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義務教育費国庫負担制度について

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Academic year: 2021

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(1)

義務教育費国庫負担制度について

1.義務教育費国庫負担制度の概要

2.義務教育費国庫負担制度の必要性

3.各方面からの意見

13

参考

義務教育国庫負担金についての各決定

16

参考資料3

(2)

○市町村が小中学校を設置・運営。都道府県が教職員を任命し給与を負担。

○国は教職員給与費の1/2を負担。

制度の概要

市町村立の義務教育諸学校の教職員(約70万人)の給与費

都道府県

1/2負担

1/2負担

約2.5兆円

(平成16年度予算)

○憲法の要請に基づき、義務教育の根幹(機会均等、水準確保、無償制)を

国が責任をもって支える制度。

制度の基本的役割

1.義務教育費国庫負担制度の概要

1/2負担

1/2負担

(3)

①給与の種類・額を自由に決定

≪従来≫ 期末勤勉手当 管理職手当 住居手当・通勤手当 等

②教職員数を自由に決定

≪改革後≫

活 用

教職員数 ( 国準 拠 ) (標準法) 教職員数(標準法) 諸手 当

費目ごとの国庫負担限度額がなくなり,

総額の中で自由に使用可能

給与 水準 ≪改革後≫ ≪従来≫

総額裁量制

給与水準の調整により教職員を増員し,

習熟度別指導の充実や30人学級の実施

が可能

都道府県ごとの給与単価 = × × 1/2 国庫負担額 標準法による標準定数 給 料 給与 水準

総額裁量制について

総額裁量制により、使い勝手がよい負担金となっている

算定方法 給料・諸手当の費目ごとに国の基準を超える額は 国庫負担の対象外 給与水準,教職員数について定められた上限を越える 部分は国庫負担の対象外 導入に伴う改善点

(4)

都 道 府 県

宮 城 県

35人学級の実施

小学校1・2年生を対象

長 野 県

35人学級の実施

小学校全学年を対象

和歌山県

非常勤講師の配置

学力テストの結果を踏まえ重点配置し、学習指導・生徒

指導を充実

鳥 取 県

30人学級の実施

小学校1・2年生、中学1年生(36人以上の学級)を

対象

島 根 県

30人学級の実施

小学校1・2年生を対象

総額裁量制を活用した主な取組(例)

(5)

2.義務教育費国庫負担制度の必要性

① 義務教育の根幹(機会均等、水準確保、無償制)の堅持は国の責任

憲法の要請に基づく義務教育については、目的を特定した国による財源保障が

必要。

(国による財源保障の必要性は、歴史的経緯から明らか)

② 国が義務教育費を保障するのは先進主要国の潮流

義務教育は国民を育成するもの。主要先進国は義務教育を国家戦略として位置

づけており、国が義務教育費を負担する方向へ。

③ 国庫負担金の一般財源化は、地域格差を生じさせる

一般財源化されれば40の道府県で財源不足。これは地方交付税では調整でき

ず、結果として地域格差が生じる。

(一般財源化した教材費や学校図書費整備費の

例からも明らか)

(6)

① 義務教育のための財源保障は

いつの時代も重要な役割を果たしてきた

義務教育の完全就学を実現するために国庫補助による無償制を確立。これにより、就学率が

55%(明治25年)から、95.6%(明治38年)に向上。

財政力の弱い市町村においても安定的に義務教育を実施するために、教職員の給与を市町村

ではなく府県が負担することとし、その2分の1を国庫負担する仕組みを確立。

シャウプ勧告に基づき、昭和25年に義務教育費国庫負担金は廃止。新たに設けられた地方財

政平衡交付金に吸収されたが、教育条件の地域間格差が拡大した。そこで、全国知事会議の決

議等を背景として、昭和28年に復活した。

義務教育費の確保は、一般的な財源調整制度によっては難しく、義務教育費に目的を特定し

た国による財源保障が必要であった。

1.国庫補助制度の確立

(明治33年)

2.県費負担制度と義務教育費国庫負担制度の確立

(昭和15年)

3.義務教育費国庫負担法の復活

(昭和28年)

(7)

②-1 世界的に義務教育は大競争時代

どの主要先進国も力を入れている

フランス、ドイツ、イタリア、韓国、シンガポールなどは、義務教育の教職員について、給与費の全額を

国負担

(連邦国家では州)

、身分を国家公務員としている

(ドイツでは州公務員)

主要先進国で義務教育の教職員給与費を全額負担していないのは、アメリカとイギリス。

– しかし、アメリカでは学区の学校税のほか、州が教育目的税を設けている場合も多く、州の負担割合は増大(学 区が40.9%、州が49.5%、連邦が7.3%)。 – イギリスでも、中央政府が積極的な役割を果たすようになり、2006年度から全額国庫負担化。

いずれの国も、国策として学力向上を目指し、教育水準保障のために国家が教育投資を拡充する方

向で改革推進。

– 国内総生産(GDP)に占める公財政による初等中等教育費の割合: フランス4.0%、アメリカ3.8%、イギリス3.4%、韓国3.5%、ドイツ2.9%、日本2.7%

1.主要先進国では全額負担する国が多い

2. 全額負担していない米英でも中央政府の役割が近年増大

日本が教育費を削減すれば世界的潮流に逆行する

3.各国では教育投資を拡充する方向で改革

(8)

0 % 5 0 % 1 0 0 % フ ラ ンス アメ リカ合衆国 イギ リス 韓国 ドイツ 日本

1.各国首脳の教育に対する考え方

4 .0 % 3 .8 % 3 .4 % 3 .5 % 2 .9 % 2 .7 % 0 . 0 % 1 . 0 % 2 . 0 % 3 . 0 % 4 . 0 % フ ラ ン ス ア メ リカ 合 衆 国 イ ギ リス 韓 国 ド イ ツ 日 本 フランス アメリカ合衆国 イギリス 韓国 ドイツ 日本 「知識だけでなく価値 を伝え、生きる力が必 要」(シラク大統領) 「教育は、私の政策の 最重要課題」 (ブッシュ大統領) 「第一に教育、第二に教 育、そして第三に教育」 (ブレア首相) (2006年度から全額国庫 負担) 優秀教員確保法を制定 教育条件改善事業を実 施中(35人学級の実 現) 教育は、将来のドイツ を形つくる政策の中 心」(シュレーダー連 邦首相) 「米百俵の精神」 (小泉総理) 「人間力戦略ビジョ ン:新しい時代を切り 拓くたくましい日本人 の育成」

2.各国の国と地方の教員給与負担比率

3.公財政による初等中等教育費の国内総生産(GDP)に対する比率

(2001年)

地方

地方

地方

OECD, “Education at a Glance – OECD Indicators 2004”

②-2 主要先進国は教育予算の充実を図っている

(9)

③-1 義務教育費国庫負担金が一般財源化されたら

40道府県で財源不足となる

- 6 0 % - 4 0 % - 2 0 % 0 % 2 0 % 4 0 % 6 0 % 8 0 % 1 0 0 % 1 2 0 % 北海道 青   森 岩   手 宮   城 秋   田 山   形 福   島 茨   城 栃   木 群   馬 埼   玉 千   葉 東   京 神奈 川 新   潟 富   山 石   川 福   井 山   梨 長   野 岐   阜 静   岡 愛   知 三   重 滋   賀 京   都 大   阪 兵   庫 奈   良 和歌 山 鳥   取 島   根 岡   山 広   島 山   口 徳   島 香   川 愛   媛 高   知 福   岡 佐   賀 長   崎 熊   本 大   分 宮   崎 鹿児島 沖  

義務教育費国庫負担金を廃止し、相当額を個人住民

税フラット税率により全額税源移譲したと仮定した

場合の都道府県別増減率(県民所得で試算)

最高 101.8%増 (東京都) 最低 45.8%減 (高知県)

(10)

21.4 20.3 19.5 18.1 16.9 16.9 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 0 兆 円 181 188 193 198 203 205 165 170 175 180 185 190 195 200 205 210 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 0 兆 円

地方交付税

○ 交付税では、税源移譲で生じ

る地方格差を調整できない

○ 地方交付税による財源保障

が教育費の財源保障とは言え

ない

○ 地方借入金がふくらむ中で、

どう教育費が確保されるのか

地方借入金

地方借入金= 交付税特会借入金残高(地方負担分)+公営企業債残高(普通会計負担分)+地方債残高 (見込) (見込)

③-2 地方交付税は、わずか5年で2割以上が消滅

(20兆円→16兆円へ)

一方、地方借入金は、すでに200兆円を超えている

(11)

70

80

90

100

110

120

130

60 61 62 63 元

2

3

4

5

6

7

8

9 10 11 12 13 14 15

40

50

60

70

80

90

100

110

120

130

140

教材費 旅費 地方債現在高

義務教育費国庫負担金が一般財源化されれば同様に各県

の財政状況に影響されるおそれ

③-3 過去に一般財源化された教材費・教員旅費は

国の基準を下回った予算措置しかされていない

措置率(%)

地方債(兆円)

教材費・教員旅費が一般財源化

10

平成15年度教材費は、基準財政需要額(788億円)の75.7% 平成15年度旅費は、教職員一人当たりに係る交付税積算単価(72,300円)の84.1%

(12)

0% 20% 40% 60% 80% 100% 120% 140% 160% 北 海 道 青   森 岩   手 宮   城 秋   田 山   形 福   島 茨   城 栃   木 群   馬 埼   玉 千   葉 東   京 神 奈 川 新   潟 富   山 石   川 福   井 山   梨 長   野 岐   阜 静   岡 愛   知 三   重 滋   賀 京   都 大   阪 兵   庫 奈   良 和 歌 山 鳥   取 島   根 岡   山 広   島 山   口 徳   島 香   川 愛   媛 高   知 福   岡 佐   賀 長   崎 熊   本 大   分 宮   崎 鹿 児 島 沖   縄 全国平均 交 付 税 積 算 ベース (基 準 財 政 需 要 額 ベース ) 1 0 0 % 170% 75.7%

11

義務教育費国庫負担金が一般財源化されれば 同様に各県の格差が生じるおそれ

③一4一般財源で措置されている教材費の予算措置額は、

44道府県で基準額を下回っている(平成15年度決算)

最高 163.7% (東京都) 基準額以上 3都府県 基準額以下 44道府県 最低 35.6% (徳島県)

(13)

③-5 一般財源で措置されている学校図書整備費は

各県の予算措置に相当な格差が生じている

0 2 0 4 0 6 0 8 0 北海 道 青森県 岩手県 宮城県 秋田 県 山形 県 福島県 茨城県 栃木 県 群馬 県 埼玉 県 千葉県 東京都 神奈 川 新潟 県 富山県 石川県 福井 県 山梨 県 長野 県 岐阜 県 静岡 県 愛知 県 三重 県 滋賀県 京都 府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌 山 鳥取 県 島根 県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡 県 佐賀県 長崎 県 熊本県 大分 県 宮崎 県 鹿児 島 沖縄県 全国平均 万 円 (小学校1校当たりの図書購入費・平成14年度)

義務教育費国庫負担金が一般財源化されれば

同様に各県の格差が生じるおそれ

最高 70.7万円 (山梨県) 最低 18.6万円 (青森県) 全国平均 42 .1万円

12

(14)

最近の主な例

10月21日 科学者22名

(有馬朗人さん、小柴昌俊さん、野依良治さんなど)

「日本の将来を憂える緊急メッセージ」

鳥居泰彦中教審会長及び木村孟中教審初等中等教育分科会長

「義務教育費国庫負担制度に関する緊急要望」

10月26日 文化人20名(

黒柳徹子さん、平山郁夫さん、三浦朱門さんなど

「国は義務教育に責任を持て」

10月27日 日本PTA全国協議会

「義務教育費国庫負担制度の堅持に関する要望」

10月28日 教育関係22団体

(PTA、教育委員会、校長、教頭、教職員など)

「義務教育費国庫負担制度の堅持を求める緊急要請」

各界から義務教育のため国による財源保障が必要という意見が公表されている

13

義務教育国庫負担制度は重要な制度というのが各界の声

3.各方面からの意見

(15)

● 都道府県教育委員会や教育委員会関係団体から「義務教育費

国庫負担制度の堅持」についての要望書が提出

教 育 委 員 会 : 平成15年度 16件、平成16年度 15件 教育委員会関係団体: 平成15年度 のべ 32件、平成16年度のべ77件

● アンケート調査によると、89.4%の市町村教育委員会が、

義務教育費国庫負担制度は必要と回答。

(平成15年12月 全国市町村教育委員会連合会調査[回答数2,435(回収率76.0%)])

● アンケート調査によると、90%の市民が、義務教育費国庫負担金の

一般財源化に反対と回答。

(平成16年5月 日本の教育を考える10人委員会調査[回答数1,051(回収率35%)])

14

教育委員会や一般市民は義務教育費国庫負担制度は、

堅持される必要があると考えている

(16)

都道府県

平成15年度 22都道府県

平成16年度 11都道県

市町村

平成15年度 2,026市区町村

平成16年度 1,088市区町村

*意見書:地方自治法第99条に基づき、地方公共団体の議会が当該地方公共団体の公益に関する事件につき、 国会又は関係行政庁に提出するもの

地方議会からの意見書の提出状況

15

地方議会においても義務教育費国庫負担制度

の堅持を求めている声が多い

(17)

義務教育費国庫負担金についての各決定

○義務教育費国庫負担金の取扱いについて(抄)(平成14年12月18日 総務・財務・文部科学3大臣合意)

義務教育費に係る経費負担の在り方については、現在進められている教育改革の中で義務教育制度の在り方の一 環として検討を行い、これも踏まえつつ、「改革と展望」の期間中(平成18年度末まで)に国庫負担金全額の一般財源 化について所要の検討を行う。

○「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(抄)(平成15年6月27日 閣議決定)

国庫補助負担金等整理合理化方針 義務教育費に係る経費の在り方については、現在進められている教育改革の中で中央教育審議会において義務 教育制度の在り方の一環として検討を行い、これも踏まえつつ、平成18年度末までに国庫負担金全額の一般財源化 について所要の検討を行う。

○三位一体の改革について(抄)(平成15年12月19日 三位一体の改革に関する政府・与党協議会)

(1)国庫補助負担金の改革について 義務教育費に係る経費の在り方については、現在進められている教育改革の中で中央教育審議会において義務教 育制度の在り方の一環として検討を行い、これも踏まえつつ、平成18年度末までに国庫負担金全額の一般財源化に ついて所要の検討を行う。

○「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」(抄)(平成16年6月4日 閣議決定)

第1部「重点強化期間」の主な改革 (三位一体の改革) 「基本方針2003」に掲げられた基本的な方向に沿って、三位一体の改革に関する政府・与党協議会の合意(平成15 年12月)を踏まえつつ、三位一体の改革を着実に推進していく。

16

参考

参照

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