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Microsoft Word - 1st quarter 2012_Special Issue_Final

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「タイの経済関連政策」

タイ政府による 2012 年の経済成長重視政策

2012 年のタイ経済は様々な経済的リスクに直面しています。例として、欧州債務問題による 世界経済不安、原油価格高騰、昨年の水害を受けた工業生産の回復テンポなどが挙げられま す。これに対して、タイ政府は経済成長重視の姿勢を強調し、様々な政策を講じています。 これらの政策は大きく分けると、国民生活水準向上政策、インフラ投資政策、洪水防止・治 水管理政策の 3 つのグループに分けられます。カシコンリサーチセンターは、タイ政府の経 済成長重視関連の政策について、本報告書にまとめました。 国民生活水準向上政策 国民生活水準向上政策は、国民の生活水準を実質的に高める目的で、以下の3つの狙いに区 分されます。① 国民所得の増加、② 日常生活支援、③ 資金獲得機会の創出です。

国民所得の増加に関する政策 カシコンリサーチセンターは、タイ政府が決定・実施した国民所得の増加に関する政策を下 記にまとめました。  籾米担保融資制度:2011年10月7日に2011/12年度雨季作の籾米担保融資制度が導入 されました。この制度は、農家が制度に参加している精米所に籾米を持ち込んで証 券と引き換え、それを担保として農業銀行で融資してもらう制度です。行政価格で は、水分含有量 15%の通常米15,000バーツ/トン、香り米20,000バーツ/トン。 2011/2012年度の担保融資額は、1,200~1,750億バーツとなる見込みです。  最低賃金引き上げ:国家賃金委員会は、2012 年4 月より、最も影響が少ないバンコ ク首都圏(バンコク、ノンタブリー、パトゥムターニー、サムットプラーカーン、 サムットサーコーン、ナコーンパトム)と南部プーケット県における全7 都県で最 低賃金を1 日当たり300 バーツへ引き上げることに合意しました。他の70県では、 最低賃金が39.5%引き上げられることになります。タイ政府は、最低賃金引上げの 見返りとして、2012 年に法人税率を30%から23%に引き下げました。また、2013 年からは20%に引き下げる予定です。  大学新卒公務員の最低月給15,000バーツへの引き上げ:タイ政府は2012年に大学新 卒公務員の最低月給を9,140バーツから11,680バーツに引き上げました。それに加え、 15,000バーツから11,680を引いた不足金額は生活支援金として支給することになり ました。また、2013年には最低月給を11,680バーツから15,000バーツに引き上げる 予定です。 2012 年第 1 四半期特別号

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 高齢者の生活手当支給額の引き上げ:タイ政府は高齢者の生活手当支給額を月一律 500バーツから60~69歳:600バーツ、70~79歳:700バーツ、80~89歳:800バーツ、 90歳以上:1,000バーツに引き上げました。  元利金支払いの猶予:50万バーツ未満の債務を負う零細農家および低所得者の元利 金支払いを3年間猶予することです。一方、50万バーツ以上の債務を負う場合は、債 務を再構築します。

日常生活支援に関する政策 カシコンリサーチセンターは、タイ政府が決定・実施した日常生活支援に関する政策を下記 にまとめました。  1台目の自動車購入に対する税優遇措置:税優遇の対象となる重要な基準に関しては、 国産車で、価格が100万バーツ以下の乗用車(排気量1,500cc以下)、ピックアップ トラック、ダブルキャブのピックアップトラックのいずれかに限ると規定されてい ます。また、購入者には最低5年以上、対象車両を保有することが求められます。さ らに、購入者は満21歳以上で、初めて買う自動車であることが条件です。これらの 条件を満たす場合、購入者は最大10万バーツの物品税の還付を受けることが可能に なります。  一軒目の家購入に対する税優遇措置:税優遇の対象となる重要な基準に関しては、 一軒目の家購入で、価格が500万バーツ以下の住宅に限ると規定されています。これ らの条件を満たす場合、購入者は5年間で、1年当たり最大10万バーツの個人所得税 の還元を受けることが可能になります。  エネルギー・クレジットカード:タイ政府は、年末までにNGVの小売価格を2012年初 の8.50バーツから14.50に引き上げる方針があります。このことにより、タイ政府が 公共輸送事業者への影響を抑えるため、エネルギー・クレジットカードを発行し、 NGVを優遇価格で買えるようにしています。

資金獲得機会の創出に関する政策 カシコンリサーチセンターは、タイ政府が決定・実施した資金獲得機会の創出に関する政策 を下記にまとめました。  小・中・大コミュニティー開発(SML事業)全国の村落に、人口規模に応じて、イン フラ整備・福祉事業用資金を供給する政策です。供給資金額に関しては、小規模の 農村が一村当たり30万バーツ、中規模の農村が一村当たり40万バーツ、大規模の農 村が一村当たり50万バーツとなっています。  村興し基金の増額:村興し基金とは、タイ政府により各村落に運転資金を提供し、 生産性向上や製品の付加価値化を計画している村人に村興し基金から融資する政策 です。従来の村興し基金は一村当たり100万バーツとなっていましたが、タイ政府は 2013年までに200万バーツに増額する予定です。

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インフラ投資政策 インフラ投資政策の目的は、持続可能な経済成長を遂げるために、運輸・物流システムや通 信インフラなどを強化することです。輸送コスト削減やビジネスの効率化などに繋がること が期待されています。インフラ投資政策としては、高速鉄道建設、通信インフラの拡大など が挙げられます。2012年度のタイの歳出予算は、2兆3,800億バーツで、投資予算が4,234億 バーツ、固定費が1兆8,558億バーツとなっています。2012年の投資予算は前年と比べ19.1% 増加しました。 一方、2012年度の国営企業の予算は、8,274億バーツで、投資予算が5,334億バーツとなって います。また、2013~2015年度の中期的な国営企業の投資予算は、1兆5,159億バーツとなっ ています。 タイ政府の洪水復興・未来建設戦略を見ると、2012~2016年度のインフラ投資計画額は2兆 2,701億バーツとなっています。予算が最も多いのは、陸上交通インフラで予算全体の64.7% を占めています。第2位がエネルギー関連インフラで22.0%、第3位が航空・水上交通インフ ラで6.5%を占めています。 出所:KResearch 洪水防止・治水管理政策 タイ政府は、2012年1月下旬に緊急洪水防止対策と長期的な治水管理のマスター・プランを 披露しました。緊急洪水防止対策は、2012 年の雨季に間に合わせる短期の洪水軽減策で、 昨年と同水準の雨量となった場合にも、昨年のような甚大な被害が生じないようにすること が最大の目標です。緊急行動計画の予算に関しては、2012年度に国家予算から181億1,000万 バーツを割り当てるほか、2013年度予算からも45億1,570万バーツを割り当てます。 一方、長期的な治水管理対策に関しては、持続可能な洪水防止と水資源管理を狙いとした計 画です。治水管理の行動計画の予算に関しては、タイ政府が緊急勅令で3,500億バーツの資

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バーツ、他の17箇所の盆地の治水管理計画に400億バーツ、治水関連インフラ建設計画に100 億バーツが配分されます。

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経済成長重視政策によるタイ経済への影響 昨年第 4 四半期に大洪水被害の影響で、タイ経済は大幅に鈍化しました。大洪水が収束した 後、2011 年 12 月からタイ経済は、徐々に回復軌道に乗り始めました。すなわち、2012 年の タイ経済は、洪水からの復興年になると言われます。 タイ政府の経済成長重視政策は、民間消費、公共・民間投資などの拡大にプラス影響を与え る見込みです。しかしながら、莫大な国債発行や赤字予算編成などの政策財源により、政府 債務残高および金融市場の流動性不足への懸念が高まると考えられます。また、インフレ圧 力がさらに高まる懸念があります。 上記に述べた国民生活水準向上政策は、国民の購買力を高めるほか、各村落の資金獲得機会 を創出する見込みです。このことにより、民間消費・投資の押上げ寄与は大きいと見込まれ ます。また、今年実施する必要がある緊急洪水防止対策や、昨年承認・着手済みのインフラ 投資プロジェクトなどは、公共投資を拡大させる要因になる見込みです。 カシコンリサーチセンターでは、タイ政府の経済成長重視政策の効果により、2012 年の GDP 伸び率を少なくとも 1%押し上げる見込みと予測します。従って、2012 年通年の GDP 伸び率 は、プラス 4.5~6.0%となり、通常ケースでプラス 5.0%に達すると予測します。 今後、注目する必要がある点は、上記の政策による経済成長のペースと政府財政収入への影 響、インフレ圧力、金融市場の流動性です。 ■タイ経済最新情報 第 1 四半期特別号 2012/3/27 (No.9) 監修:カシコンリサーチセンター マクロ経済調査責任者 Dr. ピモンワン マハッチャリヤウォン マクロ経済調査主任研究者 ルチパン アッサラット ハタイワン スターラッタナチャイポーン 本資料は情報提供を唯一の目的としており、ビジネスの判断材料とするものではありません。掲載されてい る分析・予測等は、資料制作時点のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、予測の 妥当性や正確性が保証されるものでもありませんし、商業ないし何らかの行動の為に採用することから発生 した損害の責任を取れるものでもありません。本資料の予測・分析の妥当性等は、独自でご判断ください。

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