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オランダ国際親子法に関する研究ノート 親子関係抵触法を中心として 利用統計を見る

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オランダ国際親子法に関する研究ノート 親子関係

抵触法を中心として

著者名(日)

笠原 俊宏

雑誌名

東洋法学

52

1

ページ

135-159

発行年

2008-09-30

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00000652/

(2)

︽研究ノート︾

オランダ国際親子法に関する研究ノート

1親子関係抵触法を中心としてー

一 緒言 二 新立法の一般的特徴 三 各個規定の内容  ︵1︶ 嫡出親子関係  ︵2︶ 嫡出否認  ︵3︶ 婚外母子関係  ︵4︶ 認知  ︵5︶ 準正  ︵6︶ 親子間の法律関係  ︵7︶ 外国裁判等の承認 四 Aマ後の課題 ︵参考資料①︶ オランダ親子関係抵触法 ︵参考資料②︶ オランダ養子縁組抵触法

笠 原

俊 宏

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緒言  オランダ国際私法が、ベネルックス統一法草案を放棄した後、独自の国際私法の法典化のための作業を開始して から、すでに四半世紀が経過した。その間、単一の国際私法典として立法化するのではなく、個別の渉外私法関係 ごとの法律を制定した上で、それらを民法典第一〇編として集結するという計画の下に作業が進められたが︵拙稿 ﹁オランダ国際家族法立法に関する研究ノート﹂東洋法学四四巻一号一六一頁以下、とくに一六三頁以下、及び、拙稿﹁オランダ 国際不法行為法に関する研究ノート﹂東洋法学四七巻二号一〇一頁以下、とくに一〇三頁以下参照︶、家族法の分野を見る限 り、いよいよ、それらの作業も最終段階に差し掛かろうとしている︵図磐9蝉国■寄聾9∪旨9冨く讐Φ巨R墨ぎ邑 一署6<Rく一睾8・旨。8㌔ミ講魯9ミ鴨ミミ§ミ§、き緊§織評さミ§G・§ミ為・8の㎝県︶。この小稿において言及され る国際親子法に関する二つの国際私法立法、すなわち、﹁親子関係についての法律の抵触の規律に関する二〇〇二 年三月一四日法律﹂︵いわゆる﹁親子関係抵触法﹂オランダ官報二〇〇二年第一五三号︶、及び、﹁養子縁組につい ての法律の抵触の規律に関する二〇〇三年七月三日法律﹂︵いわゆる﹁養子縁組抵触法﹂オランダ官報二〇〇三年 第二八三号︶は、正に、それらの作業の成果の一部である︵u・§幕ΦくきH§ω・pい四8薯色巴・一冨9き3一ω①話讐導 一①ω8島富8ζω窪ヨ畳Φ﹃Φ号窪呂oP肉鳴ミ鴨6ミ尉ミ魯辱ミ凡ミ鳴ミ◎織§ミ㌧註&︵以下、塑Ω宣﹄知として引用︶88も。○ 尚、最新のオランダ国際私法立法である﹁登録パートナーシップについての法律の抵触の規律に関する二〇〇四年七月六日法律﹂ ︵いわゆる﹁登録パートナーシップ抵触法﹂オランダ官報二〇〇四年第三二四号︶を紹介するものとして、拙稿﹁オランダ登録 パートナーシップ抵触法︵二〇〇五年︶﹂東洋法学五一巻一号二一五頁以下参照︶。それらの中、﹁親子関係抵触法﹂は、 一九九八年に行われた国内親子法の最後の改正の後、その法案が提出されたものであるが、従来、オランダ国際親

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子法は、その取組みにおいて多様であり、また、オランダ最高裁判所の判断が下されることも稀であったばかり か、あまり研究の活性も見られなかった分野であった︵くきH§ω・P8葺もb 。。9︶。漸く、﹁親子関係抵触法﹂がそ れについて規定し、もって、法的安定性の確保に供されようとするものである。  わが国際私法の場合には、平成元年の法例改正により、国際親子法に関する大改正が施されたが、その後、諸国 の国際親子法にあっては、例えば、ドイツ国際私法第一九条のように、嫡出親子関係と非嫡出親子関係との問に見 られた区別を排除する等、更なる進展が図られていることが看取される︵海老沢美広﹁ドイッの新国際親子法﹂戸籍時 報五〇二号二頁以下参照︶。ここに論及されるオランダの﹁親子関係抵触法﹂もまた参考とされるべき内容を有する 立法例であると思料されることから、この小稿において、それを紹介しつつ、若干の比較立法的考察を試みようと するものである。尚、﹁養子縁組抵触法﹂は、一九九三年の﹁子の保護及び国家間の養子縁組についての協力に関 するハーグ条約﹂、一九九八年の同条約施行法、及び、﹁養子縁組のための外国人たる子のオランダヘの配置に関す る法律﹂を補足するものであり︵寄馨R糞鉾ρψ$︶、この小稿には、参考資料として付したに止まる。 一一新立法の一般的特徴  この﹁親子関係抵触法﹂を通じて指摘されるべき特徴として、第一に、本国法主義の原則の採用、第二に、国際 戸籍委員会︵○﹄中○︶条約の援用、そして、第三に、実質的利益の追求が挙げられる。  まず、本国法主義の原則の採用との関連において言及されなければならないのが、属人法決定の基準に関するオ ランダ国際私法の伝統的な立場を定める現行法規である﹁王国の立法のための総則に関する法律﹂︵一八二九年五 月一五日法律︶第六条である。すなわち、﹁人の権利、身分及び能力に関する法律は、オランダ人が外国に居住す

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るときであっても、その者を規律する。﹂とする規定がそれであり︵拙編訳﹃国際私法立法総覧﹄︵冨山房、一九八九年︶ 七八頁参照︶、そこにおいては、一八〇四年のフランス民法典第三条第三項と同様、一方的抵触規定の形式の下なが ら、本国法主義の立場が表明されている。そして、反致について、オランダ国際私法上において、それは原則とし て認められていないと言われている︵零9く目寄9\ζ窪旨①くも・一畏U旨畠冨毒$一旨Φ旨呂8巴笹ヨ6・ 。刈も§O①寓8 参照︶。従って、本国法主義に対するその信奉はより強固である。その立場が維持された理由について、立法理由 書は、ドイツ、スイス、イタリア等の多くの外国立法例を援用しながらも、安定性を要求される親子法関係の本来 的性質が、国籍を連結点として維持することに有利に働いたことを指摘している︵6巳寅ω。p83もb しながら、本国法主義の原則も、場合に応じて変容されている。すなわち、それが実行できない場合、又は、満足 されるべき結果をもたらさない場合には、利害関係を有する当事者の共通法の適用の優先を顧慮して、当事者の共 通の常居所に依拠するか、又は、それ以外の場合には、一方の当事者の常居所が補充的な連結点として用意されて いる︵く磐Hけ①お・P・や。FPO 。39ω巳<■︶Q  次に、国際戸籍委員会︵OH国○︶条約に関しては、先ず、それとして、三つの条約が挙げられる。すなわち、 ﹁婚外子の母子関係の確定に関する一九六二年九月一二日条約﹂、﹁婚姻による準正に関する一九七〇年九月一〇日 条約﹂、﹁婚姻外に出生した子の任意認知に関する一九八○年九月五日条約﹂がそれらである。国際的調和のため、 これらの中、オランダは前二者の当事国となっており、その結果、各個規定においても、それらの条約上の立場が 援用されている。それに対して、後者の条約については、後に言及されるところであるが、オランダは批准してい ない。因みに、同条約はフランス及びトルコによって批准されているが、第三の批准国が得られないため未発効の ままである。オランダが同条約を批准しようとしない理由として指摘されているのは、次のような点である。ま

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ず、父子関係の認知のため、四つの連結点の選択的連結を認める条約上の連結規則は、オランダ国際私法における 認知する者本人の本国法主義の優越の原則に反するものであるばかりか、一般に認められている実務とも異なり、 戸籍吏に準拠法の選択を強いることとなって不都合である。また、同条約においては、認知による親子関係の確定 を極めて優遇する制度が採用される一方、公序による例外が認められていないため、子のオランダにおける在留資 格の取得のみを狙った偽装認知への対抗手段が欠けていると考えられるからである︵ぎ巳曇ωβ8﹃警もb 。。q︶。  そして、実質法の次元における子の保護に対する配慮が、﹁親子関係抵触法﹂においては、価値中立的抵触規定 の採用として具現化されている点が指摘される。親子関係の成否に関する一般的問題として、親子関係の成立、及 び、時として、親子関係の解消を保護すべきであるか否かの問題が存在するが、その問題との関わりにおいて、抵 触規定がいかにあるべきかが問題とされる。それについて、親子関係に関わる全ての問題が同様に処理されること が望ましいとは考えられないとするのが、﹁親子関係抵触法﹂が立脚する立場として指摘されている︵ぎ巳韓ω・p β鼻う・ 。霧︶。例えば、子が母の夫と親子関係を成立させることが、必ずしも子の利益とはならないこともあると して、嫡出親子関係について、価値中立的な抵触規定が支持されるべき理由が説明されている。 一一一各個規定の内容  ︵1︶ 嫡出親子関係  嫡出親子関係の成立の準拠法については、夫婦の共通本国法、夫婦の共通常居所地法、子の常居所地法の段階的 連結の規則が定められている︵第一条第一項︶。このような規則については、まず、両性平等の原則が表明されて いることは明らかである。但し、夫婦の共通本国法に依ることができるのは、夫婦が一つの共通国籍を有するとき

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に限られており、夫婦が複数の共通国籍を有するときは、ここにおける意味の共通国籍は存在しないものと見倣さ れ、夫婦の共通常居所地法が適用されることになる︵同条第三項︶。このような立場は、一九七八年の﹁夫婦財産 制の準拠法に関するハーグ条約﹂第一五条第二項、及び、同条約が規定していない婚姻の身分的効果に関する 一九九三年九月一六日のいわゆる﹁婚姻の法律関係抵触法﹂において採用されている立場である。嫡出親子関係の 成立の準拠法に関する抵触規則は、第六条において、強制認知訴訟にも採用されている。  そのような立場について最も注目されるのは、﹁実効的国籍の理論﹂の適用が退けられている点である。オラン ダ国際私法は、一九八一年の﹁離婚抵触法﹂第一条第二項において、﹁当事者の一方にとって、共通国籍国との実 効的な社会的紐帯が明らかに欠ける場合は、共通本国法は存在しないものとみなされる。﹂として、右理論を採用 していたが︵杉林信義”笠原俊宏﹁オランダの国際離婚法について﹂秋田法学七号一六六頁以下参照︶、ここにおいては、そ れと異なる立場がとられるに至っている。その背景として指摘されているのは、やはり、実務上、﹁実効的な社会 的紐帯﹂の有無についての判断が困難であるという認識の存在であろう︵証巳寅ω葺8鼻もb 。零参照︶。  ︵2︶ 嫡出否認  嫡出親子関係の否認についても、一九九八年のオランダ親子法の改正において顧慮されており、抵触法上も、裁 判上のそれと裁判外のそれとが区別されている。まず、裁判上における嫡出否認については、父母は全く平等に位 置付けられており、原則として、第二条第一項が、嫡出親子関係の成立の準拠法、すなわち、父母の共通本国法が 同様に規律すべきことを定めている。しかし、同条第二項は、補充的ながら、子の利益に適うこと、及び、当事者 からの要求があることを条件として、父母の共通常居所地法、子の常居所地法、さらに、オランダ法の適用を裁判 官に認めている。その場合に問題となるのは、一体、何が子の利益に適うかということであろう。それとして、議

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会における審議の過程において明確にされたのは、基本的に、生物学上の親子関係と法律上のそれとが一致すると いうことであった︵6巳§ω・P8鼻もb 。霜︶。従って、連結の多元化は、嫡出性の保護のためではなく、むしろ、 その否認のために駆使されるべきと考えられており、真実の親子関係の確定の利益が嫡出性の保護の利益を凌駕す るとするオランダ親子法の立場が、抵触法の次元にも投影されていることが看取される。  一方、裁判外における否認、すなわち、身分官吏に対し、母によってなされた子とその母と婚姻しているか、又 は、婚姻していた男子との間の親子関係の異議申立ての宣言による無効については、第二条第四項が、第一条に定 められた準拠法に従うべきことを規定している。そこにおいても多元的連結が認められているが、子の保護は顧慮 されていない。しかし、母による異議申立ての宣言が、母と婚姻しているか、又は、婚姻していた男子であって、 今なお生存する者の同意があること、及び、子と他のいずれかの男子との問の親子関係が成立することを条件とし てのみ行なわれることができる点において、身分官吏にとっては、当事者の利益が一致することが明らかな事件の みの取扱いが確保されたが︵ぎ巳§ω・Pβ。F&箋︶、それと同時に、オランダ国際私法においても、少なくと も、子にとって何らかの父子関係の存在が利益になるものと認識されていることを窺わせるものである。  ︵3︶ 婚外母子関係  母子関係の成立の準拠法については、第三条第一項第一文において、母の本国法に依るとする伝統的な立場が採 用されている。母が複数の国籍を保有する場合には、そのいずれもが連結の基準になりうるものと解される︵<磐 H§ω・p8鼻も。・ 。箋︶。加えて、同項第二文は、母が、子の出生の当時、オランダに常居所を有するときは、常に母 子関係が確定されることを定めている。これは、わが国において確立されていると同様、分娩という事実によって 母子関係が確定されるという立場がオランダ法上においても採られているからにほかならない。さらに、同条第三

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項は、一九六二年九月一二日の﹁婚外子の母子関係の確定に関する国際戸籍委員会条約﹂︵ブリュッセル条約︶の 適用をも認めている。同条約は、母が外国の出生証書上に母であることを記載することをもって、母子関係が確定 することを定めており、また、その者が記載しないときは、子を認知する権限を有するものとしている。そして、 母であることを記載した者は、非締約国法の要求に応えるため、子の認知宣言を行なわなければならないことを証 明するとき、それを行なう権能を有することが認められている︵く碧H罵ω・pε9も・。 。。N︶。  ︵4︶ 認知  オランダにおける実務によれば、最近の最高裁判所判決等を含めて、父性の認知に関する諸事項、すなわち、認 知能力及び他の要件は、先ず、認知する者の本国法に依るとする立場が確立しているが、第四条第一項もそれを明 示している。本人が複数の国籍を保有するときは、実効的であるか否かに拘わらず、いずれか一つの本国法に依る ことができると解されている︵証巳§ω・p8・9もb ・。刈9ω仁多︶。同項は、それにより、認知が不可能であるときは 子の常居所地法に依り、それによっても認知が不可能であるときは子の本国法に依り、さらに、それによっても認 知が不可能であるときは、最終的に、認知する者の常居所地法が適用されるべきとする段階的連結の規則を定めて いる。下位の法への連結は、認知が不可能であるという実質法の次元における判断の結果を基準として行なわれ る。オランダ国籍の既婚男子がその配偶者以外の女子から生まれた子を認知する能力を有するか否かについては、 常にオランダ法が準拠法となると定める特別規定が同条第二項に置かれているが、それは、認知保護の観点から、 外国法の適用によるその否定を避けるためであり、従って、認知する者が他の国籍を保有していても、それは関係 ないものと説明されている︵く磐H鼻ω・p8乙F&Φ。 。.参照︶。そして、同条第五項は、いずれの場合にも基準となる のは認知の当時の法であることを定めている。

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東洋法学第52巻第1号(2008年9月)  認知される者の保護に関わる子及び母の同意の要否については、従来からの立場、すなわち、それぞれ、子又は 母の本国法に従うことが、第四条第四項第一文によって定められている。同項第二文は、子又は母がオランダ国籍 を保有するときについて、他の国籍をも保有するか否かに拘わらず、それを要求するオランダ法に依るべきことを 定めている︵ぎ巳§ω・p8鼻も・・ 。串参照︶。イスラム法のように、認知の制度を置かない法体系が準拠法となるこ とも想定され、その場合には、子又は母の常居所地法が補充法として適用される。  認知の無効及び無効の方法については、第五条が、認知する者の権能及び承認要件に関しては、第四条第一項及 び第二項の諸規定に従って決定される準拠法に依り、又、母又は子の同意に関しては、第四条第四項の諸規定に 従って決定される準拠法に依って規律されることを定めている。  ︵5︶準正  準正については、第七条第一項において、一九七〇年九月一〇日の﹁後婚準正に関する国際戸籍委員会条約﹂ ︵ローマ条約︶と連動することが明らかにされている。これにより、後婚準正が父又は母の本国法上において定め られているときは、準正の成立が締約国︵オーストリア、フランス、ギリシャ、イタリア、ルクセンブルグ、トル コ︶において認められる。父又は母が複数の国籍を保有するときは、それらの国籍が実効性を有するか否かに拘わ らず、準正がそれらの中のいずれかの本国法によって認められる限り、準正が成立することになる。また、準正保 護の観点から、同条第二項が、上記の準拠法のいずれによっても準正が認められないときは、子の常居所地法への 補充的連結を認めている。尚、オランダは、右条約の批准にして、夫婦の一方がオランダ国籍を保有し、かつ、オ ランダにおいて締結された婚姻が戸籍吏の面前において締結されなかったか、又は、婚姻が外国において締結され た場合に、締結地法上有効でなかったときは、準正は有効なものと認められないとの留保を行なっているが、その

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ような留保は第七条第三項において明文化されている︵<磐冨お・Pβ昌も。。 。Φ。 。.︶。  現在、オランダ法上において、準正の制度は置かれていない。従って、同条約の抵触規則が活用される場面は限 られている。例えば、親子関係の存否について事実主義を採用する英米法の下にあって、前もって認められる余地 がなかった準正がオランダにおいて成立する場合とか、又は、外国において行なわれた準正がオランダにおいて承 認される場合である︵<磐H§ωβε象もb 。⑩㊥参照︶。外国において行なわれた親子関係の確定又は変更のための司 法上の決定並びに事実及び法律行為の承認に関する第九条第四項及び第一〇条第三項が、それぞれ、第九条又は第 一〇条の諸規定が右条約上における規則の適用を妨げないと定めていることと呼応するものである。  ︵6︶ 親子間の法律関係  一般に、親子関係の存在によって発生する効果は多岐に亘るが、第八条第一項は、先ず、他の抵触規則によって 規律されるべき事項については、それらの規則に依るべきことを宣明している。例えば、父母の子に対する扶養義 務、子の称氏、不法行為における親権者の監督責任等がそれらの個別事項として挙げられる。従って、同項に定め られた規則の適用範囲は、それら以外の事項であり、例えば、子の財産に対する父母の用益権、子の父母に対する 権利及び義務、父母の子に名付ける権利等がそれらとして挙げられている︵く彗H§ω・p8象もb 。Φ9︶。親子間の法 律関係の準拠法について、同項は、第一条第一項と同様、父母の共通本国法、父母の共通常居所地法、子の常居所 地法の段階的連結の規則を規定している。親子関係が母子関係に限られる場合については、同条第二項が、母と子 の共通本国法に依り、それがないときは、子の常居所地法に依るとする段階的連結の規則を規定している。そし て、父母が複数の国籍を保有するときは、共通国籍がないものと見倣すと定める同条第三項もまた、第一条第三項 と同様である。

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 ︵7︶ 外国裁判等の承認  親子関係を確定ないし変更する外国裁判並びに事実及び行為の承認については、第九条及び第一〇条が規定して いる。これらの規定に見られる特徴として指摘されているのは、人の身分及び家族関係に関するオランダ国際私法 が、過去二〇年間に亘り、数々のハーグ国際私法条約等の諸条約における発展の影響を直に受けているという点で ある。先ず、一九八一年、オランダは前出﹁離婚抵触法﹂を制定したが、それは、一九七〇年の﹁離婚及び別居の 承認に関するハーグ条約﹂、及び、一九六七年の﹁夫婦関係に関する裁判の承認に関する国際戸籍委員会条約﹂の 批准に伴うものであり、また、同年、一九七三年の﹁扶養義務についての裁判の承認及び執行に関するハーグ条 約﹂が批准されている。さらに、身分法の分野についての重要な進展は、一九九〇年、一九七八年の﹁婚姻の挙行 及び有効性の承認に関するハーグ条約﹂の批准によってもたらされており、一九九九年の﹁氏名抵触法﹂の修正も また、その一端を成すものとして挙げられる︵拙稿﹁外国国際私法立法に関する研究ノート︵五︶ーオランダ氏名抵触法・ フィンランド家族氏名法1﹂大阪国際大学紀要国際研究論叢一一巻一号九五頁以下参照︶。これらの諸条約及び諸法を通じ て、その共通点として認められるのは、外国の裁判、事実及び行為の承認に際して、当該国家の抵触法によって指 定された法が準拠法として適用されているか否か、または、少なくとも、それが準拠法として適用されたのと同一 の結果が実現されているか否かの実質的審査を行なわないという点である。従前、オランダにおいても、人の身分 事項に関する裁判及び事実の承認は、右のような実質的審査の基準、すなわち、準拠法の要件を充たさない限り、 公序に反するとして拒否されるのが当然のこととされていた︵くき犀Rω。pβ警も。。 。$︶。  一九九二年、オランダ最高裁判所は、外国において行なわれた父子関係の認知の承認に関する裁判において、当 該認知の有効性については、オランダ国際私法によって指定された法に依拠しないと判示している。この見解に従

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えば、準拠法とされる法の範囲は極めて広範になり、それがいずれの法であるかは殆ど重要ではなくなるが、第九 条及び第一〇条は、準拠法要件を前提とする実質的審理を排除することにより、正に、右の裁判が判示した立場を 支持するものである︵くきH§ω婁8鼻もb 。$︶。但し、偽装行為を避けるため、オランダ国民の認知能力について は、オランダ法上の基準の充足が必要とされていることは、第四条第二項に関して前述した通りである。同様に、 オランダ人である母が父性の認知に対して行なう同意についても、前述の通り、同条第四項第二文において、オラ ンダ法に従うことが義務づけられている。 四 今後の課題  わが国際私法において、平成元年に規定された国際親子法に関する法例第一七条ないし第二一条︵現行﹁法の適 用に関する通則法﹂第二八条ないし第三二条︶は、嫡出保護、認知保護、準正保護、さらに、より一般的には、子 の保護の立場から旧法例を改正し、新たな規則が導入された諸規定である。それらの諸規定により、当時として は、漸く国際的水準に到達することができたと見られる。しかし、現在、それらの諸規定に見られた新しい連結規 則についても、改めて﹁親子関係抵触法﹂等のそれと比較することにより、わが国際親子法に潜んでいた数々の問 題点が浮上していると言うべきであろう。それらの点について極く簡略に列挙すれば、次の如くである。  先ず、実親子関係の確定において、抵触法の次元においても、それを嫡出親子関係と非嫡出親子関係とに区分し た上で、それぞれの連結規則を置くことの要否が検討されなければならない。これは、近時における実質法上の区 分の廃止が契機となって論じ始められた問題であるが、元来、それを侯つまでもなく、単一の法律関係として抵触 規則を一本化することもできないわけではない。

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 次に、嫡出保護の観点から、実質的判断に基づく択一的連結の方法をもって、子を可及的に嫡出とする法への連 結が考慮されることの是否である。国際私法の次元において、真実の親子関係の探求こそ優先されるべきであると いう実質法の次元における立場をいかに評価し、それらの二つの考え方を活かせる抵触規則を実定法へ組み込んで いくべきかが検討されなければならない。この点については、少なくとも、子といずれかの男子との親子関係を存 在させるべきとする﹁親子関係抵触法﹂第二条第四項が参考となるであろう。  また、可変的な利益衡量の変容に伴い、択一的連結ないし選択的連結、及び、段階的連結の規則が適用可能とす る法の範囲に関して、変更主義の採用の可否をも含め、再考されるべき余地が残されている。それに併せて、特に 段階的連結の規則における連結点の序列、及び、実質的判断をも視野に入れた上で、下位の法への移行の事由につ いても検討しなければならない。  そして、親子法における理念の徹底を図るため、付随的問題として、特に、反致が制限されるべき場合を中心と して、反致条項がいかにあるべきかを検討すべきであろう。最密接関連法として、また、実質的判断の結果として 指定された法からの反致の制限は、ドイツ国際私法第四条等の援用を侯つまでもなく、妥当であると考えられる。 単に同一本国法主義の堅持のみを顧慮し、その場合の反致を全面的に禁止する通則法第四一条︵法例第三二条︶但 書の立場については、兼ねてより、検討課題として指摘されてきたところである。  なお、この小稿の末尾に、﹁親子関係抵触法﹂及び﹁養子縁組抵触法﹂の試訳を掲げた。前者の邦訳に際して は、わΩP﹄知80Nもし 。○ 。09ω巳ダに掲載されている仏訳に依拠した。また、その英訳は、Hき望BpR\=彗ω ≦巽の巳○貸評B身冨名一Φ鵬巨魯99跨①乞①99き身88もbω“のけω8に収録されている。一方、後者の邦訳に 際しては、貿日器ミ≦震①&○“8●oFP田O雪紹ρに収録されている英訳に依拠した。

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︵参考資料①︶ オランダ親子関係抵触法 親子関係についての法律の抵触の規律に関する二〇〇二年三月一四日法律︵親子関係抵触法︶       ︵オランダ官報二〇〇二年第一五三号︶ 第一条 第一章 出生による親子関係 一 子とその者を出産した女子、及び、その女子と婚姻しているか、若しくは、婚姻していた男子との間の出生に  よる親子関係の確定は、男子及び女子が有する国籍が帰属する国家の法律に依るか、又は、それがないときは、  女子及び男子の双方が有するその常居所が所在する国家の法律に依るか、又は、それがないときは、子が有する  その常居所が所在する国家の法律に依って規律される。 二 第一項の適用のために考慮された時点は、子の出生のそれ、又は、両親の婚姻が子の出生前に解消されたとき  は、婚姻解消のそれとする。 三 女子及び男子が複数の共通国籍を有するときは、第一項の適用につき、それらの者は共通国籍を有しないもの  と見倣される。 第一一条 一 第一条に定められたような親子関係の異議申立て又は否認の確認訴訟による無効は、本条に従い、その関係に

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 適用される法律によって規律される。 二 異議申立て又は否認が、第一項に定められた法律に従えば不可能であるか、又は、すでに不可能であるとき、  裁判官は、子の利益のためであり、かつ、子及び両親がその結果に対する共同した要求を提出する限り、第一条  に定められたとは別の法律を適用するか、又は、子が出生若しくは否認の当時有したその常居所が所在する国家  の法律、さらに、又は、オランダ法を適用することができる。 一一一第一項又は第二項に従う準拠法がいずれであろうとも、そこにおいて目的とされている訴訟は、民法典第一編  第二一二条の規定に服する。 四 母によって身分官吏へなされた子とその母と婚姻しているか、又は、婚姻していた男子との間の親子関係の異  議申立ての宣言による無効は、第一条に従い、その関係に適用される法律によって規律される。かような宣言  は、第一項及び第二項の諸規定を妨げることなく、母と婚姻しているか、又は、婚姻していた今なお生存する男  子の同意をもって、かつ、同時に、子と他のいずれかの男子との問の親子関係が生じるか、又は、確認されるこ  とを条件としてのみ行なわれることができる。 第三条 一 いずれかの女子とその者が婚姻外において出産した子との間の親子関係の確定は、女子が有する国籍が帰属す  る国家の法律によって規律される。女子がオランダにその常居所を有するとき、かような関係は常に確定され  るQ 二第一項の適用のために考慮された時点は、子の出生のそれとする。 三 第一項及び第二項は、いかなる点においても、一九六二年九月一二日、ブリユッセルにおいて署名された自然

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子の母子関係の確定に関する条約の適用を妨げない。 第二章 認知による親子関係又は父子関係確認訴訟 第四条 一 いずれかの男子による子とその者自身との間の父子関係の認知による確定は、男子の子を認知する能力、及  び、認知の要件に関し、男子が有する国籍が帰属する国家の法律に依って規律される。その法律に依れば、認知  が不可能であるか、又は、すでに不可能であるとき、決定的であるのは、子が有するその常居所が所在する国家  の法律とする。その法律によっても、認知が不可能であるか、又は、すでに不可能であるとき、決定的であるの  は、子が有する国籍が帰属する国家の法律とする。その法律によっても、認知が不可能であるか、又は、すでに  不可能であるとき、適用されるのは男子の常居所の国家の法律とする。 二 第一項に従う準拠法がいずれであろうとも、オランダ国籍の既婚男子がその配偶者以外の女子から生まれた子  を認知する能力を有するか否かを決定するのは、オランダ法とする。 三 認知証書、及び、後の認知の記載は、第一項又は第二項に従って適用された法律を付記する。 四 第一項に従う準拠法がいずれであろうとも、認知に対する母又は子の同意は、それぞれ、母又は子が有する国  籍が帰属する国家の法律によって規律される。母又は子がオランダ国籍を有するとき、適用されるのはオランダ  法とする。準拠法が認知を知らないとき、それぞれ、準拠法は母又は子が有するその常居所が所在する国家の法  律とする。同意の準拠法は、同意がないとき、それが裁判上の決定によって代替されることができるか否かをも

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 決定する。 五 前諸項の適用のために考慮された時点は、認知及び同意のそれとする。 第五条  認知の無効、及び、無効の方法は、男子の子を認知する権能、及び、認知の要件に関し、第四条第一項及び第二 項の諸規定に従う準拠法に依り、又、母又は子の同意に関し、第四条第四項の諸規定に従う準拠法に依って規律さ れる。 第六条 一 男子の父子関係確認訴訟、及び、その訴訟の方法は、男子及び女子が有する国籍が帰属する国家の法律に依る  か、又は、それがないとき、それらの者の双方が有するその常居所が所在する国家の法律に依るか、又は、それ  がないとき、子が有するその常居所が所在する国家の法律によって規律される。 二 第一項の適用のために考慮された時点は、請求の提起のそれとする。男子又は母がその時点において死亡して  いるときは、準拠法は、死亡の時点における共通国籍がないとき、男子及び母がその時点において有するその常  居所が所在する国家の法律とするか、又は、それがないとき、子が請求提起の当時有するその常居所が所在する  国家の法律とする。 一一一男子及び女子が複数の共通国籍を有するときは、前諸項の適用につき、それらの者は共通国籍を有しないもの  と見倣される。 第三章 準正による親子関係

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第七条 一 子のその父若しくはその母の婚姻によるか、又は、後に取得された裁判所若しくは他のいずれかの権限を有す  る官庁の決定による準正は、一九七〇年二一月一〇日、ローマにおいて署名された婚姻による準正に関する条約  によって規律される。 一一第一項の適用が準正へ導かないとき、親子関係は、子が有するその常居所が所在する国家の法律に従う準正に  よって確定されることができる。 一一一父又は母がオランダ国籍を有し、かつ、婚姻が婚姻についての法律の抵触に関する法律第四条及び第五条の諸  規定に従って有効に締結されなかったとき、第一項及び第二項は適用されない。 四 前諸項の適用のために考慮された時点は、父及び母の婚姻のそれ、又は、裁判所若しくは他のいずれかの権限  を有する官庁の決定による親子関係の確定の場合には、要求又は裁判上の訴訟の提起のそれとする。 第四章 親子関係の内容 第八条 一 父母と子との問の親子関係の内容は、個別事項に関する諸規定を妨げることなく、父及び母が有する国籍が帰  属する国家の法律に依るか、又は、それがないとき、それらの者がそれぞれ有するその常居所が所在する国家の  法律に依るか、又は、それがないとき、 子が有するその常居所が所在する国家の法律に依って規律される。 一一母と子との間にしか実親子関係が存在しないとき、その内容は、母及び子が有する国籍が帰属する国家の法律

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 に依るか、又は、共通国籍がないとき、子が有するその常居所が所在する国家の法律に依って規律される。 三 男子及び女子が複数の共通国籍を有するとき、前諸項の適用につき、それらの者は共通国籍を有しないものと 見倣される。 第五章 外国における親子関係を確定又は変更する司法上の決定並びに事実及び法律行為の承認 東洋法学第52巻第1号(2008年9月) 第九条 一 外国において下され、かつ、親子関係を確定又は変更する全ての司法上の最終的決定は、次に掲げるときでな  い限り、オランダにおいて正当に承認される。  a 裁判管轄につき、明らかに当該国家の司法的範囲と十分な密接関連性が存在しないとき、又は、  b その決定が明らかに確たる調査若しくは手続から生じていないとき、又は、  c その決定の承認が明らかに公の秩序を侵害する余地があるとき 二 決定の承認は、それがオランダ所属民に関わるときであっても、本法の諸規定に従えば適用された法律以外の  法律が適用されたことを唯一の理由に、公の秩序に対する侵害として拒否されてはならない。 三 決定は、それが同一の実親子関係の確定又は変更に関するオランダ裁判官の最終的決定と相容れないとき、承  認の余地がない。 四 前諸項は、第七条第一項に定められた条約の諸規定の適用をいかなる点においても妨げない。 第一〇条

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一 第九条第一項b号及びc号、第二項並びに第三項は、外国において生じた事実及び法律行為であって、実親子  関係を確定若しくは変更し、かつ、関係国の諸規定と合致して、いずれかの権限を有する官庁によって作成され  た証書へ記載されているものに類推適用される。 二 父の認知は、次に掲げるとき、いかなる場合にも、第九条第一項c号に定められた拒否の理由に該当する。  a それが、オランダ法によれば、子を認知する能力を与えられないこととなるオランダ所属民の行為であると   き、又は、  b 母若しくは子の同意に関し、第四条第四項に従う準拠法によって定められた諸要件が満たされなかったと   き、又は、  c 証書が明らかに仮装の行為に関わるとき 三 前諸項は第七条第一項に定められた条約の適用をいかなる点においても妨げない。 第一一条  本法は、その発効後に確定又は変更された関係、並びに、その発効後に外国において確定又は変更された関係の 承認に適用される。 第一二条  本法は、国王命令によって定められる日に発効する。 柚弟 一=一匁木  本法は、﹁親子関係抵触法﹂という名称の下に引用されるものとする。

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東洋法学第52巻第1号(2008年9月) ︵参考資料②︶ オランダ養子縁組抵触法 養子縁組についての法律の抵触の規律に関する二〇〇三年七月三日法律︵養子縁組抵触法︶       ︵オランダ官報二〇〇三年第二八三号︶ 第﹃章 総則 第一条  子の保護及び国家間の養子縁組についての協力に関する条約︵オランダ条約集一九九三年第一九七号︶、同条約 を施行する一九九八年五月一四日法律︵オランダ官報第三〇二号︶、並びに、養子縁組のための外国人たる子のオ ランダヘの配置に関する規則を含む法律の適用は、本法によって影響されない。 第二条  第一条に拘わらず、本法における﹁養子縁組﹂は、未成年の子と共同した二人の者達又は一人の者のみとの間に 法律上の家族的結合を創設する権限ある官庁の決定を意味する。 第三条 第二章 オランダにおいて宣告される養子縁組及びその法的効果の準拠法

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一 第二項の規定の他は、オランダ法がオランダにおいて宣告される養子縁組に適用される。 二 子が有する国籍が帰属する国家の法律が、子の父母又は他の者若しくは機関の同意若しくは諮問、又は、それ  らに付与された情報に適用される。子が一つより多い国籍を有する場合には、子が有する国籍が帰属する国家で  あって、全ての情況を考慮して、その者が最も密接な関係を有するものの法律が適用される。かようにして指定  された法律中に、養子縁組の法的概念につき、いかなる規定も定められていないときは、オランダ法が適用され  る。同意の欠如が裁判上の決定によって代替されることができるか否かも、本項に従って適用される法律に依っ  て決定されるものとする。 三 オランダ法が、オランダにおいて宣告された養子縁組の撤回に適用される。 第四条  オランダにおいて宣告された養子縁組は、子とその養親との間における法律上の家族的結合、及び、以前から存 在する子の何らかの法律上の家族的結合の終了に関し、オランダ法によって付与された法律上の効果を有するもの とする。 第三章 外国の養子縁組の承認及びその法的効果 第五条  本章の諸規定は、 第六条 第一条に記された条約の当事国でない諸国家において宣告された養子縁組を支配する。

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一 養子縁組が宣告されている外国において下された決定は、それが次に掲げる外国の地域的に権限を有する官庁  によって宣告されるとき、法律の運用により、オランダにおいて承認されるものとする。  a 養親及び子の双方が、養子縁組の申立て並びに決定の両方の当時、それらの者の常居所を有した外国、又   は、  b 養親又は子のいずれか一方が、養子縁組の申立て及び決定の両方の当時、それらの者の常居所を有した外国 二 承認は、次に掲げるとき、養子縁組を定める決定について保留されるものとする。  a 決定が下される前に、明らかに、いかなる先立つ適切な調査又は適切な法的手続もないとき、又は、  b 第一項b号に言及された場合には、この決定が、子、又は、場合により、養親が、養子縁組の申立て及び決   定の両方の当時、それらの者の常居所を有した国家において承認されないとき、又は、  c かような決定の承認が、明らかにオランダの公の秩序に違反することになるとき 三 第二項c号に記された理由に基づく養子縁組の決定の承認は、決定が明らかに偽装行為に関係するとき、常に  保留されるものとする。 四 決定の承認は、オランダ人が含まれるときも、第二章の諸規定から適用されることとなっていた法律とは別の  ものが適用されたことのみを理由として、第二項c号に記された事由に基づいて拒否されてはならない。 第七条 ︻ 養子縁組が宣告された外国において下された決定であって、養親がオランダにそれらの者の常居所を有する一  方、子が、養子縁組の申立て及び決定の両方の当時、その常居所を有した外国における地域的に権限を有する官  庁によって宣告されるものは、次に掲げるとき、承認されるものとする。

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 a 外国人の子のオランダにおける配置に関する規則を含む法令の諸規定が遵守されたとき、及び、  b 養子縁組の承認が、明らかに、子にとって最良の利益となるとき、及び、  c 承認が、本法第六条第二項又は第三項に言及された事由に基づいて保留されることがないとき 二 第一項に言及されたような養子縁組は、裁判所が同項に記された承認要件が充足されることを確定したときの  み、承認されるものとする。オランダ民法典第一編第二六条の手続が適用される。 一一一養子縁組の承認要件が充足されたことを決定する裁判所は、職権により、養子縁組が、その後、出生、死亡、  婚姻及び登録パートナーシップの登録簿の然るべき法律文書へ記録されることを命ずるものとする。オランダ民  法典第一編第二五条第六項、第二五c条第三項及び第二五g条第二項が、必要な修正を加えて適用される。 第八条 一 第六条及び第七条に言及されたような承認は、次に掲げる事項をも含む。  a 子とその養親との間における法律上の家族的結合  b 養親の子に対する権限  c 養子縁組が、それが行なわれた国家において、子とその父母との間に以前から存在する何らかの法律上の家   族的結合の終了の効果を伴なうものとするときは、この終了 二 養子縁組が、それが行なわれた国家において、以前から存在する法律上の家族的結合の終了をもたらさない場  合には、養子縁組はオランダにおいてもその効果を有しないものとする。 第九条  第八条第二項に言及された場合において、子がオランダにその常居所を有し、かつ、その養親とともに永続的に

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そこに滞在する許可を付与されたときは、オランダ法の下における養子縁組への転換の申立てが提出されることが できる。子の保護及び国家間の養子縁組についての協力のための一九九三年五月二九日ハーグ条約を実行する法令 第二条第二項が、必要な修正を加えて適用される。本法第三条第二項が、養子縁組について同意を求められた父 母の同意に関し、必要な修正を加えて適用される。 第四章 最終規定 第一〇条  本法は、その発効日又は発効日後、オランダにおいて提出された養子縁組の申立て、 日後、外国において宣告された養子縁組の承認に適用される。 第一一条  本法は、国王命令によって指定される日に発効する。 第一二条  本法は、﹁養子縁組抵触法﹂として引用されるものとする。 及び、その発効日又は発効 1かさはら としひろ・法学部教授1

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