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保健所におけるHIV抗体検査来所者の受検動機発生から来所までの行動と不安

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Academic year: 2021

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平成11年4月15日 第46巻 日本公衛誌 第4号 275

保健所におけるHIV抗体検査来所者の受検動機発生から

来所までの行動と不安

タカハシ サチエ 高橋 幸枝 ヤマザキ ヨシヒコ 山崎喜比古 カワタ チエコ 川田智恵子 目的 国内のHIV感染者/AIDS患者数は増加し続けているにも関わらず,保健所HIV抗体検 査来所者数は減少の傾向を示している。そこで,検査来所者の受検動機と検査来所逡巡状況 に関連する要因を明らかにする目的で調査を実施した。 方法 調査協力を得られた日本国内17ヵ所の保健所(関東以北9ヵ所,関東地方3ヵ所,関東以 西5ヵ所)に来所した,検査結果告知後に本調査の主旨およびプライバシーの保護について 説明し協力を得られた検査受検者に筆者らが作成した自記式質問紙調査票を配布した。回収 は,保健所内に設置した回収箱に投函してもらう方法と郵送法を併用した。調査は1995年 8∼12月に実施し,回収した調査票のうち233人(67.0%)を有効回答とした。調査票の回答 をもとに属性,検査来所までのエイズに対するイメージや不安行動状況,受検動機などに関 する各項目についてクロス集計および検定を行った。さらに検査来所を逡巡した群と逡巡し なかった群にわけ,多重ロジスティック回帰モデルを適用し,関連要因を検討した。統計解 析にはSPSS 6.1J for Windowsを使用した。 成績 分析対象者は男性146人(62.7%),女性87人(37.3%)であり,年齢は15∼76歳で,平均 年齢は男性が有意に高かった。HIV抗体検査を今回初めて受けた人は男性103人(70.5%), 女性72人(82.8%)であった。受検動機で最も多かったのは「将来や今のパートナーに感染 させたくなかったから」,「これ以上不安なままでいるのがいやだから」,「コンドームなしの セックスをしたことがあるから」が男女ともに率が高かった。男性で検査を考えはじめてか ら受検を決意する段階で「誰かのアドバイスやサポートがあったから」と回答した率が有意 に高くなっていた。検査来所前,検査受検をすぐに決意し行動できず逡巡した人は,分析対 象者のほぼ半数であった。多重ロジスティック回帰分析を行ったところ,検査来所逡巡要因 として,検査決意時の感染可能性の自覚が高いこと,感染していれば別に体調が悪くなくて も仕事(学校)を続けられないと思っていること,が関連していた。 結論 本研究対象者の半数はHIV感染の可能性があると気づいてから実際に検査来所するまで に逡巡していた。その関連要因からは,HIV/AIDSに対する偏見・差別不安が依然として 強く感じとられていることが明らかとなった。

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