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(1)

微小すきまにおける機能性流体のスクイーズ流れ

0

6

6

5

0

1

9

8

平成

6

年度∼平成

7

年度 科学研究費補助金 (

一般研究

(C))

研究成果報告書

平成

9年 3

研 究 代 表 者 鳴 海 敬 倫

(

新潟大学工学部助教授)

\しノ

(2)

は しがき この小冊子は,平成6年度 と平成7年度にわたって交付 された文部省科学研究補助金 (一般研究

C)

によってなされた "微小すきまにおける機能性流体のスクイーズ流れ"の研究報告書である. 高分子液晶や液晶な どに代表 される機能性流体はその応用性か ら工業的に高い関心が持たれてい る,また,液晶の薄膜塗布技術,マイクロ トライボロジーおよびマイクロマ シンの開発等 において はマイクロ流体力学的な流れの解明が重要 となる.一方,スクイーズ流れはせん断流的特徴 と伸張 流的特徴を合わせ持つ非定常流れであ り,基本的かつ応用的な流動場である.実際の薄膜 の塗布技 術で もスクイーズ流れに近い手法があ りその際の膜厚が研究 されている.また,スクイーズ膜潤滑 は工業上の潤滑ばか りでな く生体関節の潤滑にも関連 し重要である. このように流れ場 としてスク イーズ流れ選ぶ ことは実際的な需要 も多 く,工業上の応用性が高い. この様な観点か ら,、本研究では機能性流体である高分子液晶 ・液晶を用い,境界面に運動変化を 与えた場合 または電場を印加 した場合の微小すきまのスクイーズ流れにおけるこれ らの流体の流動 特性 (機能性)を明 らかにす ることを 目的と した.そ して機能性流体のマイ クロ構造内での流れの 制御 とその応用を 目指 した.本研究内容は供試流体によって大別 され それぞれ次のような観点か ら検討を加えた. まず,液晶高分子溶液については,スクイーズ流れおよび放射状流れが実現できる実験装置を用 い,比較的狭いすきまにおける配向状態の変化を中心 に調べた.特1-に流動履歴効果 に注 目し,まず ( 平行二 円盤間に放射状流れを発生 させ,一旦流れを停止させた後,スクイーズ流れを発生 させてそ の際の液晶高分子の流動状態を調べた.そ して,流動履歴効果を利用 した配 向状態を制御,さらに はその機能の調整が,たとえば,成形過程で可能か どうかなどの点に関 して考察を行 った, 一方,低分子の液晶に対す る微小す きまのスクイーズ流れに関 しては,まず,微小すきまにおけ るスクイーズ流れで生 じる二次元ポアズ ィユ流れに電場を印加 して流動特性を変化 させる実験を行 い,すきま内の液晶の流れで生 じる抵抗測定 した.そ して,その結果か らスクイーズ流れでの電場 印加時の効果を算定 し,電気粘性効果 に関 して考察を行 った.この点に関 しては詳細 に解明す るた め,今後 も実験を継続す る予定である/ し 1

(3)

研究組織 研究経費 研究発表 研究代表者 : 鳴海 敬倫 (新潟大学工学部助教授) 研究分担者 : 長谷川 富市 ・(新潟大学工学部教授) 平成 6年度 平成 7年度 計

1,3

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0千円 5

0

0千 円

1,8

0

0千円

1

.

板垣伸也 ・鳴海敬倫 ・長谷川富市,液晶高分子溶液の放射状流れに関す る実験 的研究,化学工 学会新潟大会研究発表講演要 旨集,

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7

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2

.

鳴海敬倫 ・板垣伸也 ・長谷川富市,液晶高分子溶液の平行二 円盤間の流れ 化学工学会第

2

8

回 秋季大会研究発表講演要 旨集,

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3

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9

5

.

9

)

3

.

鳴海敬倫 ・板垣伸也 ・長谷川富市 ・反町和則,液晶高分子溶液の平行二 円盤間の放射状流れ, 第

4

3

回 レオ ロジー討論会講演要 旨集,

p

p

.

3

6

7

-

3

7

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,

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1

9

9

5

.

1

0

)

4

.

鳴海敬倫 ・熊木稔 ・板垣伸也 ・長谷川富市,液 晶高分子溶液のスター トア ップ流れに対す る初 期状態の影響, 日本機械学会関西支部第

7

1

期定時総会講演論文集,

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0

9

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4

1

0

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9

9

6

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3

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5. T.Narumi,S.Itagaki,T.Hasegawa,RadialFlow ofLiquid crystalline PolymerSolutions betweentwoParallelCircularPlates,Proc.XHtllInternationalCongressonRheology,

p

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1

5

1

-

1

5

2

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9

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8

)㌔

6

.

前 田浩芳 ・鳴海敬倫 ・長谷川富市 ・坂井樹弘,微小すきまにおける液晶の

E

R

効果, 日本機械学 会第

7

4

期機械学会全国大会講演論文集,

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l

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3

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1

1

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1

2

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9

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7

.

大根 田慶範 ・鳴海敬倫 ・長谷川富市,液晶高分子溶液の平行

2

円盤間のスクイーズ流れ 可視 化情報,

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1

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2

(4)

研究報告 本研究で得 られた成果は液晶高分子 と低分子液晶に関 し,各 々以下の様に要約 される.

1

. スクイーズ流れおよび放射状流れが実現できる実験装置を用い,液晶高分子 溶液について比 較的狭いすきまにおける配向状態の変化を中心に調べた.特に流動履歴効果に注 目し,まず平 行二円盤間に放射状流れを発生 させ,一旦流れを停止 させた後,スクイーズ流れを発生 させて その際の液晶高分子の流動状態を調べ,以下の点を明 らかに した. (1)プ レシア (放射状流 れ)の強度によ りその後に続 くスクイーズ流れの条件が同 じであって も,全 く異な った流れの 構造を示 し,流体中に発生す る伝達荷重 も様 々なパ ター ンを示す. (2)停止時間の長短によ って もスクイーズ流れでの流動状況が影響 される. (3) これ らの結果か ら比較的狭いすきま の流れにおいて液晶系の流体では流動履歴効果を利用す るこ●とにより配向状態を制御でき,機 能を調整できる可能性があることが確認 された. (4)実験 と並行 して行 った解析的研究にお いて

C

a

r

r

e

a

u

モデルを用いた数値解析か ら,プ レシアの強度が弱い場合のスクイーズ流れでの 流動状態はこのモデルで予測可能なことが明 らかとな った.

2

.

低分子の液晶に対す る微小す きまのスクイーズ流れに関 して,まず,微小す きまにおけるス クイーズ流れで生 じる二次元ポアズ ィユ流れに電場を印加 して流動特性を変化 させる実験を行 った.その結果,数十〝mのす きま内の液晶の流れで生 じる抵抗を4- 5倍程度増加 させるこ とができ,その効果は電界強度の二乗に比例 して大 き くなることがわか った. この結果か らス クイーズ流れでの電場印加時の効果を算定 した結果,すきまが狭 くなると電界強度が上昇す る ため,電場印加時の粘度のシアシこ ングによる荷重保持力の減少傾向が相殺 され,スクイーズ 運動のすべての範囲で良好な電気粘性効果が得 られ ることがわか った. この点を詳細 に解明するため,今後 も実験を継続す る予定である. 以下 に,第

1

部 として "液晶高分子溶液の比較的狭いすきまにおけるスクイーズ流れ"に関す る研 究結果を,第 2部 として "低分子液晶にの微小すきまにおけるスクイーズ流れ"に関す る研究結果 を報告す る. 3

(5)

1部

液晶高分子溶液の比較的狭いすきまにおけるスクイーズ流れ

第1葦 緒論 1.1 緒言 液晶高分子は,液体のような流動性 と結晶特有の複屈折性 とを合わせ持ち,溶液 または溶融状態 で分子配向を示す物質である.この配向状態を維持 し固めた樹脂は,在来の高分子材料 と比べて種 々 の優れた機械的性質を有す ることが知 られてお り,現在,特 に射出成形の分野で研究,開発が進ん でいる.例えばこの液晶高分子 による成形物は,汎用プラスチ ックに比べて, (1) 弾性率が高い,(2) 成形収縮率が小 さい,(3) 寸法安定性が優れている,(4) 熟的に安定で, また長期使用 に も耐え得 る, といったことが挙げ られ,実際, これ らの特長 を生か して,電子 ・電 気関係の精密 コネクターや精密 ソケ ッ ト,機械関係ではギア-や軸受けなどの材料 と して使われて いる. しか し欠点 もあ り,異方性がでやす く,強度の方向性,フィブ リル化な どが起 こりやすい と いった点が挙げ られ る. この欠点は成形の際の流れの方向に液晶高分子の分子配向が生 じることに 起因 している.例えば引っ張 り強度のみを要す る繊維な どの場合には, この ような流動配向によ り 液晶高分子の利点が100%発揮できるものの,実際の成形品となるとこの異方性 による割れや裂 けと い った点がかな り重要な問題 とな って くる.実際の射 出成形の際には金型の設計や成形条件を適 当 に選択す るな どして,過度の配向を回避す る工夫がなされているが(1),レオ ロジー的な観点か らの成 形流れにおける液晶高分子の分子挙動の解明および分子配向の制御などとい った研究はあま りな さ れてお らず,不明な点が多い. ところで図1.1.1に示すような円盤中心か ら流入 し,二面間に放射状 に広が る流れは,薄板等の成 形ではよ く見 られ る流動場である.また射 出成形では,型に溶融 された樹脂 を流 し込んだ後,その 型の面によ り圧縮 し,樹脂 にさ らに流動を加えるプ レス成形 も行われている. このような多段の シ アがかか る液晶高分子溶液の流れにおいては,プ レシアによ りその後に続 く流れは大 き く影響 され る可能性がある(2)(3).しか し,そのような液晶高分子の非定常流れにおける流動の履歴についての研 究例は非常にわずかである. そこで本研究では,成形流れをこおいて重要かつ基礎 的な例である,平行二 円盤間の流動 を取 り上 げ,まず図1.1.1に示す円盤中心か ら二円盤間を放射状に流動す る流れ場 において,二 円盤間に発生 す る伝達荷重の測定 と流れの可視化か ら, このような成形流れにおける液晶高分子溶液の挙動を明 らかにす ることを 目的とす る. さらに,この平行二円盤間の定常放射状流れの後に,図 1.1.2に示すような二円盤を接近 させ る等 速スクイーズ運動を加えた場合の液晶高分子溶液の流動の履歴の影響について明 らかに し,実際の 成形で見 られる複雑な流れにおける液晶高分子の挙動 の把握,そ して分子配 向の制御 とい った研究 への基礎的なデータの提供をす ることも目的のひとつ とす る. 1.2 従来の研究 ここでは液晶高分子を用いて レオ ロジー的な観点に立 って行われてきた従来の研究の中で も,特 4

(6)

に本実験 において使用 したhydroxypropylcellulose(HPC)水溶液を用いて行 った実験的研究,および液 晶高分子の流れの数値計算に関す る研究について述べ る. ・HPC水溶液を用いた研究 onogiら(2)は , 静 的 , せ ん 断 流 あ る い は 伸 張 流 で のHPC水 溶 液 , そ してpoly

henylene terephthalami de(PPD耳)硫酸溶液の複屈折性に関 し研究を行 っている・そ して,コレステ リック相を呈 し ドメイ ン構造の状態にあるHPC水溶液は,せん断流 によ り方向付 けされたネマ ッチ ック相へ と変 化 し,その流れを止めると, ドメイ ン構造が再構築 し,コレステ リック状態へ戻 ると報告 している. 森 ら(4)は,HPC50%水溶液の平行二円盤間におけるスクイーズ流れによ り発生す る伝達荷重を測定 し,その結果 とcarreauモデルによる数値計算結束は一致せず,その違 いはHPC50%水溶液のデ ィ レ クタの方向によると示唆 している. sig山OとGrizzuti(5)は分子量の異なる二種類のHPC水溶液を用いて,コー ンプ レー トによる粘度測定 および第一法線応力差の測定を行 っている.その中で彼 らは,HPC水溶液の分子量をパ ラメータと した粘性モデルを提案 し,そのモデルによってHPC水溶液の粘度を表せ るとしている.また,第一 法線応力差の測定か らは,高せん断速度域でその値が負にな る結果を得てお り,その第-法線応力 差の符号が変わるせん断速度は,HPCの各分子量に固有な時定数によって整理できると述べている. Hogladaromら(3)は,分子量の異なる二種類のHPC水溶液の,定常あるいは過渡状態のせん断流での 分子の方向付 けに関す る研究を行 っている. この中で彼 らは定常せん断流 において,せん断速度 の 変化 とともに二つの分子の方向付 けの変わ り目があることを報告 している.すなわち,一つは弱い 方向付けか ら適度な方向付 けへ と移行す る際に生 じ, もう一方は分子のタンブ リングか ら流れによ り分子の方向が揃 う際に生 じるものであろうと指摘 している.また,せん断流を停止 して,充分時 間をおいた後 にせん断流を再開させた場合のせん断応力の測定か らは,停止 させ る前のせん断流 に おけるせん断速度 (プ レシア)が高い ものほど,後のせん断流の立 ち上が りにおいてせん断応力が 大 き くオーバ シュー トす ることを示 している.そ して, これは流れを止めた後の静止状態への緩和 過程がプ レシアの強 さによって異な ることによる影響であると示唆 している. S血thとMackay(6)は,HPC水溶液のせん断流で発生す る応力への粘性力の寄与 についての研究を行 い,HPC水溶液の粘度曲線 におけるregionⅢおよびregion 了 においてその寄与は大 きい ものと報告 してお り,前者 は分子の粘性抗力によ って起 こるもので,後者は ドメイ ンあ るいは欠陥の間の粘性 散逸 による超塑性 と似た現象のためと説明 している.

(

*

この点に関 しては第2章参照のこと) BaleoとNavard(7)は,拡大,縮小な どのい くつかの複雑 な形状を した透明なス リッ ト状の流路を通 過す るHPC水溶液の流れにおける分子の方向付けに関す る研究を行 っている.そこで彼 らは,方 向 付 けの不安定性を持 った分子の状態を報告 している. 以上のように,本実験 において使用 したHPC水溶液 に関 しての レオ ロジー的な観点か らの研究 は 多 くなされているが,扱 っている流れ場が単純せん断流の ものが多 く,本研究のような射 出流れを 想定 した複雑な流れにおいてあま り研究がなされていない. ・液晶高分子の流動 に関す る数値計算 Doi(8)は,分子論的な観点に立 って,個 々の棒状分子の配向分布を規定す るDoi理論を提案 している. この理論 による レオ ロジー方程式は,非線形の粘弾性を示 し,また,計算 による零せん断粘度に対 す る分子量あるいは濃度の依存性の検討結果は,実験結果 と良 く一致 したことを示 した. 蝶野 ら(9)は,Doi理論を用いて,単純せん断流中での液晶高分子の非定常特性 と配向分布 について 5

(7)

数値解析を行 っている.その結果,せん断速度が大きい場合,せん断応力 と第一法線応力差がオー バ シュー トす ることを報告 している. また,煤野 ら(10)は,Doi理論を用いて,平行平板間における液晶高分子の流れを数値解析 している. そこにおける速度分布は,ニュー トン流体 と比較 して平坦であ り,せん断速度が大 きいほど液晶分 子は流れ方向に配向 しやす く,かつ高配向になると報告 している. この様に液晶高分子の流動に関す る数値計算は,Doi理論を用いてい くつか行われているが,Do主 理論が複雑であ り,その取扱いが容易でないことか ら,対象 とす る流れ場は先 に述べたような平行 平板間の流れ といった簡単な例 しか扱われていない.また,このDoi理論は,分子単体 同士の相互作 用による流れ,つま り粘度曲線 におけるregion血に相当す る流れのみを表現 してお り, ドメイ ン構 造を有す る静止状態か らの流れ,あるいは ドメイ ン同士の滑 りによる流れであると示唆されている region Iでの流れを計算す ることができない・以上のことか ら,高分子液晶の流れの数値解析につ いては,未解決の部分が多 く残 っている. 1.3 第

1

部の概要 第

1

部は 5章か ら構成 され,その概略は以下のとお りである. 1章 「緒論」では,まず本研究の 目的と意義を述べ,関連す る従来の研究を述べ る.また,本論文 の概要 と使用記号表を付記する. 第 2章 「供試流体

では,まず一般の液晶高分子が持つ諸性質について述べ,本研究で用いたニ ュー トン流体 と液晶高分子溶液の特性,な らびにそれ らの粘度測定方法 と測定結果を示す. 第 3章 「二 円盤間の放射状流れ

では,円盤中心か ら二円盤間を放射状に流動す る流れ場につい て,流体が二 円盤間を流動 した際に発生す る伝達荷重の測定装置およびその時の流れを観察す るた めの可視化装置を示す.また,実験結果 と比較するために行 った粘性モデルによる数値計算方法 に ついて も説明す る.そ して,液晶高分子溶液 またはニ ュー トン流体を流 した際に二 円盤間に発生す る伝達荷重の測定結果 と粘性モデルによる数値計算結果 との比較,そ して液晶高分子溶液の流れの 可視化の結果を示 し,このような射出流れにおける液晶高分子溶液の流動特性について検討する. 第 4章 「二 円盤間のスクイーズ流れ

では,平行二 円盤間の定常放射状流れの後に,二円盤を接 近 させる等速スクイーズ流れを発生 させた場合について,スクイーズ運動時に二円盤間に発生す る 伝達荷重の測定および流れd)可視化の実験装置を示す.また,実験結果 と比較す るために行 った粘 性モデルによる数値計算方法について も説明す る.そ して液晶高分子溶液またはニ ュー トン流体 の スクイーズ流れの際に二 円盤間に発生す る伝達荷重の測定結果 と粘性モデルによる数値計算結果 と の比較を行 う.また,液晶高分子溶液の流れの可視化結果 と伝達荷重の測定結果 との比較か ら,定 常放射状流れ (プ レシア)の強 さおよびプ レシア後の経過時間による液晶高分子溶液のスクイーズ 流れへの影響について検討す る. 第 5章 「結論

では,本研究か ら得 られた結果を総括 して述べ る. 6

(8)

1

.

4

使用記号 d :光 の進行方向における液 晶高分子の厚 さ E

:液 晶高分子 に入射の際の電界強度 Eox, Eo,‥真空 0における光の電気ベ ク トルの x・y方 向の成分 EIx, El,:真空1における光の電気ベ ク トルの Ⅹ,y方向の成分 F :二 円盤 間に発生す る伝達荷重 Fth :ニ ュー トン流体 の理想化 した流れによ り発生す る荷重 F● :無次元力 h :二 円盤 間の隙間 h :プ レー トか らコー ン壁 までの高 さ h, :定常放射状翻 1時の二 円盤間の隙間およびスクイーズ流れの初期隙間 K :コー ンに加わ る トル ク N :コー ンの回転数 n :Carreauモデル中の定数 n。 :真空 0での光の波長 ne :光の電気ベ ク トルの振動方向が 液晶高分子の光軸 に対 し平行 に入射 した ときの屈折率 no :光の電気ベ ク トルの振動方向が 液晶高分子の光軸 に対 し直角に入射 したときの屈折率 p :圧力 Q :流量 R :コー ンの半径 Rl :二 円盤間への入 口の半径 R2 :円盤の半径 S打な ど :各応力成分

T

:供試流体 の温度 t 時間 tp ‥停止時間 U :下方 円盤の上昇速度 V :コー ンの周速度 V. :r方向の速度 vz :Z方向の速度 α :コー ンとプ レー トのなす角度 Y :せん断速度およびひず み速度 yws :平均壁面せん断速度 An :複屈折率 -1 :粘度

T

l

:巨

0における粘度 T l m :すご∞における粘度 九 :Carreauモデル中の定数

:真空 0での光の波長 九x・ 九,:液 晶高分子中における光のx成分・y成分の波長 p :供試流体 の密度 TTrな ど :各偏差応力成分 Tw :せん断速度 u :コー ンの角速度 u :光の角周波数 7 (m) (Ⅴ/m) (Ⅴ/m) (Ⅴ/m) (N) (N) Eii Zg EiiiZ IEi iiZl ) m m m 一 m m川 m irL p ntt l Jq iZ! (N・m) (

1

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1

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S

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(9)

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0

)

ト二千\ 一一_ -トー=ノ r ノRl /汁 図1.1ユ 本研究の流れ場 (放射状流れ) Z Jコ \ /章一 巨象 簡 巨夢 ∫ 。朴 図1.1.2 本研究の流れ場 (スクイーズ流れ)

(10)

第2葦 供試流体 2.1 液晶高分子 につ いて 本研究で使用 した流体 について述べ る前 に,液晶高分子 につ いて概説す る. 2.2.1 液 晶高分子の分類(1) 液 晶高分子 はサーモ トロピック (熟溶融型 ) とライオ トロ ピック (溶液型 )に大別 され る. サーモ トロ ピック液 晶高分子 ではポ リエステル系が主体 をな し,多 く製 品化 がな されて いる. またライオ トロ ピック液晶高分子ではアラ ミ ド系がすでに製 品化 されそい る・ 一方 ,化学構造上か らの分類で は,主鎖型,側鎖型 お よび複合型 にな る.主鎖型液 晶高分子 は剛体 の棒 にた とえ られ るメソゲ ン基だけが連な っている全剛直型 (図2.1.1(a)), メソゲ ン基 と屈 曲性 の分子鎖 とか ら成 ってい る半 剛値 型 (図2.1.1(b)),主鎖の剛直性 ポ リマーか ら屈 曲 性の分子鎖が髭 の ように伸びた型 (図2.1.1(C)),十字形 に上下左右 に伸 びたメソゲ ン基 同志 あ るいは十字型 メソゲ ン基が屈曲性の分子鎖で連結 された型 (図2.1.1(d))な どが知 られている・ 側鎖型液 晶高分子 の骨格鎖 にスペーサー (骨格鎖 と側鎖 メソゲ ン基 との間に入 った屈 曲性 の 分子鎖 )を介 してメ ソゲ ン基がつ いた間接結合型 (図2.1.1(e))と,スペーサーを介 しないメ ソ ゲ ン基がつ いた直接結合型 (図2.1.1(f)),およびスペーサーか らメ ソゲ ン基を二つぶ ら下 げた 型 (図2.1.1(g))な どが知 られている・複合型液 晶高分子 は主鎖型液晶高分子のメソゲ ン基 ある いは屈 曲鎖 にさ らにまたメソゲ ン基を結合 した ものである (図2.1.1(也))・ 2.1,2 液 晶高分子の相構造(1)(ll)(12) 液 晶高分子 の相構造 には低分子液 晶 と同 じよ うに,ネマチ ック, スメ クチ ック, コ レステ リックおよびデ ィス コチ ック液晶の4種類が知 られている. ネマチ ック液 晶高分子 は図2.1.2(a)の よ うに細長 い分子か らな り分子長軸方 向は全体 的に は 揃 っているが,分子の重心の位置 はラ ンダムである. スメクチ ック液 晶高分子 は図2.1.2(b)の よ うに分子 の重心位置が-平面 内で, しか も分子長 軸 はほぼ一方 向に揃 った周期構造 を とってい る.一般 にスメクチ ック液 晶高分子 はネマチ ック 液 晶高分子 よ りも高い粘性を示す. これはネマチ ック液 晶高分子 の各 々の ドメイ ンは分子の長 軸方 向に動 きやすい か らである. コ レステ リック液晶高分子 は図2.1.2(C)のような層状構造で,それ らの隣接層 はネマチ ック液 晶に似 た一様な分子配列 を してい る. しか も各層 の分子 の平均 の配 向方 向は隣接層 のそれに対 して一方 向にわず かずつね じれている. このね じれの方 向が元の方 向に一致す るまでの距離 を ピッチ (p) とよぶ. コ レステ リック液 晶で は ピッチ と可視光 の波長が 同程度 の ものが多 く, この よ うな場合 には,入射す る可視光 はブラ ッグ反射 と呼ばれ る回折現象 によ り虹 のよ うに莱 しい色 を呈す る・ なお本実験で使用す る

h

y

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l

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HPC)

水溶液 は この コ レステ リック液 晶高分子 に属す る. デ ィス コチ ック液 晶高分子 は平板状低分子化合物か ら成 ってお り, 円盤状の液 晶である. なお,ネマチ ック液 晶高分子, スメクチ ック液 晶高分子 における分子長軸 の方 向付 け,お よ \9

(11)

びコ レステ リック液晶高分子での各層 における分子長軸の方 向付 けは,図2.1.3に示す ように完 全 に平行 に並んでいるのではな く,分子 自身の熟運動の乱れのため,分子 長軸の配 向方 向を 中 心 にある程度の物理的ゆ らぎがある・ この平均的な分子長軸方 向をデ ィレクタ(n)と呼んでいる・ 2.1.3 液晶高分子の物性 ここでは液晶高分子の特異な物性 と して粘度および複屈折性 について述べ る. ・液晶高分子の粘度 液晶高分子の典型的な粘度曲線 の模式図 として図2.1.4に示す. この図において縦軸 は粘度, 横軸 はせん断速度で,両軸 とも対数で表 してある. この図2.1.4のように液 晶高分子 は一般的に 低せん断速度域お よび高せん断嘩度域で シア シこ ングを示 し,それ らゐ シア シこ ングの中間部 分 にニ ュー トン粘性を示すプラ トーな部分を もっている. これ らの領域 はそれぞれ図2.1.5の よ うにregion I,regionⅡ,regionⅢ, と名付 け られて いる.液晶高分子 は静止状態において, 前節で述べ たような相構造の小 さなかたま り (ドメイ ン)が ランダムに集合 した形で構成 され ている・region Iでは図2.1.5の左 のような ドメイ ン構造を維持 しなが らの ドメイ ン同志の滑 り が流れにおいて支配 的であ り,regionⅢでは図2.1.5の右の ような液晶高分子単体 同志の滑 りが 流れで支配 的とされ regionⅡはregionIとregionⅢの中間域 と解釈 されている(5). ・液晶高分子の複屈折性(1)(ll) 液晶の主要な特徴の一つ は,光学的

1

軸性結晶 と同様な屈折率異方性 に基づ く複屈折性を示 す ことである.光軸が液 晶高分子の分子長軸 (デ ィレクタn)の方 向に相 当す るネマチ ック液 晶高分子 とスメクチ ック液晶高分子では,光の電気スペ ク トルの振動方 向が光軸 に対 し直交 あ るいは平行 に入射 した ときの屈折率をn.およびneとす ると,空間方 向にお ける屈折率の大 きさ は図2.1.6(a)のような異方性を有す る・また,その複屈折率 Anは, A n =ne-

n

.

で与え られ る・なお,流れ な どによ り一方 向に揃 った液晶高分子 において も図2.1.6(a)のような 異方性 とな る. コ レステ リック液 晶高分子 において は,デ ィレクタnと直交す るへ リカル軸が光軸 に相 当す るため,空 間方 向における屈折率の大 きさは図2.1.6(b)のような異方性 となる. このため,本実験では流れの可視化の際に直交ニ コル とい う,〉二枚の偏光板でその偏光の方 向が互いに直角になるように して液晶高分子の流れをはさんでその配 向状況を観察 しているが, この方法 は液晶高分子のような液晶高分子の持つ複屈折性 によって,液 晶高分子 に入射す る光 の偏光状態が変化 して しまうとい う特性を利用 した ものである・例えば図2.1.7(a)のような,一 方 向に配 向 した液 晶高分子 のデ ィレクタが偏光板1のス リッ トの方 向に対 して平行 あるいは垂 直な方 向で二枚 の偏光板 に挟 まれている場合を考え ると,光 は偏光板1によ って図2.1.8(a)の よ うな直線偏光の状態で,液晶高分子へ入射す る.その とき光の電気ベ ク トル は,デ ィレクタに 対 して垂直 あるいは平行であるため,光 に影響す る屈折率 はn。あるいはn。のいずれかのみ とな る.そのため液晶高分子へ入射 した光 はその偏光状態を維持 したままの直線偏光で液晶高分子 を透過 し,結局, その直線偏光 の偏光方 向 と直角のス リッ トの方 向を持つ偏光板Zによ ってそ の光 は遮 られて しま う・ また図2,1.7(b)の よ うな,液 晶高分子 のデ ィ レクタが二枚 の偏光板 の ス リッ トの方 向に対 して平行で も垂直で もない場合 には,偏光板1による直線偏光 は,その光

1

0

(12)

の電気ベ ク トルがデ ィレクタに対 してある角度を持 って液晶高分子へ入射す る. このため光 の 電気ベ ク トルをデ ィレクタと垂直 あるいは平行の成分 に分解す ると,それ ぞれの方 向で屈折率 かれ。とn。の異な った もの となる・そのため直線偏光の状態で入射 した光 は液晶高分子を通過す ることによって,図2.1.8(a)の ような 円偏光 にその偏光状態を変え られ る・そのため偏光板2に 遮 られ ることな く光 は透過す ることができる. ここで, このように直線偏光の状態の光が,液晶高分子を通過す ることによってその偏光状 態を変え られ る理 由につ いて詳 しく説明す る.図2.1.9のように,真空 中におかれた一方 向に配 向 した液 晶高分子 に直線偏光が通 ると考え る. ここで この図2.1.9では説明を容易にす るため, 図2.1.7で示 した表記法 にかえて,図2.1.9中の座標系 におけるy軸 に液晶高分子 の長軸方 向,す なわちデ ィレクタが一致す るように し,それ に対 して直線偏光の偏光方 向が斜めになるように している・液晶高分子 に入 る前の真空Oにおいて電場の式がⅩ成分,y成分 それぞれ Eox-Eoe

x

p

I

i

(

u

t

n

o

z)) (2・1・1' Eoy-Eo

e

x

p

i

i

(

u

t

-

2

n

o

z

)

)

'2・1・2' ここに E。x, E。y:0における光の電気ベ ク トルのⅩ,y方 向の成分 E。:入射の際の電界強度 u :光の角周波数

。:0での光の波長 n。:Oでの屈折率 であるとす ると,それぞれの電気ベ ク トルの方 向の光が,Ⅹ方 向とy方 向とで屈折率がn。および neと異な る液晶高分子 にはいることによって,x成分およびy成分の波長

x, 項 まそれぞれ -,-I--

; -

:I-=

とな り,液晶高分子か ら出るときにはⅩ成分 とy成分 とで位相差が生 じ,液 晶高分子か ら出た真 空1においての電場の式はⅩ成分,y成分 それぞれ EIx-Eoe

x

p

.

i

(

w

t

驚 noz・f nod)) (2・1・3) El,-Eo

e

x

p

i

(

u

t

% noz.2Jt 市 ned)) (2・1・4) ここに Elx,El,:1における光の電気ベ ク トルのⅩ,y方 向の成分 d:光の進行方 向における液晶高分子の厚 さ と両成 分 で位相 差 の生 じた形 とな る・ この式(2.1.3)お よび式(2.1.4)を合 成 して や る と, 図 2.1.8(b)の よ うな光 が進行 方 向 に螺旋 状 に振動す る円偏光 とな る. また,液 晶高分子 に光 が 入 った時に減衰があると,液晶高分子か ら出て くる光 は楕 円偏光 とな り,入射時の偏光方 向が Ⅹあるいはy軸方 向であるときには入射時の偏 向状況 はそのまま維持 され る.以上 の ことか ら直 交ニ コル によって液晶高分子の流れの状況を観察 した とき,図2.1.7のように,二枚の偏光板の いずれかのス リッ トの方 向とデ ィレクタが同 じであれば光を通 さず (図2.1.7(a)), それ以外 の 角度であれ ば光 は偏光板 を透過 してきて (図2.1.7(b)),液 晶高分子 の配 向状況 を観察す る こ とができる.

l

l

(13)

2.2供試流体 ここでは本実験 において使用 した供試流体 につい て,その粘度および諸性質 につ いて述べ る. ・水飴 本実験 において,後 に述べ る HPC 水溶液 と同程度 の粘度 を もつニ ュー トン流体 と して,一 般 に市販 されている水飴を用いた. なお, この水飴 は非常 に粘度が高いため,放置 しておいただけでは気泡を抜 くの にかな りの 長 時間を必要 とす るので,図 2.2.1に示す カー トリッジに水飴 を入れ, それを遠心分離器で 回 転 させ, その遠心力 によ り脱 泡 を行 った.そ■して, その溶液 が入 ったままの カー トリッジを 3.2および 4.2の図 3.2.1,図 3.2.3および図 4.2.1に示す実験装置 に組み込 み,実験を行 った. ・HPC水溶液 液晶高分子 と しては, 日本曹達 (秩 )製の hidroxypropylcellose(以後 HPC と略す )の 30 および 50重量パ ーセ ン ト水溶液を用いた.図 2.2.2に HPCO.構造式を示す.なお, この HPC の分子量 は約 6万程度で(4),一般の高分子 よ りもかな り低 い分子量である. また, この HPCは セル ロースに酸化 プ ロ ピレンを反応 させて製造 された非イオ ン系繊維素誘導体 で, フイルム形 成能力 に優れてお り,工業上, フイル ムコーテ ィングな どに用 い られている. また,結合性 , 増粘性 エマル ジ ョン安定性,分散性な どに も優れ た特性 を示 し, さ らに人体 に無害 であ ること か ら,錠剤の結合剤 として も用 い られている. この HPC 水 溶液 は,溶液 の濃度 の増加 によ って液 晶性 を示す ライオ トロ ピ ック液 晶で, 30wt%では液晶性を示 さない一般的な高分子溶液で,50wt%では液晶性を示す. また,HPC 水 溶液の化学構造上か らの分類 は,主鎖型液 晶高分子 に属 し,相構造か らの分類 と しては, コ レ ステ リック液 晶高分子 に分類 され る(ll)(2.1節参照). 次 に HPC水溶液の作成法 につ いて述べ る.溶液 は重量濃度で 30%および 50%水溶液 とな る ように ビーカーに HPC と蒸留水 を入れ, これを よ くか き混ぜ,そ して一週 間程度放置 したの ち実験を行 った. また,水飴 と同様 に HPC 水溶液 も非常に粘度が高いため,放置 しておいた だけでは気泡を抜 くのにかな りの長時間を必要 とす るので,水飴の場合 と同様 の方法で脱泡 し, 実験 を行 った. o なお本研究 において液晶高分子 と して,'HPC30wt%水溶液 と HPC50wt%水溶液の二種類 の異 な った濃度 の ものを使用 したが,上 に述べたように,液 晶性を示す HPC50wt%水溶液 に対 して, HPC30&t%水溶液 は液 晶性を示 さない高分子溶液 と して(4),比較のために用 いた. 2.3 各供試流体 の粘度 本研究 において,供試流体 と して2.2で述べ たように,水飴,HPCの30wt%および50wt%水溶 液を使用す るが, ここでは各流体 の粘度測定法および粘度測定結果 につ いて示す. 2.3.1 粘度測定法 本 実験 で使用 した全 流体 の粘 度 はHAAKE社製 の レオ メー タ, レオ ス トレスRSIOOお よび RS50(図2.3.1)に よ り測定 した.両 レオ メー タは図2.3.2において試 料 を上部 の 円錐

(コ-1

2

(14)

ン)と下部 の円盤 (プ レー ト)の隙間に満た し, 円盤 を静止 させ たまま コー ンを一定の トル ク で回転 させ た ときの角速度を測定 し,それによ り各せん断速度 における粘度 またはせん断応力 を得ている. 次 に, この レオ メータの測定原理 につ いて説 明す る.今 , コー ン (半径R)が一定角速度W (W-27TN/60:Nは回転数 )で回転 しコー ンとプ レー トの角度が α(fad)とす る・ 回転 中心 か らrの位置での周方 向速度VはV=rwで あ り,その位置でのプ レー トか らコー ン壁 までの高 さhは h=rαである. よって,プ レー ト面でのひずみ速度 再ま Y三言Efiu豊 富 (2・3・1) とな り,

r

にはよ らない・ この結果 , コー ン表面 には一様 なせん断応力 Twが生 じる・ このせん 断応力 によ って コー ンに加わ る トル クMは ・ -2- w

J

.

Rr2dr-空 蛙3 となる. よ って,せん断応力 は, 3M TwE2JTlく3 で得 られ,みか けの粘度Tlは, ・=予 で算 出され る. (2・3・2) (2,3・3) (2・3・4) 2.3.2 粘度測定結果 ・水飴 ニ ュー トン流体 である水飴の粘度を測定 した結果を図 2.3.3と図 2.3.4に示す.両図の横軸 は 溶液の温度,縦軸 は粘度である.図 2.3.3は第 3章の定常放射状流れの実験で使用 した水飴 の 粘度で,平成 6年 に英弘精機で HAAKE社製の レオ メータ, レオス トレス RSIOOによ り測定 さ れた結果 である.また図 2.3.4は第 4章 のスクイーズ流れの実験で使用一した水飴の粘度で,辛 成7年 に本研究室で同社製の レオ メータ, レオス トレス RS50によ り測定 した結果である. まず,図 2.3.3と図 2.3.4との問で粘度の値が異な った結果が得 られてい る.両者 とも同 じ容 器 に入 った製 品を使用 し粘度測定を待 ったが,図 2.3.4の方が図 2.3.3の もの よ りも 1年 ほど後 に用 いたため,その間に水飴 に含 まれ る水分が蒸発 し, この図 2.3.3と図 2.3.4の ように粘度 の 値 に違 いがでた もの と思われ る.そ こで本研究 において,後 に述べ る実験結果の無次元化や粘 性 モデル による数値計算の際 には,定常放射状流れ とスクイーズ流れ とで, それぞれ対応す る 図の粘度を用 いた. また, この図 2.3.3および図 2.3.4において,水飴の粘度 は温度 に大 き く依存 していることが わか る. そこで,本実験 は液温がな るべ く 20

となるような一定温度 の条件下で行 われたが, 正確 には実験終了時の水飴の温度を測定 し,その温度を もとに図 2.3.3お よび図 2.3.4か ら粘度 を決定 され る粘度 を用 いて,後述 の3.4および4.4節での伝達荷重の無次元化 に用 いた,なお, この水飴の密度 はp-1.43(g/cm3)である・ ・HPC水溶液 HPC30および 50wt%水溶液の粘度の測定結果を図 2.3.5,図 2.3.6に示す.図 2.3.5および図

1

3

(15)

2.3.6の横軸 はせん断速度で,縦軸 はみか けの粘度である.また図中の実線 は,後の 3.3および 4.3節で述べ る粘性 モデル による数値計算で用いる,carreauモデルによるそれ ぞれの粘度の近 似 曲線であ る・図 2.3.5は定常放射状流れの実験で便 用 した HPC30および 50wt%水溶液 の粘度 で,平成 6年 に英弘精機で HAAKE社製の レオ メータ, レオス トレス RSIOOによ り測定 された 結果である. また図 2.3.6はスクイーズ流れの実験で使用 した HPC30および 50wt%水溶液の粘 度で,平成 7年 に本研究室で HAAKE社製の レオメータ, レオス トレス RS50によ り測定 した 結果である・なお,両者 とも溶液の温度が T=20

(

℃)

の場合の結果である・ 図 2.3.5および図 2.3.6において各 々の濃度 ごとの粘度変化 は定性的にはよ く一致 しているが, それ ぞれ粘度の値が 10-20%程度異な っている.図 2.3.5と図 2.3.6では,HPC の ロッ トナ ン バ ーは異な るものの同 じ製 品を用 いた結果である. この ような粘度の違 いが現れた要因 と して は,HPC の経 時変化が考え られ る.前者 (図 2.3.5)は開封後,長時間経 てお り, また,高温 (夏期 )下で保管 された.一方,後者 (図 2.3.6)は比較 的良好な条件下で保管 され,比較 的 フ レッシュな状態の うちに測定 された ものである. その結果 と して このよ うな粘度の違 いが現 れ た もの と思 われ る.そ こで本研究 において,後 に述べ る実験結果 の無次元化や粘性 モデルに よ る数値計算 の際 には,定常放射状流れ とスクイーズ流れ とで,それ ぞれ対応す る図 2.3.5また は図 2.3.6の粘度測定結果を用 いた. 次 に,図 2.3.5および図 2.3.6に示 した HPC30wt%水溶液 と HPC50wt%水溶液中粘度曲線 の 特徴 につ いて述べ る. HPC30wt%水溶液 につ いては,2.2に述べたように HPC水溶液 はライオ トロピック液 晶であ るため, この濃 度 で は液 晶性 はみ られず ,一般 の高分 子溶 液 の よ うな ,低 せ ん 断速 度域 で ニ ュー トン粘性を示す部分を有 し,高せん断速度域で シア シこ ングを示 している.なお,溶液 の密度 はp=1.05(g/cm3)である・ 一方,HPC50wt%水溶液 につ いて は,2.1で述べ た ような,低せん断速度域 と高せん断速度 域 において シア シニ ングを示 し, その間にプラ トーなニ ュー トン粘性を示す領域 を もった,液 晶高分子特有 の粘度を示 してい る(4). そ して, この HPC50wt%水溶液 にお ける前述 (2.1節 ) のregionI∼Ⅲは図中に示 した範 囲 と見積 もられ る・ また,溶液の密度 はp=1.ll (g/cm3)であ る.なお,carreauモデルでの近似 につ いては後輩で述べ る.

1

4

(16)

l 一

-L

形 p 鎖 C 主 L 晶 ) 液 p 子 C 分 L 高 ー

L

-1 ・ -1 形 p 斗 C 倒 し 複合形LCP 甘 ○ 『 首 (h, (く => メソゲン基 ,… 屈曲分子卿 図2.1.1 液 晶高分子の分類 (a) ネマチ ック液晶高分子 (b) スメクチ ック液晶高分子 (C) コレステリック液晶高分子 これ らの図 において く==⊃ ▲:液晶高分子 図2.1.2 液 晶高分 子 の相 構造 か らの分類 〆 液晶高分子 く=つ と=フ こ=フ く==⊃ =⊃⊂⊃ Q くここ=〉 Q く=つ くつ く≡= ディレクタn 図2ユ.3 液晶高分子の配向 とデ ィレクタ

(17)

reg10nf re g10r)_Ⅱ r eg10nⅢ \ _一■■ ー__ _■一一 一一一 、 一一一一 、 logγ 図2.1.4 液 晶高分 子 の粘度 曲線 の模 式 図 regionI く=⊃ 液晶高分子 くつ reg10nⅢ ドメイン構造 図2.1.5 液晶高分子の粘度曲線 における 領域 とその状況 光軸 および デ ィ レクタn (a) ネマチ ックおよび スメクチ ック液 晶高分子 光軸 . (b)コ レ不チ リック液晶高分子 図2.1.6 屈折 率楕 円体

(18)

液晶高分子 およびそのデ ィ レクタ (a)光か透過 しない場合

-紺

+

( b ) 光が透過す る場合 図2ユ.7 直交ニ コル による液 晶高分子の観察

1 /

〝■

/

/

/

/

′ ノ.

(a) 直線偏光 (b) 円偏光 図2ユ.8 直線偏光および円偏光

図2.

1.

9

液晶高分子を通 る光の伝播

(19)

¢2 4 m m

図2.

2.

1

カー トリッジ

CH20R

H

0氏 o R ・・H

または巨

CH2-CH( CH,) -0】mH

基を表す.

0

m

,

n

1

以上 の整数.

ノ、

2.

2.

2 HPC

の化学式

(20)

図2.

3.

1 レオス トレス RS50

ー ン

プ レー ト

(21)

25 15 20 T(℃) 図2.3,3 水飴の粘度 に対す る温度 の依 存性 (平成6年 英弘精機 (秩)にて測定) 25 20 15 T(oC) 図2.3.4 水 飴の粘度 に対す る温度 の依存性 (平成7年 本研究室にて測定) l l 川l I ロロロ ロ ≡ 器 ……慧 :grog ロ - CaneauMode1 ロ T-ろ0(℃) ロ lI ′ヽ ∩ L.J-.- .-.-- -U p ′l regユOnⅠ regionⅡ1、region皿 10-2 100 102 子(1/S) 図2.3.5 HPC水溶液各濃度 の粘度対せ ん断速度 (平成6年 英弘精機 (秩)にて測定) I HI l oHPC30wt% ロ. □ HPC50wt% ロ - ca汀eauModel ロ T=20(℃) _∴U^n∩ ,●ヽ ′Iヽ reg10n Ⅰ .regionⅡ region皿 0-2 10-1 1100 ・ 10 1 102 子(1/S) 図2.3.6 HPC水溶液 各濃度 の粘度対せ ん断速度 (平成7年 本研究室 にて測定)

(22)

第3章 二 円盤 間の放射状流れ 3.1 まえか き 成形流れ において,第1章の図 1.1.1に示す ような平行二 円盤 間の流れ は,薄板 の成形な どに見 ら れ また複雑 な形状 を した成形 品において も局所 的にはイ以た流れが生 じ 重要かつ基礎 的な流れ場 といえ る. しか し, この ような流れ によ りで きた液晶高分子 の成形 品は,流 れの方 向に液 晶高分子 が揃 うことによ り強度 に異方性 が生 じ,それ による割れや裂 けとい った点が重大な問題 とな って い る(1).しか し,レオ ロジー的な観点か らの成形流れ における液 晶高分子の分子挙動 の解 明および分子 配 向の制御な どとい った研究 は少 ない.例えば,実際の液 晶高分子 の成形流れを想定 した研究 と し て,Baleoと Navard(7)によ り平行平板 間の様 々な形状の流路 における液晶高分子 の挙動 を観察 した研 究な どが報告 されてい るが,液 晶高分子 の成形流れによ り発生す る応力場 の測定 とい った ことはな されてお らず,不 明な点が多い. そ こで本章では,図 1.1.1に示す 円盤 中心か ら二 円盤間を放射状 に流動す る流れ場 につ いて,液 晶 高分子溶液 またはニ ュー トン流体 を流 した際 に二 円盤 間に発生す る伝達荷重 の測定 を行 い,粘性 モ デル による数値計算 との比較 お よび液 晶高分子溶液の流れの可視化か ら, この ような射 出流れ にお ける液 晶高分子溶液 の流動特性を検討す る. 3.2 実験装置お よび方法 3.2.1 荷重測定 図3.2.1に二 円盤 間の放射状流れで発生す る荷重を測定す る実験装置の概略を示す .装置 は溶液 を 流れ場へ押 し出す ための圧縮空気を送 り出す コンプ レッサー①,流量測定のために導圧管 の途 中に 取 り付 け られた水位計②,溶液供給部 および円盤上面 とな る円筒容器⑤, 円盤下面 とな る光学ガ ラ ス円板⑥ ,発生 した荷重を検 出す るロー ドセル⑦,隙間の変化 を検 出す る接触式変位計⑧,隙間の 調整 を行 うためのマイ クロメータヘ ッ ド⑨ およびZ事由ステー ジ⑲,そ してZ事由ステー ジの操作,お よ び ロー ドセル と接触式変位計か らの出力を記録す るためのパ ー ソナル コンピュータ⑪ で構成 され て いる. 次 に実験方法 につ いて説 明す る. コ ンプ レッサーで発生 させた圧縮空気 によ り,導圧管 内の水 を 円筒容器 内部 に送 り込 み, ゴム風船③ を膨 らませ る. これ に よって, 円筒容器 内のカー トリッジ④ に入れ られた供試流体 を, 円筒容器下 面 とガ ラス円板 によ り構成 され る二 円盤 間へ と円盤 の中心位 置か ら押 し出 し,放射状流れを発生 させ る. そ して流れ によ り円盤下面 に伝達 され る荷重 および に 円盤 の隙間を ロー ドセル,変位計 によ り測定 し,パ ー ソナル コンピュータで記録す る.また この と きの流量 は水位計 の水 面の変化量か ら算 出 した.なお,本測定 システムにおいて は, ロー ドセル お よびAn)コンバ ータの分解能のため,トータルで測定 され る荷重 には最大で±0.5N程度 のば らつ きが 生 じる.そ こで定常流での測定 のため,時間平均 した荷重を用 いてデータを整理 した. 流 れ場 の詳細 を図3.2.2に示す . 円盤 の外径 は50mm,入 り口径 は5m で あ り,二 円盤 間の隙間が 0.5m ,1.0m ,1.5m の三通 りにつ いて実験 を行 った.・この二 円盤 間の隙間 は, シ ックネスゲー ジ を用 い,そ してマイ クロメータヘ ッ ドお よびZ車由ステー ジによ り平行 を確認 しつつ,目標の値 に対 し \ノ1 21

(23)

て上限で+0.03mmの範囲で調整を行 った. このため,後に示す実験結果において二 円盤間の隙間を 0.5汀皿,1.0m ,1.5m と記 してあるが,実際にはこれ ら目標の寸法よりも隙間が大き くなる事 と予 想 されるため,荷重の無次元化などの際には,目標の寸法に0.015

Ⅵ加えた値を二円盤間の初期隙間 (無負荷時の隙間)とた.更に,流れによって発生す る荷重によって,ロー ドセルが変形 して隙間 が増大す るため,その隙間の変化量を接触式変位計で検出し,それにより補正 した隙間を用いて実 験データの整理を行 った. 3.2.2 流れの可視化 図3.2.3に二円盤間の放射状流れを観察するための実験装置の概略を示す.装置において,溶液を 流れ場へ押 し出すためのコンプ レッサー,導圧管,水位計 と溶液供給部 となる円筒容器②は,荷重 測定用の実験装置と同様である.流れ場は二枚の光学ガラス円板⑥で構成されてお り,円管④で溶 液供給部 とつなが っている.なお,荷重測定用の実験装置では,溶液と導圧管内の水 とが直接ふれ ないようにするため,溶液を押 し出すのに風船を用いていたが,廃液 と水の拡散す る速度が非常にt 遅 く,本実験に対 して影響 しないことが確認 されたため,この流れの可視化の実験装置では導圧管 か らの水 により直接溶液を押 し出す ことにした.また,光源 となる白色電球, ミラー③および偏光 面が直交す る (直交ニ コル)ようにおかれた二枚の偏光板⑦で可視化 した.そ して流れの撮影を行 うカメラ⑧により構成されている. 次に実験方法について説明す る.円筒状のカー トリッジ① に入れ られた供試流体 は,コンプ レッ サーで加圧 した空気により送 り込まれる導圧管内の水 に与り円管内に流入す る・これにより内部の 供試流体をカー トリッジか ら押 し出す.そ して供試流体は,円管を通 って二枚のガラス円板によ り 形成された流れ場へ導かれ,その中心か ら放射状に流れる.またこのときの流量は,3.2.1と同様 に 水位計の水面の変化量か ら算出 した.そ してこの二円盤間の流れの状態は,光源である白色電球か らの光が,直交ニコルの状態の二枚の偏光板で挟まれた流れ場を透過 して くる像 としてカメラによ り撮影された. 図3.2.4に流れ場の寸法の詳細を示す.定常放射状流れの際の荷重測定の実験装置 と同様に円盤の 外径は50mm ,入 り口径は5mmとし,そ して二円盤間の隙間はbs-1.0rm の条件で観察 した・ 3.3 粘性モデルによる数値計算 ニュー トン流体や複雑な挙動をする液晶高分子溶液において得 られる実験結果を判断す るには, 基準が必要 と考え られ る.本研究においては粘性のみを考慮 して,有限要素法により数値解析 した 結果を用いて実験結果 と比較検討する. 3.3.1 粘性モデルによる有限要素法での数値計算 ここでは,本章で扱 う流れについて有限要素法での数値計算の方法を述べ る. ・解析領域 本数値計算で用いた要素の形状,および流れ場の数値計算する領域の寸法 と要素分割の概略図を 図3.3.1,図3.3.2に示す.解析領域を分割する要素は,図3.3.1のような四角形九節点要素を用いた. また図3.3.2において,数値計算は軸対称問題 とし,図中のZ車由を対称軸(e)として回転 させ,本実験で 22

(24)

の流れ場を表現 している・ ここで図の(a)が流体の入 口側,(b)が出口側 となる・そ して要素分割は流 体の入 口,円管か ら二 円盤間への流入部付近,そ して壁面近傍で要素が密 となるように分割 した. またそれぞれの隙間のときの全節点数および要素数を表3.3.1に示す.境界条件に関 しては,図3.3.3 に示す とお りで,流体の入 口側(a)では,ポアズイユ流で流入す るとし,壁面(C)および(d)では速度が 零,対称軸(e)上では速度の半径方向成分が零として計算を行 った・ ・粘性モデル 本数値計算では,水飴の粘性モデル としてニ ュー トン粘性,HPC30wt%およびHPC50

wt

%

水溶液の 粘性モデル としてCarreauモデルを用いた.carreauモデルは一般化ニ ュー トン流体のひとつである. 一般化ニ ュー トン流体 とは,粘度¶をひずみ速度テ ンソルの不変量の関数で拡張 した ものである. ca汀eauモデルでは n-¶∞.(

n

.-n J(1・L2D2

)

'n1X ここで D2

-喜

(

;

)

(茸 ・

%

)

=抽 (3.3.1)

(

Ⅹは位置に関す る座標成分で,iおよびjは和の規約をとる ⅠⅠ∴ ひずみ速度テ ンソルの第二不変量) とされる(13)・単純せん断流中では式(3.3.1)は ¶≡¶叩+(… m)(1+

秤 )

`n1X (3・3・2) となる. ここでcarreauモデル中のパ ラメータの物理的な意味を述べ ると,まず yl.およびTl。は流体のせん断速 度す=0および巨 ∞における粘度で,nはいわゆる構造粘度指数,九は粘度曲線上に表れる特性時間 に対応 し,時間の次元を もっている.次に,実際の計算に用いたニ ュー トン粘性における粘度,お よび式(3.3.1)中のパ ラメータの値を表に示す・ニ ュー トン粘性の粘度は図2.3.3においてT-20(℃)での 値を用いた.ca汀eauモデルのパ ラメータの値は図2.3.5中の粘度曲線により決定 したが,HPC50wt% 水溶液に対 しては,高せん断速度域の粘度測定結果を中心 として決定 してお り,Tloについては,region IIにおけるプラ トーな部分の粘度 とした・またHPC30wt%およびHPCS0wt%水溶液 におけるTlのにつ いては,粘度測定装置の関係上,図2.3.5に示 された以上のせん断速度での粘度測定ができなか った ため,両水溶液 ともにTlの-0として数値計算を行 った・最後に九については,Tlの=0とす ると式(3.3.2) は … 。(1+叫 'n-1X (3・3・3) となる・ ここで式(3.3.3)においてせん断速度が十分に小 さい領域については1'

'

h2Y2となるため, ¶≡

(3.3.4) となる・また,式(3.3,3)において 1''料 2となるような,せん断速度が十分に大きい領域では, , ¶叩

.

(

L

l

)

(

n

-

1

)

(3.3.5) と,べき乗則粘性の式 と同 じ形 とな り,粘度曲線におけるシアシニ ングの部分を表 している.そ し て式(3.3.4)と式(3.3.5)より九を求めると, -I--

,

:

t

:

23 (3.3.6)

(25)

が得 られ る.つま り本計算 における九は,擬塑性流体において,零せん断粘度か らシアシこ ングを 示す領域への変わ り目の部分におけるせん断速度の逆数 によ り与え られる. ・基礎方程式および計算手法 次に本数値計算 における基礎方程式を示す.まず図3.3.4のような円柱座標系での微小体積要素 を 考えると,定常流で軸対称の運動方程式は,体積力を無視す ると, (

(

P

l

V

.

l

f+

r

V

z

a

v

:

p

l

v,

÷

さ+

v

z

-

i(

r

s

)

+

孟 S・

Z

a)

=

i(

r

s

)

+

孟S

-で与え られる(13).また連続の式は

1

r

r

(

p

r

v

-

)

孟(

p

v

z

)

-o

となる(13).一般化ニ ュー トン流体の構成方程式は S汀--p+2,

S。。ニーp・2

n

!

s

n

-

"

(

.% ) S詔=-P・2

(3.3.9) (3・3.10) (3・3・11) (3・3・12) (3.3.

1

3

)

となる(13)・ ここで式(3.3.10)か ら式(3.3.13)の構成方程式中のTlにニ ュー トン粘性あるいは式(3.3.1)で 表 される

ca

汀e

a

u

モデルを代入 し,そ して式(3.3.7)か ら式(3.3.13)を図(3.3.1)に示 した四角形九節点要素 に基づいて,各要素 ごとに離散化を行 い,それ らを全体系に重ね合わせて支配方程式を作 り,そ し てその支配方程式を解 くことによって,その流れ場の解を得ている.また支配方程式を解 く際の繰 り返 し計算 は,繰 り返 し代入法により行 った・以上の作業は

F

l

u

i

dDy

n

a

m

ic

sI

n

t

e

r

n

a

t

i

o

n

a

l

(

F

DI

)

社製の有 限要素解析プログラムFⅡ)APにより行 った.なお,このFⅡ)APによる計算において,式の離散化の方 法がブラックボ ックスとな っているため,式(3.3.10)か ら式(3.3.13)の離散化において,

Ca

汀e

a

u

モデル での¶中のひずみ速度テ ンソルをどの様に扱い離散化を行 ったかは不明である・ 3.3.2 実験結果 と数値計算結果 との比較 について ここでは,実験結果 と数値計算結果 との比較をす るために用いる,無次元化伝達荷重および平均 壁面せん断速度の定義について述べ る. ・無次元力 。ど まず,測定または算 出された力を無次元化 して比較す るために,ニュー トン流体 の理想化 された 二 円盤間の定常放射状流れで発生す る力Fthの誘導について述べ る・本実験の流れ場において,ニ ュ ー トン流体の放射状流れが,図3.3.5のように円管か ら二 円盤間に流入 した直後 に二次元ポアズイユ 流に発達 していると仮定す る.そのときの半径方向の運動方程式は,定常流で軸対称の条件を考慮 し,さらに慣性項および体積力を無視す ると,

ま (-。)

.

豊,

㌢一

昔=

o (3・3・14) で与え られる(13)・式(3.3.14)中のT..およびT。。は,ニ ュー トン流体 に対 しては, ・。≡2

(3・3・15) 24

(26)

TOO=2

n

n-n

(

意 +

%

)-

¶意 であ り(13),式(3.3.15),式(3.3.16)および式(3.3.17)を式(3.3.14)へ代入 して, 2qf(告 +r砦

qi (

Eo となる.これを整理すると,

2

ま(

r

v

f

)

)

]

揚 幕

O

が得 られる.ここで連続の式より,

詫(

r

v

.

)

f

.

(

r

v

,

)

-0 であるので(13),結局,式(3.3.14)は, (3・3・18) (3.3.19) (3.3.20) (3・3・21) となる・よって,先程述べたように二次元ポアズイユ流れを仮定すると,半径方向の速度'-は

v

r

=

(

で与え られる・ここで式(3.3.22)か ら流量を求めると, 旦と Q-r㌢23WV.dz

3

t

6

r

h

1

1

s

3

(

書)

とな り,結局, ∂p 611Q ∂r Jtrhs3 (3・3.22) (3・3.23) (3・3・24) となる・ここで,流量Qはrついて一定で串るか ら,円盤の出口(r=R2)で圧力は大気圧(p-o)の条件 で式(3.3.24)を積分すると, p等

h(

y)

(3・3・25) となる.よって,図3.3.6のように円盤流入 口における圧力分布を半径によらず一定 と考えると,式 (3.3.25)を円盤全域にわた って領域積分す ることにより,理想化 された流れで二 円盤間に発生する荷 重 ㌔が得 られる・ F

m

溜 h(矩 Rl.I:空 dr 一 等 (R22-R12) (3・3・26) 本研究においては,二円盤間の定常放射状流れによって発生す る荷重の無次元力F●として,実験あ るいは数値計算によって得 られた二円盤間に発生する荷重Fを,式(3・3・26)により与え られる荷重 Fth により除 した値

F F

F

t

h

を定義 して,結果 との比較検討を行 う. 25 (3・3.27)

(27)

・平均壁面せん断速度 次に,平均壁面せん断速度すwgの定義について説明す る・無次元力の定義の場合 と同様に,放射状 流れが二次元 ポアズイユ流れであると仮定す る・円盤間での半径方 向の速度Ⅴ-は,式(3・3.22),式 (3.3.23)より ・

寸鵬 ‡

璃 ‡

2

とな り,壁面Z- ⊥争 こおけるせん断速度は (3・3・28) (3・3.29) となる・よって二次元ポアズイユ流れがr-Rlか らR2までの全領域で成 り立つ として式(3.3.29)を面 積積分 して,その値をこの領域の面積で除 したものを平均壁面せん断速度yw,と定義す る・ R22-R12 6

Q(

R

2-

R

l

)

/

h

s2

J

t

(

R

ラ+Rl)(R2-Rl) 60 31(R2・Rl)h,2 (3.3.30) 結局,この平均壁面せん断速度は,半径r=RlとR2の中点であるr

-聖

上生 における壁面せん断速 2 度を意味 している. 以上のように定義 した無次元力および平均壁面せん断速度を用いて,実験結果および計算結果を 整理 し,両者の比較を行 う. 3.4 実験結果および考察 ニ ュー トン流体である水飴による実験結果を図3.4.1に示す. この図において縦軸および横軸はそ れぞれ前節で定義 した無次元力F◆と代表せん断速度 すwSをとっている・また,図中の丸印はh8-0.5mm , 四角印はhs-1・Omm,三角印はb,-1・5mmの場合に対応 し,それぞれのマークについて白抜きは実験 結果,黒塗 りは数値解析結果を表 している.なお本章 において示す実験結果のグラフについては, すべてこの形式をとっている. ニ ュー トン流体である水飴については,実験結果および計算結果 ともに,h,および寸W,によらずF' が1で一定 とな り,前節の流れ場の仮定が妥当であることが確認 された. 次にHPC30wt%水溶液の結果を図3.4.2に示す.液晶性を示さないHPC30wt%水溶液については,水 飴 と同様 に実験結果 は隙間によらずグラフ上のデータは一本のライ ンによ く乗 ってお り,このデー タの整理の方法が妥当であることが確認 された,また実験結果 と計算結果は共にニ ュー トン流体で の予測値であるF●≡1に対 して高せん断速度域で低い値 とな っている.これは図2

.

2.4で示 した粘度曲

2

6

(28)

線におけるシアシニ ングによる影響 と考え られる.また計算結果 も実験結果 とよ く一致 してお り液 晶性を示 さないHPC30wt%水溶液 についてはcarreauモデルによる数値計算 によって,本実験.におけ る流れ場での流動状態の予測は可能 と考え られる. 図3.4.3にHPC50wt%水溶液の結果を示す.HPC50wt%水溶液の実験結果 もHPC30wt%水溶液の結果 と似たように,高せん断速度域でF'-1か らずれ すW,の増加 と共にF'は減少 している・さらに,せ ん断速度が大きい領域で実験結果は計算結果 よりも高い値を示 している. このように,高せん断速 度域の粘度測定の結果を基にCa汀eauモデルのパ ラメータを決定 したにも関わ らず,HPC50wt%水溶 液において高せん断速度域で実験結果 と計算結果 との間に違いが生 じたことにな り, この原因と し ては以下のような点が考え られる. 第一に,粘度を測定 した際の流れは単純せん断流 (クエ ッ ト流れ)であ り,本実験でのせん断速 度に分布を持つ流れ とは異な っていた点が挙げ られる. また,本数値解析では弾性の影響を考慮 してお らず,実験結果にはこの影響が現れた可能性 も考え られる. まず最初の,せん断速度が分布を有す る点に関 して,

2

章で述べたように,せん断速度の範囲によ って液晶高分子の挙動 は,region Iでは ドメイ ン同士の滑 り, regionⅢでは分子単体 同士の滑 りが 支配的と言われてお り,regionⅡではregionIとregionⅢとの中間域 と考え られている. このように せん断速度によ り液晶高分子の挙動が異なってお り,本研究の流れでは,二 円盤間の隙間の中心で はregion Iで,壁近 くではregionⅢの状態で流れているものと予想 される,このため,一概 にせん 断速度の代表値では十分に流れの状態を表 していない可能性がある.また, このようなせん断速度 に分布をもつ流れでのCarreauモデルによる計算では,実際の速度分布を十分に表 していない可能性 もある. しか し,現時点では予測の範囲をこえておらず,今後詳細な検討を要す ると考え られる. 次に弾性の影響について考える.この点に関連 した研究 として,HPC50wt%水溶液のせん断流にお いて,SigilloとGrizzuti(5)は粘度および第一法線応力差の測定を行 った.その結果の一例を図3.4.4に示 す. この図において縦軸は粘度および第一法線応力差で,横軸はせん断速度,また図中,四角印は 粘度,三角印は第一法線応力差で,白抜きは正,黒塗 りは負の値を示 している.このように彼 らは, せん断速度が50(1/S)の高せん断速度域において第一法線応力差が負になるという実験結果を報告 し ている.そ して この符号の変化 において,第一法線応力差が正の時には液晶高分子の流れの状況が タンブ リングと呼ばれ る棒状分子が回転 しなが ら流れている状態に,第一法線応力差が負の時には 分子の配向が流れの方向に揃 った状態に対応す ると述べている.図3.4.3において実験結果 とca汀eau モデル による計算結果 との間に違 いが見えは じめ るせん 断速度が すWa-10(1/S)付近か らであ り, S.igilloらの結果 との関連 も考え られる・確かに法線応力効果の増大によりこの違いを説明できる可能 性 はあるが,その符号の変化 との関連は定かではない・ただ し,彼 らが述べているような,region Ⅲ の中で もタンブ リング状態か ら高配向状態へ変化す る点は興味深 く,本実験結果において もこのよ うな流動状態 との相関がないか検討 してみた. 図3.4.5-図3.4.6は液晶高分子溶液の流動状況を把握す るために行 った流れの可視化の実験結果で ある・図3.4.5は実験結果 と計算結果が比較的一致 したすW,-3.33(1/S)とすW9-8・35(1/S)のときの流れの 写真で,図3.4.6は実験結果 と計算結果に違いが見 られたすW,-18・1(1/S)とiw9-46.7(1/S)の高せん断速 度域での流れの写真である.図3.4.6ではクロスの黒いライ ンが半径方向に明確 に現れお り,分子が 半径方向に強 く配向されていることがわかる.また干渉縞 も同心円上に整 った形で現れている. こ 27

(29)

れに対 して図3.4.5ではクロスの黒いライ ンは乱れをともなってお り,干渉縞 もかな り乱れた形状 と な っている.この図3.4.5において液晶高分子のタンブ リング状態までは確認す ることはできないが, 図3.4.5と図3.4.6の間には明 らかに流れの状態が異なっていることが確認できる. このように,伝達荷重の変化 と流れの状態には相関がみ られ この流れの状態の変化により,逮 度分布の変化や法線応力効果など何 らかの作用が生 じ,伝達荷重に影響を与えたと考え られる. 3.5 まとめ 円盤中心か ら二円盤間を放射状に流動する流れ場について,液晶高分子溶液またはニュー トン流 体を流 した際の二円盤間に発生する伝達荷重の測定,粘性モデルによる数値計算結果 との比較およ び液晶高分子溶液の流れの可視化を行 った結果,以下のことが明らかになった. (1)ニュー トン流体である水飴では,伝達荷重に関する実験結果はニi- トン粘性を用いた数値計 算結果 と一致 した. (2)HPC30wt%水溶液では,実験結果 とcarreauモデルを用いた数値計算結果か ら見積 もられる無 次元伝達荷重F'は隙間によらず平均壁面せん断速度寸wsで整理 された・また,実験結果 と数値計算結 ' 果はよく一致 した,このことか ら液晶性を示さないHPC30wt%水溶液については,ca汀eauモデルに よる数値計算によって本実験における流れ場での流動状態の予測が可能であることがわか った. (3)HPC50wt%水溶液の場合 もHPC30wt%水溶液の場合 と同様に,実験および計算結果 ともにF'は

wsで整理 された・ しか し,せん断速度が大きい領域で実験結果はcarreauモデルによる数値計算結 果 よりも高い値を示 し,両者の一致は見 られなか った.そ して,これに関連 し,HPC50wt%水溶液の 流動状況を観察 した結果,実験結果 と計算結果が一致 した低せん断速度域 と両者が一致 しなか った 高せん断速度域 とで分子の流動状況の違いが確認された,

2

8

(30)

水 ① コンプ レッサー ②水位計 ③ ゴム風船 ④ カー トリッジ ⑤ 円筒容器及 び円盤上 面 ⑥ ガ ラス円板 ⑦ ロー ドセル ⑧接触式変位計 ⑨ マイ クロメータヘ ッ ド ⑲

Z

軸 ステージ ⑩

A/D

変換および パ ーソナル コンピュータ

3.

2.

1 実験装置の概略図

(

放射状流れ における荷重測定)

図 3. 3. 1 四角形九節点要素 I2,ミ悠 IlII S T T I m 入 口 ( a )N h.=0. 5 mm1.O mmL′ヽ己1.5rtm白 I / 固定壁 ( C) 「 也 25m
図 4. 4. 22 クエ ッ ト流れ停止後の複屈折率の変化

参照

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