平成24年度
全国体力・運動能力、運動習慣等調査
参 考 資 料
Ⅰ 平成24年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査について ... 1 1 調査の概要 ... 1 2 調査結果 ... 2 (1)実技に関する調査の結果 ... 2 (2)体格と肥満度に関する調査の結果 ... 3 (3)平成 20 年度からの体力合計点の推移 ... 4 (4)児童生徒及び学校への質問紙調査の結果 ... 5 今年度の児童生徒の状況 ... 5 運動やスポーツをしない理由の回答別にみた児童生徒の特徴 ... 5 土曜日や日曜日に運動やスポーツをする児童生徒の特徴 ... 6 (5)文部科学省から提供された調査結果資料について ... 7 Ⅱ 本県における子どもの体力向上の取組について ... 7平成 25 年 3 月
佐賀県教育庁学校教育課
Ⅰ 平成24年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査について 1 調査の概要 (1) 目的 子どもの体力が低下している状況にかんがみ、国が全国的な子どもの体力の状況を 把握・分析することにより、子どもの体力の向上に係る施策の成果と課題を検証し、 その改善を図るとともに、そのような取り組みを通じて、子どもの体力の向上に関す る継続的な検証改善サイクルを確立する。また、学校における体育・健康に関する指 導などの改善に役立てる。 (2) 調査対象 ① 小学校第5学年、特別支援学校小学部第5学年 ② 中学校第2学年、中等教育学校第2学年、特別支援学校中学部第2学年 (3) 調査の方法 文部科学省が調査対象として抽出した学校における対象学年の全児童生徒を対象と して抽出調査を行う。 (4) 調査内容 ① 実技調査(現在、各学校で行われている新体力テストと同種目) ・小学校・小学部第5学年:8種目(握力、50m 走、ソフトボール投げ 等) ・中学校・中学部第2学年:8種目(握力、50m 走、ハンドボール投げ 等) ② 質問紙調査 ・児童生徒に対する調査 (児童生徒の運動習慣、生活習慣、食習慣に関する質問紙調査) ・学校に対する調査 (子どもの体力向上に係る地域・家庭等との連携及び特別活動等に関する 質問紙調査) (5) 県内の公立学校における参加校(調査対象:小学校 5 年生、中学校 2 年生) 校 種 学校数(校) 児童生徒数(人) 小 学 校 60 2,730 中 学 校 34 2,639 ※ けがや病気等でやむを得ず全項目実施できなかった児童生徒は、参加数 に含まれていません。
2 2 調査結果 (1) 実技に関する調査の結果 小学校5年生 男 子 女 子 平均値 平均値 握力(㎏) 全国佐賀 16.70 17.19 16.23 16.52 上体起こし(回) 全国佐賀 19.44 18.34 17.92 16.65 長座体前屈(㎝) 全国佐賀 32.60 32.03 36.68 35.57 反復横とび(点) 全国佐賀 41.58 40.19 39.23 37.68 20mシャトルラン(回) 全国佐賀 51.58 51.89 39.89 38.82 50m走(秒) 全国佐賀 9.37 9.19 9.64 9.51 立ち幅とび(㎝) 全国佐賀 152.31 152.74 144.84 143.16 ソフトボール投げ(m) 全国佐賀 23.80 24.77 14.25 14.68 体力合計点(点) 全国佐賀 54.07 53.84 54.85 53.70 中学校2年生 男 子 女 子 平均値 平均値 握力(㎏) 全国佐賀 29.65 30.40 23.98 23.89 上体起こし(回) 全国佐賀 27.58 26.77 22.84 21.32 長座体前屈(㎝) 全国佐賀 43.27 43.25 45.00 43.95 反復横とび(点) 全国佐賀 51.55 51.22 45.46 43.88 持久走(秒) 全国佐賀 391.04 392.06 292.23 303.38 20mシャトルラン(回) 全国佐賀 86.24 89.69 57.87 57.66 50m走(秒) 全国佐賀 8.01 7.92 8.87 8.92 立ち幅とび(㎝) 全国佐賀 195.37 198.27 167.13 167.39 ハンドボール投げ(m) 全国 21.23 13.12 佐賀 22.37 13.53 体力合計点(点) 全国佐賀 42.32 43.18 48.72 47.89 体力合計点では、 ・小学校5年生男子は、全国平均値と同じ程度である。 ・小学校5年生女子は、全国平均値より低い値を示している。 ・中学校2年生男子は、全国平均値より高い値を示している。 ・中学校2年生女子は、全国平均値より低い値を示している。
(2) 体格と肥満度に関する調査の結果 小学校5年生 男 子 女 子 平均値 平均値 身長(㎝) 全国 138.74 140.06 佐賀 138.64 139.99 体重(㎏) 全国 33.99 34.02 佐賀 33.75 33.92 座高(㎝) 全国 74.80 75.78 佐賀 74.69 75.70 肥満傾向児・ 痩身傾向児 の出現率(%) 肥満 全国 10.2 8.1 佐賀 9.2 8.0 正常 全国 87.4 89.4 佐賀 88.1 90.0 痩身 全国 2.5 2.5 佐賀 2.7 2.0 中学校2年生 男 子 女 子 平均値 平均値 身長(㎝) 全国 159.64 154.85 佐賀 159.06 154.65 体重(㎏) 全国 48.75 46.88 佐賀 48.40 47.10 座高(㎝) 全国 84.36 83.50 佐賀 84.61 83.61 肥満傾向児・ 痩身傾向児 の出現率(%) 肥満 全国 7.9 7.2 佐賀 7.5 8.2 正常 全国 90.3 89.2 佐賀 91.7 88.8 身長、体重、座高では、 ・小学校5年生、中学校2年生ともに全国平均値と大きな違いは見られない。
4 (3) 平成 20 年度からの体力合計点の推移 ①小学 5 年生の推移 53.00 53.50 54.00 54.50 55.00 H20 H21 H22 H23 H24 佐賀県男子 佐賀県女子 全国男子 全国女子 ②中学 2 年生の推移 41.00 41.50 42.00 42.50 43.00 43.50 H20 H21 H22 H23 H24 佐賀県男子 全国男子 47.50 48.00 48.50 49.00 H20 H21 H22 H23 H24 佐賀県女子 全国女子
(4) 児童生徒及び学校への質問紙調査の結果 文部科学省発表の「平成24年度全国体力・運動能力、運動習慣等調 査結果【概要】」では、次のように分析しています。 今年度の児童生徒の状況 ① 体力 ア 体力合計点の推移 体力合計点は、小学校男女は、5 年間でほとんど変化は見られなかった。 中学校男女はともに、5 年間で平成 24 年度が最も高かった。 イ 都道府県別の状況 都道府県別の体力合計点の状況は、中学校は過半数の地域が平成 20 年 度と比較して上昇した。 ウ 1週間の総運動時間からみた昭和60 年度水準の到達率 昭和 60 年度と比較可能な種目すべてにおいて、男女とも、1週間の総運 動時間が 420 分以上の児童生徒は 420 分未満の児童生徒に比べて、昭和 60 年度水準到達率(各種目の昭和 60 年度平均値に到達した児童生徒の 割合)が高かった。 ② 運動習慣、生活習慣 ア 1週間の総運動時間の分布 1週間の総運動時間では、中学校で運動する生徒としない生徒の二極 化がみられた。女子については、小学生で 23.9%、中学生で 30.9%の 児童生徒が1週間の総運動時間が 60 分未満であった。 イ 1週間の総運動時間が 60 分未満の児童生徒の特徴 1週間の総運動時間が 60 分未満の児童生徒は、運動部や地域スポーツ クラブに所属している割合が非常に少なく、「運動やスポーツは体力向上 のために大切」、「食事や睡眠時間は体力向上につながる」と考える割合 が低い。また、土・日曜日の運動実施状況が低い、などの傾向がみられ た。 運動やスポーツをしない理由の回答別にみた児童生徒の特徴 ① 運動やスポーツをしない理由と回答別にみた児童生徒の特徴と体力合計 点の関係
6 学校男子は「運動が苦手で自信がない」が最も高く(31.5%)、次いで「疲 れる」、「してみたいと思わない」の順であった。小学校女子は「ほかに していることがある」が最も高く(42.1%)、次いで「運動が苦手で自信 がない」、「時間がない」であった。 回答の組合せと体力の関係をみると、選択者数の多い回答の組合せ上 位 20 位では、体力平均点が全国平均を下回っていた。特に、「運動が苦 手で自信がない」を理由にあげた児童の体力合計点は、低い傾向がうか がわれた。 (中学校) 中学校男子は「疲れる」が最も高く(40.4%)、次いで「文化部に所属」、 「してみたいと思わない」の順であった。中学校女子は「文化部に所属」 が最も高く(70.1%)、次いで「運動が苦手で自信がない」、「疲れる」で あった。 回答の組合せと体力の関係をみると、小学校と同様に、選択者数の多 い回答の組合せ上位 20 位では、体力合計点が全国平均を下回り、「運動 が苦手で自信がない」を理由にあげた生徒の体力合計点は、低い傾向が うかがわれた。 ② 運動やスポーツをしない理由と児童生徒及び学校における取組の特徴 1 週間の総運動時間別(0 分、1~60 分)の児童生徒の運動やスポ ーツをしない理由をみると、小学校女子では「運動が苦手で自信がな い」、「してみたいと思わない」「ほかにしていることがある」が上位 であった。中学校女子では「文化部に所属」、「運動が苦手で自信がな い」、「疲れる」が上位であった。 運動やスポーツをしない理由と学校の取組との関係 運動やスポーツをしない主な理由である「運動やスポーツが苦手で 自信がないから」、「疲れるから」、「時間がないから」を選んだ生徒の 割合が低い学校において、どのような体力向上の取組が行われている のかを探った。「時間の確保(放課後等)」+「地域・家庭との連携」、 「時間の確保(一斉運動)」+「個人差・発達の考慮」等、複数実施 している学校では、しない理由の割合が低下している結果が見られた。 土曜日や日曜日に運動やスポーツをする児童生徒の特徴 土日の運動実施状況と体力合計点との関連
「土日に運動している」小学校の割合は男子が 80.5%、女子が 64.5% であり、中学校の割合は、男子が 88.7%、女子が 69.4%であった。「土 日に運動している」児童生徒のほうが「土日に運動していない」児童生 徒より、体力合計点が高かった。 土日の運動実施状況と学校の取組との関連 「土日に運動している」生徒の割合と学校の体力向上の取組の関連につ いて、どのような取組が行われている学校が、その割合が高いかを探っ た。「地域・家庭との連携」+「地域連携(運動の機会)」+「個人差・ 発達を考慮」+「保護者への働きかけ」をしている学校は、土日の運動 実施の割合が 94.0%、また、「時間の確保(放課後等)」+「体育的行事 の実施」+「運動部への参加促進」+「全国体力調査の活用」の取組を している学校は 89.1%であり、取り組んでいない学校と比較すると、下 記のような複数の体力向上の取組を実施した学校では、「土日に運動し ている」生徒の割合が非常に高かった。 (5)文部科学省から提供された調査結果資料について ・報告書 報告書調査結果と、全国32校の取組事例を「運動時間が少ない児童 生徒への取組」「運動部活動への取組」「『活用シート』を活用した体力 向上の取組」のテーマで紹介。 ・調査結果CD-R 各教育委員会、各学校の調査結果を収録。また、クロス集計システム を内臓。 ・活用シート 児童生徒が自己の体力等を理解するために学校や家庭で活用するシー ト (参考:今後の予定) 3月下旬 調査結果資料(「全国体力・運動能力、運動習慣等調査報告書」、 電子データ、活用シート)が、市町教育委員会、各学校に送付予定 Ⅱ 本県における子どもの体力向上の取組について 県教育委員会ではこれまで、①各学校における体力づくりの推進、②実態調 査とその結果による啓発活動 ③体力向上の機運の醸成、④事例集の作成と 啓発活動 ⑤地域スポーツ人材の活用実践支援事業 に取組んできました。
8 た「健康・体つくり推進プラン」を作成し、プランに基づく取組を行ってい ます。また、学校評価の評価項目に「健康・体つくり」を設定し、教育活動 全体を通じたPDCAサイクル (計画、実施、確認、見直し)による取組を推 進しています。 2 今年度も子どもの体力向上への意識を高め、学校・家庭・地域による子ど もの体力向上に向けた総合的な取組がより一層推進されるために「子どもの 体力向上推進フォーラム」を平成 25 年 2 月 5 日に開催しました。学校関係者、 PTA関係者、スポーツ団体関係者、行政担当者など約 240 名が参加しまし た。 そのなかで、体力向上に向けた研修実践を進めた小学が取組内容や成果に ついて発表し、広く県内学校と情報の共有を図りました。 3 平成 21 年度には県内学校の体力向上への取組事例を収集し、「子どもの体 力向上プログラム指導改善事例集」を作成、各学校に配布、啓発活動を行いま した。 また、学習指導要領の改訂に合わせて小・中、高等学校の体育・保健体育の 指導資料「なるほどハンドブック」を作成し、体育の授業の充実を図っていま す。 4 運動部活動地域連携再構築事業(平成 21 年度から 23 年度までは地域スポ ーツ人材の活用実践支援事業)として地域人材を学校に派遣しています。 今年度は小学校の授業に 18 校 24 名、中学校の授業に 1 校 1 名、中学校の 運動部に 37 校 100 名、県立高等学校運動部に 15 校 29 名を派遣し、体育授業 の充実や運動部活動の活性化を図っています。 5 今後は、学校体育の充実に加え、以下のような学校全体としての取組を推 進します。 ○ チャレンジスポーツの実施 子どもたちが楽しく、体力アップにつながる運動を県教育委員会で考 え、各学校に自主的に取り組んでもらい、ランキング形式で競うことで 体力アップに繋げます。 ○ サガンきっず体力アップホームページの作成 チャレンジスポーツのランキングや佐賀県の児童生徒の体力の現状、 体力向上の取組好事例、体力向上を踏まえた授業づくりの資料の紹介し、 体力の向上に繋がる工夫を促します。 ○ 体力向上優良校の表彰 体力向上への取組を推進し、顕著な結果がみられた学校や個人を賞賛 することで、意欲を喚起し、継続的な体力向上への取組が推進されるよ うに働きかけを行います。