◇論 文◇ 漢字書字に困難を示す児童に対しての効果的な指導 向井 一清 1.漢字書字について 1 -1‘漢字書字の重要性 常用漢字が29 年ぶりに改定され,2012 年11 月に告示されたロ これに よって小学校から高校までに学習する漢字が 1945 字から 2136 字に増え た。常用漢字とは現代社会においてよく使われる漢字を選定して,法令・ 公用文書・新聞・雑誌などの公共性の高い文書では,それらの漢字を用い るように国が定めたものである。そして, これらの漢字を,高等学校を卒 業するまでにできるだけ多く書けるようにすることが,漢字教育の1 つの 目標となっている(丸山・木村,2002)。 日本語の表記は,漢字を文章中に 交えて漢字仮名交じり文とすると読みやすく,意味的にも分かりやすくな るため,漢字の習得は児童にとって最も重要な学習事項となるのである (小林,1981)。 国語科の学習指導要領においては,漢字は語彙教育の一環として位置付 けられており,文や文章の中で漢字の持つ意味を考えながら正しく書くこ とや, 同訓異字などの使い分けができることなど,語彙として漢字を学習 するよう求めている。漢字を文脈の中で正確に取り扱うことは,語彙力と 読解力を伸ばすために欠かせないことである (斎賀・棚橋,2005)~ 川口(1988)は本を最後まで読み通すことのできない高校生に関する調 査をとおして,語彙不足がその原因であり,その背景には漢字の読み書き の困難性があると捉え,高校生の漢字の読み書きの技能と語彙力・読解力 との関係を検討した。その結果,読みと書きの技能はどちらも低いが,特 に書きの技能が低いことが明らかになった。書字技能についての分析の中 で,語意に適した漢字を思い浮かべることができず,熟語に用いる漢字を 想起することもできないことが語彙不足の直接的な原因であることが示 され,書字力と語彙力・読解力との間には相関的な関係のあることが示唆 された。語彙力・読解力は国語のみならず,学校での全ての教科の学力の 基礎となる重要な要因であるため,漢字教育を効果的に行うことで語彙 力・読解力を高めることができれば,様々な教科の学力向上につながると 考えられるのである。 阿辻(2013)は,小学生の場合にも,学習指導要領に載せられている学
年別漢字配当表に従って, 六年間で 1006 字もの漢字の読み書きができる ようにならなければならないと述べている。その理由として,最低限この 程度の漢字の読み書きができないと通常の社会生活に支障をきたす恐れ がある。学校教育において漢字の学習は最も重要な学習事項だといえる。 1・2.漢字書字の困難性 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課(2012)による発達障害に関 する全国実態調査では,通常学級に在籍する児童で知的発達に遅れはない ものの学習面又は行動面で著しい困難を示す児童の割合は,通常学級在籍 児全体の中の 6.5%に上ることが指摘された。また学習面で著しい困難を 示す児童の割合は 4.5%であり,特に読む又は書くに著しい困難を示す児 童の割合は 2.4%であることが分かった。従って読み書きの困難は学習困 難の中核をなすタイプだとされているのである。読み書き困難の基本的特 徴は,音読や書字における正確性と流暢性の困難さである。 宇野・春原・金子ら(2006)は,読み書きの困難は様々な教科の学習に も影響し,本来は教科の学習内容を習得するだけの能力があっても,読み 書き困難のために習得が妨げられてしまうこともあり得ると指摘した。 さ らに教科学習における失敗の積み重ねからやがて自信や意欲をなくし,周 囲から理解を得られないことによって,二次的に心理的な問題を来す可能 性も大きく,最悪の場合には学校不適応に陥る可能性もあると述べた。た とえ二次的な心理的問題が生じなくても,卒業後に希望する仕事につけな かったり,文字から得られる情報が制限されるために,社会参加において 不利益をこうむったりする可能性もあると指摘した。 奥谷・小枝(2011)は読み書きの困難の中でも特に漢字書字の困難につ いてタイプ分類を行っている。いくつかの先行研究に基づいて漢字書字の 困難を次のようなタイプに分類した。①視覚記銘力に困難があるタイプ: 漢字の形を覚えることが苦手であったり,形態的な記憶を検索することが 困難であったりするために,漢字の形を思い出すことが苦手になるタイプ。 ②図形構成力に困難があるタイプ:部分を組み合わせて全体的な形態を構 成することができにくいために,偏や旁を組み立てて漢字の全体的な形を 構成することが苦手になるタイプ。③書字の継次処理尺度に困難があるタ イプ:順番通りに書くことができにくいために,漢字を筆順通りに書くこ とが難しく,間違った筆順で書字することが多くなり書字の運動記憶が定 着しにくくなるタイプ。④手指が不器用であるタイプ:書字に要する運動 のコントロールが困難であるために,書字が上手くできなくなるタイプ。 ⑤注意力に困難があるタイプ:書字に要する注意のコントロールが困難で
あるために,漢字の学習に取り組みにくくなったり, 日によって漢字学習 の出来ばえが異なったり,漢字の筆順が自己流になったり,字形を間違え て学習してしまったりするタイプ。これらの他にも,知的障害,ディスレ クシア,発達性ゲルストマン症候群などに伴う漢字書字困難があると指摘 した。①~⑤のタイプは障害の診断の有無にかかわらず,児童の認知特性 の偏りから生じる漢字書字困難だと言える。 石井・江尻・雲井らは学習困難児における漢字の誤書字分析を行い,漢 字の書字に関する情報処理モデルを提案した(図1-1)。漢字書字の過程に は,音韻ルートと意味ルートという2 つの処理過程が想定される。音韻ル ートとは漢字の音に従って書字する過程であり,例えば「亜米利加」「無茶」 「世話」のように言葉の意味と漢字の意味との関係性が明瞭でない場合で ある。はじめに書こうと思う事柄の意味が想起され(①意味想起),次いで, 意味に対応する音韻が決められ(②漢字一音韻表示同定),音韻から漢字に 変換される(③音韻ー漢字変換)。音韻ルートで用いられるレキシコンとし ては,漢字音韻表示レキシコンと音韻漢字変換レキシコンが想定できる。 これらのレキシコンに形成不全がある場合には,同じ音の漢字を誤って選 択する等の誤書字が生じやすいとされた(例:「木綿」を「木面」,「興味」 を「共味」 と書くなど)。 ―方,意味ルートには意味に基づいて漢字が決まるルート (④の過程) と,漢字の音韻が同定された後に,言葉の意味に基づいて漢字が選択され るルート(⑤の過程)がある。意味に基づいて漢字を書字する過程には「山」 「人」「走る」のように具象的な形態で訓読みの漢字を書く場合などがあげ られる。漢字の音韻を同定した上で漢字を書字する過程には「伝染」と「電 線」を区別して書く等,はじめにその意味をもつ単語を音として想起し, 次いで書字を行う場合などがあげられる。意味ルートで用いられるレキシ コンには意味漢字表示レキシコンが想定され, このレキシコンに形成不全 がある場合には,字形は正しくても異字を選択する等の誤書字が生じやす いとされた(例:「治る」を「直る」,「器官」を「気管」 と書くなど)。な お,画要素と筆順に関するレキシコンが形成不十分な場合には,漢字書字 (⑥漢字一筆順変換)の際に筆順に従った書字が困難になると指摘された。 また,春原・宇野・金子(2005),齊藤(2006) らも,漢字書字の困難 性が,視覚的情報処理過程の困難性や目と手の協応動作の困難性などから 生じる可能性を指摘し,漢字の複雑な形態を視覚的に認知する能力と手指 の運動機能をコントロールする能力が重要な要因になっていることを指 摘した。 上述の奥谷・小枝(2011),石井・江尻・雲井らの知見に基づくと,視覚
認知能力の問題,手指の運動コントロール機能の問題,漢字と音との対応 についての知識の問題,漢字と意味との対応に関する知識の問題などが, 漢字の書字困難の主な要因になると言えるのである。 ①意味想起
I~
漠字音韻表示 レキシコン 音韻・漢字変換 レキシコン (音と訓) 視覚・筋運動覚 フィードバック ②漢字音韻表 同定機能 意味→漢字 変換機能 漢宇音韻表示を形態素 (漢字)に分割する機能 y ③音韻→漢字 変換機能 視覚イメージ フィードフォワード\
⑥漢宇→筆順 変換機能 べ、/ ⑦書字運動にブ
書字 意味漢宇表示 レキシコン 「ロゴ ~部首 ~熟語 L漢宇の意味 画要素の レキシコン 筆順の レキシコン -→ 音韻ルート #意味ルー ト 図1 -1 漢字書字の情報モデル(石井・江尻・雲井ら)2,認知特性に応じた書字指導 2・1.漢字書字に困難のある児童の指導 漢字書字の指導としては,一般的に筆順通りに何度も繰り返し,ノート に書くといった指導が行われている。 しかし,漢字書字の困難がある児童 の指導においては, この方法はあまり有効だとは言えない。漢字書字困難 に対する指導法としては, まず各種の心理検査や行動観察によって対象児 童の特性についてアセスメントを行い,アセスメント結果に基づいて対象 児に適した指導方針を導き出して,個別指導計画を立案し,その後にPD CA サイクルに基づいた具体的な指導,評価,改善を行う方法が有効である。 春原・宇野・金子(2005)は,書字困難のある児童の認知機能を詳細に 検討し,低下している機能とともに活用できる良好な機能を見つけ出すこ とが重要であり,その上で良好な機能を生かして指導を行う効果的な方法 を選択あるいは開発することが重要であると述べている。小畑・干川(2012) も書字困難のある児童の認知スタイルを心理検査の結果などから把握し て,個々人の認知スタイルに適合した個別の指導計画を作成する必要があ ると述べている。 小池・雲井(2013)は児童の認知機能の特徴を3 つの側面からとらえ, 認知機能の弱さに配慮した効果的な支援の在り方について検討した。語彙 が乏しいために生活に関する単語や抽象的な単語の理解が苦手な児童へ の支援に関しては,言葉に依存した指導にならないよう配慮すること,生 活場面や経験した事柄との関連で,具体的な視覚イメージを高めること, 「聞く・話す」を利用した支援を取り入れること,生活場面や経験した事 柄との関連で作成した短文を利用し,文脈などの意味と関連させながら, 言語概念や語彙の促進を図ること等の支援が有効だと指摘した。 聴覚的認知の弱い児童への支援については,言語的手がかりに強く依存 しないように配慮すること,形や位置の識別・記憶などの視覚的認知が相 対的に良い場合には,視覚的支援を有効に利用すること,色の情報を有効 に利用すること,視覚イメージを高めるためにイラストや具体的な出来事 を利用し意味と関連させること等の支援が有効だと指摘した。 視覚的認知の弱い児童に対する支援に関しては,複雑な形の識別や視覚 記憶に強く依存しないように配慮すること,聴覚的認知が相対的に良い場 合には,言語的手がかりを有効に利用すること,具体的な事柄や意味と共 に視覚イメージを高めたり,短文や話の文脈を利用して意味と関連させた りすること等の支援が有効だと指摘した。
2-2.認知特性を活用した指導 熊谷(1998),藤田(2008)は学習に困難を持つ児童の認知的な弱さ (短所)を改善することのみを目指す指導ではなく,認知的な強さ (長 所)を課題解決のために有効に活用してゆく指導法を提案し,長所活用 型指導と呼んだ。 熊谷(1998)はこれまでの障がいのある児童の教育においては,本人 が持つ弱い能力を改善しようとすることに焦点が当てられてきたと述べ ている。 さらに短所を改善する指導(短所改善型指導)とは,対象とな る児童ができないことをできるようにしようとする方法に他ならず,個 人内に存している弱い能力を,無理に向上させようとするため,弱い能 力に集中的に働きかけ,本人に過剰な努力を押し付け,精神的な苦痛を 与え, その結果,学習に対する児童の動機づけを低くし, 自発的な学習 態度を阻害してしまうおそれがあると指摘した。逆に長所活用型指導 は,個人内に存している高い能力や得意な認知機能を積極的に活用し て,習得されていない技能を効率よく獲得させることに焦点を当ててい るため,弱い能力を改善することにむしろ役立つ指導法だと強調した。 上述のことより,長所活用型指導は個々人の認知的な強みを活用する 指導の最も典型的な指導方法だと考えることができ,多くの研究者や教 育者からの賛同を得て,実践研究が積み重ねられている。また長所活用 型指導においては,人間が持つ様々な認知機能の中でも継次処理尺度様 式と同時処理尺度様式という2 種類の認知処理様式が重視されている点 が特徴的である。 これらの認知処理様式について熊谷(1998)は前川の知見を参照して 次のようにまとめて述べた。継次処理様式とは情報を部分から全体へま とめる過程であり,部分的な情報どうしの順序性や系列的な関係性を処 理する様式だと言うことができ,情報の統合過程を図式的に表すと図1ツ のようになるとされている。 「― A 一「 ‘~ B「 「一“C「
I1-2-3 FH 1-2--3 -り~ 1-2-3 ~
図1 一2 継次処理様式(前川による) 一方, 同時処理様式とは情報を全体的・概括的に捉えた上で部分を意 識してゆく過程であり,複数の情報をその関連性に着目して全体的にと りまとめて処理する様式だということができ,情報の統合過程を図式的に表すと図1-3 のようになるとされている。 1
ノ、
2 叫→/1、一 六
I 叫→3 2 '- 3 図1 一3 同時処理様式(前川による) 藤田(2000)は,認知処理様式の発達にアンバランスのある児童を指 導するとき,学習課題の難易度のみを考慮するのではなく,児童の得意 な認知処理様式を用いた長所活用型指導をすることの必要性を指摘し た。つまり同じ学習課題であっても,継次処理に強い児童には継次処理 的指導方略を,同時処理に強い児童には同時処理的指導方略を適用する ということである(図1・4)。継次処理的指導方略とは,段階的な教え 方,部分から全体へという方向性をふまえた教え方,順序性をふまえた 教え方を基本とし,また聴覚的・言語的手がかりを重視したり,時間 的・分析的要因を考慮したりして指導にあたることである。同時処理的 指導方略とは,全体をふまえた教え方,全体から部分へという方向性を ふまえた教え方,関連性をふまえた教え方を基本とし,また視覚的・運 動的手がかりを重視したり,空間的・統合的要因を考慮したりして指導 にあたることである。 2・3‘まとめ 上記の諸研究で得られた知見から,漢字書字の指導においては,はじめ にまずアセスメントを通じて児童の認知特性と漢字の書字困難の実態を 詳細に把握する必要があると言える。さらに具体的な指導方法を考案する にあたっては,対象児の認知特性の強みを活かした指導方法と教材を考案 する必要があると言えるのである。学習者 (児童) 指導者 (教師) 継次処理 >
I
同時処理 継次的学習を得意とするI
継次処理的指導方略I
・段階的な教え方 ・部分から全体への方向性をふま えた教え方 ・順序性をふまえた教え方 ・聴覚的・言語的手がかりの重視 ・時間的・分析的要因の重視 継次処理〕
<I
同時処理]
同時的学習を得意とする r 、I
同時処理的指導方略I
、 ノ ・全体的な教え方 ・全体から部分への方向性をふま えた教え方 ・関連性をふまえた教え方 ・視覚的・運動的手がかりの重視 ‘空間的・統合的要因の重視 図1 一4 長所活用型指導のモデル(藤田,2000 ) 継次処理に強い子の指導例 ・書き順に従い漢字の要素ごとに分けて示し,なぞらせる。次に構成要 素を順番に唱えながらなぞらせる。 しだいになぞりの支援を最後の画か ら徐々に減らして,一人でも書けるようにする。 同時処理に強い子の指導例 ・学習する漢字の全体が書かれたカードを最初に子どもに提示し,全体の特徴を捉えさせる。それから構成要素に分解してハサミで切り, この 漢字の部分に着目し,再度構成させる。 引用文献 1 )阿辻哲次(2013 )「漢字再入門」, 中公新書,p.38. 2)石井麻衣・成基香・柏原亜津子・小池俊英(2003)軽度発達障害児にお ける漢字書字の学習経過に関する検討:漢字学習に順行性の干渉が多 く認められた事例について,東京学芸大学紀要1 , 55, pp.161・171. 3)宇野彰・春原則子・金子真人・Wyde比T.N. (2006)「小学生の読み書 きスクリーニング検査:発達性読み書き障害(発達性dyslexia) 検出の ために」,インテルナ出版. 4)奥谷望・小枝達也(2011)漢字書字に困難を有する児童の要因に関する 研究,地域学論集:鳥取大学地域学部紀要,8, (2), pp.39-45. 5)川口正(1988)高校生の漢字力とその指導について, 山口国文, 11, pp.72-79. 6)小池敏英・熊澤綾・中知華穂(2013) LD 児の読み書き障害の特徴と学 習支援,小池敏英・雲井未歓(編)「遊び活用型読み書き支援プログラ ム:学習評価と教材作成ソフトに基づく統合的支援の展開,図書文化 社, pp.38-39. 7)小畑雅子・干川隆(2012)広汎性発達障害のある児童への漢字学習に及 ぼす認知スタイルに合わせた指導の効果,熊本大学教育学部紀要: 自 然科学, 61, pp. 7 -13. 8)小林一仁(1981)「漠字教育の基礎研究」,明治図書出版,p.21. 9)熊谷恵子(1998)認知処理様式と指導方略,藤田和弘・青山真二・熊谷 恵子(編)「特別支援学級・特別支援学校用:長所活用型指導で子ども が変わる:認知処理様式を生かす国語・算数・作業学習の指導方略」, 図書文化社,pp.14-17. 10)斎賀秀夫・棚橋尚子(2005)「漢字指導の方法 より豊かな漢字学習 のために」,光村図書, pp.6-il. ii)齊藤眞由美(2006)漢字の書字に困難を示す児童を対象とした文字の 構造把握を促すための学習課題の活用に関する事例的研究,発達支援 研究, (10), pp.4-6. 12)春原則子・宇野彰・金子真人(2005)発達性読み書き障害における 実験的漢字書字訓練,音声言語学,46, pp.10 -15.
13)藤田和弘(2000)認知処理様式と長所活用型指導,藤田和弘・熊谷恵 子・青山真二(編)「小学校個別指導用:長所活用型指導で子どもが変 わるPart2 :国語・算数・遊び・ 日 14)丸山真名美・木村純(2002)高校生の漢字の書き取りにおける誤答 パターンと学習方略の関係,名古屋大学大学院教育発達科学研究科 紀要,心理発達科学, 49, pp.55-64. 15)文部科学省初等中等局特別支援教育課(2012)通常の学級に在籍する 発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に 関する調査結果について,文部科学省.