,協力者が選択した企業の類似度を 示す選択企業間類似度𝑡𝑧が,協力者が選択した第 一希望企業と総合類似度が高い企業群の上位企 業間類似度𝑢𝑧に対する割合を一貫性𝑣𝑧として(15) 式より定義する.

𝑣

𝑧

=

𝑡𝑧 𝑢𝑧 …(15) 企業h 企業i グリーン社 パープル社 ブルー社 レッド社 ブラウン社 ネイビー社 ピンク社 オレンジ社 イエロー社 グリーン社 1.00 0.07 0.79 0.64 0.27 0.15 0.00 0.01 0.37 パープル社 0.07 1.00 0.00 0.09 0.46 0.55 0.35 0.40 0.73 ブルー社 0.79 0.00 1.00 0.82 0.25 0.14 0.19 0.40 0.20 レッド社 0.64 0.09 0.82 1.00 0.21 0.19 0.10 0.33 0.00 ブラウン社 0.27 0.46 0.25 0.21 1.00 0.08 0.60 0.25 0.38 ネイビー社 0.15 0.55 0.14 0.19 0.08 1.00 0.52 0.24 0.31 ピンク社 0.00 0.35 0.19 0.10 0.60 0.52 1.00 0.43 0.08 オレンジ社 0.01 0.40 0.40 0.33 0.25 0.24 0.43 1.00 0.25 イエロー社 0.37 0.73 0.20 0.00 0.38 0.31 0.08 0.25 1.00

(6)

10. 考察

算出した一貫性の評価を行う.一貫性が高けれ ば,実験協力者が選択した第二,第三希望企業 (ℎ𝑧,2, ℎ𝑧,3)と第一希望企業との総合類似度において 数値の高い上位2 社(ℎ𝑧,2′ , ℎ𝑧,3′ )が含まれていると 考えられる. その事を示す指標として一致数を定義する.一致 数の取り得る範囲は{0,1,2}.一致数が 2 の時は 「ℎ𝑧,2とℎ𝑧,3ともにℎ𝑧,2′ と ℎ𝑧,3′ の両方が含まれる」 一致数が1 の時は「ℎ𝑧,2とℎ𝑧,3どちらかにℎ𝑧,2′ もし くは ℎ𝑧,3どちらかが含まれる」一致数が0 の時は 「ℎ𝑧,2とℎ𝑧,3ともにℎ𝑧,2′ と ℎ𝑧,3′ を含まない」事を意 味する. 図5 より,各協力者の一貫性と一致数の分布を 示す.一貫性の高い人ほど,一致数も高くなってい る事がわかる.この事から,企業選択の一貫性が高 い人は第一希望企業に類似している企業を選択して いる事がわかる.

11. まとめ

本稿は,企業選択の一貫性が高い人は希望企業と して選択した複数の企業は類似しているという仮説 から企業選択の一貫性の評価を行った.学生毎の重 視項目における第一希望企業と各社間の総合類似度 を用いる事で企業選択の一貫性の評価を可能にした. 今後は,一貫性が高い企業選択をしている人達の 企業情報比較時の視線行動の解析から一貫性が高い 希望企業選択をするための企業比較方法や情報収集 の仕方の解明を行う.

参考文献

[1]加藤里美 : 大学生の企業選好と価値観―コンジ ョイント分析を用いた探究的研究―, 日本経営診断 学会論集, 9 巻,pp.72-78, 2010. [2]大宮智江 : 学生の就職活動と企業の採用活動の ミスマッチ:マッチングフレーム考察の調査から, 川口短大紀要 ,24 巻,pp.63-76,2010.

[3]H. Uwano et al.: “Exploiting Eye Movements for Evaluating Reviewer’s Performance in Software Review”, IEIC

ETRANS.FUNDAMENTALS, VolE90-A,No10,pp.2290-2300, 2007. [4]和崎夏子 他: 日常経験が視覚探索の視線パター ンに与える影響, VISION,第 31 巻,No2,pp.55-66, 2019. [5]日本工業標準調査会:JIS Z 8513:2006 人間工学 ―視覚表示装置を用いるオフィス作業―視線表示装 置の要求事項,2006. [6]日本工業標準調査会:JIS Z 9110:2011 照明基準 総則 - 日本工業規格の簡易閲覧,2011.

連絡先

山形大学 工学部 野本弘平 (Email : [email protected]) 図 5 各協力者の一貫性と一致数

参照

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