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HOKUGA: ドイツ法における催告解除と契約の清算㈢・完 : 催告解除は解除法における万能薬か

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全文

(1)

タイトル

ドイツ法における催告解除と契約の清算㈢・完 : 催

告解除は解除法における万能薬か

著者

遠山, 純弘

引用

北海学園大学法学研究, 46(3): 597-628

発行日

2010-12-31

(2)

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・ 論 説 ・・・・・・ ・・・・・・・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

北研 46 (3・ ) ㈡ 履 行 請 求 権 か ら の 解 放 ︵ 以 上 、 四 五 巻 三 号 ︶ ㈢ 催 告 解 除 と 給 付 の 受 戻 し 一 部 給 付 不 完 全 給 付 ⒜ 物 の 瑕 疵 ⅰ 特 定 物 売 買 ⅱ 種 類 物 売 買 ⒝ 権 利 の 瑕 疵 ⒞ 付 随 義 務 の 違 反 ︵ 積 極 的 債 権 侵 害 ︵ D ie p o si tiv e F o rd er -u n g sv er le tz u n g ︶ ︶ ㈣ 催 告 解 除 と 債 権 者 の 反 対 給 付 目 次 一 は じ め に 二 ド イ ツ 普 通 商 法 典 に お け る 契 約 か ら の 離 脱 ︵A b g eh en ︶ ㈠ 離 脱 の 成 立 ㈡ 債 務 者 の 遅 滞 と 契 約 か ら の 離 脱 ㈢ 離 脱 と 給 付 の 受 戻 し 一 部 給 付 瑕 疵 あ る 商 品 の 給 付 ㈣ 離 脱 に 基 づ く 給 付 の 返 還 請 求 三 改 正 前 ド イ ツ 民 法 典 に お け る 催 告 解 除 ㈠ 催 告 解 除 の 成 立

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㈢ 催 告 解 除 と 給 付 の 受 戻 し 現 行 ド イ ツ 民 法 典 は 、 催 告 解 除 を 規 定 す る ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 を 、 債 務 者 が そ も そ も 給 付 を し な い 場 合 だ け で な く 、 債 務 者 が 契 約 に 従 っ た 給 付 を し な い 場 合 に も 適 用 す る 。 そ の た め 、 債 務 者 が 契 約 に 従 っ た 給 付 を し な い 場 合 に も 、 債 権 者 は 、 追 完 の た め に 相 当 な 期 間 を 設 定 し 、 そ の 期 間 内 に 追 完 が な さ れ な い と き は 、 契 約 を 解 除 す る こ と が で き る 。 し か し そ れ に も か か わ ら ず 、 旧 法 に お け る の と 同 じ く 、 現 行 法 に お い て も 、 債 務 者 に よ っ て 何 ら か の 給 付 が な さ れ た 場 合 に は 、 催 告 解 除 に よ る 契 約 全 体 の 清 算 や な さ れ た 給 付 の 受 戻 し は 認 め ら れ て い な い の で あ る 。 ㈤ 小 括 四 現 行 ド イ ツ 民 法 典 に お け る 催 告 解 除 ㈠ 現 行 ド イ ツ 民 法 典 に お け る 解 除 法 の 発 展 ㈡ 履 行 請 求 権 か ら の 解 放 ︵ 以 上 、 四 六 巻 二 号 ︶ ㈢ 催 告 解 除 と 給 付 の 受 戻 し 一 部 給 付 瑕 疵 あ る 物 の 給 付 付 随 義 務 の 違 反 ⅰ 給 付 と 関 連 す る 付 随 義 務 の 違 反 ⅱ 給 付 と 関 連 し な い 付 随 義 務 の 違 反 ㈣ 催 告 解 除 と 債 権 者 の 反 対 給 付 ㈤ 小 括 五 催 告 解 除 と 契 約 の 清 算 ㈠ 催 告 解 除 の 機 能 契 約 か ら の 解 放 手 段 と し て の 催 告 解 除 ド イ ツ 民 法 典 に お け る 機 能 の 変 化 ⅰ 催 告 解 除 の 民 法 典 へ の 導 入 ⅱ 契 約 か ら の 解 放 か ら 契 約 の 清 算 へ 催 告 解 除 と 給 付 の 受 戻 し 小 括 ㈡ 催 告 解 除 の 適 用 範 囲 ㈢ 解 除 と 給 付 の 受 戻 し ㈣ 催 告 解 除 と 重 大 な 不 履 行 に 基 づ く 解 除 北研 46 (3・ )

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一 部 給 付 た と え ば 、 債 務 者 が 給 付 の 一 部 し か 履 行 し な い 場 合 に は 、 債 権 者 は 、 未 履 行 部 の 給 付 の た め に 相 当 な 期 間 を 設 定 し 、 そ の 期 間 内 に 給 付 が な さ れ な い と き は 、 契 約 を 解 除 す る こ と が で き る ︵ ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 ︶ 一 項 ︶ 。 し か し な が ら 、 債 権 者 は 、 解 除 権 の 行 に よ っ て た だ ち に な さ れ た 一 部 給 付 を 受 戻 す こ と は で き ︶ な い 。 一 部 給 付 の 事 案 に お い て 、 な さ れ た 一 部 給 付 の 受 戻 し は 、 債 権 者 が 一 部 給 付 に つ い て 何 ら 利 益 を 有 さ な い 場 合 に だ け 認 め ら れ る の で あ る ︵ ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 一 文 ︶ 。 な お 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 一 文 の 準 則 は 、 ド イ ツ 民 法 旧 三 二 六 条 一 項 三 文 お よ び 旧 三 二 五 条 一 項 二 文 の 準 則 に 従 っ た も の で ︶ あ る 。 そ の た め 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 一 文 に お け る 債 権 者 が 一 部 給 付 に つ い て 何 ら 利 益 を 有 さ な い 場 合 の 判 断 に つ い て は 、 ド イ ツ 民 法 旧 三 二 六 条 一 項 三 文 お よ び 旧 三 二 五 条 一 項 二 文 に お い て 発 展 し た え 方 が 当 て は ︶ ま る 。 い ず れ に せ よ 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 に 基 づ く 期 間 設 定 は 、 ま だ な さ れ て い な い 給 付 に つ い て だ け 意 味 を 有 し て い る の で あ り 、 催 告 解 除 に よ っ て す で に な さ れ た 一 部 給 付 を 債 務 者 に 受 戻 す こ と は 認 め ら れ て い な い の で あ る 。 瑕 疵 あ る 物 の 給 付 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 は 、 給 付 遅 の 場 合 だ け で な く 、 債 務 者 が 契 約 に 従 っ た 給 付 を し な い 場 合 に も 適 用 さ れ る 。 法 律 は 、 債 務 者 が 契 約 に 従 っ て 給 付 を し な い と い う 表 現 で 、 不 完 全 給 付 の 事 案 を 想 定 し て い る 。 不 完 全 給 付 の 主 た る 事 案 は 、 債 務 者 が 瑕 疵 あ る 物 を 給 付 し た 場 合 で あ る が 、 旧 法 下 に お け る 積 極 的 債 権 侵 害 の 一 類 型 で あ る ド イ ツ 民 法 二 四 一 条 一 項 の 意 味 に お け る 付 随 義 務 の 違 反 も ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 に お け る 債 務 者 が 契 約 に 従 っ て 給 付 を し 北研 46 (3・ )

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な い 場 合 に 含 ま ︶ れ る 。 現 行 法 に よ れ ば 、 瑕 疵 あ る 物 の 給 付 は 、 も は や 債 務 の 履 行 と は 認 め ら れ な い ︵ ド イ ツ 民 法 四 三 三 条 一 項 ︶ 二 文 ︶ 。 そ の た め 、 買 主 の 履 行 請 求 権 は 、 瑕 疵 あ る 物 の 給 付 後 も 存 続 す る 。 買 主 は 、 追 完 の た め の 期 間 を 設 定 す る こ と が で き 、 こ の 期 間 内 に 追 完 が な さ れ な い と き は 、 契 約 を 解 除 す る こ と が で き る ︵ ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 ︶ 。 し か し な が ら 、 買 主 は 、 こ の 場 合 に た だ ち に 契 約 を 解 除 し 、 瑕 疵 あ る 物 を 売 主 に 受 戻 す こ と が で き る わ け で は な い 。 瑕 疵 あ る 物 が 給 付 さ れ た と き で あ っ て も 、 義 務 違 反 が 軽 微 ︵u n er h eb lic h ︶ な 場 合 に は 、 買 主 は 、 契 約 を 解 除 す る こ と が で き な い の で あ る ︵ ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 二 文 ︶ 。 も っ と も 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 二 文 に お け る 義 務 違 反 が 軽 微 な と き を ど の よ う に 理 解 す る か に つ い て は 問 題 が あ る 。 こ の 問 題 は 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 二 文 に お け る 義 務 違 反 が 軽 微 な と き と ド イ ツ 民 法 旧 四 五 九 条 一 項 二 文 に お け る 価 値 又 は 適 性 の 軽 微 な ︵ u n er h eb lic h e ︶ 減 少 と の 関 係 を ど の よ う に 理 解 す る か 、 と い う 問 題 に か か わ る 。 多 数 説 に よ れ ば 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 二 文 に お け る 義 務 違 反 が 軽 微 な と き は 、 ド イ ツ 民 法 旧 四 五 九 条 一 項 二 文 に お け る 価 値 又 は 適 性 の 軽 微 な 減 少 に 相 応 ︶ す る 。 そ の た め 、 こ の 見 解 に よ れ ば 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 二 文 に お け る 義 務 違 反 が 軽 微 な と き の 判 断 は 、 ド イ ツ 民 法 旧 四 五 九 条 一 項 二 文 に お け る 価 値 又 は 適 性 の 軽 微 な 減 少 の 判 断 に お い て 発 展 し た え 方 が 当 て は ︶ ま る 。 こ れ に 対 し て 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 二 文 に お け る 義 務 違 反 が 軽 微 な と き の 判 断 と ド イ ツ 民 法 旧 四 五 九 条 一 項 二 文 に お け る 価 値 又 は 適 性 の 軽 微 な 減 少 の 判 断 と は 異 な る 、 と す る 見 解 も 有 力 に 主 張 さ れ て ︶ い る 。 旧 法 に お い て は 、 瑕 疵 が 軽 微 な 場 合 に は 、 買 主 は 、 瑕 疵 に 基 づ く す べ て の 権 利 を 失 っ た ︵ ド イ ツ 民 法 旧 四 五 九 条 一 項 二 文 ︶ 。 そ の 北研 46 (3・ )

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た め 、 買 主 は 、 解 除 ︵ W a n d el u n g ︶ の 権 利 だ け で な く 、 減 額 請 求 権 も 失 っ た 。 そ れ ゆ え 、 瑕 疵 の 軽 微 性 は 、 裁 判 官 は さ さ い な こ と は 慮 し な い と い う 原 則 を 具 体 化 し た も の と し て 厳 格 に 解 釈 さ れ て ︶ い た 。 し か し な が ら 、 現 行 法 に お い て は 、 義 務 違 反 の 軽 微 性 は 、 も は や 減 額 請 求 権 と は 関 係 が な く 、 解 除 権 の み に か か わ る ︵ ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 二 文 ︶ 。 そ こ で 、 こ の 見 解 の 論 者 は 、 こ の 旧 法 と 現 行 法 と の 違 い に 基 づ い て 、 義 務 違 反 の 軽 微 性 の ハ ー ド ル は 、 ド イ ツ 民 法 旧 四 五 九 条 一 項 二 文 に お け る そ れ よ り も 明 ら か に 高 い 、 と ︶ す る 。 そ し て 、 こ の 見 解 に お い て は 、 義 務 違 反 の 軽 微 性 の 判 断 に つ い て 、 包 括 的 な 利 益 衡 量 と い う こ と が 強 調 ︶ さ れ 、 契 約 の 清 算 が 債 務 者 に と っ て 過 度 に 負 担 を か け 、 経 済 的 に も 不 利 益 で あ る と き は 、 義 務 違 反 は 軽 微 で あ る と さ ︶ れ る 。 こ こ に 契 約 に 従 っ た 給 付 が な い 場 合 に お け る 義 務 違 反 の 軽 微 性 の 判 断 と 一 部 給 付 に お け る 利 益 消 滅 や 付 随 義 務 違 反 に お け る 期 待 不 可 能 性 の 判 断 と の 類 似 性 を 見 る こ と が で き る の で あ る 。 こ の よ う に 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 二 文 に お け る 義 務 違 反 が 軽 微 な と き と ド イ ツ 民 法 旧 四 五 九 条 一 項 二 文 に お け る 価 値 又 は 適 性 の 軽 微 な 減 少 と の 関 係 に つ い て は 、 見 解 の 対 立 が あ る が 、 い ず れ に せ よ 、 現 行 ド イ ツ 民 法 典 に お い て 、 契 約 に 従 っ た 給 付 が な さ れ な い 場 合 に は 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 に 基 づ く 催 告 解 除 に よ っ て た だ ち に 瑕 疵 あ る 給 付 の 受 戻 し が 認 め ら れ る わ け で は な い の で ︶ あ る 。 瑕 疵 あ る 物 の 受 戻 し は 、 義 務 違 反 が 軽 微 で な い 場 合 に 認 め ら れ る の で あ り 、 そ の 限 り で は 、 こ の 場 合 に も 期 間 設 定 や そ の 期 間 の 徒 過 は 、 ま だ な さ れ て い な い 追 完 に つ い て 意 味 を 有 し て い る の で ︶ あ る 。 付 随 義 務 の 違 反 現 行 法 は 、 旧 法 と 異 な っ て 、 付 随 義 務 の 違 反 に 基 づ く 解 除 に つ い て 特 別 の 規 定 を 有 す る 。 北研 46 (3・ )

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と は い え 、 付 随 義 務 の 違 反 に 基 づ く 契 約 の 解 除 に つ い て 、 ド イ ツ 民 法 二 四 一 条 一 項 の 意 味 に お け る 付 随 義 務 、 す な わ ち 、 給 付 と 関 連 す る 付 随 義 務 の 違 反 と 、 ド イ ツ 民 法 二 四 一 条 二 項 の 意 味 に お け る 付 随 義 務 、 す な わ ち 、 給 付 と 関 連 し な い 付 随 義 務 の 違 反 と が 区 別 さ れ る 。 ⅰ 給 付 と 関 連 す る 付 随 義 務 の 違 反 債 務 者 が ド イ ツ 民 法 二 四 一 条 ︶ 一 項 の 意 味 に お け る 付 随 義 務 、 い わ ゆ る 給 付 と 関 連 す る 付 随 義 務 に 違 反 し た 場 合 に も 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 が 適 用 さ ︶ れ る 。 債 務 者 が 給 付 と 関 連 す る 付 随 義 務 の 履 行 を し な い 場 合 に 、 債 権 者 は 、 そ の 履 行 の た め に 期 間 を 設 定 し 、 そ の 期 間 内 に 履 行 が な さ れ な け れ ば 、 契 約 を 解 除 す る こ と が で き る ︵ ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 ︶ 。 も っ と も 、 債 権 者 は 、 こ れ に よ っ て た だ ち に 契 約 全 体 を 清 算 し た り 、 な さ れ た 給 付 を 受 戻 し た り す る こ と は で き な い 。 付 随 義 務 の 違 反 は 、 契 約 に 従 っ た 給 付 で は な い ︶ か ら 、 こ の 場 合 に お け る 契 約 全 体 の 清 算 や な さ れ た 給 付 の 受 戻 し は 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 二 文 の 制 限 の も と で 認 め ら れ る の で あ る 。 ⅱ 給 付 と 関 連 し な い 付 随 義 務 の 違 反 こ れ と 区 別 さ れ る の は 、 債 務 者 が ド イ ツ 民 法 二 四 一 条 ︶ 二 項 の 意 味 に お け る 付 随 義 務 、 い わ ゆ る 給 付 と 関 連 し な い 付 随 義 務 に 違 反 し た 場 合 で あ る 。 債 務 者 が 債 権 者 の 権 利 、 法 益 お よ び 利 益 に 配 慮 す る 義 務 、 す な わ ち 、 い わ ゆ る 保 護 ︶ 義 務 に 違 反 し た 場 合 に は 、 債 権 者 は 、 ド イ ツ 民 法 三 二 四 条 に 基 づ い て 契 約 を 解 除 す る こ と が で き る 。 こ れ ら の 義 務 は 、 特 定 の 時 期 に 履 行 期 が 到 来 す る わ け で は な く 、 通 常 、 訴 求 す る こ と が で き ︶ な い 。 そ れ ゆ え 、 こ こ で は 期 間 設 定 は 意 味 を 北研 46 (3・ )

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有 さ な い 。 こ れ ら の 義 務 違 反 の 効 果 は 、 原 則 と し て 損 害 賠 償 で ︶ あ る 。 も っ と も 、 債 権 者 を 契 約 に 拘 束 す る こ と が も は や 期 待 さ れ な い 場 合 に は 解 除 が 認 め ら れ る ︵ ド イ ツ 民 法 三 二 四 条 ︶ 。 な お 、 債 権 者 を 契 約 に 拘 束 す る こ と が も は や 期 待 さ れ な い か 否 か は 、 旧 法 の も と で 判 例 が 積 極 的 債 権 侵 害 に 基 づ く 解 除 に 関 し て 発 展 さ せ た え 方 が 当 て は ︶ ま る 。 な お 、 一 部 の 学 説 に よ れ ば 、 期 待 不 可 能 性 は 、 原 則 と し て 債 権 者 に よ る 催 告 ︵A b m a h n u n g ︶ を 前 提 と ︶ す る 。 そ れ で も や は り 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 に 相 応 す る 期 間 の 設 定 は 慮 さ れ ︶ な い 。 な ぜ な ら 、 ド イ ツ 民 法 三 二 四 条 に お い て は 、 給 付 の 請 求 は 問 題 と な ら ず 、 同 条 に 違 反 し た 行 動 を 終 了 さ せ る こ と が 問 題 だ か ら で あ る 。 い ず れ に せ よ 、 給 付 と 関 連 し な い 付 随 義 務 の 違 反 の 事 案 に お い て は 、 そ も そ も 履 行 の た め の 期 間 設 定 は 問 題 と な ら な い の で あ り 、 そ の た め 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 の 適 用 は 問 題 と な ら な い の で あ る 。 ㈣ 催 告 解 除 と 債 権 者 の 反 対 給 付 現 行 法 は 、 旧 法 に お け る の と 同 じ く 、 解 除 に よ る 各 契 約 当 事 者 の な さ れ た 給 付 の 返 還 義 務 を 認 め て い る ︵ ド イ ツ 民 法 三 四 六 条 一 項 ︶ 。 も っ と も 、 旧 法 は 、 す で に 述 べ た よ う に 、 法 定 解 除 の 効 果 に 関 す る 規 定 を 有 し て お ら ず 、 約 定 解 除 の 効 果 を 法 定 解 除 に 準 用 し て い た ︵ ド イ ツ 民 法 三 二 七 条 一 文 ︶ 。 こ れ に 対 し て 、 現 行 法 は 、 解 除 の 効 果 を 約 定 解 除 お よ び 法 定 解 除 に 共 通 す る も の と し て 規 定 し て い る ︵ ド イ ツ 民 法 三 四 六 条 一 項 ︶ 。 北研 46 (3・ )

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ま た 、 旧 法 の も と で は 、 解 除 と 債 権 者 の 反 対 給 付 義 務 か ら の 解 放 に つ い て 見 解 の 対 立 が あ っ た 。 支 配 的 な 見 解 に よ れ ば 、 債 権 者 は 、 ド イ ツ 民 法 旧 三 二 六 条 一 項 二 文 後 段 に 従 っ て 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 に よ っ て 履 行 請 求 権 か ら 解 放 さ れ 、 そ し て 、 双 務 契 約 に お け る 両 債 務 の 牽 連 性 に 基 づ い て 履 行 請 求 権 か ら 解 放 さ れ た 時 点 で 自 己 の 反 対 給 付 義 務 か ら 解 放 さ ︶ れ た 。 そ の 結 果 、 債 権 者 は 、 契 約 を 解 除 し な く て も 自 己 の 反 対 給 付 義 務 か ら 解 放 さ れ た 。 こ れ に 対 し て 、 現 行 法 は 、 履 行 や 追 完 の た め に 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 に よ っ て は 債 権 者 を 履 行 請 求 権 か ら 解 放 し ︶ な い 。 履 行 や 追 完 の た め に 設 定 さ れ た 期 間 が 徒 過 し て も 、 履 行 請 求 権 は 存 続 し 、 債 権 者 は 、 解 除 の 意 思 表 示 に よ っ て 初 め て 履 行 請 求 権 か ら 解 放 さ れ る 。 そ れ ゆ え 、 現 行 法 の も と で は 、 債 権 者 の 反 対 給 付 義 務 か ら の 解 放 も 債 権 者 に よ る 解 除 権 の 行 に 依 存 す る こ と と な っ た の で ︶ あ る 。 ㈤ 小 括 現 行 ド イ ツ 民 法 典 は 、 催 告 解 除 の 適 用 範 囲 を 拡 張 し た 。 催 告 解 除 を 規 定 す る ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 は 、 債 務 者 が 給 付 を 遅 し た 場 合 だ け で な く 、 契 約 に 従 っ て 給 付 を し な い 場 合 、 す な わ ち 、 瑕 疵 あ る 物 を 給 付 し た 場 合 や 付 随 義 務 の 履 行 を し な い 場 合 に も 適 用 さ れ る 。 し か も 、 旧 法 に お け る の と 同 じ く 、 催 告 解 除 に そ の 他 の 解 除 原 因 に 基 づ く 解 除 と 同 じ 効 果 が 付 与 さ れ て い る ︵ ド イ ツ 民 法 三 四 六 条 一 項 ︶ 。 そ れ に も か か わ ら ず 、 現 行 法 は 、 旧 法 と 同 じ く 、 さ ま ざ ま な 制 限 に よ っ て 、 そ の 効 果 を 実 質 的 に は 債 務 者 の 給 付 や 追 完 を 待 つ こ と か ら 債 権 者 を 解 放 す る こ と 、 お よ び 債 権 者 が し た 反 対 給 付 の 返 還 請 求 を 認 め る こ と に と ど め て い る 。 た と え ば 、 債 務 者 が 給 付 の 一 部 し か 履 行 し な い 場 合 に も 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 が 適 用 さ れ る に も か か わ ら ず 、 北研 46 (3・ )

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一 部 給 付 が 債 権 者 に と っ て 何 ら 利 益 を 有 さ な い 場 合 に し か 債 権 者 は 契 約 全 体 を 解 除 す る こ と が で き な い ︵ ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 一 文 ︶ 。 ま た 、 債 務 者 が 瑕 疵 あ る 物 を 給 付 し た り 、 給 付 と 関 連 す る 付 随 義 務 に 違 反 し た り し た 場 合 に も 、 同 じ く ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 が 適 用 さ れ る に も か か わ ら ず 、 義 務 違 反 が 軽 微 な と き は 、 債 権 者 は 契 約 を 解 除 す る こ と が で き な い ︵ ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 二 文 ︶ 。 つ ま り 、 債 務 者 に よ っ て 何 ら か の 給 付 が な さ れ た 場 合 に は 、 現 行 法 に お い て も 、 催 告 解 除 に よ る 契 約 全 体 の 清 算 や な さ れ た 給 付 の 受 戻 し は 認 め ら れ て い な い の で あ る 。 そ の 限 り で は 、 現 行 法 に お い て も 、 債 権 者 に よ る 期 間 設 定 は 、 ま だ な さ れ て い な い 給 付 や 追 完 に つ い て だ け 意 味 を 有 し て い る の で あ り 、 す で に な さ れ た 給 付 に つ い て は 意 味 を 有 さ な い の で あ る 。 も っ と も 、 現 行 法 に お け る 催 告 解 除 の 機 能 が 旧 法 の そ れ と ま っ た く 同 じ で あ る わ け で は な い 。 旧 法 に お い て は 、 履 行 の た め に 設 定 さ れ た 期 間 内 に 債 務 者 が 履 行 し な い 場 合 に は 、 債 権 者 は 、 契 約 を 解 除 し な く て も 、 履 行 請 求 権 か ら 解 放 さ れ た ︵ ド イ ツ 民 法 旧 三 二 六 条 一 項 二 文 後 段 ︶ 。 ま た 、 支 配 的 な 見 解 に よ れ ば 、 こ の 場 合 に は 双 務 契 約 に お け る 両 債 務 の 牽 連 性 に 基 づ い て 、 契 約 を 解 除 し な く て も 、 債 権 者 の 反 対 給 付 義 務 も 消 滅 し た 。 そ れ ゆ え 、 驚 く べ き こ と に 、 旧 法 の も と で は 、 催 告 解 除 は 、 解 除 の 基 本 的 な 効 果 で あ る 債 権 者 を 契 約 か ら 解 放 す る と い う 効 果 を 有 さ な か っ た の で あ る 。 こ れ に 対 し て 、 現 行 法 の も と で は 、 履 行 や 追 完 の た め に 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 に よ っ て は 、 債 権 者 は 、 債 務 者 の 給 付 を 待 つ こ と か ら 解 放 さ れ な い 。 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 後 も 履 行 請 求 権 は 存 続 す る 。 そ し て 、 債 権 者 は 、 解 除 の 意 思 表 示 に よ っ て 初 め て 履 行 請 求 権 か ら 解 放 さ れ る の で あ る 。 ま た 、 そ の 結 果 、 債 権 者 の 反 対 給 付 義 務 か ら の 解 放 も 債 権 者 に よ る 解 除 権 の 行 に 結 び 付 け ら れ る こ と と な っ た の で あ る 。 こ の よ う に 、 現 行 法 に お い て は 、 否 、 正 確 に 言 え ば 、 現 行 法 に お い て 初 め て 、 催 告 解 除 は 、 債 権 者 を 契 約 か ら 解 放 す る と い う 効 果 を 有 す る こ と と な っ た の で あ る 。 北研 46 (3・ )

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㈠ 催 告 解 除 の 機 能 そ れ で は 、 わ が 民 法 五 四 一 条 が 規 定 す る 催 告 解 除 は 如 何 な る 機 能 を 有 す る と え る べ き で あ ろ う か 。 も っ と も 、 ド イ ツ 法 に お け る 催 告 解 除 の 発 展 を 見 る 限 り 、 そ の 発 展 は 複 雑 で あ る 。 そ れ ゆ え 、 催 告 解 除 の 発 展 の 歴 か ら 、 催 告 解 除 と は こ の よ う な も の で あ る 、 と い っ た 明 確 な 機 能 を 見 出 す こ と は 難 し い 。 し か し そ れ で も な お 、 催 告 解 除 の 機 能 を 検 討 す る う え で 重 要 な 観 点 を 見 出 す こ と が で き な い わ け で は な い 。 契 約 か ら の 解 放 手 段 と し て の 催 告 解 除 催 告 解 除 は 、 ド イ ツ 普 通 商 法 典 に お け る 離 脱 ︵ A b g eh en ︶ に 由 来 す る 。 ド イ ツ 普 通 商 法 典 は 、 商 取 引 に お い て 、 契 約 相 手 方 が 債 務 の 履 行 を し な い 場 合 に 、 他 方 当 事 者 に 迅 速 に 代 替 取 引 の 可 能 性 を 与 え る た め に 、 商 事 売 買 に お け る 遅 滞 の 事 案 に つ い て 、 履 行 の た め の 期 間 の 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 に よ っ て 契 約 当 事 者 の 契 約 か ら の 解 放 を 認 め た ︵ ド イ ツ 普 通 商 法 三 五 四 条 な い し 三 五 六 条 ︶ 。 債 務 者 が 給 付 を し な い と は い え 、 債 権 者 が 第 三 者 と の 間 で 代 替 取 引 を 行 う こ と は 、 債 権 者 に と っ て 、 債 務 者 が 遅 れ て 履 行 し 、 そ の 結 果 、 自 己 の 給 付 を 行 わ な け れ ば な ら な い と い う リ ス ク を ︶ 伴 う 。 も っ と も 、 こ の リ ス ク に つ い て は 、 普 通 法 に お い て す で に 、 債 務 者 の 給 付 が 遅 滞 の た め に 債 権 者 に と っ て 無 益 と な っ た 場 合 に 、 債 務 者 の 給 付 の 受 領 を 拒 絶 す る こ と が 債 権 者 に 認 め ら れ て い た 。 し か し な が ら 、 こ の よ う な 無 益 性 に 基 づ く 給 付 の 受 領 拒 絶 は 、 商 取 引 の 領 域 に お い て さ ま ざ ま な 不 都 合 を も た ら ︶ し た 。 そ こ で 、 履 行 の た め の 期 間 の 設 定 と そ 北研 46 (3・ )

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の 期 間 の 徒 過 と い う 簡 易 で 、 比 較 的 明 確 な 手 続 き の も と で 、 債 権 者 に 給 付 の 受 領 拒 絶 を 認 め る こ と に よ っ て 、 債 務 者 の 遅 れ た 給 付 を 受 領 し な け れ ば な ら な い リ ス ク か ら 債 権 者 の 保 護 を 図 っ た の が ド イ ツ 普 通 商 法 典 に お け る 離 脱 で あ っ た 。 と り わ け こ こ で 次 の こ と が 注 目 さ れ る べ き で あ る 。 す な わ ち 、 受 領 拒 絶 と い う 効 果 そ れ 自 体 は 、 す で に 普 通 法 に お い て 認 め ら れ て お り 、 そ の た め 、 ド イ ツ 普 通 商 法 典 の 起 草 者 た ち に と っ て は 、 債 権 者 に 迅 速 な 代 替 取 引 を 可 能 と す る た め に 、 こ の 受 領 拒 絶 を 如 何 な る 要 件 の も と で 認 め る か 、 と い う こ と が 問 題 だ っ た と い う こ と で あ る 。 そ し て 、 ド イ ツ 普 通 商 法 典 の 起 草 者 た ち は 、 そ れ を 期 間 の 設 定 お よ び そ の 期 間 の 徒 過 で 認 め う る と え た の で あ り 、 か つ 、 そ れ だ け を え た の で あ る 。 つ ま り 、 履 行 の た め の 期 間 の 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 と い う 要 件 は 、 本 来 、 債 権 者 の 履 行 請 求 権 か ら の 解 放 や 受 領 拒 絶 と い う 効 果 に 結 び 付 け ら れ て い た の で あ る 。 実 際 、 ド イ ツ 普 通 商 法 典 に お い て は 、 離 脱 は 、 契 約 を 消 滅 さ せ る も の と し て え ら れ た に も か か わ ︶ ら ず 、 離 脱 に 基 づ く す で に な さ れ た 契 約 の 清 算 の 問 題 は 、 未 解 決 の ま ま と さ れ た の で ︶ あ る 。 否 、 そ れ ど こ ろ か 、 ド イ ツ 普 通 商 法 典 の 起 草 者 た ち は 、 売 主 が 先 給 付 し た 場 合 に お け る 離 脱 を 排 除 す る こ と に よ っ て 、 離 脱 に 基 づ い て 生 ず る 契 約 の 清 算 の 問 題 を 回 避 し よ う と さ え し た の で ︶ あ る 。 ド イ ツ 民 法 典 に お け る 機 能 の 変 化 ド イ ツ 民 法 典 は 、 履 行 の た め の 期 間 の 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 に よ る 契 約 の 解 除 を 認 め る ︵ ド イ ツ 民 法 旧 三 二 六 条 一 項 、 現 行 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 ︶ 。 右 に 述 べ た よ う に 、 ド イ ツ 普 通 商 法 典 に お い て は 、 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 は 、 債 権 者 を 契 約 か ら 解 放 し 、 そ の 結 果 、 債 権 者 に 給 付 の 受 領 拒 絶 を 認 め る と い う 効 果 と 結 び 付 け ら れ て 北研 46 (3・ )

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い た 。 こ れ に 対 し て 、 ド イ ツ 民 法 典 に お い て は 、 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 の 効 果 は そ れ だ け に と ど ま ら な い 。 ド イ ツ 民 法 典 は 、 ド イ ツ 普 通 商 法 典 に お い て 未 解 決 の ま ま に さ れ て い た 解 除 に よ る な さ れ た 契 約 の 清 算 を 認 め る の で あ る ︵ ド イ ツ 民 法 旧 三 二 七 条 一 文 、 旧 三 四 六 条 一 文 、 現 行 ド イ ツ 民 法 三 四 六 条 一 項 ︶ 。 そ こ で 、 ド イ ツ 民 法 典 に お け る こ の よ う な 発 展 が 本 来 催 告 解 除 に 与 え ら れ て い た 機 能 に 如 何 な る 影 響 を 与 え た か と い う こ と が 問 題 と な る 。 以 下 で は 、 そ れ ぞ れ の 問 題 を 順 次 検 討 し て い こ う 。 ⅰ 催 告 解 除 の 民 法 典 へ の 導 入 わ れ わ れ は 、 ま ず 、 最 近 ま で ほ と ん ど 意 識 さ れ て こ な か っ た 問 題 を 取 り 上 げ よ う 。 す な わ ち 、 催 告 解 除 、 よ り 正 確 に 言 え ば 、 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 に よ っ て 債 権 者 を 契 約 か ら 解 放 す る 、 と い う え 方 が 民 法 典 に 採 り 入 れ ら れ た こ と に よ っ て 、 催 告 解 除 が そ の 機 能 に 関 し て 如 何 な る 影 響 を 受 け た か 、 と い う 問 題 で ︶ あ る 。 履 行 の た め の 期 間 の 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 に よ っ て 債 権 者 を 契 約 か ら 解 放 す る 、 と い う え 方 は 、 本 来 、 商 事 売 買 に つ い て 発 展 し て き た も の で あ る 。 商 取 引 に お い て 、 普 通 法 に お い て 認 め ら れ て い た 無 益 性 に 基 づ く 債 権 者 の 受 領 拒 絶 は 、 さ ま ざ ま な 不 都 合 を も た ら し た の で あ り 、 こ の 不 都 合 を 解 消 し 、 簡 易 で 、 比 較 的 明 確 な 手 続 き の も と で 債 権 者 の 履 行 請 求 権 か ら の 解 放 を 認 め る こ と に よ っ て 、 債 権 者 に 迅 速 に 代 替 取 引 の 可 能 性 を 与 え た の が 離 脱 で あ っ た 。 し か し な が ら 、 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 に よ っ て 債 権 者 を 債 務 者 の 給 付 を 待 つ こ と か ら 解 放 す る 、 と い う え 方 が 民 法 典 に 採 り 入 れ ら れ た こ と に よ っ て 、 い ま や こ の え 方 は 、 商 取 引 以 外 の 取 引 に お い て も 当 て は ま る こ と と な っ た の で あ る 。 も ち ろ ん 、 そ こ に お い て は 、 商 取 引 に お い て よ り も 迅 速 な 取 引 の 要 請 は そ れ ほ ど 強 く は な か ︶ ろ う 。 そ の た め 、 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 に よ っ て 債 権 者 を 債 務 者 の 給 付 を 待 つ こ と か ら 解 放 す る 、 と い う 北研 46 (3・ )

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え 方 が 民 法 典 に 採 り 入 れ ら れ た こ と に よ っ て 、 こ の え 方 を 支 え る 基 盤 は 大 き く 揺 る が さ れ た の で あ る 。 そ れ で も な お 、 近 時 の 学 説 は 、 こ の え 方 の 適 用 を 商 取 引 に つ い て 認 め る こ と に よ っ て 、 何 と か そ の 崩 壊 を 防 ご う と し て ︶ い る 。 し か し な が ら 、 わ れ わ れ は 、 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 に よ っ て 債 権 者 を 契 約 か ら 解 放 す る 、 と い う え 方 が 民 法 典 に 採 り 入 れ ら れ た こ と 、 そ れ ゆ え 、 そ の え 方 が 商 取 引 以 外 の 取 引 に も 適 用 さ れ る よ う に な っ た こ と を も っ と 熟 慮 す べ き で あ る 。 債 権 者 に 迅 速 に 代 替 取 引 の 可 能 性 を 与 え る と は い え 、 債 務 者 の 不 履 行 が あ れ ば 、 た だ ち に 債 権 者 は 契 約 か ら 解 放 さ れ る わ け で は な く 、 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 が 必 要 と さ れ る 。 で は 、 何 故 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 に よ っ て 債 権 者 は 契 約 か ら 解 放 さ れ る の で あ ろ う か 。 こ れ に つ い て 文 献 に お い て 主 張 さ れ て い る と こ ろ に よ れ ば 、 期 待 不 可 能 性 に そ の 根 拠 を 見 出 す こ と が で ︶ き る 。 つ ま り 、 こ う い う こ と で あ る 。 債 務 者 が 債 務 の 履 行 を し な い た め 、 債 権 者 が 履 行 の た め に 必 要 な 期 間 を 債 務 者 に 付 与 し た 。 そ れ に も か か わ ら ず 、 債 務 者 が な お 履 行 を し な い 。 こ の 場 合 に 、 債 務 者 が そ の 後 に 履 行 を す る こ と は ほ と ん ど え ら れ な い 。 そ の た め 、 債 権 者 が そ れ 以 上 債 務 者 の 給 付 を 待 つ こ と は 期 待 さ れ な い 。 そ れ ゆ え 、 債 権 者 は 債 務 者 の 給 付 を 待 つ こ と か ら 解 放 さ れ る 、 と い う の で あ る 。 そ し て 、 債 権 者 の 解 放 の 根 拠 が ま さ に こ の よ う な え 方 に 基 礎 を お く の で あ れ ば 、 商 取 引 以 外 の 取 引 に お い て こ の え 方 が 否 定 さ れ る べ き で あ ろ う か 。 た と え ば 、 私 人 間 取 引 に お い て 、 債 務 者 が 履 行 期 に 履 行 を し な い 。 そ こ で 、 債 権 者 は 、 債 務 者 に 履 行 の た め に 必 要 な 期 間 を 付 与 し た 。 そ れ に も か か わ ら ず 、 債 務 者 は 履 行 し な い 。 こ の 場 合 に 、 そ の 後 、 債 務 者 が 履 行 を す る と い う 可 能 性 が ど れ ほ ど あ る と い う の で あ ろ う か 。 も し そ の 可 能 性 が ほ と ん ど な い の で あ れ ば 、 そ の よ う な 契 約 に な お 債 権 者 を 拘 束 し て お く 必 要 が あ る の だ ろ う か 。 そ れ で も な お 、 債 権 者 を 契 約 に 拘 束 す る 北研 46 (3・ )

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と す る な ら ば 、 は た し て そ の 理 由 は 何 か 。 何 故 商 取 引 で は な い と い う だ け で 、 債 権 者 は 、 履 行 の 可 能 性 の ほ と ん ど な い 契 約 に 永 遠 に 拘 束 さ れ な け れ ば な ら な い の で あ ろ う か 。 お お よ そ そ れ に つ い て 合 理 的 な 理 由 を 見 出 す こ と は で き な い 。 つ ま り 、 商 取 引 に お い て 債 権 者 の 解 放 を 認 め る 基 礎 に あ る え 方 は 、 ま さ し く そ れ 以 外 の 取 引 に お い て も 当 て は ま る の で あ る 。 ド イ ツ 民 法 典 の 起 草 者 た ち が ド イ ツ 普 通 商 法 典 に お け る の と ほ ぼ 同 様 の 理 由 ︶ か ら 、 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 に よ っ て 債 権 者 を 契 約 か ら 解 放 す る 、 と い う え 方 を 民 法 典 に 採 り 入 れ た の は 、 ま さ し く こ の 基 礎 の 共 通 性 に よ る の で ︶ あ る 。 そ の 限 り で は 、 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 に よ っ て 債 権 者 を 契 約 か ら 解 放 す る 、 と い う え 方 が 民 法 典 に 採 り 入 れ ら れ た こ と そ れ 自 体 は 、 ド イ ツ 普 通 商 法 典 に お い て 形 成 さ れ た 観 念 に ほ と ん ど 影 響 を 与 え な か っ た の で あ る 。 ⅱ 契 約 か ら の 解 放 か ら 契 約 の 清 算 へ そ れ で も や は り 、 ド イ ツ 民 法 典 は 、 催 告 解 除 に つ い て 明 ら か な 機 能 の 変 化 を も た ら し た の で あ り 、 期 間 の 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 に な さ れ た 給 付 を 清 算 す る と い う 効 果 も 結 び 付 け た の で ︶ あ る 。 ド イ ツ 民 法 典 は 、 ド イ ツ 普 通 商 法 典 に お い て 未 解 決 の ま ま と な っ て い た 解 除 に よ る 契 約 の 清 算 、 す な わ ち 、 な さ れ た 給 付 の 返 還 を 認 め る ︵ ド イ ツ 民 法 旧 三 二 七 条 、 旧 三 四 六 条 一 文 、 ド イ ツ 民 法 三 四 六 条 一 項 ︶ 。 こ れ に よ っ て 、 解 除 は 、 単 な る 契 約 か ら の 解 放 手 段 と し て だ け で な く 、 契 約 の 清 算 手 段 と し て も 機 能 す る こ と と な っ た の で あ る 。 否 、 そ れ ど こ ろ か 、 今 日 で は 、 解 除 の 解 放 機 能 は 重 要 性 を 失 い 、 清 算 機 能 こ そ が 解 除 の 重 要 な 機 能 と さ れ て い る の で ︶ あ る 。 わ れ わ れ は 、 こ こ に 解 放 手 段 と し て の 解 除 か ら 清 算 手 段 と し て の 解 除 と い う 解 除 の 機 能 の 大 き な 転 換 を 見 る こ と が で き る 北研 46 (3・ )

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の で あ る 。 も ち ろ ん 、 ド イ ツ 民 法 典 に お け る 解 除 の 効 果 の 一 般 化 に よ っ て ︵ ド イ ツ 民 法 旧 三 二 七 条 、 旧 三 四 六 条 一 文 、 ド イ ツ 民 法 三 四 六 条 一 項 ︶ 、 催 告 解 除 も 、 単 な る 解 放 手 段 と し て だ け で な く 、 清 算 手 段 と し て も 機 能 す る こ と と な っ た の で あ る 。 し か し な が ら 、 ド イ ツ 民 法 典 の 起 草 者 た ち は 、 催 告 解 除 に 契 約 の 清 算 機 能 を 一 般 的 に 付 与 し た に も か か わ ら ず 、 そ れ で も な お 、 催 告 解 除 に つ い て 解 放 機 能 よ り も 清 算 機 能 が 重 要 で あ る と は え て い な か っ た の で あ り 、 単 に そ の 本 来 の 目 的 と 抵 触 し な い 限 り で 、 催 告 解 除 の 機 能 の 拡 張 を 認 め た に す ぎ な い の で ︶ あ る 。 す な わ ち 、 ド イ ツ 民 法 典 の 起 草 者 た ち は 、 債 権 者 が 履 行 請 求 権 か ら 解 放 さ れ た 限 り で 、 債 権 者 に 反 対 給 付 の 返 還 請 求 を 認 め た に す ぎ な い の で あ る 。 そ れ ゆ え 、 ド イ ツ 民 法 典 が 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 に よ っ て 、 債 権 者 を 履 行 請 求 権 か ら 解 放 す る だ け で な く 、 さ ら に 、 契 約 の 清 算 を も 認 め た と し て も 、 そ れ で も な お 、 そ の 効 果 と し て 重 要 な の は 、 依 然 と し て 、 債 権 者 を 債 務 者 の 給 付 を 待 つ こ と か ら 解 放 す る 、 と い う こ と な の で あ り 、 契 約 の 清 算 は 、 あ く ま で 債 権 者 が 履 行 請 求 権 か ら 解 放 さ れ た こ と に よ る 副 次 的 な 効 果 に す ぎ な い の で あ る 。 催 告 解 除 と 給 付 の 受 戻 し こ の こ と か ら 明 ら か な よ う に 、 ド イ ツ 民 法 典 に お い て 、 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 に よ っ て 、 契 約 の 清 算 も 認 め ら れ る に も か か わ ら ず ︵ ド イ ツ 民 法 旧 三 二 七 条 、 旧 三 四 六 条 一 文 、 ド イ ツ 民 法 三 四 六 条 一 項 ︶ 、 そ れ で も な お 、 そ れ に よ っ て は 、 な さ れ た 給 付 の 受 戻 し は 認 め ら れ て い な い の で あ る 。 債 務 者 に よ っ て 何 ら か の 給 付 も ち ろ ん 、 そ れ は 契 約 に 従 っ た も の で は な い が が な さ れ た 場 合 に 、 契 約 全 体 の 清 算 や な さ れ た 給 付 の 受 戻 し は 、 さ ら な る 要 件 の も と で 認 め ら れ る の で あ る 。 北研 46 (3・ )

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た と え ば 、 債 務 者 が 給 付 の 一 部 し か 履 行 し な い 場 合 に も 、 催 告 解 除 を 規 定 す る ド イ ツ 民 法 旧 三 二 六 条 一 項 や ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 が 適 用 さ れ る 。 し か し な が ら 、 そ れ に よ っ て た だ ち に 契 約 全 体 の 清 算 が 認 め ら れ る わ け で は な く 、 一 部 給 付 が 債 権 者 に と っ て 何 ら 利 益 を 有 さ な い と き に だ け 、 契 約 全 体 の 清 算 が 認 め ら れ る ︵ ド イ ツ 民 法 旧 三 二 六 条 一 項 三 文 、 旧 三 二 五 条 一 項 二 文 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 一 文 ︶ 。 ま た 、 債 務 者 が 瑕 疵 あ る も の を 給 付 し た 場 合 に も 、 ド イ ツ 民 法 旧 三 二 六 条 一 項 や ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 が 適 用 さ れ う ︶ る が 、 そ の 場 合 に も な さ れ た 給 付 が 債 権 者 に と っ て 何 ら 利 益 を 有 さ な い か ︵ ド イ ツ 民 法 旧 四 四 〇 条 一 項 、 旧 三 二 六 条 一 項 三 文 、 旧 三 二 五 条 一 項 二 文 ︶ 、 義 務 違 反 が 軽 微 で な い と き に ︵ ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 二 文 ︶ 、 契 約 全 体 の 清 算 が 認 め ら れ る 。 さ ら に 、 付 随 義 務 の 違 反 に お い て も 、 改 正 前 ド イ ツ 民 法 典 の も と で は 、 ド イ ツ 民 法 旧 三 二 六 条 の 類 推 適 用 に よ っ て 、 追 完 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 の も と で 債 務 者 の 義 務 違 反 に よ っ て 契 約 目 的 が 危 殆 化 さ れ 、 そ の 結 果 、 債 権 者 を 契 約 に 拘 束 す る こ と が 期 待 さ れ な い と き に 、 現 行 法 の も と で は 、 義 務 違 反 が 軽 微 で な い と き に ︵ ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 二 文 ︶ 、 契 約 全 体 の 清 算 が 認 め ら れ る の で あ る 。 こ れ に よ れ ば 、 一 部 給 付 や 契 約 に 従 っ た 給 付 が な さ れ な い 場 合 に は 、 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 や 催 告 解 除 に よ っ て は 、 債 権 者 の 履 行 請 求 権 や 追 完 請 求 権 か ら の 解 放 が 認 め ら れ る に す ぎ ず 、 一 部 給 付 や な さ れ た 給 付 の 受 戻 し は 認 め ら れ な い の で あ る 。 こ の 場 合 に 契 約 全 体 の 清 算 や な さ れ た 給 付 の 受 戻 し を 認 め る か 否 か は 、 契 約 目 的 や 物 の 利 用 目 的 を 慮 し た う え で 、 給 付 の 受 戻 し が 債 務 者 に 不 当 な 負 担 を 課 す こ と に な ら な い か 否 か 、 あ る い は 債 権 者 の 利 益 が な さ れ た 給 付 に 対 応 す る 減 額 や 損 害 賠 償 の 請 求 に よ っ て 満 足 す る こ と が で き な い か 否 か に 従 っ て 判 断 さ れ る 。 こ れ は 、 契 約 全 体 の 清 算 や な さ れ た 給 付 の 受 戻 し が 、 場 合 に よ っ て は 、 債 務 者 、 と り わ け 売 主 に 不 当 な 負 担 を も た ら す か ら で ︶ あ る 。 そ の た め 、 債 務 者 の 給 付 が 債 権 者 に と っ て 有 す る 意 味 が 問 題 と さ れ な け れ ば な ら ず 、 解 除 以 外 の 他 の 救 済 手 段 に よ っ 北研 46 (3・ )

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て 債 権 者 が 満 足 す る こ と が で き な い か 否 か が 問 題 と さ れ る の で あ る 。 こ れ に 対 し て 、 催 告 解 除 は 、 も ち ろ ん 、 期 間 の 長 さ の 相 当 性 な ど 評 価 的 な 判 断 を 完 全 に 排 除 す る こ と は で き な い と し て も 、 そ れ で も な お 、 基 本 的 に は こ の よ う な 評 価 的 な 判 断 に は な じ ま な い 。 こ の こ と は 、 ド イ ツ 普 通 商 法 典 に お け る 離 脱 が そ も そ も 普 通 法 に お け る 無 益 性 に 基 づ く 受 領 拒 絶 の 不 都 合 を 克 服 す る た め に 認 め ら れ た こ と か ら す れ ば 、 何 ら 不 思 議 は ︶ な い 。 つ ま り 、 催 告 解 除 の 本 質 は 、 債 権 者 に 迅 速 に 代 替 取 引 の 可 能 性 を 与 え る と い う そ の 本 来 の 目 的 か ら 帰 結 さ れ る よ う に 、 で き る 限 り 評 価 を 要 す る よ う な 判 断 を 排 除 し 、 簡 易 か つ 明 確 な 手 続 き の も と で 債 権 者 を 契 約 か ら 解 放 す る こ と に あ る の で あ る 。 そ の 限 り で は 、 催 告 解 除 は 、 債 務 者 に 不 当 な 負 担 を 課 さ な い た め に 、 包 括 的 な 利 益 衡 量 の も と で 認 め ら れ る べ き 給 付 の 受 戻 し に は な じ ま な い の で あ る 。 そ の た め 、 こ れ ま で も そ う で あ っ た し 、 現 在 で も そ う で あ る よ う に 、 催 告 解 除 に よ る 給 付 の 受 戻 し は 認 め ら れ る べ き で は な い の で あ る 。 小 括 以 上 の こ と か ら 、 わ れ わ れ は 、 履 行 や 追 完 の た め の 期 間 の 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 あ る い は 催 告 解 除 の 効 果 に つ い て 次 の よ う に 言 う こ と が で き る 。 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 や 催 告 解 除 の 本 質 的 な 機 能 は 、 債 権 者 を 債 務 者 の 給 付 や 追 完 を 待 つ こ と か ら 解 放 す る こ と 、 別 な 言 い 方 を す る な ら ば 、 契 約 関 係 を 解 除 時 点 あ る い は 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 時 点 の 状 態 に お い て フ リ ー ズ し 、 そ れ に よ っ て そ れ 以 上 契 約 関 係 を 進 展 さ せ な い こ と に ︶ あ る 。 催 告 解 除 に よ る 債 権 者 が し た 反 対 給 付 の 返 還 請 求 は 、 債 権 者 が 履 行 請 求 権 か ら 解 放 さ れ た こ と に よ る 副 次 的 な 効 果 に す ぎ ︶ な い 。 北研 46 (3・ )

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そ れ に 対 し て 、 履 行 の た め に 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 や 催 告 解 除 に よ る な さ れ た 給 付 の 受 戻 し は 認 め ら れ な い 。 解 除 が 法 律 に お い て 認 め ら れ た と は い え 、 わ が 国 の 法 秩 序 の も と で は 、 そ れ は あ く ま で 例 外 に す ぎ な い 。 そ れ ゆ え 、 解 除 以 外 の 他 の 救 済 手 段 に よ っ て 債 権 者 が 十 に 保 護 さ れ る の で あ れ ば 、 例 外 と し て の 解 除 を 認 め る 必 要 は ︶ な い 。 ま た 、 わ が 国 の 判 例 ・ 学 説 は 、 奇 跡 的 に 催 告 解 除 に よ る 給 付 の 受 戻 し に つ い て 適 切 な 理 解 に 至 っ た の で あ り 、 一 部 給 付 や 付 随 義 務 の 違 反 の 事 案 に お い て は 、 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 で は 契 約 全 体 の 清 算 や な さ れ た 給 付 の 受 戻 し を 認 め ず 、 な さ れ た 給 付 で は 契 約 目 的 を 達 成 す る こ と が で き な い 場 合 に だ け 契 約 全 体 の 清 算 や な さ れ た 給 付 の 受 戻 し を 認 め て い る の で ︶ あ る 。 さ ら に 、 催 告 解 除 は 、 そ も そ も ま だ な さ れ て い な い 履 行 請 求 権 か ら の 債 権 者 の 解 放 に つ い て 発 展 し て き た も の で あ り 、 そ の 結 果 、 給 付 が 債 権 者 に と っ て 如 何 な る 意 味 を 有 す る か 、 と い う 問 題 や 解 除 以 外 の 他 の 救 済 手 段 に よ っ て 債 権 者 が 満 足 し う る か 、 と い う 問 題 を 慮 す る 枠 組 み を 持 ち 合 わ せ て お ら ず 、 む し ろ 、 そ の よ う な 困 難 な 判 断 を 要 す る 要 素 を 催 告 解 除 の 要 件 に 持 ち 込 む こ と は 、 事 柄 の 性 質 に 適 合 的 で は な い 。 そ れ ゆ え 、 債 務 者 の 不 利 益 を 慮 し 、 債 務 者 の 給 付 が 債 権 者 に と っ て 有 す る 意 味 や 解 除 以 外 の 他 の 救 済 手 段 に よ っ て 債 権 者 が 満 足 し う る か を 慮 し な け れ ば な ら な い 給 付 の 受 戻 し の 問 題 を 、 そ れ ら の 要 素 を 慮 す る 枠 組 み を 持 た ず 、 ま た 慮 す べ き で な い 催 告 解 除 に よ っ て 解 決 す る こ と は 妥 当 で は な い の で ︶ あ る 。 ㈡ 催 告 解 除 の 適 用 範 囲 そ れ で は 、 履 行 の た め に 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 や 催 告 解 除 に よ る 契 約 か ら の 解 放 は 、 如 何 な る 場 合 に 認 め ら れ る の で あ ろ う か 。 履 行 の た め に 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 や 催 告 解 除 の 主 た る 機 能 が 債 権 者 を 債 務 者 の 給 付 を 待 つ こ と か ら 解 北研 46 (3・ )

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放 す る こ と に あ る と す る な ら ば 、 履 行 の た め に 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 や 催 告 解 除 は 、 さ し あ た り 債 務 者 の 給 付 や 追 完 な ど 、 債 務 者 の 給 付 が 問 題 と な る 場 合 、 し か も 、 ま だ な さ れ て い な い 給 付 に つ い て だ け 問 題 と な る 。 わ が 国 の 判 例 ・ 学 説 は 、 偶 然 に も こ の 結 論 に 至 っ た の で あ り 、 民 法 五 四 一 条 は 、 本 来 、 主 た る 債 務 の 遅 滞 も し く は 遅 を 予 定 し て い る に も か か わ ら ず 一 部 給 付 や 不 完 全 履 行 の 事 案 に お い て も 、 民 法 五 四 一 条 の 適 用 を 認 め る の で ︶ あ る 。 そ れ で も や は り 、 そ れ は 、 偶 然 だ っ た の で あ り 、 そ れ だ け に 質 が 悪 い 。 こ と も あ ろ う に 、 判 例 ・ 通 説 は 、 一 部 給 付 や 不 完 全 履 行 の 事 案 に 民 法 五 四 一 条 の 適 用 を 認 め た こ と に よ っ て 、 そ れ に よ っ て も た ら さ れ る 不 都 合 を 解 消 す る た め に 、 一 部 給 付 や 不 完 全 履 行 の 事 案 に お け る 解 除 の 要 件 論 に 債 務 の 内 容 に 関 す る 議 論 や 契 約 目 的 の 不 達 成 の 概 念 を 持 ち 込 ん だ の で ︶ あ る 。 お お よ そ 催 告 解 除 の 機 能 が 理 解 さ れ て い な い 。 何 故 債 権 者 が 債 務 者 の 給 付 を 待 つ こ と か ら 解 放 さ れ る た め に 、 債 務 の 内 容 や 契 約 目 的 を 達 成 し う る か 否 か を 問 題 と し な け れ ば な ら な い の で あ ろ う か 。 そ も そ も こ の よ う な 困 難 な 判 断 を 要 す る 要 素 を 催 告 解 除 の 要 件 論 に 持 ち 込 む こ と は 、 催 告 解 除 の 本 質 に 反 す る の で は な か っ た か 。 債 務 者 が 履 行 期 に な っ て も 履 行 し な い 。 そ こ で 、 債 権 者 は 、 債 務 者 に 履 行 や 追 完 の た め に 必 要 な 期 間 を 付 与 し た 。 そ れ に も か か わ ら ず 、 債 務 者 は 履 行 し な い 。 そ う で あ れ ば 、 債 権 者 は 、 も う そ の 履 行 や 追 完 は い ら な い と 言 え る 。 そ れ に 加 え て せ い ぜ い 自 が し た 給 付 を 返 し て く れ と 言 え る 。 ま さ に こ れ が 履 行 の た め に 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 や 催 告 解 除 の 効 果 な の で あ る 。 何 故 履 行 や 追 完 の た め に 設 定 さ れ た 期 間 内 に 債 務 者 が 履 行 や 追 完 を し な い に も か か わ ら ず 、 そ れ が 付 随 義 務 で あ れ ば 、 債 権 者 の 解 放 は 認 め ら れ ず 、 債 権 者 は 、 永 遠 に 債 務 者 の 履 行 や 追 完 を 待 た な け れ ば な ら な い の で あ ろ う か 。 何 故 こ の 場 合 に 債 権 者 が 第 三 者 か ら 追 完 を 受 け る 可 能 性 が 否 定 さ れ な け れ ば な ら な い の で あ ろ う か 。 ま さ し く こ れ こ そ が 履 行 の た め に 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 や 催 告 解 除 に よ る 債 権 者 の 解 放 が 認 め ら れ た 本 来 の 目 的 で は な か っ た の か 。 つ ま り 、 民 法 五 四 一 条 の 文 言 が そ う で あ る よ う に 、 同 条 の 適 用 や 同 条 に 基 づ く 解 除 に つ い て 債 務 の 内 容 や 契 約 目 的 北研 46 (3・ )

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の 不 達 成 を 問 題 と す る 必 要 は な い の で あ る 。 そ れ ら は 、 契 約 全 体 の 清 算 や な さ れ た 給 付 の 受 戻 し が 問 題 と な る 場 合 に 問 題 と な る の で ︶ あ る 。 も っ と も 、 給 付 や 追 完 の 請 求 が 問 題 と な る 場 合 に 履 行 の た め に 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 や 催 告 解 除 に よ る 解 放 が 認 め ら れ る と し て も 、 だ か ら と 言 っ て 、 そ れ が 問 題 と な る す べ て の 場 合 に お い て そ れ が 認 め ら れ る わ け で は な い 。 履 行 の た め に 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 や 催 告 解 除 に よ る 債 権 者 の 解 放 は 、 ド イ ツ 普 通 商 法 典 に お い て は 、 売 買 ︵ ド イ ツ 普 通 商 法 三 五 四 条 、 三 五 五 条 ︶ 、 ド イ ツ 民 法 典 に お い て は 、 双 務 契 約 と は さ れ て い る が ︵ ド イ ツ 民 法 旧 三 二 六 条 一 項 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 一 項 ︶ 、 そ れ で も な お 、 催 告 解 除 が 機 能 す る の は 、 主 と し て 売 買 契 約 で ︶ あ る 。 実 際 、 ド イ ツ 民 法 典 の 起 草 者 た ち も そ う ︶ え た 。 つ ま り 、 ド イ ツ 普 通 商 法 典 の 起 草 者 た ち や ド イ ツ 民 法 典 の 起 草 者 た ち は 、 売 買 に お い て 債 権 者 の 履 行 請 求 権 か ら の 解 放 や 給 付 の 受 領 拒 絶 を 履 行 や 追 完 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 で 認 め う る と え た に す ぎ な い 。 ド イ ツ 普 通 商 法 典 の 起 草 者 た ち は 、 離 脱 に つ い て 契 約 か ら の 解 放 以 上 の 効 果 を え て い な か っ た し 、 ま た 、 ド イ ツ 民 法 典 の 起 草 者 た ち も 、 た し か に 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 に よ る 履 行 請 求 権 か ら の 解 放 の 結 果 と し て 、 債 権 者 が し た 反 対 給 付 の 返 還 請 求 を 肯 定 し た も の の 、 そ れ で も な お 、 そ れ 以 上 の 効 果 を 、 す な わ ち 、 な さ れ た 給 付 の 受 戻 し を 期 間 の 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 で 認 め う る と は え て い な か っ た 。 さ ら に 、 解 放 が 問 題 と な る 場 合 で あ っ て も 、 実 際 、 賃 貸 借 に お い て は 、 解 約 告 知 に よ っ て 解 除 を 制 限 し て い る よ う に 、 売 買 と 異 な る 事 案 に お い て 同 じ 要 件 で 債 権 者 の 解 放 を 認 め う る と は え て い な か っ た 。 加 え て 、 ド イ ツ 普 通 商 法 典 の 起 草 者 た ち も 、 ド イ ツ 民 法 典 の 起 草 者 た ち も 、 売 買 に お い て も 、 債 権 者 の 解 放 を 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 で 認 め う る と え た に す ぎ ず 、 そ れ ら の 要 件 で な け れ ば 解 放 は 認 め ら れ な い と え た わ け で は な い 。 つ ま り 、 履 行 の た め に 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 や 催 告 解 除 に よ る 債 権 者 の 解 放 は 、 一 つ の 解 放 手 段 に す ぎ な い の で あ る 。 そ う で あ る な ら ば 、 す で に わ が 国 の 判 例 ・ 学 説 が そ 北研 46 (3・ )

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う し て い る よ う に 、 あ る 事 案 の 諸 事 情 に 適 合 的 な 解 除 準 則 を 発 展 さ せ る こ と は 、 判 例 ・ 学 説 に よ る 法 発 展 に 委 ね ら れ て い る と え る べ き で あ る 。 そ れ ゆ え 、 あ る 状 況 に お い て 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 の み に よ っ て 債 権 者 の 履 行 請 求 権 か ら の 解 放 を 認 め る こ と が 妥 当 で は な い と え ら れ る の で あ れ ば 、 一 部 給 付 や 付 随 義 務 の 違 反 に お け る 契 約 目 的 の 不 達 成 や 賃 貸 借 契 約 に お け る 信 頼 関 係 破 壊 ︶ 法 理 の よ う に 、 契 約 の 解 除 を さ ら な る 要 件 の も と で 認 め る こ と も 否 定 さ れ る べ き で は な い の で ︶ あ る 。 ま た 、 催 告 に お い て そ も そ も 期 間 が 定 め ら れ な か っ た ︶ 場 合 や 付 与 さ れ た 期 間 が 不 相 当 な も の で あ る 場 合 に お け る ︶ 解 除 、 債 務 者 の 履 行 拒 絶 の 意 思 が 明 ら か な 場 合 に お い て ま だ 催 告 期 間 を 経 過 し て い な い 場 合 に お け る ︶ 解 除 あ る い は 賃 貸 借 契 約 に お け る 無 催 告 ︶ 解 除 の よ う に 、 必 ず し も 民 法 五 四 一 条 の 要 件 が 満 た さ れ て い な い 場 合 で あ っ て も 、 当 該 事 案 の 事 情 の も と で 解 除 を 認 め る べ き で あ る と え ら れ る の で あ れ ば 、 同 条 の 要 件 を 満 た し て い な い こ と を も っ て 解 除 が 否 定 さ れ る べ き で は な い の で あ る 。 も ち ろ ん 、 こ れ ら の 解 除 準 則 を 民 法 五 四 一 条 に 基 づ く 解 除 の 例 外 と 位 置 づ け る 必 要 も な い 。 ㈢ 解 除 と 給 付 の 受 戻 し こ れ ま で 述 べ て き た と こ ろ に よ れ ば 、 催 告 解 除 の 主 た る 機 能 は 、 債 権 者 を 債 務 者 の 給 付 を 待 つ こ と か ら 解 放 す る こ と に あ り 、 一 部 給 付 や 契 約 に 従 っ た 給 付 が な さ れ な い 場 合 な ど 、 債 務 者 に よ っ て 何 ら か の 給 付 が な さ れ た 場 合 に は 、 履 行 の た め に 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 や 催 告 解 除 に よ る 契 約 全 体 の 清 算 や 給 付 の 受 戻 し は 認 め ら れ な い 。 そ れ で は 、 一 部 給 付 や 契 約 に 従 っ た 給 付 が な さ れ な い 場 合 に 、 如 何 な る 要 件 の も と で 契 約 全 体 の 清 算 や 給 付 の 受 戻 し が 認 め ら れ る 北研 46 (3・ )

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の で あ ろ う か 。 た と え ば 、 ド イ ツ 民 法 典 に お い て は 、 す で に 見 た よ う に 、 一 部 給 付 が 債 権 者 に と っ て 何 ら 利 益 を 有 さ な い 場 合 ︵ ド イ ツ 民 法 旧 三 二 六 条 一 項 三 文 、 旧 三 二 五 条 一 項 二 文 、 ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 一 文 ︶ 、 瑕 疵 が 軽 微 で な い 場 合 ︵ ド イ ツ 民 法 旧 四 五 九 条 一 項 二 文 ︶ や 債 務 者 の 義 務 違 反 が 軽 微 で な い 場 合 ︵ ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 二 文 ︶ あ る い は 債 務 者 の 義 務 違 反 に よ っ て 契 約 へ の 拘 束 が 債 権 者 に 期 待 さ れ な い 場 合 ︵ ド イ ツ 民 法 三 二 四 条 ︶ に 、 契 約 全 体 の 清 算 が 認 め ら れ て ︶ い る 。 こ れ ら の 要 件 の 判 断 に 当 た っ て 、 一 部 給 付 に お け る 利 益 消 滅 と 付 随 義 務 の 違 反 に お け る 期 待 不 可 能 性 の 判 断 基 準 に つ い て は 、 共 通 性 を 見 出 す こ と が ︶ で き 、 そ こ で は 包 括 的 な 利 益 衡 量 の も と で 契 約 目 的 が 達 成 さ れ る か 否 か が 重 視 さ れ て ︶ い る 。 こ れ は 、 こ れ ら の 場 合 に お け る 契 約 全 体 の 清 算 が 、 債 務 者 、 と り わ け 売 主 に 不 当 な 負 担 を も た ら す か ら で ︶ あ る 。 そ の た め 、 売 主 の 給 付 が 買 主 に と っ て 有 す る 意 味 が 問 題 と さ れ な け れ ば な ら ず 、 解 除 以 外 の 他 の 救 済 手 段 に よ っ て 買 主 が 満 足 す る こ と が で き る か ど う か が 問 題 と さ れ な け れ ば な ら な い の で あ る 。 こ れ に 対 し て 、 瑕 疵 あ る 物 が 給 付 さ れ た 場 合 に お け る 契 約 の 清 算 に つ い て は 、 状 況 は 異 な る 。 改 正 前 ド イ ツ 民 法 典 の も と で は 、 瑕 疵 あ る 物 が 給 付 さ れ た 場 合 に は 、 瑕 疵 が 軽 微 で な い と き に 契 約 の 清 算 が 認 め ら れ た が ︵ ド イ ツ 民 法 旧 四 五 九 条 一 項 二 文 ︶ 、 こ の 瑕 疵 の 軽 微 性 の 判 断 に 際 し て は 、 買 主 の 目 的 物 の 利 用 目 的 が 重 視 ︶ さ れ 、 ま た 、 瑕 疵 の 軽 微 性 は 、 裁 判 官 は さ さ い な こ と は 慮 し な い ︵d e m in im is n o n cu ra t p ra et o r ︶ と い う 原 則 を 具 体 化 し た も の ︵B a g a te ll-g re n z ︶ に す ︶ ぎ ず 、 こ の 場 合 に も 契 約 全 体 の 清 算 や な さ れ た 給 付 の 受 戻 し が 問 題 で あ る に も か か わ ら ず 、 一 部 給 付 に お け る 利 益 消 滅 や 積 極 的 債 権 侵 害 に お け る 期 待 不 可 能 性 ほ ど 、 高 い ハ ー ド ル で は な か ︶ っ た 。 こ の よ う な 利 益 消 滅 や 期 待 不 可 能 性 と 瑕 疵 の 軽 微 性 と の 判 断 の 違 い は 、 旧 法 の も と で は 、 瑕 疵 が 軽 微 で あ る 場 合 に は 、 買 主 は 、 解 除 ︵ W a n d el u n g ︶ 北研 46 (3・ )

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の 権 利 だ け で な く 、 減 額 の 権 利 を も 失 う ︵ ド イ ツ 民 法 旧 四 五 九 条 一 項 二 文 ︶ と い う こ と か ら 正 当 化 さ ︶ れ て い た 。 そ れ ゆ え 、 解 除 と 減 額 と が 区 別 さ れ て い る 現 行 法 の も と で は 、 た し か に 、 な お 瑕 疵 あ る 物 の 給 付 に お け る 債 務 者 の 義 務 違 反 の 軽 微 性 ︵ ド イ ツ 民 法 三 二 三 条 五 項 二 文 ︶ を 旧 法 の も と に お け る 瑕 疵 の 軽 微 性 と 同 視 す る 見 解 が あ る も ︶ の の 、 利 益 消 滅 や 期 待 不 可 能 性 と 同 じ く 、 包 括 的 な 利 益 衡 量 の も と で 判 断 さ れ る 、 と の 見 解 も 有 力 に 主 張 さ れ て お り 、 契 約 の 清 算 が 債 務 者 に と っ て 過 度 に 負 担 を か け 、 経 済 的 に も 不 利 益 で あ る と き は 、 義 務 違 反 は 軽 微 で あ る と さ れ て い る の で ︶ あ る 。 こ の よ う に 、 債 務 者 に よ っ て 何 ら か の 給 付 が な さ れ た 場 合 に お け る 契 約 全 体 の 清 算 や な さ れ た 給 付 の 受 戻 し の 基 準 に つ い て も 、 必 ず し も 統 一 的 な 理 解 が あ る わ け で は な い が 、 そ れ で も な お 、 改 正 前 ド イ ツ 民 法 典 の も と に お け る 瑕 疵 の 軽 微 性 の 判 断 に お い て は 、 あ る 特 殊 な 事 情 が あ っ た こ と に 鑑 み る な ら ば 、 そ の 表 現 の 違 い に も か か わ ら ず 、 債 務 者 に よ っ て 何 ら か の 給 付 が な さ れ た 場 合 に お け る 契 約 全 体 の 清 算 や な さ れ た 給 付 の 受 戻 し の 判 断 に 当 た っ て は 、 基 本 的 に は 債 務 者 の 給 付 が 債 権 者 に と っ て 有 す る 意 味 が 問 題 と さ れ る の で あ り 、 解 除 以 外 の 他 の 救 済 手 段 に よ っ て 債 権 者 が 満 足 す る こ と が で き る か ど う か が 問 題 と さ れ る の で あ る 。 そ し て 、 解 除 以 外 の 他 の 救 済 手 段 に よ っ て は 、 買 主 が 満 足 す る こ と が で き な い 場 合 に 、 契 約 全 体 の 清 算 や 給 付 の 受 戻 し が 認 め ら れ る の で あ る 。 ㈣ 催 告 解 除 と 重 大 な 不 履 行 に 基 づ く 解 除 こ れ ま で し ば し ば 指 摘 し て き た よ う に 、 わ れ わ れ の 催 告 解 除 に 関 す る 結 論 は 、 こ れ ま で 解 除 の 議 論 に 慣 れ 親 し ん で き た 者 に と っ て は 、 奇 異 に 感 じ ら れ る に も か か わ ら ず 、 わ が 国 の 判 例 ・ 学 説 が こ れ ま で 催 告 解 除 に つ い て 認 め て き た 北研 46 (3・ )

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機 能 と 結 論 に お い て 一 致 ︶ す る 。 し か し な が ら 、 わ れ わ れ の 結 論 と 判 例 ・ 学 説 の 結 論 と の 一 致 は 、 奇 跡 だ っ た の で あ り 、 そ の た め 、 判 例 ・ 学 説 は 、 発 症 こ そ し な か っ た も の の 、 い つ 発 症 す る と も わ か ら な い ウ イ ル ス を 解 除 法 の 議 論 に 潜 伏 さ せ る こ と と な っ た の で あ る 。 そ し て 、 い ま ま さ に 債 権 法 の 改 正 に お い て 、 こ の ウ イ ル ス に よ っ て 解 除 法 は 病 魔 に 冒 さ れ よ う と し て い る の で あ る 。 た と え ば 、 す で に 見 た よ う に 、 民 法 ︵ 債 権 法 ︶ 改 正 検 討 委 員 会 は 、 重 大 な 不 履 行 を 一 般 的 な 解 除 原 因 と し な が ら ︵ 改 正 提 案 ︻ 三 ・ 一 ・ 一 ・ 七 七 ︼ ︶ 一 ︶ 、 事 業 者 間 取 引 に つ い て は 、 迅 速 性 と 解 除 手 続 き の 明 確 性 の 要 請 か ら 、 原 則 と し て 催 告 と そ こ に お い て 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 に よ っ て 契 約 の 解 除 を 認 め て い る ︵ 改 正 提 案 ︻ 三 ・ 一 ・ 一 ・ 七 七 ︼ ︶ 三 ︶ 。 し か し な が ら 、 こ と も あ ろ う に 、 改 正 提 案 は 、 催 告 に 応 じ な い こ と が 契 約 の 重 大 な 不 履 行 に あ た ら な い と き は 、 契 約 の 解 除 を 認 め な い の で あ る ︵ 改 正 提 案 同 条 項 但 書 ︶ 。 迅 速 性 と 解 除 手 続 き の 明 確 性 は 台 無 し で あ る 。 こ の よ う に 、 催 告 と そ こ に お い て 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 に よ る 解 除 を 認 め な が ら 、 一 定 の 場 合 に そ れ に よ る 解 除 を 制 限 す る と い う え 方 は 、 そ の 表 現 契 約 の 目 的 が 達 せ ら れ る こ と こ そ 異 な る も の の 、 民 法 改 正 研 究 会 の 改 正 提 案 に も 見 る こ と が で き る ︵ 改 正 案 四 八 三 条 一 項 、 ︶ 二 項 ︶ 。 催 告 解 除 の 機 能 が お お よ そ 理 解 さ れ て い な い 。 催 告 解 除 は 、 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 に よ っ て 債 権 者 を 債 務 者 の 給 付 を 待 つ こ と か ら 解 放 し 、 債 権 者 に 代 替 取 引 の 可 能 性 を 与 え る こ と に そ の 本 来 的 な 意 義 が あ る 。 そ れ に も か か わ ら ず 、 債 務 者 に 催 告 に 応 じ な い こ と が 契 約 の 重 大 な 不 履 行 に あ た ら な い と か 、 契 約 の 目 的 が 達 せ ら れ る と の 主 張 を 許 す と い う の で あ る 。 債 権 者 に 迅 速 に 代 替 取 引 の 可 能 性 を 与 え る と い う 催 告 解 除 の 目 的 は 無 に 帰 す る 。 こ の 制 限 の 理 由 と し て 、 民 法 ︵ 債 権 法 ︶ 改 正 委 員 会 の 提 案 要 旨 は 、 些 末 な 付 随 義 務 の 違 反 に お い て 契 約 全 体 の 清 算 北研 46 (3・ )

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を 認 め る こ と の 不 都 合 を 持 ち ︶ 出 す 。 し か し な が ら 、 催 告 解 除 に そ も そ も そ の よ う な 機 能 が あ る の か 。 こ れ ま で 述 べ た と こ ろ に よ れ ば 、 催 告 解 除 や 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 の 効 果 は 、 債 権 者 を 債 務 者 の 給 付 を 待 つ こ と か ら 解 放 す る こ と に あ り 、 せ い ぜ い 債 権 者 が 履 行 請 求 権 か ら 解 放 さ れ た 限 り で 、 自 己 が し た 反 対 給 付 の 返 還 を 請 求 す る こ と が で き る と い う に す ぎ な い 。 催 告 解 除 に よ る な さ れ た 給 付 の 受 戻 し は 認 め ら れ な い の で あ る 。 そ し て 、 催 告 解 除 の 第 一 次 的 な 機 能 が 債 権 者 を 契 約 か ら 解 放 す る こ と に あ る と す る な ら ば 、 通 常 の 遅 滞 の 場 合 と 比 較 し て 、 債 権 者 が 債 務 者 に よ っ て な さ れ な い 付 随 義 務 の 追 完 か ら 解 放 さ れ る た め に 何 故 重 大 な 不 履 行 や 契 約 目 的 の 不 達 成 が 要 求 さ れ る の か 。 追 完 の た め の 期 間 が 付 与 さ れ た に も か か わ ら ず 、 債 務 者 が 追 完 を し な い 場 合 に 、 何 故 債 権 者 が 第 三 者 か ら 追 完 を 受 け る 可 能 性 が 重 大 な 不 履 行 や 契 約 目 的 の 不 達 成 に よ っ て 制 限 さ れ な け れ ば な ら な い の で あ ろ う か 。 つ ま り 、 改 正 提 案 に お い て は 、 解 放 の 問 題 と 給 付 の 受 戻 し の 意 味 に お け る 清 算 の 問 題 と が 混 同 さ れ て い る の で ︶ あ る 。 ま た 、 民 法 ︵ 債 権 法 ︶ 改 正 委 員 会 の 改 正 提 案 は 、 事 業 者 間 取 引 以 外 の 取 引 に つ い て 、 催 告 と そ こ に お い て 設 定 さ れ た 期 間 の 徒 過 で は 、 解 除 を 認 め ず 、 催 告 に 応 じ な い こ と が 契 約 の 重 大 な 不 履 行 に あ た る 場 合 に は じ め て 契 約 の 解 除 を 認 め る ︵ 改 正 提 案 ︻ 三 ・ 一 ・ 一 ・ 七 七 ︼ 二 ︶ 。 こ こ で も 不 完 全 履 行 や 付 随 義 務 の 違 反 の 事 案 に お け る 催 告 解 除 に よ る 契 約 全 体 の 清 算 を 認 め る こ と に 対 す る 抵 抗 感 が 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 に よ る 解 除 に 反 対 す る の で ︶ あ る 。 し か し な が ら 、 こ れ で は 催 告 解 除 は 台 無 し で あ る 。 否 、 そ も そ も こ こ で 問 題 と さ れ て い る の は 、 催 告 解 除 で は な い 。 こ こ で は 重 大 な 不 履 行 に 基 づ く 解 除 が 問 題 な の で あ る 。 も ち ろ ん 、 事 業 者 間 取 引 と 比 較 し て 、 そ れ 以 外 の 取 引 に お い て は 、 迅 速 性 の 要 請 が 後 退 す る こ と は 否 定 で き な い 。 そ れ ゆ え 、 こ の 場 合 に 債 権 者 の 履 行 請 求 権 か ら の 解 放 を 履 行 の た め の 期 間 設 定 と そ の 期 間 の 徒 過 で は な く 、 重 大 な 不 履 行 に 依 存 さ せ る と い う え 方 も な い わ け で は な い 。 し か し な が ら 、 履 行 の た め に 必 要 な 期 間 を 与 え ら れ 、 そ れ に も か か わ ら ず 、 債 務 の 履 行 を し な い 債 務 者 の 給 付 を 何 故 債 権 者 は 付 与 北研 46 (3・ )

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