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ホモロジーレンズ空間の 2 重分岐被覆となる S 上の曲面束

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Academic year: 2021

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(1)

ホモロジーレンズ空間の

2

重分岐被覆となる

S1

上 の曲面束

宮下 純平

広島大学大学院理学研究科博士課程前期数学専攻

2019 12 20

(2)

動機的問題

問題

どのような曲面束が S

3

2 重分岐被 覆になるか?

1

(3)

先行研究

定理[Fox(1972), Montesinos(1974) and Hirsh-Neumann(1975)]

g1のとき,Fg×S1 S3 2 重分岐被覆ではない.

注意

F0×S1 =S2×S12成分自明絡み目で分岐する S32 重分岐被覆 である.

定理[Ochiai-Takahashi(1982)]

任意の g >0 に対して,Heegaard genus 2(従ってS32 重分岐 被覆)となる Fg 束が存在する.

Heegaard genus 2T2 束の分類を与えた.

注意

g(M)2なら,MS32 重分岐被覆である.

(4)

曲面束

定義

Fg :種数 gの連結な有向閉曲面,ϕ:Fg Fg :向きを保つ同相写像 とするとき,以下の 3次元多様体

Mϕ:=Fg×[0,1]/(x,0)(ϕ(x),1)

ϕをモノドロミーとする S1 上の Fg 束(曲面束) と呼ぶ.

1

(5)

S3

2

重分岐被覆となる

S1

上の

T2

束の分類

定理[Sakuma(1981)]

S3 内の絡み目L T2 Mϕ2 重分岐被覆に持つための必要十分条 件は,Lが次の形の絡み目 K(α, β) とイソトピックとなることである.

また,モノドロミー ϕA(α, β) :=

( 1 α β αβ1

) .

(6)

S3

2

重分岐被覆となる

S1

上の

T2

束の分類

[Sakuma]

T2 MϕS3 2重分岐被覆であるとき,

H1(Mϕ)=

{ZZ1Z|4αβ| ifα orβ is odd.

ZZ2Z|4αβ| 2

ifα andβ are even.

1

(7)

曲面束の

1

次元ホモロジー群

事実

MϕFg 束とするとき,

H1(Mϕ) = ZCoker(ϕ1 :H1(Fg)H1(Fg))

= Z ( 2g

i=1

Zni

)

, niN∪ {0}, ni|ni+1 (1i2g1).

ただし,Z0 =Z とみなす.

特に,g= 1のとき,

H1(Mϕ)=ZZn1 Zn2, n1 |n2.

[Sakuma]により,T2 =F1MϕS32 重分岐被覆であるなら,

ng =n1 = 1 or 2である.

(8)

S3

2

重分岐被覆となる

S1

上の曲面束のホモロジー による特徴付け

定理[Sakuma(1981)]

FgMϕがホモロジー S3 2 重分岐被覆であるなら,ng= 1 or 2 ある.

逆に,ni |ni+1,ng = 1 or 2を満たす任意の(n1, . . . , n2g)(N∪ {0})2g に対して,S3 2 重分岐被覆となるFgMϕ で次を満たすものが存在 する.

H1(Mϕ)=Z ( 2g

i=1

Zni

) .

1

(9)

問題

問題

S3 またはホモロジーS3L(p, q) またはホモロジーL(p, q) に変えると 何が言えるか?

ここで,3 次元多様体M ホモロジーレンズ空間 であるとは,

H(M;Z)=H(L(p, q);Z) が成立するときをいう.

(10)

L(p, q)

2

重分岐被覆となる

S1

上の

T2

束の分類

定理 1[Miyashita]

L(p, q) 内の絡み目LT2Mϕ2 重分岐被覆に持つための必要十 分条件は,L が次の形の絡み目K(p, q;α, β) とイソトピックとなること である.

また,モノドロミー ϕ A(p, q;α, β) :=

( r s p q

) ( 1 β 0 1

) ( q s p r

) ( 1 α 0 1

) . ただし,r, srqps=1 を満たす整数である.

1

(11)

定理

1

の十分性の証明

(12)

定理

1

の十分性の証明

2 重分岐被覆は次のようにして構成される.

1

(13)

L(p, q)

2

重分岐被覆となる

S1

上の

T2

束の分類

[Miyashita]

T2 =F1MϕL(p, q)2 重分岐被覆であり,

H1(Mϕ)=ZZn1 Zn2, n1 |n2. と表すとき,ng=n1|2p である.

注意

上の系の 逆 は(p, q) = (3,1)のときは不成立.実際,

H1(Mϕ)=

ZZ1Z3k k6≡0 mod 3 ZZ2Z6k k6≡0 mod 3 ZZ3Z3k k is arbitrary.

ZZ6Z6k k is arbitrary.

(14)

結果

簡単のため,p:odd primeとする.

予想

FgMϕがホモロジー L(p, q)2 重分岐被覆であるなら,ng |2p で ある.

注意

ng |2p であることは次と同値である.

(i) k: odd prime s.t. k6=p = k/n| g, (ii) 4/n| g,

(iii) p2/n| g.

定理 2[Miyashita]

上において (i),(ii)が成立する.

1

(15)

定理

2 (i)

の証明

観察

(i) は次と同値である.

k: odd prime s.t. k6=p = dim(H1(Mϕ;Zk))g+ 1.

観察内の主張の証明には次の補題を用いる.

補題

k:p とは異なる奇素数,

N : homologyL(p,),M :N2 重分岐被覆,

h:M M :被覆変換

= 次の (1),(2)が成立する.

(1) 1 +h∗i= 0 :Hi(M;Zk)Hi(M;Zk) if i= 1, 2.

(2) ∀x, yH2(M;Zk),int(x, y) = 0H1(M;Zk).

(16)

補題

(1)

の証明

π :M N を射影,τ:C(N)C(M) transfer とするとき,

Hi(M;Zk) 1+h∗i //

π∗i

''

Hi(M;Zk)

Hi(N;Zk)

τ∗i

77

. i= 1,2 のとき,Hi(N;Zk) = 0 だから,

1 +h∗i = 0 :Hi(M;Zk)Hi(M;Zk) が従う.

注意

transfer とは,次で定義される鎖準同型写像 τ:C(N)C(M) のこ とである.

C(N)3σ 7→π1(σ) = ˜σ+h(˜σ)C(M).

1

(17)

補題

(2)

の証明

任意に x, yH2(M;Zk) をとる.このとき,次の等式が成り立つ.

int(x, y) = int(x,y)

= int(h2(x), h∗2(y))

= h∗1(int(x, y))

= int(x, y).

gcd(2, k) = 1 だから,int(x, y) = 0H1(M;Zk)が従う.

(18)

定理

2 (i)

の証明

背理法で示す.dim(H1(Mϕ;Zk))g+ 2と仮定して矛盾を導く.

背理法の仮定により,dim(Coker(ϕ1))g+ 1である.

次元公式により,

dim(Im(ϕ1))g1 dim(Ker(ϕ1))g+ 1 であることが分かる.

1

(19)

定理

2 (i)

の証明

η :H1(Fg;Zk)Coker(ϕ1)H1(Mϕ;Zk) を自然な射影とする.こ のとき,

η(Ker(ϕ1))= Ker(ϕ1)/(Ker(ϕ1)Im(ϕ1)) なので

dim(η(Ker(ϕ1))) dim(Ker(ϕ1))dim(Im(ϕ1))

(g+ 1)(g1) = 2

が得られる.よって,次の 2条件を満たす zZ1(Fg;Zk) が存在する.

[z]Ker(ϕ1)H1(Fg;Zk), ord(η([z])) =k.

ここで,[(ϕ#1)(z)] = (ϕ1)([z]) = 0H1(Fg;Zk) なので,

∂c= (ϕ#1)(z)Z1(Fg;Zk) となるcC2(Fg;Zk)が存在する.

(20)

定理

2 (i)

の証明

ˆ

z:=z×[0,1]ϕ1(c)×0C2(Mϕ;Zk) で定義する.このとき,

zˆ = ∂(z×[0,1]ϕ#1(c)×0)

= ∂z×[0,1] + (1)(z×∂([0,1]))ϕ#1(∂c)×0

= z×0z×1ϕ−1# (∂c)×0

= z×0ϕ#1(z)×0ϕ#1(∂c)×0

= (zϕ#1(z)ϕ#1(∂c))×0

= (zϕ#1(z)ϕ#1((ϕ#1)(z)))×0

= 0

より,zˆZ2(Mϕ;Zk) である.よって,z]H2(Mϕ;Zk) が定義できる.

1

(21)

定理

2 (i)

の証明

[Fg] := [Fg× 12]H2(Mϕ;Zk) とする.このとき,

int([ˆz],[Fg]) =η([z]) であることが分かる.補題 (2)により,

η([z]) = int([ˆz],[Fg]) = 0H1(Mϕ;Zk) となるが,これは ord(η([z])) =kであることに矛盾する.

よって,dim(H1(Mϕ;Zk))g+ 1が得られた.

(22)

ご清聴ありがとうございました.

1

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