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実験的心筋梗塞犬におけるプロスタグランジンI2ならびにOP41483の循環動態に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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110 氏名(生年月日)

本 籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

(31) ノ ムラ コ

野村ゆう子(昭和

医学博士 乙第1109号

平成2年9月21日

学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)

実験的心筋梗塞犬におけるプロスタグランジン12ならびにOP41483の循環動

態に及ぼす影響 (主査)教授 藤田 昌雄 (副査)教授 新田 澄郎,福山 幸夫

論 文 内 容 の 要 旨

目的 プロスタグランジン12(PGI2)およびその誘導体で あるOP41483(OP)は,虚血性心疾患の新しい治療薬 として注目を集めているが,麻酔中における両薬剤の 使用についての報告は少ない.そこで,近年増加して いる虚血心を合併する患者の低血圧麻酔への臨床的応 用を考慮し,正常麻酔犬ならびに実験的心筋梗塞犬に ついて,PGI2およびOPによる低血圧時の循環動態と 心筋組織血流量(MBF)に及ぼす影響を検討した. 方法 雑種成犬20頭を用い,50%笑気とベントバルビター ル・パンクロニウムで気管内麻酔を行い,適正換気で 維持した.正常麻酔犬を2群に分け,平均動脈圧を約 20%低下させるPGI20.1μg/kg/minおよびOP O.5 μg/kg/minをそれぞれ15分間静注し,その後薬剤投与 を中止して血圧を回復させた. 次に冠動脈前下行枝を結紮して実験的心筋梗塞犬を 作製し,両薬剤を同様に投与した.心拍数(HR),ヰ 均動脈圧(MAP),中心静脈圧(CVP),平均肺動脈圧 (MPAP),左房圧(LAP),左室圧(LVP),心拍出量 (CO)を測定し,体および肺血管抵抗(SVR&PVR),

左室仕事量(LVSW), cardiac e伽rt index(CEI),

左室maxdp/dt(LVdp/dt)などを算出した. MBFの 測定には水素クリアランス法を用い,虚血心では健 常・隣接・虚血の3部位に分けて測定した.各測定値 については,平均値±標準誤差を求め,正常心・虚血 心それぞれの対照値に対するpaired-T・testを行い p<0.05を有意差ありとした. 結果と考察 PGI20.1μg/kg/minおよびOP O.5μg/kg/min投 与により,正常心・虚血心いずれにおいてもHR, CO は変化せず,svR, MAPは有意(P<o.05)に低下し た.前負荷には変動を認めなかった.また,正常心・

虚血博いずれにおいてもLVdp/dtは変化せず,

LVSW, CEIは有意(p<0.05)に減少した. MBFに 関しては,正常心および虚血心の各部位において有意 な変動を認めなかった. PGI2ならびにOPは,強力な冠血管・末梢血管拡張 作用,血小板凝集抑制作用,細胞膜安定化作用などを 有することから,虚血性心疾患に対する新しい治療薬 として注目されてぎた,本研究の結果より,PGI20.1 μg/kg/minおよびOP O。5μg/kg/minは循環動態と 心筋組織血流量に対してほぼ同等の影響を及ぼすこと が確認された.また,両薬剤は正常心・虚血心いずれ においても心拍数,心拍出量を変化させることなく速 やかに血圧を低下させ,心筋酸素需給平衡を維持する ことから,虚血心を合併する患者の低血圧麻酔に適応 があることが示唆された, 結論 正常麻酔犬ならびに実験的心筋梗塞犬について,

PGI2およびOPの循環動態と心筋組織血流量に及ぼ

す影響を検討した.その結果,両薬剤は心筋酸素需給 平衡の面から,麻酔中の循環管理とくに虚血性心疾患 を合併する患者の低血圧麻酔に有用であることが示唆 一720一

(2)

111 されたが,PGI2の化学的不安定性を考慮すると化学的 に安定なOPがより使用しやすいと考えられた.

論 文 審 査 の 要 旨

本研究は,プロスタグラジン12とその誘導体であるOP41483による低血圧麻酔下でも,心拍数心拍出量を 変化さぜることなく心筋酸素需給平衡を維持することを実験的心筋梗塞犬について証明した.虚血心合併患者 への低血圧麻酔の応用の可能性を示唆したもので,学術上価値ある論文である. 主論文公表誌 実験的心筋梗塞犬におけるプロスタグラジン12な らびにOP41483の循環動態に及ぼす影響 東京女子医科大学雑誌 第60巻 第3号 290~301頁(平成2年3月25日発行) 副論文公表誌 1)口蓋裂手術の麻酔管理 東女医大誌 53(9):980-984,1983 2)アセブトロールの正常心ならびに虚血心に及ぼ す影響 麻酔 33(10):10884094,1984 3)ドパミン。ドブタミン併用の正常心ならびに虚 血心に及ぼす影響 麻酔 34(9):12164222,1985 4)プロスタグランジンE1の正常心および虚血心 に及ぼす影響 麻酔 35(7):1035-1041,1986 5)褐色細胞腫摘出手術における糖代謝管理一17症 例の検討と術後低血糖発作について一 日臨麻誌 6(2):189-195,1986 6)フェタニール・ジアゼパム併用の正常心ならび に虚血心に及ぼす影響 麻酔 36(3):370-376,1987 7)イソフルレン麻酔の循環動態に及ぼす影響 臨床麻酔 11(11):1417-1420,1987 8)ノルエピネフリン単独および併用の正常心なら びに虚血心に及ぼす影響 麻酔 36(12):1901-1907,1987 9)仙骨麻酔中,リドカインによると思われる心停 止をきたした1症例 臨床麻酔 12(8):1083-1085,1988 10)術直後より遺残胎児循環をきたした先天性横隔 膜ヘルニアの1症例 臨床麻酔 41(1):43-46,1990 一721一

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