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JICA草の根技術協力事業を通じた職員の育成

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Academic year: 2021

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(1)JICA 草の根技術協力事業を通じた職員の育成 令和元年度全国会議(水道研究発表会)令和元 . 11. (1−47)JICA草の根技術協力事業を通じた職員の育成 ○斗内 陸人(札幌市水道局) 最上屋 知弘(札幌市水道局) ○斗内 陸人 (札幌市水道局) (札幌市水道局) 秋田 啓志(札幌市水道局) 瀨戸 千恵 最上屋知弘 (札幌市水道局) 秋田 啓志 (札幌市水道局) 瀨戸 千恵 (札幌市水道局). 1. はじめに 札幌市水道局が初めて取り組んだ「JICA 草の根技術協力事業」の「モンゴル国送配水機能改善 協力事業」は、2018 年 11 月に成果報告会を催し、成功裏に終わることができた。本事業では、 一定の整備水準を達成している本市水道では経験できないような水道計画の策定に携わることが でき、職員の育成に大変役立つ機会となった。本論文では、事業に携わった職員に対する振返り アンケートの結果を通じて得られた人材育成の効果について紹介する。. 2. 事業概要 (1)事業採択までの流れ 事業が採択に至るまでには3回の現地調査と2回の提案書の提出を要した。2回の現地調査 に基づいて 2014 年に提出した1回目の提案書は、事業内容が広範囲にわたっていたことや JICA モンゴル事務所の現地の水道事業体(カウンターパート機関)に対する理解度が乏しかったこ とが要因となり、不採択となった。翌年、不採択の要因とされた指摘事項について見直し、内 容を精査した提案書を提出してようやく事業が採択された。 (2)事業の基本情報 プロジェクト目標 事業期間 派遣受入実績. 送配水機能改善計画の策定に必要な水道技術を習得した人材の育成 2016 年 2 月 1 日~2018 年 12 月 31 日 派遣:9 回(のべ 45 名、うち局職員のべ 37 名) 、受入:5 回(のべ 26 名). (3)活動概要 ウランバートル市郊外の副都心開発による水需要量の増加に合わせて、配水池やポンプ施設、 配水管網の拡張や更新など、送配水システムの改善計画を策定できる技術者の育成及びモデル エリアでの送配水機能改善計画の策定を目指した。 (4)派遣・受入研修に向けた事前準備 研修実施2、3か月前から関係職員へカリキュラムの共有を行い、講義資料の作成、TV 会 議への参加、必要に応じてグループワークの検討やカウンターパート機関が作成した送配水機 能改善計画案の修正を行った。 (5)研修内容 事業の前半は、水道に関する基礎的な知識の習得を目指して講義中心の研修を実施し、後半 は、送配水機能改善計画の策定に向けてグループワークを通じた技術的な指導を実施した。. 3. 振返りアンケートの実施 本市水道にとって初めての経験である草の根技術協力事業の効果や改善点を把握し、今後の国 際協力の取組へ活かしていくために、下記のとおり携わった職員に対するアンケートを実施した。 実施時期 対象者 目的 アンケートの項目. 2019 年 3 月 派遣や受入研修時に講師を担当した職員(27 名)※回答者:25 名 モンゴル草の根事業により得られた効果や改善すべき点を把握するため 事業に関わる前後の意識変化、得られた効果、通常業務の取り組み方の変化 等. 4.振返りアンケートの結果 (1)得られた知識・技術 各項目について、「とても感じる」を3点、「やや感じる」を2点、「あまり感じない」を1. ( 94 ).

(2) JICA 草の根技術協力事業を通じた職員の育成. 1. 事 務 部 門. 点及び「全く感じない」を0点として、平均点が 2.0 点以上を「◎」、1.0 以上 2.0 未満を「〇」、 1.0 未満を「△」として評価したところ次のような結果が得られた。 表1 派遣・受入経験ごとの得られた知識・技術 <派遣・受入経験ごとの傾向> 派遣のみ経験した職員と受入のみ経験した職員を比較 すると、実際に現地へ赴き、文化等の違いを肌で感じ取 ることが可能な「派遣経験」の方が、全体的に高い効果 が得られる傾向となった。 また、事業に深く関わることができる派遣・受入両方 を経験した職員は、より高い効果が見込める傾向となっ た。事業の背景や目的を把握したうえで指導内容の検討 や打合せ等の事前準備に携わっていたこともあり、特に 事業のマネジメントに関わる「スケジュール管理」の項 表2 年代別の得られた知識・技術 目で高い効果が得られた。 <年代別の傾向> 全体的に幅広い年齢層の職員が、本事業に関わること によって効果を実感していた。 20 代から 30 代の若手職員にとっては、経験年数が少 ないこともあり、事業に関わることで様々な「知識や技 術の習得」を図ることができたため、得られる効果が高 い傾向となった。 研修や事業の全体管理を行う立場の職員が多い 40 代の職員にとっては、「スケジュール管理」 の項目が他の年代と比較して高い傾向となり、中堅職員にとっても得られる効果があった。 50 代の職員にとっては、ベテラン職員ということもあり、本事業が自分自身の成長の場である という認識が少なく、これまでの経験を活かした他の職員へのフォローが活動のメインとなって しまい、他の年代と比べて得られる効果が少ない傾向となった。 (2)通常業務に対する取組の変化 通常業務の取組に対する変化を感じた職員は、回答者の約6割であった。具体的な変化につ いては、以下のような回答があった。 ●通常業務において、費用対効果などのコスト面や将来のことを意識するようになった。 ●本事業により、他部・課の職員とのコミュニケーションが円滑に図られるようになった。 ●海外の水道事業にも目を向けるようになり、日本の水道の良し悪しも考えるようになった。. 5. 振返りアンケートの総括 ほとんどの職員が、 「自分の成長のために積極的に関わりたい」と考えており、特に若手職員の 多くは、自分自身のために関わりたいという向上心と異国文化に触れてみたいという好奇心を持 って本事業に関わっていた。また、派遣、受入研修の関わり方によらず、研修の準備から当日の 研修を通じて基礎的な知識や技術の習得ができたと実感している職員は多く、研修や全体管理を 行う立場の職員にとっては、スケジュール管理や最大限の効果を意識しながら事業を進める経験 により、マネジメント能力向上につながるきっかけになったと考えられる。. 6. おわりに これまで本市水道局では多数国受入型の国際協力を主に取り組んできたが、本事業のように現 地への派遣を通じて、本市職員の技術力の向上だけでなく、モンゴルと札幌市との違いを認識し ていく中で、本市水道の強みを発見し、また、事業に対する異なった視点を養う貴重な機会とな った。このような経験は、「他の職員へ指導が行える職員の育成」「総合的なマネジメント能力を 持った職員の育成」 「幅広い知識を持った職員の育成」につながる貴重な実践の場にもなったこと から、今後も国際協力事業を継続していくことで職員の育成を図りたい。. ( 95 ).

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