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強力断続切削用新高速度工具鋼YXM62の特性

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U.D.C.る占9.14.018.252.3:占る9.15′25′2る′27′28′292_194,3

強力断続切削用新高速度工具

YXM62の王特性

New

High

Speed

TooISteelYXM62for

Severe

lntermittent

Cutting

ホブ,ピニオンかソタなどの切削工具には,一般にSKH55級の高速度工具鋼が 使用されているが,被削材の雉削化,切削条件の高速高送り化に伴い,SKH55で は耐久性が短く,更に高級な高速度工具鋼では刃欠けが起こる場合が多く,これら の切削条件に耐える新しい高速度工具鋼の開発が要求されていた。YXM62はその 要求に応ずるもので,本鋼の基礎的な性質,すなわち,熱処理特性,機械的性質, 耐摩耗性,耐熱性,切削耐久性などを従来鋼のSKH55,YXM60などと比較し, 本鋼が開発目的を十分に達成する新材料であることを述べた。これは本鋼の炭化物 偏析が少なく,中粒のMC,M6C炭化物が多く,耐熱性の高いマトリックス成分に 調整されていることによるものである。 l】

言 耐熱合金,高強力鋼などの難削材切削用高速度工具鋼とし て,AISI,M40シリーズが華々しく登場したのは1960年代 初頭であった。我が国でもこの系に対する多くの研究あるい は試験が行なわれ,日立金属株式会社ではYXM601)が開発 された。現在,エンドミル,タップ,ホブ,リーマのほか, 超仕上用電気かんな刃材,高い圧縮応力のかかる冷間庄造パ ンチ類に使用されている。更に,1970年代に入り粉末高速度 工具鋼が登場し,高速度工具鋼の歴史に新しい一ページを加 えつつある。一方,顧客のニ【ズに応ずる地道な新材料の開 発も着実に進められており,YXM62はその代表的な一つで ある。 本稿ではYXM62開発の背景,その特性,使用例などにつ き紹介する。 同

YXM62開発の経緯

耐熱性,耐†肇耗性及び靭.性の優れた新材料の開発は,高速 度工具鋼分野での恒常的なテーマである。しかし,耐熱性, 耐摩耗性と敵性は共に相反する性質であり,三者を同時に改 善することは困難である。したがって,その妥協点は問題と なる実用工具の要求性能によって決定される。現実問題とな っている具体例に次のものがある。 (1)HRC25∼35の硬質被削材切削用の大形荒切り用ホブ

(2)難削材切削用,太物エンドミル及び荒切り用エンドミル

(スクリュー・エンドミル)

(3)高速ピニオンカッタ

通常これらの用途に対し,SKH55が適用されているが, SKH55では摩耗が多いので,硬さの高い更に高級なYXM 60,AISIM42にすると刃欠けの問題があり,またSKH57 では研削性に難点があった。そこで,次のH標のもとにW量, Mo量,C量,Co量,及びⅤ量の範囲について広範な研究を 行ない,その結果,YXM62を完成した。そのねらいは,

(1)HRC66以上が無理なく出せる。

(2)SKH55以上の耐熱性,耐丁字耗性を持つとともに,同等

の革馴生を持つ。

(3)製品サイズが大きくなっても,敵性の低下が少ない。

清永欣吾*

方Jyo叩α方よれタ0 表l 高速度工具鋼の化学成分(wt%) 本論文に使用Lた主要な高 速度工具鋼の化学成分について参考のために示Lた。 1綱 種 C Si Mn Cr W Mo ∨ Co SKH55 0.85 0.30 0,30 4.10 6.00 5.00 2.00 5.00 SKH57 l.25 0,30 0.30 4.10 10,00 3.50 3.50 lD.0() AISIM42 l.10 0.30 0,30 4.00 l.50 9.50 l.10 8.00 SKH9 0.85 0,30 0.30 4.10 6.00 5.00 2.00 AISIM34 0.90 0.30 0.30 4.00 2,00 8.00 2.00 8.00 以下,YXM62の主要な性質と切削性能について述べる。 なお,表1に代表的な高速度工具鋼の化学成分について参考 のために示した。 田

主要な性質

3.1 熟処王里 YXM62は化学成分の調整により一次炭化物の縞二状偏析が 少なくなるようにコニ夫されている。鋳造時に生ずる共晶レー デブライトの偏析幅が,従来鋼よr)狭くなるように成分配合 されているので,図】に示すように鍛錬係数の低い状態でも 炭化物偏析が少なく,したがって葺及性も高い。通常の圧延加 工状態で3∼5/∠のⅤを主体としたMC炭化物と多数の1∼3/∠ のM6C炭化物とを含む。焼なましラ且度8600cで焼なまし硬さ HB235-285が得られる。 図2に焼入i見度とオーステナイト結晶粒度の関係を,図3 に焼入れ,焼もどし?且度と硬さの関係を示すが,この結果よ

り焼入温度として1,180-1,2200c(標準1,2000c)が適当なこ

とが分かる。 3.2 鞍性試験 3.2.1抗折試験・衝撃試験 抗折試験,シャルピー衝撃試験を行ない,SKH55,YXM 60との比較を行なった。いずれも約40mm九圧延棒鋼より試験 片を削出したもので,結果を図4及び図5に示す。抗折力は HRC66.5以下でSKH55とほぼ等しく,HRC67以上ではYXM 60にほぼ等しい。焼入温度1,2200c以上では敵性の低下が著 * 日立金属株式会社安来工場工学博士

(2)

510 日立評論 VO+.59 No.6(I97ト6) (∂)SKH55(X100) (b)YXM62(×川0) 図I100m叫銅材におけるSKH55とYXM62の炭化物偏析状況の比較 YXM62はSKH55と比較して,一次炭化物の偏析度合が少ない。 (輔二卜斗-へ八-こ軸望鴫恕+†人心K-七 ごU 4 2

0 、 0

1.1∈iO 1.180 焼入温度(□c) 1.200 1.220 図2 YXM62の焼入温度とオーステナイト結晶粒度の関係 高速 度工具鋼の焼入時のオーステナイト結晶粒度は,12以上が必要である。YXM62 ではl′2000c以上の焼入温度で粗粒化が激Lくなるが,】′2200cまでは使用可能 の範囲である。 しく,1,1800cでは焼もどし硬さが出にくいので、1,200±10 0cが最も適当な焼人温度と判定される。シャルピー衝撃試験 (10m皿Cノッチ)では焼入温度の効果が大きく,焼もどし温度 の効果は比較的少ないが,抗析試験の場合と同様,YXM62 はSKH55とほぼ同等の軌性を示すことが分かる。 3.2.2 破壊粗性試験 ASTM E399Compact-Tension試験片(厚さ13mm)に表2 の熱処理を施し,硬さと平面ひずみ破壊敵性値足.。の関係を 求めた。結果を図6に示す。YXM62の∬1。は硬さの低下に つれて,ほぼ直線的に増加し,その延∴良線は高島2)らによっ てSKH9で求められた直線と【一致する。すなわち,高速度 工具鋼の∬1。は鋼種,熱処理条件及び組織によりさほどの影 響を受けず,主としてマトリックス硬きによって変化するこ とを示している。 68 66 4 6 (0芸)仙世+∼心ヰ壁 2 6 60

●一 ̄●\

岸モ

一-■■■■■■■■■■■■・△ り80dc 連続焼もどL 各温度で1時間×1回もどL 1,220∂c焼入れ 1.200〇c 瓦7

1,160〇c △▽ ヽ X ヽ

焼入れのまま500 520 540 560 580 600 焼もどL温度(dc) 図3 YXM62の焼入れ,焼もどし硬さ 高速度工具鋼の適当な焼も どL温度は560-5800cである。二の焼もどし温度でHRC66以上得るためには, l′180Qc以上の焼入温度が必要である。 500 0 「〇 4 (芸∈\望)只 富 治 0 0 4 350 , 、--X、 ■■0 YXM62(1,18ぴC) YXM62(1,2000c) SKH55(1,220¢c) l l YXM62(1,2200c)l

Tフ

YXM60(1,1800c) 試料形式:5≠×70J スパン:50J 三点荷重方式 \ ヽ l

ヽ ヽ 63 64 65 68 (57 硬 さ(HRC) 68 図4 杭折試験における抗析力と硬さの関係 図中の括弧内の数字 は焼入温度を示す。】.220℡c焼入れではYXM62の抗析力低下が激Lい。l′柑0∼ I.2000c焼入れではSKH55とほぼ同程度の杭折力を示す。

(3)

SKH55(1,2300c) 6 4 2 0 8 尺U 4 1 1 1 1 0 0 0 (N一ヒ0\∈・豊)塑掛挺-山ミキ< 0.2 0 ●

〒奄プ

YX YXM62(1,2000c) YXM60(1,柑00c)

○、7-。ヾ、く

YXM62=,220UC 64 65 66 67 硬 さ(HRC) 注ニ ノッチ形状10mmR,C形ノッチ図中の括弧内 の数字は焼入温度を示す。 68 図5 硬さとシヤルピー衝撃値の関係 YXM6Zの衝撃値は.SKH55 同等以上であることが示されている。 50 0 4 (N∈∈\∈巨\豊)二屯 30

SKH92)

\く

、\、

ノト

\○ゝ。

YXMei2 (1,180焼入れ) YXM62 (1,200焼入れ) SKH55 ●

/

YXM60 △ 64 65 66 67 68 硬 さ(HRC) 図6 硬さと破壊靭.・性値打1。の関係 YXM62のKl。は硬さの低下につれ てほぼ直線的に増加し,その延長線はSKH9で求められた直線関係と一致する。 打撃荷重:1.5∼16.Okg 打撃高さ:40mm 打撃数/分:20回√′′′min

打撃槌(鯛)喜子藁豪ふ=:4笥

l 試験片 試 料 台 支点 90度 カム バランスウエート 図7 チッビング試験機の概略図 試験片の端部稜線に種々の荷重の 打撃が繰返しかけられるようになっている。打撃荷重は試験前にばね秤で秤量 される。 強力断続切削用新高速度工具鋼YXM62の特性 511 表2 破壊筆削生試験片の熱処理条件 ASTM E399Compaction一丁en-sion試験片を用いて熱処理を行なった。焼入れソルト浸漬時間は130秒,冷却は 油冷,焼もどしは環状電気炉でl時間3回空冷の条件で行なった。 て綱 種 焼 入 焼 も ど し 硬 さ YXM62 l.1800c 5600cx(l+l+l)h HlモC6了.l // 5800cx=+l十l)h 65.9 l′2(〕00C 560-cx= +l+l)h 68.1 580Dcx=+l十】)h 6了.0 YXM60 l′180bc 5800cx(l十l+l)h 67.3 SKH55 】.230Dc 5600cx=+】十l)h 66,6 8,0 (U 7 ∩) 6 (望) 喜(、脚壮齢卜什昧盟 5.0 4.0

L。.

■■▲(刃先角度70度)

YXM60(1,1800c) A】S‡、M34 ∇ヽ0 l ヽヽ 1 ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ

(1.200Dc)\

l l P/M・SKH57(1,220□c)

いレ、

.\㌔.

YXM62(1.2000c) SKH55(1,2200c) 65 (;6 67 68 硬 さ(HRC) 図8 チッビング試験結果 P3耶とは300回の打撃でチッビングを生ずる 最低打撃荷重を示す。YXM62の耐チッビング性はYXM60,AISl,M34より優 れ,SKH55と同程度である。粉末ハイス(P/M・SKH57)は高い硬さ土或でも高い耐 チッビング性を示す。 3.2.3 繰返し打撃によるチッビング試験 できるだけ七踊りご状態にjせい条件で刃先に維jJ呈し打撃衝撃応 力が加わるような`;式験機を[王什磐望作し,瓜†チッビング性占∫し験 を行なった。試験機のJ京理図を図7に示す。すなわち,バラ ンスウエートで什二占てに荷重が餐えられる超碩打撃槌により, 作意の刃先角に仕上げた試験什刃先稜線に沿って練返し打撃 荷重を加え,ナッピングが発生するまでの打撃数を測定する 仕組みになってし ̄、る。図8に300回の練返し打撃でナッピン グが発′主する拉′トの打撃荷重P3。。と碩さの関係を示す。YXM 62グ〕一帖チ、ノビング性はSKH55とほぼ同等であり,HRC67以 上では,むしろイっ生れている。粉末ハイス,P/M・SKH57も 同時に試験しているが,HRC67以上でl肘ナッピング性の机下 の少ないことが牛与に注目される。 3.3 摩耗試験 大越式摩耗試験機により各鋼種の耐†蟹耗件の比較を行なっ た。才筆擦速度2∼3m/sの比J肇耗品は経験的に実用切削工共 の耐久性と比較的よ く,-ご改しているが,図9に示すようにこ の範開では,比丁字耗去主はSKH57<YXM62≒YXM60< SKH55の順であり,YXM62のねらいどおりのl抑賛耗性を 示していることが分かる。

(4)

512 日立評論 VO+.59 No.6(19了7-6) ×10▼7 1.5 柵1・0 1十P 十昧・ 徴 .⊥.⊃ +▲1 0.5

/(

′ ′ 最 終荷重:6.8kg 摩擦 距 離:400mm 相手リング材:SCM21 乾 式 SKH55(HRC66.4)

)・一′一

′YXM60 RC6(∋.6 ′ ′ ′ ′

常′′

ノ ▲′ ′ ′ SKH57(HRC67.3) ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ 1.0 2.0 3.0 摩擦速度(m/s) 図9 大越式摩耗試験結果 YXM62の耐摩耗性は,YXM60と同程度で ある。比摩羊毛量とは単位摩擦距離(mm),単位接触面積(mm2)当たりの摩耗量(mm3) を表わす。 図川は硬さを変えたYXM62の比J肇耗量を他鋼待と比較し た結果を示すものであるが,この場合も,YXM62はSKH 55,及びAISIM34よりも優れた耐才筆耗性を示している。 1,000 900 700 芯 600 上 ⊂) :> 王 500 1も 400 ヒ翳 300 200 100 SKH55 YXM62=,1800c) YXM62(1,2000c) YXM60 YXM62(1,2200c)

敷瀾、

熱処理条件(焼入れ)(規もどい 、.■ YXM82 1,柑00c-5貯CX(1+1+1)h† 1,200qC一 〝 1,220qC】 JJ YXM80 1,1800c-580つCX(け1十1)h SK=55 1,23ぴC-5800cx(什什りh

500 600 700 800 試験温度(dc) ×10min 図Il高温硬度測定結果 所定の熱処理を施した試験片を研摩嵐高温 硬度計で逐次温度を上げながら打痕L,室温で圧痕サイズを測定Lて高温硬さ を決定した。各温度での保持時間は10分である。YXM62の高温硬さは650¢c以 上でSKH55より明らかに大きくなる。 ×10 ̄7 2.0 1.8 1.6 1.4 Ⅶ糾1・2 叫〕 ♯lト 敬一1.0 ⊥ユ ・J+ 0.8 0.6 0 ⊂::] ■■■ 1 摩擦速 3.5m/s .96m′/ 又 S 摩 相手 最終こイ 、距離 リンク苛 荷重ニ オ 6 :400 :SC .8kg m M m 21 硬さ伽C)

65.Ol66・4l87・4

86.5

65・1t68・3

66.4 66.2 66.4 形状(m柑) 14tX29w 40×40 14tX29w 141×2gw 銅種 YXM62=,2000c焼入れ) SKH55(1,220¢c焼入れ) AISIM34 (l,200-c 塩入れ) 他社SKH55 (1.220'C 挽入れ) 図10 大越式摩耗試験機による硬さと耐摩耗性の関係 YXM62の 耐摩耗性がHRC65∼67の硬さ範囲でSKH55より優れていることを示す。

68丘

600凸C慎もどし 66 64 82 60 く⊃ D:: エ 仙 58 ヒ翳 56 54 52 50 48  ̄ 4ei 44

、 l■ヽ 、 、 、 、 、 ■l■

:こニ、・・・

:芸--;チエこ三喜

 ̄ ̄'■■' ̄ ̄-● 6500c焼も YXM62(り808c)

i

SKH55 700心C焼もど 0・・-・・・-・・・OYXM82(1,180つC) ■・・-・・・-・● /J t〉一-○ // ×---・川X SKH55 △I-・・--△YXM60 YXM62(1,22ぴC) YXM80 YXM82(1,2000c) 0 1 2 3 4 保持時間(h) 図12 6000c,6500c及び7000cでの焼もどし軟化抵抗 (1,2000c) =,2200C) 匡110と同じ 熱処理を施Lた試験片を6000c,6500c,及び700□cに4時間まで再加熱L,焼も どLによる硬さ低下の模様を測定Lたものである。YXM62,l′2200c焼人材の 焼もどし抵抗が非常に大きいことが分かる。

(5)

3.4 而寸 熟一性 YXM62の耐熱性をSKH55,YXM60と比較するために, 高卓見硬さ及び焼もどし軟化抵抗の測定を行なった。結果を図 11,及び12に示す。 6500cまでの高1且硬さは室i且硬さの大小によってブ央まる。 6500cを超えるとSKH55の高温碩さの低▲卜が顕著になり, YXM62の高子息硬さはYXM60と同等である。この傾向は焼 もどし軟化抵抗の場合でもみられる。YXM62の1,2200c焼入 れ材は前述のように敵性は低下するが,耐熱性は極めて良好 である。 3.5 被研削性 マトリックス33番ねじ研削盤を用いて,YXM62の弓妓研削 性を他の銅棒と比較した。ピッチ1mmの5山を持つWA砥イイ を用い,1パス0.02mmの切込で一定距離研削し,総切込0.9mm まで研削した場合の第5山の砥石山旧J肇耗高さを0.1mm切込 時と比較し,被研削性を評価した。結果を図13に示す。YXM 62の被研削性はSKH55とほぼ同程度であるが,傾向的には ややタ;るようである。 田 切削性能

S45C(HB170),DM(SKT4相当HB331),SKDll(HB

217)を被削材として,10角バイト(8-15-6-6-20-15-0.5R)による乾式連続切削試験を行なった。バイトの熱処理 条件を表3に,試験結果を図14∼16に示す。 S45C切削の場合,低速側でYXM62の+二具≠≠爺が永い。 140 0 つL ∞ 80 60 (ヱ 仙爬淀観照∃将潜 0 4 20

拶タ

砥 石:WA320MlOV 研削速度:1.570m/′min 切 込:0.02mm/Pass 研削距離:1,448mm ピ ッ チ:1mm YXM62

JYXM60

155 P/M・SKH57 0.3 0.5 0.7 0.9 切 込 量(mm) 図13 ねじ研削における切込量と砥石山頂摩耗高さの関係 マト リックス33蕃ねじ研削盤を用い,WA砥石(5山)で一定距離研削ごとの砥石山 頂(第5山)摩耗高さを比較Lたもので,YXM62はSKH55とほぼ同程度の被研削 を示すことが分かる。

強力断続切削用新高速度工具鋼YXM62の特性

513 1,180¢c焼人れではSKH55より工具寿命が低 ̄卜する。 高炭素高クロム冷問ダイス鋼SKDllを切削の場合,被削 村中に硬い粒十(炭化物)を多量に含むため,アプレーシブ摩 耗に強いことが要求されるが,図15に示すように,YXM62 は比重如てJ良い結果を示している。高硬度紋別材DMに対して はYXM60が最も優れるが,YXM62はSKH55より似れた 工具寿命を示した。 以上のように,YXM62は代表的な3椎頬の披削村に対し 優れた切削耐久惟を持ち,元来,高硬度被削材のために開発 されたYXM60より,DM切削の場合だけ劣るものの,他の 場合は良好な結果を示していることから,目標の切削性能は ぃ分速成されると考えられる。まして,断続セリ削の多い実用 工具では,YXM62の特質がいっそう充子軍されるものと期待 される。 本鋼を用いた実用切削試験結果の数例を表4に示す。伺表 では硯用材を100とした場合のYXM62の工具寿命比を示して いる。本鋼は一般にSKH55より優れた性能を示すが,YXM 60と比較したとき,HB330以■卜の被削柑,硬質粒子を含む被 削材(SKDll)の場合にYXM60より優れている。しかも,高 硬度被削柑に対しても断続度が激しく刃先ナッピングの生じや すい条件では,YXM60以上の惟能がでることも期待できる。 表3 バイトの熱処理条件 硬さHRC67になるよう焼もどL温度で調整 した。焼入れほ,ソルトバスを用い,浸)責時間2分,油冷で行なった。 鋼 不重 焼 入 焼 も ど し(×川)さ(HRC) YXM62 l,180dc 5500c十5600c+5650c 66.9 l′2000c 5700c+5800c十585qC 67,0 // l′220)C 570ロC+585¢c十5900c 67.0 YXM60 し1800c 580qC十5850c+5900c 66.6 SKH55 l.Z30Dc 5700c十5750c+5800c 66.6 3,000 1.000 500 0 0 0 5 (∽)鋸収叫H

顎ゝg

具=真剣バイト(8--15--6-6-20--15-05R) 被削材:S45C(HB170) 切 込:1.Onlm 送 り:0.3mm./ノrev D「y YXM62(1,2200c) 、、モ≧

、、x、べ

YXM62 (1,2000c)0 / YXM62(=80りC) ●-● t〉l■■■■■■■■■■¢ 0-0 △●■-■△ X一・-■■X YXM62(=80けC) ′ (1.20ぴC) ′(1,220nC) SKH55 YXM60 YXM60 H55 52 54 56 切削速度(m′′′mm) 58 図14 S45Cの切削試験結果 寿命は完全寿命(刃先が溶断し,切削不能 になるまでの耐久時間)で比較した。低速側でYXM62の寿命が良好である。 =80□c焼入れでは,SKH55に劣る寿命を示す。

(6)

514 日立評論 VO+.59 No.6(1977-6) 被削材 切削速度 切 込 送 り D「y 1,000 ヱ 鋸 舵

500 真剣ハイト(8-15)ん6-6-・20-15-0.5R) SKDll(H巨217) 30m mln l.Omm O.3mm rev il

YXM62 YXM62 YXM62 YXM60 SKH55

焼入温度1,180〇c l.200Gc l,220与C l,1806c l.230UC 硬 さ HRC66,9 67.0 67.0 66.6 66.6 図15 SKDllの切削試験結果 sKDll切削の場合,YXM62はYXM60よ り優れたエ具寿命を示す。 工 具:真剣バイト(8-15-6-6【20-15-0.5R) 被削材:DM(HB33り 1,000 (Jつ く旨 収 皿K H 500 切削速度 切 込 送 り D「y 24.5m′/mln l,Omm O,3mm/rev

YXM62 YXM62 YXM60 SKH55

1,2000c l,220ひC =800c l,230Dc 67.0 67.0 66.6 66.6 図柑 NトCr-M㌻∨鋼DMの切削試験結果 高硬度材切削ではYXM60が 最も優れ,YXM62がそれに次ぐ。SKH55よりかなり優れた耐久性を示す。 切 結 富 貴近間莞された強力断続切削用高速度工具鋼YXM62につ いて,種々の性質及び使用性能の試験結果を示したが,これ らをまとめると次のとおりである。 表4 切削試験結果のまとめ 一般にSKH55より優れた切削性能を示 す。YXM60と比較した場合.HB330以下の被削材,冷間ダイス鋼の切削では YXM60より良い結果を示している。 工 目 比重較木オを川0とした 比重交ネオ ときの工具寿命比 バ ト S45C (H8170) 142 SKH55 l】l YXM60 DM 179 SKH55 (HB33り 81 YXM60 SKDll 121 SKH55 (HB217) l14 YXM60 標準型エンドミル S45C (HB190∼ZIO) ll】 YXM60 SKD61 (HRC39∼40) 104 SKDll (HRC14) 148 / 荒謝+り用エンドミル S45C (H。190∼210) 101 120 S2-9-2-5 SKD61 (HB170∼220) 120∼140 YXM60 HMD (HB220∼240) 140 SKH55 13Cr耐熱鋼 (Hい33l∼365) 55 YXM60 SKDll (HRC14∼28) 122∼162 // SUS304 (HR183>) 248 // 高速ピニオンカッタ SCr2l (HB】90) 15(〕へ・-ZOO SKH55 千鳥刃サイドカッタ S45C (H。】70∼200) 130 YXM60 (1)YXM62は1,200±100c焼入れ,560∼5808c焼もどしで HRC66∼68が容易に得られる。 (2)炭化物偏析が少なく,---一次炭化物量を調怒することによ り,高い三組性をホす。すなわち,各種革馴生,耐チッビング性 はSKH55と同等であー),YXM60よりかなり憧れている。 (3)過当なC三違,W量,Mo呈,Co量,Ⅴ量を配合すること により,マトリックスの耐熱性が高い。高∼且硬さ,焼もどし 軟化抵抗試験の結果,耐熱性はSKH55よりも大きく,YXM 60にほぼ等Lい。 (4)中粒のMC,M6C炭化物の多量な分散により,耐J肇耗性 はSKH55よりも優れ,YXM60と同等である。しかし一方, 被研削′性はSKH55とほぼ同程度ないし若干劣る。 (5)切削工具寿命は, 60と同等ないし又はよ

(6)本鋼は難削柑切削,

具(エンドミル,ホブ, HB330以上の高硬度材を除き,YXM r)†憂れる。 高速又は重切削用の各種断続切削エ ビニオンカッタ,タップなど)に実用 試験され,優れた結果を与えている。すなわち,SKH55で は丁字耗による工具寿命が不足であり,また8%Co以上の高性 能ハイスでは刃欠けを起こすような上記の用途に対し,YXM 62は優れた性能を発揮することが期待される。 参考文献 1)冶永,中村:研削性,切削耐久性及び革別生のすぐれた新高性 能ハイスYXM60につし、て,マシニスト,6,3(1972) 2)高島,源内,福塚:高速度綱の破壊軌性と引与馴生田,鉄と鋼, 162,S772(1976)

参照

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