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文芸資料研究所蔵手鑑『筆林』 (調査報告74)

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本手鑑については、すでに、平成一一年一一月一一日より同月二四日にわたり、本研究所二十周年記念展示会において、 その第二部﹁未来の研究史資料たち﹂の一つとして、公開展示され、かつ、翌一二年三月刊行の、本研究所﹁別冊年報 Ⅳ創立二十周年記念誌﹂所載の、﹁6研究所蔵書解題﹂において、﹁その他1筆林﹂として、略解題が公けにされて 注︵1︶ いるので、ここでは、その足らざるを補い、かつは、それに貼られた古筆切れのうち、とくに今日的な意義を持つところ について、個別的な調査を施すこととした。 すなわち、Ⅱにおいては、貼られた﹁古筆切﹂および﹁極め札﹂について、個別的に調査した概略を表示することとし た。ついで、Ⅲでは、近時中世和歌研究において注目されつつある﹁十市遠忠﹂の真筆かと目される﹁切れ﹂について、

調査報告七十四

Iはじめに

文芸資料研究所蔵手鑑﹁筆林﹂

上 武 野

野 井 村

英 和 精

子 人 一

− 1 −

(2)

H︵2︶ 遠忠研究をもっぱらとされている武井埼玉大学教授を煩わせて新稿をえ、参考に供することとした。さらにⅣは、和歌史 研究においてとみに関心がよせられつつあり、さらに﹁寝覚め﹂など物語研究においても話題が提供されている﹁古筆切 れ﹂研究の一盲点として、﹁極め札﹂の、ことに﹁極め印﹂の、研究資料としての評価にかかわる問題点検討のために構 注︵3︶ 築されている、﹁琴山印データベース﹂の方法論的観点から、本手鑑に捺された﹁琴山印﹂についてふれることとした。 へ 注 1 一 ︵3︶潮廼舎文庫研究所﹁潮廼舎文庫蔵古筆切れ展についてl﹁明融本源氏物語﹂の間魍﹂︵潮廼舎文庫研究所﹁年報﹂ ︵2︶武井和人﹁標題に注記のある短冊I架蔵十市遠忠短冊小孜l﹂︵﹁研究と資料﹂第川十八輯屹年哩月︶ 武井和人﹁遠忠詠・公条判﹃百番自歌合﹂小孜I遠忠自筆文献へl﹂︵﹁研究と資料﹂第四十九輯船年7月︶ 武井和人・高橋育子﹁住吉法楽百首I住吉大社本・尊経開文庫本翻刻l﹂︵﹁研究と資料﹂第五十輯船年哩月︶他。 なお、国文学研究資料館﹁共同研究報告書平成胆年度﹂に、﹁︵仮題番号︶喝11﹂として、武井氏を研究代表 者とする、研究課題名﹁十市遠忠自筆資料群の悉皆調査とその書誌的研究﹂の報告が収録されている。 りの害題篭貼付、﹁筆林﹂と墨書。見返し、白地に金筋散らし仕様。 手鑑。折本︵咽折・両面使用︶一冊。表紙寸法調・3×型・4糎。青地花亀甲帛表紙。中央に卵色地に金泥細画入 本文料紙、薄紫に彩色した厚手の鳥の子。表羽・裏型、計艶点の古筆切を所収。うち認点に極札貼付、上冷泉為 久他妬名の名を記す。奥書・識語・旧蔵者印記等無し。︵﹁別冊年報Ⅳ﹂皿頁。原文横書き︶

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七 十 四 文 芸 資 料 研 究 所 蔵 手 鑑 『 筆 林 」 篭貼付。醗 筆という。 前後見返しともに白地銀箔散らし鳥の子。本文料紙は桃色地に銀砂子散らし厚紙檀紙一二丁。これを台紙として折本に 仕立てたもの。これらの台紙は随所に複数の糊痕が見られ、該耆以前にも手鑑台紙として用いられていたものと思われる。 題篭を除き、折本の表に二七種、裏に二四種、計五一枚の切れを貼付する。奥書・識語・旧蔵書印等なし。昭和六三年購 人 0 貼付。題篭寸法一六・六×川・五籾。題字﹁筆林﹂。一丁表に貼付された川勝宗久の極めによれば、上冷泉為久︵人トモ︶ 手鑑一冊。紺地金銀菱繋地椴子表紙。表紙寸法三六・二×二四・四糊。表紙中央に金砂子散らし金泥下絵入り鳥の子題 偲号“年6月。なお、同号には、潮廼舎文庫ホームページからダウンロードした﹁﹁源氏物語明融本一について の疑問l﹃琴山印﹂データベースの資料の語るもの﹂ファイル全文が録されている。ちなみに、同ホームページで は﹁﹃琴山印データベース﹂の構築について﹂というファイルを、“年、月から開示している。URLは 言日ミミミ芝・馬‘己○口‘口2頁i里○国C旨である。かたがた参照されたい︶ 村上翠亭・高城弘一監修﹁古筆鑑定必携古筆切と極札﹂︵淡交社平成陥年3月︶ ︵野村︶ Ⅱ﹁筆林﹂書誌 ︵こ手鑑耆誌 一 j J − J

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6翻刻に際し、原則として漢字表記は現行のものを用いた。また虫損等で判読できなかった文字には口印を補った。 5﹁書誌﹂の項では料紙と記述の仕方について、解説しておいた。例えば歌集ならば、一首を何行で合計何首書いてい るのか、訶耆は和歌より何字下げで言いているのか、そしてそれらすべてを併せて総行はいくつかといった具合であ

凡例

1表には上から順に、﹁通し番号﹂﹁極札﹂﹁切れ詳細﹂﹁備考﹂の各項を設け、さらに﹁極札﹂の項は﹁伝承筆者名﹂と ﹁古筆家名﹂に、﹁切れ﹂の項は﹁内容﹂﹁スケール﹂﹁耆誌﹂の項に細分した。 2﹁極札﹂項目のうち、﹁伝承筆者名﹂には極めの表記を翻字した。その際一部私に補ったものにはく﹀印を冠して おいた。﹁古筆家名﹂の項目で、氏名が特定できなかったものには﹁﹂印を冠し印字のみを翻刻しておいた。 3﹁内容﹂の項には切れの一部を翻刻した。その際、和歌や連歌等韻文の場合には最初に記された一首を翻刻し、経典 や物語等散文の場合には冒頭行を翻刻しておいた。また翻刻のあとには︵︶内にジャンルを記した。出典が判明し たものは作品名や歌番号などを記しておいた。なお歌番号は﹁新編国歌大観﹄によった。 4﹁スケール﹂の項には切れの寸法を縦×横で記し、また界や罫のあるものはその長さと輻を記した。単位はすべて糎 る C である↑ ︵二︶切れ一覧

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七 十 四 文 芸 資 料 研 究 所 蔵 手 鑑 「 筆 林 」

|]’

通し番号 Ⅱ|後円融天皇 10 9 8 6 5 4 I 2 1 金蓮寺素眼法師 近術関白信尹公 小野道風 世尊寺殿定成卿 か 一体和尚弟子墨斎ほ 岡本半助宣就 後鳥羽天皇 光明皇后 伝承筆者名 上冷泉為久朝臣 極 大| 咳’し 二古筆﹂ ﹁守村 ﹁古筆﹂ ﹁古筆 ﹁守村﹂ ヨヨ 守 古 村 筆 1 − − 1 − − ﹁古筆﹂ か︶ ﹁古筆﹂︵認印 川勝宗久 古筆家名 詩題﹁洞庭秋月﹂︵七言詩︶ 余⋮﹂︵経典︶ ﹁是集諦如是理趣由何證知余契経中亦説 二拾玉集﹂ろ己︲巴 をおいのなみたにそめてみるかな⋮﹂ ﹁・・・かきとむるむかしのひとのことのは ﹁ひと目みしのへのけしきはうらかれて胃.ヘ買届酌 露のよすかにやとる月かけ⋮﹂二新古 ﹁心静川身涼﹂︵五言詩︶ 二禅房無熱到但能﹂︵七言詩︶ ︵対句集か︶ ﹁刹々座々見身相門々何処不相逢⋮﹂ ﹁催新可之霞出海咲梅﹂︵漢詩か︶ ⋮﹂︵経典︶ ﹁大法雨大法雨成就濁悪諸衆生等是時行 ・・・︲’︵経典︶ ﹁清浄故四無所畏清浄何以故若一切智智 ﹁筆林﹂︵外題︶ 内 容 切 壁薗×届い︵界9.一 吟切時×い‘や 坤今鈎×﹄弾。 四房か×印↑︵騨介]や画 罫陰己 画、.や×﹂ふい 罫 一 凸 己 思睡×固い︵界己司 罫ら︶ スケール︵含界罫︶ ﹄﹃.つ×﹄、や ︸ふめ×吟、 胃や.画×]か画 ﹄か.や×画].つ 4 1 4し 詳 金砂子散らし金泥下絵入り鳥の子。 1行 橡色・竜の下絵入り楮紙。4行 ・6行 無地楮紙・裏打ち・墨界・朱点入り 無地奉書紙。1首3行計7行 計8首 無地楮紙。上下2段書き・7言対句 紺地雁皮・銀界・金泥経。9行 黒地雁皮・銀界・金泥経。3行 無地楮紙。点者略号・鉤点等の加点 あり。1首1行計4首・訶書3字下 雲紙・鳥の子。3行 丁字色鳥の子。2行 細 吾 誌 手鑑題篭 Eとツレ 、 力 ツレか 8と9は 備考 − 5 −

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20 19 18 T 弓 上/ 16 1 芦 1, 14 13 12 堯孝門弟周興律師一﹁守村﹂ |﹁名取川音になしてそみちのくのしのふ一睡g×|堂 素眼法師 足利﹀菰尚公 和歌四天王慶雲法師 素眼法師前廉筆 柴屋軒宗長 尚公 常徳院殿︿足利﹀茂 素眼法師 連歌師寿慶 ﹁守村︲ ﹁古錐﹂ 一 ー 1 塞一了 山 L 一 -一1 古 轆 L一 ‐ ﹁幸JrTJ| 一戸了?木1L ﹁守村﹂ ﹁古筆﹂ 古筆﹂ ﹁我かくていな葉もる身となりぬるをか りのやと、や人のみるらん⋮﹂二新千載 集﹂巻十八雑歌下呂霞’弱︶ ﹁雲のうへの春さへさらに忘られね花は 数にも恩ひ出しを⋮﹂言千載集﹄巻十七 雑歌中己殿︲認︶ 詩題﹁江天暮雪﹂︵七言詩︶ 集﹂巻十神祇歌圏刹逵 きみゆきのあとのこしけむ⋮﹂二新後拙 ﹁神もまた君かためとやかすかやまふる のかおもひに身をややくらん⋮﹂︵歌集︶ ﹁しもつけのしめちか原のさしもくのお 二十神祇歌届3︲$︶ みきはに立まさりける⋮﹂︵﹁干赦集﹄巻 ﹁すみよしの浪も心をよせけれはむへそ 詩題﹁山市晴嵐﹂︵七言詩︶ ︵連歌︶ ﹁和田の原千里もわかぬ舟出して⋮﹂ 今﹄巻五秋下畠やら二 いつ.い×一。琴 画動司×一旬.⑭ 唖吟“×|卸学 噌舎、×一m.噛 唾回剖×﹂乱●酌 一つ.つ×一参旬 一つ,つ×一参︲、 一式↑×一睡匙 橡色・竜の下絵入り楮紙。4行 ・訓書3字下げ・総計叩行 雌地楴紙・災打ち・1首1行計3首 ・刈苦3字下げ・総計9行 無地楮紙・裏打ち・1首2行計2首 字下げ・総計6行 鯲地楮紙・1首1打計3首・訶書3 ・訶耆2字下げ・総計哩行 無地楮紙・製打ち・1首2行計4首 J字色鳥の子・裏打ち・1首1行計 了・渕洲2字下げ・総計舶行 無地鳥のj・喪打ち・1首1行計3 橡色。危の下絵入り楮紙。4行 1斗r レノ ネ公 恥じ’ 計 ウ ノ オ千 I 』 雲紙・金泥下絵入り鳥の子。連歌懐 紙。1句2行計3句6行 はツレか か 1 4 と ツ レ ︿nV、へく︺、︿uJ l11 Ⅳ参昭 力込 叩とツレ

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七 十 四 文 芸 資 料 研 究 所 ル & 手 鑑 「 筆 林 」 24 ワ q = ぜ 21 dフ貝 合、」 0 0 色 些 旬 弓 乙/ n J 勺 乙り 湖信斎宗信 牡丹花前簾之筆 十市遠忠 金蓮寺素眼法師 山本殿実冨卿 池川帯刀正能一品川牛庵 巳 。読寸 i,ij "士・ 刀§ 暖 ﹁守村﹂ ﹁古筆﹂ l塞了Ⅲu﹂ Ⅵ利。−JⅢ川引llll 卓古筆﹂ 二占飛﹂ ﹁占兼﹂ かはらは露あまるとも⋮﹂二新後拾遺 集﹄巻十一恋歌$甲副︶ ﹁春日野の下もえわたる草のうへにつれ なく見ゆる春のあわ雪⋮﹂二新古今集﹄ 巻一春歌上る︲屋︶ 巻一春蟹二 の春のはしめなりけん:.﹂毫続古今集﹂ ﹁久かたのあまの戸あけて出る日や神代 記・和歌︶ はうすく雪にかゞりて⋮﹂︵万葉仮名表 ﹁くれか、る入江のなみは色もなし水き 集﹄巻−4仇し﹁右/源爪之﹂とある。︶ さはかすみのたちかはるらむ:,﹂︵﹁拾迩 ﹁よし野やまみれのしら雪いつきえてけ ﹁風ふけは玉ちる萩のした鱗にはかなく やとるのへの月哉⋮﹂二新古今集﹄巻四 秋歌上凄守塞︶ ご].︿仏名﹀箔巴 二和漢朗詠集﹄巻上︿氷﹀鵠や題.︿談 ﹁氷消漢王応難柵雪尽梁王不刊枚・・・﹂ ︵﹁竹林抄﹄巻十屈麗︲電︶ ﹁蕗またてなひく蒋葉の千草かな⋮﹂ 画騨、×一m.、 いやい×唾].、 唾⑪.C×唾ロ・ロ 唾鈩、×痔、い ﹄や.つ×]つい ]、.↑×]毎﹂ |煙c×一﹃﹄ 金泥下絵入り色紙・I首散らし書き 首・訓書2字下げ・総計9行 雌地鳥の子・典打ち・1首1行計5 雌地楮斐桃き混ぜ、裏打ち・1首1 行計4首・訓書3字下げ・総計吃行 1首4行 橡色・竜文下絵入り楮紙・裏打ち 雌地鳥の子・4筒帥7行 ・訶耆3字下げ・総計、行 班地楮斐漉き混ぜ・1首1行計4首 l字色鳥の子・裏打ち・1首1行計 4首・訶書3字下げ・総計叩行 4首・訶害3字下げ・総計8行 漢切れ︶か はツレ︵和 く い ﹀ 、 Q J 、 ︿ u J 、 Q J 1上屯Iユー几、/︼ Ⅳ参昭 万 一 /

(8)

句 〆 d D 、 〆〕、 34 j3 〕2 q l J L 〕0 29 28 極め無し 極め無し 極め無し 極め無し 極め無し 極め無し 極め無し 山門行助法印 義尚公 ﹁古筆 ﹁古筆﹂ ﹁これを習へし学問にたよりあらんため 也次に⋮﹂︵仮名文・随筆あるいは教訓 書か︶ 頭︶ ⋮﹂︵﹁法華経﹂第一品文末から第二品冒 ﹁智恵甚疾無量其智恵門難解難入一切声 亀和漢朗詠集﹂巻下︿懐旧﹀且苧怠︶ ﹁蘇州船故龍頭暗王尹橋傾雁歯斜。:﹂ 東下至小塘東北角:.﹂︵漢文・地誌か︶ ﹁西頭過至小塘西北角外角従此此傍小塘 巻十八雑歌下畠g︲巨︶ かなしきかねの音かな⋮﹂急新古今集﹂ ﹁あかつきとつけの枕をそはたて穏聞も 首並序⋮﹂︵題と真名序の一部のみ︶ ﹁春日侍中殿同泳花多春友応製和歌一 の秋はけにそはかなき⋮﹂︵歌集︶ ﹁露はた§ゆふへのおとす涙にてうき身 神祇歌尾認︶ き御幸の跡を尋て⋮﹂二千載集﹂巻二十 ﹁三笠山さして来にけりいそのかみふる ︲君か世にあはすはいかてさく花のいろ罵隆×屋患 も千とせのはるをしらまし。:﹂︵応製和 岬今.、×]司司 悪封湧︽︽︶ 閉い×匡回︵界隠.︵︶ 罫画.、︶ ちい×覇切︵界囲い 罫]・唾 噛卸⑤×、﹄︵因介噛﹄塗 四mい×岸C“ ︺いい×]かつ 画幽.、×一今、 唾卸唾×]凱唖 無地鳥の子・料紙に1本縦の折れ目卯、錨は あり・1首2行・訶書1字下げ・総ツレか 列帖装か.行卯字内外計9行 無地鳥の子・朱点・傍書入り・もと 紺地雁皮・金泥界・金泥経・5行 書き入れあり・4首計6行 無地楮紙・睾界・朱点・訓点や訓の 無地雁皮・墨界・朱訓点入り・3行 総計7行 ・1首1行計3首・訶押1字下げ・ 無地鳥の子・天地に金箔縁・裏打ち 無地鳥の子・奥打ち・計4行 7行下げ・総計8行 無地楮紙・1首2行計3首・歌人名 首・訶害3字下げ・総計叩行 概地鳥の子・製打ち・1首1行計1 裏面 か 2 8 は ツ レ ’刈哉、︵×︺ 11 よ り

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七 十 四 文 芸 資 料 研 究 所 蔵 手 鑑 「 筆 林 」 44 イ『> 1.) 42 10 ○ヴJ 』 帽一極め雌し 11 39 38 極め無し 極め錘し 年写/東寺祐英筆︺ ︹室町時代宝徳三 極め無し 第六十六︺ ︹藤原時代大般若経 極め無し 極め無し 一条家家俊卿 ︵背焼き付謹・ 近代のものか︶ 近代のものか︶ ︵青焼き付菱・ ず い L 、 君 1 J 小 川 ハ r ト ル ﹁磯のかみふりにしこひの神さひてたぐ るに我はいそれかねつる⋮﹂二古今集﹄ 巻十九雑体己隠︲鶴︶ 集﹄巻十六哀傷唖匡︲苫︶ か、みにみゆるかけならすして﹂二古今 ﹁うらみてもなきてもいはんかたそなき 妙なる法の花□□つら﹂︵詠疏1首︶ ﹁たのむ契りはなかき世かけて朽せしな 歌 … ﹁二障随躰又七地八度間⋮﹂︵仏教関係の 問答書か︶ 羅旅歌置やs︶ くものはいせの浜荻⋮﹂二新古今﹂巻十 ﹁しらさりし八十瀬の波を分過てかた敷 ﹁飢口性喋□々乳老鰯心閑緩々眼⋮﹂|喝切×弓.︵︶︵界隈・巴一卵色鳥の子・裏打ち・天地のみ金単 ⋮﹂︵写経︶ ﹁薩摩訶薩応円満速離諸兄世尊云何菩薩 。:’︵写経︶ ﹁善現復日仏言若一切法自性皆空都無真 二和漢朗詠集﹄巻下︿酒﹀岳や餡︶ ﹁若使栄期兼解酔応言四楽不言三:。﹂ 囲騨×やい︵界g“ 罫].浬 唾今い×]刃争 画司.↑×一争・争 四P印×]司靹 いいい×﹄い・や 画刃や×や.︽ 孵封−.や︶ 暉今②×④轡︵田介噌つい ]唖や×胃争.つ 無地鳥の子・もと列帖装か.1首1 行計7首・訶書3字下げ・総計n行 首・詠者名略字下げ・総計9行 無地鳥の子・裏打ち・1首1行計7 字内外5行 無地楮紙・朱鉤点・訓点入り・行型 ・5行 無地楮紙・墨界・訓の苦き入れあり 行 1行計4首 無地鳥の子 無地雁皮・裏打ち・墨界・5行 ・散らし苦き 金銀箔砂子散らし金泥下絵入り色紙 句計7行 子本か・料紙に紙の継ぎ目あり・5 卵色鳥の子・天地に金単郭・もと巻 計4行 もとは列帖装か.1首 訶書3字下げ・総計皿 − 9 −

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副一極め延し 50 10 47 工 、 ノ 48 16 極め無し 極め無し 慶雲律師 極め無し 烏丸光宣卿 見 室 夕 朝命茂人︵但 し姉将端の下 に﹁わたつみ の﹂と引用す るが当該紙に この引用句は 無い。他の極 めがここに付 いたものか︶ ﹁見室﹂︵木村 ﹁いつくにか今夜は宿をかり衣日も夕暮 の峰の嵐に⋮﹂二新古今集﹄巻十鴨旅歌 の印噛︲画。︶ 末∼哩段︶ とおろか也:.﹂︵﹁徒然草﹄上巻皿段文 ﹁のみとりつみて所せく渡しもてくるい ﹁妙法蓮華経信解品第四:﹂︵﹃法華経﹂|勝.、×一豊︵界画勗一紺地雁皮・金界・金泥経金泥に上 の、こ、ろをしる人そくむ⋮﹂︵歌集︶ ﹁いにしへの野中のしみつぬるけれとも ⋮﹂︵写経︶ ﹁縁縁壇上縁尚畢寛不可得性非有故呪有 く古今注か﹀︶ りはてれはあきそゑにける:.﹂︵歌普 ﹁あまの河あさせしら波たとりつ、わた ︵﹁和漢朗詠集﹂巻下︿鶴﹀堂や鴎︶ ざや×卸。︵界囲い 罫障四 ︶全.い×一刃や ︺鰐旬×]剴切 職割鱈巴 閉翫×裏や︵界曽隆 ]①﹄×]い塁 無地楮紙・墨界・単郭.l罫の内に 1首2行書き・計3首3行 行計4首・訶苦3字下げ・総計n行 無地鳥の子・もと列帖装か.1首1 行 の書き入れ有り・もと列帖装か・9 無地・梢斐漉き混ぜ・朱点合点段数 折本か︵紙の継ぎ目・折り目あり︶ 黄染紙鳥の子・睾界・8行・もとは 字 無 下 地 げ 烏 . の 総 子 訓・・ l O X 行 打 ち 1 % . 2 行 注 郭・もとは巻子本1句−行計2句 ・1首2行計3首・総計8行

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文芸資料研究所蔵手鑑「筆林』 七 十 四 当研究所蔵手鑑﹃筆林﹂︵第型番︶に所載される﹁伝遠忠切﹂︵以下﹁実践切﹂と仮称︶は、極めの通り、結論からいへ ば、︿遠忠﹀筆と認めて良いものである︵いまここで、また以下で︿遠忠﹀などといふものいひをしたことについては、 後述する︶・出典は﹁続古今集﹂春上・八番歌詞書から一二番歌訶耆まで。遠忠筆とする﹃続古今集﹄の切れはいま一点 存する︵久保木秀夫の教示による︶。それは、財団法人徳川黎明會蔵手鑑﹁集古帖﹂に貼られるもの︵裏面二六面・切番 号一五二、﹃徳川黎明會叢害古筆手鑑篇四鳳凰台・水茎・集古帖﹂︹思文閣出版Ⅱ舗・3︺三七○頁、以下﹁徳川切﹂と仮 称︶である︵写真版A︶。 盟一極め無し [釈文]晩風知菊といふ心を白河院御寄 夕くれにかせのふかすは菊の花にほふさかりをいかてしらまし

百首の御寄の中に土御門院御牙

よそにゆく秋の日数ハうつるへとまた霜うとき庭のしら菊 Ⅲ実践女子大学文藝資料研究所蔵手鑑﹁筆林﹄所掲﹁伝遠忠切﹂について I付.︿遠忠筆﹀鑑定難I の符仙とその冒頭句を記す︶ ﹁こ、のへにいまよりなる猶花のいるや 八千世の春のはしめなるらん⋮﹂︵歌集︶ 稽 罫 “ 【 、 Q × 巴 扇 一 無地鳥の子・1首2行計1首・訶書 1字下げ・総計4行 る書き入れ注もあり・5行 八U、侭U、ハム QJ9J貝J はツレか ︵上野︶ − 1 1 −

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題しらす中務卿親王

いまよりや外山の色もかはるらん秋風さむししからきのこと 權少僧都公朝 秋の色をいかにまちミんときは山しくれも露も染しと恩ヘハ 建長六年韮山仙洞にて五首和寄講し侍し﹂ 出典は同じく﹃続古今集﹂、秋下・四九八番歌詞吉から五○二番歌詞書まで︵因みに、前掲書解説に出典は示されてゐ ない︶。前掲害によれば、この切れは、寸法が羽・8×B・4叫斐紙・室町写との由。寸法から想像するに、また九行 書といふことから見て、一行分が切ら取られたものと恩はれる。 【AI伝遠忠筆「続古今集切」(徳川黎明 會蔵「集古帖」所載)

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七 十 四 文 芸 資 料 研 究 所 蔵 手 鑑 「 筆 林 」 やや横道にそれることになるが、そもそも遠忠は、勅撰集、就中十三代集を、どの位耆写してゐたのだらうか。かって 興福寺明王院に所蔵されてゐた遠忠自筆典籍群を、前田家が調査した折の覚書である金沢市立玉川図言館近世史料館加越 能文庫蔵本﹃松雲公採集遺編類纂﹂︹特・一六○三・八・一︺九二・書籍部五﹁南都東大寺等書籍目録﹂所載﹁︹天和二年 十二月七日津田光吉筆︺興福寺之内明王院書籍之覚﹂には、遠忠筆の勅撰集として、僅かに以下のものが記載されてゐる に過ぎない︵聞耆類、序ノミの抄出等ハ除ク︶。 十二月七日津田光吉筆︺與福傘 に過ぎない︵聞耆類、序ノミ︵ 古今和歌集︵朱書入有之︶ く ﹁実践切﹂と﹁徳川切﹂の筆跡を比較するに、同筆であるとまづは判断してよからう。問題はそこから先、それが紛れ もなく︵世にいふ︶遠忠筆であるか否かである。そこで、一二徴証となりうるものをあげてみよう。 例へば、他の多くの遠忠自筆︵と称される︶資料︵尊経閣文庫に多数所蔵される詠草・自歌合等︶を通覧するに、遠忠 の﹁の﹂字は、上向きに筆をかへす箇所で、一旦微妙に内側に戻すといふ特徴が見られる。その特徴は、いづれの切れに も明確に見て取れる。即ち、﹁実践切﹂三行目・第四字目など、一方﹁徳川切﹂二行目・第七字目などである。ただしこ の種の﹁の﹂字は、遠忠と同時代において類例をまま認めることが出来︵例へば、近衛尚通︶、この一点を以て直ちに ︿遠忠﹀筆と断ずることは、早計に過ぎる。けれども、同じく自筆典籍にも見られるやや特色のある﹁心﹂字などをここ に追加すれば、両切の︿遠忠﹀筆たらんこと、大略は認められようと恩ふ。 なほ、﹁実践切﹂﹁徳川切﹂、紙質・字高などを確認しなければ軽々に断定は州来ないものの、当面はツレと見倣してお 新続古今集︵遠忠奥書有之︶ けれども、小論で紹介した﹁続古今集切﹂から予想するに、恐らく、多数の勅撰集を遠忠は書写したと思はれる。ここ − 1 q 一 八 J

(14)

特徴的な﹁の﹂﹁心﹂字はここでも、はっきりと見てとれよう。しかし、一方でごく普通の﹁の﹂字も多く見られる、 といふ点に、よくよく留意すべきである。もちろん、このことを以て、この切が、例へば天理図書館蔵定家等筆﹁秋篠州 清集﹂の如きものであるとまではいはない。さうではなく、遠忠︵と覚しき人︶の筆跡なるもの、一筋縄では見極めきれ ない、といふ格好のテキストと機能することを、ここに確認しておきたいのだ。 なほ、久保木秀夫の教示によれば、︿遠忠﹀筆と伝へる十三代集の切には、以下のやうなものが存する由。 日唖署冒 釈文は掲げない。 では一点、近時姉

ぞ?丞・ワロ言舎蕊更。澤ず塗irり嬢?為皇易⋮ 多承寺尋隠蕊蟻Iいみ今鈴を 舟 ;やきイみめ1のw瀞溌寺やく鴬のク7Lいず型字競け鯵餐嚥鯏 ︾沙沙刈j侭悠承く、ぢ齢、ヤトやh一いク紳獅金鼠

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山玉葉集︵抄出?︶ え珍書、雲簿弥〃!︲f 彗墨鍵詳二患■呵恭こ#鯵菱轄姦衾翼γ穆竣減 近時架蔵となった﹁続後撰集切﹂︵写真版B、玄海模より入手︶を紹介するにとどめる。なほ、紙幅の都合上 憧・参一催鯲錘 i :髭;.、

IB1武井蔵伝遠忠筆「続後撰集切」

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七 十 四 文 芸 資 料 研 究 所 蔵 手 鑑 「 筆 林 』 ︿遠忠﹀筆の特徴として、先に﹁の﹂﹁心﹂の字体について触れたが、より鮮明なものとして、﹁な﹂字をあげることが 出来る。﹁実践切﹂第三行、下から四字目に見える。この﹁な﹂字は、すべての遠忠自筆文献に見られる訳ではないし、 頻出ともいへないが、稀有とまでもいへないもので、遠忠筆か否かの鑑定において、一指標たりうるものである。 このやうに、遠忠自筆であるか否かは、比較的容易に弁別出来るやうに見えるし、実際、筆者もそのやうに考へてゐた こともあるが、ことはさう単純ではないことに、近時、思ひ至りつつある。そのことを、まづ、尊経閣文庫に所蔵される 二種の﹁李花集﹄で検討してみよう。この二極の﹃李花集﹂は、遠忠の奥書の年時を以て、享禄三年本・享禄四年本と呼 ばれ、特に享禄四年本は近世に転写された諸本の祖本と見倣されてゐることもあり、刊本の底本として広く用ゐられてゐ るものである。両本の細かな関係は別稿に譲る他ないが、現在の見通しだけをかいつまんでいへば、享禄三年本︵の親 想像を暹しうするに、あれほどに和歌に魂を奪はれ、とりつかれたやうに歌耆を書写した遠忠のこと、十三代集とて、 その大半を書写してゐたとしても、何ら不思議ではない。恐らくは、まだ相当量の︿遠忠﹀筆十三代集切があるに違ひな いふべき性格のもののやうだ。 よって、遠忠筆と見倣されて︸ 10 1V 宝島寺蔵手鑑一三八 ②続千載集︵抄出?︶ 今泉家蔵手鑑、財団法人徳川黎明會蔵手鑑﹁蓬左﹄一○○ また、今治市河野美術館蔵﹃新勅撰集﹂︹一二○・七六九︺は、奥耆・識語は全く存しないものの、末田幽碩の極めに つて、遠忠筆と見倣されてゐる。細かな考察は省くが、︿遠忠﹀筆と見て良いやうに思ふ。ただし、確言は憧られると l、、 都立中央図書館蔵手鑑﹁古名筆帖︵二﹄七○ − 1 5 −

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しかし、享禄三年・享禄四年に、遠忠が﹃李花集﹂を書写したことは疑ひなく、また、本文を精査するに、先に述べた やうに、﹁享禄三年本︵の親本?︶をもとに校訂をより施したものが享禄四年本﹂といふ線は、まづ動かない。とすると、 ただけのこと、に過ぎない。 ︿遠忠﹀筆と見て良い。と、 本?︶をもとに校訂をより施したものが享禄川年本であらう、と考へてゐる。 そこで、各々の書写奥耆を掲げてみよう︵写真版C・D︶。 例へば署名の筆跡を一見すればそれと察知せられるが如く、この向書は別筆と判断する他ないものである。筆勢におけ る明白な相違も、この判断を支へよう。事実、本文の筆跡においても手は異なり、享禄三年本は非遠忠筆、享禄四年本は ︿遠忠﹀筆と見て良い。と、ここまでならば話は簡単、従来の研究者は、奥耆にひかれて享禄三年本を遠忠筆と誤って来 【C】尊経閣蔵享禄三年本『李花集』奥耆 【D】尊経閣蔵享禄四年本「李花雌」奥耆

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文芸資料イリ│究所蔵手鑑『筆林』 七 十 四 といったあたりが、妥当な着地点といへよう。 ところが、享禄三年本の署名に極めて近似したものが、遠忠、筆資料と見倣さざるを得ないものの中に散見されるのだ。 ここでは、架蔵短冊を紹介して置く︵写真版E︶。 筆づかひがやや急いでをり、あるいは手控へかもしれない。そのためか、﹁遠﹂字は若→筆致が異なるものの、﹁忠﹂字 は近似してゐるといへよう。この短冊が、晴の場のそれではなく、非公式のものである可能性が高いことから、石筆など によるものとは考へ難く、それゆゑにこそ、享禄三年本の書体の如き遠忠の署名が存したことが証されたといって良い。 またここでの﹁の﹂字は、遠忠の特色を有してゐないことにも注目したい。 さらに享禄三年本の署名に近いものを、遠忠自筆︵と称される︶典籍から例示すれば、 想定される系統図は、 木阿本︵Ⅱ或本?︶ 一丁

「 一

1︽校訂︾ ︽某転写︾ 」− 尊経閣蔵享禄三年本 瞳 IIIl尊経閣蔵享禄四年本 ︽影響?︾ E】武井蔵遠忠短冊 − 1 7 −

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さらにもう一つ、別なる遠忠の書体があるのではないかと思ふ。その一例として、尊経閣文庫蔵﹃百番自歌合︵天文七 年六月三日こ︹什上・六四、判訶ハ公条自筆︺をあげてみる。まづ、遠忠の奥書を掲げてみよう︵写真版F︶。 尊経閣文庫蔵﹃清輔集﹂︵享禄三年︶ 尊経閣文庫蔵﹁後百番歌合﹂︵享禄三年︶ などをあげることが出来る。これらがともに享禄三年の写しであることは、偶然の一致とは考へ難いが、そのことに小論 このやうに、﹁遠忠﹂の筆致は、享禄四年本のそれとほぼ一致する。ところが、この奥書に続く﹁覚書﹂︵写真版G、こ の内容に関しては、拙槁﹁遠忠詠・公条判﹃百番自歌合﹂小孜l遠忠自筆文献へl﹂︹﹃研究と資料﹂第鉛輯Ⅱ舶・7︺を ともあれ、以上例示した如く、嵩 紛れもない事実といふことになる。 では深入りしない。 遠忠自筆資料と見倣さざるを得ないものの中に、いま一つの書体の署名が存することは、 【F】尊経閣文庫蔵遠忠・公条筆 「百番自歌合j遠忠奥書

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七 十 四 文 芸 資 料 研 究 所 蔵 手 鑑 「 筆 林 」 参看されたい︶の筆致は、享禄四年本の本文の筆致から相当に遠い ﹁覚書﹂が速筆に書かれたものであらうとしても、︿遠忠﹀筆資料、換言すれば、︽遠忠様︾のそれとの距離は否定出来 まい。では、この﹁覚書﹂が遠忠の筆にあらざるか、といふと、さうでもないのだ。なぜならば、﹁覚書﹂の内容︵概要 をいへば、公条が判訶で指摘した詠作上の難点に対する弁解・改案などが記される︶が、遠忠自筆であることをまづ示唆 する。つぎに、判訶が公条の自筆であることから考へて、この典籍が﹁清書本﹂︵乃至、最終形態︶であることは一方で 疑ひ得ず、かかる清書本に如上の繰り言めいた覚書を害きつけうるのは、作者その人以外には考へ難いこと。さらにまた、 筆致も奥書のそれに近い。以上のことを踏まへれば、この﹁覚書﹂は、否、この﹁覚書﹂こそが遠忠その人の筆になるも のと考へるべきなのである︵なほいひそへておけば、小論の筆者は、この﹁覚書﹂然たる書風だけが遠忠自筆、とは考へ な い とすると、ここに第三の筆跡Iしかもこれこそが遠忠自筆と考へるべきIが出現したことになる。そして困ったことに、 この第三の筆跡は︽遠忠様︾からいささか遠い感があるのみならず、筆跡としてはどちらかといふと特徴が少ないやに見 【G j 中心谷口

遠歌

蔵自

庫番

文百

閻i書

経筆覚

尊条忠

︵盆崖起 − 1 9 −

(20)

え、それゆゑに、この筆跡単体で遠忠自筆と直ちに鑑定することは、まづ至難であらう。 では、他の遠忠自筆資料を、如何にしてわれわれは弁別しうるのか:::小論の筆者なりに恩ひつく典籍一二ないこと はない︵一例すれば、尊経閣文庫蔵﹃十市遠忠詠草中耆﹂︹什上・六五︺など︶が、小論はそれを論じる場ではないゆゑ、 省略に従ひ、別稿にゆだねることとする。 思ふに、遠忠の周辺には、︽遠忠様︾をよくする者︵右筆であらうか。石澤一志の示唆によれば、例へば釜口栄暁を擬 すべきか、との由。架蔵伝栄暁筆﹁古今集注切﹂︹写真版H︺、早大蔵﹃東山殿御時度々御会歌﹂など参看。また、︽遠忠 様︾の上位概念であるといふ︽烏養流︾の書流に属する人々の筆跡の中にこの︽遠忠様︾を置いて、彼我厳密に比較検討 する必要もあるだらう︶、また異筆なる者︵これも右筆か︶などがゐて、遠忠の書写活動を輔佐してゐた︵主導してゐ た?︶、と見る他はあるまい。さらには、可能性としては、遠忠の筆跡が時期によって、あるいは場面によって、相当に 異なるといふことも、むろん、検討すべきものであらう。 上文ではからずも造語してしまった︽遠忠様︾なる概念、このやうに、その含意する所は思ひのほか深からう。小論に 関連する一点だけを付言しておく。﹁実践切﹂は確かに︽遠忠様︾と断じうるが、だからといって、即ち遠忠その人自身 の筆跡である、とは、なりえない、といふ含みをこめて、小論の冒頭で﹁結論からいへば、︿遠忠﹀筆と認めて良い﹂と 述べたのである。このことを最後にいひ添へて、甚だ蕪雑な小論を終へることとする。 ︵武井︶

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七十四文芸資料研究所蔵手鑑『筆林」 鋒懸悲吟輝峰?紗惨、Y〃?譲録蝿一

嘉議

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(22)

凡例 一、本データベースは、潮廼舎文庫研究所において、構築されたものである。不詳の点は、同研究所に照会されたい。 二、本データベースは極め札に関わる次の0からⅢまでの各項より成り、可能な限りに於いて、当該切れ本文についての 皿より皿各項を付する。短冊・書冊のばあいもこれに準ずる 三、数字の単位はセンチとし、横×縦︵×厚︶の順で記入した。その余は判読されたい。

7記載初文字我かくて

8極め印寸法1.3×1

6名物切名称該当ナシ

5伝承筆者素眼法師/前廉筆

4極め札料紙烏ノ子︵厚手︶

3極め札寸法2.0×吃・︽

2 1 0

現蔵者登録番号五

﹁琴山印データベース﹂

︿画像﹀口絵参照

Ⅳ﹁琴山印﹂データベース 1 五○六

登録番号JBKOO1

13 ハb×ハU・ワ﹄

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七 十 四 文 芸 資 料 研 究 所 蔵 手 鑑 「 筆 林 」

賜備者

1 4 1 3 1 2 1 1

皿極め札裏面

9極め印状況

本文寸法 本文料紙 本文出典 本文翻刻 藤原基任 我かくていな葉もる身となりぬるをかりのやと、や人のみるらん

題しらすよみ入しらす

呉竹のふしみのたゐのかりの世におもひしらてやもりあかすらん 法眼行胤 夜もすからたえすなるこのをとすなり山田のいほを風やもるらん 印の欠落の様態は、 められない。同氏 ︵﹁書道学論集﹂一、 新千載集巻一八雑下 楮紙︵補修紙アリ︶ 叩・7×妬・6×0

貼付のため不明

黒印左辺欠落0

中村健太郎氏の﹁第二欠損﹂に当たるが、同氏の﹁第一欠損﹂にあたる欠落は認 ﹁古筆了栄の極札にみられる﹁琴山﹂印の経年変化と発行年代の特定について﹂ 平成陥年3月︶参照。 35 23 − 2 3 −

(24)

13 1211 9 8 7 F ‘ 4 3 の 1ひ 4 。 ‘ 」 14 I() 6 )( ︿画像﹀ 極め札寸法 極め札料紙 伝承筆者 名物切名称 記載初文字 極め印寸法 極め印状況 極め札裏面 本文寸法 本文料紙 本文出典 本文翻刻

現蔵者登録番号五

﹁琴山印データベース﹂

︿画像﹀口絵参照

2 一該ルヨナシ 恥・3×肥・6×0.賜 金泥下絵入り色紙 歌仙色紙︵玄玄集重之五首︶ 黒印左辺欠落0.10.4他2カ所。右下辺0.妬。右辺若干 、

貼付のため不明

白局の子 2.0 右 11.0J×11・川佳 よし野や/ま 山本殿実富卿 五 /一、 ( ノ 、 ∼ 〆 __エー ノ、

登録番号JBKOO2

1 つ 上 J 源重之 11×っ

(25)

文芸資料"│究所戯手鑑『筆林』 七 十 四

喝備考

印の欠落の様態は、中村氏の﹁第三欠損﹂にあたるが、﹁第一欠損﹂にあたる欠落は認められず、氏 の範晴にない右辺に欠落状の様態がある。 ︵野村︶ よし野やまみれの しら雪いつきえて けさはかすみの たちかはるらむ − ワ 員 一 宮 Ⅱ ノ

(26)

蝿蕊蕊二蕊篝蕊蕊篝蕊篝蕊蕊篝譲蕊議蕊謹 ,,"-‘,; 穏課,,苛一悪晶--ミ電、零:青 課發蕊琴琴:謬:…蕊…:塞諺蕊 卜.{,澱・・・・、..r・:,、議斡蕊繁鴦蒙溌篭鍵鐸婁講篭馨議繕蕊 蕊 蕊 篭 毒 鍵 蓮 瀞 蕊:§ 堂、言︲A需呉、僻J︲●⋮晶子︲賛や31rや鼠●⋮ 鑑 … ■ 魂 , … … 誘瀧恥篭啄癖,聯穆溺噛.馥蕊馳堪野融職鷺守蘭群 ,i f

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琴山印(データベース1参照)

(27)

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琴山印(データベース2参照)

(28)

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『筆林j所収「伝遠忠筆切」(「年報」24号掲載「調査報告七十四」参照)

参照

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