理 学 療 法 学 第21巻第 4号
256〜
263頁 (1994 年)報 告
片
麻
痺 患者
の
車
い
す 駆
動能
力
に
影
響
す
る
因 子
一
シー
ト高
・
奥行
き
につ い て*一
植 松
光
俊
1)山
田
美 佳
2)江
口英 範
3) 要 旨 片 麻 痺 者の車いす 自力 駆 動のた めの最 適シー
ト高・
奥行 きを知 る 目的で,
患 者10
名 と健 常 者 12名 を 対象に種々の シー
ト高と奥行きの車いす にて10m
の平地 直進駆動とス ラロー
ム駆 動を施行し,
その所 要時間,
駆 動ピッ チ数 足 部 駆動パ ター
ン, 殿 部ズ レの有 無を評 価し た。 結 果は, 1.
シー
ト高が低い 程,
患者 群の 直進およ び, 健常群の直進, スラロー
ム速度は速くなっ た。 患 者 群ではシー
ト高 が 高い程,
っ ま先駆動での下肢ピッ チ数が増え,
殿部ズレが多く生じた。2 .
奥行き が浅い ほ ど健常群の速度は速 くなり,
患者群では (大 腿 長一
10cm ) まで は速 くなりさ らに浅くな る と遅 くなっ た。
下 肢ピッ チ数 も 減 少 し混 合 駆 動 型 も多 くなっ た。 こ の関係はシー
ト高 (下 腿長+6cm
)で顕 著で あっ た。 片麻痺 者の 自力駆動のた めの車いすは ケー
ス によりシー
ト高と奥行きの組み合わ せを 考え た処 方の必 要性が示唆さ れ た。
キー
ワー
ド 片麻痺,
車いす 駆動,
シー
ト高,
シー
ト奥行 き は じ め に 片麻痺 患 者は その車いすADL ・
駆 動 能 力の低 さな ど か ら車いすの処 方に関 して は軽 視さ れ がちである1)。
近 年,
社 会の受け入れ環境 条件の変化か ら障害老 人の施設 な どへ の 入所ケー
ス が増大 傾向にあるこ と や歩行と車い す移動との併用ケー
ス も増えつ つ あ る な ど,
片麻痺患者 の車いすADL ・
駆 動=一
ズ は高ま りつ つ あ る2−
?)。 片 麻 痺 患 者が車いすを駆動する際そ の多くは健 側 上 下 肢で 駆 動 する片 手 片 足 駆 動 法であ り8),
標 準 型の シー
ト高 を 低 くし た車いすが処 方される9)ID)。 そ の シー
ト高は 「足 底 が床 面につ く程度 」 とい っ た抽 象 的な処 方 基 準しか 示 ’PrescriptiQnFactors which Influence Wheelchair Ope
−
rability in Patients with Hemiplegia:Evaluation of
Seat Height and Depth
1)
秋 津 鴻 池 病 院リハ ビリテ
ー
ショ ン部(〒639
−
22 奈 良 県 御所市 池 之 内1064)Mitsuteshi Uematsu
,
RPT :Akitsu Kohnoike Hospital2〕神 原 病 院
Mika YamaCla
,
RPT :Kanbara Hospital3)
伊 奈 病 院
Hidenori Eguchi
,
RPT :Ina Hospital(受付日 1993年4月20日/受理 日1994年3月29日) さ れ て お らず, その他の部位の処方基準に関して は全 く ない に等しい。 そこ で片麻痺患者の車いす 処方基準を明 確にするこ と は重要で あ るこ と か ら
,
今 回 われわ れ は片 麻 痺 者 特 有の片 手 片 足 車いす 駆 動 法における,
シー
ト高 とシー
ト奥行 き (以 下 奥 行 き)の違いがその駆動能力・
パ ター
ンに どのように影響するか を分 析検討し た。 まず シー
ト高の違い に よ る操 作 性に関して検 討し (以下 「シー
ト高に関し て」),
次に代表 的な2
種類の シー
ト高 での奥行きの違いに よ る操 作 性を検 討 した (以下 「奥 行 きに関 して」)。 その両 研究か ら片麻 痺者 車い す 駆 動・
ADL
における適 切なシー
ト高,
奥 行 きの客 観 的処 方 基 準に対し若干の知見を得たの で報告 する。
対 象 「シー
ト高に関して」は患 者群10
名と健常 者群 12名 で あっ た。 患者 群は男性7
名,
女性3
名,
年齢41 〜
78 歳 (平均年齢 60.
3± 11.
4歳 )で右 片麻痺2
名, 左片麻 痺 7名,
両 側 麻 痺 1名であっ た。
車いす駆 動は全員 自立 していた。 歩 行 機 能は自立 が 1名,
介 助歩行が7
名, 2 名が歩 行 不 可で あっ た。 健側下 肢筋力 (MMT )は 3 名片 麻 瘁 患 者の車いす 駆 動能力に影響する因子 257 が 4 レベ ル以 外
,
他の 7名は5 レ ベ ルであっ た。
健 常者 群は男性6
名, 女 性6
名, 年齢22 〜47
歳 (平 均年齢28.
1
±7.
6
歳 )であっ た。 「奥行きに関 して」 は患 者群6
名と健常 者群7
名で あっ た。
患 者 群は男 性3
名,
女性3
名, 年齢41 〜78
歳 (平 均 年 齢52.
7
±12.
6
歳 )で,
右 片 麻 痺1
名,
左片麻痺5
名で あっ た。 車いす駆動は全員 自立して い た。 歩行機 能は 5名が介 助 歩 行,
1名が歩 行 不 可であっ た。 健 側 下 肢筋力 (MMT
)は 1名が4
レ ベル,
他の 5名 は5 レ ベ ルであっ た。 健常者群は男 性4名, 女 性3
名, 年齢22
〜
33歳 (平 均 年 齢 25± 3.
4歳 )で あっ た。 両研究と も 患者群は重度の高次脳機能 障害, 痴 呆のな い者と し た。 方 法 使用車いすはシー
ト高は38
crn, 奥行き と幅は共に40cm
の同一
の標 準型車いす と し た。 シー
ト高の高さ と 奥 行 き は厚 さ1cm , 2cm
の硬い クッ シ ョ ンを重ね る ことで調節 し た。 ク ッ シ ョ ン の荷重によ る変 形は2〜
3 mm 以 内の極僅 かの沈み変形で座面シー
トの た わ みと 適合し研究 結果に影響し な い程度のものであっ た。 ま た, そ れ を重ね るこ とによ るずれ も隙 間 も生じ ない もの で あっ た。 シー
ト高 は 下 腿 長 (椅 座 位での内側ハ ム ス トリ ングス付着 部から足底ま での長さ) よ り2cm 低い高さ をH − 2 ,
同じ高さをHO
とし,
以後2cm
ずっ 高くし たものをH2 ,
H
4 ,
H
6
と し た。 奥 行 きは大 腿 長 (椅 座 位に て膝 窩から殿 部 まで の長さ) よ り5cm 浅 く した もの をD −
5,
IO cm 浅 く したものをD−
10とし以 後5 cm ずっ 浅く したもの をD−
15, D−
20 と 表した。 「シー
ト高に関 して」は5
段 階の シー
ト高で奥 行 きはD− 5cm
と して統一
し, 10m
平 地直進駆動 (以下 直進とする) と10m ス ラロー
ム駆 動 (以 下ス ラロー
ム とする) を最 大 努 力に て遂 行 させ,
駆 動 開 始 地 点 か ら10m 地 点 通 過 ま での所要 時間および 上下肢駆 動ピッ チ数 (車いす駆動 の た めに行っ た上肢のハ ン ド リム回転 動作,
下 肢の足底 で床面を後方へ蹴る動作,
こ の各肢の駆 動 力 伝 達 動 作 回 数 )を計 測した。 ま た,
駆 動 姿 勢と して殿 部ズレ の有無 (車いす 基 準 点一
バ ッ クパ イ プ とシー
トパ イ プの 交 点 (JIS
T9201
に よ る)一
か ら大 転 子 部まで の距 離が駆 動 前 後で10cm
以上拡 大し た場 合を ズ レ有りと し た一
健 常者に よ る通常駆 動で の 殿 部ズ レ調 査の 予 備 研 究が4.
6
±2・
9
c皿 で +2SD
で も10cm 以下で あっ た た め一
) と, 駆動法と して踵 だけの駆 動, っ ま先だけの駆 動,
踵 とつ ま先の 両 方を使用 する混合 駆 動の どの足 部 駆 動パ ター
ンかの調査 も行っ た。 「奥行き に関 して」 は 「足 底 が床面にっ く程度」とい っ た臨床 的な処 方 基 準 値 とみな せ るHO
と 「シー
ト高に関 して」 で速度が最も遅かっ たH6 の 各 シー
ト高で の4
段 階の奥 行きに対 して,
「シー
ト高に関して」 と同 じ課題を行 っ た。 なお,
各 シー
ト高や各 奥 行き間の比 較は t検 定を用い解析し, 危 険率5
% を有 意 水 準とした。
ま た,
各シー
ト高,
奥行 き,
所要時間,
駆動ピッ チ数の各 因子間の関係はピ ア ソ ンの相 関係 数 を用い,
さらに各シー
ト高や奥 行き と所 要 時間, 駆動ピッ チ数の関係はス ピアマ ン の順 位 相 関 係 数 を用い統 計処 理 し比較 検 討 し た。結
果 1.
シー
ト高に関して (ft
1,2
)1
)所要 時間 所 要 時 間は患 者 群で は直進,
ス ラロー
ム ともシー
ト高H − 2
が最 も短 く, H6
が最 も長い値を示した。 有意 差 がみられたの はシー
ト高 H−
2・
HO・
H2
がH6
よ り,
H − 2
がH4
よ り短い とい う点だけで あっ た。 し か し,
直進で はシー
ト高と所要 時間の間には 有 意に正の相 関 が み られ た (r=
0.
68,
p< 0.
05)。 健常群は, 直進で は シー
ト高 H− 2
が 最 も短 く,
H6
が最も長い値を示し た が, 有 意差が み ら れ たの はH − 2 ・HO
・H2
がH6
よ り短いとい うこと だけで あっ た。
ス ラロー
ム で はシー
ト 高HO
が最 も短 く,
H6 が最 も長い値を示した が有意 差 は なかっ た。 しかし, 直進, ス ラロー
ム と もシー
ト高と 所 要時間は有 意に正の相関が み られた (r=0.
72,
pく0.
01, r=0,
66
, p<0.
05
)02
)駆動ピッ チ数まず 駆動型でみ る と
,
患 者 群で上 下 肢 駆 動 を した者は 10 名中 4名で 6 名は下肢のみ駆動であっ た が, 健 常者 は全て.
ヒ下肢駆動であっ た。 次にシー
ト高との関係で み る と, 患者 群の ス ラロー
ム で上 肢ピ ッ チ数がH6
で最 少,HO
で最多で あっ た以外,
患 者,
健 常 者 群 と も上 下 肢 ピッ チ数 と も最 少の もの はH−
2で, 最 多はH6
で あっ た が有意 差は みられなかっ た。 さ らに所 要 時 間 との関 係でみ ると,
患者群は直進で は 下 肢ピ ッ チ と所 要 時 間お よ びシー
ト高の間に有意に正の 相 関が みられ た (r=
O.
4,
0.
66,
p< 0.
05)。
ス ラロー
ム で は下 肢 ピ ッ チ と所 要 時 間に正の相関がみ られた (r=
O.
49,
p〈 O.
Ol)。 健 常 群は,
直 進で は上「
下肢ピ ッ チ と所 要 時 間に (r=
O.
47,0.
41,
pく 0.
01),
ス ラロー
ムで は , 上下 肢ピッ チ と所 要 時 問お よ びシー
ト高の間で正の相 関258
瑾学療 法学 第21
巻 第4
号 表 1 シー
ト高研究結果一
覧 所 要時間 (sec) 駆 動 ピッ チ(回 ) 上 肢 下肢 殿 部ズレ 足 部 駆動パ ター
ン (件 ) (件 ) 踵 っ ま先 混 合 《患者群N =10
(ただし上肢ピッ チのみN=
4)》 直 進 遭 矧 つ 4 づ HHHHH 11.
4±1.
311.
9
±1.
4
12.
1
±1,
3
13.
9
±2 .
8
15、
5
:ヒ3 ,
1
15.
:±:4.
915.
1
±4.
O
l5,
8
±3.
7
17.
5
:±:3.
3
18,
3
:ヒ3.
3
12.
9±3.
113.
5
±3.
4
13.
9
±2.
6
15.
O
±2.
4 16,
1
±2.
7ρ
07779 30DOJ21 122Q りρ
9 6 尸 D559 」 ス ラロー
ムH −2H
−OH
−2H
−4H
−
6 16.
9
±L818。
7
:±:3.
1
18.
1
±2.
4
19.
9
±3.
2
22.
0±4.
122.
1
±3.
523.
9
±6.
3
21.
4t
:4.
1
21.
9
±4 .
4
20.
9±8.
419.
9
±3.
5
21.
5
±5,
6
20.
8
±3.
8
22.
1
±3.
7
24.
1
±4.
6 β 06788 21100111RU7
7885∩
δ 《健 常 群 直 N=
12》H −2
H −o
進H −2
H−
4 H−
66.
8
±1.
0
6.
8
±0.
9
7、
2
±1,
1
7.
4±1.
0
8.
1±1.
19、
5
±1.
4
9.
8
±L8
10.
0
±1.
2
10.
0
±1.
0
10.
6
:ヒ1.
49.
3
±O.
9
9.
8
±0.
9
9.
8
±1.
1
9.
8
±1.
3
10.
4±L300114
ワ御
OOOO
Ol147
011
∩
ひ RV 111 ス ラロー
ム 辺 苅 2 辺 絡HHHHH
11.
3
±1.
8
11.
0
±1.
9
11.
6
±2,
G
12,
2±2.
2 13.
9±3.
814.
9
±1.
7
14.
6
±2.
2
15.
8
±3.
0
17.
O
:ヒ4,
2 17,
8±5.
114.
7±1.
8
14.
6
±2.
2
15.
5
:ヒ2.
9
16.
9
±4.
3
17.
8±5.
100114
−OOGO
l12尸
Q801074
111 表2
シー
ト高 別 所 要 時 間 比 較 t検 定H −2
H −O
H −2
H−4
H −6
2
刈24
喝HHHHH
○ ○ ○ ○ ○ △ △ △ ○ ○ ○ 左 下段:ス ラロー
ム,
右 上 段;直進Q
:患 者 群 (N=
10)pく0.
05 △:健 常 群 (N=
12)p<0,
05 を示 した (r≡
0.
74,
0、
69,
0.
62,
0.
61,
p< 0.
01)。
上 下 肢ピ ッ チ比 率 (下 肢 :上 肢 )は健 常 群で はすべて が 1 :1の関 係にあっ たが,
患 者 群で は 1 :1.
1〜
1.
2 の関 係にありス ラロー
ムで の シー
ト高 が 高 くな るにっれ て 1 :0.
8 〜
0,
9 と上肢より下 肢の駆動比 率が増し た。3
) 足 部 駆 勁パ ター
ン・
殿 部ズレ 患 者 群は,
直 進で はH −
2,HO
におい て混 合,
踵,
っ ま先 駆動の順に多く,
シー
ト高が高 くな るにつれ 10 名 中6
名とっ ま先 駆 動が増える傾 向にあっ た。 ス ラロー
ムで もH−
2で は直 進 同 様の傾向を示し た。 しか し, 踵 駆 動に
直 進 と比 較 し少な く,
HO ,
H2 で 10 名中 1 名 のみで ス ラロー
ム の特異性が うか が え た。 健 常 群で は踵 駆動がH − 2
で直進に て2
名,
ス ラロー
ム に て 1名と極 僅か しか み ら れ な かっ た とい うこと以 外は,
患 者 群 とほ ぼ同 様の傾 向を示 した。 殿 部ズレに関 して は患 者 群,
健 常群と もシー
トが高く な る にっれ,
ズレを生 じ る傾 向に あっ た。 2.
奥行きに関 して (表3 ,4
)1
)所要時間q
最 速お よ び最遅の シー
ト高と奥行きの組み合わ せ 所 要時 間は患者 群に お いて直進のシー
ト高HO ,
ス ラロー
ム の シー
ト高 HO,
H6 で は 奥 行 きD −
10が最も 短 く,
最 も長 かっ たの はレ20
であり,
直進のH6
で は D−
10が最も短 く , D−
5が最も長い値を 示し た。 し かし,
シー
ト高 HO で は直 進,
ス ラロー
ム ともどの奥 行 き間とも有 意 差は なく,
シー
ト高 H6 で も直進に お い て の み 奥 行 き1} 10が D−
5よ り有 意に短い だげで あっ た。 し か し, シー
ト高HO
とH6
の比較で は,片麻痺患者の車いす駆 動能力に影響する因子 表
3
シー
ト奥行き研究結果一
覧259
所 要 時 間 (sec) 駆 動ピッ チ (回 ) 上肢 下 肢 殿 部ズレ 足 部 駆 動パ ター
ン〔件 ) (件) 踵 っ ま先 混合 《患者群 N=
6(た だ し上 肢ピッ チ のみN=1
)》 H−
O D−
5 D一
正O
D −
15 直 進D −20
H −6
D− 5
D −10
D−
15D −20
13.
3:ヒ1.
8 13.
0±2.
113.
8
±1.
4
14.
7±1.
4
18.
6
±6.
2
14,
8
±3.
2
16.
1±1.
9 16.
1:ヒ1.
5 18.
2
±6、
2
15.
2
±2.
2
18.
8
±4.
5
正9,
5
±5.
8
19.
2
±2.
8
16.
8
±3.
5
25r3±,
026.
0
±0.
O
14.
1士3.
0
13.
3±2.
4
14.
6
±3 .
1
15.
1
:辷3 .
5
17.
7
±5、
414,
7
±3.
8 14,
8±3.
与16.
1
±3.
4
4334.
554
.
3
0000
0000
12225222
54441444
H −O
D − 5
D −10
D−15
ス ラロー
ムD −2G
H−
6 D− 5
D−
10 D−
15D−20
20.
21
:2.
8
19.
G
±1,
1
20.
2
:辷1.
6
22.
3
±1.
3
24,
4:ヒニ3.
5
21.
8
±3.
6
22.
9±2.
0
24,
6
±4.
0
24.
5±7.
8
20,
2±1.
2 28.
8±7,
8 31.
3:ヒ7.
7 26.
7±5.
023.
2
±3.
8
29.
7
±0、
0
38.
3
±0.
0
19.
5
:ヒ4.
419.
4±3.
9
21.
1±4.
3 22.
1±4.
6 23,
5±5.
3
21.
2
±5.
8
20,
9
±4.
7
23.
3
:t6.
4
55444554
0000
0000
22225422
4444 1244 《健常群 直 》 田 断 5101520 レ } } レ 進5101520
喝 レ レ 》 レH
6.
2±0.
9 5.
9±0.
65.
8
±0.
9
5.
7
±O.
8
7.
7
±L56.
8
±1.
1
6.
4
±0.
8
6.
0±0.
79.
O
±0.
9
8.
5
±0.
5
8.
5
±0,
7
8.
2±0.
6
11.
1±1.
6 10.
0±1.
2 9.
0
±O.
4
8.
8
±e.
9
9.
2
±1.
0
8.
5±O.
5
8.
5
±O.
7
8.
2
±O.
6 10.
9±1.
7 10.
0
±O.
9
9.
0
±O
.
4
8.
8±O.
9
2000
31301100
00100000
65GO6677
1267H −O
D− 5
1>−
10 D−
15 ス ラロー
ム D−
20 H−6
D−
5D −
10 D−15
D−
20 9.
9±1.
0 9.
4
±0.
7 9.
3±0.
8 9.
7±LO l1,
1i二1.
5 10.
7ゴニ1.
1 10.
O±0.
9
9.
4±O.
6 14.
0
±0 .
513.
4
±O .
6
13.
1
±O .
8
13,
9
±1,
1 15.
7±2.
015.
5
±2.
1
14.
0±0.
6 13.
9±0.
9 14.
0:ヒO,
513.
4
:辷0.
4
13.
0
±O.
7
13.
8
±1.
0
15.
9±2.
2 正5・
4
±2tt
2
14.
0±0.
5 13,
7±0.
9 2111 6330 1101 00000000
65216676
1256260
理学 療 法学 第21
巻第4
号 表4 シー
ト高 別 所 要時間比 較 t検定H −0
H−6
D−5
D −
IO D−
15D −20
D −
5 D−
10 D−
15 D−
20 工F5D−IO
H −O
D−
15 D−
20 ○△ ○ △ ○△ ○ △ △ 舷 △ 肚 △ ・o
△ ○ ○「
Q O 50
ユ ウム
レ 朕 レ ル 喝 H △ △ △ ○ △ △ △ 左下段:ス ラロー
ム,
右上 段 ;直進 ○ :患 者 群 (N=
6)p< O.
05,
△:健 常 群 (N=
7)p<0.
05 シー
ト高 H6 の奥行き1}−
5が直進に おいてシー
ト高H
O
の全ての奥 行 きよ り,
ス ラロー
ムに おい て シー
ト高 HO の奥行きD−
5, レ1O
, D−
・15より有 意に長 く,
ま た,
ス ラロー
ム におい て シー
ト高 H6 の奥行 きD−
15 がHO
のD−
le
と ,H6
のD− 20
がHO
の D−
5,
D− 10
よ り所要 時間は有意に長かっ た。反 面
,
シ
ー
ト高 H6 の奥行きD− IO
はシー
ト高HO
のすべ て の奥 行 き と有 意 差は み ら れ な かっ た。 所 要 時間は健常群におい て直進 で の シー
ト咼HO ,
H6,
スラロー
ム の H6 と も最も短 かっ たの は奥 行 きD − 20
で, 最も長か っ たのはD −5
で あり,
ス ラロー
ムの HO で はD− 15
が最も短 く,
D−
5 が最も長い値を示し た。 しか し,
シー
ト高H6
での奥 行き D− 5
はHO
で の全て の奥 行 き,
H6 で の D−
15, D− 20
より有 意に遅かっ た が,
シー
ト高 H6 におい ては 直進で は奥 行 き1} 10以 浅の奥行きのほとん ど が, ス ラ ロー
ムで はD−
15,
D−
20と もがシー
ト高 HO の どの奥 行き とも有 意 差 はな かっ た。
全体的傾 向患者群で は直 進の シ
ー
ト高HO,
H6 ,
ス ラロー
ムの HO におい て奥行きD−
10ま で は所要時間が短 くなるが そ れ以 上 浅 くなると所 要 時 間 が長 くなっ た (r=0.
49,
0.
46,p
〈 O.
05,
r=
O.
63, pく 0.
Ol)。 健 常者群はシー
ト 高HO
の ス ラロー
ム において1
)一
15,
D − 10,
D − 20,
D
− 5
の順で速い関 係にある以 外は,
直 進, ス ラロー
ム と も奥行き を浅 くすると所 要 時 間 が 短 くなる有意な関係が み ら れ (r− O.
50 〜0.
93,
p< O.
01),
シー
ト高 H6 と直 進で よ り その傾 向が強か っ た。2
)駆動ピッチ数 ま ず駆 動型でみ る と, 患者 群で は上肢 下 肢 駆 動を し た 者 は6
名 中1
名のみ で,
そ の他の者は全て下 肢のみ駆 動 で あっ た が,
健常者群は全て上肢 下 肢 駆動であっ た。そ こ で奥行き お よ び所 要 時 間 との関 係で み ると
,
患者 群で は, 直進,
ス ラロー
ム ともに奥行き を浅くする とD−
10
ま で は減少傾 向にあっ た がD−
15,D − 20
と漸次増 加した。 シー
ト高の高い H6 で奥行きを変え た時, 直 進, ス ラロー
ム とも所 要 時 間 と下 肢ピ ッ チ数との間に有 意な 正の相 関があっ た (r=O・
76・0・
75
, P<0・
01
)。 健 常 群 で はス ラロー
ムの DO の シー
ト高を除い て奥 行 きを 浅 く すると減 少 する傾向を示し た。HO
で は奥 行 きD−
15ま で は減少 傾向にあっ た が,E
ト20
で は増 加 した 。 奥行き と下肢ピ・
ソチ との間に HO よ りH6 で,
ス ラロー
ム よ り直進でよ り有 意な相関が あっ た。 所要 時間と下肢ピッ チ数との関 係はシー
ト高 H6 で患者 群と同 様,
有 意な 正の相 関があっ た (r=0.
71
, p<0.
Ol,
O.
47,
p<0.
05
)。
上肢 下 肢の ピッチ比率は健常群で は どの条 件で も1 :1
であっ た。 患 者 群で は駆 動 速度に良い条件下で も1 : 1〜
1.
2
で上 肢 比 率が高く, 所要 時間が長くな る ほど,
奥行きが浅 くな るほ ど直 進で は1
:1.
3 〜 1.
4,
ス ラロー
ムでは 1 :L6 〜 1.
7
とb
肢比 率は大き く増し,
非 協 調 的な動 き とな っ た。
3
) 足 部 駆 動パ ター
ン・
殿 部ズレ患者群で は直 進
,
ス ラロー
ム と も踵駆 動を す る者は 1 例もなく,
HO で は混合型 が多く各奥行き に よ る変 化は ほ と ん ど な かっ た。
H6 で はっ ま先駆動が多 くなり奥 行 き を浅くするに ともない混 合 型 が 多くなっ た。 殿 部ズレ は どの条件で も50%以上 にみられス ラu一
ム, H6 に よ り多かっ た。 奥行き を浅 くする とと もに殿部ズレも少 な くな る傾向に あっ た が,
なかにはD−
20で再 び殿部ズ片麻 痺患者の車いす駆動能力に影響す る因子
261
レを生ずる例も あっ た。 健 常 群で はHO
は大部分が混合型で わ ずか に踵 駆動 が み られつ ま先駆動はみ ら れ な かっ た。H6
で はっ ま先 駆 動 と殿 部ズレが多 くみ られ,
奥行きを浅くする と その 大 部 分 は混 合 型に変 化し,
ズレもみ られ な くなっ た。 ス ラ u一
ム では よりその傾向が強かっ た。考
察
車いすの駆動速度だ け みると,
ま ず, シー
ト高 との関 係で は,
高さ が低いほ ど速い ことがわ かっ たが,
患 者群 の中に は例外と してH −
2よ りもH6 の方が速い ケー
ス も あっ たこと も忘 れては な ら ない。 次に奥行き との関係をみ る と,
健常群で は奥行きが浅 いほ ど速 くな る が,
患者群で はL
ト10
を境に して シー
ト 高が高 くて も低くて も遅 くな る関係が あ ること が わ かっ た。 しか し,
患者群の 中に は健常群と同じ よ う に奥行き が浅い ほど速く な る者もいた。 ま た,
シー
ト高と奥行きの組み合わせで は, 直進, ス ラ ロー
ム とも,
シー
ト高H6 で 奥 行きの深いD −
5は シー
ト高HO
の ほとん どの奥 行 きより有意に遅いが,
そ の奥行き を調 整 することに よりそ の差が なくな ること が わかっ た。 健常群では奥行き を浅 くす れ ば す るほどそ の傾 向は強 くなっ た。 患者群で はシー
ト高 H6 の奥 行 きD− 10
で はHO
の どの奥 行 き と も有 意 差 がみ られな かっ た こ と か ら, 患者のよ う な機能能力の低いケー
スで は高い シー
ト高で も奥 行きの調整によ り低い シー
ト高の 車いす と同じ駆動速度が得られる最適奥行 きが ある こと が わ かっ た。 実際, ス ラロー
ム駆 動で はH6 で奥行き を浅くし た方がHO
の どれ よ りも速いケー
スや差 がな いケー
ス も あり,
患者個々 の能力を考慮 する必要は あ る が,
ス ラロー
ムで はシー
ト高を高くして奥行きを浅く し た方が良いようである。 駆 動ピッ チ数お よ び 駆動型 と所 要 時 間との関係で は,
シー
ト高が低く所要時 間が短いほ ど少なくなっ た。 これ はシー
ト高が低いほ ど1
回 下 肢 駆 動 力が高 くな り11)12),
下肢駆動ピッ チ数が少な くて も前進距離が増すた め,
所 要 時 間 が短 くな る と考えられた。 ま た,
患 者 群で はシー
ト高の高いH6
で奥行き を浅くするとっ ま先駆 動は減 り, 混合駆動に変わっ た が, 速度低下が み ら れピッ チ数 が多くなっ た。
これは奥行きが 浅 くなると,
股 関 節 伸 展 可動域 が増 し足 部の床 面へ の接 地 性 が良 くなり踵 駆 動 が可 能と なっ て駆 動 力は高 くなるが,
そ の反 作 用 力 も強 くな り殿 部の前 進へ の ズ レを 引 き起こしや す くな ること と,
支 持面 積は小さくな り大腿部の シー
トへ の固定も 弱 くなり殿 部 はズ レやす くなる ため,
座 位 を 保 持 す るた めに は大腿部の動き を制限し,
1回駆動 力の弱い小刻み 駆動を行っ たこと が原 因と考え ら れ た。 藤 川 ら t3)は 上 下 肢の駆 動ピッ チが 1 :1と なる律 動 的な ゆっ たりした駆 動 動作が可能な人ほ ど速い こと を報告 して い る が, こ の よ う なケー
スは駆 動 力の効 率 性の良いケー
ス,
す な わ ち 車いす 駆 動の一
回 トルク が良 くな る処 方が な さ れて いる か,
患者個 入の駆 動 能 力が良いか,
も し くは両 方の因子 を有 して いるかのケー
ス といえ,
今 回の結 果 もそれを 裏 付けていた。 駆 動 力に影響 するのは1}−
10かD−
15
まで で そ れ 以上の浅い奥行き に な る と座 位保持のための 固 定 と して の役割を大腿の動きが要求さ れ る こ と か ら,
その 動きは制限さ れ,
結果的に下腿部のみの小刻みな駆動,
っ ま り ピッ チ数が増え た と考え ら れ た。 殿部の ズ レは シー
ト高が高い と著明に な る が奥行き を浅くするこ とに よっ て殿部の ズレが減る傾向にあっ た。 しかし,
奥行き が深 す ぎる と下肢駆動動作で必要な股伸展動作が妨げら れ, シー
ト前 縁 部が大 腿 後 面で て この支 点の役割を し殿 部を前方に引き出すこと と なっ た。 足部駆動型は駆 動能 力に良い条 件 (駆 動 所 要 時 間が 短 くなる)にな るほどっ ま先型か ら混合型 (踵駆動とっ ま先 駆 動の混 在 )へ 移 行 した。 生 島 ら 11>の報 告で っま先 駆 動 は踵 駆 動よ り駆 動 力 が 小 さいとして いる。
足 底 屈 位は背 屈 位よ り膝 屈 曲トル ク は低い こと8)14),
下肢自重 力や床 との接地面積の減少 によ る摩 擦 固 定 力が少な くな る た め と考え られた。
っ ま 先 駆 動 型 は 直進よりス ラロー
ムで多 くみられ駆 動条件が 良くな る と減少した。 ス ラロー
ム駆 動で は方向転換動作 が 多 く要求されることか らっ ま先駆 動で の足 底 屈・
内外 反動作お よび大腿部の伸展・
内外旋が多用さ れ,
大腿軽 度伸展位でのつ ま先接地が しやすいように シー
ト高が や や高めで奥行き が浅い方が良い ようで ある。 臨床で の車 いす 駆動ADL
自立 を考え る と,
直進駆 動 能 力よりもス ラロー
ム駆動能力が重要であ り,
車いす処方におい ては ス ラロー
ム デー
タの 方が有用といえ よう。 今回の対象の中に もH2
の シー
ト高で奥行きをD−
10 に し た ところHO
で の D−
5,
D −
10
より速 くなるケー
ス もあっ た。 石川ら 15) も同様の報告 をしてい る。 今回は HO とH6 の 2種類の シー
ト高で奥 行きを検討した た め, シー
ト高の影 響がよ り強 くで た が,
今 回の設 定シー
ト高 の中間 値であるH2 ,
H4
の条 件 も加え奥 行 きを再 検 討 する必 要が あろ う。大橋ら16)は各障害 者の 処方 車いすの調 査 結 果か ら片 麻
262
理学療法 学 第21
巻 第4
号 痺者の車いす各部の処方値は他の疾 患と比 較して,
シー
ト高は下腿 長プ ラス平 均5.
6cm
と最 も低 く,
駆 動 上 有 利な よ うに処 方さ れ, 奥 行きは大 腿 畏マ イ ナス 5.
2cm と報 告して い る。 成書に あ る一
般 的な処 方 基準値 範 囲 (下 腿 長一2cm
か ら+5 〜 10
cm ) に と ど まっ て お り, 今回の最 高 駆 動 速 度を引き出 すシー
ト高,
奥行きに比較 して は大 き く離 れ た値 となっ て いる。
特に シー
ト高に関 して は駆 動速度の みを考え た値で はな くADL
上 重要な 起 立,
ト ラ ン ス フ ァー
能 力を考 慮 して そ う低 くで き な かっ たのか も しれない。 車いす 処方は その対象が機能 的 に良い場合は健常群結 果を少し考慮に入れ,
駆 動 性を優 先し,
シー
ト高を低くするべ きである 。 機 能 的に低い場 合は トランス フ ァー
可能なシー
ト高を優 先し奥 行き を浅 くするこ とで駆 動 能 力を向上 さ せ るべ きで あ る。 その シー
ト高,
奥 行 きの関 係はス ラ U一
ム駆動結果を優先採 用するべ きで あ ろう。 引 用 文 献D
日本 皀転車産 業 振 興 協 会; 「昭和 62年 度 車いすの生 産・
流 通 実 態 調 査 研 究 等 補 助 事 業 報告書」1988.
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作・
療 法 王9(2}:75−
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理・
作・
療 法 19 :79− 83,1985.
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アッ プー
車 椅 子 使 用 度 と在 宅 者 との関 係一.
理・
作・
療 法19 :85・
−
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−一
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総合リハ 13〔9):691−
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keszavegdiptLitzzetEehetteWV6pali
263 <Abstract>Prescription
Factors
Which
Influence
Wheelchair
Operability
in
Patients
with Hemiplegia: Evaluation of Seat Height and Depth
Mitsutoshi
UEMATSU,
RPT
Aleitsu
Kohnoilae
fibsPital
Mika YAMADA, RPT IfanbartiHbsPitaJ
Hidenori EGUCHI, RPT
ina
llbspilat
The
purpose of our study was toevaluate standardsfor
prescriptionof appropriate seatheight
anddepth
forwheelchair operation andADL.
We
analyzedhow
seatheight
anddepth
influenced
theoperability anddriving
patternsofwheelchairsby
hemiplegic
patients,
First,
10
hemiplegic
patientsand12
normal controls were evaEuatedfor
wheelchair operabi-lityunder differentheights of seatin
10
m straight drivesandin
sLalom courses. Indicatorsof operability anddriving
patterns
assessed were; time required tocomplete course,driving
pitch, type of drive,and shifts inthepositionofthe buttocks.Second, thesubjects were evaluated forwheelchair operability
by
analysis of thesame indicators,but in the second analysis,the
seatheightof
the
wheelchair was kept constant at 2representative heights. The lengthofthe
seatswas ¢
hanged
toseehow
it
affects operability.The.
findings
revealed thattherequired time tocomplete the course was shorter when the seats were
low.
This
was the casein
both
the strai-ght drive and the slalom cQurses. In normal subjects<controls),
the shallower the seat depth was, thelesstime ittook tocomplete thecourse. However, inhemiplegic patients,thetime
req-uired was the shortest at seat depth of D- 10.When theseat depth was further shallowed, the time required tocomplete thecourse
increased.