平成27年1月1日号
足柄上病院ジャーナル
(年3回−1月・5月・9月発行)(年3回−1月・5月・9月発行) 足柄上病院の病院理念 「あ」:安全で安心な医療を提供します。 「し」:社会の要請を担う政策医療を展開します。 「か」:患者中心の医療を実践します。 「み」:魅力ある自立した病院を目指します。新春号(通刊 第 49 号)
明けましておめでとうございます。今年は未年 です。ひつじの「未」は未完成の意味を持ち、こ れから熟していくという意味があるそうです。ま さに足柄上病院は昨年まで地域の中核病院として の機能を充実してきましたが、まだまだ未完成で す。今年はさらに充実し完成型に近づける年と思 っています。 平成26年度は神奈川県立病院機構が発足して5 年が経過し、27年度から新しい中期計画がスター トします。 この5年間我々が行ってきたことは、 1.病院経営の改善:DPCを導入し、いろいろな 施設基準をとり、入院単価を上げ、一方で、 支出の面では医療の質を保ちつつ診療材料費 や薬品費にかかる経費を削減してきました。 おかげで、経営面では大きな改善が見られま した。 2.救急医療の充実:「断らない医療」をスロー ガンに救急体制の改善に取り組んで来ました。 HCUの設置、救命救急部の設置、入退院支援 センターの設置、病棟の再編などですが、お かげで救急車受け入れ件数は26年度は3000件 を超える見込みです。この件数は全国の救急 指定病院のうち救命救急センターを持ってい る病院を除くとトップクラスです。 3.院内助産の導入:産科医が不足している中、 せめて正常分娩だけでも地域でお産が出来る 体制をと苦肉の策で院内助産を取り入れまし 病院長山 本 裕 司
やま もと ゆう じ次の中期計画に向けて
た。当初はいろいろと問題がありま したが、産科医師 小児科医師・助産 師の協力のもと少 しずつ問題を解決 し、問題はまだ残 っているものの何 とかやってこれま した。おかげさまで院内助産については県内 外から見学者が増えつつあり、足柄上病院の 名が広まりつつあると実感しているところで す。 4.医療連携の推進:連携室を通じて紹介入院の 受け入れや退院に向けての介入、転院先の紹 介など比較的スムースな連携がとれるように なりました。そのお陰で入院実患者数や紹介 率は少しずつではありますが増え、一方で在 院日数の方は短縮してきました。また、26年 度から新しくもうけられた在宅療養後方支援 病院としての指定をうけ、在宅をお願いして いる診療所との連携をさらに進めているとこ ろです。 5.機器の更新:検査課の機器の更新に当たり、 2号館の検査室と3号館の緊急検査室を3号 館の緊急検査室に集約することにより、検査 機器の更新および検査試薬の購入に関して経 費削減に大いに貢献しました。また、64列の CT、3テスラMRIなど最新の医療機器を取り 入れ、より精度の高い診断が出来るようにな ・りました。 6.高齢者医療:足柄上地域は県内でも少子高齢 化が進んでいる地域です。横浜市や川崎市の 10年後の姿を先取りしている地域です。高齢 者に対する医療に取り組み、高齢者の入院期 間の短縮と在宅復帰率の向上に成果が見られ ております。また、職員の高齢者医療への関 心を高める目的として「高齢者医療検討会議」 や「高齢者医療発表会」を立ち上げ、高齢者 に対する総合的な医療に取り組んできました。 特に高齢者医療発表会では各部署から年々興 味ある発表が増えつつあります。来年からは 院外で一般住民、他施設職員などの参加可能 な研究会に出来ればと思っています。 以上がこの5年間で足柄上病院が行ってきた取 り組みです。ここで認識してほしいことは、高額 医療機器を除いて県や機構からの巨額な投資やこ れといった政策の方針もなく、病院職員の皆が創 意工夫し進めてきた取り組みです。ひとえにより 良い地域医療を提供するために予算がない中で皆 が知恵を振り絞って進めてきた事業なのです。各 取り組みが地域医療の貢献に成果を上げていると 思います。職員全員がこの成果に誇りを持ってい いと思いますし、足柄上地域の皆様にもご協力頂 き感謝致します。 平成27年度から始まる中期計画では今まで行っ てきた事業の延長に加え、新たに ・地域包括ケアシステムに対応した医療の提供 ・高齢者医療対策としての総合診療医の育成 ・平成27年度以降に策定される「地域医療ビジョ ン」を踏まえた医療機能の検討・実施などが加 わりました。特に今後当院でのキーワードは高 齢者医療と地域包括ケアシステムだと思います。 高齢者医療に関しては今まで総合診療科を中心 に取り組んできましたが、今後は治療面でも積極 的に高齢者をキーワードとした研究(鏡視下手術、 内視鏡手術、より低侵襲な治療など)が望まれる と思います。高齢者医療発表会で医局側からさら に多くの発表演題が出ることを期待します。 この5年間で医療連携(病院−診療所−訪問看 護ステーション)は医師会の協力もあり、何とか うまく連携がとれているように思います。しかし、 介護・福祉との連携は必ずしもうまく機能してい るとは思いません。 今年度は在宅療養後方支援病院として医療連携 と介護・福祉との連携をさらに強化しなければな りません。各市町には地域包括支援センターがあ りますが、1市5町の在宅医療・介護連携支援セ ンターを統合したセンターを立ち上げ、足柄上地 域が広域的な包括的医療・介護連携のモデル地域 となるべく足柄上病院がその中心的役割を担うよ う職員全体で共通認識を持ってほしいと思います。 その結果として県立足柄上病院のブランド化、医 師不足の解消へとつながる事を期待します。
スポーツ活動中、身体に急激な大きな力が加わ っておこるケガを「スポーツ外傷」と言います。 一方、繰り返される動作が原因で身体の特定部位 (骨、筋肉、靱帯)が酷使されることによってお こる故障を「スポーツ障害」と言います。 応急処置(RICE 処置) スポーツ中にケガ人がでたときの応急処置は、 「RICE」が基本です。これは患部の出血や腫脹、疼 痛を防ぐことを目的に、患肢や患部を安静(Rest) にし、氷で冷却(Icing)し、弾性包帯やテーピ ングで圧迫 (Compression) し、患肢を挙上する (Elevation)ことです。「RICE」はこれらの頭文字 をとったものであり、スポーツを始め、外傷の緊 急処置の基本です。不慮のケガに備えて、止血・ 消毒・保護材料や、冷却・固定材料を携帯してお くとよいでしょう。 捻挫 さて、スポーツ外傷を部位別にみると、多い方 から①足関節、②手・手指③膝の順となります。 これは足関節捻挫、突き指の多さを表しています。 皆さんの中にも、足関節捻挫の経験がある方が少 なからずいることでしょう。スポーツに限らず、 日常生活でも生じ得るありふれたケガですが、た かが捻挫といって侮ってはいけません。捻挫で外 来を受診される患者さんの中には、「靭帯断裂」 や「骨折」を伴う場合があります。 捻挫は関節周囲の関節包・靭帯などの軟部組織 を損傷した状態ですが、その程度は様々です。一 般には靭帯の損傷程度で重症度を3段階に分類し ますが、最も重症な靭帯の完全断裂では関節の動 揺性が出現します。適切な初期治療を怠ると、関 節のぐらつきが残ることや、将来的に変形性関節 症に至ることがあり注意が必要です。また、靭帯 が断裂するかわりに、靭帯付着部の骨が剥がれる 剥離骨折という状態になる場合もあります。重傷 の捻挫の場合はギプスなどで固定したり、不安定 性が強いものには手術したりすることもあります。 捻挫だからと自己判断で済ませず、整形外科医の 診察を受けましょう。 突き指 突き指もありふれたケガですが、注意が必要で す。ボールなどが指先に当たって突き指してしま った後、指の第1関節が曲がったまま伸びなくな ってしまう状態を槌指といいます。槌指は2つの タイプがあり、1つは指をのばす伸筋腱の断裂で、 もう1つは腱付着部の骨折です。装具や副木によ る保存治療で良い場合と、手術を必要とする場合 があります。 アキレス腱断裂 30∼50歳代で気をつけたいのがアキレス腱断裂 です。アキレス腱も老化で柔軟性が低下し、傷み やすくなります。子供の運動会や、健康のための スポーツで中高年が受傷します。運動前のみなら ず普段からストレッチを心がけ、何よりダッシュ やジャンプなどを避け、あまり無理をしないこと をお勧めします。
藤 原 稔
ふじ わら みのるスポーツ外傷と
スポーツ障害
整形外科 医長厚生労働省「健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料」(平成24年7月) 日本は世界有数の長寿国となりました。しかし 平均寿命と健康寿命には差があるといわれており、 健康を保つために毎日正しい内容の食事を規則的 に摂る必要があります。食事は年齢や性別によっ てその必要量は異なりますが、食事の基本は、主 食、主菜、副菜の3つを揃えると栄養バランスが 自然とよくなります。 (嚥下食・敬老の日) 〔肥満、糖尿病、脂質異常症の予防・改善〕 和食"は、2013年12月にユネスコ無形文化遺産 に登録されるなど世界的にも高い評価を得ていま す。和食のもつイメージとして「ヘルシーで身体 に良い」という点があると思います。肥満や糖尿 病や脂質異常症を予防・改善したい方は、食生活 に和食を積極的にとりいれてみましょう。 〔健康維持と食事〕 毎日の食生活のなかで、栄養のバランスに気を つけながら食べることは大切です。しかしながら 75歳以上の方では、栄養バランスのよい食事とい うことの前に、栄養の摂り方自体が少ない方も多 くみられます。75歳以上では体重が少し減ってき たなとなる前に食べられるものからしっかり食べ て下さい。できれば良質のたんぱく質はよりしっ かり摂るようにして下さい。 栄養管理科では、生活習慣病予防の栄養相談や、 高齢で少食になりそのため体重が減ってきてしま った、食べ物の飲み込みが悪くなって食事量が減 ったなどの栄養相談を行なっています。これら栄 養摂取でお困りがあるなどの時は、医師または管 理栄養士にご相談下さい。 (常菜食・敬老の日)
杉 野 万 紀
すぎ の ま き健康と食事
栄養管理科長医療安全週間に向け、松田町小中学生の皆様に「心温まる医療」「安心安全な医療」などを
テーマに絵画ポスターを募集しました。10の力作のご応募があり、 月には全作品を院内に展
示させていただきました。中から病院長賞 名(小学生 渡辺菜瑠真さん・中学生 後藤莉穂さ
ん) 副院長兼医療安全推進室長賞 名(小学生 小澤凛子さん)副院長兼看護局長賞 名(小
学生 永井愛都さん)を選出し、表彰状をお送りしました。病院にお見えになる患者さんだけ
でなく働く職員も素敵なポスターに励まされました。
∼ アイデアあふれる作品のご応募、ありがとうございました。∼
「医療安全週間」絵画ポスター 入選作品紹介!!
抗がん剤、新型輸液ポンプ、膀胱留置カテーテル、胃ろうの取り扱い方、手洗いチェック、
スキンケア、口腔ケア、オムツの当て方の演習、トロミ食の試食など、【やってみよう・見て
みよう】コーナーを設けました。認定看護師、管理栄養士、業者の協力のもと、たくさんの情
報を得ることが出来ました。院内の職員や来院の方々にも参加していただき盛況でした。
医療安全週間の新たな企画
やってみよう・見てみよう
報を得ることが出来ました。院内の職員や来院の方々にも参加していただき盛況でした。
http://ashigarakami.kanagawa-pho.jp/