1 テクニカルリファレンスマニュアル 第2版 2011年7月20日
2 目次 第1章 はじめに ...4 1.1 テクニカルリファレンスマニュアルについて ...4 第2章 座標系と回転の定義、単位系 ...4 2.1 座標系の定義 ...4 (1)座標 ...4 (2)回転 ...5 2.2 原点座標の考え方 ...6 (1)平面 (円形、矩形、球面、シリンドリカル) ...6 (2)3 次元形状系(球体、立方体、円錐、シリンダ、ファセット) ...7 (3)光学 (球面レンズ、矩形レンズ) ... 10 (4)階層構造の場合 ... 12 第3章 光源 ... 13 3.1 光源の指定 ... 13 3.2 放射タイプ(発光方式) ... 13 (1)完全拡散面光源(Lambertian) ... 14 (2)Isotropic 光源(均等点光源) ... 14 (3)ビーム拡がり角 ... 15 (4)任意分布 ... 18 3.3 分光特性... 24 (1)波長範囲 ... 24 (2)ウエイト ... 24 (3)分割数の考え方 ... 24 (4)分光特性の「CSV読込」 ... 25 (5)「評価」タブの分光特性との関連性 ... 26 3.4 放射束(光束) ... 27 3.5 光源の分光特性と放射束(または光束)の考え方 ... 27 3.6 放射量と測光量 ... 28 (1)指定方法 ... 28 (2)基本式 ... 28 第4章 光学系... 29 4.1 追跡の考え方 ... 29 4.2 平面における屈折の考え方 ... 30 (1)円形、矩形、球面、シリンドリカル ... 30 (2)事例 ... 31 (3)バルサム設定 ... 33
3 4.5 材質指定... 34 (1)吸収率、透過率、反射率 ... 34 (2)入射角による反射率 ... 35 (3)それぞれの指定の計算の順位 ... 36 (4)その他 ... 36 4.6「完全拡散面+ガウス」指定 ... 37 (1)完全拡散面... 37 (2)ガウス分布... 37 (3)拡がり角指定 ... 41 4.7 「ガラス編集」 ... 42 第5章 評価 ... 43 5.1 留意点 ... 43 (1)評価面の表と裏 ... 43 (2)スムーシング ... 43 (3)評価面の指定 ... 43 5.2 放射照度(照度) ... 43 (1)分割数 ... 44 (2)波長と分割数 ... 44 (3)繰り返し数... 45 5.3 放射輝度(輝度) ... 46 5.4 放射強度(光度) ... 47 (1)定義 ... 47 5.5 色の分布マップ ... 48 (1)目視評価の事例 ... 48 (2)電子画像の場合 ... 50 第6章 おわりに ... 51
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第1章 はじめに
1.1 テクニカルリファレンスマニュアルについて ・この「テクニカルリファレンスマニュアル」は、「照明SimulatorCAD」のご利用に際 して、技術的な視点から事例を交えてご説明するものです。操作を中心にご説明する「操 作マニュアル」と合わせてお使いいただくことで、「照明SimulatorCAD」の理解をより 深めていただくことを目的とするものです。 ・「照明SimulatorCAD」のメニューバーに常に表示されている アイコンをクリック して>[サポートWebページ]から開発・発売元である株式会社ベストメディアの専用We bサイトにアクセスすることで、常に最新のバージョンのマニュアルをダウンロードする ことができます。 ・内容の著作権につきましては、全て株式会社ベストメディアにありますが、マニュアル についてはデータの複製や、印刷は自由です。第2章 座標系と回転の定義、単位系
2.1 座標系の定義 (1)座標 「照明SimulatorCAD」全体を通じて座標系は下図の様に、いわゆる「右手系」で定義し ています。全体の配置で基本となる原点(グローバル座標の原点)及び、それぞれの部品 の座標系と符号の関係は下記の様になります。部品の中心位置は局所的に原点を定義して ローカルで位置などを指定する場合(ローカル座標)もあります。(「2.2 原点座標の考 え方」 参照) Z(+) 平面 全系(グローバル座標)の原点(0,0,0) X(+) Y(+) 光源 3次元形状 平面(評価面) ・実際の画面 レンズ ・座標イメージ5 (2)回転 偏芯入力などで利用する、回転角はX,Y,Zの各軸を回転軸とした下記の様な関係にな ります。本マニュアルでは、X、Y、Zそれぞれの回転角をα、β、γと呼びます。 (3)単位系 SI単位系に基づいての表記を基本とするため、評価時の各測光量はm(メートル)単位を使 用していますが、光源や光学系の入力値については、慣習上最も利用頻度の高い単位を使 用しています。 ① 光源やレンズなどの各部品サイズや位置関係 : mm ② 波長 : nm ③ 角度 : 度(deg) ④ 評価で評する各値は、以下の A.放射量または、B.測光量を選択して使用します。 A.放射量
・放射束(Radiant Flux):watt ・放射照度(Irradiance):watt/ m2 ・放射輝度(Radiance):watt/sr/ m2
・放射強度(Radiant Intensity):watt/sr B.測光量 ・光束 (Luminous Flux):lm ・照度(Illuminance):lx = lm/ m2 ・輝度(Luminance):lm/sr/ m2 ・光度(Luminous Intensity):cd = lm/sr Z(+) X(+) Y(+) α(+) Y(+) X(+) Z(+) β(+) α:X軸を回転軸とします。 X軸の正方向から見て左 回りを正とします。 β:Y軸を回転軸とします。 Y軸の正方向から見て左 回りを正とします。 Y(+) Z(+) γ:Z軸を回転中心とします。 Z軸の正方向から見て左 回りを正とします。 γ(+)
6 2.2 原点座標の考え方 「照明SimulatorCAD」は 平面系(円形、矩形、球面、シリンドリカル)と 3 次元形状 系(球体、立方体、円錐、シリンダ、ファセット)、そして、光学系(球面レンズ、矩形レ ンズ)それぞれについては、パレット中心のグローバル座標原点とは別に、ローカル座標 を設定しています。 (1)平面 (円形、矩形、球面、シリンドリカル) 平面は共に、その形状の回転中心をローカル座標の原点と考え ます。すなわち、「位置」の「X,Y,Z」の値を入力すること でグローバル座標原点に対する、ローカル座標の原点の位置を 設定することができます。また、更に回転中心の指定は、ローカル座標の中心から各軸方 向に、ずらしたい量(X,Y,Z)の値で指定します。 球面(非球面)の場合は、面(近軸R)の頂点がこのローカル座標の中心となります。 位置 Z10 円形の ローカル座標原点 位置 Z10 球面(非球面)の ローカル座標の中心 × 曲率 11 曲率中心 ×
7 シリンドリカル面の場合は、面の頂点かつ、回転対称の中心点がこのローカル座標の中心 となります。 (2)3 次元形状系(球体、立方体、円錐、シリンダ、ファセット) ・球体はその曲率半径の中心がローカル座標中心となる。 ・立方体はその回転中心がローカル座標中心となる。 位置 Z10 シリンドリカル面の ローカル座標の中心 位置Z20 立方体の ローカル座標中心 10 20 30 高さ 10 幅 20 半径 10 曲率11 球体の ローカル座標中心 曲率中心 × 位置 Z20
8 ・円錐ではその頂点位置がローカル座標中心となる。 ・シリンダでは奥行きの中面上の面中心がローカル座標中心となる。 半径10 位置 10 円錐の ローカル座標中心 奥行20 半径 10 奥行20 位置Z 20 シリンダの ローカル座標中心
9 ・ファセット ファセットはCSVデータによって読み込んだ(Y、Z)座標が(0、0)の場所がロー カル座標の原点となります。 CSVデータの元となる、EXCEL データ、お よびそれを読み込んだウインドです。 本形状は下図のように、外形を10等分した平 面を組み合わせた、回転対象な形を事例として、 考えます。 × 位置Z 10 × 位置Z10 5 8 11 14 ファセットの ローカル座標中心 6 8 10 15 17
10 (3)光学 (球面レンズ、矩形レンズ) 主にレンズを想定して、一体型の形状として設定する物体となります。 ・球面レンズ 円形の外形を持つ、球面(または非球面、平面)により2つの面が構成された光学部品の 場合となります。球面レンズの場合は前側RのR(曲率半径)の面頂がローカル座標中心 となります。 位置Z10 位置Z10 球面の ローカル座標中心 × 球面の ローカル座標中心 間隔 6 CIR 10 前側 R15 後側 R50
11 ・シリンドリカルレンズ(矩形レンズ) 矩形の外形を持つ、シリンドリカル球面(または非球面、平面)により2つの面が構成さ れた光学部品の場合となります。シリンドリカルレンズの場合は前側RのR(曲率半径) の面頂かつ、「高さ」の中心線との交点がローカル座標中心となります。 位置Z 10 シリンドリカルレンズ のローカル座標中心 × 間隔6 位置Z 10 シリンドリカルレンズ のローカル座標中心 × 高さ(Y方向) 25 前側 R15 幅(X方向) 20 後側 R50
12 (4)階層構造の場合 「照明SimulatorCAD」では、各部品に階層構造を持たせて、グループ化させることがで きます。この場合、上位階層のローカル座標原点が、入れ子の部品の座標原点となります。 左の事例は、「円形1」という物体の子供に「円形2」という物体を設定した場合となりま す。 × × 円形1 円形2 × 位置Z 10 × 位置Z 10 円形1 円形2
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第3章 光源
「照明SimulatorCAD」では、「物体」で選択した部品の内、一部を光源として指定する ことができます。そして、指定した光源について「プロパティ」タブで発光特性を設定し て行きます。ただし、現在のバージョンでは、CADデータとしてインポートした形状を 光源とすることはできません。 3.1 光源の指定 「物体」のうち、「円形」「矩形」「球体」「立方体」「シリンダー」を光源指定することがで きます。また、それぞれの物体は「点光源」を指定することで、物体のローカル座標原点 上の仮想の1点からの発光を「Isotopic」として指定する事ができます。ただし、この場合、 「材質」のプロパティ欄に指定されたとして扱われた、完全拡散などの面や硝子の内容は 無視されますのでご注意ください。外形の形状を無視して理想的な点光源として、発光状 況を適宜確認する場合などにご利用ください。 3.2 放射タイプ(発光方式) 光源のタイプ毎に放射タイプ(発光方式)を選択できます。各光源タイプで、選択可能と なる方式の組合せにつきましては、下記の一覧をご参照ください。 放射タイプ(発光方式) 点光源 矩形平面 円形平面 立体 球体 円柱 シリンダー 完全拡散面光源 × ○ ○ × × × Isotropic(均等点光源) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ビーム拡がり角 × ○ ○ × × × 任意分布 面積分布 × ○ ○ × × × 一様面分布 × ○ ○ × × × 角度分布 × ○ ○ × × × 鉛直 × ○ ○ × × ×14 (1)完全拡散面光源(Lambertian) ・完全拡散面光源は、発光面上のすべての場所におい て、光源を望むすべての方向に対しての放射輝度(輝 度)が一定な面光源です。 ・モンテカルロ法によりランダムに光線を発生させた 時、「どのような角度から観測しても、単位立体角(S r)あたりでは常に光源の観測方向からの見かけの光 源面積に比例した放射束(光束)が観測される」様に、 光線を分布させています。 ・対象となるのは、「矩形(平面)光源」と「円形(平面)光源」です。 ・光源面のローカル座標で、Z軸の正方向に向かっている面が発光面となります。 (2)Isotropic 光源(均等点光源) ・Isotropic 光源は光源を望むすべての方向に対しての放射強度(光度)が一定の光源です。 ・「矩形(平面)光源」と「円形(平面)光源」についても、立体光源と同様に「Isotropic」 の発光方式を選択することが可能です。ここで、「Isotropic」を選択した場合は、それぞれ の平面上に一様ランダムに面積分布した点から、半球状の方向に対して、一様ランダムに 光線を発射させます。 ・「球体」、「立方体」、「シリンダー」の「ボリューム」については、それぞれの形、大きさ を持った立体領域の内部に、Isotropic な点光源がランダムに分布するようにして、光線の 発射位置を決定しています。そして、それぞれの点から、360 度の全周方向に均等の確率で 光線が発射されるように、自動設定されます。 発光面 球体 円柱 シリンダー
15 ・「照明 SimulatorCAD」では、CADデータを元にした、光源形状は現行のバージョン では対応をしておりませんが、例えばフィラメントを円柱光源でモデル化するなど、基本 構成の組み合わせで、実際の光源をモデル化してご利用いただくことはできます。 以下は、その事例となります。 例 薄い円柱の組み合わせ (3)ビーム拡がり角 レーザダイオード光源などガウシアンビーム光源の時に使用します。指定対象となるのは、 「矩形(平面)光源」と「円(平面)光源」です。 ビームの拡がり角は、光源についての放射強度(強度)分布を考えた時に、このピークの 半値全幅 (full width at half maximum, FWHM)の角度を指定することで、ガウシアン分布 の形を設定しています。 X方向とY方向の放射強度分布を I 、 0e 2 α 2G + β 2G α : X軸を回転軸とした光線の射出角度 β : Y軸を回転軸とした光線の射出角度 G : X軸を回転軸とした光線のガウシアン係数 G : Y軸を回転軸とした光線のガウシアン係数
16 とすると、
「照明SimulatorCAD」では、ガウシアンモード(正規分布)を前提としていますので、 G =1、G =1
また、半値全幅 (full width at half maximum, FWHM)の時の θ、Iは次の様に表すこと ができるので、 ( 1 2I0 、 1 2I0 )= 0e 2 α 2 + β 2 ここから、αと 、βと の関係は α= 2 2 = 0.8493218 β= 2 2 = 0.8493218 例えば、 が20度の時のαの値は16.986 となります。 実際には、半値となる時のαの角度を「θ//」で、そして、半値となる時のβの角度を「θ ⊥」で指定しますと内部的な計算で適切な放射強度分布が光源に与えられます。 発光の面積分布については一様面分布で考えます。
17 事例 縦横の分布が異なる場合 無偏芯状態でα方向の放射強度分布の半値角度「θ∥」=「20 度」 β方向の半値角度「θ⊥」=「10 度」として設定した、1watt の平面光源の発光面の直後 に評価面を置き、放射強度分布をシミュレーションした結果です。 放射強度分布結果をSCV出力して、表計算ソフトでグラフにすると、 ピークの半値が20 度と 10 度になっていることが分かります。 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 -60 -40 -20 0 20 40 60 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 -60 -40 -20 0 20 40 60 放射強度分布比 β 20 度 角度(度) 角度(度) α 放射強度分布比 α β x α Y β 10 度
18 (4)任意分布 任意分布の対象となるのは、「矩形(平面)光源」と 「円(平面)光源」です。「任意分布」についてはそ の下に表示される「任意分布種類」として A.のい ずれかより選択します。また、A.と B.は同時に選択 することができます。 A.「面積分布」または「一様面分布」 B.「角度分布」 ※「完全拡散」指定、「Isotropic」指定、「ビーム拡 がり角」指定をした場合は「面積分布」「一様面分布」 「角度分布」の指定をすることはできません。 ① 任意分布の種類 任意分布の種類は、平面構造の光源上の発光位置の 分布として、次の C. 、D.いずれかより選択しま す。 C.「一様面分布」 D.「面積分布」 「面積分布」を指定する時は、同時に(ガウス分布の1/e^2 となる半径)=ω(mm) でガウス分布の形状を指定します。 「一様面分布」の場合 「面積分布 ガウス分 布で1/e^2 となる半 径」の場合 C.一様面分布 D.面積分布
19 C.「一様面分布」を指定した場合 矩形の場合は「サイズ」の「x」と「y」とで指定された面積内で、指定された光線本数 が全て、その発光位置が一様な2次元の分布になるように光線を発生させます。円形の場 合は「半径」で指定された面積内で、同様に発生させます。 D.「面積分布」を指定した場合 放射強度(強度)は下記の式で表します。ここでは、最も発生頻度の高い中心位置での発 生確率を1とすると、発生確率が1/e2=0.135 となる位置を実寸(mm)の半径で与える ように計算します。
I R I
0e
2 R2 2 I(R) : Rの位置での放射強度(強度) ω : 放射強度(強度)I(R)がピークの 1/e2(≒0.135)に落ちる半径(mm) R : 実際の位置としての半径 R I0 : ピーク放射強度(強度)20 事例) 円(平面)光源の1/e2の半径0.2mm として指定した場合 事例) 円(平面)光源の1/e2の半径0.5mm として指定した場合 0 1 0.135 半径R 分布頻度 分布頻度 0.135 1 半径R 0 0.5mm 0.2mm =ω =ω
21 事例) 円(平面)光源の半径0.25、1/e2の半径ω=0.5mm とした場合 ガウス分布の頻度が値を持っていても、光源の境界エリアでは、途中で分布を断ち切りま す。 事例) 矩形(平面)光源のx0.5、y0.5 1/e2の半径ω=0.5mm とした場合 矩形の場合は、同心円状にガウス分布を発生させ、矩形の境界領域で分布を断ち切ります。 0.25mm 光源の境界位置 0.25mm 0.25mm 光源の境界位置
22 ②角度分布の指定 ・「矩形(平面)光源」と「円形(平面)光源」については、放射強度(Watt/sr)(または 光度(lm/sr))の角度分布を任意に指定することができます。CSVデータからのインポー ト若しくは、直接テーブル上に角度とウエイトのペアで指定してください。LEDなどの 光源メーカ各社のカタログ値の配光特性値をこの分布に入力してご利用ください。この配 光特性値は、比較的光源から離れたファーフィールド位置での配光特性を示していること が一般的です。 ・ウエイトは、パーセント(98.9、35.00、・・・など)表記でも、実数(0.98、0.35・・・など) のいずれでも結構です。内部で自動的にピークの値で規格化します。 ・角度と角度の間は、スプライン方式で補間します。 ・光線の発射座標に立てた、面の法線の周りに回転対象で分布させます。 放 射 強 度 比 ( W / s r ) 放射角度(度)
23 ・角度分布の「CSV読込」 読込時に作成するCSVファイルの並びは、角度列とウエイト列を考え、行ごとに、「角度」 と「ウエイト」のペアで作成していきます。利用するアプリケーションによって、表示は 異なりますが、汎用的なスプレットシートでは下記の様な入力となります。 CSVファイルでの角度は、1度を最小単位、間隔は非等間隔でも等間隔でも問題はあり ません。「ウエイト」の変化が大きい角度部分では細かく、変化が小さい角度部分では粗く 設定することで、効率的になめらかな分布曲線の指定ができます。 角度は、必ず0度から180度については指定してください。また、行番号が若い方が0 度で角度が増加する並びで作成してください。 ウエイトは、パーセント(98.9、35.00、・・・など)表記でも、実数(0.98、0.50・・・など)の いずれでも結構です。内部で自動的にピークの値で規格化します。 角度列 ウエイト列
24 3.3 分光特性 光源はひとつの発光単位に対して、分光特性(波長によるウエ イト)を指定できます。 (1)波長範囲 波長範囲は 380nm から 780nm までとなっており、デフォル トではこの全ての波長に、同じウエイト1が設置されています。 何も入力しない場合はこの設定が反映されます。 指定可能な波長範囲は 100nm から 10,000nm までとなっています。ただし、透過の光学部品として硝子を利用する場合は、硝 子メーカ各社の基本データでその波長の屈折率が正しいということが確認されていること を前提とします。 (2)ウエイト ウエイトは、パーセント(98.9、35.00、・・・など)表記でも、実数(0.98、0.50・・・など)の いずれでも結構です。内部で自動的にピークの値で規格化します。 波長と波長の間は、直線にて補間します。 (3)分割数の考え方 短波長側の「開始波長」と、長波長側の「終了波長」を nm 単位で入力します。次に、分 割数を入力します。これらの値に基づき、内部で自動的に均等に波長を分割します。 ・例 「開始波長」「400」、 「終了波長」「600」、 「分割数」「2」 とすると、400、500、600 の3つの波長が設定されます。 ・例 「開始波長」「400」、「終了波長」「800」、 「分割数」「16」 とすると、400、425、450・・・ 725、750、775、800 の、25nm おきで17個のテーブルが作られます。 ・例 単―波長の追跡をしたい場合は、3波長で設定して必要な波長のみウエイトを1と して、設定します。 たとえば、「587.56」nm で追跡を実施すると きは、「開始波長」「487.56」、「終了波長」 「687.56」、「分割数」「2」 とし、487.56、 587.56、687.56 と表示されますので、587.56 のみに1、それ以外に0 のウエイトを指定し ます。 ・直接波長とそのウエイトをテーブル上に入力、指定することも可能です。
25 (4)分光特性の「CSV読込」 ・読込時に作成するCSVファイルの並びは、波長列 とウエイト列を考え、行ごとに、「波長」と「ウエイ ト」のペアで入力していきます。利用するアプリケー ションによって、表示はことなりますが、汎用的なス プレットシートでは下記の様な入力となります。 ・波長は等間隔で並んでいる必要はありません。内部 で直線補完をして必要な波長のウエイトを算出しま す。 ・ウエイトは、パーセント(98.9、35.00、・・・など) 表記でも、実数(0.98、0.50・・・など)のいずれでも 結構です。内部で自動的にピークの値で規格化します。 ・代表的な分光特性については、随時サポートサイト にデータとして公開して参りますのでご利用くださ い。 波長列 ウエイト列
26 (5)「評価」タブの分光特性との関連性 「評価」タブで、波長範囲として追跡開始波長と終了波長、波長分割数を指定します。 通常、光源で設定した波長全体をカバーする様に指定します。また、意識的に特定の光源 のみを対象とする範囲指定をすれば、それ以外の光源の影響を無視することができます。 評価タブにおける、開始波長、終了波長、波長分割数に基づいて光線追跡を行う波長範囲 が決定されます。 波長範囲指定のイメージ (6)反射回数と色 「テスト追跡」を実施したときの光線の色は、 光源から発射された光線が評価面に到達する までの反射回数により、変化をつけています。 光源A 「評価タブ」での波長範囲設定範囲 波長(nm) 光源B 光源C
27 3.4 放射束(光束) ひとつの光源ユニットから発射される全てのエネルギーの総和を放射束(Watt)(または光 束(lm))で指定します。放射束、光束の切換えは「評価」タブの「放射束」チェックボッ クスで行います。これに合わせて、光源プロパティの表題も切り替わります。 ・例 ひとつの発光部分毎に入力します。LED などで発光部が近接している場合でも一つの光源 ユニット単位で、指定します。 ・例えば、LED などで発光する位置により分光特 性が異なる場合は、発光エリアを複数の面の集合 体として扱い、それぞれの分光特性を変えるなど して、実際の発光に近づけることも可能です。 3.5 光源の分光特性と放射束(または光束)の考え方 ひとつの光源ユニットに分光特性として設定した波長ごとのウエイトと、放射束(または 光束)として設定したエネルギーは次の通りとなります。 1本の光線の放射束 光源ユニットの放射束 波長ウエイト 全光線本数 として、波長毎に1本1本光線追跡を実施します。
28 3.6 放射量と測光量 「照明 SimulatorCAD」では放射量系と測光量系の2種類の計算を任意に選択して実行す ることができます。 (1)指定方法 「評価」タブにある、共通の「放射束」のチ ェックボックスをON にすると、全ての計算 が放射量系に、そして OFF にすると全ての 計算が測光量系に統一されます。 (2)基本式 放射束Φe(λ)と光束Φv(λ)には次の関係式が成り立ちます。 「照明SimulatorCAD」でもこの考え方を使用しています。 v K e Ve 2 1 d 波長範囲: 1~ 2(nm) 最大視感効果度:K ※明所視で555nm の時最大値:K 683 (lm/Watt) 標準分光比視感度係数: Ve ※標準分光比視感度係数の詳細な数値については、「照明SimulatorCAD」の Web サイト からダウンロードすることができます。 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 300 400 500 600 700 800 係数 波長(nm) 標準分光比視感度係数 555
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第4章 光学系
4.1 追跡の考え方 「照明SimulatorCAD」の追跡方法には次を特徴があります。 ・光線は反射回数に依らない「ノンシーケンシャル追 跡」を行っています。反射回数の上限は「最大反射回 数」で任意に指定をすることができます。 ・反射率は、「フレネル(Fresnel)の公式」に基づく「強度反射率」を考慮しています。 従って、p 成分、s 成分といった偏光成分につきましては平均をとっているのと同等です。 ・分光反射率、分光透過率、分光吸収率を指定できますが、これは、「フレネルの公式」に 対してウエイトをかけて計算させています。従って、誘電体の反射防止膜(コーティング) についての入射角度が異なる場合の反射率の変化については考慮せず「フレネルの公式」 で代用させています。反射防止膜の忠実なシミュレータはカスタマイズにての開発となり ます。 ・光線の発生は乱数によるモンテカルロ法を使用しています。一つの評価セルに到達 する光線の本数が有る程度以上確保されれば、精度が確保される方式を採用しております。 一つのセルへの到達光線本数をn とすると、誤差量は 1 n となります。30 4.2 平面における屈折の考え方 (1)円形、矩形、球面、シリンドリカル これらの厚みが無い面は、通常、次の様な使い方をします。 ① 表面で反射する場合の「反射板」 ② 仮想的に厚みを無視した薄い面とした「透過フィルタ」 ③ 照度、輝度、強度などを計測する為の「評価面」 ただし、この厚みの無いひとつの面には「プロパティ」の「材質」からガラスなどから屈 折率を設定することが可能です。以下にこの指定を与えた場合の意味を解説します。 一般的に、屈折率の異なる2つの誘電体媒質の境界面では、反射及び屈折が発生します。 この時、反射光は「反射の法則」から、光線と面との交点に立てた法線となす角度である、 入射角と同じ角度で反射します。また、透過光は「スネルの法則」に基付いてある法線と なす角度で、射出します。 スネルの法則 n n 「照明 SimulatorCAD」では、これらの平面に屈折率を付 与することができます。但し、この場合は、下記の様な注意 が必要となります。 例えば、左の様に、「HOYAのFC5」という硝子により、 屈折率を付与したとします。 これは、「面に到達した光線の入射側の屈折率は「1」(空気)、射出側の屈折率は「1.48914」 (FC5、e-line)である。」ということを定義した事になります。従いまして、その面に 右側から光を当てた場合と左側から光を当てた場合には、下記の様な振る舞いをしますの で注意が必要です。 n n 面
31 (2)事例 ・例えば、下記の様な構成の様に、同一の平面に対して、平面を挟んで、左右に位置する 光源から、逆向きに光線を入れても、同じ光路を辿りません。但し、CADデータなどに 屈折率を付与する場合は平面で囲まれていますので、正しい光線追跡が行われます。単独 の平面に屈折率を指定する場合にご注意ください。 面光源1 光源2 光線の向き 面光源2 平面 光線の向き
32 ・次の事例ですが、上記と同様に、屈折率を指定した同じ平面を2回通過する様に配置し た場合を考えます。1 つ目の面を透過した時の、射出側の媒質の屈折率は、次の面に到達す るまで、保持されます。従って、この場合は左右どちらから入れても可逆的に正しく光線 が通過していることが分かります。ただし、この場合面1と面2に指定する硝子は、同じ 種類を設定する必要があります。 」 また、この挟まれた空間では、「全反射条件」につきましては、必ず満足するように追跡が 行われます。「フレネルの公式」については、「入射角による反射率」の項目を「True」を 選択した場合に考慮されます。 平面 面光源1 面光源2 光線の向き 光線の向き
33 (3)バルサム設定 「バルサム」とは一般的にレンズを接合する場合に使用されてきた接着剤の材質の名称で すが、ここでは、便宜上、「接合」の意味で利用しています。 平面の両側の屈折率を指定する場合には接合面に「材質」指定と合わせて、「バルサム設定」 を行います。通常ガラス部品の接合には「光学」タブの部品ではなく、「平面」の部品の組 合せ指定をします。 例)平面ガラス2枚接合の事例 ・簡単の為に、異なる屈折率の平面ガラス二枚を接合した場合の事例をご紹介します。 接合面の追加材質指定で、接合剤に相当する硝材を「ガラスメーカ」「ガラス名」として指 定します。この場合、接合剤の厚みは理想的に薄く設定されます。接合面の「材質」には 接合する後ろ側のガラスを指定します。 円形平面1 円形平面2(接合面) 円形平面3 硝子範囲 (BSC7) 硝子範囲 (FC5) 円形平面1のプロパティ 円形平面3のプロパティ 円形平面2(接合面)のプロパティ 空気層 空気層 光源
34 4.5 材質指定 全ての面に対して、材質指定が可能となります。この材質指定は単に硝子などの素材の種 類を指定するだけではなく、その面に到達した光線に対して様々な特性を与えることがで きます。 (1)吸収率、透過率、反射率 ・吸収率及びその波長ウエイト 吸収率はその面を通過せずに停止する光線本数の割合です。同時に、波長に対するウエ イトを与えることができます。 ・透過率及びその波長ウエイト 透過率はその面を透過する光線本数の割合です。同時に、波長に対するウエイトを与え ることができます。 ・反射率及びその波長ウエイト 反射率はその面で反射される光線本数の割合です。同時に、波長に対するウエイトを与 えることができます。
35 (2)入射角による反射率 反射においては、硝子面に対して、入射した光線に対して入射角度に対してフレネルの 法則に従って、反射率が変化することを考慮する場合は「True」を指定します。金属コ ーティングの様に、入射角度に依らずに常に一定の反射率を持つ場合は「False」を指定 します。ここでは、P 偏光と S 偏光の平均を取った、強度反射率を用いて計算していま す。 30° 60° ° 90° n n 面 強度反射率 R Rs+RP 2 全反射角 n 1 n2 の場合 n 1 n2の場合 強度反射率 強度反射率
36 (3)それぞれの指定の計算の順位 ① その面に到達した光線は、 「吸収率」+「透過率」+「反射率」=1 とする比率でまず分配されます。 ② 反射した光線については「入射角による反射率(True or False)」が考慮されます。 ③ 透過した光線について a. 「ガウス分布比率」「完全拡散比率」「拡散比率」の組みを選択した場合 まず、透過光線全体に対して拡散として扱う比率を「拡散比率」で与えます。そして 「拡散比率」で振り分けられた光線に対して更に、 「ガウス分布比率」+「完全拡散比率」=1 とする比率で分配されます b. 「ビーム拡がり角」を選択した場合 透過光線全体に対して、全ての光線に対して、拡がり角の分布で指定します。 例えば、それぞれの数値が1:1の場合は、一本の光線がその面に到達した場合、「完全拡 散」として射出するか、「ガウス分布」として射出するかについて、おこりうる頻度は 「完全拡散比率」:「ガウス分布比率」=50%:50% になります。0 を指定した場合は、発生しません。「ガウス分布比率」が 0 で無い場合につ いては、必ず「ガウス分布σ2」の値が反映されます。 (4)その他 ・屈折率が1よりも大きな材質から空気などそれよりも低い屈折率の媒質に射出する場合 の全反射条件は全ての場合に考慮されます。 ・比については、整数、実数を問わず、それぞれの数値の比として計算されます。従って、 必ずしも分配の全てを合計して1とする必要はありません。
37 4.6「完全拡散面+ガウス」指定 (1)完全拡散面 上図において、光線aの拡散面の入射座標を(Xa,Ya)とすると、次の式により、この座標 に到達した光線に対して、拡散効果を持たせます。 12 1 2 、 2 (αとβを一様乱数として発生) (Xa,Ya)の値は、光線追跡による光線と拡散面との交点座標を使用します。 拡散面に到達した、全ての光線a,b,c,d(上図)にそれぞれについて同様の発生を行います (2)ガウス分布 ① 発生イメージ 入射した光線aが拡散面に到達して、そのまま、 直進した入射光を軸としてその周りに回転対象に 射出角度を分布させます。 a 発生のイメージ 拡散面 この角度については 追跡を停止します。 (Xa,Ya) a b c 拡散面 d ガウス分布
38 ② 分布式 一般に、確率密度関数である1 次元の正規分布(ガウス分布)は次の式で与えます。 ・μ:平均 ・分散:σ2 ・標準偏差:σ 拡散面の「ガウス分布」指定では、この式に確率分布をあてはめて、射出角度を決定して います。また、拡散面の場合、入射光線を軸対象とした確率分布を与えますので、μ=0 となります。 一般に、σ2=1の場合を一次元の標準正規分布(または基準正規分布)と呼びます。この 標準正規分布の3σの範囲には 99.7%の確率で事象が発生します。 本シミュレーションでは、σ2=1の標準正規分布の場合に3σに片側 90 度の分布を与え ています。また、ピークの半分(半値)の確率分布の位置の角度は片側35.3 度となります。 -90° 90° 半値 -35.3° 35.3°
39 ・σ2の値を標準正規分布の「1」から、変化させることにより、グラフの形が変わります。 本シミュレーションでは、σ2(分散)の値を変更することによって、分布を調節します。 その際、下記のグラフを参照していただいて、角度とσ2の関係をご確認ください。 例えば、σ2=1の場合は方端が90 度、ピークの1/2が 35.3 度であることが、下記のグ ラフからも読み取ることができます。 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 角 度 ( 度 ) σ^2の値 ピークの1/2 方端
40 ・例) パラボラ反射面で平行光束を作り、拡散面を透過させます。 評価面直前に配置した、仮想面に、「ガウス分布」指定をします。 そして、このガウス面にσ2=0.5 を指定します。 この場合の拡散面に評価面を密着させて、放射強度分布をシミュレートしますと、ピーク の半値となる角度が25.5度であることが分かります。 これは、全ページのグラフに於いて、ピークの1/2の時の角度とほぼ一致して いることが分かります。 拡散面
41 (3)拡がり角指定
「拡がり角指定」は指定した面から光線が射出した時の放射強度分布に対して、その半値 全幅 (full width at half maximum, FWHM)の角度で指定します。
事例)コリメートした光束を広がり角指定「θ∥」20度、「θ⊥」10度の拡散面に照射 します。拡散面に密着させた位置に評価面をセットして、放射強度分布シミュレーション を行い拡散効果を確認すると、設定値と厳密に一致することが分かります。
β 10 度
42 4.7 「ガラス編集」 硝子の屈折率の指定には3つの方法が利用できます。 (1)分散式 n2 A0 A1 2 A 2 2 A 3 4 A 4 6 A 5 8 A0~A5:分散式の定数 λ:波長(μm) nλ:λでの屈折率 (2)セルマイヤー n2 1 A 1 2 2 B 1 A 2 2 2 B 2 A 3 2 2 B 3 A1~A3:定数 B1~B3:定数 λ:波長(μm) nλ:λでの屈折率 (3)ハルトマン n n0 C 0 λ1 n1 λ2 n2 λ3 n3 λ4 n4 ※ハルトマンの場合、4つ以上入力された場合は、隣り合う3つずつの結果から、定数を 算出していきます。
43
第5章 評価
5.1 留意点 (1)評価面の表と裏 評価面には表と裏があります。反射や偏芯で符号が反転する場合は必ず、受光側で光を受 ける事に留意をしてください。 ただし、放射照度(照度)計算については、デフォルトでは表と裏関係なく到達した光線 をカウントします。受光側を片面に指定する場合は「受光を片側に設定」をTrue に変更し て下さい。 (2)スムーシング 各評価データは、いずれもスムーシングをかけられます。 スムーシングはひとつの対象点について周りの8つの値を平均して中心の値として置き換 えていきます。 セルの平均化 通常は、グラフの変化が緩やかになったバランスを見て、回数を設定します。多くかけ過 ぎた場合は、解除して、再度はじめからかけます。 (3)評価面の指定 評価面として指定できるのは、「矩形の平面」のみとなっています。 5.2 放射照度(照度) 「照明SimulatorCAD」では、モンテカルロ法に則って光源から放射された光線の評価面 に到達した本数をカウントすることで、単位面積当たりの入射する放射束(エネルギー)(ま たは光束)を算出します。単位は「Watt/m2」(またはlm)となります。これは、全ての 評価値の基本となる考え方で、任意の評価面の大きさに対して任意の分割数を指定するこ とができます。 例えば、100 万本の光線を 100mm×100mm の評価像面を 100 分割した評価面に発射する ところからスタートし、スピードと黒抜け(光線が到達しないセル)の状況などを見て、44 試行錯誤の中から徐々に最適な条件を発見していきます。光線本数が少ないまま、分割数 を多くしてしまうと、ひとつのセルで受光する光線の本数が少なくなりノイズが増加して しまいます。従いまして、ある程度のセルの粗さを残して、スピードの許す限りの多くの 光線本数を設定することが望ましいことになります。100 分割×100 分割ですと、10,000 セルですが、それよりも2桁以上大きい1,000,000 本以上の本数を確保する必要があります。 また、少ない本数様子を見て、問題がないと判断されてから、じっくりと時間をかけると いう方法もあります。 (1)分割数 偶数分割の時は、無偏芯状態で(X,Y)=(0,0)の評価面中心を挟む様に、均等に分割されます。 奇数分割の時は、無偏芯状態で(X,Y)=(0,0)の評価面中心が中心となる様に、均等に分割さ れます。分かりやすい為にあえて粗く、100mm×100mm の大きさを持つ評価面を 10 分割 と9分割したのが下記の結果となります。 (2)波長と分割数 ・波長は、光源と同様に、端の2波長と分割数を入れます。 波長の数は、「分割数+1」個波長の等間隔で指定されます。 ・例えば、波長450~650nm、波長分割4とすると、 450、500、550、600、650nm の5波長で 追跡を行います。 ・光源との関係 9 6 1 2 3 4 5 7 8 10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 分割 9 分割
45 光源で設定した波長と、評価で設定した波長が合致しない場合は、光源の波長とウエイト から線形補完により間の波長とウエイトを決定し、発生させる光線本数に反映させますは 波長毎の発生光線本数の確認は、評価の実行時の「追跡状態」ウインド内の表示で確認す ることができます。 光源の波長指定 評価画面での波長指定 波長(nm) ウエイト 波長(nm) ウエイト 補間 450 0 450 0 500 0.5 自動的に線形補間して決定します 550 1 550 1 600 0.5 自動的に線形補間して決定します 650 0 650 0 (3)繰り返し数 繰り返し数は最大で「10000000000」(100 億)回を上限とします。言い換えると 100 億本 の光線を発生させることができます。ただし、光源の数や光軸の数で計算時間が増えるこ とが有りますので、少ない回数で、試行されることをお勧めします。
46 5.3 放射輝度(輝度) 放射輝度(または輝度)の単位は、単位面積・単位立体角あたりの放射束(Watt/sr/㎡)(ま たは lm/sr/㎡)となります。追跡は、下記の様に評価面の後側に、「輝度測定絞り」を配置 して、評価面追加後更にこの輝度測定絞りを通過する光線本数によりエネルギーをカウン トします。 B P P・L 2 S2 2 S1 2 Φp:画素Pと輝度絞りを通過した、光線束内の総エネルギー(Watt または lm) Bp:放射輝度(Watt/sr/㎡)または輝度(lm/sr/㎡) Z2の原点は評価面(被照平面)の中心とします。 Z2≧1 で指定してください。 X2=0 絞り中心は、常にY-Z平面上に位置させるように移動可能です。 「輝度測定絞り」半径と、「輝度測定絞り中心」の位置座標 X、Y、Z を指定します。例え 面積 S1 評価面 分割された ひとつのセル (画素) 輝度測定絞り
輝度絞りの中心座標 (x
2,y
2,z
2)
、半径r
面積S
2 輝度絞り面の法線 θ2 Y X θ2 Y X Z 輝度絞り面の法線 L L (x2,y2,z2) L θ2 P θ2 輝度測定絞り47 ば、人間の目で輝度を評価することを想定した場合は、輝度絞り半径は5mm、評価面面か らの位置は300mm 位を設定することが一般的です。あまり、評価面からの距離を後にとり 過ぎると、評価面に到達後輝度絞りを通過する光線が少なくなり、発生光線本数を多くし なければならなくなり、計算時間が長くなるので注意が必要です。 5.4 放射強度(光度) 放射強度(または光度)は放射照度分布(または照度分布)と同様、同じ評価面に到達し た光線を用いて算出しますが、その計算方法が異なります。放射強度(または光度)の単 位は単位立体角あたりの放射束(Watt /sr)(または光束 lm/sr)となります。 (1)定義 ① 例として、体積を持った微小球体のIsotropic 光源に対して、接近した大きな評価面を 考えます。この評価面では、光源からの全ての光線を捉えることができます。 ② 評価面で捉えた、全ての光線をポインティングベクトルと考え、仮想的に1点に光線 を集光させたことにして解析します。 ③ それぞれの光線の持つ、エネルギー値、方向余弦値から、等立体角毎のエネルギー分 布(Watt/sr)(または、lm/sr)を決定し、これを、放射強度(または光度)とします。 実際の計算では、等立体角毎の光線数をカウントする為に、上記の様に集光点を中心とし た半径rの仮想的な半球体を想定します。(下図参照) Z Y 光源 評価面 Z Y Z Y X Z θ r W r r X Y φ
48 この半径r の球面上の上記のような帯状のエリアのZ軸上に射影した幅をWとすると、この 帯の表面積Sは、S=2πrW とります。 従って、球の表面を等しい面積の帯に切るためには、Z軸上で等しくWずつ分割すれば良 く、さらに、Y-X平面上で角度φ毎に前周の 360 度を等角度φで分割し、この 2 つの切 り方を行って、等立体角となる球表面上の単位セルが得られます。 「照明Simulator」では、上記の式に半径r=1の単位円を想定し、この単位セルに到達す る光線のエネルギー値から、放射強度の分布を算出しています。 立体角は単位半球の半径r を1と考えた時に半球の表面積と考えることができます。 ・例えば、上図で、球体の表面積は4πr2 であることから、半球はその半分で2πr2 となります。 1Watt の光源から発生される、全ての光線をキャッチした場合のピーク放射強度は単位球 の半径r=1 であることから、 1/2π=0.159 (Watt/Sr) となることが分かります。 5.5 色の分布マップ 実際の放射照度分布を眼で見た場合や、CCDカメラで受光した場合の色付きについて簡 易的にシミュレーションをすることが可能となりました。 (1)目視評価の事例 ① 評価面のプロパティでは、「波長データ保存」がTrue にします。 ②(株)ベストメディアのサポートサイトから、「CIE1964 表色系(10 度視野 XYZ 表色系)の等色関数」をダウンロードします。 ③「評価」タブでは「放射束」を選択します。 ④ 放射照度分布計算を行います。
49 ⑤ [フィルタリング]をクリックします。 ⑤ ①でダウンロードした等色関数のCSVファイルを選択します。 ⑥Windows の「名前を付けて保存」ウ インドが表示されますので、bitmap ま たは、Tiff 形式で保存します。 ⑦一般の、ペイントソフトや画像ビュワーソフトで、保存した画像を表示します。 R G B R G B
50 ※分布のムラが目立つ事がありますので、通常の「放射照度分布」などの計算を実施する 場合よりも、光線本数を多くすることをお勧めします。 ※モニターの画像調整などで、厳密な色表現には限界があります。 (2)電子画像の場合 CCDなどの撮像デバイスで画像を観察する時は、CCDの分光感度を利用します。この 値は、各受光素子メーカにより仕様が異なります。いわゆる実画像シミュレータとして利 用することができます。
51
第6章 おわりに
株式会社ベストメディアは、お客様の貴重なご意見を元に、今後も「照明SimulatorCAD」 を進化させて参ります。ご利用いただきまして、ご意見・ご要望などがございましたら、 どのようなことでも結構でございますので、お伝えいただければ幸いでございます。 また、お客様のご利用目的に合わせましてのカスタマイズ化も常時承っておりますので、 こちらも合わせてお申し付けをいただければと存じます。 今後共何卒よろしくお願い申し上げます。 ・弊社Webページ http://www.bestmedia.co.jp ・「照明 SimulatorCAD」のヘルプからアクセス可能なサポートWebページ http://bestm345.rsjp.net/ssc/52 - 改訂履歴 - 2011/02/01 第1版 2011/07/20 第2版 ※詳細な更新履歴については、Web サイトを参照ください。 初版発行 2011 年 02 月 01 日 発行所 株式会社ベストメディア 〒104-0032 東京都中央区八丁堀4-5-12 21 藤ビル 5 階 TEL:03-3206-5436 FAX:03-3206-5421 URL:http://bestmedia.co.jp/