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公
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フィリピン共和国
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フィリピン共和国
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全国産業クラスター能力向上プロジェクト
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終了時評価調査報告書
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独立行政法人国際協力機構
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独立行政法人国際協力機構
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全国産業クラスター能力向上プロジェクト
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目 次 調 査 対 象 地 域 地 図 対 象 産 業 ク ラ ス タ ー 写 真 略 語 表 終 了 時 評 価 調 査 結 果要 約表 （ 和 文 ） 第 １ 章 終 了 時 評 価調 査の 概 要 ··· 1 １ － １ 調 査 団 派 遣の 背景 と 目 的 ··· 1 １ － ２ 調 査 団 の 構成 と調 査 日 程 ··· 1 １ － ３ プ ロ ジ ェ クト の概 要 ··· 2 第 ２ 章 終 了 時 評 価調 査の 方 法 ··· 4 ２ － １ 終 了 時 評 価調 査の 視 点 と 方 法 ··· 4 ２ － ２ 情 報 収 集 手段 ··· 5 第 ３ 章 プ ロ ジ ェ クト の実 績 と 実 施 プ ロ セ ス ··· 6 ３ － １ 投 入 の 実 績 ··· 6 ３ － ２ 活 動 の 実 績 ··· 7 ３ － ３ 成 果 の 達 成状 況 ··· 8 ３ － ４ プ ロ ジ ェ クト 目標 達 成 の 見 込 み ··· 13 ３ － ５ 上 位 目 標 達成 の見 込 み ··· 15 ３ － ６ プ ロ ジ ェ クト の実 施 プ ロ セ ス ··· 16 第 ４ 章 評 価 結 果 ··· 19 ４ － １ 妥 当 性 ： 非常 に高 い ··· 19 ４ － ２ 有 効 性 ： やや 高い ··· 19 ４ － ３ 効 率 性 ： 高い ··· 20 ４ － ４ イ ン パ ク ト： 高い ··· 21 ４ － ５ 持 続 性 ： やや 高い ··· 21 第 ５ 章 結 論 ··· 23 第 ６ 章 提 言 ··· 24 第 ７ 章 教 訓 ··· 26 第 ８ 章 団 長 所 感 ··· 27付 属 資 料 1. 佐 藤 団 員 の N ICCEPに関 す る 所 感 ··· 31 2. 貿 易 産 業 省 の 組 織 図 ··· 38 3. 協 議 議 事 録 （ M/M） ··· 39 Annex. 1 合 同 評 価 調 査 日程 表 ··· 69 Annex. 2 プ ロ ジ ェ ク ト ・デ ザ イ ン ・ マ ト リ ック ス（ PDM） ··· 70 Annex. 3 詳 細 活 動 計 画 （PO） ··· 73 Annex. 4 イ ン タ ビ ュ ー 対象 者 リ ス ト ··· 74 Annex. 5 日 本 人 専 門 家 リス ト ··· 76 Annex. 6 本 邦 研 修 参 加 者リ ス ト ··· 77 Annex. 7 現 地 活 動 費 （ 日本 側 ） ··· 80 Annex. 8 フ ィ リ ピ ン 国 カウ ン タ ー パ ー ト （ C/P） ··· 81 Annex. 9 プ ロ ジ ェ ク ト 経費 （ フ ィ リ ピ ン 側 ） ··· 83 Annex. 10 ク ラ ス タ ー 活動 費 ··· 84 Annex. 11 2015年 ク ラ ス タ ー 活 動 費 予 算··· 85
調査対象地域地図
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出所：プロジェクト専門家作成 注：RはRegionの略対 象 産 業 ク ラ ス タ ー
対 象 産 業 ク ラ ス タ ー
対 象 産 業 ク ラ ス タ ー
対 象 産 業 ク ラ ス タ ー
地 域 産 業 ク ラ ス タ ー 担 当 の 貿 易 産 業 省 地方 事務 所 ル ソ ン 地 域 北 部 コ ー ヒ ー 産 業 ク ラ スタ ー DTI-CAR ミ ル ク フ ィ ッ シ ュ 産業 クラ ス タ ー DTI-Region 1 酪 農 ・ 乳 製 品 産 業 クラ スタ ー DTI-Region 2 竹 産 業 ク ラ ス タ ー DTI-Region 3 南 部 健 康 ・ 医 療 観 光 産 業ク ラス タ ー （Health and Wellness：H&W）DTI-NCR（ マ ニ ラ 首 都圏） ICT産 業 ク ラ ス タ ー DTI-Region 4-A
観 光 産 業 ク ラ ス タ ー DTI-Region 4-B 衣 料 品 ・ 家 庭 用 品 産業 クラ ス タ ー
（Wearables and Homestyle：W&H）
DTI-Region 5 ビ サ ヤ 地 域 ICT産 業 ク ラ ス タ ー DTI-Region 7 （Region 6、8） 健 康 ・ 医 療 観 光 産 業ク ラス タ ー 観 光 産 業 ク ラ ス タ ー 雑 貨 ・ 装 飾 品 産 業 クラ スタ ー （Gifts, Decors, and Housewares： GDH） ダ バ オ 地 域 バ ナ ナ 産 業 ク ラ ス ター DTI-Region 11 マ ン ゴ ー 産 業 ク ラ スタ ー コ コ ナ ッ ツ 産 業 ク ラス ター 海 藻 産 業 ク ラ ス タ ー 木 材 産 業 ク ラ ス タ ー 鉱 業 産 業 ク ラ ス タ ー 観 光 産 業 ク ラ ス タ ー ICT産 業 ク ラ ス タ ー ダ バ オ 以 外 の ミ ン ダ ナ オ 地 域 ゴ ム 産 業 ク ラ ス タ ー DTI-Region 9 養 鶏 産 業 ク ラ ス タ ー DTI-Region 10 マ グ ロ 産 業 ク ラ ス ター DTI-Region 12 油 ヤ シ 産 業 ク ラ ス ター DTI-Region 13
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貿易産業省地方事業局へのインタビュー （2 月 9 日、マニラ） 日本人専門家へのインタビュー （2 月 9 日、マニラ） ダバオ（Region 11）の貿易産業省地方事務所 事務所長へのインタビュー （2 月 12 日、ダバオ） ビサヤ諸島 NICCEP 経験共有セミナー （2 月 16 日、セブ）ツゲガラオ（Region 2）の貿易産業省地方事務所 事務所長へのインタビュー （2 月 20 日、ツゲガラオ） 産業クラスター・アプローチに関する 情報共有のため、プロジェクトが作成した NICCEP 冊子及びクラスター新聞 衣料品・家庭用品クラスター（Region 5）の 現地訪問及びインタビュー （2 月 22 日、レガスピ） 合同調整委員会（JCC）における 協議議事録署名 （2 月 25 日、マニラ）
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表
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略 語 正 式 名 称 日 本 語
BSMED
Bureau of Small and Medium Enterprise Development
(formerly Bureau of Micro, Small and medium Enterprise Development)
中 小 企 業 開 発 局
（ 以 前 の 名 称 零 細中 小産 業 開 発 局 ）
C/P Counterpart カ ウ ン タ ー パ ー ト
DA Department of Agriculture 農 業 省
DAC Development Assistance Committee 開 発 援 助 委 員 会 DAR Department of Agrarian Reform 農 地 改 革 省 DENR Department of Environment and Natural
Resources 環 境 天 然 資 源 省
DICCEP Davao Industry Cluster Capacity Enhancement Project
ダ バ オ 産 業 ク ラ ス ター 開発 プ ロ ジ ェ ク ト
DILG Department of the Interior and Local
Government 内 務 自 治 省
DOH Department of Health 保 健 省 DOLE Department of Labor and Employment 労 働 雇 用 省 DOST Department of Science and Technology 科 学 技 術 省 DOT Department of Tourism 観 光 省 DTI Department of Trade and Industry 貿 易 産 業 省 EDC Economic Development Committee 経 済 開 発 委 員 会 GDH Gifts, Decors, and Housewares 雑 貨 ・ 装 飾 品 H&W Health & Wellness 健 康 産 業 ・ 医 療 観 光 ICT Information and Communication
Technology 情 報 通 信 技 術
JCC Joint Coordinating Committee 合 同 調 整 委 員 会
JICA Japan International Cooperation Agency 独 立 行 政 法 人 国 際 協力 機構 JOCV Japan Overseas Cooperation Volunteers 青 年 海 外 協 力 隊
JPEPA Japan-Philippines Economic Partnership
Agreement 日 本 ・ フ ィ リ ピ ン 経済 連携 協 定
LGU Local Governmental Unit 地 方 自 治 体 M/M Minutes of Meeting 協 議 議 事 録
MM Man Months 人/月
MOA Memorandum of Agreement 合 意 文 書 MOU Memorandum of Understanding 覚 書 文 書 NCR National Capital Region マ ニ ラ 首 都 圏 NEDA National Economic and Development
Authority 国 家 経 済 開 発 庁
NICCEP National Industry Cluster Capacity Enhancement Project
全 国 産 業 ク ラ ス タ ー 能 力 向 上 プ ロ ジ ェ ク ト
略 語 正 式 名 称 日 本 語 NPMO National Project Management Office
ナ シ ョ ナ ル・プ ロ ジェ クト・マ ネ ジ メ ン ト ・ オ フ ィ ス
ODA Official Development Assistance 政 府 開 発 援 助 OECD Organization for Economic Cooperation
and Development 経 済 協 力 開 発 機 構
PCM Project Cycle Management プ ロ ジ ェ ク ト・サ イク ル・マ ネ ジ メ ン ト PD Provincial Director 州 局 長
PDM Project Design Matrix プ ロ ジ ェ ク ト・デ ザイ ン・マ ト リ ッ ク ス PDP Philippine Development Plan フ ィ リ ピ ン 開 発 計 画
PEDP Philippine Export Development Plan フ ィ リ ピ ン 輸 出 開 発計 画
PO Plan of Operations 活 動 計 画
R/D Record of Discussions 討 議 議 事 録
RD Regional Director 地 方 局 長
RDC Regional Development Council 地 方 開 発 協 議 会
RO Regional Offices 地 方 事 務 所
ROG
Regional Operations Group (formerly Regional Operations and Development Group [RODG])
地 方 事 業 局
（ 以 前 の 名 称 地 方事 業・ 開 発 局 ）
SMART specific, measurable, attainable, relevant, and time-bound
目 標 の5基 準 （ 具 体 的 で 、 測 定 可 能 で 、 達 成 可 能 で 、妥 当 で、期限 が 明 確 な 目 標 設 定 ）
SMERA SME Roving Academy 中 小 企 業 ロ ー ビ ン グ・ アカ デ ミ ー SPMO Satellite Project Management Office
サ テ ラ イ ト・プ ロ ジェ クト・マ ネ ジ メ ン ト ・ オ フ ィ ス
SSF Shared Service Facilities 共 同 サ ー ビ ス フ ァ シリ ティ TESDA Technical Education and Skills
Development Authority 技 術 教 育 技 能 開 発 庁 W&H Wearables and Homestyle 衣 料 品 ・ 家 庭 用 品
終 了 時 評 価 調 査 結 果 要 約 表
終 了 時 評 価 調 査 結 果 要 約 表
終 了 時 評 価 調 査 結 果 要 約 表
終 了 時 評 価 調 査 結 果 要 約 表
１ ． 案 件 の 概 要 国 名 ： フ ィ リ ピ ン 共和 国 案 件 名 ： 全 国 産 業 クラ スタ ー 能 力 向 上 プ ロ ジェ クト 分 野 ： 民 間 セ ク タ ー開 発 援 助 形 態 ： 技 術 協 力プ ロジ ェ ク ト 所 轄 部 署 ： 産 業 開 発・ 公共 政 策 部 協 力 金 額 ： 約2億5,000万 円 協 力 期 間 ：（R/D：2011年11月22日 ） 2012年2月 ～2015年3月 （3年 間2カ 月 ） 先 方 関 係 機 関 ：貿 易 産 業 省 （Department of Trade and Industry：DTI）
日 本 側 協 力 機 関 ： ユ ニ コ イ ン タ ー ナ ショ ナル 株 式 会 社 他 の 関 連 協 力 ： ダ バ オ 産 業 ク ラ ス ター 開発 プ ロ ジ ェ ク ト （DICCEP） （2007～2010年 ） １ － １ 協 力 の 背 景と 概要 フ ィ リ ピ ン 共 和 国 （以 下、「 フ ィ リ ピン 」 と 記 す） 政 府 は 、 中 期 開 発計 画（2011～2016年 ） に お い て 、産 業の 競 争 力強 化 、経 済 成 長の 加 速 化、貧 困 削 減 、雇 用 の 創 出の た め に 、中 期目 標 の1つ と し て「生 産 性・効 率 性 向 上 」を掲 げ て おり 、こ の た め の施 策 と して「 中 小 零 細 企業 支 援 」 並 び に 「 産 業 クラ スタ ー ・ ア プ ロ ー チ の活 用」 を 重 視 し て い る 。 JICA は 、 上 記中 期 計 画に 基 づ い て 産 業 振 興関 連施 策 を 調 整 ・ 統 括 する 中心 的 立 場 に あ る 貿 易 産 業 省 （Department of Trade and Industry：DTI） に 対 し て2007年10月 ～2010年6月 に か け て 、フ ィ リ ピ ン・ミ ン ダナ オ 島 の ダ バ オ を プロ ジェ ク ト サ イ ト と し た「 ダバ オ 産 業 ク ラ ス タ ー 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト（Davao Industry Cluster Capacity Enhancement Project：DICCEP）」を 実 施 し た。 DICCEPに お い て 、 ダバオ を 管 轄 す るDTI-Region 11（DTI 地 方 事 務 所 の1つ ） の 産 業 ク ラ ス タ ー・ア プ ロ ー チの 実 践に 係 る 能 力 強 化 を 行っ たと こ ろ 、プ ロ ジ ェク ト 対象 各 ク ラ ス タ ー の 現 場 レ ベ ル で 具 体 的 な成 果の 発 現 が 確 認 さ れ、産 業ク ラ ス タ ー・ア プロ ー チ推 進 に 係 る グ ッ ド プ ラ ク テ ィ ス と し て フィ リピ ン 国 内 に お い て 高い 評価 を 得 た 。 こ の 成 功 を 受 け、DTIは 、産 業 ク ラ ス ター・ア プ ロ ー チ の 推 進 手 法 を他 の地 域 に 展 開 す る と と も に 、 ダ バ オ に お い て も DICCEP で 実 施 し た 活 動 を 継 続 的 に 発 展 さ せ 、 将 来 に わ た っ て 産 業 ク ラ ス タ ー・アプ ロ ーチ を 全 国 レ ベ ル で 継続 的に 発 展・展 開 さ せる こ とが で き る よ う 技 術 協 力 プ ロ ジ ェ ク ト を 要請 した 。こ の よ う な 背景 か ら、本 プ ロ ジ ェ ク ト「 全 国産 業 ク ラ ス タ ー 能 力 向 上 プ ロ ジ ェ ク ト（National Industry Cluster Capacity Enhancement Project：NICCEP）」は 、産 業 ク ラ ス タ ー ・ ア プ ロ ー チ 1 の モ デ ル を 全 国 各 地 で 実 践 し 、 産 業 振 興 の 手 段 と し て 同 ア プ ロ ー チ を 展 開 、拡 大 、強 化 す るた め に 必 要 なDTI の 能力 を 向 上 す る こ と を目 的と し て 、2012 年2 月 か ら 開 始 さ れ た 。 １ － ２ 協 力 内 容 本 プ ロ ジ ェ ク ト は、ル ソン 地 域 、ビ サ ヤ 地域 、ミン ダ ナ オ 地 域 に お ける 産業 ク ラ ス タ ー モ デ 1 特 定 の 産 業 分 野 に お け る 相 互 に 関 連 す る 企 業 、 そ の 分 野 に 専 門 性 を も つ 資 材 ・ 原 料 供 給 産 業 、 サ ー ビ ス 産 業 、 周 辺 産 業 と 、 そ れ に 関 連 す る 機 関 ・ 団 体（ 大 学 、研 究 機 関 、試 験 機 関 、業 界 団 体 な ど ）の 連 携 や 協 力 関 係 を 強 化 し 、産 業 集 積 の 推 進 と 活 用 を 図 り つ つ 、 産 業 競 争 力 を 強 化 す る ア プ ロ ー チ
ル の 確 立 並 び に 同 アプ ロー チ の 促 進 、主流 化 を 目的 と し た 業 務 実 施 上の ワー ク フ ロ ー の 計 画 及 び 実 践 を 通 じ て 、 産業 クラ ス タ ー ・ ア プ ロ ーチ を全 国 展 開 さ せ る た めの DTI の ナ シ ョ ナ ル キ ャ パ シ テ ィ 2 が 構 築 さ れ 、フ ィ リ ピ ン の 産 業 振興 に資 す る こ と を 目 的 とす る。 （1）上 位 目 標：産 業 育 成の ツ ー ル と し て、産 業 クラ ス タ ー・ア プ ロ ー チ が全 国 各 地 で 実 践（ 複 製 ） さ れ る 。 （2）プ ロ ジ ェ ク ト 目 標：産 業 振 興 を 目 的 と した 持続 可 能 か つ 複 製 可 能な 産業 ク ラ ス タ ー・ア プ ロ ー チ を 発 展 さ せ な が ら 展 開 さ せ る た め の DTI の ナ シ ョ ナ ル キ ャ パ シ テ ィ が 構 築 さ れ る 。 （3） 成 果 1）産 業 ク ラ ス タ ー・アプロ ー チ を 促 進 し 主 流化 する た め の 実 践 的 か つ持 続的 な 業 務 実 施 上 の ワ ー ク フ ロ ーがDTIに よ っ て 計 画 さ れ 、実 践さ れ る 。 2）ル ソ ン 地 域 、ビサ ヤ地 域 、ダ バ オ 以外 の ミ ンダ ナ オ 地 域 に お い て 、産 業 ク ラ ス タ ー ・ ア プ ロ ー チ の パ イ ロッ トモ デ ル が 確 立 さ れ る。 3）ダ バ オ に お い て 、他 地域 に と っ て 参 考 と なる よう な 産 業 ク ラ ス タ ー・アプ ロ ー チ の 深 化 （ 発 展 ） モ デ ル が確 立さ れ る 。 （4） 投 入 1） 日 本 側 ： 総 投 入 額 約2億5,000万 円 専 門 家 派 遣 ： 専 門家4名（40.46人/月 ） 本 邦 研修 ：65名 現 地 経 費 の 支 出 ：約3,470万 円 2） フ ィ リ ピ ン 側 ： カ ウ ン タ ー パ ー ト の配 置 執務 室の 便 宜 供 与 プ ロ ジ ェ ク ト 経 費 の支 出（ ク ラ ス タ ー 活 動 費、 会議 費 等 ） ２ ． 評 価 調 査 団 の 概要 調 査 者 ＜ 日 本 側 ＞ 担 当 分 野 氏 名 所 属 団 長 上 田 隆 文 JICA国 際 協力 専 門 員 （民 間 セ ク タ ー 開 発 ） 協 力 企 画 三 島 健 史 JICA産 業 開発 ・ 公 共 政策 部 民 間 セ ク タ ー グ ル ープ 第一 チ ー ム 副 調 査 役 ク ラ ス タ ー 開 発 佐 藤 千 惠 （ 有 ） ビ ズ テ ッ ク 代 表取 締 役 社 長 静 岡 大 学 大 学 院 客 員教 授 評 価 分 析 鹿 糠 説 子 （ 有 ） ア イ エ ム ジ ー アナ リ ス ト 2 対 象 各 ク ラ ス タ ー の 現 場 で 得 ら れ た 経 験 を 吸 い 上 げ 、取 り ま と め 、人 材 の 育 成 ・ 動 員 や 、情 報 媒 体 の 作 成 と い っ た 必 要 と 判 断 さ れ る 活 動 を 用 い て 、 全 国 に 普 及 す る た め の 、DTI本 省 （ ナ シ ョ ナ ル レ ベ ル ） の 機 能
＜ フ ィ リ ピ ン 側 ＞ 氏 名 所 属 Ronnel B. Ruanes 産 業 貿 易 省 リ ソ ー ス ・ ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン 及 び マ ネ ジ メ ン ト ・ サ ー ビ ス 局 産業 貿易 シ ニ ア ス ペ シ ャ リス ト 調 査 期 間 ：2015年2月8日 ～2015年2月27日 評 価 種 類 ： 終 了 時 評価 ３ ． 評 価 結 果 の 概 要 ３ － １ 実 績 の 確 認 （1） 成 果 の 達 成 状 況 終 了 時 評 価 調 査 時 にお いて 、成 果 指 標 の 達成 度 、プ ロ ジ ェ ク ト 関 係 者（ 日本 人 専 門 家 や C/P、 ク ラ ス タ ー メ ン バ ー な ど ） の 各 成 果 の 達 成 度 に 関 す る 認 識 、 調 査 団 の 所 見 に か ん が み て 、3つ の 成 果 は す べて お お む ね 達 成 ま たは 達成 済 み と な っ て い る 。以下 に 各 成 果 の 達 成 度 を ま と め る 。 成 果1 産 業 ク ラ ス タ ー・ア プ ロ ー チ を 促 進 し 主流 化 す る た め の 実 践的 かつ 持 続 的 な 業 務 実 施 上 の ワ ー ク フロ ーがDTIに よ っ て 計 画 さ れ、実 践 さ れ る：お おむ ね達 成 産 業 ク ラ ス タ ー ・ ア プ ロ ー チ を 促 進 し 、 主 流 化 す る た め に 、1） 産 業 ク ラ ス タ ー が 活 動 実 施 の た め に 利 用 でき るリ ソ ー ス（ 人 的 資 源、財源 、物 理 的 資 源 ）の 情 報収 集・分 析（ 指 標 1-1）、2） ワ ー ク フ ロー の 策 定 （ 指 標 1-2）、3） ワ ー ク フ ロ ー に 基づ く活 動 の 実 施 及 び モ ニ タ リ ン グ が 実 施さ れた （ 指 標 1-3、1-4）。 これ ら の 活 動 実 施 の 結果 、DTI 本 部 に お け る ナ シ ョ ナ ル ・ プ ロ ジ ェ ク ト ・ マ ネ ジ メ ン ト ・ オ フ ィ ス （National Project Management Office：NPMO）及 びDTI地 方 事 務 所 に お け るサ テラ イ ト・プ ロ ジ ェ ク ト・マ ネ ジ メ ン ト ・ オ フ ィ ス （Satellite Project Management Office：SPMO） が 設 置 さ れ 、 産 業ク ラ ス タ ー ・ ア プ ロ ー チ 促 進 業 務 にお ける 報 告 ・ モ ニ タ リ ング 体制 が DTI 内 で 整 っ た 。加 え て 、 産 業 振 興 に 向 け た 連 携 を 強 化 す る こ と を 目 的 と し た 関 連 省 庁 と の 覚 書 文 書 （Memorandum of Understanding：MOU） が 締 結 さ れ る と と も に 、 産 業 ク ラ ス タ ー の 支 援 に 関 す る 決 議 が 地 方 開 発 協 議 会（Regional Development Council：RDC）と ほ と ん ど の 産 業 クラ ス タ ー の 間 で 承 認 さ れ 、 産 業 ク ラス ター ・ ア プ ロ ー チ を 促進 する 制 度 的 枠 組 み が おお むね 構 築 さ れ た 。 ま た 、DTIは 、ク ラ ス ター 管 理 の 好 事 例 や 産業 クラ ス タ ー 形 成 の た めの ガイ ド ラ イ ン を ま と め た「 ク ラ ス タ ー管 理運 営 マ ニ ュ ア ル：経験・教 訓・グ ッ ド プ ラ クテ ィス 集 」や「 中 期 活 動 計 画（2015～2016年）」を 現 在 策 定 し てお り、プ ロ ジ ェ ク ト 終 了 後 の活 動 実 施 に 向 け た 取 り 組 み を 進 め てい る。 成 果2 ル ソ ン 地 域、ビサ ヤ 地 域 、ダ バオ 以 外 3 の ミ ン ダ ナ オ 地 域 に おい て、産 業 ク ラ ス タ ー ・ ア プ ロ ー チ のパ イロ ッ ト モ デ ル が 確 立さ れる ： 達 成 産 業 ク ラ ス タ ー・ア プ ロー チ の パ イ ロ ッ ト モデ ルを 確 立 す る た め に、各 産業 ク ラ ス タ ー を 対 象 に4つ の 能 力強 化支 援 モ ジ ュ ー ル（① ク ラス タ ー・ア プ ロ ーチ の 理解 、② 戦 略 的 ビ ジ ネ ス 計 画 の 策 定、③ 活動 計 画 の 策 定 、④定 期 的な モ ニ タ リ ン グ の 実施 ）を 使 っ た ワ ー ク シ ョ ッ プ が 実 施 さ れ、その 結 果 、ル ソ ン地 域 、ビサ ヤ 地 域 、ミ ンダ ナ オ 地域（ ダ バ オ を 除 3 ダ バ オ はDICCEPの 対 象 地 域 で あ り 、ダ バ オ の8つ の 対 象 ク ラ ス タ ー の 活 動 に つ い て は 成 果3の 下 で 実 施 さ れ て い る 。
く ） に お い て 16 の 産 業ク ラ ス タ ー が 組 織 化さ れた （ 指 標 2-1）。16 ク ラ ス タ ー の う ち 13 ク ラ ス タ ー で は 、策 定 され た 活 動 計 画 ど お りに クラ ス タ ー 活 動 が 実 施さ れた 。そ の 残 り の ク ラ ス タ ー で は 、 クラ スタ ー 活 動 費 の 多 く を日 本側 か ら の 資 金 に 大 きく 依存 し て い た り 、 大 学 や DTI 以 外 の 政 府機 関 と の 連 携 が 限 られ てい た り す る ケ ー ス が確 認さ れ た も の の 、 こ れ ら の ク ラ ス タ ーの 経験 も 踏 ま え 、DTIは 産 業ク ラ ス タ ー・ア プ ロー チを 複 製 す る た め の 多 く の 教 訓 を 得 た（ 指標2-2）。本 プ ロ ジェ ク トで は 、DICCEPか ら 支援を 受 け て い る ダ バ オ の ク ラ ス タ ーや16ク ラ ス タ ー の 経 験 を、ワー ク シ ョ ッ プ やNICCEPの ウ ェ ブ サ イ ト、 DTIが 出 版 し て い るNICCEP新 聞 等 を通 じ て 、他の ク ラ ス タ ー メ ン バー や関 係 機 関 、民 間 企 業 等 に 共 有 し て いる （指 標2-3）。 成 果3 ダ バ オ に て 、他地 域 に と っ て 参 考 とな るよ う な 産 業 ク ラ ス ター・ア プ ロ ー チ の 深 化 （ 発 展 ） モ デ ルが 確立 さ れ る ： 達 成 産 業 ク ラ ス タ ー の 発展 モデ ル を 確 立 す る た め 、DICCEPで 形 成 され た8つの ク ラ ス タ ー を 対 象 に 、4つ の モ ジ ュー ル を 使 っ た ワ ー クシ ョッ プ が 実 施 さ れ た 。ダバオ の ク ラ ス タ ー の 多 く で は 、バリ ュ ー チェ ー ン の 上 流 か ら 下流 にか け て よ り 多 く の 関係 者を 巻 き 込 ん だ 活 動 や （ バ リ ュ ー チ ェ ー ン の 縦 の 広 が り の 強 化 ）、大 学 、 産 業 、 関 連 政 府 機 関 と の 連 携 を 強 化 す る 活 動 が 行 わ れ （ バ リ ュ ー チ ェ ー ン の 横 の 広 が り の 強 化 ）、 積 極 的 に ク ラ ス タ ー 活 動 が 展 開 さ れ て い る（ 指標3-1）。8つ の 産 業 ク ラスタ ー の 経 験 か ら 得 られ た教 訓 は 、DTIが 現 在 策 定 中 の「ク ラ ス ター 管 理 運 営 マ ニ ュ アル：経 験・教 訓・グ ッ ド プ ラク テ ィ ス 集 」に ま と め ら れ る 予 定 であ る（ 指 標 3-2）。 （2）プ ロ ジ ェ ク ト 目 標 産 業 振 興 を 目 的 とし た持 続 可 能 か つ 複 製 可能 な産 業 ク ラ ス タ ー・ア プ ロ ー チ を 発 展 さ せな がら 展 開 さ せ る た めの DTI の ナ シ ョ ナ ル キ ャ パ シテ ィ が 構 築 さ れ る ： 達 成 見 込 み は 高い プ ロ ジ ェ ク ト 終 了 時ま でに 、プ ロ ジ ェ ク ト 目標 が達 成 さ れ る 見 込 み は高 い。DTIは プ ロ ジ ェ ク ト 終 了 後 に 向け て産 業 ク ラ ス タ ー・ア プ ロー チ 展 開 の 中 期 計 画を 策定 し て い る 。ま た 、全 国 的 に6つの 優 先産 業 ク ラ ス タ ー を 特定 し、ナ シ ョ ナ ル 産 業ク ラ スタ ー コ ー デ ィ ネ ー タ ー を 任 命 す る など の取 り 組 み を 進 め て いる こと か ら 、産 業 ク ラス タ ー・ア プ ロ ー チ の 推 進 へ 向 け たDTIの コ ミ ッ ト メ ン ト とDTIの 実 施 能 力 の 強 化 が う か がえ る。 プ ロ ジ ェ ク ト 対 象 地域 では 、ミ マ ロ パ（Region4-Bの 観 光 ク ラ ス ター ）とマ ニ ラ 首 都 圏 （NCR の 健 康 ・ 医 療 観 光 ク ラ ス タ ー ） を 除 く す べ て の 地 域 に お い て 、 産 業 ク ラ ス タ ー ・ ア プ ロ ー チ は 産 業 開発 のた め の 有 益 な ツ ー ルと して RDCに 承 認 され た（ 指標1）。加 え て、 24の 対 象 ク ラ スタ ー（ 成果2の16ク ラ ス タ ー と成 果3の8ク ラ ス ター の合 計 ）の う ち23 の ク ラ ス タ ー で は 、 今 後 も ク ラ ス タ ー 活 動 を 続 け る コ ミ ッ ト メ ン ト が 表 明 さ れ た （ 指 標 2）。ま た 、特に ダ バ オ にお い て 、ク ラ スタ ー 間 での 連 携 も 行 わ れ て いる（指 標3）。成果1 の 達 成 度 で み た と おり 、DTIは 産 業 ク ラ ス タ ー 振興 の た め の 制 度 的 枠組 みの 基 盤 を 確 立 し て お り 、「 ク ラ ス タ ー 管 理 運 営 マ ニ ュ ア ル ： 経 験 ・ 教 訓 ・ グ ッ ド プ ラ ク テ ィ ス 集 」 を 策 定 中 で あ る （ 指 標 4）。 これ ら の プ ロ ジ ェ ク ト 実 績 は 、 産 業 ク ラ ス タ ー ・ ア プ ロ ー チ を 発 展 さ せ な が ら 、 展 開 させ るた め の 確 固 た る 土 台と なっ て い る 。
３ － ２ 評 価 結 果 の要 約 （1） 妥 当 性 ： 非 常 に 高い 本 プ ロ ジ ェ ク ト の 妥 当 性 は 「 非 常 に 高 い 」 と 評 価 さ れ る 。 本 プ ロ ジ ェ ク ト は 、「 フ ィ リ ピ ン 開 発 計 画2011～2016年（PDP）」に 沿 う 内 容で あ る 。雇 用 創 出 と 貧 困削 減 を 実 現 す る 「 包 摂 的 な 成 長」を 達 成す る た め に 、PDPで は特に 中 小 零 細 企 業 支 援の 強化 と 産 業 ク ラ ス タ ー 開 発 の 展 開 を 重点 分野 と し て お り 、プロ ジ ェク ト の 内 容 と 整 合 性が 高い 。ま た 、本 プ ロ ジ ェ ク ト は、「 中 小 零細 企 業 開 発 計 画 2011～2016年 」や「 フ ィ リ ピ ン 輸出 開 発 計 画2014 ～2016 年 」 な ど の 他 の 政 策 文 書 に も 合 致 す る 内 容 で あ る の に 加 え 、 プ ロ ジ ェ ク ト の 取 り 組 み は 、 現 政 権 の 優先 プロ グ ラ ム で あ る 「 製造 業再 生 プ ロ グ ラ ム 」 のな かに あ る SME開 発 や イ ノ ベ ー シ ョ ンコ ンポ ー ネ ン ト に も 取 り込 まれ て い る 。さ ら に、わ が国 の 対 フ ィ リ ピ ン 国 援 助 政 策 の 内 容に 合致 し て い る 。 （2） 有 効 性 ： や や 高 い 本 プ ロ ジ ェ ク ト の 有効 性は 「 や や 高 い 」 と 評価 され る 。 プ ロ ジ ェ ク トの3つ の 成 果 は 、 プ ロ ジ ェ ク ト 目 標 達成 のた め に 必 要 な 要 素 をす べて 網 羅 し て お り、プ ロ ジェ ク ト 実 施 の 結 果 、3 つ の 成 果 は 達 成 さ れ 、 プ ロ ジ ェ ク ト 目 標 （「 産 業 振 興 を 目 的 と し た 持 続 可 能 か つ 複 製 可 能 な 産 業 ク ラ スタ ー・ ア プ ロ ー チ を 発 展さ せな が ら 展 開 さ せ る ための DTI の ナ シ ョ ナ ル キ ャ パ シ テ ィ が 構 築 さ れ る 」） は プ ロ ジ ェ ク ト 終 了 ま で に 達 成 さ れ る 見 込 み で あ る 。 総 合 的 に み て 、本プ ロ ジェ ク ト は 、多 岐 にわ た る特 筆 す べ き 成 果 を 特に 現場 レ ベ ル で 産 出 し て い る 。他 方 、今 後 の産 業 ク ラ ス タ ー・ア プ ロー チ の 強 化 と 複 製 のた め、DTIが 、ク ラ ス タ ー の 幅 広 い ニ ーズ を分 析 し 、必 要 に 応じ て 政策 対 応 を 行 う 実 践 的な メカ ニ ズ ム と 、ク ラ ス タ ー ア ド バ イ ザー とコ ー デ ィ ネ ー タ ー の能 力強 化 メ カ ニ ズ ム を 確立 すれ ば 、さ ら な る 発 展 が 期 待 さ れ る 。 （3） 効 率 性 ： 高 い プ ロ ジ ェ ク ト の 効 率性 は「 高 い 」と 評価 さ れ る 。投入 は お お む ね 計 画 どお りに 実 施 さ れ 、 3つ の 成 果 の 達 成 に 向 けた 活 動 実 施 に 適 切 に活 用さ れ た 。プ ロ ジ ェ ク ト活動 は 、大 き な 遅 れ も な く お お む ね 計画 どお り に 実 施 さ れ て おり 、す べ て の 活 動 が 完 了し てい る か 、ま た は 協 力 期 間 終 了 時 ま で に は 完 了 す る 予 定 で あ る 。 プ ロ ジ ェ ク ト の 効 率 性 は 、1） 効 果 的 な 産 官 学 連 携 、2）効 果 的 なプ ロ ジ ェ ク ト 管 理 、3）効 果 的 な 技 術 移 転とDICCEPで の 教 訓の 活 用 、4） 産 業 ク ラ ス タ ー・ ア プ ロ ー チ 推 進 に対 する DTI の コ ミ ッ ト メ ント 、5） 民 間 セ ク タ ー の 積 極 的 な 関 与、6）日 本 の 他 の 援 助 ス キー ムと の シ ナ ジ ー 効 果 によ って 高 め ら れ た。 ク ラ ス タ ー 活 動 予 算 額 の な か で 、 日 本 側 の 支 援 分 は 全 体 の わ ず か 10％ に す ぎ ず 、 ク ラ ス タ ー 関 係 者 か ら 動 員さ れた さ ま ざ ま な リ ソ ース（人 的 資 源 、財 源、物 的 資源 等 ）は 、プロ ジ ェ ク ト の 効 率 性 を高 めた だ け で な く 、各 産 業 クラ ス タ ー の 持 続 性 を高 める こ と に も 大 い に 貢 献 し た 。 （4） イ ン パ ク ト ： 高 い プ ロ ジ ェ ク ト の イ ン パ ク ト は 「 高 い 」 と 評 価 さ れ る 。 上 位 目 標 （「 産 業 育成 の ツ ー ル と し て 、 産 業 ク ラ ス タ ー ・ ア プ ロ ー チ が 全 国 各 地 で 実 践 （ 複 製 ） さ れ る 」）が プ ロ ジ ェ ク ト
終 了 後3年 の 間 に 達成 され る 可 能 性 は 高 い と考 えら れ る 。産 業 クラ ス タ ーの 複 製 プ ロ セ ス は 既 に い く つ かの DTI地 方 事 務 所 に よ っ て開 始さ れ て い る （ 指標 1）。例 え ば 、 ダ バ オ 地 域 で は 、プ ロ ジェ ク ト 対象 の8つ の ク ラ ス ター に加 え て 新 た に8つ のク ラス タ ー が 形 成 さ れ 、新 し い 産 業 クラ ス ター メ ン バ ー は 、クラ ス ター ア ド バ イ ザ ー や コー ディ ネ ー タ ー が フ ァ シ リ テ ー シ ョ ン をす る4つ の モ ジ ュ ー ル の ワ ーク シ ョ ッ プ に 参 加 して いる 。NICCEPで 支 援 し た ク ラ ス タ ーも 活動 の 継 続 を コ ミ ッ トし てお り（ 指 標2）、DTI本 省 も ナ シ ョ ナ ル ・ ク ラ ス タ ー・コ ーデ ィ ネー タ ー を 任 命 し ク ラス ター・ア プ ロ ー チ の適 用 拡大 を 行 う 予 定 で あ る（ 指 標1、指標2、指 標3）。また 、プ ロ ジェク ト の 間 接 的 な 正 の効 果と し て 、ク ラ ス タ ー 活 動 の 実 施 が、先 住民 や 伝 統 的 な 漁 業 コミ ュニ テ ィ な ど の 脆 弱 な社 会グ ル ー プ の 経 済 状 況 の 改 善 に 貢 献 して いる 。 （5） 持 続 性 ： や や 高 い 本 プ ロ ジ ェ ク ト の 持続 性は「 や や 高 い」と 評 価 され る 。政 策・制 度 面 で は、本 プ ロ ジ ェ ク ト は 、フ ィ リ ピン の 主要 開 発 政 策 に 合 致 して おり 、現 時 点 で は 、ク ラ スタ ー 開 発 に よ る 生 産 性 向 上 に 関 す るフ ィリ ピ ン の 政 策 の 方 向性 が大 き く 変 わ る 見 込 みは なく 、政 策・制 度 面 の 持 続 性 は 高 い 。組 織面 で は プ ロ ジ ェ ク トで 構築 さ れ たNPMOやSPMOな ど の 機 能 は プ ロ ジ ェ ク ト 終 了 後も 維持 さ れ る 見 込 み で ある 。財 政 面 で は ク ラ ス ター 開発 は フ ィ リ ピ ン 政 府 の 優 先 プ ロ グ ラム の1つ で あ る「 製 造 業 再生プ ロ グ ラ ム 」の なか に 統合 さ れ 、産 業 ク ラ ス タ ー 活 動 に か かわ る予 算 は 同 プ ロ グ ラ ムや DTI の 既 存 プ ロ グ ラム 〔共 同 サ ー ビ ス フ ァ シ リ テ ィ プ ロ グ ラム（Shared Service Facilities：SSF）や 中 小 企 業 ロ ー ビン グ・ア カ デ ミ ー プ ロ グ ラ ム（SME Roving Academy：SMERA）等 〕か ら 支 出 され る 見 込み で る が 、活 動 全 体 に 対 す るJICAか ら の 支 援 割 合 が 高 か った クラ ス タ ー に つ い て は財 政面 で の 活 動 継 続 に 関 し て 懸 念 も 残 る 。 技 術 面 で は 、 本 プ ロ ジ ェ ク ト で は 、44 名 の ク ラ ス タ ー ア ド バ イ ザ ー と 76名 の ク ラ ス タ ーコ ー デ ィ ネ ー タ ー に研 修が 実 施 さ れ 、 関 係 者へ のイ ン タ ビ ュ ー に よ る と 、関 係 組 織の 中 核人 材 へ の 能 力 育 成 が十 分に 行 わ れ た と の こ とで あり 、持 続 性 は 高 い 。 現 場 レ ベ ル で 生 じ て い る さ ま ざ ま な 成 果 か ら か ん が み て も 、 本 プ ロ ジ ェ ク ト と DICCEPの 実施 を 通 じ て、産 業 ク ラ ス タ ー・ア プロ ー チ 促 進 の た めのDTIの 技 術 的 な 能 力 は 確 実 に 向 上 さ れ たと いえ る 。 ３ － ３ 効 果 発 現 に貢 献し た 要 因 （1） 計 画 内 容 に 関 す るこ と
・DICCEP の 教 訓活 用 ：DICCEP の 教 訓 を活 用 し、SMART 4 な 計 画 立 案 の重 要 性 を 強 調 し た こ と が 、 ク ラ ス ター 活動 実 施 の 成 功 に つ なが った 。 （2） 実 施 プ ロ セ ス に 関す る こ と ・ ク ラ ス タ ー 関 係 者 間 の 効 率 的 な 協 力 と 連 携 ： さ ま ざ ま な 政 府 機 関 が 提 供 す る サ ー ビ ス や プ ロ グ ラ ム が 非 常 に 効 果 的 に 組 み 合 わ さ れ た こ と で 相 乗 効 果 が 発 揮 さ れ 、 ク ラ ス タ ー 活 動 が 円 滑 に 実 施 さ れ た 。 関 係 者 間 の 協 力 を 促 進 す る た め 、 官 側 か ら の 代 表 機 関 の 4 具 体 的 で 、 測 定 可 能 で 、 達 成 可 能 で 、 妥 当 で 、 期 限 が 明 確 な 目 標 設 定
選 出 に あ た っ て は 、必 要に 応 じ て 、DTIが サ ポ ート 役 に ま わ る こ と で、対象 産 業 の 専 門 政 府 機 関 や 地 域 開 発 の 文 脈 で 主 要 な 意 思 決 定 機 関 で あ る 地 方 開 発 協 議 会 が 、 官 の 代 表 と し て の 役 割 を 果 たせ るよ う に し た 。 ・ 産 業 全 体 を 考 え ら れ る 民 間 セ ク タ ー 代 表 者 の 主 導 に よ る ク ラ ス タ ー 活 動 の 実 施 ： 民 間 セ ク タ ー の 積 極 的 な 関 与 が ク ラ ス タ ー 活 動 の 成 功 に は 欠 か せ な い こ と か ら 、 本 プ ロ ジ ェ ク ト で は ク ラ ス ター の議 長 と し て 民 間 セ クタ ーか ら 代 表 者 が 選 出 され た。 ・ 産 業 ク ラ ス タ ー ・ア プロ ー チ 推 進 に 対 する DTI の コ ミ ッ ト メ ン ト ： 産業 ク ラ ス タ ー ・ ア プ ロ ー チ の 推 進 に対 するDTIの 積 極 的 な 取 り 組み が プ ロ ジ ェ ク ト の実 施を 促 進 し た 。 ま た 、DTIが フ ァ シ リ テー シ ョ ン 役 に 徹 す るな どの 工 夫 も み ら れ 、他 の政府 機 関 や 民 間 セ ク タ ー の イ ニ シ アテ ィブ を 発 揮 さ せ る こ とに つな が っ た 。 ・ク ラ ス タ ー 計画 の 合 意形 成：ク ラ ス ター の 戦 略へ 向 け て 綿 密 な 合 意形 成を し た こ と が、 円 滑 な ク ラ ス タ ー 活動 実施 と さ ま ざ ま な 関 係者 から の リ ソ ー ス の 動 員を 可能 に し た 。 ・ 効 果 的 な プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 ： 各 レ ベ ル （ 中 央 ・ 地 域 ・ ク ラ ス タ ー ） で 、 定 期 的 な 会 合 が 実 施 さ れ 、 円 滑 なコ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン が 行わ れた 。 ３ － ４ 問 題 点 及 び問 題を 惹 起 し た 要 因 （1） 計 画 内 容 に 関 す るこ と ・ 特 に な し （2） 実 施 プ ロ セ ス に 関す る こ と ・ 産 業 ク ラ ス タ ー の 関 連 省 庁 か ら の 代 表 者 の 異 動 ： 研 修 や モ ジ ュ ー ル ワ ー ク シ ョ ッ プ に 参 加 し た 政 府 機 関 の代 表の 人 事 異 動 が 円 滑 なプ ロジ ェ ク ト 実 施 に 影 響を 与え た が 、DTI 本 省 や 民 間 企 業 、JICA 専 門 家 の 調 整 に よ り、 結果 的 に は 目 標 達 成 に大 きく 影 響 し な か っ た 。 ・ 自 然 災 害 の 発 生 ：プ ロジ ェ ク ト 期 間 中 に 発生 した 超 大 型 台 風 （2013 年 の 台 風 ヨ ラ ン ダ 等 ） の 影 響 で 、 ク ラ ス タ ー 活 動 が 遅 れ ざ る を 得 な い 状 況 に 追 い 込 ま れ た ク ラ ス タ ー も あ っ た 。 ・ 地 理 的 制 約 ： ク ラ ス タ ー メ ン バ ー が い く つ か の 島 に 点 在 す る ビ サ ヤ で は 、 ク ラ ス タ ー 活 動 の 調 整 が 困 難 であ った 。 ３ － ５ 結 論 日 本 ・ フ ィ リ ピ ン 両国 の調 査 団 か ら 構 成 さ れた 合同 評 価 調 査 団 は 、 上記 のお お む ね 「 高 い」 と 判 断 さ れ た 評 価 調査 結果 を も っ て 、プ ロジ ェ クト 目 標 で あ る 、産業 振 興を 目 的 と し た 持 続 可 能 か つ 複 製 可 能 な 産業 クラ ス タ ー ・ ア プ ロ ーチ を発 展 さ せ な が ら 展 開さ せる た め の DTI の ナ シ ョ ナ ル キ ャ パ シ ティ は構 築 さ れ た と 評 価 でき る。 プ ロ ジ ェ ク ト を 予定 どお り2015年 3月 で 終 了 す る こ と が 適 切と 判断 す る 。 ３ － ６ 提 言 （1） ク ラ ス タ ー 形 成 ・活 動 や 他 の 事 例 に 関す る徹 底 分 析 既 存 ク ラ ス タ ー や 今後 形成 さ れ る ク ラ ス タ ーの パフ ォ ー マ ン ス を 高 める には 、他 の 事 例
な ど と の 比 較（ ベ ンチ マー キ ン グ ）し て い く必 要が あ り 、そ の た め には 、グ ッ ド プ ラ ク テ ィ ス や フ ィ リ ピ ン に 適 用 可 能 な 他 の 手 法 ・ 技 術 の 徹 底 分 析 が 有 効 で あ る と 考 え ら れ る 。 DTIは フ ィ リ ピ ン 国 内 のク ラ ス タ ー 事 例 を 活用 して「 ク ラ ス タ ー 管 理運 営マ ニ ュ ア ル 」を 策 定 中 で は あ る が 、調 査団 は 、DTIが 、他 国 の ク ラ ス タ ー 形 成・活 動 の 事例 や 、フ ィ リ ピ ン の ク ラ ス タ ー 活 動に 適用 で き る 産 業 振 興 の新 たな 手 法・技 術 に つい て も、事 例 研 究 を 進 め て い く よ う 提 言 する 。 （2） 継 続 的 な 人 材 育 成制 度 の 構 築 ク ラ ス タ ー ア ド バ イザ ーと コ ー デ ィ ネ ー タ ーに は、他 の ク ラ ス ター メ ン バー と の 人 脈 構 築 や 、産 業 に つ いて 深 い理 解 が 必 要 で あ り、講 義形 式 の 研 修 だ け で は得 られ な い ス キ ル や 知 識 が 求 め ら れ る。新 たな ア ド バ イ ザ ー や コー ディ ネ ー タ ー を 今 後 育成 する に は 、経 験 豊 富 な ア ド バ イ ザ ー とコ ーデ ィ ネ ー タ ー の 指 導に よる OJT を 通 じ 、 実 践 の経 験 を 積 む 必 要 が あ る 。 プ ロ ジ ェ ク ト 終 了 後 の 新 た な ア ド バ イ ザ ー や コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 能 力 強 化 は 、 DICCEPとNICCEPを 通じ て 経 験 を 得 たDTIの 人 材 に よ る と こ ろ が 大き いた め 、DTI内 で の 新 し い ア ド バ イ ザー やコ ー デ ィ ネ ー タ ー 向け のOJTメ カ ニ ズ ムの 確 立 が重 要 で あ る 。 （3） 政 策 立 案 の 基 礎 とし て の 産 業 ク ラ ス ター ・ア プ ロ ー チ の 活 用と DTI 内 部 で の 協 力 や 関 係 機 関 と の 協 力 の 推進 産 業 ク ラ ス タ ー・ア プ ロー チ を 通 じ て 明 ら かに なっ た 産 業 の ニ ー ズ は、新た な 産 業 政 策 立 案 の 基 礎 と し て 活用 でき る 可 能 性 が あ る こと から 、調 査 団 は 、DTIが ク ラ ス タ ー の ニ ー ズ と 既 存 の 支 援 サ ービ スや プ ロ グ ラ ム の 間 のギ ャッ プ を 分 析 し 、必 要 に 応じ て そ の ギ ャ ッ プ を 埋 め る よ う な 新た なプ ロ グ ラ ム を 立 ち 上げ るこ と を 提 言 す る 。加 え て、中 央 レ ベ ル で は 、民 間 セ ク タ ー への 支援 を 行 う に あ た り 、DTI内 部 及 び そ の 他 の 省庁 との 調 整 を よ り 効 率 的 に 行 う こ と が 重要 であ る 。 （4） 関 係 機 関 か ら の さら な る リ ソ ー ス の 動員 ほ と ん ど の ク ラ ス タ ー で は 、DTI や 他 の 関 係 者 か ら 資 源 を 効 率 的 に 動 員 し て い る も の の 、い く つ か の クラ ス ター は 日 本 側 か ら の 資金 投入 に 大 き く 依 存 し てい た。す べ て の ク ラ ス タ ー の 持 続 性 を 確保 する た め 、調 査 団 は 、DTIが こ れ ら の ク ラ ス ター で資 金 動 員 が 十 分 に で き な か っ た 理 由を 分析 し た う え で 対 応 策を 考え る こ と を 提 案 す る。 ３ － ７ 教 訓 （1） 産 業 ク ラ ス タ ー ・ア プ ロ ー チ の 簡 素 化の 重要 性 本 プ ロ ジ ェ ク ト の ワー クシ ョ ッ プ で 利 用 さ れた 教材 や 分 析 ツ ー ル は、シ ンプ ル で わ か り や す い も の で あ り、参 加者 が 計 画 を 具 体 的 な戦 略ビ ジ ネ ス 計 画 や 実 行計 画に つ い て 合 意 形 成 を 図 り 、実 施 に移 す のに 役 に 立 っ た 。多岐 に わた る 関 係 者 を 対 象 にす る活 動 で は 、ア プ ロ ー チ や コ ン セ プ トの わか り や す さ を 追 求 する こと が 非 常 に 重 要 で ある 。 （2） 合 意 形 成 に 必 要 とさ れ る 一 定 の 時 間 への 配慮 本 プ ロ ジ ェ ク ト で は、産業 に 影 響 を 与 え る 問題 の分 析 や 、問 題 解 決の た めの 戦 略 立 案 の
プ ロ セ ス に 当 初 の 予定 より も 時 間 を か け た。計 画段 階 で の 合 意 形 成 は、関係 者 の オ ー ナ ー シ ッ プ を 高 め 、ク ラ ス ター 活 動 へ の 参 加 に 大き く影 響 す る 最 も 重 要 なス テッ プ の1つ で あ る た め 、 合 意 形 成 のた めに は 十 分 な 時 間 を 確保 して お く こ と が 重 要 であ る。 （3） 民 間 主 導 の イ ニ シア テ ィ ブ を 推 進 す るた めの メ カ ニ ズ ム の 構 築 本 プ ロ ジ ェ ク ト で は、活動 が 順 調 に 進 ん で いる クラ ス タ ー の 多 く は 民間 セク タ ー の 積 極 的 な 参 加 が み ら れ た。クラ ス タ ー 活 動 が 持 続的 に継 続 さ れ る に は 、民 間 セク タ ー が ク ラ ス タ ー 活 動 を 主 導 で きる 、ま た は 、活 動 実 施の イ ニシ ア テ ィ ブ を と れ るよ うな シ ス テ ム の 構 築 が 重 要 で あ る 。
第 １ 章
第 １ 章
第 １ 章
第 １ 章
終
終
終
終 了 時 評 価 調 査 の 概 要
了 時 評 価 調 査 の 概 要
了 時 評 価 調 査 の 概 要
了 時 評 価 調 査 の 概 要
１ － １ 調 査 団 派 遣の 背景 と 目 的 フ ィ リ ピ ン 共 和 国 （ 以 下 、「 フ ィ リ ピ ン 」 と 記 す ） 政 府 は 、 フ ィ リ ピ ン 開 発 計 画 （Philippine Development Plan：PDP 2011～2016）において、産業の競争力強化、経済成長の加速化、貧困削減、 雇用の創出のために、中期目標として、1）ビジネス環境整備、2）生産性・効率性向上、3）消費 者満足度の向上（商品・サービスの品質向上）を掲げており、特に2）生産性・効率性向上に資す るために「中小零細企業支援」及び「産業クラスター・アプローチの活用」を重視している。 フ ィ リ ピ ン に お い て、上記 中 期 計 画 に 基 づ いて 中小 企 業 向 け 諸 施 策 を調 整・統 括 す る 立 場 にあ る の は 貿 易 産 業 省 （Department of Trade and Industry：DTI） で あ る が 、JICAは2007年10月 か ら 2010年6月 に か け て 、ミン ダ ナ オ 島 の ダ バ オを プロ ジ ェ ク ト サ イ ト とし て「 ダ バ オ 産 業 ク ラ ス タ ー 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト」（Davao Industry Cluster Capacity Enhancement Project：DICCEP） を 実施 し 、 DTI-Region XI（DTIの 出 先 機 関 で あ り ダ バ オの 中小 企 業 振 興 を 所 掌 ）の 産業 ク ラ ス タ ー・ア プロ ー チ の 実 践 に 係 る 能力 強化 を 行 っ た 。DICCEP では 、 特 に プ ロ ジ ェ クト 対象 各 ク ラ ス タ ー の 現場 レ ベ ル で 具 体 的 な 成果 が発 現 し 、DTIに よ る 産 業ク ラ ス タ ー ・ ア プロ ー チ推 進 の グ ッ ド プ ラ クテ ィ ス と し て フ ィ リ ピン 国内 に お い て 認 識 さ れ高 い評 価 を 得 た 。DICCEP の成 功 を 受 け 、DTI は 、 産 業 ク ラ ス タ ー ・ ア プ ロ ー チ の 推 進 手 法 を 他 の 地 域 に 展 開 す る と と も に 、 ダ バ オ に お い て も DICCEP で 実 施し た 活 動を 継 続 的 に 発 展 さ せ、 将来 に わ た っ て 産 業 クラ スタ ー ・ ア プ ロ ー チ を全 国 レ ベ ル で 継 続 的 に発 展・ 展 開 さ せ る こ と がで きる よ う 技 術 協 力 プ ロジ ェク ト を 要 請 し た 。 同 要 請 を 受 け 、JICAは、2010年 に 協 力 準 備 調査 、2011年 に 補 足 調 査 を実 施 し 、 こ れ ら 一 連の 調 査 結 果 に 基 づ き、2011年11月 に 本 プ ロ ジ ェ クト「 全 国 産 業 クラ ス タ ー能 力 向 上 プ ロ ジ ェ クト 」 （National Industry Cluster Capacity Enhancement Project：NICCEP）の 実 施 に 係る 討 議 議 事 録（Record of Discussions：R/D） が 署 名 さ れ た 。 本 終 了 時 評 価 調 査 は 、同R/Dに 基 づ い て 、プ ロジェ ク ト 活 動 の 実 績・成 果を 評 価 、確 認 す る と と も に 、今 後 のプ ロ ジ ェク ト 活 動 に 対 す る 提言 及び 今 後 の 類 似 事 業 の実 施に あ た っ て の 教 訓 を導 く こ と を 目 的 と し て、 実施 さ れ た 。 １ － ２ 調 査 団 の 構成 と調 査 日 程 （1） 調 査 団 の 構 成 調 査 の 実 施 に あ た って は、以 下 の メ ン バ ー か らなる 合 同 評 価 調 査 団 を形 成し 、日 本・フィ リ ピ ン 国 側 双 方 に よる 合同 評 価 を 行 っ た 。 調査 団の メ ン バ ー は 以 下 のと おり で あ る 。 1） 日 本 側 担 当 分 野 氏 名 所 属 団 長 上 田 隆 文 JICA国 際 協力 専 門 員 （民 間 セ ク タ ー 開 発 ） 協 力 企 画 三 島 健 史 JICA産 業 開発 ・ 公 共 政策 部 民 間 セ ク タ ー グ ル ープ 第一 チ ー ム 副 調 査 役 ク ラ ス タ ー 開 発 佐 藤 千 惠 （ 有 ）ビ ズ テ ッ ク 代 表取 締 役 社 長 静 岡 大学 大学 院 客 員 教 授 評 価 分 析 鹿 糠 説 子 （ 有 ） ア イ エ ム ジ ー アナ リ ス ト2） フ ィ リ ピ ン 側 氏 名 所 属 Ronnel B. Ruanes 産 業 貿 易 省 リ ソ ー ス ・ ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン 及 び マ ネ ジ メ ン ト ・ サ ー ビ ス 局 産 業 貿易 シニ ア ス ペ シ ャ リ ス ト （2） 調 査 の 日 程 本 合 同 調 査 は2015年2月8日（ 日 ）か ら2015年2月27日（ 金 ）の 日程 で 実 施 さ れ た（ 評 価 調 査 日 程 の 詳 細 は、 付属 資 料3. Annex.1を 参 照 ）。 １ － ３ プ ロ ジ ェ クト の概 要 協 力 期 間 ：2012年2月 ～2015年3月 （ 約3年 間 ）
相 手 国 関 連 機 関 ： 貿易 産業 省 （DTI） 地 方 事 業 局（Regional Operations Group：ROG） 対 象 地 域 ： バ ン サ モロ を除 く フ ィ リ ピ ン 全 土
（ 対 象 ク ラ ス タ ー は冒 頭の 調 査 対 象 地 域 地 図を 参照 ） 対 象 者 ：
1）DTI-ROG 及 び DTI-Region 3、DTI-Region 4-A、DTI-Region 7、DTI-Region 11、 DTI-Region-12 2） ダ バ オ 地 方 を 除 く ルソ ン 、 ビ サ ヤ 、 ミ ンダ ナオ の16の パ イ ロ ッ ト クラ ス タ ー 3） ダ バ オ 地 方 のDICCEP対象8つ の ク ラ ス ター 上 位 目 標 ： 産 業 育 成 の ツ ー ル と し て 、 産 業 ク ラ ス タ ー ・ ア プ ロ ー チ が 全 国 各 地 で 実 践 （ 複 製 ） さ れ る 。 プ ロ ジ ェ ク ト 目 標 ： 産 業 振 興 を 目 的 と し た 持 続 可 能 か つ 複 製 可 能 な 産 業 ク ラ ス タ ー ・ ア プ ロ ー チ を 発 展 さ せ なが ら展 開 さ せ る た め のDTIの ナ シ ョ ナ ル キ ャ パ シテ ィが 構 築 さ れ る 。 成 果 ： 1） 産業クラスター・アプローチを促進し主流化するための実践的かつ持続的な業務実施 上 の ワ ー ク フ ロ ーがDTIに よ っ て 計 画 さ れ 、実 践さ れ る 。 2）ル ソ ン 地 域 、ビ サ ヤ地 域 、ダ バ オ 以外 の ミ ンダ ナ オ 地 域 に お い て 、産 業 ク ラ ス タ ー ・ ア プ ロ ー チ の パ イ ロッ トモ デ ル が 確 立 さ れ る。 3）ダ バ オ に お い て 、他 地域 に と っ て 参 考 と なる よう な 産 業 ク ラ ス タ ー・アプ ロ ー チ の 深 化 （ 発 展 ） モ デ ル が確 立さ れ る 。 活 動 ： ［ 成 果1の 活 動 ］ 1）DTI及び関係組織の、産業クラスター・アプローチを促進していくための現在の機能・ 能 力 及 び 人 的 ・ 資 金リ ソー ス を 精 査 す る 。 2）活 動1-1の 結 果 に 基 づき 、産 業 ク ラ スタ ー・ア プ ロ ー チ を 促 進 す るた めに 必 要 十 分 な 人 的 ・ 資 金 リ ソ ー スの 投入 を 担 保 し た 業 務 実施 上の ワ ー ク フ ロ ー を 計画 する 。 3）ワ ー ク フ ロ ー を 実施す る と と も に 、ワ ー ク フロ ー の 継 続 的 な 改 良の ため に ワ ー ク フ ロ ー 実 施 の 進 捗 状 況 をモ ニタ リ ン グ す る 。
［ 成 果2の 活 動 ］ 1） ルソン地方、ビサヤ地方、ダバオ以外のミンダナオ地方における産業クラスターにつ い て 調 査 を 実 施 し 、産 業ク ラ ス タ ー 強 化 の 観点 から 同 地 方 に お け る 産業 クラ ス タ ー の 現 状 ・ ポ テ ン シ ャ ル ・阻 害要 因 を 把 握 す る 。 2） 産学官出身の産業クラスターのコアメンバーが、彼らの所属する産業クラスターを強 化 す る た め の 活 動 を企 画・ 実 施 で き る よ う にな るた め の ト レ ー ニ ン グを 実施 す る 。 3） 産学官出身の産業クラスターのコアメンバーが、彼らの所属する産業クラスターを強 化 す る た め の ク ラ スタ ー活 動 を 取 り ま と め、同 活動 を 計 画・実 施す る こ とを サ ポ ー ト す る 。 4） 上記活動をモニタリングし助言を与えるとともに、計画・実施能力をより改善するた め の ワ ー ク シ ョ ッ プを 定期 的 に 実 施 す る 。 ［ 成 果3の 活 動 ］ 1） ダバオ地方におけるプロジェクト対象産業クラスターが実施中の活動を確認・分析す る と と も に 、産業 ク ラ スタ ー を よ り 強 化 す るた めの 発 展 活 動 を 、彼 ら が 計画 す る こ と を 支 援 す る た め に 、 定期 的に ワ ー ク シ ョ ッ プ を実 施す る 。 2） 上記において計画された活動を実施するために必要となる組織を形成することを支援 す る と と も に 、 同 組織 が上 記 で 計 画 さ れ た 活動 を実 施 す る こ と を 支 援す る。 3） クラスター活動をモニタリングし、活動を改善・強化するため指導・助言を与えると と も に 、 計 画 ・ 実 施能 力を よ り 改 善 す る た めの ワー ク シ ョ ッ プ を 定 期的 に実 施 す る 。
第 ２ 章
第 ２ 章
第 ２ 章
第 ２ 章
終 了 時 評 価 調 査 の 方 法
終 了 時 評 価 調 査 の 方 法
終 了 時 評 価 調 査 の 方 法
終 了 時 評 価 調 査 の 方 法
２ － １ 終 了 時 評 価調 査の 視 点 と 方 法 本 終 了 時 評 価 で は、「新JICA事 業 評 価 ガ イ ド ラ イン 第1版 」（2010年 ） を指 針 と し て 、 評 価 調 査 を 実 施 し た 。 （1） 終 了 時 評 価 調 査 の視 点 終 了 時 評 価 の 主 な 目的 は、そ れ ま で の 実 績を 確 認の う え で 、プ ロ ジェ ク ト目 標 が プ ロ ジ ェ ク ト 終 了 時 ま で に 達成 され る か を 総 合 的 に 検証 する こ と で あ る 。終了 時 評価 で は 、プ ロ ジ ェ ク ト 終 了 後 の 普 及 実施 体制 に 係 る 検 討 が 重 要な ポイ ン ト の1つ に な る。プロ ジ ェ ク ト 終 了 後 に も 、実 施 機 関 が プ ロジェ ク ト の 成 果 を 定 着さ せ、持 続 で き る か 、上 位 目標 の 達 成 及 び 持 続 性 の 確 保 に は ど の よう な対 応 が 必 要 か 、 何 が必 要か 、 と い っ た 点 を 検証 する 。 （2） 終 了 時 評 価 調 査 の方 法 本 終 了 時 評 価 で は 、以 下の 手 順 に よ っ て 評 価調 査を 実 施 し た 。1）最 新 版 の プ ロ ジ ェクト・デ ザ イ ン・マ トリ ック ス（Project Design Matrix：PDM）に 基づ き 、 プ ロ ジ ェ ク ト の実 績を 確 認 す る （PDMは 、付 属 資 料3. Annex.2を 参 照 ）。 2）プ ロ ジ ェ ク ト 目 標 の達 成 見 込 み 、及 び上 位 目標 が プ ロ ジ ェ ク ト 終了 から3年 か ら5年 の 間 に 達 成 さ れ る 見 込み を確 認 す る 。 3）実 施 プ ロ セ ス を 検 証し 、プ ロ ジ ェ ク トの 活 動実 施 及 び 成 果 産 出 に貢 献し た 要 因 ま た は 阻 害 し た 要 因 を 分 析 する 。 4）評 価5項 目（ 妥 当 性、効 率 性 、有 効 性 、インパ ク ト 、持 続 性 ）の 観点か ら 、現 状・ 実 績 に 基 づ き 、 包 括 的 に評 価を 実 施 す る 。 5） プ ロ ジ ェ ク ト 関 係 者 と の 協 議 を 踏 ま え 、 プ ロ ジ ェ ク ト の 終 了 時 ま で に 実 施 す べ き こ と 、 ま た 、 終 了 後 に 実 施す べき こ と に 関 す る 提 言を 作成 す る 。 表 － １ 評 価5項 目 妥 当 性 プ ロ ジ ェ ク ト 目 標 や 上 位 目 標 が フ ィ リ ピ ン 政 府 の 開 発 政 策 や わ が 国 の 援 助 政 策 と 整 合 性 が と れ て いる か、裨 益 者 の ニ ー ズ や そ のニ ー ズ に 対 す る ア プロ ーチ は 適 切 で あ っ た か な ど 、プ ロジ ェ ク ト の 妥 当 性 につ いて 評 価 す る 。 有 効 性 プ ロ ジ ェ ク ト 目 標 がプ ロジ ェ ク ト 終 了 時 ま でに 達成 さ れ る か 、ま た 、プ ロジ ェ ク ト 目 標 の 達 成 が 成 果の 達成 に よ っ て 引 き 起 こさ れた の か を 評 価 す る 。 効 率 性 プ ロ ジ ェ ク ト の 投 入実 績と 成 果 産 出 の 達 成 度を 考慮 し 、プ ロ ジ ェ ク ト 投 入が ど の よ う に 効 率 的 に 成 果に 転換 さ れ た の か 、投入 の タイ ミ ン グ 、質 、量 の 観 点か ら 投 入 と 成 果 の 関 係 を 検証 する 。 イ ン パ ク ト プ ロ ジ ェ ク ト 終 了後3年か ら5年 の 間 に 上 位目 標が 達 成 さ れ る 見 込 み 、プロ ジ ェ ク ト 実 施 に よ り 直 接的・間 接 的 に も た ら さ れた プラ ス ま た は マ イ ナ スの 変化 の 有 無 を 検 証 す る 。 持 続 性 制 度 面 、 組 織 面 、 財務 面、 技 術 面 か ら 、 プ ロジ ェク ト 終 了 後 、 フ ィ リピ ン側 で 、 プ ロ ジ ェ ク ト で 発 現し た効 果 が ど の よ う に 持続 し、さ ら に 拡 大 し て い く かに つ い て 検 証 す る 。
２ － ２ 情 報 収 集 手段 終 了 時 評 価 調 査 で は 、 既 存 資 料 レ ビ ュ ー 、 質 問 票 調 査 ・ イ ン タ ビ ュ ー 調 査 、 現 地 調 査 に よ り 、 情 報 ・ デ ー タ を 収 集し た。 （1） 既 存 資 料 の レ ビ ュー 本 プ ロ ジ ェ ク ト に 関す る報 告 書（ 協 力 準 備 調 査報告 書 、詳 細 計 画 策 定 報告書 、中 間 レ ビ ュ ー 報 告 書 等 ）、 プ ロ ジ ェ ク ト 作 成 資 料 （ 研 修 資 料 、 事 業 進 捗 報 告 書 等 ） 産 業 ク ラ ス タ ー 促 進 の た め にDTIが 作 成 し た資 料 各 種（NICCEP新 聞、中 期 計 画 等 ）フ ィ リ ピン 政 府 の 開 発 政 策 文 書 、日 本 政 府 の 対 フィリ ピ ン 援 助 政 策 文 書等 のプ ロ ジ ェ ク ト 関 連 資料 を収 集 、分 析 し 、基 礎 情 報 に つ い て ま とめ た。 （2） 質 問 票 調 査 ・ イ ンタ ビ ュ ー 調 査 の 実 施 日 本 人 専 門 家 及 び カウ ンタ ー パ ー ト（Counterpart：C/P）に 対 して 質 問 票 を作 成 及 び 事 前 配 付 し た う え で 、関 係 者に個 別 イ ン タ ビ ュ ー 調査 を行 い 、追 加 情 報 の 収 集と分 析 を 行 っ た（ イ ン タ ビ ュ ー 対 象 者 リス トは 、 付 属 資 料3. Annex.4を 参 照 ）。 （3） 対 象 ク ラ ス タ ー への 訪 問 本 プ ロ ジ ェ ク ト の 対象 クラ ス タ ー（ ツ ゲガ ラ オ 地域 の 乳 製 品 ク ラ ス ター 及び レ ガ ス ピ 地 域 の 衣 料 品 ・ 家 庭 用 品ク ラス タ ー ） を 訪 問 し、DTI職 員 や ク ラ ス タ ー 関係 者に 本 プ ロ ジ ェ ク ト の ア プ ロ ー チ の 有 効 性 や プ ロ ジ ェ ク ト 実 施 に よ る 現 場 へ の イ ン パ ク ト に 係 る 聞 き 取 り を 行 っ た 。
第 ３ 章
第 ３ 章
第 ３ 章
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プ ロ ジ ェ ク ト の 実 績 と 実 施 プ ロ セ ス
プ ロ ジ ェ ク ト の 実 績 と 実 施 プ ロ セ ス
プ ロ ジ ェ ク ト の 実 績 と 実 施 プ ロ セ ス
プ ロ ジ ェ ク ト の 実 績 と 実 施 プ ロ セ ス
３ － １ 投 入 の 実 績 （1） 日 本 側 の 投 入 1） 専 門 家 の 派 遣 プ ロ ジ ェ ク ト 実 施 に必 要な 専 門 分 野 で ある 1） 総括/産 業 ク ラ ス タ ー 振興、2） 副 総 括/研 修 ワ ー ク シ ョ ッ プ 計画・フ ァ シ リ テ ー シ ョ ン 、3）業 務 調 整/ク ラ ス タ ー 活動 モ ニ タ リ ン グ 、 4） 地 域 ブ ラ ン ド 開 発/商 品 開 発 に お い て 、 日本 人専 門 家4名 が 派 遣 さ れ た（ 日 本 人 専 門 家 の リ ス ト は 、 付 属 資 料 3.Annex.5参 照 ）。 プ ロジ ェク ト 開 始 時 か ら の 派遣 期間 合 計 は 1,214 日 （40.46人/月 ） で あ る 。 2） 本 邦 研 修 中 央 ・ 地 方 レ ベ ル の C/P、 民 間 セ ク タ ー や 大学 のク ラ ス タ ー メ ン バ ーを 含む プ ロ ジ ェ ク ト 関 係 者 に 対 し 合計4回の 本 邦 研 修 を 実 施 した （付 属 資 料3. Annex.6を 参 照 ）。 表 － ２ 本 邦 研 修 概要 研 修 期 間 参 加 者 研 修 タ イ ト ル 対 象 グ ル ー プ 人 数 1 2013年8月25日 ～9月7日 Region 5 （ 衣 料 品 ・ 家 庭 用 品） 12名 天 然 素 材 を 利 用 し た 商 品 の 日 本 市 場 の 調 査 2 2014年5月11日 ～5月17日 Region 4A （ICTク ラ ス タ ー メン バー ） 14名 カ ラ バ ル ゾ ンICTク ラ スタ ー リ ー ダ ー 向 け の 能 力 強 化 プ ログ ラム 3 2014年11月5日 ～11月15日 DTI職 員 及 び 民 間 セ ク タ ー 18名 女 性 起 業 家 に よ る ビジ ネス 開 発 4 2014年12月6日 ～12月17日 DTI職 員 21名 日 本 政 府 の 地 方 産 業 ク ラ ス タ ー 開 発 支 援 シ ス テ ム ・ イ ニ シア ティ ブ 合 計 65名 3） 現 地 活 動 費 の 支 出 プ ロ ジ ェ ク ト の 開 始から 2015 年 1 月 ま で に 、ク ラ ス タ ー 活 動 経 費、 研修 、 ワ ー ク シ ョ ッ プ 、 交 通 費 な ど の資 金に 、 約 8,200万 円 （ 約 3,470 万 ペ ソ ） が 日 本 側によ り 支 出 さ れ た （ 付 属 資 料3. Annex.7を 参 照 ）。 （2） フ ィ リ ピ ン 側 の 投入 1） カ ウ ン タ ー パ ー ト （C/P） の 配 置 DTIは 、 本 プ ロ ジ ェ ク ト実 施 の た め に 中 央 （ナ ショ ナ ル ） レ ベ ル と 地方 レベ ル で 次 の と お りC/Pを 配 置 し た。ナシ ョ ナ ル・プ ロ ジェ ク ト・マ ネ ジ メ ン ト・オ フ ィス（National Project Management Office：NPMO）に お い て 、1）ナ シ ョ ナ ル・プ ロジ ェ ク ト デ ィレ ク タ ー と し て 、 DTI-ROGの 次 官 、2）ナシ ョ ナ ル・プ ロ ジェ ク トデ ィ レ ク タ ー 補 佐 とし て、DTI-ROGの 副 次 官 、3）NPMOマ ネ ジャ ー と し て 、DTIの 中 小企 業 開 発 局 （Bureau of Small and MediumEnterprise Development：BSMED）第 三 局 長 を 配置 し た 。地 方 レ ベル で は、サ テ ラ イ ト・プ ロ ジ ェ ク ト ・ マ ネ ジメ ント オ フ ィ ス （Satellite Project Management Office：SPMO） デ ィ レ ク タ ー と し て 、地 方 局長（Regional Director：RD）が 配 置 さ れ た（C/Pリス ト は 、付 属 資 料 3. Annex. 8を 参 照）。 2） 施 設 の 便 宜 供 与 DTI本 部 に お い て 日 本 人専 門 家 用 の 執 務 ス ペー スが 提 供 さ れ る と と もに 、研 修 や ワ ー ク シ ョ ッ プ 開 催 の た めの 施設 が 適 宜 提 供 さ れ た。 3） プ ロ ジ ェ ク ト 経 費 の支 出
DTIは 、 共 同 サ ー ビ ス ファ シ リ テ ィ プ ロ グ ラム （Shared Service Facilities：SSF 5
） や 中 小 企 業 ロ ー ビ ン グ ・ アカ デミ ー プ ロ グ ラ ム （SME Roving Academy： SMERA
6 ） な ど の 中 小 企 業 支 援 の た め の 既存 のプ ロ グ ラ ム を 活 用 し 、クラ ス タ ー 活 動 を 支 援し た。2012～2014年 に か け てDTIのNICCEPの 予 算 と し て 配 賦 され た額 は 、約1億8,500万 円（6,800万 ペ ソ 7 ） で あ る （ 予 算 内 訳 は付 属資 料3. Annex. 9を 参 照 ）。DTIか ら の 財 源 及 び 技術 支 援 に 加 え 、 農 業 省（Department of Agriculture：DA）や 農 地 改 革省（Department of Agrarian Reform：DAR）、 労 働 雇 用 省 （Department of Labor and Employment：DOLE）、 科 学 技 術省（Department of Science and Technology：DOST）、 環 境 天 然 資源 省（Department of Environment and Natural Resources： DENR）などの 関 係 省 庁 か ら も クラ スタ ー 活 動 経 費 が 支 出さ れた 。DTIが ま と め た ク ラ ス タ ー 活 動予 算に よ る と 、 全 ク ラス タ ー活 動 予 算 の う ち 、DTIの 負 担 分 は 全 体 の 17％ （3,140万 ペ ソ ）、 他の 政 府 機 関 や 民 間 セク ター の 負 担 分 は72％ （1億3,650万 ペ ソ ） で あ り 、 日 本 側 の 負担 分は 全 体 の わ ず か 12％ （2,210万 ペ ソ ） の み であ った （ ク ラ ス タ ー 活 動 予 算 は 付 属 資料3. Annex. 10を 参 照 ）。 ３ － ２ 活 動 の 実 績 本 プ ロ ジ ェ ク ト で は、1） 研 修 と 計 画 、2） 合 意形 成 、3） 実 施 と 学 習 の 3 つ の 段 階 に よ って 構 成 さ れ た 枠 組 み を 用い て、 プ ロ ジ ェ ク ト 活 動（ 特に 成 果 2及 び成 果3） を実 施 し た 。 図 － １ に示 さ れ て い る よ う に 、同 枠組 み に お い て 、4 つ の 能力 強 化 支 援 モ ジ ュ ール を用 い て ワ ー ク シ ョ ップ が 実 施 さ れ 、 対 象 産業 クラ ス タ ー へ の 支 援 が提 供さ れ た 。 中 間 レ ビ ュ ー で 述 べら れた よ う に 、ク ラ スタ ー の戦 略・活 動 計 画 立案 の ため の ク ラ ス タ ー 関 係 者 間 で の 合 意 形 成 は当 初予 定 よ り も 時 間 を 要し た。他 方 、十 分 な 時 間 を かけ た こ と で 、ク ラ ス タ ー メ ン バ ー が ク ラ スタ ー活 動 計 画 や 目 的 に 関す る認 識 を 十 分 に 共 有 でき たこ と が 、円 滑 なク ラ ス タ ー 活 動 実 施 に 結 びつ いた 。そ の 結 果 、ほ と ん どの プ ロ ジ ェ ク ト の 活動 は大 き な 遅 れ も な く 、お お む ね 計 画 ど お り に実 施さ れ て お り 、す べて の 活動 は 既 に 完 了 し て いる か、ま た は プ ロ ジ ェク ト 終 了 時 ま で に は 完 了さ れる 予 定 で あ る 。 5 SSF は 中 小 企 業 の ビ ジ ネ ス 拡 大 の た め の 機 材 供 与 プ ロ グ ラ ム で あ る 。 6 SMERA は 中 小 企 業 の 競 争 力 強 化 の た め の 継 続 学 習 プ ロ グ ラ ム で 、 起 業 研 修 な ど の 能 力 開 発 プ ロ グ ラ ム を 提 供 し て い る 。 7 為 替 レ ー ト は 、1フ ィ リ ピ ン ペ ソ ＝2.7円 を 適 用 し た 。
図 － １ 産 業 ク ラ スタ ー能 力 強 化 に 向 け て の全 体枠 組 み ３ － ３ 成 果 の 達 成状 況 終 了 時 評 価 調 査 時 にお いて 、 成 果 指 標 の 達 成度 、プ ロ ジ ェ ク ト 関 係 者（ 日本 人 専 門 家 や C/P、 ク ラ ス タ ー メ ン バ ーな ど） の 各 成 果 の 達 成 度に 関す る 認 識 、 調 査 団 の所 見等 に か ん が み て 、3 つ の 成 果 は す べ て お お む ね 達 成 ま た は 達 成 済 み と な っ て い る 。 以 下 に 各 成 果 の 達 成 度 を ま と め る 。 （1） 成 果1の 達 成 度 成 果 1： 産 業 ク ラ ス タ ー・ ア プ ロ ー チ を 促 進し 主流 化 す る た め の 実 践的 かつ 持 続 的 な 業 務 実 施 上 の ワ ー ク フ ロ ーがDTIに よ っ て 計 画 さ れ 、実 践さ れ る 。 指 標 ： 1-1. DTI の 既 存 の 機 能/能 力 と 入 手 可 能 な 人 材/財 源 と 産 業 ク ラ ス タ ー 促 進 の た め の 関 連 ス テ ー ク ホ ル ダ ー に つ いて の分 析 結 果 が 文 書 化 され る。 1-2. 1-1の 結 果 に 基 づ き、 産 業 ク ラ ス タ ー 促進 のた め のDTIの 実 行 可 能 な ワ ー ク フ ロ ー が 設 計 さ れ 文 書 化 さ れ る。 1-3. 1-2で 設 計 さ れ た ワー ク フ ロ ー が 実 施 され る。 1-4. ワ ー ク フ ロ ー 実 施 にお け る モ ニ タ リ ン グが 実行 さ れ 、 そ の 結 果 が文 書化 さ れ る 。
