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ペプチドを付加したアミロイド様ゲルの生物活性

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Academic year: 2021

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P-10

ペプチドを付加したアミロイド様ゲルの生物活性 大賀 有希子 1、葛西 晋吾 1、望月 麻友美 1、西 則雄 1 門谷 裕一2、野水 基義1 (北海道大学大学院地球環境科学研究科1、北里大学医学部) [目的] 基底膜の主要構成成分であるラミニンは、α、β、γの3つのサブユニット からなる糖タンパクで、組織特異的あるいは発生の各段階で特異的に発現し、細胞接 着、神経網再生、血管新生、創傷治癒、癌の増殖転移など様々な生命現象に関与して いる [1]。我々はこれまでに合成ペプチドや組み換えタンパクを用いて、種々のラミ ニン由来の生物活性ペプチドを同定してきた。最近我々は、これらの活性ペプチドの うち、ラミニンα1 鎖に由来するペプチド A208(AASIKVAVSADR)がアミロイド様 繊維を形成することにより、細胞に接着することをみいだした[2]。ここでは、A208 にインテグリンに特異的に結合する RGD配列を含むペプチド GRGDSGを結合させる ことにより、インテグリンと IKVAV レセプターの両方に作用するアミロイド様繊維 からなる機能性ペプチドゲルの創製を目指した[3,4]。 [実験方法] ペプチドは、マニュアル Fmoc 固相合成法を用いて合成し、HPLC で精 製したのち assay に用いた。Milli-Q 水に溶かしたペプチドと PBS に溶かしたコンゴレ ッドを混合し、37℃で 24 時間インキュベーションした後、300? 700nm の吸収スペク トルを測定した[5,6]。細胞接着活性の測定は、まず Milli-Q 水に溶かしたペプチドを プレートにコートし、一晩クリーンベンチ内で風乾させた後、ヒト皮膚由来の繊維芽 細胞を加え 37℃で一時間インキュベーションした。接着した細胞をクリスタルバイオ レットで染色して吸光度を測定することにより定量した。ペプチドをコートしたプレ ートに、細胞と 5 mM EDTA あるいはヘパリン(100 µg/ml)を加えて細胞接着活性を 測定することにより、細胞接着に及ぼす EDTA あるいはヘパリンの影響を測定した。 [結果・考察] GRGDSG を A208 や A208 のスクランブル( AASVVIAKSADR、以下 A208S と表記する)に結合させたペプチド、FN-A208、FN-A208S、RGD のスクラン ブルペプチド(RSGGDG)を A208、A208S に結合させた、 SC-A208、SC-A208S を 作成し、アミロイド様繊維形成と細胞接着活性を測定した。これら4種類のペプチド をコンゴレッドで染色し、それぞれの吸収スペクトルを測定したところ、FN-A208 と SC-A208 は、コンゴレッドがアミロイド構造に結合した時にみられる特徴的な吸収の ピークがみられた。しかし、FN-A208S と SC-A208S ではみられなかった。これらの 結果は、FN-A208 と SC-A208 がアミロイド様繊維を形成していることを示唆してい る。また、繊維芽細胞を用いてこれらのペプチドの細胞接着活性を調べたところ、 FN-A208、SC-A208 は活性を示したが、FN-A208S、SC-A208S は活性を示さなかった ことから、細胞接着にはアミロイド様構造形成によるゲル化が重要であることが示唆 された。さらに、これらのペプチドゲルの細胞接着に及ぼすヘパリン及び EDTA の影 響を調べたところ、SC-A208 の細胞接着活性はヘパリンによって 50%程度抑制された が、EDTA の影響は受けなかった。FN-A208 の細胞接着活性はヘパリンと EDTA によ って各々約 50%抑制された。これらのことから、FN-A208 はインテグリンと IKVAV レセプターを介して細胞に接着していることが示唆された。以上の結果から、RGD の機能を持った IKVAV ペプチドのアミロイド様繊維からなる機能性ペプチドゲルが創

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製できることがわかった。このような複数の機能を持ったゲルは、組織工学や再生医 学の分野に応用できると考えられる。

[参考文献]

(1) Colognato, H. and Yurchenco, P.D. (2000) Dev. Dyn. 218, 213-234

(2) Yamada, M. Kadoya, Y., Kasai, S., Kato, K., Mochizuki, M., Nishi, N., Watanabe, N., Kleinman, H.K., Yamada, Y. and Nomizu, M. (2002) FEBS Letters 530, 48-52

(3) Ruoslahti, RE., and Pierschbacher, M.D. (1987) Science. 238, 491-497

(4) Tashiro K., Sephel G.C., Weeks B., Sasaki M., Martin G.R., Kleinman H.K. and Yamada Y. (1989) J. Biol. Chem., 264, 16174-16182

(5) Glenner, G.G., Eanes, E.D., and Page, D.L. (1972) J. Histochem. Cytochem. 20, 821-826 (6) Klunk, W. E., Jacob, R. F., and Mason, R. P. (1999) Anal. Biochem. 266, 66-76

[キーワード] ラミニン、アミロイド、ペプチド、細胞接着 A 2 0 8 R G D イ ンテグリ ン

unknown

IKVAV-receptor

IK V A V の アミロ イド様繊 維 ( A 2 0 8 )

RGD

cell GRGD SGA A SIK V A V SA D R

RGD を付加したペプチド(FN-A 2 0 8 )

図1 ペプチドを用いた機能性ゲルの作成

ラミニン-1

アミロ イド様繊 維 細胞 アミロイド 様繊維 アミ ロイド様 繊維へ の細胞接 着

参照

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