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中国における農民林業の展開構造に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

中国における農民林業の展開構造に関する研究( 内容の要旨

)

Author(s)

, 涛

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第383号

Issue Date

2005-09-14

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/3080

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本掴)籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 糞 涛 (中華人民共和国) 博士(農学) 農博甲第383号 平成17年9月14日 学位規則第3条第1項該当 連合農学研究科 生物生産科学専攻 信州大学 中国における農民林業の展開構造に関する研究 主査 信州大学 教 授 野 口 俊 邦 副査 信州大学 教 授 小 池 正 雄 副査 静岡大学 教 授 小 嶋 睦 雄 副査 岐阜大学 教 授 安 部 浮 論 文 の 内 容 の 要 旨 現在中国では、「社会主義的市場経済」の実現にむけた取り組みの中で、林業分野におい ては、民間部門にインセンティブを与えるために、「非公有制林業」が重視されている。し かし、歴史が浅いこともあって、非公有制林業の主要部分の一つである個別農家による林 業経営(農民林業)を対象とした研究はほとんど行われていない。 そこで本研究は、農民林業を研究対象とし、この森林利用・管理の歴史と現状を、実態 調査を通じて構造的に明らかにすることを課題とした。 本論文は6章構成からなっている。第1章研究の課題と方法では、従来の研究と方法論 について言及しながら、本研究の独自性を論じている。また、中国林業の現況と国際的な 位置を述べている。 第2章森林法の展開と農民林業では、建国前から1998年改正に至る森林政策の変化な らびに非公有林業の一形態である農民林業の法制的位置づけを論じている。 第3章非公有制林業と農民林業では非公有制林業の諸形態と農民林業(「家庭林場経営」) の内容について論じている。 第4章木材生産地域における農民林業では北京市から約500加の位置にある河北省囲場 県城子郷丁村で農家14戸に聞き取り調査を行い、農民林業の実態と問題点を明らかにし ている。ここで、明らかにしたのは以下の点である。①個別農家による林業経営は、その 成立時期・内容によって2つに大別することができる。1980年代前半に行なわれた無立 木地の均等分割によって生じた「長期的経営」は、現在は林木の撫育段階にあフて農家経 営を支えるには至っていない。1990年代後半から伐採可能地を請負った「短期的経営」は、 近い将来に木材を販売しーつの収入源となることが可能である。②いずれの場合も林地保

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一14-有規模を拡大できるのは上層のみであり、現在すでに存在する農家間所得格差を林業経営 が一層拡大する原因となることが予想される。 第5章特用林産物生産地域における農民林業では、中国では林業に区分されている栗林 における農民林業の実態と問題点を河北省遷西県のM村及びY村の農家19戸からの聞き 取り調査を通じて明らかにしている。明らかになった点は以下の通りである。①栗林管理 の現状は相対的には集約的に行なわれていること、また甘栗生産のための雇用・被雇用や、 栗林地の保有規模拡大・非拡大に階層性があること、②この階層性は現状では森林管理の 継続性にとって問題とはなっていないが、現在進行している甘栗価格の低下によって全体 としての規模拡大が阻害され、また森林管理の粗放化が起こる可能性が示唆された。 第6章総括では、1∼5章までを総括し、本論文で明らかにしたことを整理するとともに、 農民林業と森林政策との整合性について論じている。また木材生産地域、特用林産物生産 地域(栗林)に関する将来展望と若干の問題点を指摘している。 審 査 結 果 の 要 旨 現在中国では、「社会主義的市場経済」の実現にむけた取り組みの中で、林業分野 においては、民間部門にインセンティブを与えるために、「非公有制林業」が重視さ れている。しかし、歴史が浅いこともあって、非公有制林業の主要部分の一つである 個別農家による林業経営(農民林業)を対象とした研究はほとんど行われていない。 そこで本研究は、農民林業を研究対象とし、この森林利用・管理の歴史と現状を、 実態調査を通じて構造的に明らかにすることを課題とした。現在の農民林業には、木 材生産を目的とするものと特用林産物を目的とするものの二形態が存在する。調査は この二形態(地域)にわたって実施された。これによって明らかにされたことは次の 諸点である。 まず第一に、木材生産地域(河北省圃場県丁村)の調査によって明らかにしたこ とは次のごとくである。①個別農家による林業経営は、その成立時期・内容によって 2つに大別することができる。1980年代前半におこなわれた無立木地の均等分割に よって生じた「長期的経営」は、現在は林木の撫育段階にあって農家経営を支えるに は至っていない。また、わずかの上層農以外は当初の規模から拡大することはできて いない。1990年代後半から伐採可能地を請け負った「短期的経営」は、近い将来に 木材を販売し農家経済の一つの収入源となることが可能である。②いずれの場合も、 林地保有規模を大きくできるのは高額の契約金を負担できる上層農のみであり、現在 すでに存在する農家間所得格差を林業経営がいっそう拡大する原因となることが予 想される。 第二に、特用林産物生産地域(河北省遷西県M・Y村)の調査(甘栗生産地を事 例とした)によって明らかにしたことは次のごとくである。①栗林管理の現状は相対 的には集約的におこなわれていること、また甘栗生産のための雇用・被雇用や、栗林

地ゐ保有規模拡大・非拡大に階層性があることが認められた。②この階層性は現状で

は森林管理の継続性にとって問題とはなっていないが、現在進行している甘栗価格の 低下によって全体としての規模拡大が阻害され、また森林管理の粗放化がおこ一る可能 性が示唆された。

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ー15-第三に、農民林業の展開は、それによる農民の所得形成という点からすれば、特用 林産物生産ではすでに寄与があり、木材生産では今後寄与する可能性がある。また、 現状でほ農民の労働投下は、農民にとっても森林を適切に維持・管理するためにも有 効であった。 第四に、一方で、農民林業の中に階層性が生じていることも、両地域に共通してみ られる。階層性は林業外収入(農家経営の"基礎体力")の差や、将来の見通し能力 (村の幹部であるなど)によって準備される。 第五に、農家経営が、農業や特用林産物生産に特化してしまっていることも看過で きない。農産物や特用林産物の価格変動によって農家経営が危うくなり、その結果、 現在は労働集約的に実行できている森林経営が、粗放化・放棄される可能性がある。 以上について、審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位 論文として十分価値あるものと認めた。 基礎となる学術論文 1.糞涛・野口俊邦・三木敦朗・谷建才:「中国における個別農家の林業経営に関す る実証的研究一中国河北省囲場県丁村を事例として-」、林業経済研究Ⅶ1・51、 No.1、2005 2.糞涛・野口俊邦・三木敦朗・谷建才:「特用林産物生産における農家の森林管理 の現状と課題一中国河北省遷西県の甘栗生産を事例として-」、林業経済研究、 2005.6.10受理

参照

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