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職業選択に先行する一考察(創刊10周年記念号)

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149

転業選択に先行する一考察

塩 見 淳 A study of the Problem prior to Vocational Choice 」皿ichi Shiomi   The final aim in vocational guidance at school is a “satisfactory vocational adaptation.”.   Judging from the fact that the side of employers solidly looks for secondary school grad岨tes whQ are healthy and gentle, bright and diligent in character, most of school graduates are considered to have adaptability for vocation.   However, it won’t be denied that aim in vocational guidance sometimes can’t be carried out according to how to choose vocation. ln order to prevent some graduates from a danger to bring so−called “unadaptable phenomenon for vo− cation” on themselves, 1 make a proposal; to put head−shapes of the indivi− duals to some use in choosing vocational courses of graduates. Examining head−shapes of secondary pupils, 1 got the following results; (1) Putting in order of number, round−head is the largest, oval one is the next and mid−round one the lea$t. (the head−shape is the one seen from above) (2) According to the view of H. R, T., the oval group is good but both oval and round head group are not so well in school records. (3) Many narrow and high−back head−shapes are found among the students. (the head−shape is the one seen from the front) (4) Among the pupils, the harmonized form of face is predominant. The ratio of length of the three part of the face (upper, middle and low)is 10:7:6. Upper part is from the top of head to the eyebrow, middle part, from the eyebrow to the end of the nose. low part, from the end of the nose to the bottom of the chin. (5) This study is not to investigate the congenital and decisive nature but of making diagnosis of inclinational one. (6) lt needs such investigation as fellowing up individual educational or occu− pational history for long years. (7) This study will be useful for omitting the unadaptable vocation. (8) This study shows, 1 believe, though roughly, one way how to choose one’s future course. 1 目 的   学校における進路指導は,学校の教育活動の 全体を通じて行うことを基本とするものであ る。今回の教育課程の改訂実施にあたり,職業 指導が進路指導とかわり,教科からはずされて 特別教育活動の中に入ったが,これによって進 路指導がすべての教科から完全に独立して,そ の独自の領域をもつと考えるのは実際的ではな い。   生徒が個性を分析し,それに即して将来の進 路を考えること,就職や進学についての知識を

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深めること,将来の生活における適応向上につ いて理解することなどはすべての学習とはなれ ては考えられない。  職業科でいう啓発的経験を与えることは,こ の教科はもちろん他のすべての教科も生徒にと っては新らしい学習経験であることにかわりは ない。  であるから将来の進路指導は全教科の指導に よってなさるべきであり,したがって全教官の 指導であり,学校の全教育活動を通じて行う基 本原則がここに成りたつわけである。  tこだ職業科であり,職業指導であることから それは職業科だけの仕事であるように考えら れ,またそのように運営されてきた職業指導が こんど進路指導にかわることによって,そのよ うなあやまった考えが一掃される機縁となった ことは結構なことであると思う。  教科のそれぞれの目標は,そのすべてが直接 進路指導に関係するとはいいえないが,進路指 導に寄与する前提となるものである。  また教科の内容には,直接進路指導に関係の 深い内容がふくまれている場合も少くないが, 教科はその性格上進路指導の全面に触れること は困難であり,自ら指導上の限界があることも 当然である。  しかし教科の指導にあたる教師は進路指導と の関連を理解して学級担任との緊密な連絡や協 力が必要であり,さらには道徳やクラブ活動, 学校行事等についても同じことがいえる。  このように考えると,進路指導が学校教育活 動の全体を通じて行うことがより明確になるの である。  職業指導は就職希望者の指導であるとか,時 としては就職あっ旋のことといった誤解もある が,それのかわった進路指導は,新らしい学校 生活,未知の職業生活,家事・家業その他への 道に進んでいく全生徒の,そして一人一人につ いての進路に関する指導であり,彼等のよりよ き職業生活の実現に視点を置いての生活設計の 指導であり,いわば人生指導,立志指導ともい うべきものなのである。  「入をつくる教育のなかにあって,人をいか す営み」に視点を置く教育なのである。  このように学校で進路指導をうけた生徒は, 自分に適する職業に就くか,或はその職業に就 く準備として必要な進学をするか,まアこは家事 ・家業その他の方向に進んでいくのである。  このうち就職した者は,そのえらんだ職業が 自己の性能と技能とを伸長発達せしめ,ある程 度の成功と満足とをうる,いわゆる”満足すべ き職業的適応.こそ進路指導における終局のね らいに外ならない。  就職後の適応は,就職者,あっ旋業者,雇用 主,その他(たとえば就職者の父兄,他の求職 者,先輩従業者,同僚など)がたがいに他に働 きかけて行われる相互作用の結果であり,社会 経済的な要因もあるから,現実に即した不適応 現象の解明は困難なことである。  しかしまた一方ある職業につき,その後同じ ようなことを繰返へして,どれかの職業に安定 し,その職業に身をゆだねることによって職業 に対する適応性がまし,将来の生活も安定し, そして次第に進歩向上してある程度の成功と満        XR 足感とを感ずる一いわゆる満足すべき職業的 適応の見通しは,現にほとんどの職業人がもっ ていることであり,職業そのものに対する適応 性の一面である。  ※Super, D, E:Vocational development(職業   的発達)の中で,Vocational maturity①覇業   的成熟)と表現している。  ※ 中学卒業生に対する求入側の共通した要求は,   作業に必要な技術は自分のところで指導するか   ら,それよりも素直で健康で立話しみしない明   るい性格の子どもがほしいというのが圧倒的で   ある。つまりそういう意欲的な性格をもった入   間が満足すべき職業的適応に達するということ   になる。  ところが,この進路指導の最終目標が達成き れない,いわゆる不適応現象をその就職前に予 知することができないものか。すなわち職業選 択に先行するひとつの考え方をとりあげてみた のである。  本稿は,中学卒業生に対する求人側の要求か らみて大ぶぶんの生徒の職業に対する適応性を 認識しながら,それでもなおそのいくぶんか は,職業のえらび方のいかんによっては不適応

(3)

職業選択に先行する一考察(塩見) 151 を招来するかもわからないと予知される一そ れだけにこの指導を切実に必要とする者に対し て,きわめて大まかにその一般的な頭型から, ひとつの方向づけをしようを試みたものであ る。  2 方   法  大津公共職業安定所管内中学校のうち,5校 の就職希望生徒から140名(77+63)を抽出し, 本年9月以降各申学校で次のような測定および 観察をした。  ① 各生徒の旨旨,長径(前後径),短径(   横径),測定用具,キヤリバー,スケ・一一ル,   テt一・一プ(cm)  ② 前方から観察    ①A申学校の場合 (/)広壮か㈲狭頭か㈲高頭か(=)低頭か。

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生徒名瞬示三脚三論鞘側面・Ql適性職務群

備  考

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1 ︶ 囲 C,N) (ロ) (ロ) (p) 99 102 92 87 113 99 11−16−18 8−11−13−20 13一.v16−18−19 14−15−18−20 7−9−13一一20 4−5r9−11−13−15Av18 技能礫群 技能踏継 技能職群 技能職群 知・技能職群 知能職群

生徒名瞬示数画趣鋪踊IQ

適 性 職 務 群 備  考 1

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1 (ロ) (ロ) (ロ) ex) (v) い) 111 116 101 118 130 99 4−5−6−7−9−11−13一“20 6−7−9N20 15−16N18 4−6−7−9−11’一18 1−2−4−5−7−9−11−13 −15”一18 16’一20 知能群群 知能職群 技能職群 知能職群 知・技能職群 技能職群

(4)

   ② B中学校の場合

生徒綱形圃囎雫講巻斗IQi学業成績

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80.5 80.0 80. 5 73.6 80.5 80. 5 80. 5 80.0 78.3 備  考 0じ0[0 0ρ0ρO l ラ 但 ∩︶0﹁0 1﹁0ハ0 1 俗    一 〇〇〇﹁005 ・ ・ = ’ ・ . −rOρ0176 1    1 ラ ロ ︵ 勺 レ

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82 105 82 113 105 46 全部.3 図工保体4 全部.3 全部2.3 全部.3 数学.4 全部.3 音楽.職.4 全部.3 80  全部.3 104 全部.3 101  全部.2.3 技能面戸 知能職群 技能職群 知能職群 知能職群 技能職群 口三三群 知能職群 技能職群

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〔ロ) (ロ) (ロ) (u) 49 90 102 51 112 123 48 音楽.4 他は2.3 全部.3 全部.3 全部.2.3 全部.3(外図工.4) 全部.3 78 全部.3(音.4) 全部.2 知能職群 技能職群 技能職群 知能職群 技能職群 知能職群 知能職群 技能職群 技能職群 ④側面からみて前部の高い頭曾),後方の高  い頭㈲,中間全体の高い頭㈲の判定観察 妬,   1    (tr)   !    (ハ)   ;     l      l        ロ              ,      ;

…募銚一_・毒..ぐ慨郵一一

       レ  ①の測定用具によるものは,測定値を計算し やすいが,それでもその測定部位により誤差は まぬがれない。観察の場合は特にそうである。 したがって身体検査の諸計測と同じように考え ていきたい。この場合の測定については各中学 校の先生方,生徒諸君の協力をえた。

(5)

職業選択に先行する一考察(塩見) 153

3結

果  以上の中から,次の30名(男子)を抽出して, その測定結果,IQ,適性職務群,学業成績,備 考をあげてみると次のようになる。そのうち備 考は大まかな判定適職群を示してみtこ。 同申学内で長頭,短頭生徒を同数ぬきだして比 較してみると, 4 考 察 測定および観察の結果にもとづき,さらにI Q,適性職務群,HRTの所見を参考資料にし て大まかに適性職務群を示してみた。  ① 短頭が多く,長頭,中短頭の順にすくな

  X

 くなる。すなわち   短 頭    57+56   長 頭    17+2   中短頭    3十5 (77十63=140)  ※ 入類学上の頭形示数は    82.0一   短 頭    81,0∼81.9 中短頭    80. 9一   長 頭

    彫示数一欝欝講)

(わ (口)  頭を上からみて前後に長いだ円型の長頭と前后  の短い短頭にわけるそして頭形示数をだす。 ※ 近府県頭形示数分布図 e b 澄・尉 1竃   葛

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騨.⋮し       O 一80.9       e 8LO−8Lg       e s2. o一一        × ② 長頭と短頭とを比較したとき,IQ=46∼ 113に対し,48∼123となる学校と,IQ=87 ∼113に対し99∼130となる学校とがある。 頭高は後方高がもっとも多い。適性職務群数 は実施校(実施はされているが集計中の学校 が多い)ではほとんど差がない。ただIQと この職務群数とは関係する。  ※ この比較は,長頭短頭ともにその示数の最   小,最:大のものをその順に同人数だけ抽出す   る。 ③長短頭に対する且RTの所見は区区であ るが,ある中学校では長頭グループのものは 仕事熱心,明朗,がんばる,ねばる,仕事熱 中,責任感強い等に対し,短頭グループでは そのような所見がすくないと見うけた。また 他校では,元気あり,仕事まじめにやる,よ くきばる,元気あるが注意さんまん,ややね ばる,まじめに努力する,与えられた仕事を コッコヅやる等に対し,短頭グループにはね ばりなくあき性(気味),あとでねばりなく 神経質,態度にムラがあり,積極性ないとい ったような所見もみえている。両グループと も学業成績はあまりよくない。これが就職希 望の主な理由であれば考えさせられることで ある。 ④ 長頭は仕事熱心ねばり強くよくがんば る,与えられた仕事をやりとげる責任感,ま じめに地味な努力をする,骨犯しみをしない といった事は短頭にまさるが,感情的な表 出,芸術的な才能にはすぐれない。しかしこ れはもっと多く事例研究をかさねてそれより 帰納せなければならぬ。 ⑤前方からみて広頭,狭頭,高頭,低頭の 観察では,やや狭頭でしかも後高の頭型のも のが多い。この狭頭で後高または中高は身長 の伸長と関係あるように思われる。また顔を 3層に分けた場合,その上中下層の割合はほ ぼ,10−7−6ぐらいになるのが多い。 広頭で高頭であることは知能晶群(労適性職 務群では1−10ぐらいまで)に適するわけで,

(6)

それは顔を3層に分けた場合,上層は知性に 関する領域であるから,その中高はそれだけ 領域の広大なことを示している。殊に同じ高 頭でも前方の高いのは理性が強く,物を理解 する能力を表現している。  頭型が顔面にそのまま表われているわけ で,頭の大きいのはしたがって顔も大きく, 一般的に顔の大きいものは適応がよく,欲求 も強く活動的である。また下あごのはったも のは,自然的活動性を示し,また意志が強い ことを示している。      覧      ’ 情    知  ’       ’       」       ’       し      ク

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 顔の3層から,そのバランスのいかんによ って調和型と不調和型とがあり,不調和型の ものは性格異常者や犯罪者,非行青少年およ び施設の児童達に多くみられる。  俳優はこのつり合いが特に大切で,正面と ともにま横からもその表情がじゅうぶんによ みとれるようでなければならないといわれて いる。 ⑥ 高頭は知性に関する領域が広大であるか ら,したがって思慮分別があり,物事の判断 が適確であると考えられる。しかし日本人の 性格のうち外国人のもっとも警戒する社会的 緊張social tension(日本入が天孫民族であ ることをこのtensionにむすびつけて考え られたことあり)は,低頭と関係がないだろ うか。教育の必要がここ1こも跨れる。 ⑦職業選択をする場合その大まかな方向づ けを頭型について何らかの手がかりを求めよ うとした。その実際については,学校や公共 職安で実施する各種の調査やテスト,相談等 によって具体化きれるわけである。  本人の意志,環境,信仰,社会経済的な要 因,未組織な形で行われる偶然なできごとに よる影響一友人たちの話し言葉,親類縁者 の気まぐれ,ある特定の仕事につくやさしさ, 先輩従業者,兄姉たちの示さ一等によって 職業選択の方向がきまることが多く,この場 合には必ずしもこの方式によらぬ場合がでて くる。  それであるからこの研究は,きわめて大ま かな傾向性の診断による,職業選択の方向を 予知(予見)することにつきる。こういう頭 型のものは,このような職業についた方がよ いであろうということを示きすることに,そ の研究目標を要約したいと思う。 ⑧Super, D. Eの職業的発達Vocationa董

developmentの中に職業経歴類型研究The

      X Career Pattern Studyというのがある。 ※ これは「職業経歴類型の理論を公式化し,ま  たある程度その証拠資料を提出することを目的   とし,一群の少年達の職業的発展を追求しよう  とする」研究である。その研究計画は,=ヨー   ヨーク州のミドルタウンという小都市をえら  び,そこの中学校の第8−9学年の男生徒285  名につき,彼らが34−35才になるまでの教育歴  若しくは職歴を追随し,その職業的発達を詳細  に考察するという大きな計画であり,それはす  でに開始されているのである。 この研究も,これと同じく相当長い年月の追 随により,その変化発達の様相を追求してい かなければならない。その間の職業的発達 は,職業的成熟Vocational maturityを志 向し,数個の職業的人生段階Vocational life stageを経て発展向上していくのであ る。すなわち  成長段階 誕生から14才まで  探索段階 15−24才 夢想期試験期現実期  確立段階 25−44才 試行期安定期  維持段階 45−64才  衰退段階 65一   減速期引退期 この間に職業的適応性の問題もある。そうい う職業的発達と職業的適応の視点を考えても それでもなお不適応を招来する一部分のひと たちに,この実証的な研究がむけられでなけ ればならないのであるQ

(7)

職業選択に先行する一考察(塩見) 155  5 要   約       X  人間の成長は25才でほぼ完了し,その学頭, 胴,肢,脚部の発育はそれぞれ2倍,3倍,4 倍,5倍の発達をなし,そのうち頭脳は6才で その90%,12才で95%の成長を示すとされてい る。   ※ アメリカのスタンフォード大学のE.K.   Strong博士は,興味の持続性について研究の   結果,われわれの興味は15才から25才までの間   にかなり動揺の可能性がある。しかし職業興味   なども25才で大かた固定してくるようである    と。    また俗言では,男子は25才の朝メシ前までの   びるといわれていることも考えあわせられる。  顔の型に栄養型,知覚型運動型の3類型が あり,それぞれの型の特長があるように,身体 各部分中最も早く成長発達し,決定づけられる 頭型についても,その出先機関である顔と同じ ように分類することができる筈である。  そのように考えて頭型を知力型,官能型,感 情型とに3分類し,知力型のものは,知性の判 断よく数学,理科,計数方面に秀であるから, 作業的職業,体力的職業についた場合は不適応 を示すことになる。官能型のものは,知力型と ことなり,知的領域すくなく作業的職業,体力 的職業に適応することになる,  感情型のものは,耳の上のはった感情連想領 の大きい型のもので,音楽,絵画,図工等の芸 能関係に秀で,体力的職業,作業的職業にはむ かない。  このようなことを頭型の判定を基礎として, きわめて大まかな方向づけを与え,その将来を 予見しようとしたのである。  中学校の進路指導で実施されている,労働省 職業適性検査の結果判定される適性職務群の数 は,学業成績と関係があり,職務群番号1−10 までの知能職群は一般学業成績のよいものに多 く,11−20の技能職群は就職する生徒に多くな っている。この適性の判定は,職安との就職相 談の資料に提供されるのである。  ここでは検査に対する信頼度やその判定結果 と選職方向とが必ずしも一致せないこと,性能 は発達していくものであること等は別の問題で ある。  身体各部中身も早く固定すそ,この頭型によ る大まかな適職の方向づけは,ひとつの傾向性 を診断したものでこれが決定的なものではな い。  この決定的な方向づけでないところに,将来 各種各様の進路が約束きれるわけで,ひろく教 育の意義と価値,その必要性とをここに見だす のである。  本稿の「職業選択に先行する一考察」は,そ の後の教育や自分の意志,努力により,方向転 換の可能を肯定している考え方にたっているの で,そんなに先天的,決定的なものではさらに ない,またそうであってはならぬと思う,  実際の現場における事例研究もまた資料の収 集もすくなくて,あれこれ判断したりまた何か 帰納したりすることそれ自体がきわめて危険で あることはじゆうぶんに反省する。  しかしながら,経験をつみかさね,現場の事 例研究を多くくりかえして,それからこれを分 類し,整理することにより一般的な法則を見だ すことも必要なことである。  それは職業経歴類型の研究のように,これか ら長年月にわたる追随研究法も考えられるし, また現在の職業人を対象として,現在にいたる までの職業的発達のあとをたずねることもまた その一方法であると思う。  もっと多数の生徒に実施することにより,長 頭,短頭によって学業成績,1Q,粛白検査,ク レペリンテスト,HRTの所見等がよりはっき りと比較されるかもわからない。先日実施され た文部省中学校全国学力検査結果と頭型との関 係はないだろうか。前にのべたSocial tensio11 は頭型と関連はないか等考えきたればあれこれ と派生する問題は多い。  進路指導は,教師も生徒もともにミ満足すべ き職業的適応.をめざす学校教育活動の一であ り,大ぶぶんの生徒はそれを予見しているが, それでもなお職業選択の方法によっては,この ましくない不適応現象を招来するかもわからな い一それはきわめて不幸なことである一一 部の生徒たちのために,その選択の方向づけに ひとつの資料を提供することにしたのである。

(8)

一方不適職を排除することも,満足すべき職業 的適応に達する方法だからである。  頭型ははっきりと判明しかねるものが多いか ら,これを見きわめることは非常にむずかし い。またこの頭型の3類型によるそれぞれの特 長も,ひとつの傾向を示すものであり,決定的 なものではない。  これは進路指導をふくめて学校教育でおこな う,大かたのテストについてもいえることであ ると思う。決定的でないから,その後の発展進 歩が約束されるのであり,教育の意義もここに ある。  この究研をすすめるにあたり,大津市教育研 究所倉見勇先生からはおこころよく資料の提供 をはじめたびたびのご指導助言をたまわり,ま た近在の5中学校には授業計画の変更までもし て,この調査に協力支援いただいたことなど, あわせて心から感謝すると共に厚くお礼申し上 乙デアこし、○      (35.10.15) 参 考 丈 献 CD Suser, D.:The Dimensions and Measurement  of Vocational maturity, 1955. ②読売新聞社:日本の歴史(第一一ig) ③宮城音弥:性格(岩波新書) @ Myers, G. E: Pcrinciples and techniques of  Vocational Guidance, 1947. (11) Super, D. E.: The Career pattern study Jour−  nal of Counseling Psychology, Feb, 1954. ⑥増田幸一:スーパーにおける職業指導概念の発展  (教育心理学研究第4巻第3号) ⑦大津市教育研究所:頭型の研究(第一集プリン  ト)

参照

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