理科(化学Ⅰ)学習指導案
広島県立黒瀬高等学校 理科 安森 英悟 1 日 時 平成17年11月11日(金) 5限(50分) クラス 普通科 2年1組 29名 場 所 HR教室 2 単元名 「酸化還元反応」 3 単元について (1)単元観 この単元は,酸化還元反応が電子の授受による反応であることを扱う。金属は,種類によって 水溶液中でのイオン化のしやすさに差があり,金属と陽イオンまたは酸化剤との組合せによる電 子の授受が一般的な電池の原理であることを気付かせる。また電気分解も酸化還元反応の例であ るので,代表的な物質の電気分解についても取り扱う。 (2)生徒観 第2学年文型生徒で,化学Ⅰを3単位で履修している。第1学年では理科総合Bを3単位で履 修したので,酸化還元については高等学校でははじめて扱う内容である。中学校理科で「酸素と 化合する反応を酸化,酸素を失う反応を還元」と定義して学んでいる。 (3)指導観 化学Ⅰ「酸化還元反応」の単元では,「化学反応には電子の授受に関係した反応があり,電気 分解や電池の反応も酸化還元反応である」ことを理解させることをねらいとしている。この電気 分解や電池などの電気に関する技術は,今日の社会生活において,また,これからの技術社会を 生きていくために基礎的知識として必要である。しかし,電子の授受は目に見えないことから, 酸化還元反応は抽象的な概念でとらえられがちになり,その結果生徒にとってこの分野は苦手な ものとなる傾向がある。そのため,観察,実験を通して酸化還元反応に関する興味関心をもたせ, その内容を予想させたり考察させたりすることによって科学的な思考力を育成し,学習に対して 意欲が高まるように指導していきたい。 4 単元の目標 観察,実験などを通して酸化還元反応を探究させることにより,酸化還元反応が電子の授受によ る反応であることを理解させる。 5 単元の評価規準 関心・意欲・態度 思考・判断 観察・実験の技能・表現 知識・理解 ・酸化還元反応に関心をも ち,電子の授受という観点 で意欲的にそれらを探究し ようとする。 ・電池,電気分解を酸化還 元反応と関連付けて意欲的 に探究しようとする。 ・酸化還元反応の定義と酸 化数の定義の有効性を理解 し,観察,実験などを行い, それらを基に事物・現象の 中に共通性を見いだし,酸 化還元反応として論理的に 考察し,科学的に判断する。 ・様々な電池,電気分解の 事象の中に酸化還元反応と しての規則性,共通性を見 いだし,論理的に考察し, 科学的に判断する。 ・酸化還元反応の観察,実 験を行い,その基本操作や 記録の仕方を習得するとと もに,その観察,実験の過 程や結果から自らの考えを 導き出し,的確に表現する。 ・電池や電気分解を酸化還 元反応としてとらえ,観察, 実験の過程や結果から自ら の考えを導き出し,表現す る。 ・電子の授受や酸化数の変 化から酸化還元反応を理解 し,知識を身に付けている。 ・ファラデーの法則及び電 気分解の電気量の量的関係 を理解し,知識を身に付け ている。6 指導と評価の計画 評 価 時 学習内容 関 考 表 知 評 価 規 準【方法】 1 ◎ ○ ・身の回りの酸化還元反応に関心をもち,酸素や水素の授 受という観点で反応を意欲的に探究しようとする。【行 動観察】 ・化学反応式中の酸素や水素の授受を見ることにより酸 化,還元の定義について論理的に考察する。【発問】 2 酸化と還元 (2時間) 本時は1時間目 ◎ ○ ・化学反応式中の電子の授受を見ることにより,広義の酸 化,還元の定義について論理的に考察し,科学的に判断 する。【発問】 ・化学式から酸化数を決定する。 【発問】【問題演習】 3 ◎ ・化学反応式中の各原子の酸化数を決め,酸化剤,還元剤 について科学的に判断する。【発問】 4 酸化数と酸化還元反 応 (2時間) ◎ ・主な酸化剤,還元剤の半反応式から酸化還元の化学反応 式を書く。【机間指導】 5 ○ ◎ ・金属元素のイオンと単体の反応(生徒実験)よりイオン 化列を導き出す。観察,実験の基本操作及び記録の仕方 を習得している。【実験レポート】【生徒観察】 ・実験結果よりイオン化傾向と酸化還元反応についての関 係を考察する。また,発展的に酸化還元反応により電気 エネルギーを得ているのが電池であることを科学的に 考察する。【発問】【実験レポート】 6 ◎ ・イオン化傾向の差(酸化還元反応)を利用したエネルギ ー変換の方法として電池があることをボルタ電池やダ ニエル電池の構造を通して意欲的に探究しようとする。 【行動観察】【発問】 7 金属のイオン化傾向 と電池 (3時間) ◎ ・鉛蓄電池,マンガン乾電池やその他の実用電池の構造を 理解し,知識を身に付けている。【ノート記述】 8 ◎ ○ ・電気分解をしたときに発生,析出する物質は水溶液中に あるイオンの種類と関連しているということを酸化還 元反応を通じて意欲的に探究しようとする。【生徒観察】 ・電気エネルギーによって酸化還元反応を起こさせるのが 電気分解であることを理解している。【発問】【問題演習】 9 電気分解 (2時間) ◎ ・陽極,陰極の半反応式より発生,析出する物質の量を定 量的に考察する。(ファラデーの法則)【問題演習】 7 本時の展開 (1)本時の目標 ・身の回りの酸化還元反応に関心をもち,酸素や水素の授受という観点でそれらの反応を意欲的 に探究しようとする態度を育成する。 ・化学反応式中の酸素や水素の授受を見ることにより酸化,還元の定義について論理的に考察し, 科学的に判断できるようにする。 (2)本時の評価規準 関心・意欲・態度 思考・判断 ・身の回りの酸化還元反応に関心をもち, 酸素や水素の授受という観点でそれらの 反応を意欲的に探究しようとする。 ・化学反応式中の酸素や水素の授受を見る ことにより酸化,還元の定義について論理 的に考察する。
(3)学習の展開 指導過程・学習活動 指導上の留意点 評価規準(評価方法) 導 入 ( 5 分 ) ・本時の目標と内容を確認 する。 ・中学校で学習した酸化と 還元の内容を再確認する。 ・酸素の授受と酸化・還元の関係を想 起させる。 ・身近な酸化還元反応を発表させる。 (例)燃焼,金属のさびなど ・身の回りの酸化還元反応に 関心をもち,酸素や水素の授 受という観点でそれらの反 応を意欲的に探究しようと する。【行動観察】 展 開 ( 4 0 分 ) ・銅線を加熱し酸化銅(Ⅱ) をつくる。〔演示実験〕 ・酸化銅(Ⅱ)の生成の化学 反応式から,酸化・還元の 関係を考える。 ・加熱した酸化銅(Ⅱ)を水 素と反応させる。 〔演示実験〕 ・酸化銅(Ⅱ)と水素との反 応の化学反応式から,酸 化・還元の関係を考える。 ・硫化水素と酸素との反応 の化学反応式から,酸化・ 還元の関係を考える。 ・酸化銅(Ⅱ)の生成と酸化との関係を 考えさせる。 ・化学反応式中の酸素の授受から銅が 酸化されることを見いださせる。 ・色の変化から酸化銅(Ⅱ)が銅に変化 したことを気付かせる。 ・試験管の内壁がくもる様子から水が 生じたことを気付かせる。 ・化学反応式中の酸素の授受から酸化 銅(Ⅱ)が還元され,水素が酸化される ことを見いださせる。 ・化学反応式中の酸素の授受から硫化 水素が酸化されることを見いださせ る。 ・化学反応式中の水素の授受から,物質 が水素を失ったときも,その物質が酸 化されるといえることに気付かせる。 ・化学反応式中の酸素の授受 を見ることにより酸化,還元 の定義について論理的に考 察する。【発問】 ・身の回りの酸化還元反応に 関心をもち,酸素や水素の授 受という観点でそれらの反 応を意欲的に探究しようと する。【行動観察】 ・化学反応式中の酸素の授受 を見ることにより酸化,還元 の定義について論理的に考 察する。【発問】 ・化学反応式中の酸素や水素 の授受を見ることにより酸 化,還元の定義について論理 的に考察する。【発問】 ま と め ( 5 分 ) ・酸化・還元と酸素・水素 との関係をまとめる。 ・次時の予告 ・酸素と化合→酸化される 酸素を失う→還元される ・水素と化合→還元される 水素を失う→酸化される 酸素と化合=酸化される 2Cu + O2 → 2CuO (還元される) 酸素と化合=酸化される=水素を失う 2H2S + O2 → 2S + 2H2O 還元される=水素と化合 酸素と化合=酸化される CuO + H2 → Cu + H2O 酸素を失う=還元される