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移動通信システムにおける分散情報配信法-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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移動通信システムにおける分散情報配信法

Distributed Information Delivery Method for Mobile Communications

久 保 茂 靖 生 越 重 章

S. Kubo S. Ogose

(香川大学)

1.まえがき 通信・放送融合システムにおける情報配信法が提案されている[1] しかしながら,この方法では,大容量コンテンツの入手にはマルチ キャストを利用するため,リアルタイム性の低い通信となる.リア ルタイム性を追及するとユニキャストが有効となるが,大容量デー タコンテンツ配信においては,ダウンロード時間が問題となる. 本稿では,この問題を解決するため,各受信端末の余剰メモリを活用 し,アドホックネットワークを用いて希望コンテンツを分散配信する方法 を提案する. 2.分散情報配信法 図1に分散情報配信法の概念を示す.コンテンツ配信手順は以下 のとおりである.なお,ユーザは主にマルチキャストを用いてデー タコンテンツが配信されているものとする.(データコンテンツは 複数ブロックから構成されている) 【第 1 ステップ】 (1) M1は,近傍のアシストユーザとアドホックネットワークを形 成する. (2) M1はデータコンテンツを分割し,アドホックネットワークを 介してアシストユーザに配信し,アシストユーザはそのデー タを余剰メモリに記憶する. 【第 2 ステップ】 (1) M2が,M 1と同じデータコンテンツの配信要求を発出する. (2) M 2の近傍に,第 1 ステップにおける分割データを保有するア シストユーザの有無を確認し,もしいれば,アドホックネッ トワークを介して当該データを入手する. (3) M2は,データコンテンツの不足分の配信要求を通信基地局に 対して送出し,ユニキャストで入手する. 3.ダウンロード時間の評価 【第 1 ステップ】 M1がアシストユーザに,データ容量Cを分割数dで分割したデー タコンテンツを,アドホックネットワーク(伝送速度Rad)で配信 に要する時間は次式で与えられる. ad R d i C T1= ここで,i (i = 1,2,・・・,d)はダウンロードできる情報数である.アシ ストユーザ数n が d 以上の場合,i = d となる. 【第 2 ステップ】 M2がnからiad個(iad = 0,1,・・・,d)の分割情報をダウンロードできる 確率Pad(n, iad,d)は次式で与えられる. r n m p r m p r C n d , ad i n, α p d , ad i n, ad P ( )= ( ) ( ) (1− ) − ここで,pmは第1ステップのアシストユーザが他セルへ移動する確 率である.また,pα(n, iad ,d)は,M2と同じセルにいるアシストユー ザ数rから,iad個の分割情報をダウンロードできる確率である.M2が 不足分のデータコンテンツ数iu (iu = d- iad)をユニキャストリンク(伝 送速度Ru)でダウンロードする確率は次式で与えられる. ) ( 1 ) (n,iu,d Pad n,iad,d u P = − また,ダウンロード時間Tad(n, iad,d)とTu(n, iu,d)は次式で表される. ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( u dR C u i d , u i n, u P d , u i n, u T ad dR C ad i d , ad i n, ad P d , ad i n, ad T = = ただし, ) ( )} 0 {1 ) 0 ( ) ( )} 0 ( {1 ) 0 ( u dR dC d , (n, u P d , n, u T ad dR dC d , n, ad P d , n, ad T − = − = よって,合計ダウンロード時間は次式で与えられる. 1 0 ) ( 0 ) ( ) ( 2 + ∑ = − + ∑ = = d d u i d , u i d n, u T d ad i d , ad i n, ad T d i, n, T 3 x 3 の正方形セル,Rad /Ru = 10 における第 1,2 ステップにおけ るダウンロード時間の合計を求めた.計算結果を図 2 に示す.ダウ ンロード時間はRuで規格化している.n = 0 の場合はすべての情報 をユニキャストでダウンロードした値である.nとdを同時に増加さ せた場合と,dを固定しnを増加させた場合の特性を示す.dを増加 させると,1 ユーザあたりのメモリ容量の負担を軽減させることが でき,ダウンロード時間も短縮できる.nおよびdを大きくしたとき の規格化ダウンロード時間はおよそ 0.6 に収束し,移動通信システ ムにおけるユニキャスト方式と比較して 40 % 改善される.コン テンツのファイルサイズが大きいときには効果が高い. 4.あとがき 大容量デジタルコンテンツを効率的にダウンロードするための 分散情報配信法について述べた.今後は,ユーザの移動や通信・放 送融合システムにおけるマルチキャストの利用を考慮に入れた検 討を行なう. 参考文献

[1] M. Nishi et.al, ICMU2004, pp.204-209, Jan. 2004. Internet

Broadcasting Station (Multicast) Communication Base Station

(Unicast) M 2 M1 図 1 分散情報配信法の概念 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 アシストユーザ数, n R u で 規 格化し た ダ ウ ン ロ ー ド 時間 n = d d = 1 d = 2 d = 3 d = 4 d = 5 図 2 アシストユーザ数とダウンロード時間の関係

2006 年 電子情報通信学会総合大会

372

B-5-20

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