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ショウドシマレンギョウ Forsythia togashii Hara の異型花柱性と種子生産-香川大学学術情報リポジトリ

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(1)

香川生物(KagawaSeibutsu)(33):3巨41,2006

ショウドシマレンギョウ厨br叩血αgO卵∫ゐ≠用araの

異型花柱性と種子生産

高 島 か な・末 広 啓 代一

〒760−8522 高松市章町卜1香川大学教育学部生物学研究室

HeterostylyandseedproductionofFor5ythiatogashiiHara

KilnilTiIlushimiI&Ki)・okiIZllSLlehiro,Hi<}/()giLILt/]・‘tJ一(”・√.(<”11.f:LLLILLI()lイL;t/LL川/i(”..K・1H・”・・t 肋血肌頻り−Jふ滋裾扇−C烏0㍑んα′〃α加乃クーβ∫2?,J‘甲β〃 ショウドシマレンギョウはヤマトレンギョウ ダ∂′サJんgαノ甲0〃icαMakinoと同種であると考え られていた。それが,原(1964)によってヤ マトレンギョウの変種として記載された。さ らに原(1973)はヤマトレンギョウとは変種 以上の違いがあると新種として記載した。 ショウドシマレンギョウとヤマトレンギョウ を比べると,ヤマトレンギョウは開花期が4 月中旬に葉の展開に先立って開花し,花の色 は黄色で,実の形は広卵形でふちには鋭い鋸 歯があるのに対して,ショウドシマレンギョ ウは開花期が遅く4月下旬から5月上旬に葉 の展開と同時に開花し,花の色は緑がかった は じ め に 私たちが公園や庭で目にするレンギョウ 属ダ0′T〆ん∼α(モクセイ科)は中国や朝鮮原産

のもので,その中でもシナレンギョウ

ダ0′即r力gαソf′・∠ゐ∫g′′∼αLindl.が多く植えられて いる(佐竹ほか編,1989)が,日本には、日 本固有のレンギョウ属が2種自生している。 そのうちの1種であるショウドシマレンギョ ウダ0′等〆んfα∫ogα∫ゐ∠fHaraは,香川県の小豆島だ けに生育する香川県固有種であり,/ト豆島の 集塊岩だけに生育する遮存植物であると考え られている(佐竹はか編,1989)。かつて, 長花柱花 短花柱花 図1.ショウドシマレンギョウの花型.

(2)

薄い黄色で,菓の形は卵形で鋸歯がはとんど 目立たないなどといった点が違いとしてあげ られる(原,1973)。 ショウドシマレンギョウは,他のレンギョ ウ属と同じように花柱が長く花糸の短い長花 柱花をもつ個体と,花柱が短く花糸の長い短

花柱花をもつ個体が見られる(図1)。原

(1973)によれば,花糸の短い花をつける個体 を雌株,花糸の長い花を、つける個体を雄株と 記載している。また多くの図鑑にはレンギョ ウ属は「雌雄異株」と善かれている(北村・ 村田,1979;佐竹ほか編,1989;茂木ほか, 2001;永益はか,2003)。ショウドシマレン ギョウが雌雄異株であるならば,雌株のみが

種子を作るということになる。しかしなが

ら,ショウドシマレンギョウの花を観察して みると,長花柱花・短花柱花ともにめしべと 約をもっ、て−いるので,どちらの花型も種子を

作ると予想され 異型花柱性ではあるが,雌

雄異株であるとは言えないのではないかと考 えられる。 ショウドシマレンギョウは絶滅危倶植物に 指定されており,環境省のカテゴリ・一・では絶

滅危倶IB類(EN)に指定されている(環境

庁自然保護局野生生物課編,2000)。また,香 川県のカテゴリ一では絶滅危倶Ⅲ類に指定さ れている(香川県希少野性生物保護対策検討 会編,2004)。絶滅危慎植物であるショウドシ マレンギョウの保全を行っていくためには, 自生地での繁殖状況を知ることが非常に重要 である。 そのため,小豆郡内海町の寒霞渓に生育す るショウドシマレンギョウを対象に,生育す る個体数を把握し,雌雄異株ではなく異型花 柱性であるかどうか,どの程度開花している のか,花型間での結実数に違いはあるのか等 を調べ,ショウドシマレンギョウの保全のた めの基礎的な資料を得ることが本研究のテー・ マである。 材料と方法 調査は,香川県小豆郡内海町の寒霞渓ロー・ プウェイ駅から四望頂までの遊歩道周辺に生 育するショウドシマレンギョウを対象とした 調査地の地図.(左上の□で囲んだ範囲が図4の拡大部分) 図2 − 32 −

(3)

グル・−プごとにチャック付きクリアパックに 採集を行った.。次に,異型花受粉と同型花受

粉,それぞれの処理を行った。受粉処理は、

チャック付きクリアパックに採集した蔚から

綿棒を用いて花粉を取り,花柱に付着させ

た。異型花受粉では、長花柱花の花に短花柱

花の花粉,短花柱花の花に長花柱花の花粉を

付着させた。同型花受粉では,長花柱花①の

花に長花柱花②の花粉,長花柱花②には長花 柱花①の花粉,短花柱花①には短花柱花②の 花粉,短花柱花②の花粉には短花柱花①の花 粉を付着させた。調査地は観光地であるため

人通りも多く,受粉処理後に袋を被せると

いった処理は難しいため,袋掛け処理は行わ ず,そのままにした。

2005年5月3日に,番号ラベルの付いてい

ない枝から,長花柱花と短花柱花それぞれの 型の花を採集し,採集ビンに入れ持ち帰り, ノギスを用いて柱頭と薪の高さを最小0い05mm の精度で測定した。サンプル数は,長花柱 花,短花柱花ともに18個ずつ測定を行った。

測定した位置については図3に示した。また

受粉実験で使用した花粉の残りは持ち帰り, 花粉の大きさを測定するサンプルとし,2005 年5月5日に光学顕微鏡とミクロメー・夕−Lを 用いて花粉の大きさを測定した。サンプル数 は,長花柱花,短花柱花ともに100個ずつ測定 を行った。測定の際,スライドグラスには, カバー・ガラスと水を付けずに測定を行った。 測定した∴位置は,花粉の幅が最も広いところ (図2)。調査地は集塊岩地帯で,遊歩道の長 さは寒霞渓ロ1−プウェイ駅のある三笠公園か ら四望頂までおよそ30mである。 ショウドシマレンギョウでは,木の根元や 幹から長くのび出た若枝の先端が地面につく と,そこから発根して新しい株が育つため, 個体単位で調査を行うことは難しいと考えら れる。そのため枝ごとにラベルを付けて枝単 位で調査を行うこととした。2004年の秋から 冬にかけて枝を260本選定し,番号ラベルを付

けた。ラベルは1個体につき,3本∼20本の

枝に付けた。2005年4月28日から5月3日に

かけて,番号ラベルをつけた枝について枝ご との開花数と花型の調査,調査地全体に生育 す−る個体数と花型の調査,ショウドシマレン ギョウの分布地点の調査を行い,花型間での 受粉実験を行った。 受粉実験は自然状態にしておく枝,異型花 間で受粉を行う枝,同型花間で受粉を行う枝 の3とおりの処理を行った(合計6種類)。受 粉実験の方法は,まず異型花受粉,同型花受 粉を行う対象となって−いる枝の花からピン セットとはさみを用いて前の採集を行った。 その際,異型花受粉が対象となっている枝の 蔚は,長花柱花と短花柱花に分けてチャック 付きクリアパックに採集を行った。同型花受 粉では他家受粉にするためにあらかじめ長花 柱花①及び②と短花柱花①及び②のそれぞれ 2つのグループに分けておいた。同型花受粉 が対象となっている枝の薪は,決めておいた 図3花柱と花糸の測定位置.

(4)

をミクロメータ−・で最小2.6〟.mの精度で測定 をした。 2005年10月12日,16日に,受粉実験を行っ た枝について−果実の採集を行った.。その際, 枝ごとに採集した果実は,枝番号を書いた紙 製の封筒に入れて持ち帰った。受粉実験で得 られた果実に、ついては,果実藍とカラ盈,種 子重を電子分析天秤で最小0.00001gの精度で 測定し,重さを測定した後に,果実に含まれ る種子数を調べ,処理状態ごとでの果実盈と カラ重,種子重,1果実に含まれる種子数, 1粒種子重の平均値を求めた。また,開花数 (または受粉数)と結実数から枝ごとと受粉処

理ごとの結実率を求めた。花柱と花糸の高

さ,花粉の大きさについてはt検定,結実率 については割合の差の検定にかけて有意な差

があるかどうかを調べた。t検定と割合の差

の検定方法に、つい、て−は,‡トー・エル(1981)を 参照した。 結 果 1.ショウドシマレンギョウの分布状態 調査地である遊歩道は寒霞渓ロ一・プウェイ 駅のある三笠公園から四望頂までおよそ30m

であり,2005年4月28日から5月3日にかけ

て行った調査から,小豆郡内海町の寒霞渓

ロープウェイ駅から四望頂までの遊歩道で調 査を行った範囲には,ショウドシマレンギョ ウが30個体生育していることがわかった。分

布地点は図4に示した。調査を行った範囲

は,遊歩道周辺のみのため,崖付近や調査の できていないところにも自生している可能性 はあると考えられる。遊歩道周辺に自生す−る ショウドシマレンギョウは,遊歩道全体に分 布しているのではなく,寒霞渓ロープウェイ 駅のある三笠公園からおよそ17m離れたとこ

ろを中心に分布し,分布範囲は南北3m,東

西7mの−・角に分布していた。花型は,長花 図4寒霞漢ロープウェイ周辺の遊歩道におけるショウドシマレンギョウの分布. − 34 −

(5)

関は見られなかった。それぞれの平均値は長 花柱花の柱頭の高さが7.66(±0.45)mm,長花 柱花の前の高さが3い98(±0.40)mm,短花柱花 の前の高さが6.97(±0.47)mm,短花柱花の柱 頭の高さが4.36(±031)mmであった。平均値 を比べると、長花柱花の柱頭の高さは短花柱 花の蔚の高さより069mm高く,長花柱花の蔚 の高さは短花柱花の柱頭の高さより0.38mm低 かった。いずれの花型でも有意な差があった (p<仇01)。それぞれの花の柱頭と前の距離 を見ると,長花柱花の方が長いことがわかっ た。 3.ショウドシマレンギョウの花粉の大きさ ショウドシマレンギョウの花粉の大きさの 頻度分布を図6に示した。長花柱花,短花柱 花ともに100個について−測定を行った。長花柱 花と短花柱花の花粉の大きさの平均値は,長 花柱花が29.5(±2.98)〟m,短花柱花が32.0 柱花が18個体,短花柱花が10個体,開花をし ていなかったため花型の不明なものが2個体 であった。ショウドシマレンギョウは大きく 分けて北側の道路,遊歩道沿いと南側の崖, 遊歩道沿いに分布していた。分布個体数は北

側の道路,遊歩道沿いの方が多かった。分布

する花型の数は,北側の道路,遊歩道沿いに 分布するショウドシマレンギョウでは,長花 柱花の個体と短花柱花の個体数がはぼ1対1 であり,混生しているのに対して,南側の 崖,遊歩道沿いに分布するショウドシマレン ギョウでは長花柱花の個体が多く分布してお り,短花柱花の個体は極めて少なかった。 2..ショウドシマレンギョウの柱頭と粥の高さ ショウドシマレンギョウの柱頭と前の高さの 頻度分布を図5に示した。長花柱花,短花柱 花ともに18個について測定を行った。いずれ の花型でも柱頭と前の高さの間には有意な相 図5,.ショウドシマレンギョウの柱頭と前の高さ.矢印の位置は平均値を表す.

(6)

表1.ショウドシマレンギョウの個体別トラブル率. (±3.90)ルmであった。両者の頻度分布は大き く重なり,短花柱花の花粉の大きさの平均値 がわずかに大きい程度であったが,その差は 有意であった(p<0.01)。 4..ショウドシマレンギョウの個体別トラブル率 ショウドシマレンギョウの繁殖状況の調査

では,4月から5月にかけて開花数の調査を

行い,10月に結実数の調査を行った。その間 に枝につけたラベルがなくなっていたために 開花数は調査したが,結実数の調査が出来な くなった枝が多く見られた。調査地は観光地

であるために,これらの枝は観光客などに

よってラベルが取られたり,枝が折られたり したトラブルにあった.ものと考えられる。こ れらの枝は結実率の計算からは除いたが,ど こ.に生育している個体でこのようなトラブル が多いのか知るために個体別のトラブル率を 求めた。ラベルを付けた枝の花数を個体ごと

に合計し,合計開花数を求めた。受粉実験や

調査の際になくなっていた枝の花数を個体ご

とに合計し,トナブル花数とした。合計開花

数に対するトラブル花数の割合をトラブル率 として計算し,表1に示した。長花柱花でト

ラブル率が最も高かったのはAの個体で

90.0%,トラブル率が最も低かったのはD, トラプ /レ 率(%) 合計 トラブル 花型 開花数(個)花数(個)

花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 柱 柱 柱 柱 柱 柱 柱 柱 柱 柱 柱 柱 柱 柱 柱 桂 柱 柱 柱 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 花 長 長 短 長 長 短 長 短 短 短 長 短 長 長 短 長 長 短 長

A B ハし ヘリ E F G H : TJ K L ︰M⋮ 相川 ︵U R S T ”U 63 90.0% 15 15.5% 0 0.0% 0 0..0% 20 25.3% 7 21.9% 0 0.0% 8 12.1% 0 0.0% 5 22.7% 0 0.0% 0 0.0% 8 25.8% 0 0.0% 0 0.0% 41 53.2% 27 46.6% 17 15.0% 10 15.9%

709747397932746670盟336311124775811863

0 5 0 5 0 ■D O 5 0

4 3 3 2 2 1 1 個数 ︵個︶ 口長花徒花 匝短花牲花 − t . ._. 20..8 23.4 26..0 2臥6 31..2 33“8 36小4 3乱0 41…6 花粉の大きさ(〟m) 図6.ショウドシマレンギョウの花粉の大きさ矢印の位置は平均値を表す. 一 36 −

(7)

粉数の合計と結実数の合計から結実率を計算

し,表3に示した。調査中のトラブルによ

り,結果的に開花数または受粉数が少なく

なったものが多いので,開花数また.は受粉数 が10以上のものだけにかぎってみると,C,

D,T,Uの個体で同型花受粉のほうが自然

状態や異型花受粉より結実率が高く,表2の 傾向とは一・致しなかった。 自然状態の長花柱花,短花柱花の個体別の 結実率においても開花数また.は受粉数が10以

上のものだけにかぎってみると,C,G,

H,Lの個体は結実率が高く,北側の道路, 遊歩道沿いに分布しているものだった。一一・

方,B,T,Uの個体では結実率が低く,南

側の崖,遊歩道沿いの分布しているものだっ た。 6.受粉実験から得られた果実 受粉実験から得られた果実に、ついては,そ れぞれの果実墨,カラ重,種子数,総種子重

について測定した。測定によって得られた

データから,1果実に含まれる種子数,1粒

種子凄を求めた。測定を行いながら果実の観 察を行っていると,カラに虫くいによると思 われる穴の開いている果実があった。カラに 穴の開いている果実は,自然状態の長花柱花

で3個,自然状態の短花柱花で8個,異型花

受粉の長花柱花で1個,異型花受粉の短花柱

花で4個,同型花受粉の長花柱花で0個,同

型花受粉の短花柱花で1個あった(合計17

個)。種子が入っているか確認すると,そのう ち,自然状態の長花柱花の2個と自然状態の 短花柱花の3個は,種子がまったく入ってい ない状態だった。種子が入っている果実で1 果実に含まれる種子数の平均値は10。9個だっ た。 果実重,種子重,1果実あたりの種子数, 1粒種子重の処理方法と花型ごとの平均値と

標準偏差を表4に示した。1粒種子重は1果

G,K,Nの個体で0%だった。短花柱花で

トラブル率の最も高かったのは.Jの個体で 22小7%,トデブル率の最も低かったのはC,

Ⅰ,L,0で0%だった。トデブル率と図4

の分布地点を比較してみると,トラブル率の 高いものの多くは南側の崖,遊歩道沿いの個 体であった。 5小 受粉実験から得られた結実率 処理方法ごとの開花数または受粉数の合計 と結実数の合計数から結実率を計算し,表2

に示した。長花柱花では,異型花柱花の方が

自然状態より結実率が低くなった。短花柱花 では,異型花受粉の方が自然状態より結実率

が高くなった。同型花受粉では,いずれの花

型でも自然状態より結実率が低くなった。 処理方法による結実率の差について−,割合 の差の検定(ホエ一・ル,1981)にかけたとこ

ろ,自然状態と異型花受粉の結実率の間で

は,いずれの花型においても有意差はなかっ

た。自然状態と同型花受粉と結実率の間で

は,いずれの花型においても自然状態の結実 率が有意に高かった(p<0.05)。異なった花 型の結実率の間では,いずれの場合も短花柱 花の結実率が有意に高かった(p<0.05)。同 型花受粉の場合には有意差はなかった。 受粉実験を行った個体ごとの開花数及び受 表2.処理方法と花型ごとの開花数または受粉数, 結実数,結実率. 開花数又は 結実数 結実率 受粉数(個)(個) (%) 処理方法と花型 自然状態長花柱花 142 自然状態短花柱花 160

異型花受粉長花柱花 112

異型花受粉短花柱花 80

同型花受粉長花柱花 125

同型花受粉短花柱花 113

27 19.0 46 28.8 13 11.6 28 35.0 12 9.6 16 14.2

(8)

表3.個体ごとの結実率.(結実数/開花数または受粉数) 個体 自然状態 自然状態 異型花受粉 異型花受粉 同型花受粉 同型花受粉 番号 長花柱花 短花柱花 長花柱花 短花柱花 長花柱花 短花柱花 0.0(0/心 0..0(0/27) 50..0(〟め さ8=5(5/1め き5.3 毎/17) A O..0(0/2) 0..0(0畑 B 16..1(5侶わ 7.6(1/1き) C 30..8(8佗6) D O..0(0腐 11.1(釘1め E 20‖5(討3め 22..2(4/18) F 60..0(弼 50.0(4/め 11.1(1/め G 27.$(6佗カ 10.5(釘1釦 さ“6(1/2朗 19日O(〟21) − 0.0(0/21) 41.7(5/カ 4.5(1佗カ 0.0(0/の 0.0(0/め H 85.7(5/14) I 19小4(即さ¢ J K lOO Q/3) L 44小0(11/2め M Oい0(α由 N 42=9(3用 0 60.0(3/5) P 57.1(〟竹 50.0(〟め 38.3(1畑 0.0(0/め 41..7(1/2) 0.0(0佗)

さ3一.3(3/め

11.1(1/め Q.R 0.0(0/16) 0..0(0/16) 0..0(0/5) 0.0(αめ 20..0(10侶ゆ 50..0(畑 25..0(7/2め 13.き(釘1め さ5.7(討1粛 S O.0(0腐 T U lO.0(2/2d) 実ごとに種子重を種子数で割って求めた。 果実重の平均値は自然状態の短花柱花の果 実で最も重く,同型花受粉を行った短花柱花 で最も軽かった。同型花受粉を行った短花柱 花の果実重の平均値は,自然状態や異型花受 粉を行った短花柱花の果実より有意に軽かっ た(p<0.1)。それ以外の果実重の平均値の間 には有意差はなかった。 種子重の平均値でも自然状態の短花柱花で 最も重かったが,異型花受粉の長花柱花で最 も軽かった。自然状態の短花柱花の種子重の 平均値は,異型花受粉の長花柱花,同型花受 粉の短花柱花の平均値より有意に重かった(p <0.1)。それ以外の種子歪の平均値の間には 有意差はなかった。 1果実あたり種子数は,全体で0個から33 個までの幅があったが,平均値では,自然状 態の長花柱花で最も多く,同型花受粉を行っ た短花柱花で最も少なかった。1果実あたり の種子数の平均値は,同型花受粉を行った短 花柱花において,異型花受粉の短花柱花(p< 0.01),自然状態の短花柱花(p<0.025),自 然状態の長花柱花(p<0小05),異型花受粉の 長花柱花(p<0い1)の種子数の平均値より有 意に少なかった。それ以外の種子数の平均値 の間には有意差はなかった。 1粒種子重は,全体で0.12mgから2.64mgま での幅があり,平均値は同型花受粉の短花柱 花で最も重く,同型花受粉の長花柱花で最も

軽かった。同型花受粉の短花柱花1粒種子重

− 38 −

(9)

表4.処理ごとと花型ごとの果実重,1果実あたりの種子重,種子数,1粒種子蓋の平均値と 標準偏差.(種子重,種子数の平均値には種子が入っていない果実を含む) 果実重(g) 種子重(g) 種子数(個) 1粒種子重(喝) 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差

処理方法 花型

自然状態 自然状態 異型花受粉 異型花受粉 同型花受粉 同型花受粉 棚化 花 花 花 花 花 山仕 柱 柱 柱 柱 柱

花 花 花 花 花 花

長 短 長 短 長 短

0.01741 0.00828 0.00784 10.1

9.4

0.01760 0.01068 0.00869 9.7 (;.3 0.01277 0.00684 0.00547 8.8

6.4

0.943 0.685 1.121 0.522 0.832 0.353 0.988 0.555 0.750 0.234 1.175 0.765 7 8 5 爪V 2 丘V 1 4 7 父V 3 2 0 ハV O O O O 1 2 −hV 7 9 0 9 6 6 0 0 0 0 0 0 0 0 ︵‖V Oん一 6 0−V 八一け 9 0 0 7 7 1 nV ▲nV O O nV O O O 8 9 2 3 7 5 6 9︼ 4 1 2 1 0 0 ▲nV nV O ∧‖V 3 6 1 7 7 5 ウけ 3 丘V n‘び ▲只V 2 0 0 nV O O O 9.9 6.0 9.8 7.5 5.6 さ.7 を受粉して一緒実するが,雌雄異株では雌花の

みが結実するという点である。受粉実験の

デー・夕をみると,ショウドシマレンギョウは 長花柱花,短花柱花,どちらの花型にも結実

がみられた。このことから,ショウドシマレ

ンギョウは雌雄異株ではなく,異型花柱性で あると考えられる。 西廉(2000)によると,異型花柱性である サクラソウア′・i椚以Jα5feあ0揖ヱヱEMorr.は長花柱 花の柱頭の高さは短花柱花の約の高さとほぼ 同じであるが,短花柱花の柱頭が長花柱花の

蔚よりも高い。その理由として,柱頭を高い

位置に持つ個体はど昆虫による受粉の成功度 が高く,種子生産量も多い,という自然淘汰 が生じていた.と述べている。また,高い位置

に柱頭を持つ個体ほど有利になる自然淘汰

は,サクラソウの花冠が筒型であることから 生じたと考えて−いる。 ショウドシマレンギョウの柱頭と荊の高さ の関係は,短花柱花の柱頭が長花柱花の蔚よ りも高いだけでなく,長花柱花の柱頭も短花

柱花の荊よりも高かった。また,ショウドシ

マレンギョウの花冠は,サクラソウの花冠の ように筒型ではなく,やや開き気味である。 ショウドシマレンギョウでは何が受粉を媒介 しているかは今回調査しておらず不明であ

る。そのため,サクラソウとの違いがどのよ

は,同型花受粉長花柱花と異型花受粉の長花 柱花(p<0.025),異型花受粉の短花柱花(p <0.05),自然状態の長花柱花(p<0.1)よ り,有意に軽かった。また,同型花受粉の長 花柱花の1粒種子重が最も軽く,同型花受粉 の短花柱花のほか,自然状態の塩花柱花(p< 0い025),異型花受粉の短花柱花(p<0.1)よ り,有意に軽かった。そのほか,2番目に1 粒種子塞が重い自然状態の短花柱花と,2番

目に軽い異型花受粉の長花柱花の間(p<

005)でも,1粘種子重に有意差があった。 全般的に見、て−,同型花受粉の短花柱花が, 果実の重さ,種子の重さとも最も軽く,1果 実あたりの種子数が最も少なく,1粒種子重 は逆に重かったことが,他の花型や処理方法 との目立った違いであった。 考 察 雌雄異株とは,単性花をつける種子植物の うち,雌花と雄花を別々の個体に生ずる場合 と記載されている(八杉ほか編,1996)。異型 花柱性(生物学辞典では異型花で記載)とは 同一・種の植物に生じる形態の異なった花で, 狭義には性の相違による雄花と雌花の場合は 異型花と呼ばないと記載されている(八杉ほ か編,1996)。この2つの大きな違いは,異型 花柱性ではそれぞれの花が異なった花の花粉

(10)

たので,今回の調査で得られた開花数は全体

の開花数の比率を反映していると考えられ

る。長花柱花の花数に対して短花柱花の花数 が少なく,短花柱花の花数に対して長花柱花 の花数が多いということは,長花柱花は短花 柱花の花粉を受粉する確率が低く,短花柱花 は長花柱花の花粉を受粉する確率が高くなる ので,長花柱花よりも短花柱花の結実率が高 かくなったと考えられる。 2、つ目の要因としてはショウドシマレン ギョウの分布状態が考えられる。ショウドシ マレンギョウの個体別トラブル率を比較して みると,トラブル率が高い個体の多くは,南

側の崖,遊歩道沿いに分布する個体であっ

た。トラブルの要因とし、て−ほ,調査地は観光 地であり,遊歩道の南側は人通りがよいので 人為的なものと自然条件が考えられる。自然 条件としては,乾燥や台風による風の影響が

考えられる。南側の崖,遊歩道沿いには長花

柱花が多く分布しており,受粉する確率が低 く,人や自然の影響を受けやす−いため,塩花 柱花よりも長花柱花の結実率が低くなったと 考えられる。 受粉実験を行うにあたって,異型花柱性の 植物はそれぞれの花が異なった.花の花粉を受 粉して結実するので,異型花受粉では自然状 態よりも結実率が高くなると予想される。ま た,同じ花型の別個体で受粉を行う同型花受 粉では袋掛けを行って−いないので,自然状態 と同じ結実率になると予想される。 異型花受粉の結果は,短花柱花では自然状 態よりも結実率が高くなったが,長花柱花で は低くなり,いずれも有意差はなく,異型花 の強制受粉の効果はなかったことになる。そ れに対して,同型花受粉の結果は,いずれの 花型においても自然状態より結実率が有意に 低くなった。このような予想とは違った結果

は,同型花受粉による強制受粉を行うこと

が,自然状態の受粉を妨げている可能性があ

うな意味を持つかには今後の検討課題であ

る。 ショウドシマレンギョウの花粉の大きさ は,長花柱花の花粉よりも短:花柱花の花粉の

方が大きかった。Darwin(1884)では,

ア′・血沈=血如諭Huds.の長花柱花,短花柱花 の花粉の大きさの平面的な輪郭が措かれてい る。それぞれの絵を比べるとショウドシマレ ンギョウと同じように長花柱花の花粉よりも

短花柱花の花粉の方が大きかった。また,

Shibayama & Kadono(2003)は,ガガブタ

坤〝甲ゐ0旋5玩d∼cα(L.)0・Kuntzeの長花柱 花,短花柱花の花粉の大きさは,短花柱花の 方が大きく,2つの頻度分布は盈なっていな いと述べている。ショウドシマレンギョウの 長花柱花,短花柱花の花粉の大きさの平均値 には,有意な差があったが,頻度分布ではか

なり重なっていた。そのため,ショウドシマ

レンギョウの花粉の大きさの差は,サクラソ ウやガガブタでの花粉の差のように,大きな 差であるとはいえず,西磨(2000)がサクラ ソウで行っているように,枯れる前の花から 花柱を採集して花柱に付着した花粉を調べる ことで受粉率を求めるようなことは,ショウ ドシマレンギョウでは難しいと考えられる。 受粉実験では,自然状態にしておく枝,異 型花間で受粉を行う枝,同型花間で受粉を行 う枝の3とおりの処理を行った。その中で, 自然状態の長花柱花と短花柱花で結実率を比 較して−みると,自然状態の短花柱花の結実率 の方が高かった。自然状態の長花柱花よりも 自然状態の短花柱花の結実率が高かったのは 2つの要因があると考えられる。まず1つ目 の要因として−は,遊歩道に生育するショウド

シマレンギョウの開花数の違いが考えられ

る。今回の調査で調べた長花柱花と短花柱花 の開花数の合計は,長花柱花が602個,短花柱 花が410個で,長花柱花の方が短花柱花よりも 多かった。ラベルは開花前にランダムに付け ー 40 −

(11)

る。厳密に検証するには,袋掛け実験を含め

た受粉実験によって−確認する必要がある。 受粉実験で得られた果実については,同型 花受粉の短花柱花の果実重,1果実あたりの 種子盈の平均値が特に軽く,1果実あたりの 種子数も同型花受粉の短花柱花で特に少ない

ことが目立った特徴であった。また,全般に

平均値に対して標準偏差が大きく果実によっ て重さや種子数などに大きなばらつきがある ことが特徴であると考えられる。ショウドシ マレンギョウが1つの子房にどれだけの胚珠 を持っているかは調査していないので不明で あるが,1果実あたりの種子数が最大33個で あったことから30個以上はあるものと考えら れる。そうすると,1果実あたりの種子数の 平均値が10個たらずであることは,胚珠レベ

ルの受粉率はかなり低いと考えられる。1粒

種子畳も重さにかなり幅がある。そのため, 中身が入っていない種子がかなりあるのかも しれない。また発芽能力についても不明であ る。 寒霞渓のショウドシマレンギョウ生育地で は,調査期間中にショウドシマレンギョウの 若い芽生えと思われるものはまったく確認で きなかった。果実や種子ができていても種子 にはとんど発芽能力がないのか,発芽能力が あるが,集塊岩地帯で乾燥するという環境条 件が芽生えの定着を拒んでいるのか,発芽実 験等を含めた今後の研究で明らかにしていく 必要がある。 引用文献

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参照

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