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土地開発公社における会計(3) : 滋賀県内の事例を参考にして

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土地 開発 /AR社にお け る会計(働

∼滋 賀 県 内の事例 を参 考 に して ∼ 田 善 之 太 法 におけ る土地 開発公社 の 〔目 次 〕 3.3.3.2. I 序 位 置づ け 3.3.3.3.認 可 につ いて 土地 開発公社 の定款お よび II 公 企業会 計 の一般 的特徴 3,3.3.4. 組織 2.1.公 企業 の意義 ッ 定 款 2.2.公 企業 の会 計 (経営)責 任 3.3。 3.4.1. 組 織 3 . 3 . 3 . 4 . 2 . 2.3.公 企業会 計 2.4.公 企業会 計 におけ る資本概 念 IV 土 地 開発公社 におけ る会計 の特徴 2.5.公 企業 の業績評価 4.1.法 お よび法規 に基づ く公社会 計 2.6.監 査 4.1.1.基 本財産 お よび運用財産 III 公社 の意義 4.1.2.資 本構成 3.1,法 人 の意義 お よび種 類 4.1.3.法 S18関係 3.2口 公社 の意義 4.1.3.1.事 業年度 3。3.土 地 開発公社 の意義 4.1.3.2.予 算,事 業計画 お よび資金 3.3.1.川 村 [1996]に おけ る位 置づ 計 4.1.3.3.財 務 諸表の作成 け 財務 諸表の体 系 3。3.2.法 人 税 法 に お け る位 置づ け 4.1,3.3.1. 提 出期 限 (以上 ,『彦根 論叢』 第303号 4.1,3.3.2. 監事 の意見 掲載 ) 4.1.3.3.3. 3.3,3.法 におけ る位 置づ け 4.1.3.4.利 益 の処分 または損失 の処 理 3.3.3.1.法 制 定 の 背景

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60 彦 根論叢 第 304号 4.1.3.5。 余裕 金 の運用 4.1.3.6.施 行規 則 4.1.3.6.1.発 生主義 4.1.3.6。2.勘 定 区分 4.2.「 要綱 」 4.2.1.総 説 (以上,『研 究年報』第 4.2.2.5.繰 延 資産 4.2.2.6.評 価 原則 4.2.2.7。 その他 4.3.「 予 算」 4.4.土 地 開発公社 におけ る定款 お よ 3 び 会 計規程 4.4.1.土 地 開発公社 におけ る定款 4.4.2.土 地 開発公社 におけ る会 計規 程 4 . 2 . 2 . 4 . 2 . 2 . 1 . 4 . 2 . 2 . 2 . 4 . 2 . 2 . 3 . 4 . 2 . 2 . 4 . 巻掲 載 ) 各論 報告様 式 お よび記載 方法 定義 普通 引 当金 お よび特定 引 当 V 要 約 と結 びにか えて 金 5。 1.要 約 減価償却 5,2,結 びにか えて (以上,本 号) 4.2.2.各 論 本節では,重 複 を避けつつ土地開発公社の経理について特徴的な部分 を検討 す る。 4.2.2.1.報 告様式 および記載方法 S31に 基づ き,損 益計算書お よび貸借対照表 とも報告様式は報告式である。 各土地開発公社 はこの規定 に準拠 しているが,特 に貸借対照表については見開 きの頁の左側 に資産の部,右 側に負債の部お よび資本の部 を記載す ることによ って,対 照式で見やす くなっている例 もある (草津市,長 浜市,八 日市市)。 また,貸 借対照表の資産お よび負債 の記載の配列については,流 動性配列法 によることとされ る (S24)。この点,彦 根市だけはわが国電力会社 の例 にみ ら れ る固定性配列法によっている。すなわち,資 産の部は上位 に固定資産 を,下 位 に流動資産 を配列 し,負 債の部 も上位 に固定負債 を,下 位 に流動負債 を配列 す る。 これ を許容す る規定 はない。

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土地開発公社における会計(3) 61 4 . 2 . 2 . 2 . 定 義 S4に おけ る定義 中,第 14号で,1年 内 とは貸借対照表 日の翌 日か ら起算 して 1年 以内の 日として 1年 基準に言及す る。 また,第 15号で,事 業 目的のために 経常的に または短期間に反復 して発生す る取引 を通常の取引 と定義す ることに よって,経 常損益計算 と特別損益計算の区分 を基礎づけ る。 4.2.2.3.普 通引当金 および特定引当金 従来,私 企業会計の領域 において 「負債性」弓1当金お よび 「評4面性」BI当金 とい う用語が使 われていたが,1982年 の企業会計原則の改正により両者 まとめ て引当金 とされた(「負債性引当金等に係 る企業会計原則注解の修正 に関す る解 釈指針」 1)。 この改正 をうけて,「要綱」 も 「負債性」BI当金か ら 「普通」事│ 当金 とい う名称 に改めている (S13,S49四 ,S511七 ,S51111,S53,S541三 , S54111,別表お よび様式)。 ここでの 「普通」 とは,次 の 「特定」に対比 させ て 編み出された用語 と思われ る。 区分 の うえでの例 としては,流 動負債 としての修繕引当金 (S51111),固定負 債 としての退職給与引当金 (S541三 )が あげ られ る。各土地開発公社 において は,固 定負債 としての引当金のみ計上 されている。具体的には退職給与引当金 はすべての公社 で計上 されている。 それ以外には,開 発地整備 引当金 (草津市, 八 日市市),開 発地施設整備 引当金 (大津市),団 地修繕整備補償工事引当金 (長 浜市),造 成工事 引当金お よび維持管理引当金 (彦根市)が 計上 されている。 な お,近 江八幡市および守 山市は,依 然 として 「負債性」BI当金 とい う名称 を使 用 している。 特定引当金 はS21に基づ き,災害補 てん引当金お よび地価変動等調整引当金に か ぎり計上で きる。災害補 てん引当金 を計上 しているのは八 日市市 (実際には 開発地災害引当金)の みであ り,地 価変動等調整引当金 を計上 しているのは草 津市,長 浜市,八 日市市である。 ちなみに,草 津市土地開発公社 は1995年12月 1日 施行 の,全 3条 か らなる 「草津市土地開発公社会計地価変動等調整引当金 繰入基準」を制定 している。 この基準のS2に よれば,地 価変動等調整引当金に

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62 彦 根論叢 第 304号 つ いて地価変動等その他の原因により損失等が生 じた場合,こ れを調整処理す るための取崩 を行 う。また当該基準S31に よれば,地 価変動等調整引当金には 当期純利益が 1億 円を超 える場合 に繰 り入れ ることができ,S311に よれば地価 変動等調整引当金の残額が 5億 円 を超 える場合, または特にその必要が認め ら れない場合 は,繰 り入れ を行 わない もの とされている。 この基準に したがい, 平成 7年 度中の当期純利益 8億 7千 万余円の計算か ら,地 イ面変動等調整引当金 にちょうど5億 円を計上 しているのである。 草津市がこうした繰入基準 を定めた理由は,い わゆる 「バブル期」およびそ こにいたるプロセスにおいて高値 で先行取得 し保有中の公共用地等が,そ の後 の景気低迷に ともな う地価下落傾 向によ り大幅な 「含み損」 を生む状況に至 っ たゆえ と推測 され る。(平成 7年 度草津市土地開発公社事業報告中の事業概要参 照 の こと。)土 地開発公社 は公法人 としての性格 を強 くもつ特別法人であるの で,地 価の右肩上が りを予想 して土地の先行取得 を行 い,公 共福祉 ・公的需要 の充足のため,あ る程度低廉 な価格 で土地 を提供す ることを期待 されていたは ずである。そこで,そ れな りの費用負担に耐 え うる業績 をあげた期間に 「引当 金」の設定によ り,利 益か らの内部留保 を厚 くしようとす るのであろう。 この 点は,先 の4.1.3.4.において掲げた基本通達 「土地開発公社の業務 について」 2(2)が端的に表 している。 ただ し,か りにこの地価変動等調整引当金が営利追求 目的の私企業において 設定 されているとす るならば,そ れは利益留保性の強い引当金 として強 く批判 され るべ きである。 た とえば,草 津市の繰入基準のように当期純利益の金額に 運動 させ て設定権 を当該法人に対 して付与す るのであ り,地 価の低落に備 える ための引当金計上の合理的理 由に乏 しく (または企業会計原則注解18の引当金 の定義か らは認め られない。),明 らかに利益留保 を目的 としてあるいは課税所 得 の少額化 をね らった もの として否定 されなければならな彼。 20)「 負債性引当金等に係 る企業会計原則注解の修正に関する解釈指針」 2(2)②および③ を 参照のこと。

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土地開発公社における会計(3) 63 4.2.2.4.滅 価 償 却 減価償却については,減 価償却累計額の表示方法に関 して規定がある。 もち ろん,1982年 の企業会計原則の修正 をうけて,「要綱」において も 「減価償却引 当金」 と呼んでいたの を,そ れは修正後の企業会計原則の注解18に定め る引当 金 に該 当 しないこ とをうけて 「減価償却累計額」に呼称変更 をしている。 S32によれば,有 形固定資産に対す る減価償却累計額は,当 該資産科 目に対す る控除科 目として掲記 しなければならず,い わゆる間接法による表示のみ を認 めているのに対 し,S36お よびS4311によれば,無 形固定資産お よび繰延資産に 対す る償却累計額 は,当 該資産の金額か ら直接控除 し,そ の控除残高 を表示す るとい ういわゆる直接法による表示のみ を認めている。 表示 に限定 して事例 を検討 してみ るならば,償 却 を必要 とす る有形固定資産 につ いて間接法表示 をしていないのが八 日市市であ り,草 津市お よび守山市が 依然 として減価償却 「引当金」なる名称 を利用 している。 減イ面償却費の計算方法等についての実質的な規定 も含めて,各 土地開発公社 の会計規程 には減価償却に関す る詳細 な規定がある。 そこで, まず会計規程上 の寿示に関する問題″点を指摘す るならば,近 江八幡市お よび彦根市は,依 然 と して 「引当金」なる名称 を使用 している点があげ られ る。 また,こ の両市 と長 浜市は費用計上 に関 して 「損金」 とい う税法上の用語 を使 っている。 近会S2111「 ・…その償却資産は損金 として償却資産引当金へ繰 り入れる もの とす る。」 彦会 S1511「 ・…その償却資産は,損 金 として償却引当金へ繰 り入れるも の とす る。」 長会S1511「 ・・,その償却資産は損金 として償却累計額へ繰 り入れるもの とす る。」 減価償却の計算方法については定額法のみ とす るのが近江八幡市,長 浜市お よび彦根市 (近会S2111,長 会S1511,彦 会S1511)であ り,定 額法 または定率法 とす るのが大津市,革 津市および八 日市市である (大会S631,草 会S551,八 会S561)。 耐用年数 については近江八幡市が減価償却資産の耐用年数等に関す

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64 彦 根論叢 第 304号 る省令 (昭和40年大蔵省令 第15号)の 規定 に基づ く期 間 とし (近会 S2111),そ れ以外 の 5市 が地 方公営企業法施行規 則別 表 に定め る期 間 とす る。 ただ し,長 浜 市お よび彦根 市が 当該別 表 第 2号 に限定す るのに対 し (長会 S1511,彦 会 S15 11),当該別 表 第 2号 お よび第 3号 とす るのが大津市,草 津市お よび八 日市市 で ある(大会S65,草 会S57,八 会S58)。なお,別 表第 2号 は地公法規S7お よびS8 に関 して有形固定資産の種類 とその耐用年数 を表示 したものであ り,別 表第 3 号 は地公法規S9に 関 して無形 固定 資産 の種類 とその耐用年数 を表示 した もの である。残存価額 について明確 に規定す るのは大津市,革 津市および八 日市市 である (大会S6311,草 会S5511,八 会S5611)。この うち,草 津市は 「帳簿原価 の100分の10」であるのに対 し,大 津市お よび八 日市市は 「帳簿原価の100分の 5」 と規定す る。 さらに,こ の 3市 は通常の減価償却費に,通 常の減価償却費 に100分の50を乗 じた金額 を加 えて計上す ることがで きるとい う特男U償却 の規 定 を定めている (大会S64,草 会S56,八 会S57)。 4.2.2.5.繰 延資産 繰延 資産 については,そ の種類お よび区分表示に関 してS41およびS42におい て, またその償却に関 してS43において規定 されている。 土地開発公社 に対 しては繰延資産が 2つ のみ認め られている。すなわち,公 社債発行費 (S41-お よびS42-)と 開発費 (S41二お よびS42二)で ある。 これ ら 2つ の繰延資産については,以 下のような期間内に,毎 事業年度均等 額以上 を償却す ることが定め られている。すなわち, ① 公 社債発行 費 当 該公社債 の発行 の 日の属す る事業年度の翌年度 以降当該公社債の償還期限 (S431-) ② 開 発 費 支 出の 日の属す る事業年度の翌年度以降 5事 業年度 (S431二) 商法上①の公社債発行費にあたる社債発行費の償却については,商 S286の5に おいて社債発行後 3年 内,償 還期限が 3年 内の場合にはその期限内に行 うこと とされている。 したがって,償 還期限が 3年 を超える公社債に関する発行費に

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土地開発公社における会計(3) つ い て は,「要 綱 」 と商 法 とで は そ の償 却期 間 が 異 な る。 繰 延 資産 の表 示 につ い て は, い わ ゆ る直接 法 に よ る (S4311)。 4.2.2.6.評 価原 則 貸借対照表に記載す る資産の価額 は,原 則 として当該資産の取得原価 を基礎 として計上す るとい う取得原価主義が採用 されている。 さらに,流 動資産 とし ての土地等に関す る原価要素についてS45で規定す る。すなわち,取 得原価はい わゆ る購入代価 (用地費,補 償費,工 事費等)に 附随費用 (借入金等利息や人 件費等)を 加 えた額 とす る。 S46においては流動資産 としての完成土地 (土地造成事業に係 る土地で販売可 能 な状態にあ る もの。)に 対 してではあるが,強 制低価主義の適用 を求めてい る。すなわち,時 価 (地価)が 取得原価 を基礎 とす る評価額 (S44)よ りも低落 してい る場合,「均衡 を回復す る見込みがあると認め られ る場合 を除 き」,当 該 資産評価 にさい して下落 した時価 まで評価減 され る。 4.2.2,7。 その他 上記以外 に 「要綱」の特徴 としては,勘 定科 目および様式 を統一 したこと 窃U 表 「収益及 び費用の区分」,「資産,負 債及び資本の区分」お よび付表 「販売費 及び一般管理費」。ちなみに,大 津市 も同様の ものを定めている。),そ して附属 21)S44は,「・…評価額が時価 と著 しく異なることとなった ときは,均 衡 を回復する見込みが あ ると認め られ る場合 を除 き,原 則 として,い ずれか低 い価額 をもって貸借対照表に記載 す る価額 としなければ な らない。」 と規定す る。 したが って,時 価が原価 よ り著 しく低下 し,原 価に回復す る見込みがない ときは,あ くまで も原則 として時価評価 になるが,例 外 的には原価 の まま据 え置 くことも可能 である。ゆえに,企 業会計原則 ・第 3貸 借対照表原 則 ・五 Aお よび B,商 S285の21但 書の ように必ず しも強制的に評価減 しなければならな いわけではない。 また,原 価 に回復す る見込みがあるときにはこの規定の適用除外 となる ので,当 該完成土地は原価評4面の ままである。 この場合,こ こに も 「原則」および 「例外」 が可能 であるか どうかは読み とりに くい。 Vヽずれに して もこのS44の標題 に「完成土地に対 す る低価主義 の適用」 とあるが,そ れは私企業会計におけ る 「低価主義」 をその まま指す わけではない。

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66 彦 根論叢 第 304号 明細表 を作成す るこ ととし,そ の様 式 を統一 した こ とであ る (様式第 1号 か ら 第17号 まで)。 4.3.「 予算」予算」 は, も ともと 「要綱 」 と同様,全 土公共 に よ り検討 され ま とめ られ た 「土地 開発公社 予算基準要綱」 を もとに した ものであ り,土 地 開発公社 の予 算 の作成 お よび執行 に関す る基本 的事項 につ いて, よ るべ き基準 を示 した もの であ る (地域政策研 究会 [1996],240∼ 241頁)。 法施行 通達 。「公有地 の拡大 の推進 に関す る法律 の施行 につ いて (土地 開発公 社 関係)」 5修)にお いて,予 算 の作成 お よび執行 につ いては 「予算」を基準 とす ることが うたわれた。なお,予 算は法S1811の規定によ り設立団体の長の承認 を 受けなければな らないこ ととされているので,予 算の作成および執行 の方法に 関 しては,土 地開発公社 の内部規定の整備等について設立団体 と土地開発公社 の間で十分 に調整す る必要があるとされ る (地域政策研究会 [1996],332頁)。 この ときは官庁会計方式 をもとに した予算の様式 を示 していた (地域政策研究 会 [1996],241頁)。 さらにこの法施行通達が一部改正 されたことに ともない,あ わせ て出された 通知 。「土地開発公社 の財務 について」 2に おいては,「予算」は土地開発公社 が作成す る予算の作成お よびその執行 に関 して必要 な基本的事項 を定めた もの であ り,細 部の取扱い等その適用にあたっては,そ れぞれの土地開発公社 によ りその業務 内容,業 務方法等が異なるので,予 算に記載す る事項,予 算科 目の 設定,予 算の執行方法等に関 して,設 立団体 と土地開発公社の間で十分 に調整 を行 った うえ,各 土地開発公社 の実情に即 した予算の作成お よび執行が行 われ るよ う内部規定 の整備 等 を図 る旨求め られた (地域政策研 究会 [1996],377 頁)。ここにいた り,「予算」には従来の官庁会計方式ではな く,地 方公営企業 方式 をもとに した予算基準が盛 り込 まれた (地域政策研究会 [1996],241頁)。 「予算」の特徴 は次の とお りである (地域政策研究会 [1996],241頁)。 ① 予 算の基本的性格 を事業計画に定め る業務 の実施に ともない発生す

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土地開発公社における会計(3) 67 る収 入 支 出 の大 綱 と して い る こ と。:第 1「 予 算 の 基 本 的性 格 」,地 公 法S241を参照のこと。 ② 予 算に記載す る事項 を定めていること。:第 2「 予算に記載す る事 項」 I,地 公法令S171を参照のこと。 ③ 収 入支出の所属事業年度を発生主義により区分することとしている こと。:第 3「 収入及び支出の所属事業年度区分の基準」を参照のこ と。 ④ 収 入支 出の予算額 を収益的収入支 出 と資本的収入支 出に大別 してい ること,款 項 までの勘定区分 をしていること。:第 2「予算に記載す る 事項」II,第 4「収入及び支 出の款項の区分」,第 5「収益的収入及び 支 出の予定額」,第 6「収益的収入及び支 出の予定額」,地 公法令S1711 を参照の こ と。 なお,収 益的収入支出や資本的収入支 出 とい う用語は,一 見す ると いわゆ る複会計制上の用語 として考 えられそ うだが,直 接的にはそれ と何の関連 ももたない。 ここでは,単 に,予 算 (したがって,決 算 も) の立案における一種 の区分形式であって,イ ギ リスにおけ る複会計制 の ように損益計算書 を代位す るものではな く,よ ってその名称か ら想 像 され るような財務会計上の利益概念,資 本概念 とは無縁 である (醍 醐 [1981],31頁,37∼ 40頁お よび56頁を参照のこと。)。 す なわち,た とえば 「予算」第 6お よび別表 2は ,資 本的収入お よ び資本的支 出を定義 ・列挙す る。資本的収入は資本的支出に関係づ け られて規定 され るのであ り,資 本的収入の予定額 には当該事業年度の 資本的支 出の予定額 に充当 しなければな らない当該事業年度の所属す る外部か らの収入がすべて含 まれ る。資本的収入お よび支 出は,具 体 的には以下 である。 資本的収入 1固 定資産売却代金 資本 的支 出 1公 有地取得事業 (法S171-イ ∼ハ お よび ホ に掲 げ る土 地 に係 る事

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彦根論叢 第 304号 業 )費 2前 受金 2開 発事業用地取得事業 (法S171-二に掲げる土地に係 る事業)費 3公 社債及び長期借入金 3土 地造成事業 (法S171二 に掲げる 事業)費 4関 連施設整備事業費 (法S1711-に 掲 げ る事業) 5固 定資産取得費 6繰 延資産取得費 7公 社債償還金お よび長期借入金偵 還金 8予 備費 この うち,資 本的収入の 1の 固定資産売却代金は,収 入 を使途 (5, 2.におけ る利益利用)の 面か らみて資本の取得 または資本への再投資 として理解 した分類である。 しか しなが ら,こ の売却代金の全部 また は一部 は,当 期の期 間損益計算上の収益 として収益的収入に計上 され る可能性 を当然 もち, したが って,当 該収入に含 まれ る売却益相 当額 を収益 的収 入に計上す るこ とを妨 げ るわけではないのであ る (醍醐 [1981],165頁)。つ ま り,こ うした分類が資金ベー スでなされ る一方 で,そ こに は損 益 ベ ー ス に よ る分 類 も想 起 させ て し ま う (醍醐 [1981],178頁を参照の こ と。)と い う意味 をもつ。 ⑤ 事 業年度内におけ る支 出の弾力的運用の方法及び事業年度 を超 える 支 出の弾力的運用の方法 を示 しているこ と。:第 11「支 出予定額 の流 用」,第 12「予定額 を超 える収入」,第 13「業務量の増加 に伴 う予算の 弾力運用」,第 14「現金の支 出を伴わない支出の特例」,第 15「予算の 繰越」 を参照の こと。

⑥ 予 算表の様式について,地 方公営企業予算の担当する様式に準ずる

こ と とす るに とどめ, あ る程 度 各 公社 の 自主 的判 断 に委 ね て い るこ

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土地開発公社における会計(〕 69 と。:第 17「予算表 の様 式」,地 公法 S2411,地 公法規 S17の211,同 S18 の 2 1 1 1 , S 1 9 , 地 公法規別 表 第 5号 ,第 6号 ,第 7号 ,第 8号 ,第 8号 の 2 , 第 8号 の 3,第 8号 の 4,第 8号 の 5,第 8号 の 6,第 9号 を 参照 の こ と。 ① ∼⑥ でみたように 「予算」の特徴 は大幅に地方公営企業方式 をとりいれた ところにある。地公法においてはそのS24∼S26にかけて, また地公法令 におい てはそのS17∼S19にかけて予算関連の規定があるが,そ れ らを参考 にこの 「予 算」,そ して各土地開発公社 の定款および とりわけ会計規程が作 られている。た とえば,定 款については大津市以外はすべ て定款中に 「予算の弾力運用」の条 があ り, ま たこれに対応 して会計規程上に も 「予算の超過支出」が盛 り込 まれ ている市がある。 「予算の弾力運用」 「 予算の超過支 出」 「 地公法」 近江八幡市 近 定S25・……… (対応)… ………・S24111 大 津 市 な し 大 会S72・… (対応)・……・・S24111 草 津 市 草 定S25・… (対応)"・草会S65… (対応)・……・・S24111 長 浜 市 長 定S25……… (対応)… ………,S24111 彦 根 市 彦 定S25・……… (対応)… ………・S24111 守 山 市 守 定S25・……… (対応)… ………・S24111 八 日 市 市 八 定S25,… (対応)… ・八会S62・… (対応)・……・・S24111 なお,会 計規程上の予算関連条項 を分類 してみ ると以下のようになる。 ① 近 江八幡市 「予算の作成」 :近 会S241 「予算説明資料」 :近 会 S2411予算の執行計画」 :近 会 S25 ② 長 浜市 「 予算の作成」 :長 会S221,彦 会S171 彦根市 「 予算説明書」 :長 会S2211,彦 会S1711 「予算の流用」 :長 会S23,彦 会S18予備 費」 :長 会 S24,彦 会S19予算の繰越」 :長 会S25,彦 会S20

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70 彦 根論議 第 304号 ②′革津市 「 予算原案の作成」 :革 会S62 「予算説明書」 :草 会S63 「流用および予備費使用の手続」 :革会S64予算の超過支 出」 :草 会S65 「予算の繰越」 :革 会 S66

③ 大 津市 「 予算原案の作成」 :大

会S70,八会S63

八 日市市 「 予算説明資料 」 :大 会 S71,八 会 S64 「予 算 の超過 支 出」 :大 会 S72,八 会 S65 条項,文 言等 の細部 で異 な るが,お おむ ね② お よび②′が 同 じパ ター ンであ り, 最 も詳細 な もの であ る。 4.4.土 地 開発公社 におけ る定歌 および会計規程 4.4.1.土 地 開発 公社 に おけ る定款 各 土地 開発公社 の定 款 は,地 域 政策研 究会 [1996](423∼427頁)に おけ る定 款例 の ままで あ る ものが ほ とん どで あ る。異 な る点 をあげ るならば,法 S1811の 予 算等 の作 成 または変 更 に関す る規定 を取 り込 んでい るこ と,そ して予算 の弾 力運 用 の規定 を もたない市 が あ るこ と (大津 市。4.3.を参 照の こ と。)程 度 であ る。 4.4.2.土 地 開発 公社 に おけ る会 計規程 ここでは,今 まで述べ た″点と重複 しない よ うに概 括的 に会 計規程 の構成,内 容 等 で注意 を喚起 すべ き点 をあげてみ たい。 各土地開発公社 の会計規程 のS2に おいて 「経理 の方法」 (長浜市のみ 「適用 範囲」とい う見出 し語 を使 っている。)と 題 し,会 計処理方法等に関 し当該会計 規程以外に準拠すべ き法令等 を掲 げ る。 これ を分類す るならば, ① 近 江八幡市,彦 根市 :「企業会計方式」 近会 S21お よび彦会S21 「公社 の会計 は,そ の経営成績お よび財政状態 を明 らかにす る

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土地開発公社における会計(3) 71 た め,企 業 会 計 方 式 に基づ き経 理 す る もの とす る。」 ② 大 津市,草 津市,長 浜市 :「要綱」 大会 S2 公 社の会計は,こ の規程 に定め るところによるほか,土 地開発公社経理基準要綱…の規程の例 による。 革会 S2 公 社 の会計は,土地開発公社経理基準要綱…およびその 他法令 に定め るところによるほか,この規程 に定め るとこ ろによる。 長会S2 公 社 の会計は,公有地の拡大の推進に関す る法律…およ び公有地の拡大の推進 に関す る法律施行規則…な らびに 土地開発公社経理基準要綱 …その他 の法令 に定め るもの のほか,こ の規程の定め るところによる。 ③ 八 日市市 :「 地公法」 八会S2 公 社 の会計は,この規程 に定め るところによるほか地方 公営企業法…第 3条 ,第 17条の 2か ら第20条まで,第 22条 か ら第27条 まで,第28条か ら第33条まで及び第34条の規定 の例 による。 ① の場合,「経営成績お よび財政状態 を明 らかにす る」企業会計方式 とは,私 企業会計に関す る制度会計の分類か らいえば,証 取法会計の体系 を指す ことに なる。 さらに言い方 を代 えるならば,期 間損益計算重視 の動態論的立場 を前提 に,投 資意思決定 に有用 な情報の提供のため,原 価 ・実現アプローチ (もちろ ん,収 益の認識に とって実現主義 をとるのであって,根 本的には発生主義的認 識原則 を主 とす る。)を採用す る方式 を意味す る。 したが って,最 終的に会計処 理 ・手続等の選択 など会計上の判断が必要 な場合 には,企 業会計原則がその源 に位置す ることになる。 また,② の場合,4.2.1.で検討 したように,「要綱」に規定されていない事項 については,一 般に公正妥当と認められる企業会計の基準 としての企業会計原

則にまでさかのぼることになるので,原 則として①と同じことになる。ただし,

②のパターンの条文の解釈からは,会 計規程が最終的に企業会計原則とは異な

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7 2 彦 根論叢 第 3 0 4 号 る観点で土地開発公社特有の会計処理等 を定め ることもあ りうるといえるので, すべ て企業会計原則 と同 じ規定 になるわけではないこ とには注意すべ きであろ う。 ③ の場合,会 計規程 が定めていない問題 に関 して したが うべ き可能性 のある 地公法の各条項の内容 は,い わゆ る私企業会計方式,原 価 。実現アプローチ, または発生主義会計方式,さ らには企業会計原則の各規定 を踏襲 した ものが 多 い。すなわち,地 公法S3(経 営の基本原則)に 規定す るように,地 方公営企業 の本来の 目的は公共の福祉の増進であるが,地 方公益企業に対 してはその 目的 を逸脱 しない範囲内で常 に企業の経済性 を発揮す るこ とが期待 されている。 こ の本来の 目的の面で土地開発公社 と地方公営企業は同類 といえる。 また,地 公 法S201で は,経 営成績 を明 らかにす るため発生主義 を採用す ることを述べ,同 S2011では財政状態 を明 らかにす るために発生の事実 に基づ き,一定の評4面基準 に したがわなければならないが,こ れ らの解釈 にあたっては とりわけ地公法令 S9か らS16,地 公法規S2か らS9を 当然考慮す る必要がある。 これ ら政令 お よ び省令 も,私 企業会計方式 または企業会計原則方式 を前提にそれ らを援用 して 法文化 した条項が 多い。た とえば,地 公法令S9は 会計の原則 を述べ るが,こ れ は企業会計原則 ・第 1-般 原則の うちの保守主義 までを採用 している。 したが って,地 方公営企業法の規定の例 によるか らといって,特 殊 な会計処理方法等 が行 われ るわけではない。土地開発公社 の性格 において類似す る地方公営企業 が行 っている会計処理方法等で,土 地開発公社の本質,本 来の 目的か ら逸脱 し ない規定につ いてはこれ を積極的に採用 しようとす る姿勢の現れであろう。 つ ぎに,会 計規程 の構成の面について も,外 形的に類似 した体系 をもつ会計 規程 を定めている土地開発公社 ご とに分類す ることがで きるとい う″点である。 ① 大 津市,草 津市,八 日市市 第1章 総 貝J:大 会Sl∼ S6,草 会Sl∼ S5,八 会Sl∼ S5 第2章 帳簿組織及帥 定科目:大会S7∼ S15,草会S6∼ S14,八会S6∼ S14 第3章 収入及び支 出 :大会S16∼S36,草会S15∼S35,八会S15∼S35 第4章 (固 定)資 産 :大会 S37∼S65,草会 S36∼S57,八会 S36∼S58

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土地開発公社における会計(〕 73 第 5章 決 算 :大 会 S66∼S69,草会 S58∼S61,八会 S59∼S62 第6章 予 算 :大会S70∼S72,草会S62∼S66,八会S63∼S65 第7章 契 約 :大会S73∼S75,草会S67∼S68,八会S66 第8章 雑 則 :大会S76∼S77,草会S69∼S71,八会S67∼S68 近江八幡市,彦 根市 第1章 総則 :近会Sl∼ S23 第 1章 総 則 :彦会Sl∼ S16 第2章 予算 :近会S24∼S25 第 2章 予 算 :彦会S17∼S20 第3章 収入 :近会 S26∼S28 第 3章 収 入 :彦会S21∼S23 第4章 支 出 :近会 S29∼S33 第 4章 支 出 :彦会S24∼S28 第5章 振番 :近会 S34 第 5章 振 替 :彦会S29 第6章 契約 :近会S35∼S36 第 6章 契 約 :彦会S30∼S31 第7章 決算 :近会S37∼S40 第 7章 決 算 :彦会S32∼S35 第8章 物 品会計 :彦会 S36 第 8章 雑則 :近会S41 第 9章 雑 則 :彦会S37∼S38 長浜市 第1章 総 則 :長会Sl∼ S16 第2章 伝票及び帳簿 :長会 S17∼S21 第3章 予 第4章 収 第5章 支 第6章 振 第7章 決 第8章 契 第9章 雑 この ような類似性があ らわれ る理由は,土 地開発公社の設立の経緯や規模,業 務 内容や業務量の類似性,地 域性 な どか ら外形的に同質の会計規程 を作 った″点 にあるもの と思われ る。 ② ②′ 算 :長会 S22∼S25 入 :長会S26∼S28 出 :長会 S29∼S33 替 :長会 S34 算 :長会 S35∼S38 約 :長会 S39∼S40 則 :長会 S41

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彦根論叢 第 304号 V 要 約 と結 び にか えて 5。1.要 約 本稿 は,土 地 開発公社 を対象 に,そ の会 計 システムの特徴 を考察 す るこ とを 目的 とす る。 その ため に, まず公企業 の意義 お よび公企業会 計 の一般 的特徴 を 検 討 した。 IIにお いては,主 に公 的需要 の充足 を目的 に措定 し,行 政 の補完 に存在理 由 を求 め る組織体 として定義 され る公企業 (2.1.)を 前提 に,こ の公企業 を大 き く株 式会社 形態 を とる もの と,事 業財源 を公 的資金 に依 存す る もの とに分 けて 会 計責任 お よび資本概 念 を考察 した (2.2.および2.4.)。そ こでは,土 地 開発公 社 も帰属 す る と考 え られ る後者 の形態 を とる ものにつ いて,せ いぜ い公共サー ビスの原資, ま たは公 的需要 の充足 のための原資 として とらえ られ るエ クイテ ィ (資本 )概 念 の あ い まい さを指摘 し,そ の上 で公企業経営 に対 す る公企業 自 身 と出資母体 で あ る国 。地 方公共 団体 の間 におけ る責任 の トレー ド ・オフ関係 の解 消 を重要 なポイン トとして指摘 した。 さ らに,公 企業会 計 の一般 的特徴 を, 官庁会 計 お よび私 企業会 計 の統合 システム として とらえた。 その場合,資 金的 計 算 の体 系 の も とで,い か に私 企業会 計独特 の発生主義 的会 計思考 を とりいれ るか, と い う″点もあわせ て検 討 した。 IIIにおいては, まず,土 地開発公社 の位置づけ を民法規定 (3.1.),民 法学者 の考 え方 (3.3.1./川 村 [1993])お よび法人税法上の位置づけ (3.3.2.)の 3 点か ら検討 した。その上 で,「公有地の拡大の推進に関す る法律」の文言および 制定趣 旨よ り,土 地開発公社 を公法人 としての性格 を有す る特男U法人であると 定義 した(3.3.3.2.)。残 りの部分 では,土 地開発公社の定款および組織の実務 を,具 体例 とともに述べ た (3.3.3.4.)。 IIおよびIIIをうけて,本 稿 の直接的な 目的である土地開発公社 における会計 の特徴 を考察 したのが,IVで ある。IVは大 きくわけて法S13における基本財産の 規定の考察 (4.1.1.および4.1.2.),法 S18の会計規定の考察 (4.1.3.),法規S 7(発 生主義)お よびS8(勘 定区分)の 考察 (4。1.3.6.),「要綱」の考察 (4.

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土地開発公社における会計( 3 ) 7 5 2.),「予 算 」 の考 察 (4.3.)の 5つ の部 分 か らな る。 それ ぞれ の 問題 を検 討 す るに 際 して は,当 該 法 律 等 だ け で は な く,各 土 地 開発 公 社 の定 款 お よび会 計 規 程,さ らには決算書 も参考 に,実 務 では具体的に どのように対処 しているのか をあわせ て述べ るこ とによって,会 計実践 をときに一般的な公企業会計 との対 比において, また ときに私企業会計 との対比 ともか らめて行 った。 5。2.結 びにかえて 土地開発公社 におけ る会計は,一 般的な意味での公企業会計におけ る会計同 様,官 庁会計の特徴 である予算決算の義務づけ と,発 生主義に代表 され る私企 業会計の統合的 システム といって よい。 ただ しそこか ら,矛 盾 な く合理的に両 会計の統合的会計 システムが実施 されているとい う結論は導 き出せ ない。 なぜ なら,予 算決算は土地開発公社の設立趣 旨,実 務等か らみて公正かつ妥当に実 施 されていると推測 され るが, と りわけ発生主義的会計思考 に特徴づ け られ る 私企業会計 をとりいれた部分 においては, きわめて問題が多い といわざるをえ ないか らである。 そのことは,た とえば各種決算書の体系 (名称,種 類,添 付 の順序 などを含む。),決 算書の形式お よび様式 (使用 され る用語,報 告様式, 配列 などを含む。)の相違,監 査意見書の不適確性,会 計規程の相違の幅が広い こ と,「要綱」を追守 しない点においてそれが許容範囲 を超 えていると思われ る 部分 など数 多 くみ られ る。 その原因の 1つ として,「要綱」の もつ土地開発公社 の会計に対す る拘束力の 弱 さがあげ られ よう。 したがって,「要綱」の拘束力 を高め るために省令化 を行 い,そ のことによって,私 企業会計流の企業会計原則に したが う財務諸表の作 成実務 を強力に とりこむことが必要である。 さらには,可 能であるか ぎり,な い しは可能 な範囲において公認会計士等の外部監杢 に基づ く監査意見書の作成 を義務づ け ることである。独立 した組織体 の会計 を含め経営行動が,当 事者以 外 の専 門家である第二者の監杢 によって適正性の面か ら疑 いな く判断されては じめて,利 害関係者に伝達 され,利 害関係者の合理的行動の形成に対す る情報 の信頼性,正 確性は確認 され る。た とえ基本 目的が異なろうとも,私 企業並み

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76 彦 根論叢 第 304号 の経営努 力 をは らい,私 企業会 計 におけ る財務 諸表の関係 を採用 し,最 終的 な 情報 の伝 達 局 面 にお いて も監査 システム を導入 ・推進す るこ とに よって,土 地 開発 公社 におけ る会 計 (経営)責 任 の賦課 ・解 除のサ イ クルの質 が よ り高め ら れ るこ とに なろ う。 この場合注意す る″点は,土 地開発公社 とい う組織の特殊性の及ぼす情報に対 す る影響 である。すなわち,通 常の私企業のように,土 地開発公社の成果は一 般的に事業収益,(当 期純)利 益 または投資利益率 (ROI)に よっては測定 でき ないこ とである。 したが って,土 地開発公社 の業種特性 を反映 し,会 計情報の もつべ き質的特徴 (FASB[1986],Concepts No.2,Figure l)を 充足 した, と りわけ 目的適合性,信 頼性,比 較可能性,検 証可能性,中 立性 を備 えた(FASB [1986],Concepts No.4,par.53)土地開発公社の成果 を測定す る尺度 を開発す る必要があるのではなかろうか。か りに新 たな尺度が開発 され るならば,そ の 尺度が事業報告書の もつ非財務数値的 ・非会計数値的情報能力 を高め ることを 通 じて,両 者あわせ て利害関係者への適正 レベルにおけ る情報のタイム リー な 伝達 につ なが るこ とが期待 され る。 これに関連す る″点として もう一つ確認すべ きことは,利 益の処分 と余裕金の 運用に係 わる問題 である。 す なわち,土 地開発公社 において も私企業会計の導入が図 られているのであ るか ら,予 算決算にみ られ るような単純 な現金主義に基づ く資金の収支計算の みが財務計算 として行 われ るわけではない。発生主義に基づ き収益費用 を計上 し,そ の差額 としての利益の確定 (とりあえずここでは,収 益 >費 用 と考 えて お く。)が必要 とされ る。 したがって,利 益 は収益余剰 であるので,利 益の基礎 はあ くまで も収益の中に存在す る。そ して,利 益の計上に ともない現実に利用 で きる資産 は,稼 得 された収益にみあ う新資産 (費用 として流出 した資産の代 わ りに,企 業内へ あ らたに流入 した資産)の中に包含 されている(醍醐 [1981], 22)西 川 [1975](15頁)は ,公 企業の業績は主 として,有 効需要 に対す る給付量の増分 と, 特定価格 の給付量 とその給付活動 に要 した費用面におけ る節減額 の綿密 な分析 によって測 定す るほかはない と述べ る。

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土地開発公社における会計(〕 77 44頁)。もちろん,利 用可能 な形態 としての典 型 は,新 資産 が現金 であ る場合 で ある。 したが って,そ うでない場合 には最終的に現金に転化 しては じめて利用 可能 となる。 もちろん,現 金以外で も利用 しようと思 えば利用す ることは可能 であるが,Vヽかなる資産 も最終的には現金に転化す るはずであるし,そ うでな い として もいずれかの局面においては,現 金への転化 を仮定 しているはずであ る。 よって,利 益の利用 または利益の処分 は,利 益 それ 自体が確定 されては じめ て考 えられ る事象であるか ら,こ れ ら 3つ の事象は明確 な区別が必要 である。 とくに,発 生主義 を前提 とす るならば,実 現 した収益の中に含 まれる利益 は全 額現金 として存在す る利益 ではない。す なわち,利 益確定 は利益利用 と等 しく はない (醍醐 [1981],44∼ 45頁/Schmidt[1963],S.23f.)。 さらに,「計算上 確定 された利益が処分可能 であ る。」とい う言葉の中には,処 分 の瞬間に,処 分 す るために利用す ることので きる現金が全額企業 内に保有 されていることを意 味す るものではない。結局,「期 間純利益が処分可能利益 といわれ る際の『処分 可能性』 とは,… そのすべ てを仮 に外部処分 して も,維 持すべ き資本 を損傷せ ず,期 首利益剰余金 も温存 しうるとい う合法性 を表 していると解すべ きであ り, その うちのい くば くを現実 に外部処分す るか, またはできるかは,企 業の配当 政策 な らびに財務流動性によって決せ られ る問題 といえよう。」 (醍醐 [1981], 45頁)こ の意味で,利 益利用が対象 とす るのは期 中の個別取引ごとに財務作用 的に実現 した取引利益 (Schmidt[1963],S.39)で あ るのに対 し,利 益処分が 対象 とす るのは収益費用の抽象的計算差額 たる期 間利益 の累計額 にほかならな い (醍醐 [1981],47頁 )。 つ ま り,土 地開発公社 において も収益費用の対応計算により利益が確定 され るが,4.1.3.4.に 記 した基本通達 に したがえば, これは外部へ利益処分す ると い う形 をとるのではな く,計 算上は内部留保 (強いていえば,外 部ではな く内 部 に とどめお くとい う処分)し ,有 形 固定資産等に再投資 され るべ き資金 とし て待機 させ ざるをえない。欠損てん補以外 には原則 として,利 益全額の内部留 保が予定 されてい る。 もちろん,こ れ を利益 として表示す るこ とについては何

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78 彦 根論議 第 304号 の 問題 もな い (醍醐 [1981],69頁 )。他 方 ,4.1.3.5。 にお け る余裕 金 は,現 実 に は利益 利 用 の局 面 に お い て,個 別 の取 引 ご とに財 務 作 用 的 に実 現 した取 引利 益 (場合 によっては,取 引に係 る収益収入の全額 であることもあ りえよう。)を 短期的に預貯金 とした り,債 権 によって運用す ることを可能にす るとい う意味 で解釈す る必要がある。限定 されつつ も,預 貯金や債権 によって運用す ること を通 じて,余 裕金 とい う名の もとにおいて拘束 され る資本の増殖 をわずかなが らで も図 ることが 目的であ り,資 本の減少につなが るような運用は許容 されな いのである。 そ して,増 殖 をもたらした余裕金 としての利益本U用は,当 期 もし くは次期以降において,い ずれは,計 算上収益 に加算 され ることによって最終 的な利益処分 のために未処分利益の中に算入 され,余 裕金 として運用 しないま まの準備金同様 に,原 則 として留保資金 として再度拘束 され るのである。土地 開発公社 の基本財産お よび準備金か らなる資本の部は,外 部要因そ してまた内 部要 因 も含め,業 績上やむ を得ず生 じた欠損のてん補以外は,減 資され る可能 性のない拘束資本 であ り,そ の拘束期 間中の運用によって少 な くとも元本の額 程度は維持 されてい くことを期待 され る部分 なのである。 この考 え方は,あ る意味では負債 の部 を含め,貸 借対照表の貸方全体 に対 し て求め られ る一種の機能 といえよう。4.1.2.で確認 したように,土 地開発公社 の場合 は外部か らの借入 を資金の主要 な調達源泉 とす る。土地の先買等に多額 の資金が必要 なのであ り,そ のための資金がお もに外部か ら調達 されるとする ならば,土 地開発公社 は,同 じ調達源泉 ではな くとも少 な くとも長期安定的に 資金の調達源泉 を外部に求め ざるをえない。 また,資 金の出所元 を開拓 した り 23)醍 醐 [1981](69∼70頁)に よれば,土 地開発公社の例 にみ られ るように,基 本金は原則 として内部留保 を予定 されてお り,そ れがか りに基本金全体 の公企業に とっての元本維持 義務 とい うこ とであって も,単 純 にそれ らを維持すべ き資本 として解釈す ることは非営利 事業体会計の本質 とは相容れない と考 えられ る。非営利事業体 には,本 来,事 業財産 を使 用 ・収益す る実質的所有者が不在 であるか ら,そ こでは,所 有者持分 としての,あ るいは 成果 た る剰余 を確 定す るため の基準額 としての資本 を観 念す るこ とは で きない (醍醐 [1981], 6∼ 7頁 )。む しろ,基 本金は,元 本減損の危険 を避けつつ収益 を生むべ く投資 され るべ き一群 の資産,す なわち,非 費用性資産 として運用す ることが予定 された寄付金 と解す ることがで きるとされ る。

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土地開発公社における会計(3) 79 変更 した りす ることに,現 実的に困難 をともな うとなれば,現 在の借入先が以 後 も長期 にわたって資金 を拠出 して くれ ることを期待せ ざるをえない し,期 待 す ることも可能 であろ う。つ ま り,他 人資本については継続的に借 り番 えが可 能 であるとい う前提が ここに成 り立つ。 そ うす ると,他 人資本について も相 当 の割合 で資本の拘束性 を確認す ることがで きる。 したがって,土 地開発公社の 場合 (同様 な事情 をもつ公企業に もあてはまるもの と思われ る。)に は,貸 借対 照表の貸方について,拘 束資本 とい う性格 を認め ることが必要であろう。 ※略語お よび参考文献については,「 土地開発公社 における会計(1)∼滋賀県内 の事例 を参考 に して∼」 (彦根論叢第303号)を 参照 されたい。

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80 彦 根論叢 第 304号

Accounting for Public COrporatiOns(3)

一」The]Prior Acquisition Of]Public]Domain―

Yoshiyuk1 0ta

The paper(3)explains``AccOunting standards fOr public corpOra‐ tion fOr prior acquisitiOn of public domain"and``]Budget standards for public corporatiOn for priOr acquisition of public dOmain."

The findings of this paper are:

a.The financial statements rnust be audited in future by an indepen‐ dent certified public accOuntant and/or audit corporation.

b.The infOrmation by accrual accOunting generally prOvides a better indication of a public cOrporation's performance than information about cash receipts and payments. But the accorn‐ plishments of public cOrporations cannot be rneasured in terms Of sales,prOfit,or return on investrnent.Thatis,public cOrporations generally have no single indicator of perfOrmance like a business enterprise's profit.Thus,other indicators Of perfOrmance need to be usually developed. The indicators must have the requisite characteristics of relevance,reliability,verifiability,and neutral‐ ity.

c.Capital accounting in public corpOrations for prior acquisitiOn of public dOmain has a particular characteristic. Its speciality is that earnings are not avallable for dividends and need not be distributed externally. All retained earnings are available in principle for reinvestment,for example rene、 val of equipments.

参照

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