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Academic year: 2021

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A04

ウェーブレット変換を用いた広帯域震源インバージョン手法の開発

Wavelet domain inversion for estimating broadband source process

〇 鈴木亘・岩田知孝

〇 Wataru Suzuki, Tomotaka Iwata

Estimating the source process from broadband strong motions is recent challenging issue. We try to reveal it using the wavelet coefficients as a target of inversion. Introduction of wavelet transforms makes it possible to evaluate the fitting between the observed and synthetic seismic records according to its frequency-dependent characteristics. For low-frequency range, target is a time series of wavelet coefficient itself, while that for high frequency is a series of the absolute value of wavelet coefficient. We confirm the validity of this new inversion method by numerical test and apply it to the 2000 Western Tottori earthquake.

1.はじめに 1Hz 以下の低周波数強震記録による震源インバ ージョンは詳細な震源過程を明らかにしてきた. 震源の物理の理解を深め,強震動予測のための震 源のモデル化を考える上で,さらに高周波数帯域 まで含む広帯域強震動放射の時空間分布を解明し, その周波数依存性を検討して,震源での広帯域強 震動生成過程を知る必要がある.このような試み としてMiyake (2003)は,周波数領域のインバー ジョンにおいて高周波数ほど位相の重みを小さく することにより,周波数ごとの強震動放射強度分 布を推定した.浅野・岩田(2007)は低周波数(1 Hz 以下)の速度波形と高周波数(1Hz 以上)の加速 度エンベロープをターゲットとして,断層面上の すべり量,最大すべり速度,破壊時刻分布の推定 を行うJoint source inversion 法を提案している. 本研究では,強震記録のウェーブレット係数に着 目し,周波数帯域毎の地震波特性に応じた評価を 行うことによる広帯域震源過程を推定する新しい インバージョン手法の構築を行う. 2.インバージョン手法 波形合成には,高周波数帯域まで含む広い周波 数帯域の波形を再現することのできる経験的グリ ーン関数法を用いる.Ji et al. (2002)の震源イン バージョンに倣い,Yamada and Ohkitani (1991) で提案された Meyer-Yamada のウェーブレット を基底として速度波形を変換したウェーブレット 係数を評価対象とする.このウェーブレットは周 波数帯域でコンパクトサポートであり,効果的な 帯域制限フィルタとして働く.高周波数帯域のウ ェーブレット係数列は地震波形同様に位相の変動 が激しく,位相まで含めて合成記録を観測記録に 合わせることは困難である.そこで低周波数帯域 では係数列そのものを合わせ,高周波数帯域では 係数列の振幅のみを合わせるエンベロープ的な評 価を行うことで,広帯域強震動のフィッティング を図る.推定する未知変数は,各小断層での相対 的なすべり速度強度と破壊時刻とする.この逆問 題は非線型なので,非線型最小二乗法の反復解法 により未知変数の推定を行う. 3.2000 年鳥取県西部地震への適用 2000 年鳥取県西部地震は観測点分布が良好で あること,詳細な低周波数震源像が得られており 結果の比較検討が可能であることから,開発した 手法の有効性を検討するのにふさわしいと考えら れる.まず手法の妥当性を検証するために,鳥取 県西部地震を模した問題設定による数値実験を行 った.小地震記録の S/N 比を考慮して 0.2-0.39, 0.39-0.8, 0.8-1.6, 1.6-3.2 Hz の4帯域に対応する ウェーブレット係数を用い,1.6 Hz を境に低周波 数帯域と高周波数帯域に分け,前述のように評価 法を変えている.破壊時刻はすべり速度強度に比 べてインバージョンでの感度が低く,分布の再現 性は初期モデルの破壊伝播速度に依存しているこ とが分かった.破壊伝播速度が適切に設定されて いれば,記録にノイズが付加された場合について も,仮定した強度分布は良好に再現されることが 確認された.また低周波数帯域のみ,高周波数帯 域のみを用いたそれぞれ解析でも,仮定した分布 はよく再現された.実データを用いて,低周波数 帯域と高周波数帯域についてすべり速度強度と破 壊時刻分布の推定を行っている.

参照

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