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チタン合金の高温疲労強度に及ぼすショットピーニングの影響に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

チタン合金の高温疲労強度に及ぼすショットピーニングの

影響に関する研究( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

高藤, 新三郎

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 乙第024号

Issue Date

2001-03-24

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/1696

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名 (本籍) 学 位 の 学.位記号番号 学位授与年月 日 専 攻 学位論 文題 目 高 藤 新三郎(長野県) 博 士(工学) 乙第 24 号 平成13年 3 月24日 生産開発システム工学専攻 チタン合金の高温疲労強度に及ぼすショットピーニングの影響に関する研究

(Study on the Effects of Shot Peening on Elevated Temperature Fatigue Strengthin Titanium Alloy)

学位論文審査委員 (主査) 教 授 戸 梶 泰 郎 (副査)・教 授 丸 井 悦 男 教 授 野 方 文 雄 教 授 長 谷川 典 彦

論文内容の要旨

比強度,耐食性および耐熱性などに優れるTi-6AlヰⅤ合金は代表的なチタン合金であり,こ

れまで主に航空宇宙分野の構造材料として用いられてきたが,一般の機械構造用材料としての

使用は限定されてきた.今後,この合金の機械部晶や構造部材への適用の拡大を図るため由も

各種疲労特性に関する研究が不可欠である.しかし仁従来疲労に関する研究は必然的に疲労き 裂進展を中心として行われており,実用的に重要な疲労強度に及ぼす種々の因子,とりわけ微 小欠陥すなわち切欠き,温度,表面改質などの影響,およびそれらの複合した現象の理解が不 十分であった. こうした背景のもとに,本研究では¶-6Al-4V合金の平滑試験片および切欠き試験片を用い て,室温から450℃までの温度範囲において疲労試験を行い,疲労強度に及ぼすショットピー ニングの効果について調査,検討している. 第1章は緒論であり,研究の背景,目的および本論文の構成について述べている. 第、2章では,高温疲労特性の基礎資料を得る目的で,まず平滑材について室温から450℃ま での温度範囲において回転曲げ疲労試験を行い,続いて平滑材の表面に直径と深さがそれぞれ 0.1mmのドリル穴を付したドリル穴材についても疲労試験を行っている.その結果,高温では

動的ひずみ時効が疲労強度の上昇に寄与するため,降伏応力の温度依存性から推定される結果

よりもかなり高い疲労強度を示し,平\滑材およびドリル穴材とも450℃近傍でその上昇率は約 60%に達すること,0.1H皿程度の小さなドリル穴でも疲労強度は大きく低下し,微小欠陥感

受性は高いこと,および疲労限度は微小き裂の進展限界であることなどを明らかにしている.

第3章では,平滑材にショットピーニングを施し,疲労強度に及ぼす温度依存性を調査して いる.温度の上昇に伴って疲労強度に対するショットピーニング効果は減少し,強化が認めら れる上限温度は350℃近傍であり,450℃ではショットピーニング処理によっ七かえって疲労 強度は低下することを認めている.この原因として応力繰返し中に圧縮残留応力が消滅し,粗 い表面が残されるためであることを指摘している・また,割引こおいて長寿命域まで疲労試験 を実施し,108回近傍で破断した試験片の疲労破面に内部破壊の証拠となるフィッシュ・アイ を観察し,このような内部破壊の場合には,ショットピーニングによる表面性状の劣イヒは疲労

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-103-強度を低下させないことを確認している. 第4章では,第2章で使用したドリル穴材の疲労強度に及ぼすショッノトピーニングの影響を 調査している.その際,表面層の加工硬化,圧縮残留応力および表面性状の因子に加えて,シ ョットピーニングによる欠陥形状の変化にも注目している.第3章で求めた平滑・ショットピ ーニング材の疲労強度と,本章で求めたドリル穴・ショットピーニング材の疲労強度との間に はほとんど差異を認めず,欠陥がショットピーニングによって潰されるために,ショットピー ニング材ではドリル穴は疲労強度を低下させないことを明らかにしている.このことは,機械 加工した構造部材にショットピーニングを施せば加工履歴で受けた欠陥を覆い隠す.ことになる ので,実用的にきわめて有効な手段となりうることを示している.さらに,高温における残留 応力を推定している. 第5章では,鈍い切欠き試験片と鋭い切欠き試験片に対するショットピーニング効果につい て検討している.鈍い切欠き材では平滑材と同様に,温度の上昇に伴って疲労強度は低下し, ショットピーニング効果が現れる上限温度は350℃近傍であること,450℃ではこの処理によ って粗い表面が残され,圧縮残留応力が消滅するために,疲労強度は大きく低下することを認 めている.これは平滑材の疲労強度の温度依存性と類似しており,鈍い切欠き材では平滑材と 同様に疲労強度は発生した微小き裂の停留によって決まるから,両材に対するショットピーニ ング効果は類似したものと解釈している.一方鋭い切欠き材の場合,疲労強度の温度依存性は 鈍い切欠き材と類似しており,温度の上昇に伴って上昇率は低下するが,疲労強度の上昇が認 められる上限温度の350℃近傍までは鈍い切欠き材よりも上昇率はやや小さい.450℃では, 平滑材や鈍い切欠き材と異なり疲労強度の低下を静めていない.さらに,ショットピーニング によって,鈍い切欠きの場合には形状の変化はほとんど見られないが,鋭い切欠きの場合には ショットピーニングによって切欠き底が鈍化し,応力集中係数が大きく減少することを認めて いる. 第6章は結論であり,各章の結果を総括している.

論文審査結果の要旨

本論文は,従来主に航空宇宙分野を中心に用いられてきた¶-6AlヰⅤ合金を一般機械構造物 への適用の拡大に貢献するため,実用的に重要な疲労強度に及ぼす種々の因子,とりわけ微小 欠陥(切欠き),温度,表面改質などの影響,およびそれらの複合した現象の評価と破壊機構 の解明を目的としたものである.具体的には,¶-6Al-4V合金の平滑試験片および切欠き試験 片を用いて,室温から450℃までの温度範囲において疲労試験を実施し,疲労強度に及ぼすシ ョットピーニングの効果を実験的に評価するとともにJ強化因子である表面硬化と圧縮残留応 力,および弱化因子である表面粗さのそれぞれの役割を明らかにしている. 本論文で得られた結果は,設計指針として実用的に有用であるのみならず,疲労機構の理解 において学術的貢献をもなすものであり,きわめて大きな意義を有するものと判断される. 第1章は緒論であり,本論文の背景と目的を明確にしている. 第2章では,高温疲労特性の基礎データを得る目的で,平滑材とその表面に直径と深さがそ れぞれ0.1mmのドリル穴を付した試験片(以下,ドリル穴材)について,室温から450℃の 温度範囲において回転曲げ疲労試験を行っている.その結果,高温では動的ひずみ時効が疲労

強度の上昇に寄与するため,降伏応力の温度依存性から推定される結果よりもかなり高い疲労

強度を示し,平滑材およびドリル穴材とも450℃近傍でその上昇率は約60%に達すること,

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-104-0.lmm程度の小さなドリル穴でも疲労強度は大きく低下し,微小欠陥感受性は高いこと,およ び疲労限度は微小き裂の進展限界であることなどを明らかにしている. 第3章では,平滑材にショットピーニングを施し,疲労強度の温度依存性について調査して いる.温度の上昇に伴ってショットピーニング効果は減少し,強化が認められる上限温度は350 ℃近傍であり,450℃では処理によってかえって疲労強度は低下することを認めている.これ は繰返し中に圧縮残留応力が消滅し,残された粗い表面に起因することを指摘している.また, 室温において長寿命域まで疲労試験を実施し,1げ回近傍で破断した試験片の疲労破面に内部 破壊の証拠となるフィッシュ・アイを観察している.このような内部破壊の場合には.ショッ トピーニングによる表面性状の劣化は疲労強度を低下させないことを確認している. 第4章では,ドリル穴材の疲労強度に及ぼすショットピーニングの影響について検討してい

る.その際,表面層の加工硬化圧縮残留応力および表面性状の因子に加えて,ショットピー

ニングによる欠陥形状の変化にも注目している.第3章で得られた平滑・ショットピーニング 材の疲労強度と,本章で求めたドリル穴・ショットピーニング材の疲労強度との間にはほとん ど差異が認められないことを示し,これは欠陥がショットピーニングによって潰されることに 起因することを明らかにしている.このことから,機械加工した構造部材にショットピーニン グを施せば加工履歴で受けた欠陥を覆い隠すことになり,実用的にきわめて有効な手段となり 待ることを示している. 第5章では,鈍い切欠き材と鋭い切欠き材に対するショットピーニング効果について謝査し ている.鈍い切欠き材では平滑材と同様に,温度の上昇に伴って疲労強度は低下し,ショット ピーニング効果が現れる上限温度は350℃近傍であること,450℃ではこの処理によって粗い 表面が残され,圧縮残留応力が消滅するために,疲労強度は大きく低下することを明らかl_こし ている.一方鋭い切欠き材の場合,疲労強度の温度依存性は鈍い切欠き材と類似しており,温 度の上昇に伴って上昇率は低下するが,疲労強度の上昇が認められる上限温度の350℃近傍ま では鈍い切欠き材よりも上昇率はやや小さいことを確認している.450℃では,平滑材や鈍い

甲欠き材と異なり疲労強度の低下を認めていない・さらに,ショットピーニングによる切欠き

形状の変化を調べ,鈍い切欠きの場合には形状の変化はほとんど見られないのに対して,鋭い 切欠きの場合には切欠き底が鈍化し,応力集中係数が大きく減少することを観察している. 第6章は各章の結果を総括した結論である. 以上のように,本論文は室温から高温にわたる温度範囲において¶-6Al-4V合金の疲労強度 の向上,または改善におけるショットピーニングの有効性とその機構を明らかにしており,得 られた結果の実用的かつ学術的意義は大きい∴したがって,本論文は学位論文に催すると判定 した.

最終試.験結果の要旨

審査委員会は,本論文が学位論文として十分な内容と価値ある知見を含むこと,申請者が専 門の分野で学位授与にふさわしい専門知識と語学力を有することを確認し,最終試験に合格と 判定した.

参照

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