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Creative Hopelessnessの介入におけるEcological Momentary Assessmentを用いた行動的プロセスの変化の検討:経過の報告

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Academic year: 2021

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日本認知・行動療法学会 第44回大会 一般演題 P2-24

344

-Creative Hopelessnessの介入におけるEcological Momentary Assessmentを用いた

行動的プロセスの変化の検討:経過の報告

○高橋 まどか1)、嶋 大樹2,3)、井上 和哉1)、齋藤 順一1,3)、北原 万莉1)、熊野 宏昭4)

1 )早稲田大学大学院人間科学研究科、 2 )同志社大学心理学部、 3 )日本学術振興会特別研究員、 4 )早稲田大学人間科 学学術院

【目的】

Acceptance and Commitment Therapy (ACT) の中 で, 体験の回避は, 望まない私的出来事の頻度, 持続 時間, 形態, それらを生じさせる文脈を変えようとす るための行動に取り組む傾向, と定義される (Hayes et al., 1996)。体験の回避は, ルール支配行動の側 面があり,「思考・感情・性格が制御できれば, 行動 問題が解決する」という考え (ルール) によって生 起・維持される。この考えは変化のアジェンダと呼ば れ, ACTの支援では, 変化のアジェンダを手放し, 体 験の回避への動機づけの低減が重要である (Hayes & Wilson, 1994)。 変化のアジェンダを手放すための取り組みとして, Creative Hopelessness (創造的絶望: CH) がある。 CHの手続きは, 体験の回避によって短期的には不快な 思考や感情を抑制できても, 長期的には価値に沿った 行動ができない場合が多いという事実を振り返り, 最 終的には価値に沿った行動を選択することができるよ う手助けする (酒井他, 2014)。しかし, 先行研究 (e.g. 酒井他, 2016; 高橋他, 2017) において, CHの 介入による行動指標の変化は十分に行われていない。 Ecological Momentary Assessment (EMA; Stone & Siffman, 1994) は日常生活場面でのリアルタイム測 定であるため, 日常生活場面での体験の回避を測定す ることが可能である。嶋 (2018) が作成したEMAは, 体験の回避が持つ負の強化の随伴性で維持される側面 と体験の回避の意図に基づくルール支配行動として捉 えられる側面を日常生活下で測定した。 本研究ではEMAで体験の回避を測定することによっ て, CHの介入で体験の回避に沿った行動がどのように 変化するのか検討する。したがって, EMAを用いて, CHの介入による行動指標の変化を体験の回避の割合か ら検討し, その上でプロセス指標であるACTの関連尺 度の変化を検討することを目的とした。 【方法】 対象者 対人場面が苦手だと感じている大学生18名 (男性 5 名, 女性13名, 年齢19.56±1.07歳) を分析対 象とした。 手続き 同意の得られた参加者を, 高橋他 (2018) の手続きを用い, CHの成立を図るCH群とCH介入を行わ ない統制群に振り分けた。 4 回の来室 (Time1〜 4 ) での質問紙の回答と各来室の間の 7 日間にHW (pre・ post・FU) としてEMAで質問への回答を求めた。質問 への回答は 1 日 5 回の合図メールを送信し, メールを 確認時までの不快体験について回答を求めた。不快体 験が無かった場合には, 回答時の体験について回答を 求めた。さらに, Time2〜 4 においてEMAの記録内容の 振り返りを行った。また, Time2にてCH群にCHに関す る心理教育を行った。 アウトカム指標  1 ) 日常生活場面での体験の回 避:日常生活場面での調査のため, 参加者に E -mailを 送信し, Google Formで作成したページへの回答を求 めた。不快体験の有無, その際の活動と気分, 不快体 験に対する対処行動の内容, 対処行動のコントロール の意図の有無, 対処後の気分の変化を尋ねた。不快体 験が無い際は, その際の活動と気分を尋ねた。加え て, CH群には, 不快体験があった際の対処行動の結果 と対処後から回答時までの気分の変化について尋ね た。 2 ) Change Agenda Questionnaire (CAQ; 嶋他, 2 0 1 8): 変 化 の ア ジ ェ ン ダ の 確 信 度 (C A Q -believability; CAQ- b ) と, 変化のアジェンダに 従って行動する程度 (CAQ-avoidance; CAQ- a ) の 2 尺度で構成される 7 件法14項目の尺度である。得点が 高いほど変化のアジェンダの程度が高いことを示す。 仮説 体験の回避の割合はCH群においてCH介入直後 (post) 以降有意に減少する。CH群において, CAQ- b はCH介入後 (Time3) 以降有意に減少し, CAQ- a は Time4にて有意に減少する。 分析 不快時回答の中から, 対処行動のコント ロールが「有」または対処後の不快感が「減った」も のを体験の回避とみなし, 各HW期間の回答数で割り, 体験の回避の割合を算出した。HAD (Ver.16) を用 い, 体験の回避の割合の群 (CH群・統制群)×時期 (pre・post・FU)の分散分析, CAQ- b およびCAQ- a の

群 (CH群・統制群)×時期 (Time1〜4)の分散分析を 行い, CH介入による変化を検討した。 倫理的配慮 早稲田大学「人を対象とする研究に関 する倫理審査委員会」の承認を得て実施された。 【結果】 体験の回避の割合について, 群 ( 2 ) ×時期 ( 3 )

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日本認知・行動療法学会 第44回大会 一般演題 P2-24 345 -の分散分析を行った結果, 交互作用は認められな かった (F(2, 32)=1.29, p =.29, η2=.02)。しかし, 単純主効果検定の結果, CH群において時期の主効果が 有意であり(F(2, 32)=7.28, p =.00, η2 =.38), 多重 比較の結果, pre>post (p =.04, d =.73) およびpre> FU (p =.00, d =.98)で有意であった (Figure.1)。ま た, CAQについて, 群 ( 2 ) ×時期 ( 4 ) の分散分析 の結果, CAQ- b およびCAQ- a で交互作用は認められな かった(CAQ- b : F(3, 48)=0.97, p =.40, η2=.01, CAQ- a : F(3, 48)=2.10, p =.11, η2=.03)。しかし, 単純主効果検定の結果, CH群において時期の主効果が 有 意 で あ っ た (CAQ- b : F(2, 48)=4.80, p =.01, η2=.09, CAQ- a : F(2, 48)=3.78, p =.02, η2=.26) 多重比較の結果, CAQ- b ではTime1>Time3 (p =.10, d =.66), Time1>Time4 (p =.08, d =.63), Time2> Time3 (p =.04, d =.48), Time2>Time4 (p =.11, d =.45)の間で有意傾向がみられた。CAQ- a ではTime1 >Time3 (p =.14, d =.71), Time2>Time3 (p =.09, d =.72) の間で有意傾向がみられた (Figure.2)。以上 から, CH群において, CH介入による体験の回避の割合 およびCAQ得点の減少が認められた。 【考察】 高 橋 (2 0 1 7) で は , 体 験 の 回 避 を 測 定 す る

Acceptance and Action Questionnaire-IIの変化がみ られなかったが, 本研究の結果から, EMAによる体験 の回避の測定によって, CH介入による体験の回避に 沿った行動の減少を確認できた。 分析の結果, 体験の回避の割合およびCAQの各尺度 において, 各群の平均値の有意な交互作用は認められ なかった。しかし, CH群において有意傾向の時期の主 効果が認められたことと, 中程度以上の効果量が得ら れたことから, 今後研究参加者が増えることで, 統計 的に有意な変化が認められる可能性が示唆された。さ らに, CH介入による行動プロセスの検討を精緻化する ために, 今後は他のACT関連尺度も合わせて検討を行 う必要があると考えられる。 【主要引用文献】 嶋 大樹 (2018). 体験の回避に関わる行動的プロセス の新たな測定法の開発 早稲田大学大学院人間科学研 究科博士論文. 高橋 まどか・前田 わかな・嶋 大樹・井上 和哉・齋 藤 順一・熊野宏昭 (2017). Creative Hopelessness 成立プロセスの実験的検討 日本心理学会第81回大 会, 314.

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