• 検索結果がありません。

先端電子デバイスパッケージと高密度実装における評価・解析技術論文特集の発行にあたって

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "先端電子デバイスパッケージと高密度実装における評価・解析技術論文特集の発行にあたって"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

電子情報通信学会論文誌 C Vol. J93-C No. 11 pp. 381-382 ©(社)電子情報通信学会 2010 381

特集

先端電子デバイスパッケージと高密度実装における評価・解析技術

論文特集の発行にあたって

先端電子デバイスパッケージと高密度実装における 評価・解析技術論文特集編集委員会 委員長  

原 田 高 志

本会和文論文誌Cにおいて,今年も実装技術特集を 企画したところ,数多くの論文投稿を頂いた.まずは 積極的に御投稿頂きました著者の皆様に深く感謝致し ます. 私は一般の方やエレクトロニクスの分野での活躍を 目指す学生に電子機器の実装技術を紹介する際,よく 自動車にたとえて,シャシやボディ,シート,ハンド ルなどエンジン以外のあらゆる構造を扱う領域と説明 する.すなわち,パッケージ,ボード,ケーブル,き ょう体などの半導体チップを除いた電子機器の構成要 素のすべてを扱う領域を実装技術として説明してい る.もっとも,近年ではTSV(Through Silicon Via) やMEMSなどのように限りなく半導体チップに近い 領域の技術開発も実装の分野で行われるようになり, その垣根はあいまいになりつつある. さて,自動車がエンジンとシャシやボディの組合せ を最適に調整して,走行性能や乗り心地の良さを追求 しているように,電子機器においても半導体チップの 信号処理能力を最大限に引き出すためにはチップと実 装の協調設計による最適化が必要不可欠である.高周 波化や実装の高密度化の進展に伴い,浮遊容量や寄生 インダクタンス,及びそれらの効果によって生じるク ロストークなどの回路図にはない成分の影響が顕著に なり,電子機器の設計は難しくなる一方である.本特 集の主要テーマとした高密度実装における評価・解析 技術はこれらの影響をコンピュータシミュレーション や種々の物理パラメータの測定によって可視化し,機 器の設計者がそのメカニズムを把握し,信頼性と設計 の質の向上に貢献しようとするものである. 本特集の企画にあたり,招待論文として,独立行政 法人産業技術総合研究所の青柳氏,菊地氏,鈴木氏, 仲川氏から三次元LSI積層のような微細構造に対応す る電気特性の評価技術,日本電気(株)の位地氏から 電子機器に用いるバイオプラスチックに関する寄稿を 頂いた.また,大阪大学の菅沼教授,能木先生からは プリンテッドエレクトロニクスに関する解説論文を頂 いた.これらはいずれも,高密度実装や環境調和性と いった現在の電子機器に求められている課題を解決す る技術として期待されているものである.また,投稿 論文では,解析・評価技術の領域で,従来のSI(Signal Integrity)に加え,ディジタル回路の正常動作に不可 欠な電源供給系の安定性(PI:Power Integrity)を 解析するための手法やモデルに関する技術,そして光 マイクロデバイスに適用可能な光学式の封止評価技術 が,更に,実装の高密度化や実装プロセスの領域では, WLP(Wafer Level Packaging)技術を用いたインダ クタの開発や,3D実装パッケージ実現のためのハイ ブリッドFPC(Flexible Printed Circuit)やウェーハ 積層による集積化技術,WLPよる高周波インダクタ の開発,融点の低いSn―Pb系はんだ材料による低温実 装 技 術, 自 己 組 織 化 を 基 盤 と す る3D集 積 化 技 術, MEMS微小可動部を保護する新たな実装技術につい て議論がなされている. 経済のグローバル化に伴い,我が国のもの作り力が 脅威にさらされる.電子機器における先端電子デバイ スパッケージや高密度実装プロセスなどの最先端の領 域では,いまだ,日本が優位に立っている技術が数多 く存在する.和文論文誌として発行された本特集が, 国内の研究者,技術者の共通の財産として活用され, 日本が実装技術の領域において先導的な役割を果たす

(2)

電子情報通信学会論文誌 2010/11 Vol. J93–C No. 11 382 ために少しでも貢献できれば幸いである. 最後に本特集の発行にあたり,論文の査読に御協力 頂いた査読委員の皆様,企画・編集に御尽力頂いた編 集幹事と編集委員の皆様,そして学会事務局の皆様に 深く感謝申し上げます. 先端電子デバイスパッケージと高密度実装における評価・解析技術論文特集編集委員会 委 員 長 原 田 高 志 大 坂 英 樹 ・ 日 暮 栄 治 浅 井 秀 樹 ・ 五 百 旗 頭 健 吾 ・ 石 原   昇 ・ 今 中 佳 彦 斉 藤 成 一 ・ 佐 藤   弘 ・ 須 藤 俊 夫 ・ 高 橋 成 正 廣 畑 賢 治 ・ 福 島 誉 史 ・ 福 本 幸 弘 原 はら  高 たか (正員)  日本電気(株)システム実装研究所研究 部長,東京工業大学客員教授,1983都立大院・工・電気工学修 士了,同年NEC入社,以来,磁性材料を用いた電波吸収体・電 磁シールド材,アンテナ―EMC計測兼用電波暗室に向けた超広帯 域電波吸収体,プリント回路基板のEMC設計支援ツール,半導 体チップ―パッケージ―基板の協調電気設計技術の研究開発,電 気・熱・音響などの実装設計技術全般に関わる研究開発マネー ジメントに従事.本会環境電磁工学研究専門委員会EMCJ幹事, 和文論文誌B編集委員,エレクトロニクスソサエティ運営委員, エレクトロニクス実装学会電磁特性技術委員会副委員長,日本 応用磁気学会(現,日本磁気学会)編集委員などを歴任.IEEE, エレクトロニクス実装学会各会員.博士工.

参照

関連したドキュメント

 多くの先行研究が,企業の公表する情報における情報移転に関する分析を

本論文は、フランスにおける株式会社法の形成及び発展において、あくまでも会社契約

第3章では 、誘導集電装置の 熱解析について述べている。誘導集電装置では、 原理的 に車 上で 消費 する 電力 と同 等の 発熱 が集 電コイル 及び

 IFI は,配電会社に配電システムの技術的な発展に関連する R&D 活動に対 し十分な資金調達を可能にする。また,RPDs は発電された電力の DG 連系を

電気集塵部は,図3‑4おに示すように円筒型の電気集塵装置であり,上部のフランジにより試

In this paper, the method is applied into quantized feedback control systems and the performance of quantizers with subtractive dither is analyzed.. One of the analyzed quantizer

・  平成 7 年〜平成 9 年頃、柏崎刈羽原子力発電所において、プラント停止時におい て、排気筒から放出される放射性よう素濃度測定時に、指針 ※ に定める測定下限濃

理由:ボイラー MCR範囲内の 定格出力超過出 力は技術評価に て問題なしと確 認 済 み で あ る が、複数の火力