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障害児に対する口腔ケアの意義 感染予防 = 器質的アプローチ 1 口腔疾患 ( う蝕 歯周疾患 感染性口腔粘膜疾患 ) の予防 2 呼吸器感染症 ( 誤嚥性肺炎やインフルエンザなど ) の予防 3 口腔内細菌による二次感染 ( 細菌性心内膜炎など ) の予防 口腔機能の維持 ( 廃用予防 ) 向上

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Academic year: 2021

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(1)

小児の口腔ケア基本的な考え方

• 神奈川県立こども医療センター歯科

講義 佐々木(25分)

1)口腔ケアの概論

2)口腔ケアの姿勢

3)口腔ケアの材料

4)口腔ケアの方法

5)口腔の観察ポイント

5)口腔ケアに際してのリスクと安全

演習 岡野、後町(30分)

1)基本的な口腔ケアの手技の理解

2)各症例による口腔ケアの手技の理解

1

(2)

障害児に対する口腔ケアの意義

・感染予防 =器質的アプローチ ①口腔疾患(う蝕、歯周疾患、感染性口腔粘膜疾患)の予防 ②呼吸器感染症(誤嚥性肺炎やインフルエンザなど)の予防 ③口腔内細菌による二次感染(細菌性心内膜炎など)の予防 ・口腔機能の維持(廃用予防)・向上 =機能的アプローチ ①摂食・嚥下機能の維持・向上 ②口腔内爽快感、口腔感覚(味覚や触覚など)の向上に伴う 食欲の増進 ③口腔機能の向上に伴う構音機能の改善(言語の明瞭化) ・全身の健康の維持・向上 (発熱や肺炎の予防効果) ・要介助者とのコミュニケーション =心理的アプローチ (心地よさの提供、脱感作や異常感覚軽減) 2

(3)

口腔ケアの実施時期からみた意義

急性期(発症後1カ月まで) 肺炎と口腔器官の廃用を予防するために、口腔清掃を中心に 実施して身体や意識状態の改善援助を行う。 回復期(発症後9カ月前後まで) 状態改善により負荷量の増加が可能となった時点で、円滑な 食生活を営めるように清掃のみならず機能も支援する。 維持期(発症後9カ月後~) 口腔の残存機能の維持、食生活における自立支援、介護負担 の軽減を図る。本人に適した生活環境の整備を援助し、社会 参加を促す。 終末期 口腔ケアによる心地よさや爽快感を提供して苦痛の緩和を図 る。口腔ケアを通じたコミュニケーショによる心理的支援を 行う。 3

(4)

口腔ケアの位置づけ

・一次予防

疾病の発生を未然に防止すること

う蝕・歯周病の予防のためのブラッシングや、 甘味物のコントロール etc

・二次予防

疾病の早期発見、早期あるいは適時治療

口腔の検診、予防処置 etc

・三次予防

疾病の発症後、症状が悪化するのを防ぎ、

治療に導くこと

う蝕治療、リハビリテーション etc 4

(5)

経管栄養中の口腔環境の諸問題と対策

• 唾液分泌の低下

• 自浄作用の低下

口腔細菌の増加 口臭の発生 歯石の沈着

・廃用委縮による摂食・

嚥下機能の低下

・管の汚染などから

誤嚥性肺炎リスクの増大

機能的口腔ケア 摂食機能療法 管の衛生管理 器質的口腔ケア 口渇を助長する要因 (口呼吸、開口状態、挿管、発熱、薬剤の副作用)

(6)

口腔乾燥による影響

・歯のう蝕と侵食

mutans連鎖球菌、乳酸桿菌による)

・歯肉炎

・口腔真菌感染症(

Candida albicansによる)

・味覚障害

・嚥下障害

・義歯の使用困難

QOLの低下

6

(7)

小児の口腔ケアの基本

ケアの姿勢

ケアの材料

ケアの方法

(8)

良い姿勢、悪い姿勢

ー口腔ケアの環境を整えるー

良い姿勢 悪い姿勢

ケアに適した姿勢

唾液が垂れ流れ易い ・頸部は過度に伸展・屈曲しない ・反り返ったり、全身を突っ張る方は、膝と股関節を曲げた姿勢 (ボールポジション)をとらせる→緊張のコントロール ・呼吸が安定する ・唾液が適時に口腔から咽頭へと移動するあるいは吸引できる ・介助者が無理なく介助できる 8

(9)

口腔ケア用品例

(10)

口腔の保湿剤の要件

・塗布しても口腔内に厚くならず、除去も容易

・保湿時間が長く、乾燥時残留物が残らない

・唾液に溶解し、口腔内に長期間残留しない

・消化管、気管に入っても為害作用がない

・う蝕や歯周病などの誘因とならない

・低コストである

ブラシに保湿 ジェルをつける 指に乗せて広げます 10

(11)

流 動 性 乾 燥 流 動 性 加 湿 溶解性 混入物 溶出 厚み伸び 乾燥残留物 コスト (対ワセリン 比) ビパジェルエット (東京技研) 60 70 ++ +++ 51.5 - 5.3 フィットエンジェル(パナソ ニックデンタル) 35 40 +++ +++ 43.9 - 9.8 オーラルケアアジェル (GC) 25 30 +++ +++ 41.1 + 8.3 ウエットキーピング(オー ラルケア) 10 15 ++ ++ 37.4 - 9.8 アクアマウスジェル 0 0 - + 37.4 ++ 10.5 オーラルリフレ 25 25 + ++ 51.3 - 12.6 オーラルバランス 0 5 - + 36.3 ++ 15.8 白色ワセリン 0 0 - - 40.1 ++ 1.0

保湿剤の物性評価結果

看護技術, 2009

(12)

①頬の内側 ②唇の内側 ③舌の上 ④上あご 《こんな方におすすめです》 ・お口の中に過敏や緊張があってハミガキを嫌がる ・お口の中に食べかすが残っている ・舌(舌(ぜっ)苔(たい))や上あごに汚れが着いている ・お口の中の乾燥があり、出血しやすくなっている ・お口から食べていない場合(お鼻・胃ろうから注入など)

モアブラシ

ミニモアブラシ

ブラシが丸く 全体が毛でおおわれて ソフトな感触 「オーラルケア」ガイドより参照 12

(13)

口腔ケアの方法

・口腔清拭法 対象:含嗽ができない意識障害あるいは 経管栄養中など、重度の嚥下障害、唾液分泌の低下 材料:モアブラシ、スポンジブラシ など

歯磨き法 歯垢の除去:歯ブラシ、デンタルフロス、ICUブラシ ・含嗽法「ブクブク」「ガラガラ」 条件:1 意識明瞭 2 口唇を閉じ、水を口の中にためておける 3 頬・舌を動かせる 4 水を吐き出せる 5 頭をのけぞらせられる。

(14)

口腔粘膜の清掃法

• 機能的清掃法: 唾液

• 化学的清掃法: 洗口剤 消毒剤

• 機械的清掃法:

綿(綿球、綿棒)

ブラシ(スポンジ、モアブラシ)

ガーゼ、不織布

口腔乾燥が強い場合は、保湿剤などにより口腔粘膜

を湿潤させておくと、粘膜への汚れの付着を予防する

ことができる。

14

(15)

口腔清拭の手順

遠心から近心へ、 後方から前方への清 拭が基本 口腔前提から始め、 固有口腔へと進めて いく

(16)

口腔粘膜清掃の効果

水 粘膜清掃後のモアブラシ洗浄水は にごっている

(17)

舌の清掃法

• 舌苔:舌背への付着物で、白色から褐色または

黒色を呈する。剥離上皮、唾液成分、食物残渣、

白血球、リンパ球、微生物などが停滞することに

より生じる。

• 疾病による口腔機能低下、禁飲食、服薬による

唾液分泌の低下、抗菌薬の長期投与や免疫力

低下などによる菌後退現象が、口腔環境を悪化

させ、舌苔量を増加させる。

(18)

経管栄養中の患者などでは、粘膜面にゼリー状の プラークが沈着していることがある。 十分に開口させる。粘膜に傷が付かないように 水分を吸収させて拭き取る 清掃前 清掃後 18

(19)

不正咬合を認めるが、歯や軟組織は健康な状態 (脳性麻痺児)

(20)

口腔粘膜の清掃例

乾燥がある 洗口液をスポンジ ブラシに付け、口 腔内全体に 塗布 して潤す 乾燥し、痂皮がある 保湿ジェルまたは洗口液をあらかじめ 塗布して痂皮を膨潤化させる 舌苔がある場合は、舌苔を洗口液で あらかじめ柔らかくする 洗口液を付けたスポンジブラシ (また はモアブラシ)で汚れを優しくふき取る。 水でブラシを洗い、絞る 再度洗口液を付け、汚れを取る 繰り返す 乾燥はない 歯磨きへ 20

(21)

筋緊張が強い方へのケア例

口腔過敏が

ない ある 口腔周囲から の過敏の除去 安静時の筋緊張が ない ある 緊張の無い時間の利用 やケア体勢の工夫 頬・唇側のケアは できる できない 口唇・頬の筋刺激訓練 声かけや歯ブラシをあてる 合図で短時間の開口は できる できない 数を数えながら短時間 単位での咬みあわせ や舌側のケア 奥歯に動揺歯が ある または わからない ない 無理せず歯科に相談 短期的には、臼歯部後方スポットの刺激での開口 誘導や、歯ブラシの柄など咬ませる可及的工夫を 図りながら、緊張を減らす脱感さを行う 21

(22)

器質的口腔ケアのための口腔観察のポイント

目でみるポイント

① 歯の有無、状態、部位

② 歯の動揺の有無

③ う蝕や治療された歯において、鋭縁部分の有無

④ 歯肉など軟組織からの出血の有無

⑤ 口腔粘膜の病変や異常の有無

(角化、潰瘍、腫脹、出血、カンジタ、舌苔など)

⑥ 乾燥状態

⑦ 衛生状態:食物残渣の状況、セルフケアの状況

22

(23)

口腔の観察のポイント

見えないポイント

① 疼痛の有無

② 口臭の有無

(24)

病態に応じた手順・方法の選択

• 対象者の病態に応じた安全・安楽な体位の選択

• 対象者の病態に適した口腔ケアの用具の選択

• 口腔ケア時に疼痛を助長しない方法の選択

• 口腔内の異常による苦痛を緩和できる薬剤の選択

• 口腔粘膜を保護・唾液分泌を促進し、保湿・加湿を

図るための方法や保湿剤の選択

• 口腔内細菌を減少させ、かつ苦痛を与えない含嗽剤

の選択

24

(25)

口腔ケア時の注意点

・口腔ケアの前に覚醒状態を確認する 覚醒が不十分であると、無意識に水や分泌物が咽頭に流 入して誤嚥の危険性が高まる。「声かけ」を行ったり、口 の周囲から刺激するなど、口腔ケアを行うことを意識させ、 覚醒させる。 ・できる限り口腔内に水分をためない 嚥下機能が低下している障害児・者は口腔内に水を貯留 するのが困難。 ・看護・介助者に起こりうる事故 (感染、外傷、衣服の汚染、装置や義歯の紛失)

(26)

口腔ケアを安全に楽しく

進めるために

• 評価に必要な情報の収集

• 病態に応じた手順・方法の選択

• 適切な食事介助

• 成長や自立を意識した教育と指導

• 患児をかこむ看護・介助者の間での

コミュニケーション

26

(27)

参考文献等

・口腔ケアと摂食・嚥下リハビリテーション, 財団法人 口腔保健協会, 2009 ・口腔ケア基礎知識 日本口腔ケア学会、永末書店, 2008 ・歯ブラシ辞典 , 学建書院,, 2012 ・歯育て支援 Q & A, クインテッセンス出版, 2009 ・口腔ケアにおける保湿剤の必要とその効果, 看護技術, 55:65-76, 2009 ・う蝕予防に活かせるエビデンス, クインテッセンス出版, 2009. ・小児歯科学 第4版, 医歯薬出版, 2011

・Lockhart et al., Bacteria associated with toothbrushing and dental extraction, Circulation 107: 3118-3125, 2008

参照

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