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ラットにおける吸入麻酔薬の血清中酸化還元酵素およびビタミン類濃度に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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60 (17) 氏名(生年月日) :本    籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

タニ   グチ    ヨシ    エ

由枝(昭和37

博士(医学) 甲第208号

平成4年3月13日

学位規則第4条第1項該当(医学研究科専攻,博士課程終了者)

ラットにおける吸入麻酔薬の血清中酸化還元酵索およびビタミン類濃度に及

 ぼす影響 (主査)教授 藤田 昌雄

(副査)教授香川  順,新田 澄即

吟 文 内 容 の 要 旨

 目的  生体はフリーラジカル(FR)に対する防御機構とし て,FRスカベンジャー(FRSc)を備えている.ラッ トに4種類の吸入麻酔薬を濃度別,時間別に吸入させ, 血清過酸化脂質(LPO)やFRScであるスーパーオキ シドジスムター・ビ(SOD)活性,グルタチオソ(GSH), α・トコフェロール(VE),アスコルビソ酸(V.C)を 測定し吸入麻酔薬のFR防御機構に与える影響につい て比較検討した.  対象および方法  10週齢のSPF・Wister系雄性ラットを24時間絶食 させて用いた.麻酔薬は,ハロセン(F),エンフルレ ン(E),イソフルレン(1),セボフルレソ(S)を用い, 各々の麻酔薬と笑気(G)70%,酸素(0)30%を混合 し,GOF, GOE, GOI, GOS群とした.吸入時間は3 時間,吸入濃度は最小肺胞濃:度(MAC)を基準に1

MAC,2MAC,3MACの3段階とし,計12群(n=5)

に分けた.対照はair吸入群(Air群)と,笑気と酸素 を7:3の割合の吸入群(GO群)の2群(n=10)と し吸入時間は各々3時間とした.またGOF, GOE, GOI, GOS群の各群(n=5)について吸入濃度を2 MAC,吸入時間を1時間(1hr)と3時間(3hr)に分 けて実験を行った.対照はAir群, GO群を各1hr,3hr の4群(n=10)に分けた.吸入終了後の血清について LPO, SOD活性およびV.Cは比色法で, VEは高速液 体クロマトグラフィー法で,GSHは全血を用いて比色 法で測定した.各群危険率0.01以下を有意差ありとし た.  結果  1.悟入濃度別の血液生化学検査値  1)V.Cは,全ての麻酔薬の各濃度群で, Air群, GO 群のいずれと比較しても値は約1。5~2倍となり,有意 に増加したが,濃度依存性はなかった.  2)SOD活性は,各麻酔薬で,吸入濃:度の増加に伴い 減少傾向がみられた.  3)GSH, LPOおよびVEは, Air群, GO群のいず れと比較しても,有意な変化はみられなかった.  2.2MACでの吸入時間別の血液生化学検査値  1)V.Cは全ての麻酔薬で,1hrおよび3hr吸入とも Air群, GO群のいずれと比較しても1hrおよび3hrの 値は有意に増加し,また1hrより3hr吸入させた群の方 が増加傾向にあった.  2)SOD活性はGOI 3hr群がAir群, GO群のいず れと比較しても有意に低下し,吸入時間による変化は GOS群の3hrで1hr吸入に比し有意に低下した.  3)GSH, LPOおよびV.Eに関しては,全ての麻酔 薬吸入群においてAir群, GO群のいずれと比較して も有意な変化はみられず,さらに吸入時間による差も みられなかった.  考察  4種類の吸入麻酔薬は,LPOやVE, GSHに有意な 影響を与えないが,V.Cを著しく増加させた.これは, V.CがFRScとして動員されたとは考えにくく,生体 が異物を採取した場合,チトクロームP-450系酵素活 一664一

(2)

61 性が誘導されV℃の合成増加が起こるという報告を 考慮すると,吸入麻酔薬などチトクロームP-450系を 介して代謝される薬物が摂取されると,その代謝過程 で酵素活性が誘導され,V℃産生が充進したと考えら れた.また高濃度麻酔薬吸入時のSOD活性の低下は, 生体内のFR反応を示唆していると考えられた.  結語  低濃度の吸入麻酔薬は,その代謝過程で同時に生体 異物認識による酵素活性が誘導され,V℃産生が充進 しV.Cを増加させることが考えられた.さらに,吸入 濃度が増加すると,SOD活性の低下を招くようなFR 反応を起こしている可能性も示唆された.

論 文 審 査 の 要 旨

 本論文は,ハロセン,エンフルレン,イソフルレン,セボフルレンなどの吸入麻酔薬が,フリーラジカルに 対する防御機構に与える影響を比較検討したもので,これら4種類の吸入麻酔薬は,血清過酸化脂質,グルタ チオン,α一トコフェロールに有意な影響を与えないが,これら吸入麻酔薬の代謝過程で酵素活性が誘導されて アスコルビン酸を著しく増加させ,また高濃度麻酔薬吸入時のスーパーオキシドジスムターゼ活性の低下を招 くようなフリーラジカル反応の可能性を示唆したもので,学術的に価値ある論文である. 主論文公表誌 ラットにおける吸入麻酔薬の血清中酸化還元酵素お  よびビタミン類濃度に及ぼす影響   東京女子医科大学雑誌 第62巻 第3号   277-286頁(平成4年3月25日発行) 副論文公表誌 1)筋弛緩薬におけるプライミング法の臨床的検討   一パンクロニウムとベクロニウムの比較一.麻   酔 40(11):1659-1665(1991)古谷幸雄i,谷   口由枝,新 健治,立花千秋,佐藤啓子,大江   容子 一665一

参照

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