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乳酸菌製剤と牛乳栄養児の下痢

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Academic year: 2021

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(1)

曹床三輪

乳酸菌製彌と牛乳榮養児の下癩

蟹學士

小 杉

文 吉

35  乳酸菌製剃には藪種あれども、今迄世間に最も廣く使用せられし者は、其の中先づ二種類改るを知れり。  余は初めより乳酸菌の作用を疑ひ居πる一人にして、撃ち牛乳中の筑酸菌に因る醗酵の強き場合に、更に 乳酸菌製剤を使用する時には.病的症状を薮生するか或は病的症釈を更に塘進せしむることなきやを常に疑 ひ居πるが故に、余は初めより今日まで一義も之を患免に使用せることなし。  然るに其後偶然面白き例に遭遇せること逸名に及びたるが故に、左に共の四例の症歌を略述して、同士の 御墾考に供せんと欲す。  第一例、菅○愚見、一年一ケ月︵藥局の晃︶、八月十七日初診。病歴八月十日即ち入日前より下痢を來し、 某小見科專門の讐警士の診察を受けπる所.浩化不良症にて.牛境を專ら用ゐ、一同六〇︵一ト一砂糖加入︶ 一日約五−六局用ひ居り.初より無熱、嘔吐なけれども.便は水様にて一旦ご1五同に及び、一週聞を纏過 せる昨日まで依然として、下痢の同数減少せす.欝師に此は或は重症かも知れすと言はれ、某氏の紹介歌を 持参して、登病八日目に小生宅へ來配す。藥局なうし警め.慮方箋を所有し居り、見るに、﹁ペプシン﹂○・三    小杉11乳酸菌製剣と牛乳榮養晃の下痢       第三巻 二〇五

(2)

16    小杉口乳酸菌製湖川と牛乳榮養児の下痢      第三巻 二〇六 ﹁乳酸菌憶測﹂O。四乳糖一、○分三士とあり、膿重二二五〇匁無熱、晴々﹁アトロフイ﹂、食慾良好。腹満もな く、顔貌尋常、特記すべき所見なく重症とも認めらる、ものなし。是に発て余は牛乳は全然今までと同襟にし 只縫更し弄るは、乳酸菌製剤を中止して﹁タンナ〃ビン﹂に鍵へ、﹁数日経過を見て下さい﹂と言へう。  八月十三日、便は忍笠減少し、ニー三皇となり、今朝は有形便なりと、無熱、腹黒なく、他に所見なし、 牛田二二九五匁、牛乳を一〇〇に増量し、間もなく杢治す、帥ち嘉例は乳酸菌製剤を中止して、三日後有形 便となりし例なり。  第二例、田○噌年ニケ月男運︵會肚員︶主として牛乳榮養兇、一ケ月前より下痢雫均一日四同水様叉は稀 薄泥状便、牛乳一同一〇〇宛一日越−六同、初めより無熱、食慾良好なりと、稽々﹁アトロフイー﹂の外所見 なし、膿重二二三五匁、乳酸菌製剤を與へ居πりと云ふ。余は前例にて経験せるが故に、事によると歎日問 にて治するかも知れすと言ひ、前同同様に乳酸菌製捌を屡止して、﹁タンナルゼン﹂乳酸﹁カルシユム﹂重曹を 以て之に代へπム。  然るに前同同様に三日目には有形便となり7日一−二黒、四目戸井重ニニ四八匁となり、全治に赴きたり。 第三例、瀬○︸年三ケ月女晃、一月二+一日診、昨年+一月中旬より下痢、一日雫均一⊥一両緑色、牛筑 榮養、初めより無熱なりと、無熱、申心意の﹁アトロフイー﹂の外、所見なく、同じく乳酸菌製捌を與へられ 把りと云ふ、膿重二三五二匁、是に於て余は梢々自信を以て、﹁藪日中に有形便となるべく、有形便とならば 藪日後﹁食パン﹂を初めて差支なかるべし﹂と言ひ、庭方は、乳酸菌製捌を腰止し、やはり﹁タンナルビン﹂﹁乳 酸力川シユム﹂重曹の一撃を以てす、然るに此の例は殆んど小生の腱方を用ひざる問に、乳酸菌製剤を申止 して,数日後、有形便となり、次で食﹁パン﹂を與へ、約一ヶ月後には大に白重増加を逃せりと通知し來れる

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のみにて來訪なし。︵遠方なりしが爲め︶  第四例、小〇十一ケ月男児.某主治讐に頼まれ封堅約二週前より下痢、 一日露営四一五同、牛乳榮養児、 無熱、叢々﹁アトロフイー﹂の外、元氣、食慾良好、屠見なし.圭治讐は筑酸菌製捌を使用し居πり、故に之 を贋止して﹁タソナルビン﹂に凝更しπるのみにて牛乳量等今迄射りにて充分と言ひ、聞もなく全治するなら んと告げて蹄る。果して歎目塗有形便となり。杢治せりと通知を受けたり。  点て以上の四例は極めて驚歎なれども何れも乳酸菌製捌を磯止して.歎賞後有形便となむπる例にて、此 の四例のみにても、乳酸菌製糖が下痢を促進せしむるに相當に作用するものなることを認めざるを得ざるべ し。 37  此の如き四例は偶然不良の例のみを転げたるが如く見ゆるかも知れざれども、實際には汎く使用せらる、 が故に、下痢が永引かざれば、氣が付かす.又下痢が永引くとも、筑酸菌製剃を使用し居るか否かは第二讐 には不明なるべく、又筑酸菌製剃を論告の如く良藥と信用せらる︾圭治讐ならば、下痢が永引くとも、筑酸 菌製朔の爲めとは氣も付かざる所なるべし。要するに以上西諸は確實に筑酸菌製剤を績干し居πるを知りた る例にして共の後此の如き確認に知り得たる例に遭遇せす。  然れども小生以外の同士中より見聞しπる面若き事あり。帥ち  一、東京帝大、小児科山本講師は牛乳榮養兜の便秘に乳酸菌製朔を與へると排便し、灌腸の代りにも代用 し得ると。  二、府下、青梅町の某磐師も本禰を牛筑榮養晃に活ゆる時には下痢を來すと言ひ。  三、小生の一患家にても本誌を牛乳滋養児に與ふるに殆んど毎同下痢を増加し干るを経験し、後日絶野使    小杉H乳酸菌製剃と牛乳榮養鬼の下痢      第三巷 二〇七

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38    小杉H乳酸菌製測と牛乳榮養見の下痢       第三巻 二〇八 用せざるに至れりと。  四、故習井龍起博士は少欺の例なれども乳酸菌製湖を培養せしが.毎晶群育せす恐らく死滅せるものなら んと言はれ槌b、即ち死滅すれば影響なかるべく、生活中ならば下痢を増進するものとすれば先づ無用物と 認めらる㌦も仕方なかるべし。  五、余は前記の最初の三例に就て、嘗って東京女讐學會に於て、報告せり。然るに其の席上にて一名︵本 校卒業生ならんか、姓名を聞き漏らし認り︶自身の膿瞼せる事實を追加せられπり、其れに依れば、自身の 論語答兇の時、牛乳も使用せられ叢る者にして、乳酸菌窓蓋を服用すると、どうも腹痛を戚じ、申止すると 腹痛も去うしとて、後日は績きて中止せりと。  即ち牛乳榮養の黒点のみならす、成人にも在る程度の症状を惹起し得るもの﹂如し。  其の他、前記四例に類似せる類例を纏験し謙り、帥ち無熱の鞘管榮養兇の下痢にして、前醤の藥剤を中止 して、藪日中に有形便となりし麗なウ、然れども前騎が乳酸菌製剤を使用せしや否や不明なりしが故に、此 等は本問題に入れす。  以上の如き事實より察するに、牛乳榮養見の下痢殊に醗酵性下痢の際には、筑酸菌製渕を使用せざる方良 策と信ず。 ︵因記︶妓に乳酸菌製剤とのみ記述しπるは、製不弁肚に心し.徳義上名器を基げざる方.穏當なりと信ず ればなり。︵昭和八年五月二十八日︶

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