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漢方薬

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抗うつ薬

深井 良祐

[著]

Pharmaceutical education for the general public.

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目次

第一章. うつ病の病態 P. 3

1-1. うつ病の症状 P.4

1-2. うつ病の種類と躁病(そう病) P.8

1-3. うつ病の種類 P.9

第二章. うつ病の発症と治療薬(三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬) P. 11

2-1. 神経伝達物質とシナプス P.11

2-2. 三環系抗うつ薬 P.12

第三章. 抗うつ薬(うつ病治療薬) P. 15

3-1. 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI) P.15

3-2. 選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI) P.16

3-3. ノルアドレナリン・セロトニン作動薬(NaSSA) P.17

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第一章.うつ病の病態

うつ病による自殺者は毎年何万人にも及び、その患者数も多いです。うつ病で最も想像しやすい 症状としては、気分が落ち込む抑うつ状態があります。 健康な人であっても気分が落ち込んだり暗い気持ちになったりすることはあります。ただし、健 康な人であれば、たとえ一時的に気分が落ち込んでいたとしても気分転換を行ったり、時間が経っ たりすることによって暗い気持ちから自然と回復していきます。 これがうつ病患者であると、強い抑うつ状態がずっと続いてしまいます。特に何の理由がなくて も暗い憂鬱な状態がずっと続いてしまうのがうつ病です。 うつ病は心の病気と言われています。ただし、もっと正確に言えば脳の神経伝達物質の働きに異 常が起こっています。 そのため、「気持ちの持ちよう」や「気合い」などによって病気が治らないのと同じように、適切 な治療を行わなければうつ病から回復することもありません。 これら脳に異常が起こっていることが原因でうつ病を発症しているため、「この脳の異常を正すこ とができればうつ病から回復できる」ということも理解できます。

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1-1. うつ病の症状 健康な状態であれば、気分の落ち込みだけで済みます。しかし、うつ病では「憂鬱な気分」や「や る気が出ない」などの感情面だけでなく、身体症状として体にもさまざまな症状が出てしまいます。 これがただの気分の落ち込みとうつ病との違いでもあります。 さらに、これらの症状が一日の中で変動することもうつ病の特徴となっています。例えば、昼は 気分の落ち込みが激しかったとしても、夕方には回復していることもあります。このように、一日 の中で症状の変動があることを日内変動と言います。 多くの場合、うつ病の症状は朝に悪く、夕方に近づくにつれて回復していきます。

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・精神症状 心の病気であるうつ病を正確に言えば、脳の神経伝達物質に異常が起こっている病気となります。 この神経伝達物質としては「意欲」や「やる気」に関わるシグナルが不足しています。 そのため、必然的に意欲などが失われてしまうことになります。その結果として、憂鬱感などの 精神症状が出てしまいます。 うつ病による精神症状としては、以下のようなものがあります。 役割 特徴 感情の減退 ・憂うつな気分が続く ・不安や焦り、イライラなど 意欲の消失 ・何事にも関心がなくなってしまう ・以前熱中していた趣味にもやる気が起きない 思考の停止 ・集中力の低下や判断が遅い ・妄想、思い込み(もうこれ以上やっていけないなど)

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・身体症状 健康な人の気分の落ち込みであれば、時間経過と共に回復していきます。しかし、うつ病では理 由もないのに上記のような精神症状が引き起こされます。 そして重要なのは、これら精神症状だけでなく「身体症状として体の不調まで表れてしまう」と いう事があります。 うつ病による身体症状の代表的なものとしては睡眠障害や疲労・倦怠感があります。また、その 他の症状も身体症状として表れます。以下にうつ病によって引き起こされる主な身体症状について 載せてあります。 役割 特徴 睡眠障害 ・不眠症がほとんどであるが、中には眠りすぎる過眠もある ・早朝覚醒が問題となる(午前 3 時や 4 時に目覚める) 疲労・倦怠感 ・頭痛(石の帽子を被っているような違和感) ・肩こり(鉛の鉄板を背負っている感じ) 食欲減退・体重減少 ・食欲がなくなることによって体重が減少する ・食べすぎが問題となる過食の場合もある

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・仮面うつ病 うつ病の代表的な症状としては憂鬱な状態が続くなどの精神症状が一般的です。しかし、うつ病 の中には精神症状があまり目立たず、身体症状が顕著に表れている場合もあります。 このような場合であると「頭痛がひどい」、「胃の調子が悪い」、「食欲がない」などで医療機関を 受診して検査を行ったとしても異常が見つかりません。 この場合であると、精神症状は出ていないが身体症状が出ているという仮面を被ったようなうつ 病となります。そのため、仮面うつ病と呼ばれます。 体に症状が明らかに表れているにもかかわらず検査で異常が見られないとき、その後ろに実はう つ病が隠れていることもあります。 この場合であれば、うつ病の治療を行うことによってこれら身体症状が改善することもあります。

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1-2. うつ病の種類と躁病(そう病) 気分障害で問題となる病気としてはうつ病だけではありません。うつ病の代表的な症状として気 分が落ち込んでしまう状態がありますが、うつ病を考える上でこれら気分の落ち込みと全く逆の病 気を理解することも必要になります。 「気分の落ち込み」の逆の症状としては、気分の高揚があります。ただし、健康な状態でやる気 に溢れている状態なら良いのですが、これが病気によって「自分は天才で何でもできる」と思い込 んだり、他人を見下して敵対的になったりします。 つまり、ただやる気があるのではなくてその状態が行き過ぎてしまいます。このような病気を躁 病(そう病)と言います。 この状態であると、自分には才能があると思い込んでリスクの高いビジネスやギャンブルを始め るなどの危険性があります。このような症状によって人間関係を損ねる危険性も高いです。 そして重要なのは、うつ病患者では「躁病とうつ病が交互に表れることがある」という事にあり ます。 つまり、ある時点では気分の落ち込みが激しかったのに、その数日後では夜も眠らずに活発に活 動している事もあります。このように、うつ症状と躁状態が相互に繰り返される病気を双極性障害 と言います。 つまり、うつ病は抑うつ状態だけが問題となるのではありません。その種類によっては躁状態が 表れることによって、ある時は夜も寝ずに活発に活動することもあります。

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1-3. うつ病の種類 前述の通り、うつ病には種類があります。一言でうつ病と言ってもその種類が分かれているため、 それぞれのタイプによって治療法を変えなければいけません。 そのため、どの種類のうつ病を発症しているかを見極めて治療する必要があります。うつ病の種 類としては主に大うつ病(単極性うつ病)と双極性障害の二種類があります。 ・大うつ病(単極性うつ病) 気分の落ち込みなどの「抑うつ状態のみが出現する症状」が大うつ病(単極性うつ病)です。や る気が起こらないなどの気分障害で最もよく見られる症状が大うつ病です。 ・双極性障害 気分の落ち込みが表れる大うつ病(単極性うつ病)に対して、うつ症状と躁状態が交互で表れる 病気として双極性障害があります。 この時、躁状態が比較的強く表れる双極性障害を「双極Ⅰ型障害」と呼びます。また、躁状態が 軽い場合を「双極Ⅱ型障害」と言います。 大うつ病と双極性うつ病では、その原因や経過だけでなく治療薬も異なります。

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・非定型うつ病 うつ病の種類としては主に「大うつ病」と「双極性うつ病」の二種類があります。しかし、中に はこれら「いつも落ち込んでいる」、「不眠症状が表れている」などの症状に当てはまらないうつ病 があります。 このようなうつ病は、一般的なうつ病の枠に収まらないことから非定型うつ病と呼ばれています。 若い人に多いうつ病であり、特に女性で発症しやすいです。 そして、この非定型うつ病の特徴としては次のようなものがあります。 一般的なうつ病 因子 非定型うつ病 好きなことにもやる気が出ない 気分 憂うつな気分であっても、 好きなことには元気が出る 早朝覚醒などの睡眠障害が表れる 睡眠 いくら寝ても眠い:過眠傾向 朝に抑うつ状態が強く、 夕方にかけて症状が軽くなる 時間帯 朝は症状が軽く、夕方に なるにつれて抑うつ状態となる 食欲が減退し、体重が落ちる 食欲 過食となり、体重が増加する 頭の回転が鈍るため、 対人関係にも鈍感となる 対人関係 批判や拒絶に敏感となり、 落ち込みや怒りの傾向が強くなる

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第二章.うつ病の発症と治療薬(三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬)

うつ病の発症原因ははっきりと解明されていませんが、「その人の性格」や「周りの環境の変化に よるストレス」が関係していると考えられています。 これらの因子が脳の神経伝達物質に影響を与えることで、脳が正常に働かなくなります。その結 果として、うつ病が引き起こされます。 この時、うつ病患者の脳内ではセロトニンとノルアドレナリンと呼ばれる物質が減少しています。 セロトニンやノルアドレナリンは食欲や意欲、活力などに関係しているため、これらの神経伝達物 質が減少すると「憂うつな気分」や「やる気が起こらない」 などの症状が表れてしまいます。 2-1. 神経伝達物質とシナプス 脳内で発生した指令は神経系を通ることで伝わっていき ます。このとき、神経系でのシグナルを伝える物質が神経 伝達物質です。 そして、このシグナル伝達に関わる細胞としてシナプス があります。このシナプスに神経伝達物質などの化学物質 が関与することによって、シグナルが伝わっていきます。 このときのシナプスの様子を右に示します。 情報としてシグナルがシナプスに伝わると、セロトニンやノルアドレナリンが放出されます。神 経細胞と神経細胞との間に放出された神経伝達物質は、その下にある神経細胞に作用します。これ が続いていくことによって、情報が伝わっていきます。 この時、神経細胞との間に放出された神経伝達物質がその下にある受容体に作用しなかった場合、 余った神経伝達物質は再び細胞内へと取り込まれます。つまり、神経伝達物質の再取り込みが行わ れます。

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2-2. 三環系抗うつ薬 うつ病患者ではセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質が減少しています。そのため、 うつ病を改善させるためには、これらセロトニンやノルアドレナリンの作用を強めることができれ ば良いです。 この時、これら神経伝達物質の働きを強める方法としては「神経伝達物質の再取り込みを阻害す る」という方法があります。 前述の通り、シナプスから放出された神経伝達物質はその下にある神経細胞に作用することで情 報を伝えていきます。この神経伝達物質が余った場合、再び細胞内へと回収されます。この作用が 再取り込みです。 そして、このセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の再取り込みに関わる輸送体と してアミントランスポーターがあります。 そのため、このアミントランスポーターを阻害すれば神経伝達物質が取り込まれなくなります。 この結果、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質がより長くシナプス間に留まること ができます。 これによって神経伝達物質の作用時間が長くなり、その量も増えます。神経伝達物質の作用が増 強されるため、うつ病を改善させることができます。

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このように、神経伝達物質の再取り込みを抑制す ることで抗うつ作用を示す三環系抗うつ薬としてイ ミプラミン(商品名:トフラニール)、アミトリプチ リン(商品名:トリプタノール)などがあります。 なお、三環系抗うつ薬はその構造の中に三つの環 があることから、三環系と呼ばれています。 ・三環系抗うつ薬の副作用 三環系抗うつ薬の副作用として「抗コリン作用」があります。神経伝達物質としてはセロトニン やノルアドレナリン以外にも、アセチルコリンと呼ばれる物質も存在します。このアセチルコリン に拮抗する(阻害する)作用であるため、抗コリン作用と呼ばれています。 アセチルコリンは体を休めようとする時に働く神経伝達物質です。体を休めている時とは、例え ば食事中があります。 これら食事中は胃酸がたくさん分泌されて腸の運動は活発になります。また、運動時などとは違 ってトイレにゆっくり行く余裕も生まれているため、排尿が促進されます。 このようにアセチルコリンの働きは、「体を休めている時にどのような生体反応が起こるか」を想 像すれば容易に理解することができます。 そして、三環系抗うつ薬はこのアセチルコリンの働きを阻害する抗コリン作用があります。アセ チルコリンの働きが阻害されるため、前述した作用の逆が起こります。 つまり、唾液が分泌されなくなることによる口渇(口の乾き)や腸運動の抑制、排尿困難などが 引き起こされます。 セロトニンやノルアドレナリンなどの再取り込みだけを阻害すれば良いのですが、その作用とは 別にアセチルコリンが作用する受容体まで阻害することに問題があります。これによって、抗コリ ン作用として副作用が起きてしまいます。

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・四環系抗うつ薬 三環系抗うつ薬が三つの環で構成されているのに対し、四環系抗うつ薬は四つの環で形成されて います。三環系抗うつ薬と比べて作用発現が速く、持続時間が長いことが特徴です。 現在ではこれら三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬をうつ病治療薬として使用する事はほとんどな いので、簡単な紹介で終わります。 なお、四環系抗うつ薬としてはミアンセリン(商品名:テトラミド)、セチプチリン(商品名:テ シプール)、マプロチリン(商品名:ルジオミール)などがあります。

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第三章.抗うつ薬(うつ病治療薬)

うつ病患者ではセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の働きが弱っています。その ため、これらの働きを強めることができればうつ病を治療することができます。 現在では三環系抗うつ薬などに見られる抗コリン作用などの副作用を大幅に軽減した薬が使用さ れます。 3-1. 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI) 前述の通り、うつ病患者ではセロトニン量が減少しています。そのため、このセロトニン量を増 やすことができれば、うつ病を改善することができます。 三環系抗うつ薬ではアミントランスポーターを阻害することによって、セロトニンやノルアドレ ナリンの再取り込みを抑制することを学習しました。 これと同じように、セロトニンの再取り込みだけに関係している輸送体(トランスポーター)が 存在します。このような輸送体をセロトニントランスポーターと言います。 そのため、このセロトニントランスポーターを阻害することができれば、脳内のセロトニン量が 上昇してうつ病を治療することができます。このように、脳内で選択的にセロトニンの再取り込み を阻害する薬を選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と呼びます。 SSRI はセロトニンの再取り込みだけに関与している輸送体を阻害します。そのため、SSRI の特 徴としては「三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬に見られていた抗コリン作用を大幅に軽減した 」と いう事があります。

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このように、セロトニンの再取り込みを選択的に阻害することで抗うつ作用を示す薬としてフル ボキサミン(商品名:ルボックス、デプロメール)、パロキセチン(商品名:パキシル)、セルトラ リン(商品名:ジェイゾロフト)、エスシタロプラム(商品名:レクサプロ)があります。 なお、SSRI はうつ病以外に強迫性障害やパニック障害などにも用いられます。 3-2. 選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI) SSRI はセロトニンの再取り込みを選択的に阻害することで、脳内のセロトニン量を増大させます。 それに対して、セロトニンとノルアドレナリンの二つの神経伝達物質の再取り込みを阻害する薬が あります。 うつ病患者ではセロトニンとノルアドレナリンの量が減っているため、「この二つの神経伝達物 質を両方とも増大させる」という考えに基づいています。 このようにセロトニンの再取り込みだけでなく、セロトニンとノルアドレナリンの両方の再取り 込みを阻害する薬を選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)と言います。 セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害することによってうつ病を治療する薬として ミルナシプラン(商品名:トレドミン)、デュロキセチン(商品名:サインバルタ)などがあります。

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3-3. ノルアドレナリン・セロトニン作動薬(NaSSA) SSRI や SNRI は神経伝達物質の再取り込みを阻害することによって、セロトニンやノルアドレナ リンの量を増やします。 ただし、これらノルアドレナリンやセロトニンの放出量を増やしたり、受容体の作用を増強させ たりすることによっても神経伝達物質の働きを強めることができます。 ノルアドレナリンはα受容体に作用することによって、その効果を発揮します。ただし、この時 のノルアドレナリンが作用するα受容体とは、厳密に言えばα1受容体を指します。 α受容体にはα1受容体とα2受容体が存在します。この時、α1受容体にノルアドレナリンが作用 することによって意欲や活力などの作用が引き起こされます。 これに対して、脳内に存在するα2受容体はノルアドレナリンの放出を抑制する作用があります。 つまり、α1受容体の作用と拮抗します。 そのため、α2受容体がノルアドレナリンの放出を抑制するのであれば、このα2受容体を阻害す ればその逆にノルアドレナリンの放出が促進されるはずです。 このように、α2受容体を阻害することによってノルアドレナリンの放出を促進させる薬としてノ ルアドレナリン・セロトニン作動薬(NaSSA)があります。 また、NaSSA はノルアドレナリンの放出を促進するだけでなく、セロトニンの作用を増強させる 働きがあります。

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セロトニンが作用するセロトニン受容体(5-HT 受容体)の中でも、この受容体はさらに「5-HT1 受容体」、「5-HT2 受容体」、「5-HT3 受容体」と分けることができます。この時、セロトニンによる 抗うつ作用には 5-HT1 受容体が関係しています。 ※セロトニンは「5-HT」とも呼ばれます NaSSA にはセロトニン受容体を阻害する作用を有していますが、このときの阻害としては 5-HT2 受容体と 5-HT3 受容体に対してのみ選択的に阻害します。つまり、抗うつ作用に関係している 5-HT1 受容体までは阻害作用を示しません。 NaSSA によって 5-HT2 受容体と 5-HT3 受容体が既に阻害されているため、脳内に放出されたセ ロトニンは残りの 5-HT1 受容体に作用するしか選択肢がありません。 そして、前述の通り 5-HT1 受容体は抗うつ作用に関係しているため、結果としてうつ病を治療す る作用が強まります。 このように、NaSSA はα2受容体や 5-HT2 受容体、5-HT3 受容体などを阻害することによって、 うつ病を治療することができます。このような薬としてはミルタザピン(商品名:リフレックス、 レメロン)があります。 普通に考えれば「ノルアドレナリンが作用するα受容体」や「セロトニンが作用するセロトニン 受容体(5-HT 受容体)」を阻害すると、ノルアドレナリンやセロトニンの量が減ってしまってうつ 病を悪化させるように考えてしまいます。 しかし、作用する受容体やその選択性によってはノルアドレナリンやセロトニンを増強すること が可能となります。

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○主な睡眠導入剤 三環系抗うつ薬 アミトリプチリン トリプタノール イミプラミン トフラニール 四環系抗うつ薬 ミアンセリン テトラミド セチプチリン テシプール マプロチリン ルジオミール 選択的セロトニン 再取り込み阻害薬(SSRI) フルボキサミン ルボックス デプロメール パロキセチン パキシル セルトラリン ジェイゾロフト エスシタロプラム レクサプロ 選択的セロトニン・ ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (SNRI) ミルナシプラン トレドミン デュロキセチン サインバルタ ノルアドレナリン・ セロトニン作動薬(NaSSA) ミルタザピン リフレックス レメロン

参照

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