緒 言 代表的な乳化食品としてマヨネーズ及びバター等の乳製 品が挙げられる。マヨネーズは卵黄に約 10%含まれる卵黄 レシチンにより乳化しており,乳製品は牛乳に含まれるカ ゼインをはじめ,可溶性タンパク質等の乳化力を利用した 食品である1)。 しょうゆの乳化力に関しても,既にいくつかの報告があ る。 小野ら2,3)は,粉末しょうゆと綿実油の混合物を長時間静 置すると,両者の分離界面に相互に溶解したような連続層 が生成することを見出した。この現象は乳化の 1 種である 可溶化現象であることを確認している2-4)。また,しょうゆ 成分のうち,糖と窒素成分に着目し,糖のモデルとして 「スクロース」,窒素成分のモデルとして「ポリペプトン」 の油脂可溶化力を調べたところ,各々単独における可溶化 力は僅かであったが,両者の混合溶液では可溶化力が著し く増加したことを確認している2,5,6)。 更に,松田ら7)は,しょうゆ中の色度と油脂の乳化力の 間に関係があること,および乳化力に関わる原因物質は高 分子多糖類であることを報告している。 今回,筆者らは,しょうゆと糖が加熱反応する際に生成 する色の成分,メラノイジンに着目して油脂の乳化作用の 検証を行ったので報告する。 * キッコーマン食品株式会社 商品開発本部
(Kikkoman Food Products Company Product Development Division) ** キッコーマン食品株式会社 加工用営業本部
(Kikkoman Food Products Company Industrial Sales Division)
§ 連絡先 キッコーマン食品株式会社 商品開発本部 加工食品・酒類調
味料開発部
〒 278-0037 千葉県野田市野田 399 TEL 04(7123)5502 FAX 04(7123)5502
しょうゆと糖の加熱反応物による乳化作用について
Emulsification Intensity of Glucose Supplemented Soy Sauce by Heating
高 田 優 子*
§鈴 木 宗 治** 内 田 孝 雄* 三 枝 維 彦*
Yuko Takata Soji Suzuki Takao Uchida Tsunahiko Saigusa
We found that the degree of the color (Abs. 430 nm) was correlated with the intensity of emulsification in com-mercial soy sauce. Heating the glucose supplemented soy sauce at 75℃ increased its degree of color (Abs. 430 nm) and also the intensity of emulsification as the heating time was increased. Next, We then investigated the intensity of emulsification of 20 kinds of melanoidin derived from heated mixtures of glucose and 20 amino acids. The alanine-, glycine-, and threonine-glucose melanoidins were found to have a stronger intensity of emulsification among the 20 kinds of melanoidin. These results suggest that the melanoidins derived from these three amino acids might be one of the factors responsible for the stronger emulsification intensity of soy sauce.
キーワード: 乳化 emulsion;メイラード反応 Maillard reaction;褐色色素 melanoidin;しょうゆ soy souce;
アミノ酸 amino acid;糖 glucose 実験方法 1. 実験に供した市販しょうゆ 色度の異なる関東のしょうゆ 5 検体(こいくちしょう ゆ,うすくちしょうゆ,しろしょうゆ,たまりしょうゆ, さいしこみしょうゆ)に加え,中部地方のしょうゆ 1 検体 (たまりしょうゆ),九州地方のしょうゆ 6 検体(こいくち しょうゆ),中華人民共和国のしょうゆ 3 検体(老抽 : 濃口 醤油生抽にカラメルを加え色付けした醤油),計 15 検体を 用いた。 2. 市販しょうゆの基本成分の分析 各々のしょうゆの塩分%(w/v),総窒素量(TN)% (w/v),可溶性固形分量%,pH,色の濃さを測定した。塩 分の測定は電位差摘定法,総窒素量はケルダール法,可溶 性固形分量はデジタル屈折計(DBX-85,アタゴ),pH は pH メーター(HM-30G56 東亜ディーケーケー),色の濃さ は分光光度計(U-3300,日立ハイテク)を用いて 430 nm の吸光度を測定し,その値に希釈率を乗じて算出した。 3. 市販しょうゆの乳化力の測定 各々のしょうゆ 35 g に食用油脂(パナセート 810:日本 油脂株式会)15 g を加え,ハンドミキサー(50/60 Hz) (株式会社ビジュ)にて 1 分間攪拌した後,30℃,12 時間 放置後の性状を目視で観察した。更に,その乳化物をリン 酸緩衝液(pH 6.8)にて適宜希釈し,コロナ濁度計(日立 社製)にてカオリンを指標として濁度(ppm)を測定し, 乳化力の指標とした。この方法は,Pearce and Kinsella の 方法8)を応用したものである。それは,油脂が細かく安定 に乳化分散していると,濁度が高い値を示すので,濁度を 乳化安定性の指標とみなすことができる。
4. 「こいくちしょうゆ」 の加熱反応物の生成条件 こいくちしょうゆを 72℃,145 rpm
振盪培養器(BR-13FM, TAITEC)の条件で 0~100 時間加熱反応した。 5. 「こいくちしょうゆ」と糖の加熱反応物の生成条件 窒素含量の高いこいくちしょうゆ(塩分 15.1%(w/v), 総窒素量 2%(w/v),41.5%,pH 4.69,色(430 nm の吸 光度)36.8)50 g にぶどう糖(和光純薬:特級)50 g を混 合し,72℃,145 rpm(BioShaker BR-13FM (TAITEC)) の条件で,96 時間加熱反応した。 6. アミノ酸と糖の加熱反応物の生成条件 タンパク質を構成する 20 種類のアミノ酸 5 g,ぶどう糖 50 g,水 45 g を 72℃,145 rpm(BioShaker BR-13FM (TAITEC)),72 時間加熱反応させてアミノ酸と糖の加熱 反応物を得た。使用したアミノ酸を Table 1 に示した。 7. 「こいくちしょうゆ」の加熱反応物とアミノ酸と糖の加 熱反応物の乳化力の測定 前項 3. にて市販しょうゆの乳化力の測定方法を示した が,市販しょうゆの乳化力は弱いものと考え,しょうゆ 35 g に対して食用油脂を 15 g(油脂含有量 30%)乳化させた 際の乳化力を測定した。一方で,しょうゆと糖の加熱反応 物,または,アミノ酸と糖の加熱反応物市販しょうゆと比 較して乳化力が強いと考えた為,反応物 25 g に対して食用 油脂 25 g(油脂含有量 50%)を乳化させた際の乳化力を測 定した。目視観察,乳化力の測定は前項 3. と同じ方法で 行った。 8. アミノ酸の分析 しょうゆと糖の 72 時間加熱反応前後のアミノ酸分析は 0.02N 塩酸にて適宜希釈後,フィルター(0.45 μm Cellu-lose Acetate)処理したものをアミノ酸分析計 L-8800(日 立ハイテクフィールディング社製)を用いて行った。な お,加熱反応前と加熱反応後の各アミノ酸量の差を,加熱 反応時に消費されたアミノ酸量とみなした。また,加熱反 応前のアミノ酸量に対して,加熱反応時に消費されたアミ ノ酸量の割合を加熱反応時のアミノ酸利用率(%)とした。 結果及び考察 1. 市販しょうゆの性状及び乳化作用 今回の実験に用いたしょうゆの特徴を Table 2 に示した。 関東のしょうゆ 5 検体に関しては,たまりしょうゆ,さ いしこみしょうゆ,こいくちしょうゆ,うすくちしょう ゆ,しろしょうゆの順に色が濃く,同順で可溶性固形分も 高いという結果が得られた。 全窒素量は,たまりしょうゆ,こいくちしょうゆ,さい しこみしょうゆ,うすくちしょうゆ,しろしょうゆの順に 高く,pH はほとんど差がなかった。塩分濃度%はうすく ちしょうゆが最も高い値を示した。また,中部地方,九州 地方,中華人民共和国のしょうゆは色が濃く,可溶性固形 分が高い傾向であった。 関東のしょうゆ 5 検体の乳化性は,たまりしょうゆ,さ いしこみしょうゆ,こいくちしょうゆ,うすくちしょう ゆ,しろしょうゆの順で,実験者 2 名による目視の結果, 乳化状態が良好であり,乳化力もこの順であった。この順 序は色の濃さ及び可溶性固形分量とも一致していた。 また,中部地方,九州地方,中華人民共和国のしょうゆ に関しても,色が濃く,可溶性固形分量の高いしょうゆ が,目視における乳化状態が良好で,乳化力も高いことが Table 1. 20 kinds of amino acid
Glycine, Sodium L (+)-Aspartate Monohydrate, L-Alanine, L-Asparagine Monohydrate, L-Valine, L-Glutamic Acid, L-Leucine, L (+)-Glutamine, L (+)-Isoleucine, L-Lysine Hydrochloride,(-)- Proline, L (+)-Arginine, L-Serine, L-Histidine, L-Threonine, L (-)- Phenylalanine, L-Cysteine, L-Tyrosine, DL-Methionine, L-Tryptophan
Table 2. Characteristics of commercial soy sauce
Salt cocentration %(w/v) Total nitrogen concentration %(w/v) Soluble solid content % pH Color (Abs. 430 nm× dilution rate) Intensity of emulsification (Turbidity (ppm)) Kanto region (A 社) Koikuchi 16.2 1.6 35.6 4.7 11 147 Usukuchi 18.5 1.2 34.5 4.8 5 67 Shiro 17.5 0.5 27.9 4.6 1 48 Tamari 17.0 2.6 45.0 4.8 58 397 Saishikomi 16.9 1.5 41.3 4.9 19 225 Kyushu region B 社 16.2 1.5 38.4 5.0 58 2740 C 社 15.3 2.1 52.3 5.0 63 8780 D 社 15.2 1.7 42.9 4.8 40 7450 E 社 13.8 1.6 40.4 4.9 33 2430 E 社 15.0 1.6 36.5 4.9 17 1900 F 社 13.4 2.0 50.2 4.7 70 36600 Chubu region G 社 14.7 2.7 49.9 4.9 49 11600 China H 社 19.4 1.2 54.0 4.3 324 62650 I 社 17.9 1.2 55.2 4.3 482 82550 J 社 14.3 0.2 39.7 4.3 42 13950
確認できた。
これらのしょうゆに関して,塩分量,全窒素量,可溶性 固形分,pH,色の濃さと,乳化力との相関性の程度を調べ た。その結果,相関係数(r)は,順次 0.32(Fig. 1-1), 0.15(Fig. 1-2),0.73(Fig. 1-3),0.69(Fig. 1-4),0.95 (Fig. 1-5)であった。これらから,乳化の安定性は色の濃
さと高い相関があることがわかった。
また,しょうゆの色の濃さはメラノイジンの量に起因し ていることから8-10),しょうゆ中に含まれるメラノイジンが 乳化力に関与していることが示唆される。
Fig. 1-1. Correlation between intensity of emulsification and salt
concentration in commercial soy sauce
Fig. 1-2. Correlation between intensity of emulsification and total
nitrogen concentration in commercial soy sauce
Fig. 1-3. Correlation between intensity of emulsification and soluble
solid content in commercial soy sauce
Fig. 1-4. Correlation between intensity of emulsification and pH in
commercial soy sauce
Fig. 1-5. Correlation between intensity of emulsification and color
in commercial soy sauce
2. 「こいくちしょうゆ」の加熱反応物の乳化性 アミノ酸と糖の反応はメイラード反応として知られてお り,メラノイジンが生成する10,11)。 そこで,「こいくちしょうゆ」を加熱反応させることによ り,色の濃さと乳化力がどのように変化するのかを調べた。 その結果,色の濃さは,加熱時間の経過とともに増加し た。また,乳化力は,60 時間までほとんど示さなかった が,その後は経時的に乳化力が増加した(Fig. 2)。乳化力 の生じる時間が松田ら7)の報告よりも遅い結果となった。 その違いは,松田らは乳化直後の乳化力を測定7)している Fig. 2. Change in intensity of emulsification and color in Koikuchi
が,一方で著者らは乳化後 30℃,12 時間放置して乳化安定 性を含めた乳化力を測定していることによるものと考える。 3. しょうゆと糖の加熱反応物による乳化作用 前項 2 でしょうゆを加熱することにより,色の濃さと乳 化力が増すことがわかったので,メラノイジン含有量が高 く,乳化力の強いしょうゆを作成するため,窒素含量の高 いこいくちしょうゆにぶどう糖を混合して加熱反応させた。 その結果,色の濃さは加熱時間の経過に伴い,比例的に 増加し,約 90 時間を境に減少した(Fig. 3)。この減少は, メラノイジンの生成が進むにつれてメラノイジンが高分子 化し,沈殿が生じたためと考えられる。一方,乳化力につ いては,40 時間を超えた頃から経時的に増加し,約 90 時 間で最高値に達した(Fig. 3)。したがって,メラノイジン が最も増加した時点で,油脂の乳化力が最も強くなったと いえる。 市販しょうゆでは,色の濃さと乳化力に相関があった が,一方でしょうゆの加熱反応物の乳化力は 60 時間まで, しょうゆと糖の加熱反応物の乳化力は 40 時間まで色の濃さ と相関していなかった。この結果の相違は実験方法 6.で 示した通り,実験系の違いによるものと考える。しょうゆ の加熱反応及び醤油と糖の加熱反応時間がそれぞれ 40 時間 及び 60 時間までは,メラノイジン生成がまだ初期段階で, 低分子のものが多く,乳化力が弱く,時間の経過と伴にメ ラノイジンが高分子化し,乳化力が増加したと考える。 4. アミノ酸と糖の加熱反応物による油脂の乳化作用 前項 3 でしょうゆ中のメラノイジンが油脂の乳化に強く 関与していることが示された。 そこで,どのようなアミノ酸から生成されるメラノイジ ンが油脂の乳化作用に関与しているかを調べる為,たんぱ く質を構成する 20 種のアミノ酸の各々をぶどう糖と加熱反 応させて,モデルメラノイジンを作成し,油脂の乳化力を 調べた。 グリシン,アラニン,スレオニンからなるモデルメラノ イジンに強い乳化力が,また,バリン,セリン,メチオニ ンに弱い乳化力が認められたが,その他のアミノ酸では, 乳化力がほとんど確認できなかった(Table 3)。 モデルメラノイジンの乳化力と色の濃さとの相関の程度 を Fig. 4 に示した。r が 0.36 であることから乳化力と色の 濃さには相関関係は認められなかった。 以上の結果から,メラノイジンの乳化力はアミノ酸の種 類によって大きく異なることが明らかになった。
Fig. 4. Correlation between intensity of emulsification and color in
20 kinds of modelmelanoidin
Table 3. The intensity of emulsification by 20 kinds of
mod-elmelanoidin Amino acid Intensity of emulsification (Turbidity (ppm)) Amino acid Intensity of emulsification (Turbidity (ppm))
Glycine 24800 Proline separated
Aspartate separated Arginine separated
Alanine 25800 Serine 15390
Asparagine separated Histidine separated
Valine 10015 Threonine 29850
Glutamic Acid separated Phenylalanine separated Leucine separated Cysteine separated Glutamine separated Tyrosine separated Isoleucine separated Methionine 10085
Lysine separated Tryptophan separated
5. しょうゆと糖を加熱反応させた際のアミノ酸量の変化 しょうゆと糖の 72 時間加熱反応前後のアミノ酸量を分析 し,どのアミノ酸が加熱反応で消費されているのかを調べ た。 その結果,乳化作用のあるモデルメラノイジンを生成し たグリシン,アラニン,スレオニン,バリン,セリン,メ チオニン,フェニルアラニンはそれぞれ,93%,75%, 86%,48%,89%,54%,80%が消費されていることが確 認できた。一方,他のアミノ酸に関しては,特にシステイ ン,リジン,アルギニン,ヒスチジンについては 100%消 費されていた(Table 4)。ただし,これらのアミノ酸から 生じるメラノイジンは乳化力にあまり関与していない可能 性が高い(Fig. 4)。以上より,乳化力の強いメラノイジン を生成するグリシン,アラニン,スレオニンがしょうゆ中 に存在することから,これらのアミノ酸より生成されたメ ラノイジンがしょうゆの乳化力に強く関与するものと推定 される。 しょうゆ中には,界面活性作用を有するタンパク質,ペ プチド,高分子多糖類等が存在しており,それらが乳化力 に寄与しているものと推察されている。本研究では,これ らの成分に加えて,数種のメラノイジンにも乳化力がある ことを確認した。しょうゆ中では,多くのアミノ酸及びペ プチドの混合物と単糖から高分子多糖類に至る多種類の糖 類との反応によりメラノイジンが生成されていると推定さ れるため,どのようなメラノイジンが乳化力に関与してい るかを特定するのは非常に難しい。しかし,本研究により グリシン,アラニン,スレオニンがしょうゆ中のメラノイ ジンの乳化力に関与していることが示唆された。 本研究において,しょうゆの色の濃さと乳化力に相関が あることがわかった。しかし,20 種のアミノ酸とグルコー スから生成されたモデルメラノイジンの色の濃さと乳化力 には相関が認められなかった。これは,アミノ酸の種類に よって生成されるメラノイジンの乳化力が異なるためであ る。しょうゆのように,大豆と小麦を原料にして製造され た,ある一定のアミノ酸組成を持った溶液では,色の濃さ と乳化力が相関するものと推定される。以上の結果,しょ うゆと糖の加熱反応物が油脂を安定的に乳化できることが 示されたことから,この技術を応用した新規の乳化食品の 開発が期待される。 文 献 1) 戸田義郎,門田則昭,加藤友治(1997),食品用乳化剤 ―基礎と応用―,光琳,東京,p. 11,p. 191,p. 283 2) 小野文夫(1980),蛋白質による新規被覆技術,日食工 誌,27,529-535 3) 小野文夫,青山康雄(1976),醤油成分による油脂可溶化 現象(第 1 報)可溶化条件の検討,日食工誌,23,306-310 4) 伊勢村寿三(1957),乳化と可溶化,油化学,6,399-404 5) 小野文夫,青山康雄(1977),醤油成分による油脂可溶化 現象(第 4 報)醤油エキス物溶液ならびにそのモデル系のミ セル形成,日食工誌,24,230-235 6) 小野文夫,青山康雄(1977),綿実油の可溶化に及ぼす 糖・タンパク混合溶液の影響,日食工誌,24,459-464 7) 松田康,上瀬弘和,佐藤正美,塚田陽二(1990),醤油の
Table 4. Change in amino acid composition in glucose-added soy sauce
before and after heating Amino acid Amino acid composition before heating (mg/ml) Amino acid composition after heating (mg/ml) Amino acid used in this reaction (mg/ml) Rate of utilization (%) Glycine 1.20 0.08 1.12 93 Alanine 3.79 0.93 2.86 75 Valine 2.67 1.38 1.29 48 Leucine 3.53 0.67 2.86 81 Isoleucine 2.31 0.66 1.65 72 Proline 2.68 2.21 0.47 17 Serine 2.25 0.25 2.00 89 Threonine 1.55 0.22 1.33 86 Cysteine 0.18 0.00 0.18 100 Methionine 0.71 0.32 0.38 54 Aspartate 0.98 0.23 0.75 77 Asparagine 0.00 0.00 0.00 0 Glutamic Acid 5.96 0.22 5.75 96 Glutamine 0.00 0.00 0.00 0 Lysine 2.46 0.00 2.46 100 Arginine 2.73 0.00 2.73 100 Histidine 0.83 0.00 0.83 100 Phenylalanine 2.17 0.43 1.74 80 Tyrosine 0.54 0.18 0.36 67 Tryptophan 0.00 0.00 0.00 0
成分と機能(第 3 報),醤油の乳化力に及ぼす高分子成分の 影響,日醤研,16,195-199
8) 岩崎俊行,高倉裕,吉浜義雄,平松順一,高橋康次郎,猪 飼勝重(2003),本みりんのラジカル消去活性と食品での抗 酸化性,醸協,98,861-868
9) Pearce, K. N. and Kinsella, J. E. (1978), Emulsifying prop-erties of proteins: evaluation of a turbidimetric technique, J. Agric. Food Chem., 26, 716-723
10) 五明紀春(2008),褐色色素メラノイジンの特性と機能, 日醤研,34,285-293 11) 花田朋美,中村アツコ(2004),アミノカルボニル反応に よる着色度の評価に対する測色計と色差計の利用と比較,東 京家政学院大紀,44,1-4 (平成 23 年 2 月 9 日受付,平成 23 年 10 月 12 日受理) 和文抄録 1. 市販醤油の油脂の乳化力を調べたところ,醤油の色(430 nm の吸光度 : メラノイジン量の指標)と油脂の乳化力に相 関関係があることを確認した。 2. 醤油にぶどう糖を加えて加熱反応させたところ,加熱時間とともに色(430 nm の吸光度)が増加し,更に強い油脂の 乳化力を持つようになった。 3. 20 種のアミノ酸とぶどう糖を加熱反応させ,モデルメラノイジンを作成し,各々の油脂の乳化力を調べたところ,ア ラニン,グリシン,スレオニンとブドウ糖のモデルメラノイジンに強い乳化力があることを確認した。これらのアミノ 酸から生成されたメラノイジンが醤油の乳化力に関与しているものと推定された。